JP3279078B2 - コントローラの制御定数決定方法 - Google Patents
コントローラの制御定数決定方法Info
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Description
ラント等のプロセスや電気、機械装置等の制御に用いら
れるコントローラを設計する場合において、その制御定
数(制御パラメータ)を設計者の仕様を満たすように決
定するための制御定数決定方法に関する。
ては次のようなものがある。まず、第1の方法は、「P
ID制御」(システム制御情報学会,pp.135〜1
44,1992年)に示されるように、線形の伝達関数
で表わされた1入力1出力の制御対象を有するPID制
御系において、数理計画手法を用いて数式1の評価関数
J0を最小とするようなPID制御定数(比例ゲイン、
積分時間、微分時間等)を決定する。なお、数式1にお
いて、r(t)は設定値、x(t)は制御量、βは負で
ない定数である。
(t)との偏差に、定常偏差が残らないようにする重み
係数exp(βt)を掛けた量の2乗をすべての時間に
ついて積分したものであり、この値は解析的に得られ
る。
いたPID制御器のパラメーター設計」(SICE第3
2回学術講演会予稿集,宇田川他,pp.839〜84
0,1993年)に示されるように、線形の伝達関数で
表わされた1入力1出力の制御対象を有するPID制御
系において、過去の経験に基づいて作られたルールベー
スに従って、設計者の与えたオーバーシュート、立ち上
がり時間等に関する定量的な仕様項目を満たすようなP
ID制御定数を決定する。
品群パンフレット」(住商エレクトロニクス株式会社,
1992年)に見られるように、図10に示す制御系に
対し、数式3に示す制約条件(例えばオーバーシュート
5%以下)を満たしながら、数式2の評価関数J0を最
小とするような補償器の制御定数P(1),P(2),
P(3),P(4)を制約付き非線形最適化手法(逐次
2次計画法)を適用して決定する。
定値、x(t)は制御量、Tはステップ応答シミュレー
ション時間である。なお、この方法が組み込まれている
ツールはもっと一般的であるが、具体的に示されている
例は上記文献のようなもののみである。
ptimization - Based ControllerDesign Tool」(Pro
c. Am Control Conf Reilly., Maryland Uni
v.,pp.990〜995,1991年)に示されるご
とく、第3の方法と同様に、制約付きの非線形最適化手
法を用いて一般の補償器の制御定数を決定する。なお、
図11はこの従来技術における制御対象及び補償器を示
すブロック図であり、G(s)が制御対象(プラント)
の伝達関数である。この従来技術では制御定数K1,K
2を、仕様を満たすように最適化している。
トレードオフを支援するために、仕様項目を硬制約(Ha
rd Constraint)及び軟制約(Soft Constraint)に分
け、更に、すべての仕様項目の仕様値についてそれぞれ
良好値と不良値とを設定する。各仕様項目について、良
好値は仕様値として設計者の満足できる値であり、不良
値は設計者の満足できない値である。このようにして、
硬制約については良好値を満たし、軟制約につては不良
値と良好値の間でできるだけ良好値に近づける制御定数
を決定する。
目のうち、オーバーシュートと立ち上がり時間のよう
に、一方を小さくしようとすると他方が大きくなってし
まうような相反する複数の仕様項目(制御特徴量)を対
象として、設計者が何れも過度に厳しい要求仕様を与え
た場合、解が存在しない場合が当然出てくる。一方、現
実問題として、制御系の設計において与えられる要求仕
様値としては、絶対に満足すべきものばかりでなく、目
標または目安として仕様値を与え、これにできるだけ近
付ければ良いという場合も多い。
対に満足させるべきものとそうでないものとの2種類に
分けることができるが、後者のような、目標に近付ける
という形の仕様に関しては、複数の仕様項目のうちのど
れを他のどれより優先するか、といった要求度の違いを
