JPH09128011A - モデル予測制御方法 - Google Patents

モデル予測制御方法

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JPH09128011A
JPH09128011A JP28423795A JP28423795A JPH09128011A JP H09128011 A JPH09128011 A JP H09128011A JP 28423795 A JP28423795 A JP 28423795A JP 28423795 A JP28423795 A JP 28423795A JP H09128011 A JPH09128011 A JP H09128011A
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JP28423795A
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Masami Takano
正心 高野
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より高度な制御性能を実現するとともに、制
御量の過渡特性をより効果的に改善することの可能なモ
デル予測制御系を構成することを目的とする。 【解決手段】 設定値への追従を必要とする出力に関し
てはこれを実現し、その他の出力に関しては応答性の調
整を可能とし、複数の制御量を有し、これらが、制御目
的として設定値への追従が要求される制御量における制
御偏差未来値の大きさと、過渡特性または安定性の改善
が要求される制御量における変化量の未来値の大きさ
と、現時刻以後の操作量の変化量の大きさの加重和を評
価関数とし、それらを、最小化する現時刻以後の操作量
の変化量を制御対象の動特性モデルより導出した予測式
に基づく最適化計算により求め、その内の現時刻の操作
量に加算して現時刻の操作量を算出し、評価関数におけ
る重みの値により制御系の応答性を調整するようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モデル予測制御方
法に関し、より詳細には従来のモデル予測制御で、制御
量の数と操作量の数の制約により効果的な制御の実現が
困難な制御対象、および過渡特性の調整の困難さのため
に十分な制御性能が実現できない制御対象の制御を可能
とするモデル予測制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PID(比例・積分・微分)制御
などの簡単な制御方式では不可能な高度な制御性能の実
現の手段としては、例えば、「モデル制御の現状」(山
辺著:計装技術会議資料,1989年)および「Generalized
Predictive Control-PartIThe Basic Algorithm 」(Au
tomatica,Vol.23,No.2,p.137-148,1987年) に示されて
いるような、モデル予測制御がプロセス制御の分野を中
心に実用に供されている。
【0003】前述のモデル予測制御は、制御対象の動特
性モデルに基づき入出力変数の未来値に関し最適化計算
を行って操作量を求める制御方式であるが、このような
モデル予測制御においては評価関数Jを後述する式
(1)のように定め、これによって最適化計算を行って
いた。
【0004】なお、以下において、制御量を予測ならび
に評価する時間区間を予測区間と呼び、操作量の最適化
の対象とする時間区間を操作区間と称する。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、r i 'は予測区間における設定値
の未来値を並べて構成するベクトル、y i 'は制御量 y
iの予測区間における予測値を並べて構成するベクト
ル、Δui ' は操作量の変化量の操作区間における未来
値を並べて構成するベクトル W eiは制御偏差の大きさに課す重み係数、w uiは操作量
変化量の大きさに課す重み係数、iは各変数番号、Ny
は制御量の数、Nu は操作量の数、である。
【0007】予測区間は現時刻以降の時間領域に設定
し、操作区間の始点は現時刻とし、操作区間以後は操作
量はホールドするものとする。記号|・|はノルム( つ
まり大きさ) を表し、ユークリッドノルムなどが用いら
れる。
【0008】制御系の応答は、予測区間と操作区間およ
び重み係数を適当な値に設定して調整する。あるいは、
操作量変化量の重み係数は0とし、外部から与えられた
設定値と現時刻の制御量との値に基づいて設定する内部
的な設定値(以下参照軌道と称する)の設定の仕方と予
