JPH09127877A - 認識用バンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 ひとたび使用すると再使用することができ
ない認識用バンドを安価に提供する。 【解決手段】 偏平な板状の表示部２と、この表示部２
の一端より延長され、多数の止め穴３ａを開口した帯部
３と、前記表示部２の他側に設けた封緘部４とからな
り、この封緘部４はオス係合部６と連結部８を介して配
置したメス係合部７とからなり、更に両係合部６，７は
薄板部７ａ，７ｃの周囲に切断リング（６ｃ，６ｄ、７
ａ，７ｂ）を形成しており、前記封緘部４の係合力は前
記切断リングの切断力より大きく形成されている認識用
バンド。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種の遊園地やレ
ジャーランド等において入場者が出入りする際に正規の
入場者であるか否かの区分等を確認するために使用する
認識用バンドの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】多数の人々が入場する各種の遊園地、レ
ジャーランドあるいはイベント会場等において多数の人
々がこれらの会場を出入りする。そこで参集する人々が
正規の入場者であるか否か、あるいは属する種類やグル
ープの人々であるか否か等を識別してそれに応じて取扱
ったり、整理したりする必要がある。

【０００３】一般には、入場者にチケットやＩＤカード
等を渡し、各会場においてこれの提示を求めてその表示
内容や色彩等で識別するようにしている。また、遊園地
で乗物に搭乗する際は、各種の乗物のメニューや搭乗回
数等を表示したチケットに消し込みやパンチングを行な
って入場者を整理することが行なわれている。しかし、
前記チケットやＩＤカードは携帯に不便である上に紛失
し易く、特に子供の場合には利用できないと云う問題が
ある。また、入場料を払った本人のものかどうかを確認
することができないと云う管理上の問題もある。

【０００４】このような不都合を解消するものとして手
首に装着する腕バンド状の表示バンドを使用し、その表
示部に乗物のメニューや搭乗回数等を印刷したもので提
案されている。この種の表示バンドは、両端に雄ホック
と雌ホックや、ハトメとこれと係合する突起体からなる
１対の封緘部を設けたもので、入場者は会場に入場する
際のこの表示バンドを手首に巻付け、この封緘部を係合
固定し、表示部に表示された乗物のメニューや搭乗回数
を係員が油性インクペンで消し込みを行うと云うもので
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の封緘部付の表示バンドは、入場時に手首に装着すると
確実に封緘される利点であるが、刃物を使用して切断し
ないかぎり、取り外しができない構造のものであるため
に取扱性が悪く、また、刃物を使用する点で危険がある
上に、特に多数の人々を捌くことは極めて煩雑であっ
た。

【０００６】また、構造上の問題点としてバンド部と封
緘部とは材質と強度が異なる関係で別体として製造さ
れ、組立てられている。即ち、バンド部はプラスチック
シートをプレスで打抜いて製作し、封緘部は射出成形で
製造したハトメやホック、あるいは同様に金属製のもの
を使用し、前記のように製造したバンド部に封緘部を取
付けて完成したものであり、製造コストが著しく高くな
る。

【０００７】また、使用上の問題点としてプラスチック
シートをプレスで打抜いて製造したバンド部はエッジが
鋭利なものとなっているために感触が悪く、特に婦人や
幼児の場合には柔らかい肌に傷を付け易いと云う問題が
ある。これを避けるために溶融切断機を使用してバンド
の形状に溶融切断したものがあるが、このものは表面側
から見た縁部は丸みを持っているが、裏側から見た縁部
は尖った状態になっており、やはり打抜いたバンド部と
同様な問題がある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記従来技術の欠点を解
消するための本発明に係る認識用バンドは次のように構
成されている。 Ａ）偏平な板状の表示部と、この表示部の一端より延長
され、多数の止め穴を開口した帯部と、前記表示部の他
側に設けた封緘部とからなり、この封緘部はオス係合部
と連結部を介して配置したメス係合部とからなり、更に
両係合部は薄板部の周囲に切断リングを形成しており、
前記封緘部の係合力は前記切断リングの切断力より大き
く形成されている。

【０００９】Ｂ）切断リングは円弧状のスリットを連結
部を介して環状に配置してある。 Ｃ）前記切断リングは切断線を環状に形成してある。 Ｄ）表示部は筆記具で記入可能であるが、エンボスによ
って符号を押印できるように構成している。 Ｅ）また、原則的には表示部、帯部、封緘部を一体的に
成形するのが良いが、表示部と帯部を柔軟に、封緘部を
硬くする必要がある場合には、表示部と帯部を柔軟な樹
脂によって成形し、続いて封緘部を硬い樹脂によって成
形する、所謂二色成形を行うのが良い。