細かく考慮する必要がある。従って、コントローラの設
計に当たっては、上記の点を考慮して最適な制御定数を
決定することが要求される。
ぞれ次のような問題がある。まず、第1の方法では、設
計者の要求仕様を反映した制御定数を決定することがで
きない。第2の方法では、評価関数を用いていないた
め、最適性という視点が欠けており、仕様を満たす中で
最も良い制御を行なう制御定数を見出すことができな
い。また、この方法では過去の経験の蓄積とそれからル
ールベースを作るプロセスとが必要である。
る制御定数が存在すればその中で最適なもの(評価関数
を最小とするもの)を解パラメータとして出力するが、
仕様を満足する制御定数が存在しない場合には、最適化
アルゴリズムの制御定数探索回数が一定の上限を越えた
ところで探索を打切り、「解なし」と判定する。従っ
て、「解なし」という答と、探索回数が上限を越えた時
点での最終的な制御定数を出力するだけで終ってしま
う。
て、硬制約、軟制約を設定することにより設計者のそれ
ぞれの項目に対する要求度をある程度考慮しており、軟
制約に関しては、良好値と不良値の間でできるだけ良好
値に近付けるようになっている。しかし、各仕様項目に
ついて最適化を行なった結果がこの良好値と不良値の間
のどこに来るかはわからないし、設計者がこれを調整す
ることもできない。設計者にはこの良好値と不良値とを
設定し直す自由度があるのみである。従って、これらの
仕様項目(特に軟制約)間相互の関係は余り考慮でき
ず、トレードオフの支援としては不十分と言わざるを得
ない。
れたもので、その目的とするところは、定量的に与えら
れた複数の設計仕様に対し、非線形最適化手法を用いて
設計者の要求度を適切に満足するようなコントローラの
制御定数決定方法を提供することにある。
するため、本発明は以下のような解決手段及び作用を有
する。始めに、請求項1に記載した第1の発明について
説明する。まず、コントローラの設計仕様は、一般に数
式4に示すような不等式で表わされる。
定すべき制御定数(以下、必要に応じてパラメータとい
う)であり、例えば比例ゲイン、積分時間、微分時間等
であり得る。Ji(x1,x2,…,xn)(i=1〜M)
は、制御定数x1,x2,…,xnを与えてシミュレーシ
ョンまたは制御実験を行なった場合の応答波形から得ら
れるオーバーシュート、立ち上がり時間等の仕様項目
(制御特徴量)である。従って、これらの量Jiは、制
御定数x1,x2,…,xnの非線形関数となっている。
また、F1〜FMは、設計者の与えた具体的な仕様値であ
り、例えばオーバーシュートについては10%以下、立
ち上がり時間については1秒以下といった値である。つ
まり、ここでは設計者の持つ仕様が仕様値として定量化
されている。
る。これも制御定数を設定してシミュレーションまたは
制御実験を行なって得られる量とし、Jc=Jc(x1,
x2,…,xn)というように、制御定数x1,x2,…,
xnの非線形関数となる。
題について説明する。これは、数式5のように表わされ
る。
xn)(i=0〜N)は、x1,x2,…,xnの非線形関
数である。この数式5は、y1(x1,x2,…,xn)≦
Y1,……,yN(x1,x2,…,xn)≦YNというN項
目の制約条件を満たしつつ、y0(x1,x2,…,xn)
を最小とする制御定数の組x1,x2,…,xnを決定せ
よ、ということである。これが制約付き非線形最適化問
題であり、これを解く手法が制約付き非線形最適化手法
である。
対する要求の強さの度合を考慮するために、以下のよう
にこれらの要求度を制約付き非線形最適化問題にあては
めることとした。数式4に示したM個の仕様項目を、設
計者の要求度に従って絶対に満たす必要のある仕様項目
とそうでない仕様項目とに分け、前者を「ハードリミッ
ト」、後者を「ソフトリミット」と呼ぶことにする。こ
のうちハードリミットをL項目とし、添字の符号を付け
代えることにより、ハードリミットについては数式6、
ソフトリミットについては数式7となる。
制約付き非線形最適化問題に当てはめる。すなわち、数
式5において、ハードリミットについては、制約条件