測区間、操作区間および制御偏差の重み係数を適当に定
めることにより調整する。
【0009】特に過渡特性を改善したい場合には、式
(1)の第1項のノルムの評価において、例えば、「モ
デル予測制御システムMIPCON」(飯野、重政、山本著:
東芝レビュー,Vol.50,No.2,p.131-134,1995年) に示さ
れているように、現時刻寄りの時刻での偏差は大きく、
未来寄りの時刻での偏差は小さく重み付けする(例えば
指数関数型に未来方向へ減少させる)。
【0010】上述した従来のモデル予測制御方法では、
全ての制御量に関してサーボ系として機能する制御系が
構成される。従って出力の数よりも入力の数が少ない線
形系では、明らかに全ての出力を任意の値に収束させる
ことができないので、全出力を対象とするサーボ系は成
立しない。
【0011】このような制御対象にモデル予測制御方法
を適用するには次のような方法で制御系を構成する。 (1)制御量の数を入力の数以下として制御系を構成す
る。そのために残った出力はモデル予測制御には利用し
ない。 (2)入力の数よりも多くの数の出力を制御量としてモ
デル予測制御方法により制御系を構成するが、設定値へ
追従させる制御量の数は入力の数以下とし、残りの制御
量の制御偏差の重み係数を0(または十分小さい値)と
して事実上制御の対象外とする。 (3)入力の数よりも多くの出力を制御量とする。この
ため、定常偏差が生じるが、重視する制御量の偏差に対
する重み係数を大きく、そうでない制御量の偏差に対す
る重み係数を小さくすることにより、定常偏差の生じる
程度を割り振る。(これを限られた操作自由度の下での
最善な状態と考える。) しかしながら、上記(1)〜(3)の方法は、それぞれ
下記に示すような問題を有するものであった。すなわ
ち、前記(1)の方法は、制御対象の状態を反映した有
益な情報を切り捨て、制御量として選ばれた出力の検出
値のみに依存して制御を行う。従って、より多くの検出
値を有効に利用した場合に比べ、モデル化誤差や雑音な
どの影響を受けやすい。その結果、実システムにおいて
実現できる制御性能が制限される。また、調整の自由度
も制御量の数に応じて限られるので、より多くの検出値
を制御の対象として調整する場合に比べ、目的に適合し
た特性の実現が困難である。また、前記(2)の方法
は、検出可能な出力の情報を有効に利用する。従って、
前記(1)の方法よりは有利であるが、制御対象外とさ
れた出力の応答性を直接調整することはできない。設定
値への追従は要求しないが、その量の応答性を改善(振
動などの変動の抑制や、整定時間の短縮)することが制
御対象自体にとって重要であったり、制御系全体の応答
性の改善に効果を持つ場合、効果的な手段を提供するこ
とができない。前記(3)の方法は、オフセットフリー
の実現には不適当である。また、従来のモデル予測制御
における過渡特性の改善方法では、低周波モードに寄生
的に高周波の振動的なモードが加わっている場合には効
果が少ないという問題を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらの問題
に鑑みなされたもので、操作入力の数と検出出力の数に
かかわらず検出出力をフイードバック信号として有効に
利用し、設定値への追従を必要とする出力に関してはこ
れを実現し、その他の出力に関しては応答性の調整を可
能とし、より高度な制御性能を実現するモデル予測制御
系を構成することを目的とする。また、過渡状態におけ
る振動的な挙動に直接的に影響をおよぼす調整パラメー
タを持ち、制御量の過渡特性をより効果的に改善するこ
との可能なモデル予測制御系を構成することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本発明によるモデル予測制御方法によれば、すくな
くとも2以上の制御量を有し、前記制御量が、制御目的
として設定値への追従が要求される第1の制御量と、過
渡特性または安定性の改善が要求される第2の制御量に
分けられる制御系において、同制御系に、制御対象の動
特性モデルより導出した予測式により制御量予測値を求
める制御量予測手段を設け、前記第1の制御量の制御偏
差未来値の大きさと、前記第2の制御量の変化量の未来
値の大きさと、現時刻以後の操作量の変化量の大きさの
加重和と、を評価関数とし、同評価関数を最小化する現
時刻以後の操作量の変化量を前記予測式に基づいて最適
化計算により求める操作量変化量最適化手段を設け、前
記変化量を現時刻の操作量に加算して現時刻の操作量を
算出する操作量算出手段を設け、前記評価関数における
重みの値により前記制御系の応答性を調整するようにし
