JPH0911958A - 自動二輪車の冷却構造 - Google Patents

自動二輪車の冷却構造

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JPH0911958A
JPH0911958A JP16428395A JP16428395A JPH0911958A JP H0911958 A JPH0911958 A JP H0911958A JP 16428395 A JP16428395 A JP 16428395A JP 16428395 A JP16428395 A JP 16428395A JP H0911958 A JPH0911958 A JP H0911958A
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • F02B61/02Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing for driving cycles

Abstract

(57)【要約】 【目的】 外観の向上を図りながら、排風効率を向上し
て冷却風量を増大できる自動二輪車の冷却構造を提供す
る。 【構成】 車体前方から導入した冷却風をラジエータ1
16に供給し、該冷却風を車体外方に排出するようにし
た自動二輪車の冷却構造を構成する場合に、車体底部を
覆うアンダカバー9内の前部にラジエータ116を配置
し、該アンダカバー9の底面9dのラジエータより後側
部分に冷却風排出口9bを形成し、該排出口9bの後縁
部から上記ラジエータ116の上部に向かって斜め上方
に延びる導風壁9cを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばスクータ型自動
二輪車においてラジエータに冷却風を前方から導入し、
後方に排出するようにした冷却構造に関する。
【0002】一般にスクータ型自動二輪車においてラジ
エータに走行風を前方から導入し、後方に排出する冷却
構造としては、従来、ラジエータをフロントカバーとレ
ッグシールドとからなる前部車体カバー内に配置し、フ
ロントカバーに冷却風導入スリットを形成するととも
に、レッグシールドの下部に排出口を形成したものが一
般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のように、冷却風排出口をレッグシールドに形成
する構造では、排風効率が低く十分な冷却風量が得られ
ないという問題があり、また上記排出口が外方から見え
るので外観が悪化するという問題もある。
【0004】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、ラジエータに供給された冷却風の排風効率を
高めて冷却風量を増大できるとともに、外観の悪化を回
避できる自動二輪車の冷却構造を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、車体前方から
導入した冷却風をラジエータに供給し、該ラジエータを
通過した冷却風を車体外方に排出するようにした自動二
輪車の冷却構造において、車体の前後輪間の底部を覆う
アンダカバー内の前部にラジエータを配置し、該アンダ
カバー底面のラジエータより後側部分に冷却風排出口を
形成し、該排出口の後縁部から上記ラジエータの上部に
向かって斜め前方に延びる導風壁を形成したことを特徴
としている。
【0006】
【作用】アンダカバー底面と路面との間隔はその前後に
比べて絞り込まれており、走行風がこのアンダカバーと
路面との間を通過する際に流速が増加し、該部分に負圧
が発生する。本発明に係る冷却構造では、上記アンダカ
バー底面のラジエータより後側部分に冷却風排出口を形
成したので、上記アンダカバーと路面との間に生じる負
圧によりラジエータを通過した冷却風が吸引排出され
る。その結果、従来のレッグシールド下部に排出口を形
成した場合に比べて排風効率が高まり、ラジエータへの
冷却風量が増大して冷却効率が向上する。そして上記排
出口の後縁部から上記ラジエータ上部に向かって延びる