(y1(x1,x2,…,xn)≦Y1,…,yN(x1,
x2,…,xn)≦YN)として与える。
Ji(i=L+1〜M)が仕様値Fi(i=L+1〜M)
を越えて制約条件を満たさなくなった場合に、仕様値F
iを越えた分、つまり特徴量Jiと仕様値Fiとの差(Ji
−Fi)に後述する定数(「重み」とする)Wiを乗じて
ペナルティ項として評価関数Jcに加え、その結果を
Jc'とする。上記「重み」Wiは、ソフトリミットのう
ちどれを優先的に満足させたいかを示す重みである。上
記Jc'を数式4と対応させて表わすと、数式8のように
なる(なお、N=Lとなる)。
ては数式9のようになる。
共に、その解はハードリミットを満たし、ソフトリミッ
トについてもこれをできるだけ満たすような制御定数を
求めることができる。
及びソフトリミットを一応満足する制御定数を求めるこ
とができるが、仕様として極端に厳しい要求があった場
合には解が求まらない場合も発生する。これは、ハード
リミットがそれだけ厳し過ぎたためであると考えられる
ので、設計仕様に無理があると判定する。
いて説明する。第2の発明では、数式8のJc'に含まれ
る「重み」Wiを設計者の入力により任意に設定できる
ようにし、設計仕様(ソフトリミット)に対する定量的
な要求度を適切に反映できるようにした。これにより、
各仕様項目間のトレードオフを効率よく行なえると同時
に、設計者の要求仕様に応じたきめ細かい設計が可能に
なる。ただし、複数の仕様間では単位の違いがあると同
時に、上記数式8において、制御本来の評価関数である
Jcとペナルティ項Wi×max(0,Ji−Fi)(i=L
+1〜M))とはほぼ同程度の値でなければならない。
単位の違いを意識することなく「重み」を与えられるよ
うにする。なお、このようにして設計者が与える重みを
「正規化された重み」と言うこととする。「正規化され
た重み」の具体的な求め方は、数式10に示す通りであ
る。
位の違いを吸収する正規化パラメータであり、Uiは設
計者が入力するところの、要求度を数値化した量であ
る。Viは、制御定数の初期値に基づいて以下のように
定める。まず、制御定数の初期値をx1 0,x2 0,…,x
n 0とする。これらの初期値に基づいて得られた、制御応
答自体の評価関数の値Jc(x1 0,x2 0,…,xn 0)
と、Fi(設計者が与える仕様値であり、i=L+1〜
M)とにより、Viを数式11のように定める。
大きくなり過ぎたりVi<0となるのを避けるため、数
式12のようにする。
する。まず、請求項3に対応する実施例について述べ
る。この実施例は、本発明を、図3に示すようなPID
制御器による1入力1出力制御系における制御定数(P
IDパラメータ)の決定に適用した場合のものである。
この場合、制御応答自体の評価関数Jcを数式13のよ
うに定める。
(t)は制御量、βは負でない定数、Tはステップ応答
シミュレーション時間であり、この数式13は、設定値
と制御量との間に定常偏差が残らないようにする(定常
偏差を抑え込む)重み係数exp(βt)を掛けた値の
2乗を、シミュレーション時間Tにわたって積分したも
のである。
と、以下のようになる。まず、ステップ応答の制御量時
系列データに関しては、 ・オーバーシュート ・振幅減衰比 ・立ち上がり時間 ・整定時間 ・最小値(例えば逆応答しないように、など) が挙げられる。
は、 ・ゲイン余裕 ・位相余裕 ・交差角周波数 等が挙げられる。
は、 ・最大ゲイン ・最大ゲイン周波数 ・帯域幅 等が挙げられる。
仕様項目間の自由度が少ないため、ハードリミットは1
つ以下(L≦1)とするのが適当である。
メータを決定する具体的な手順を説明する。図1におい
て、まず、制御対象及び制御器を伝達関数によるブロッ
ク線図にて表わしたモデルを定義する(S1)。例とし
て、ここでは図3に示すような伝達関数によるものを考
える。次に、最適化を行なうためのパラメータ探索にお
ける初期値(変数初期値)を設定する(S2)。
ップ変化させたときの応答時系列データに対して表1に
示す設計仕様を入力する(S3)。
トリミットとに分ける。例えば、操作量最大値に関する