たことを特徴とする。また、制御系において、制御対象
の動特性モデルより導出した予測式に基づいて制御量予
測値を求める制御量予測手段を設け、これによる制御量
予測値に基づく制御偏差未来値の大きさと、前記制御量
予測値に基づく制御量変化量の未来値の大きさと、現時
刻以後の操作量の変化量の大きさの加重和と、を評価関
数とし、同評価関数を最小化する現時刻以後の操作量の
変化量を前記予測式に基づいて最適化計算により求める
操作量変化量最適化手段を設け、前記変化量を現時刻の
操作量に加算して現時刻の操作量を算出する操作量算出
手段を設け、前記評価関数における重みの値により前記
制御系の応答性を調整するようにしたことを特徴とす
る。さらに、前記制御量予測手段と操作量変化量最適化
手段との処理が一体となるように構成されていることを
特徴とする。
【0014】したがって、 (1)、制御対象の検出出力を定常偏差を生じずに設定
値に追従する必要がある出力と、その必要のない出力に
分ける。ただし、前者の数は操作入力の数以下とする。
そして、これらの入出力間の動的モデルを求め、それに
基き後述する式(2)の予想式を構成する。なお、シス
テムは全て離散時間系として取り扱う。
【0015】
【数2】
【0016】ここで、 YSRV =[ySRV.1 SRV.2 ・・・ ySRV.NsrvTREG =[yREG.1 REG.2 ・・・ yREG.NregT U=[u1 u2 ・・・ uNmanTsRV.i は定常偏差を生じずに設定値に追従させる出
力、yREG.i は前記以外の出力、ui は操作入力、i は
各入出力変数番号、Nsrv (≦Nman )は定常偏差を生
じずに設定値に追従させる出力の数、Nreg は前記以外
の出力の数、 Nmanは操作入力の数、YSRV * は未
来値の予測に必要なYSRV の現時刻の値と過去値を並べ
て構成するベクトル YREG * は未来値の予測に必要なYREG の現時刻の値と
過去値を並べて構成するベクトル ΔU* は未来値の予測に必要なUの変化量(当該時刻と
前時刻の値の差)の過去値を並べて構成したベクトル、
SRV , は予測区間内のYSRV の予測値を並べて構成す
るベクトル、ΔYREG , は予測区間内のYREG の変化量
の予測値を並べて構成するベクトル、ΔU ,はUの変化
量の操作区間内の未来値を並べて構成するベクトルを表
す。
【0017】GSRV 、GREG 、FSRV 、FREG は制御対
象のモデルに基づき定まる係数行列である。予測区間、
操作区間の定義は従来のモデル予測制御方法と同様であ
る。
【0018】評価関数Jを
【0019】
【数3】
【0020】ただし、YSRV.i ' はYSRV , の内のy
srv.i に対応する要素により構成するベクトル、ΔY
REG.i ' はΔYREG ' の内のyREG.iに対応する要素に
より構成するベクトル、Δui ' はΔU, の内のui
対応する要素により構成するベクトル、ri , はY
SRV.i ' に対応する設定値の未来値により構成するベク
トルとし、予測式(2)の関係のもとで、評価関数Jを
最小化するΔU ,を求め、その中の現時刻に対する値を
前ステップのUに加算して現時刻のUとして制御を実行
する。
【0021】式(3)における記号|・|は一般的なノ
ルムを表し、これをユークリッドノルムとした場合はΔ
, は最小2乗法または2次計画法に基づき計算され
る。YSRV を設定値に収束させ、ΔYREG を0に収束さ
せるという制御目的に適合していれば、その他のノルム
を採用しても良い。
【0022】wei、wyi、wUiは重み係数であり、これ
を変えることにより制御系の特性を調整する。 (2)、本発明による方法では、従来のモデル予測制御
で用いる予測式に予測出力の変化量の演算部を追加し、
次の予測式を構成する。
【0023】
【数4】
【0024】ここで、Y=〔y1 2 ・・・yNy
T 、U=〔u1 2 ・・・uNmanT 、yi は検出
出力(制御量)、ui は操作入力、iは入出力変数番
号、Nyは検出出力の数、 Nmanは操作入力の数、
* は未来値の予測に必要なYの現時刻の値と過去値を
並べて構成するベクトル、ΔU* は未来値の予測に必要
なUの変化量の過去値を並べて構成するベクトル、Y'
はYの予測区間内の予測値を並べて構成するベクトル、
ΔY, はYの変化量の予測区間内の予測値を並べて構成
するベクトル、ΔU, はUの変化量の操作区間内の未来
値を並べて構成するベクトルを表す。Gy 、Gd
y 、Fd は制御対象のモデルに基づき定まる係数行列
である。オフセットフリーの実現を必要とする場合は、
Ny≦Nmanとするが、必ずしもこれを要求しない場