導風壁を形成したので、この導風壁によって、走行風が
アンダカバー内に進入するのを防止でき、これにより上
記負圧が小さくなるのを抑制でき、この点から、より一
層冷却風量が増大する。
【0007】また上記導風壁はラジエータの後方に位置
するエンジン構成部品に対する熱影響を遮断する遮熱板
として、さらに泥等の付着を防止する泥避けとしても機
能する。
【0008】また本発明では上記排出口をアンダーカバ
ー底面に、導風壁をアンダカバー内にそれぞれ設けたの
で、これらが外方から見えることはなく外観の悪化を回
避できる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図に基づいて説
明する。図1ないし図47は、本発明の一実施例による
スクータ型自動二輪車を説明するための図であり、図1
は自動二輪車の左側面図、図2は動力ユニットの懸架部
分を示す左側面図、図3は図2のIII-III 線断面図、図
4〜図6はそれぞれパイプの製造方法を説明するための
工程図、図7はステアリング装置の左側面図、図8はハ
ンドル取付け部分を示す断面図、図9〜図13はそれぞ
れ動力ユニットの平面図,左側面図,背面図、右側面
図,一部断面平面図、図14〜図17はそれぞれラジエ
ータの配置構造を示す左側面図,平面図,正面図,平面
図、図18は車体カバーの正面図、図19はフロントフ
レームの左側面図、図20はラジエータの冷却構造を示
す左側面図、図21はフロントカバーの断面側面図、図
22はレッグシールドの背面図、図23はメインスイッ
チ部分の断面図、図24〜図26はそれぞれ収納装置を
説明するための断面図、図27,図28はフートボート
の平面図,断面図、図29,図30はサイドカバーの左
側面図,断面背面図、図31,図32はグラブバーの断
面図,側面図、図33はシート後部を示す一部断面図、
図34はリアキャリアを示す左側面図、図35〜図39
はそれぞれシート装置を説明するための斜視図,側面
図,平面図,断面側面図,一部断面側面図、図40はフ
ューエルリッドの分解斜視図、図41はガスダンパの動
作を示す構成図、図42〜図45はそれぞれスタンド装
置を説明するための平面図,左側面図,概略構成図,模
式図、図46はシートヒンジブラケットの断面図、図4
7はスタンド本体の動作を示す概念図である。なお、本
実施例の左右,前後とは乗車状態で見た左右,前後をい
う。
【0010】図において、1は本実施例のスクータ型自
動二輪車であり、これは車体フレーム2の略中央下部に
スイング式動力ユニット3を枢支するとともに、上部に
シート4を搭載し、車体の周囲を車体カバー1aで囲ん
だ概略構造のものである。
【0011】上記車体カバー1aは樹脂製のもので、フ
ロントカバー6,及びレッグシールド7からなり、上記
車体フレーム2のヘッドパイプ5の外周部を囲む前部車
体カバー6´と、該レッグシールド7の下部に配設され
足載部を構成するフートボード8と、該フートボード8
の下面に配置されたアンダカバー9と、上記シート4の
左, 右下方から上記動力ユニット3の上方を覆うサイド
カバー10とを備えている。
【0012】上記車体フレーム2は、以下の構造となっ
ている。上記ヘッドパイプ5の中央部には車体後方に斜
め下方に延びる1本のメインフレーム11が接続されて
いる。該メインフレーム11の下端には左, 右一対のサ
イドフレーム12,12の前端が接続されており、該各
サイドフレーム12は車体後方に斜め下方に延びた後、
後方に略水平に直線状に延びている。
【0013】また上記へッドパイプ5のメインフレーム
11より下部には左, 右一対のダウンチューブ13,1
3の前端が接続されている。この各ダウンチューブ13
は車体後方に下方に延びる傾斜部(前側部)13aと、
該傾斜部13aの下端から後方に略水平に直線状に延び
る直線部(下側部)13bと、該直線部13bの後端か
ら斜め上方に延びる屈曲部13cとから構成されてい
る。
【0014】上記各サイドフレーム12の後端部12a
と、上記各ダウンチューブ13の屈曲部13cとは懸架
ブラケット14により一体に接続固定されている。この
各懸架ブラケット14には後方に略直線状に延びるリア
