JPH09127654A - フィルムカートリッジを受合う装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプライサ装置から取り外す必要なしに、チ
ャンバから直接に欠陥を有するフィルムカートリッジを
取り出すことができる装置を提供する。 【解決手段】 複数のフィルムカートリッジを受合う装
置であって、マガジン(１０)として設計される該装置
が、円筒形の部材(１２)から成り、該部材は、その中心
軸まわりに円形状に配置されたチャンバ(１４)を有す
る。該チャンバ(１４)内には、上記フィルムカートリッ
ジ(１６)が収納される。各々のチャンバは、上記部材
(１２)の円周面(１９)で境をなす開口部(１８)を有す
る。すべての開口部をカバーするスリーブ(２６,２７,
２８)が部材の円周面に設けられる。各フィルムカート
リッジ(１６)に関係したカバーパネル(３０,３１)が、
上記取出しスロット(２９)をカバーするか又はカバー解
除するように変位可能に取付けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フィルムカートリ
ッジ内のフィルム帯を処理するための処理装置への組付
けが可能であるとともに、円筒部材内にその部材の中心
軸のまわりに円形状に配列されその中にフィルムカート
リッジが軸方向に積み重ねられて収納されるチャンバを
有する、複数のフィルムカートリッジを受合うための装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】露光済みのフィルムを現像するために、
個々のフィルム帯がフィルムカートリッジから取り出さ
れ、つなぎ合わせられ、そして、ドラムに巻き付けられ
て、フィルム現像機へ送られる。個々のフィルム帯はス
プライサ装置においてつなぎ合わせられる。このとき、
フィルム帯は、自動的にフィルムカートリッジから取り
出され、つなぎ合わせられる。フィルム現像およびプリ
ント作成の後、上記フィルム帯,完成したプリントなら
びにそれに関係した郵送袋が、送出し点において正しく
まとめられ、価格をつけられ、そして、顧客に送り返さ
れる。

【０００３】フィルム帯のつなぎ合わせを自動化するた
めに、スイス特許第５３０,０３４号は、マガジン用の
滑り込み式の保持器を備えているモータ駆動式のカルー
セル(carousel)を有する、自動フィルム処理機に搭載す
るための装置を開示している。各マガジンは、それぞれ
１つのフィルム容器を受容するように配置された複数の
隔室を有している。上記カルーセル上に位置するマガジ
ンの回転通路の特定の点には、１度に１つのマガジンを
リフトするための運搬装置が配設されており、該運搬装
置は、上記マガジンが内部で自動的に回動する場合に、
それと連結し、上記フィルム容器を処理するための特定
の点を越えて、段階式にすべてのマガジンの隔室を移動
させる。

【０００４】また、軸方向に配列されたチャンバが円筒
形の部材内に上記部材の中心軸のまわりに円形状に配置
された装置が提案されており、そのチャンバ内には、複
数のフィルムカートリッジが軸方向に積み重ねられて収
納される。この装置は、フィルムカートリッジの自動的
な取出しのための、また、フィルム帯処理用のスプライ
サ装置につながれる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この装置の不利な点
は、欠陥を有するフィルムカートリッジがチャンバのう
ちの１つにおいて見出だされる場合に明白になる。この
場合、別物の補助装置によって、問題のチャンバからフ
ィルムカートリッジのまる一列が取り出され、そして、
その欠陥を有するフィルムカートリッジが分離され、修
理される必要がある。もし、これが直ちに不可能であれ
ば、この箇所には空のカートリッジを置く必要があり、
そして、その列がまるごとチャンバ内に戻される。

【０００６】この処置は、時間を消費し、手間がかか
り、そして、許容し得ない範囲でフィルム処理プロセス
を妨害する。もし、欠陥を有するフィルムカートリッジ
が取り出されなければ、これが機械の故障をもたらし、
機械,フィルムカートリッジ、そして、フィルム帯に少
なからず損傷を与える可能性があり、その結果、適切な
プリント製作はもはや保証されなくなる。

【０００７】この発明は、スプライサ装置から取り外す
必要なしに、チャンバから直接に欠陥を有するフィルム
カートリッジを取り出すことができるような前述した種
類の装置を設計することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、このこ
とは、各チャンバが部材の円周面で境をなす開口部を有
することと、該部材の円周面に取り付けられすべての上
記開口部をカバーするスリーブが設けられることと、各
フィルムカートリッジと関係したカバーパネルが、取出
しスロットをカバーするかあるいはカバー解除するよう
にスリーブ上に変位可能に取り付けられることにより達
成される。特に、本発明の主なものは、上記開口部の寸
法がチャンバの幅および高さに相当するように構成され
ている。加えて、各カバーパネルには、弾性的な予荷重
を備えてフィルムカートリッジに対して接触し得るばね
部材が設けられている。その結果、上側に位置するフィ
ルムカートリッジが、カバーパネルのばね部材によって
所定位置に保持され得るように、カバーパネルが開いた
場合に、チャンバからフィルムカートリッジが取り出さ
れることが便宜的に可能である。