合はNyとNmanの大小関係は制限しない。
【0025】ΔY' はY, の変化なので、従来のモデル
予測制御で用いるY ,のみの予測式は直ちに式(3)に
拡張できる。評価関数Jは
【0026】
【数5】
【0027】ただし、Yi ' はY, の内のyi に対応す
る要素により構成するベクトル、ΔYI , はΔY, の内
のyi に対応する要素により構成するベクトル、Δui
, はΔU, の内のui に対応する要素により構成するベ
クトル、ri , はYi , に対応する設定値の未来値によ
り構成するベクトルとする。
【0028】以下は式(1)と同様であり、重み係数行
列wei、wdi、wuiの設定により制御系の特性を調整す
る。 (1)、上記のように構成したので、前式(2)と式
(3)より、評価関数Jは次のように表せる。
【0029】
【数6】
【0030】ただし、YSRV.i* ' 、ΔYREG.i* ' は式
(2)の第2項によるYSRV.i ' とΔY REG.i ' の既定
成分であり、GSRV.i とGREG.i は、それぞれGSRV
REG のYSRV.i ' 、ΔYREG.i ' に対応した行をとり
だした行ベクトルである。
【0031】式(6)より、全てのiにおいて、 ri ' − YSRV.i* ' =0 、 ΔYREG.i* ' =0 (7) となった時 ΔU' =0 (8) が最適解であり、設定値一定のもとでこれが継続的に実
現したとき制御系は定常状態となる。
【0032】このとき、 ΔYREG * =0 ΔU* =0 (9) であり、YSRV * も定常的に保持され、前式(2)が観
測可能な線型モデルに基づいて構成されたものであれ
ば、入力の変更なしに定常状態が破られる予測値は求ま
らないので、全てのYSRV.i* ' の各要素は現在値と等し
い( 現在値と等しい値が算出される) 。
【0033】したがって、YSRV も設定値と一致した状
態が実現される。このことは外乱などにより定常値が影
響を受けているか否かにかかわらず成立し、式(6)が
成立するまでの過程において、Uにこれを相殺する成分
が付加されるまでΔUが算出される。従ってオフセット
は生じない。一方、YREG については定常値への収束が
実現する。
【0034】各々のwei、wyiは互いに独立に設定でき
るので、YSRV の設定値への収束性とは別にYREG の過
渡特性を調整することができる。こうして、YSRV に関
してはサーボ系として、YREG に関してはレギュレータ
系として機能するモデル予測制御系が構成され、それぞ
れの検出出力毎に設定される調整パラメータにより制御
系の応答が調整される制御系が構成される。
【0035】(2)、Yは式(1)のYSRV と同様に、
オフセットなしに設定値に収束する。一方、式(1)、
式(5)の右辺第1項は制御偏差の大きさを表してお
り、ベクトルY' の要素を時間経過に沿って並べたとき
の分布が滑らかであるか、振動的であるかはこの項の値
には直接影響しない。
【0036】そのため振動的であることをより大きく評
価関数に反映させる手段としてweiを大きくすることは
直接の効果を持たない。また、予測区間内での制御偏差
への重み付けを漸減させる方法を適用しても寄生的な振
動には効果は少ない。
【0037】このために、従来のモデル予測制御では、
過渡状態における制御量の挙動に振動的な成分が含まれ
ている場合に、これを重点的に抑制するような調整がで
きない。本発明で用いる評価関数(式(5))では第2
項として、 Σ(wdi・|ΔYi ' |) が含まれている。そのため、wdiの値を大きくすことに
より、Yi ' の変動をより強く制御するようにΔU '
算出される。従って、過渡状態における振動的な挙動を
抑制するよう直接的に調整することができる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施例を示すブ
ロック図で、1は、入力u1 、u2 、u3 により操作可
能な制御対象で、同制御対象1に対し、制御量予測手段
2と操作量変化量最適化手段3と操作量算出手段4を制
御装置上に実現し、モデル予測制御系を構成する。
【0039】前記制御対象1の検出出力y1 、y2 、y
3 、y4 、y5 のうち、y1 、y2、y3 は設定値
1 、r2 、r3 の変更に速やかに応答させ、これらに
対し偏差を生じずに収束させることを目的とする。
【0040】前記制御対象1の検出出力y1 、y2 、y
3 、y4 、y5 のうち、y4 、y5は変動が生じたと
き、これを速やかに抑制することを目的とする。このよ
うな検出出力y1 、y2 、y3 、y4 、y5 は制御量予
測手段2に与えられる。