仕様をハードリミット、オーバーシュート、立ち上がり
時間に関する仕様をソフトリミットとする(S4)。次
いで、ソフトリミットに対し、設計者の持っている要求
度Uiを表2のように数値的に入力する(S5)。な
お、上記S1〜S5は設計者自身が入力するステップで
ある。
についての仕様は、非線形最適化手法の制約条件として
与える(S6)。ソフトリミットのオーバーシュートに
関する仕様値と立ち上がり時間に対する仕様値について
は、ペナルティ項をもとの評価関数に加える(S7)。
ここで、第2の発明に関する重みの正規化機能(図2)
を用いることとし、正規化パラメータViと定量的な要
求度Uiとを用いて数式10により正規化された重みWi
を求め、数式8によりJc'を演算する。
ラメータ探索を行ない(S8)、ハードリミットを満た
して評価関数を最小とする解パラメータが求まれば(S
9)終了とし、これを最適パラメータとして出力する。
なお、ハードリミットを満たす解パラメータが見出せな
い場合(S83)には、入力された設計仕様に無理があ
ると判定する(S10)。
在するとき、ソフトリミットも同時に満足する解パラメ
ータが存在すればそれも求まる。そのようなパラメータ
が存在しない場合は、ソフトリミットに最も近付ける限
界のパラメータが得られることになる。ソフトリミット
が複数ある場合は、それぞれソフトリミットへ限界まで
近付いているわけであるが、その近付き方は、表2の、
設計者によって数値化された要求度Uiに基づいたもの
となる。
(KPは比例ゲイン、TIは積分時間、TDは微分時間)
が得られ、これに対する制御量のステップ応答波形は図
4のaのようになった。
1.0秒」は満たしている。一方、「オーバーシュート
10%」は満たしていないが、立ち上がり時間について
の仕様を満たした場合にはこれが限界となっている。
ーバーシュートに関する仕様を優先したいという場合
(表4参照)には、要求度Uiを表5のように変更す
る。これにより、図1のS3〜S7を経て表6のような
パラメータが得られ、そのときのステップ応答波形は図
4のbのようになる。この場合、仕様「オーバーシュー
ト10%」の方は満足しているが、立ち上がり時間につ
いては満たしていない。つまり、オーバーシュートを優
先させるためには、立ち上がり時間についてはこれが限
界であったわけである。
最大値に関する仕様は満たしつつ、立ち上がり時間に関
する仕様とオーバーシュートに関する仕様のそれぞれを
優先するPIDパラメータが得られた。また、設計者が
与える要求度Uiを変えることにより、当然にこれらの
中間的な応答を得ることも可能である。なお、図5は操
作量のステップ応答波形であり、aは表3に示すパラメ
ータによるもの、bは表6に示すパラメータによるもの
である。
つ説明する。図2において、設計者が、制御対象、制御
器、変数初期値(ここでは限界感度法により自動的に設
定している)及び設計仕様(ソフトリミット)を入力す
る(SA1〜SA3)。これらの各入力項目は、図1に
おけるS1〜S3の入力項目にそれぞれ対応する。
御対象及び制御器を用いてシミュレーションを行ない
(SA4)、そのときの制御自体の評価関数Jc(数式
13参照)の値を求める。これを、Jc 0とする。
て、順番に、設計仕様値Fiが0.01以上であるか否
かを調べる(SA7)。0.01以上ならVi=Jc 0/
Fiとし、0.01に満たなければVi=Jc 0×100と
して正規化パラメータViを求め(SA8,SA9)、
これらを2つの仕様項目(m=2)につき計算したら
(SA10 YES)、正規化パラメータViを出力し
て終了する。この正規化パラメータViが、前記数式1
0による「正規化された重み」の算出に用いられる。
的に説明したものである。実施例では、3つのパラメー
タとして比例ゲインKP、積分時間TI、微分時間TDを
決定する場合につき説明したが、ここでは、簡単のため
に積分時間TI、微分時間TDは固定し、比例ゲインKP
だけを決定するものとして述べる。
(仕様特徴量)との関係を例に基づいて示したものであ
る。横軸がKpであり、縦軸はそれぞれ3つの仕様項目