【００１０】また、特に正確な構造を持ち、硬度のある
ホック等を使用する場合は、ホック等の封緘部材を硬度
のある樹脂で予め成形しておき、これを金型内にインサ
ートしておき、更に柔軟な樹脂によって表示部や帯部を
一体化するように成形する、所謂インサート成形を行う
のが良い。前記のように本発明に係る認識用バンドを構
成し、時計のバンドのように利用者の腕に巻いて封緘部
を係合すると、この係合を外すことができなくなる。も
し、この係合を無理に外そうとすると切断リングが切断
して封緘部がバンドより外れるために再び使用すること
ができなくなる。

【００１１】そしてこのバンドを利用した後にこれを外
す時には、バンドに張力を与えると封緘部が切断リング
の部分より切断除去されてバンドの輪が切れることにな
る。従って、ナイフや鋏等の切断器具を使用することな
く外すことができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明の認識
用バンドの実施の形態を説明する。図１は認識用バンド
の正面図、図２は同側面図であって、バンド１は合成樹
脂の射出成形による、基本的には一体成形品であって、
一端にシート状の表示部２を形成し、この表示部２の一
方にこの表示部２より細幅の帯部３を連続的に形成し、
そして表示部２の端部に封緘部４を形成している。

【００１３】また、図３に示すように表示部２と帯部３
の周囲に断面が円形の縁部５（縁取り）を廻らせて使用
者の腕に損傷を与えることがないように配慮している。
表示部２は図３に示すように薄いシート状ないしは板状
に形成され、例えばその表面に搭乗できる乗物や入場で
きるパビリオンのメニューや搭乗・入場できる回数等を
印刷して表示するようになっている。

【００１４】従って、この表示部２の表面は直接に印刷
できるようにコロナ放電処理等で表面処理を施したり、
マット加工して表面をトレーシングペーパーのように微
細な凹凸に形成したり、印刷インクや塗料層を形成して
各種の筆記具を利用して記入が可能になっている。そし
てこの表示部は勿論、バンド１全体を大人・子供等の
別、利用範囲の別に応じて異なる色彩を着色したり、着
色樹脂を使用して射出成形することもある。

【００１５】この表示部２は通常は短冊形であって、そ
の一端にこれより細幅の帯部３を延長し、この帯部３に
は適当な間隔で止め穴３ａが開口し、腕にバンド１を回
してこの止め穴３ａを後述する封緘部４に係合して固定
するようになっている。なお、この表示部２と帯部３は
子供用と大人用、男性用と女性用等の種類によってその
幅と長さ、そして厚さ、更に外形等を適宜変更すること
ができる。具体的には子供用の場合は動物を図案化した
形状とし、女性用の場合は比較的細幅のものを使用す
る。また、スポーツのように動きのあるものに使用する
場合は頑丈で目立ち易いように広幅で厚さのあるものと
する。更に、止め穴３ａとは別に多数の穴を開口して通
気性を与えることもできる。

【００１６】封緘部４は、この例においては拡大図であ
る図４及び横断面図である図５に示すようにホック状な
いしハトメ状のオス係合部６とメス係合部７と連結部８
で折り畳んで係合するように構成されている。オス係合
部６は、薄板部６ａの中央部に係合突起６ｂを突出し、
薄板部６ａの周囲に円弧状のスリット６ｃを環状に配置
し、このスリット６ｃの先端部同士を細幅の連結部６ｄ
を形成して前記薄板部６ａを簡単に外すことができるよ
うに構成している。なお、前記スリット６ｃと連結部６
ｄとからなる環状の部分は本発明においては「切断リン
グ」を形成しており、故意に外すとバンドの輪を再び構
成することができない一種の安全装置である。

【００１７】前記係合突起６ｂは、図５及び図６に示す
ように円柱部６ｆの上端に円板状あるいは一文字状の係
止縁６ｇを形成している。なお、図４及び図６に示すよ
うに円柱部６ｆの根本部にスリット６ｈが形成されてい
るのは前記係止縁６ｇを成形する金型部材を配置するた
めであり、構造的には不要のものである。この実施の形
態においては、薄板部６ａと表示部２の延長部２ａとの
間は狭い部分である連結部６ｄを介して連結されている
のみであるから、係合突起６ｂに引張り力を作用させる
と、この連結部６ｄは簡単に切断されて薄板部６ｂが延
長部２ａより抜けて脱落するので、前記スリット６ｃと
連結部６ｄとはバンド１を環状にして封緘状態とした場
合は切断リング、あるいは安全装置として機能すること
になる。