【0041】制御量予測手段2では前記検出出力y1
2 、y3 、y4 、y5 の過去値および、操作量の変化
量Δu1 、Δu2 、Δu3 の過去値に基づく前記y1
2、y3 の予測値および、y4 、y5 の変化量Δ
4 、Δy5 の予測値既定分を算出して操作量変化量最
適化手段3に与える。
【0042】操作量変化量最適化手段3では以上により
得られたy1 、y2 、y3 およびΔy4 、Δy5 の予測
値既定分を後述する式(13)の評価関数に代入し、最
小2乗法のアルゴリズムを適用して操作量変化量の未来
値を求める。
【0043】操作量変化量最適化手段3の出力Δ
1 ' 、Δu2 ' 、Δu3 ' は操作量算出手段4に与え
られ、同操作量算出手段4で算出された出力u1
2 、u3 は制御対象1に与えられる。
【0044】制御量予測手段2で予測値既定分を算出す
るための演算は次の予測式(10)の第2項に基づいて
行う。
【0045】
【数7】
【0046】ここで、yi * は未来値の予測に必要なy
i の現時刻の値と過去値を並べて構成するベクトル、Δ
i * は未来値の予測に必要なui の変化量( 当該時刻
と前時刻の値の差)の過去値を並べて構成するベクト
ル、yi ' は予測区間内のyi の予測値を並べて構成す
るベクトル、Δyi ' は予測区間内のyi の変化量の予
測値を並べて構成するベクトル、Δui ' はui の変化
量の操作区間内の未来( 現時刻を含む) 値を並べて構成
するベクトル、i は入出力変数番号を表す。G1
2 、G3 、G4 、G5 、F1 、F2 、F3 、F4 、F
5 は後述するように制御対象のモデルに基づき定まる定
数行列である。予測区間および操作区間は後述の評価関
数の重みと同様にシミュレーションによる調整により設
定する。
【0047】前記予測式(10)は、例えば、下記の式
(11)のように制御対象のCARIMAモデルを構成
し、これに基づき従来のモデル予測制御の一方法である
一般化予測制御の場合と同様にDiophantine 方式の解を
用いて導出する。即ち、 A(z-1) Y(k) =B(z-1) U(k−1)+C(z-1) ξ(K) /Δ (11) ただし、上式において、 A(z-1) =I+A1z -1 +A2z-2+・・・+Anaz -na 、 B(z-1) =B0 +B1z -1 +B2z-2+・・・+Bnbz -nb 、 Y(k) =[y1(k) y2(k) y3(k) y4(k) y5(k) ]T 、 U(k) =[u1(k) u2(k) u3(k) ]T ξ(k) 外乱 、(z-1) は1 ステップ遅延演算子、Δは差
分演算子( =1 − z -1) kは時間ステップ、Iは単位行列とし、
【0048】
【数8】
【0049】I3 は3行3列の単位行列 I2 は2行2列の単位行列 とする。
【0050】操作量変化量最適化手段3では、以上によ
り得られたy1 、y2 、y3 およびΔy4 、Δy5 の予
測値既定分を下記の式(13)の評価関数Jに代入し、
最小2乗法のアルゴリズムを適用して操作量変化量の未
来値ΔU 'を求める。
【0051】 J=we1{r1 ' −(y1* ' +G1 ・ΔU' )}2 +we2{r2 ' −(y2* ' +G2 ・ΔU' ) }2 +we3{r3 ' −(y3* ' +G3 ・ΔU' ) }2 +wy1( Δy4* ' +G4 ・ΔU' 2 +wy2( Δy5* ' +G5 ・ΔU' 2 +wu2・( Δu1 ' 2 +wu2・( Δu2 ' 2 +wu3・( Δu3 ' 2 (13) ここで、ri ' は yi に対する予測区間内の設定値未
来値をyi ' に対応させて並べて構成するベクトル、y
i* ' 、Δyi* ' は制御量予測手段2 で予測式(10)の
第2項により求めた予測区間内の予測値既定分を並べて
構成するベクトル、を表し、 ΔU '=[Δu1 'TΔu2 'TΔu3 'TT である。
【0052】重みw e1 、w e2 、w e3 、w y1 、w
y2 、w U1 、w U2 、w U3 はシミュレーションを行
って調整する。操作算出手段4では、ΔU' の中の現時
刻分を前ステップのu1 、u2 、u3に加算し、現時刻
におけるu1 、u2 、u3 を算出する。これを制御対象
1に与える。
【0053】なお、制御量予測手段2と操作量変化量最
適化手段3は一体化して実現してもよい。上記の実施例
を具体的な制御対象に適用した場合のシミュレーション
結果を以下に示す。図3はセメント焼成工程を示す。こ
の中のセメントキルンを制御対象とし、キルンへ供給す
る燃料流量FUELきキルン駆動電動機の回転数MOR