に関する座標を表わしている。ここで、比例ゲインの値
に関して操作量最大値、立上り時間、オーバーシュート
が定まるので、これらは各々比例ゲインKpの関数とな
る(曲線J1(Kp),J2(Kp),J3(Kp))。い
ま、設計者は表1のような仕様とそれぞれに対する要求
度を持っているものとし、ここでは操作量最大値に関す
る仕様をハードリミットとし、オーバーシュート、立ち
上がり時間に関する仕様をソフトリミットとする。
Kpの範囲は図6の矢印A1の部分となる。従って、最
適化におけるパラメータ探索は、厳密にこの範囲におい
てのみ行なわれることになる。次に、ソフトリミットを
満たす比例ゲインKpの範囲がそれぞれ図6の矢印A
2,A3で示される部分であったとすると、この両者を
同時に満足する比例ゲインKpは存在しない。そこで、
設計者のオーバーシュート、立ち上がり時間のそれぞれ
に対する要求度(表1、表2参照)を取り込むことによ
り、オーバーシュートに関する仕様値(10%)に近付
けるのか、立ち上がり時間に対する仕様値(1sec)
に近付けるのかを調整することができる。
に示した範囲でどの値がよいかを設計者が設定すればよ
く、この範囲内のいかなる値にするかという問題は仕様
項目1を満たしつつ仕様項目2及び3のトレードオフの
問題となる。そして、図7に示す如く、矢印A4の範囲
内で比例ゲインKpの値を設定するには、前述の要求度
Ui(U2,U3)を用いればよい。つまり、要求度U2,
U3の値に応じて、比例ゲインKpは矢印A4の範囲内の
どこかに決定されることになる。
ータ(比例ゲインKp)の範囲は図6、図7のようにな
るが、別の形のパラメータの範囲であった場合にはそれ
ぞれに適したパラメータ領域でのトレードオフが行なわ
れるのは言うまでもない。
である。従来では、仕様項目を満たす解パラメータが存
在しない場合、最適化アルゴリズムのパラメータ探索過
程の最終パラメータ(ただしこれは仕様を満たさない)
を一応の目安とするしかない。この場合、上記最終パラ
メータについて評価関数、仕様特徴量がどのようになる
かは全くわからず、仕様項目のうちのどれを優先するか
等の情報は入り込む余地がない。従って、最終パラメー
タを矢印A4の範囲内のどこかに決定することが不可能
になる。
述べる。この実施例は、図9に示すように、離散形状態
方程式により表された制御対象とサーボ形の最適レギュ
レータからなる制御器とを有する制御系において、間接
的な制御定数である2次形式評価関数の重みの決定に本
発明を適用した場合のものである。まず、制御対象のモ
デルは、図9及び数式14に示すような離散形の状態方
程式で表わされる。
ける制御対象の状態ベクトル、U(k)は入力(操作
量)ベクトル、Y(k)は出力変数ベクトルである。従
って、一般にこの系は多入力多出力系である。このモデ
ルに対して、図9で表わされるサーボ系最適レギュレー
タ(LQI)を構成し、これにより、出力Y(あるいは
このうちの一部)を設定値のベクトルRに追従させる。
このときの制御則は、数式15によって表わされる。
ル(=Y−R、またはこのベクトルRの成分のうちのい
くつか)である。フィードバックゲインF1,F2は、最
適レギュレータ理論により、数式16の制御応答評価関
数Jを最小にするように求められる。
み行列、Xは状態変数ベクトル、Uは操作変数ベクト
ル、Wxは状態変数に対する重み行列、Wuは操作変数に
対する重み行列である。これらの行列We,Wx,Wuは
設計者により与えられるパラメータ(LQI重み)であ
り、設計仕様を満たすために調整できる自由度となる。
請求項4は、これらの重み行列We、Wx、Wuのすべて
の成分を決定する方法に関する。この場合、制御自体の
評価関数Jcは数式17とする。
る出力変数の数を示す。また、rij(t)は、設定値ベ
クトルRの中でi番目の出力変数に対する設定値(予め
正規化されているものとする)のみがステップ変化し、
他の変数は変化しない場合の設定値の各成分、従って、
rij=δijである。このように第i成分のみがステップ
変化した設定値ベクトルをRiと表わすこととする。例
えば、設定値Rの第1成分のみがステップ変化した場合