【００１８】一方、メス係合部７は円弧状のスリット７
ａと連結部７ｂを環状に配置した薄板部７ｃの中央部を
円形に盛り上げて肉厚部を形成し、この肉厚部の中央に
係合穴７ｄを開口している。なお、前記スリット７ａと
連結部７ｂとからなる環状の部分は前記切断リングと共
動して作用する切断リングを形成している。そしてこの
係合穴７ｄは、前記係止縁６ｇを案内するための円錐状
の案内面７ｅと、この案内面７ｅの裏側に止め面７ｆと
を形成し、前記係合突起６ｂがこの係合穴７ｄ内に嵌入
した場合には、図６に示すようにオス係合部６の係合突
起６ｂの係止縁６ｇが前記止め面７ｆに確実に噛合して
封緘状態になるように構成されている。

【００１９】なお、図６に示すようにカギ形の断面を持
つ係合突起６ｂと、カギ形の断面を持つ係合穴７ｄ等か
らなる係合部は、メス係合部７に対してオス係合部６を
押圧して嵌合させる際に簡単に嵌合するが、一旦嵌合す
るとこのカギ形の噛合状態が外れることがなく、無理に
外すと前記連結部６ｄと７ｂとが切断される強度である
ように設計する必要がある。

【００２０】この係合構造については、図示したものが
最適であるが、他の形式のものであっても使用すること
ができ、要するに、係合力の方がスリット６ｃ，７ａの
間を連結する連結部６ｄ，７ｂの強度より大きくなる構
造のものであれば使用することができる。従って、封緘
部４はスリットの代わりに、このスリットの位置にリン
グ状に薄肉部、即ち切断線を形成してこの薄肉部より切
断するようにすることができ、また、多数のスリットあ
るいは多数の孔をリング状に配置してこの孔同士を結ぶ
連結部より切断するようにできる。

【００２１】また、表示部２に記号を記入する方法は、
筆記具を使用する方法も勿論であるが、薄板状の表示部
２を記号の形に押圧ないしはエンボス加工してその部分
を白化させる方法を採用することもできる。この実施の
形態においては表示部２の一端に延長部２ａを形成し、
この部分に封緘部４を形成しているが、この延長部２ａ
の長さはバンド１の用途によって更に長くして表示部２
の上方に帯部３の端部が重ならないようにしてこの表示
部２を目立つようにすることができる。また、表示部２
に直接的に封緘部４を形成することによってバンドの固
定を確実にすることもできる。

【００２２】前記実施の形態は、表示部２と帯部３と封
緘部４とを一体的に射出成形する方法を説明したが、樹
脂の強度から封緘部４に必要とする強度が得られない場
合が生ずることがあるが、このような場合には、「二色
成形技術」を採用する。二色成形技術とは、第１の射出
成形工程において第１の比較的硬い樹脂、例えばポリア
セタール樹脂を使用して封緘部４の要部を成形する。そ
して第２の射出成形工程において第１の樹脂より柔軟な
樹脂、例えば低密度ポリエチレン、ポリエステルエラス
トマー、ポリエチレンエラストマー等の樹脂を使用して
前記封緘部４を包むようにして表示部２と帯部３とを成
形してバンド１を完成する。

【００２３】なお、前記二色成形においては、金型の回
転や樹脂の切換え等の操作が必要であるが、これは従来
の成形方法を流用する。このようにして異なる性質の樹
脂を使用した成形したバンドは、封緘部を恰もホックや
ハトメを嵌めるような感覚で係合させることができる。
二色成形に使用する金型やこの金型を駆動する装置は比
較的複雑で高価になり易い。この欠点を解消するために
ホックやハトメ等の封緘部材を硬度のある工業用樹脂で
予め成形する。そしてこの封緘部材を使用してインサー
ト成形して認識用バンドを製造することもできる。