TORを操作量とし、キルン内の焼点温度T1と窯尻温
度T2、およびキルン電力KILN−PWを制御量とす
る。ここで、T1とT2は設定値変更や外乱が加わって
も速やかに設定値に偏差なく収束することが求められて
おり、KILN−PWについては特に設定値は与えられ
ないが、変動の抑制が求められているものとする。図4
は前記制御対象にモデル予測制御を適用して構成する制
御系のブロック線図を示す。操作量はFUELとMOR
TORのみで、制御量はT1とT2およびKILN−P
Wでり、操作量の数は2、制御量の数は3である。この
ため、全ての制御量を任意の設定値に収束させることは
不可能である。従来のモデル予測制御では、全ての制御
量に対しサーボ系が構成されるので、同図に示すように
便宜的にKILN−PWにも設定値を与える。その上で
各制御量の過渡特性と定常偏差を適当に調整する。図5
はこうして得た制御系における各制御量の応答グラフを
示す。同図では初期値を0とし、T2の設定値のみを0
から1にステップ状に変化させたときの応答を示してい
るが、T1に大きな定常偏差(オフセット)が生じてい
る。もちろん、T1に関する重みを大きくすれば、この
定常値偏差値は小さくできるが、逆にT2の定常偏差が
大きくなり、KILN−PWの応答特性が劣化するた
め、全体として良好な応答特性を実現することは困難で
ある。一方、図6は本発明によりT1とT2に関しては
サーボ系として機能し、KILN−PWについてはレギ
ュレータ系として働く制御系を構成し、図5と同じ条件
のシミュレーションを行った結果を示す。T1,T2い
ずれも偏差なく設定値に収束している。また、KILN
−PWの応答性の劣化も僅かである。さらにKILN−
PWの変動を抑制するような調整を行ってもT1とT2
に関してはサーボ系が構成されているので、これらに定
常偏差が生じることはない。こうして前述の要求をより
効果的に満たす制御が実現できる。
【0054】第2図は、請求項2の実施例を示すもの
で、前記制御量予測手段2では下記の予測式(14)の
第2項に基づいてy、Δyの予測値既定分を算出する。
【0055】
【数9】
【0056】ここで、yは検出出力( 制御量) uは操作入力 y* は未来値の予測値に必要なyの現時刻の値と過去値
を並べて構成するベクトル Δu* は未来値の予測に必要なuの変化量( 当該時刻と
前時刻の値の差)の過去値を並べて構成するベクトル、
' は予測区間内のyの予測値を並べて構成するベクト
ル、Δy' は予測区間内のyの変化量の予測値を並べて
構成するベクトル、Δu' はuの変化量の操作区間の未
来( 現時刻を含む) 値を並べて構成するベクトル、を表
す。Gy 、Fy は制御対象のCARIMAモデルに基づ
き従来の一般化予測制御の場合と同様の方法で定める定
数行列である。Gd はGy の当該時刻値に対応する行と
1ステップ前の時刻に対応する行の差をGd の当該時刻
の行として構成する。
【0057】ただし、現時刻の直後の時刻に対応する行
はGy の当該時刻に対応する行と等しくする。Fd はF
y の当該時刻値に対応する行と1ステップ前の時刻に対
応する行の差をFd の当該時刻の行として構成する。た
だし、現時刻の直後の時刻に対応する行はy* と乗算し
たときy* の現時刻に対応する要素と乗算される要素の
み1、その他を0とする行ベクトルを作り、これをFy
の現時刻の直後の時刻の直後の時刻に対応する行より減
ずることにより得る。
【0058】操作量変化量最適化手段3では、以上によ
りえられたy、Δyの予測値既定分を下記の式(15)
に示す評価関数Jに代入し、最小2乗法のアルゴリズム
を適用して操作量変化量の未来値Δu 'を求める。
【0059】 J=we {r’−(y* ' +Gy ・Δu’)}2 +wd (Δy* ' +Gd ・Δu’)2 +wu ・(Δu’)2 (15) ここで、r' は予測区間内の設定値未来値をy 'に対応
させて並べて構成するベクトル、y* ' 、Δy* ' は制
御量予測手段2 で予測式(14)の第2項により求めた
予測区間内の予測値既定分を並べて構成するベクトル、
である。
【0060】重みwe 、wd 、wU はシミュレーション
を行って調整しておく。操作量算出手段4では、Δu'
の中の現時刻分を前ステップにおけるuに加算し、現時
刻におけるuとし、これを制御対象1に与える。
【0061】なお、制御量予測手段2と操作量変換量最
適化手段3の処理は一体化して実現してもよい。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によるモデル予測
制御方法によれば、操作入力の数以下の数の検出出力に
関してはサーボ系として機能し、残りの検出出力に関し