【０００９】好ましくは、上記チャンバ内に挿入され、
フィルムカートリッジのまわりを取り巻いた後で、チャ
ンバの外に導き出され得る撓みにくいストリップによっ
て、着脱可能なフィルムカートリッジがチャンバから取
り出されることが可能である。この処置は、スプライサ
装置からその装置を取り外すことなく、また、複雑な補
助装置によって、チャンバ内に位置するフィルムカート
リッジのまる一列が分離される必要なしに素早く実行さ
れ得る。その結果、フィルム処理作業の流れは、非常に
短い時間しか遮られない。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を、
添付図面に基づいて詳細に説明する。露光済みのフィル
ムを現像するために、個々のフィルム帯がフィルムカー
トリッジから取り出され、つなぎ合わせられ、そして、
現像機に挿入されるフィルムドラムに巻き付けられる。
そのつなぎ処理を自動化するために、本発明に従った装
置である複数のフィルムカートリッジを受合うためのマ
ガジンが開発された。このマガジン１０は、図１に示さ
れるように鉛直にした状態で、あるいは、図２に示され
るように水平にした状態で、スプサイサ装置１１へ取り
付けられる。フィルム帯が、フィルムカートリッジから
取り出され、図示されていない機構によって処理され
る。該フィルム帯の処理後、最終的なものがそれに対応
するフィルムカートリッジ内に戻される。その後、最終
処理システム又は送出し点へ運ばれて、郵送袋および仕
上がったプリントと一緒にまとめられる。

【００１１】マガジン１０は、チャンバ１４が内部に配
列された円筒部材１２から成る。該チャンバ１４は、細
長いウェブ１５のみによって互いから区切られたもの
で、円筒部材の中心軸１３のまわりに円形状に配列され
ている。チャンバ１４は、円筒部材１２の円周面１９で
境をなす開口部１８を備えている。フィルムカートリッ
ジ１６は、それらのフィルムスロットが外方へ向くよう
に、チャンバ１２内に積み重ねられて収納される。上記
マガジン内に存在する各フィルムカートリッジ１６に関
する位置番号１７が、放射状に外方へ向かう細長いウェ
ブ１５の表面に現れている。

【００１２】本実施態様では、円筒部材１２が、製作技
術上の理由から、３つの副部材２０,２１および２２か
ら成り、その各々が、２つのフィルムカートリッジ１６
が積み重なるような高さのルームを有する。その３つの
副部材２０,２１および２２は、ネジ(不図示)によって
動かないように互いに連結され、また、それらの間に
は、上記チャンバ１４内でフィルムカートリッジ１６用
の開口部２５を有するスペーサ２３および２４が動かな
いように配設されている。スペーサ２３および２４はま
た、スリーブ２６,２７および２８を支持して導く。該
スリーブ２６,２７および２８は、固定されず回転可能
な様式で、副部材２０,２１および２２をそれぞれ取り
囲み、そして、チャンバ１４の開口部１８を覆ってい
る。同時に、それらはマガジン１０の外壁を形成してい
る。ある箇所において、透明な材料で作られたスリーブ
２６,２７および２８は、副部材２０,２１および２２の
高さにわたって延び、少なくともチャンバ１４の開口部
１８と同じ幅を備えた取出しスロット２９を有してい
る。欠陥を有するフィルムカートリッジ１６を取除くた
めに、それに対応するスリーブ２６,２７あるいは２８
は、取出しスロット２９が欠陥を有するフィルムカート
リッジが位置しているチャンバ１４の開口部１８に一致
するまで回転させられる。

【００１３】部材１２の円周方向においてスリーブ上に
変位可能に導かれる２つのカバーパネル３０および３１
によって、各スリーブ２６,２７および２８の取出しス
ロット２９をカバーしたり、カバーを除いたりすること
ができる。カバーパネル３０および３１の各々は、カバ
ーパネルから切り出された薄片のスプリングアームとし
て形状づけられた圧縮ばね３２を有している。カバーパ
ネル３０および３１のＡおよびＢ方向の動作を容易にす
るために、その上にハンドル３３が設けられている。

【００１４】上記部材１２の自由端部が、各々、２つの
閉塞ディスク３４および３５によって覆われており、そ
れらディスクは、それぞれ、部材１２に保持されるコッ
プ状のハブ３６上で、部材の中心軸１３のまわりに互い
に関して回転し得るように取り付けられている。上記２
つの閉塞ディスク３４および３５は、張力ばね(不図示)
によって、それらが互いに閉じ合う開始位置に押さえ付
けられる。フィルムカートリッジ１６を挿入する又は取
り出すべくチャンバ１４を開くために、２つの閉塞ディ
スクは、上側の閉塞ディスク３４の入口部３７が、ちょ
うどチャンバ１４の上部で、下側の閉塞ディスク３５の
通過開口部３８に一致するまで、互いに回転させられ
る。上記閉塞ディスクの動きは、係止部(不図示)によっ
て規制されている。