【００２４】以上のように構成した認識用バンド１の使
用方法について説明する。先ず、バンド１を手首の周囲
に当てがい、手首の太さに応じて帯部３の止め穴３ａを
封緘部４を構成するオス係合部６の係合突起６ａに嵌め
る。そしてメス係合部７を連結部８を介して折り曲げて
オス係合部６に重ね、係合突起６ｂを係合穴７ｄに押圧
することによって、係止縁６ｇと係合穴７ｄの傾斜面同
士が対面し、そして滑りながらして係合する。この状態
は図６に示す「封緘状態」であり、一旦この状態になる
と最早メス係合部７とオス係合部６との係合を解除する
ことができなくなり、バンド１は手首に確実に保持され
る。

【００２５】次に、バンド１を手首から取り外す時は、
帯部３の先端部を引張ると、メス係合部７の薄板部７ｃ
とオス係合部６の薄板部６ａが図６のように帯部３をサ
ンドイッチ状態で一体となっているので、図４に示す連
結部６ｄと７ｂ等で構成されている「切断リング」の部
分が一挙に切断して前記図６の状態で表示部２の側部よ
り外れることになり、バンド１を手首から取り外すこと
ができる。

【００２６】このようにして一旦切断リングの部分から
切断すると封緘部４はもはや修復不可能であるから、こ
のようなバンド１は再使用することができない。以上の
ように構成された本発明に係る認識用バンド１は、各種
の遊園地、レジヤーランド、あるいはイベント会場、プ
ール、スキー場、ヘルスセンター等、場所を問わず多数
の人々が出入りする施設で有効に使用することができ
る。

【００２７】また、産院における出産児、病院における
患者や災害時の被災者等の認識用等、本人と他人との取
り間違いが起こってはならない場所で使用することがで
き、極めて有益である。なお、本発明の認識バンド１
は、表示部２に文字、記号、図形等を印刷して使用する
他、認識用バーコードや電子情報を記録し使用すること
もできる。また、表示部２のみならず、バンド１全体を
各種の色に着色することによって認識用として有効に使
用することができる。更に、表示方法としてエンボス器
具を使用して記号や図形を白化させたり、突出させたり
することもできる。

【００２８】

【発明の効果】以上のように構成された本発明に係る認
識用バンドは、手首に一旦取付けて封緘部を係合状態に
すると外れることがない。従って、この認識用バンドを
紛失したり、盗難にあったり、他人に使用されるような
ことがなく、極めて安心して行動をすることができる。

【００２９】そして一時的に会場等を離れる時にはこの
手首に付けたバンドを提示でき、出入口を通過する多数
の人々を容易に管理することができる。そして使用後
は、帯部を引張ることによって簡単に封緘部が切断リン
グを介して切断されるために、刃物等の危険物を使用す
ることなく、簡単に外すことができる。

【００３０】このようにして切断リングを介して封緘部
を切断したバンドは、再び使用するすることができない
ために、使用済みのバンドが不正に使用されることが防
止でき、会場の管理者や開催者や事業者は安心して多数
の人々を整理、確認することができる。また、バンドは
実質的に合成樹脂を射出成形して製造するので、効率的
で安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す認識用バンドの正面
図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】表示部の横断面図である。

【図４】封緘部を拡大して示す正面図である。

【図５】図４に示した封緘部の横断面図である。

【図６】封緘部を係合した状態を示す横断面図である。

【符号の説明】

１ バンド ２ 表示部 ２ａ 延長部 ３ 帯
部 ３ａ 止め穴 ４ 封緘部 ５ 縁部 ６ オス係合部 ６ａ
薄板部 ６ｂ 係合突起 ６ｃ スリット ６ｄ 連結部
６ｆ 円柱部 ６ｇ 係止縁 ７ メス係合部 ７ａ スリット ７ｂ 連結部
７ｃ 薄板部 ７ｄ 係合穴 ７ｅ 円錐状案内面 ７ｆ 止め面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 偏平な板状の表示部と、この表示部の一
   端より延長され、多数の止め穴を開口した帯部と、前記
   表示部の他側に設けた封緘部とからなり、 この封緘部はオス係合部と連結部を介して配置したメス
   係合部とからなり、更に両係合部は薄板部の周囲に切断
   リングを形成しており、前記封緘部の係合力は前記切断
   リングの切断力より大きく形成されている認識用バン
   ド。
2. 【請求項２】 切断リングは円弧状のスリットを連結部
   を介して環状に配置した請求項１記載の認識用バンド。
3. 【請求項３】 切断リングは切断線を環状に形成した請
   求項１記載の認識用バンド。
4. 【請求項４】 表示部は筆記具で記入可能であるか、エ
   ンボスによって符号を押印できるように構成した請求項
   １記載の認識用バンド。