てはレギュレータ系として機能するモデル予測制御系を
構成することにより、操作入力の数にかかわらず、多く
の検出出力を有効に利用し、制御系全体の応答性の調整
の自由度のより大きい制御系を構成するとともに、効果
的な制御目的を達成することを可能とし、また、制御量
の変動に直接影響を及ぼす調整パラメータを持つ制御系
を構成することにより、過渡状態における変動を効果的
に抑制する制御の実現を可能としたのでその効果は多大
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモデル予測制御方法の一実施例を
説明するブロック図である。
【図2】本発明によるモデル予測制御方法の他の実施例
を説明するブロック図である。
【図3】本発明によるモデル予測制御方法の一実施例の
用役プラントの構成を説明する図である。
【図4】本発明によるモデル予測制御方法の一実施例の
モデル予測制御系の構成を説明するブロック図である。
【図5】従来のモデル予測制御方法の一実施例の制御応
答を説明する図である。
【図6】本発明によるモデル予測制御方法の一実施例の
制御応答を説明する図である。
【符号の説明】
1 制御対象 2 制御量予測手段 3 操作量変化量最適化手段 4 操作量算出手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すくなくとも2以上の制御量を有し、前
    記制御量が、制御目的として設定値への追従が要求され
    る第1の制御量と、過渡特性または安定性の改善が要求
    される第2の制御量に分けられる制御系において、同制
    御系に、制御対象の動特性モデルより導出した予測式に
    基づいて制御量予測値を求める制御量予測手段を設け、
    前記第1の制御量の制御偏差未来値の大きさと、前記第
    2の制御量の変化量の未来値の大きさと、現時刻以後の
    操作量の変化量の大きさの加重和と、を評価関数とし、
    同評価関数を最小化する現時刻以後の操作量の変化量を
    前記予測式に基づいて最適化計算により求める操作量変
    化量最適化手段を設け、前記変化量を現時刻の操作量に
    加算して現時刻の操作量を算出する操作量算出手段を設
    け、前記評価関数における重みの値により前記制御系の
    応答性を調整するようにしたことを特徴とするモデル予
    測制御方法。
  2. 【請求項2】 制御対象の動特性モデルより導出した予
    測式に基づいて制御量予測値を求める制御量予測手段を
    設け、これによる制御量予測値に基づく制御偏差未来値
    の大きさと、前記制御量予測値に基づく制御量変化量の
    未来値の大きさと、現時刻以後の操作量の変化量の大き
    さの加重和と、を評価関数とし、同評価関数を最小化す
    る現時刻以後の操作量の変化量を前記予測式に基づいて
    最適化計算により求める操作量変化量最適化手段を設
    け、前記変化量を現時刻の操作量に加算して現時刻の操
    作量を算出する操作量算出手段を設け、前記評価関数に
    おける重みの値により前記制御系の応答性を調整するよ
    うにしたことを特徴とするモデル予測制御方法。
  3. 【請求項3】 前記制御量予測手段と操作量変化量最適
    化手段との処理が一体となるように構成されていること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載のモデル予測
    制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116590A1 (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Hitachi, Ltd. 運転制御方法,運転制御装置及び運転制御システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007116590A1 (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Hitachi, Ltd. 運転制御方法,運転制御装置及び運転制御システム
US8155763B2 (en) 2006-03-31 2012-04-10 Hitachi, Ltd. Operation control method, operation control device, and operation control system

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