フレーム15の前端が接続されており、該リアフレーム
15の上面には該フレーム15の前端から後方斜め上方
に延びた後、略垂直下方に延びる支持パイプ16が接続
されている。
【0015】上記左, 右の懸架ブラケット14の上部間
には平面視で大略U字状をなす懸架リンク17が架設さ
れており、該懸架リンク17の左右アーム部17a,1
7aは上記懸架ブラケット14にゴムダンパ18を介在
させてボルト19で締結されている。この懸架リンク1
7の基部17bに上記動力ユニット3がピボット軸20
により上下揺動可能に枢支されており、該ピボット軸2
0と懸架リンク17との間にはゴムブッシュ21が圧入
されている。
【0016】また上記懸架ブラケット14とピボット軸
20の右端部とは1本のコンプレッションロッド22で
連結されている。このコンプレッションロッド22は棒
部材22aの両端に円筒部材22b,22cを接続した
もので、一方側の円筒部材22bは上記懸架ブラケット
14の下部にボルト23で固定されており、他方側の円
筒部材22cは上記ピボット軸20に固定されている。
上記懸架ブラケット14のボルト23,19間に上記サ
イドフレーム12の後端部12aが接続されており、こ
のサイドフレーム12の接続により前後方向力に対する
剛性の向上を図っている。また上記各円筒部材22b,
22cとボルト23,ピボット軸20との間にはゴムブ
ッシュ24が介設されており、該ゴムブッシュ24の半
径方向中央には周方向に延びる空隙部24aが形成され
ている。これにより加減速時等の入力に応じてばね定数
が変化し、防振性の向上を図りながら、駆動,制動によ
るエンジン挙動の防止を図っている。
【0017】上記サイドフレーム12とダウンチューブ
13の屈曲部同士は縦パイプ25により接続されてお
り、また左右サイドフレーム12の屈曲部同士,及び直
線部同士は横パイプ26により接続されている。この縦
パイプ25はプレスにより打ち抜き形成された平板25
´を筒体に成形して製造されたものである。
【0018】即ち、図4〜6に示すように、上記縦パイ
プ25の周方向展開寸法(周長)aを有する平板25´
を用意し、上記サイドフレーム12,ダウンチューブ1
3と縦パイプ25との当接面bを展開した形状b´とな
るように平板25´の図示左,右端部を打ち抜き、この
平板25´を円筒体に成形した後、突き合わせ部25a
´,25a´同士を溶接して製造されたものである。ま
た上記縦パイプ25には治具孔25b,水抜き孔25c
が形成されており、この各孔25b,25cは上記平板
25´の両端部の打ち抜きと同時に形成したものであ
る。なお、平板25´として上記周長aより幅の広い板
を用意し、これを上記左,右端部打ち抜きと同時にa寸
法に打ち抜いても勿論かまわない。また上記横パイプ2
6も縦パイプ25と同様にして製造されたものである。
【0019】次に本実施例のステアリング装置について
説明する。上記ヘッドパイプ5にはステアリングシャフ
ト30が挿入されている。該ステアリングシャフト30
は上記ヘッドパイプ5の上下端に配設された軸受31,
31により軸支されており、上側の軸受31はステアリ
ングシャフト30に螺着されたダブルナット32により
締め付け固定されている。また上記ステアリングシャフ
ト30の下端にはフロントフォーク33が固定されてお
り、該フロントフォーク33の下端で前輪34が軸支さ
れている。
【0020】上記ステアリングシャフト30の上端には
操向ハンドル35が装着されている。この操向ハンドル
35はアンダホルダ36aとアッパホルダ36bとから
なる上下2分割式のハンドルホルダ36に大略U字状の
ハンドル本体37をボルト締め固定して構成されてい
る。上記アンダホルダ36aはステアリングシャフト3
0の上部が挿通される筒状の固定部36cにハンドル取
付け座36dを一体形成したもので、該固定部36cの
ステアリングシャフト取付孔38の上部内周面には雌テ
ーパ面38aが形成されている。また上記ステアリング
シャフト30の上端部外周面には上記雌テーパ面38a
に嵌合する雄テーパ面39が形成されており、半球状の
結合キー40で廻り止めされている。そして上記ステア