には、R1により、数式18のようにR(t)が定ま
る。
は設定値ベクトルとして上に定義したRiを与えた場合
の出力応答時系列ベクトルデータY(t)の第j成分を
示している。すなわち、yij(t)はrij(t)に追従
する。また、前記数式17において、Tはステップ応答
シミュレーション時間である。 数式17に示した評価
関数は、多変数系において、その制御量となる出力変数
の広い意味での設定値との偏差の2乗積分の総和を表し
ている。
ば、設計者の要求度に応じて区別した仕様項目(ハード
リミット及びソフトリミット)を適切に満たす制御定数
を決定することができる。また、第2の発明によれば、
ソフトリミットの中でどれを優先させるかといった要求
度を定量的に設定し、これを重みとして評価関数に反映
させることが可能であるから、設計仕様にできるだけ近
い応答を実現する制御定数を得ることができる。
限界を示すことができると共に、正規化パラメータを導
入すれば、仕様項目間の単位の違いによる数値のオーダ
ーの違いを吸収して、設計者がこれらの違いを意識する
ことなく単純に相対的な要求度ないし重みを数値化して
与えることができる。
すフローチャートである。
すフローチャートである。
ロック図である。
る。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 設計者により与えられる複数の仕様項目
を満足するコントローラの制御定数を、制約条件及び評
価関数を用いた非線形最適化手法により決定するコント
ローラの制御定数決定方法において、 定量的な仕様値がそれぞれ与えられ、かつ制御定数の非
線形関数として示された複数の仕様項目を設計者の要求
度に応じてハードリミット及びソフトリミットに分割
し、 ハードリミットについては一定の制約条件として与える
と共にソフトリミットについては制約条件を満たさない
場合のペナルティ項を付加してなる評価関数を用いて前
記ハードリミット及びソフトリミットを満足する制御定
数を決定する方法であって、 制約付き非線形最適化手法により、前記ハードリミット
を満足し、かつ、設計者の要求度によって優先されるソ
フトリミットを満足する解パラメータとしての制御定数
を最適パラメータとして 決定することを特徴とするコン
トローラの制御定数決定方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の制御定数決定方法におい
て、 ソフトリミットに関する設計者の要求度を定量化して反
映させると共に正規化してなる重みを、ペナルティ項に
含ませることを特徴とするコントローラの制御定数決定
方法。 - 【請求項3】 制御定数として、PID制御器のPID
パラメータを決定する請求項1または2記載のコントロ
ーラの制御定数決定方法。 - 【請求項4】 制御定数として、多入力多出力の最適レ
ギュレータにおける2次形式評価関数の重みを決定する
請求項1または2記載のコントローラの制御定数決定方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP17597594A JP3279078B2 (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | コントローラの制御定数決定方法 |
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JP17597594A JP3279078B2 (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | コントローラの制御定数決定方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17597594A Expired - Lifetime JP3279078B2 (ja) | 1994-07-05 | 1994-07-05 | コントローラの制御定数決定方法 |
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