【００１５】曲線状の滑りガイド部が、下側の閉塞ディ
スク３５における溝部３９および上側の閉塞ディスク３
４におけるウェブ４０から成る。ウェブ４０が下側の閉
塞ディスク３５と同じ高さを有するので、一方では、こ
の形状によって、閉塞ディスク３４および３５が容易に
回転することが可能となり、他方では、ウェブ４０によ
って、フィルムカートリッジ１６が通過開口部３８に落
ち込むことが妨げられる。マガジン１０を簡単に操作し
得るために、運搬ハンドル４１が、ハブ３６の口径を横
切るように設けられている。

【００１６】マガジン１０が前述したようにいったんス
プライサ装置１１に取り付けられれば、フィルムカート
リッジ１６が欠陥を有し、そして、例えば、フィルム帯
をフィルムカートリッジから引き出せなくなることが起
こり得る。必要以上に、フィルムの現像作業の進行を妨
げて中断させないために、この欠陥を有するフィルムカ
ートリッジを、マガジン１０から取り出し、修理し、そ
して、再挿入するか、あるいは、修理が不可能であれ
ば、空のカートリッジで置き換えなければならない。

【００１７】本発明によれば、このことは、欠陥を有す
るフィルムカートリッジが位置している範囲において、
各スリーブの取出しスリット２９がそれに対応するチャ
ンバ１４に向かい合って位置するように、副部材２０,
２１又は２２の各スリーブ２６,２７又は２８を動かす
ことによって容易に可能とされる。そのとき、欠陥を有
するフィルムカートリッジの上側に位置するカバーパネ
ル３０又は３１が、図６に示される位置にもって来ら
れ、それによって、欠陥を有するフィルムカートリッジ
の上側に位置するフィルムカートリッジ１６は、圧縮ば
ね３２によって所定位置に保持される。これによって、
欠陥を有するフィルムカートリッジが取り出される場合
に、上側に位置するフィルムカートリッジが滑り落ち、
その結果、フィルムカートリッジと郵送袋との間の相互
関係を取り違えることが防止される。その後、下側のカ
バーパネル３１が完全に開かれる(図７参照)。そこで、
欠陥を有するフィルムカートリッジを取り出すことがで
きる。

【００１８】このことは、柔軟なストリップ４２をチャ
ンバ１４に挿入することによって為される。該ストリッ
プはフィルムカートリッジのまわりを取り巻き、そし
て、チャンバ壁にガイドされる結果、フィルムカートリ
ッジの他方側で円筒部材１２から再び出てくる。そこ
で、ストリップ４２の両端部がつかまれ、欠陥を有する
フィルムカートリッジがチャンバ１４から取り出され
る。

【００１９】修理後、同様のフィルムカートリッジ又は
空のカートリッジがチャンバ１４内に戻され、そして、
カバーパネル３０および３１が、それらが、図５に示さ
れる位置を占めるように閉じられる。この簡単な方法
で、新規なマガジンを用いて、スプライサ装置からマガ
ジンを取り除く必要なしに、欠陥を有するフィルムカー
トリッジを修理する又は取り換えることが可能である。
尚、本発明は、以上の実施態様に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良あ
るいは設計上の変更が可能であることは言うまでもな
い。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、スプライサ装置から取
り外す必要なしに、チャンバから直接に欠陥を有するフ
ィルムカートリッジを取り出すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施の形態に係る鉛直に配置された
装置を備えた、フィルム帯をつなぐスプライサ装置の斜
視図である。

【図２】 上記実施の形態に係る水平に配置された装置
を備えた、フィルム帯をつなぐスプライサ装置の斜視図
である。

【図３】 上記実施の形態に係るフィルムカートリッジ
を受合うための装置の正面図である。

【図４】 図３に示す装置の斜視図である。

【図５】 開始位置にあるカバーパネルを含む上記装置
の細部の拡大図である。

【図６】 ロックされた位置にあるカバーパネルを含む
上記装置の細部の拡大図である。

【図７】 開口位置にあるカバーパネルを含む上記装置
の細部の拡大図である。

【符号の説明】

１２…部材 １４…チャンバ １６…フィルムカートリッジ １８…開口部 １９…円周面 ２６,２７,２８…スリーブ ２９…取出しスロット ３０,３１…カバーパネル

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムカートリッジ内のフィルム帯を
   処理するための処理装置への組付けが可能であるととも
   に、円筒部材内にその部材の中心軸のまわりに円形状に
   配列されフィルムカートリッジが軸方向に積み重ねられ
   て収納されるチャンバを有する、複数のフィルムカート
   リッジを受合うための装置であって、 各チャンバ(１４)が、上記部材(１２)の円周面(１９)で
   境をなす開口部(１８)を有することと、 上記部材の円周面に取り付けられ、上記開口部(１８)の
   幅および長さの取出しスロット(２９)を有する、すべて
   の開口部(１８)をカバーするスリーブ(２６,２７,２８)
   が設けられることと、 各フィルムカートリッジ(１６)に関係したカバーパネル
   (３０,３１)が、上記取出しスロット(２９)をカバーし
   たりカバー解除したりするために上記スリーブ上に変位
   可能に取り付けられることとを特徴とする複数のフィル
   ムカートリッジを受合う装置。