リングシャフト30の上端にはナット41が螺着されて
おり、該ナット41により上記アンダホルダ36aは締
め付け固定されている。なお、40aはキー挿通溝であ
る。
【0021】また上記ステアリングシャフト30の上部
はレッグシールド7の上合面に形成された貫通孔42を
挿通してハンドルカバー43内に突出している。該貫通
孔42は上記ダブルナット32より大径に形成されてお
り、かつ若干の隙間aをあけてハンドルカバー43の下
面で覆われている。なお、ハンドルカバー43は、正面
視で上記ハンドル本体37に沿った略U字状をなしてい
る。
【0022】上記操向ハンドル35の右, 左グリップ4
4にはそれぞれ前輪ディスクブレーキレバー(図示せ
ず),後輪ドラムブレーキレバー45が装着され、また
左グリップ44にはホーン,ターンシグナル等のハンド
ルスイッチ46が装着されている。このうち前輪ブレー
キホース,ハンドルスイッチリード線等はハンドルカバ
ー43内に配索されている。上記後輪ブレーキケーブル
47はハンドルカバー43の外側に配索されており、該
ハンドルカバー43の外側前方を通ってフロントカバー
6内のダウンチューブ13に沿って配索されている。ま
た上記後輪ブレーキケーブル47は上記ダウンチューブ
13の傾斜部13aの下部,及び直線部13bの後部に
装着されたガイドクランプ(図示せず)で前後動自在に
支持されており、さらに延長端部は上記動力ユニット3
の前端部に固定されている。このように後輪ブレーキケ
ーブル47をハンドルカバー43の外側に配索すること
により、局部的な屈曲を避けてケーブル47の曲げRを
大きくとることができ、ブレーキ操作時の摺動抵抗を小
さくできる。またハンドルカバー43をコンパクにする
ことができるので、外観の向上を図ることができるとと
もに、後述するフロントカバー6に配置された各種メー
タ類の視認性を向上できる。また上記後輪ブレーキケー
ブル47をダウンチューブ13に沿って配索するととも
に、後端部を動力ユニット3に固定したので、該ユニッ
ト3の上下揺動により生じるケーブルの前後移動を円滑
に吸収することができる。
【0023】上記スイング式動力ユニット3はエンジン
本体50にVベルトドライブ式無段変速装置51を一体
的に接続したもので、該動力ユニット3の後端部に後輪
52が軸支されている。また上記動力ユニット3の後端
部にはリヤクッション53の下端が軸支されており、該
リヤクッション53の上端は上記リヤフレーム15に取
付けブラケット54を介して軸支されている。
【0024】上記エンジン本体50はこれの気筒軸を前
方に傾斜させた水冷式4サイクル単気筒エンジンであ
り、これはクランクケース55にシリンダブロック5
6,シリンダヘッド57を積層してボルトで締結し、上
記シリンダブロック56のシリンダボア内にピストン5
8を摺動自在に挿入するとともに、該ピストン58をコ
ンロッド59でクランク軸60のクランクピン61に連
結した構造のものである。上記シリンダヘッド57の合
面に形成された燃焼凹部57aには吸気ポート62,排
気ポート63が開口しており、該各開口にはこれを開閉
する吸気バルブ64,排気バルブ65が配設されてい
る。この吸気バルブ64,排気バルブ65の上端にはこ
れを押圧駆動するカム軸66が配置されており、該カム
軸66はタイミングチェーン67を介して上記クランク
軸60で回転駆動される。なお、68は上記タイミング
チェーン67の張力を自動調整するオートテンショナで
ある。
【0025】また上記シリンダヘッド57の下壁の排気
ポート63には排気管48が接続されており、該排気管
48は車体右側部に導出されここから後方に延びてお
り、後端にはマフラ(図示せず)が接続されている。さ
らにシリンダヘッド57の上壁の吸気ポート62には吸
気管を介してキャブレタ49が接続されており、該キャ
ブレタ49はシリンダブロック56の上壁に固定されて
いる(図14,図15参照)。このキャブレタ49には
車体左側部の伝動ケース上に配置されたエアクリーナ
(図示せず)が接続されている。
【0026】上記クランク軸60の右側端部には発電機
69が装着されており、左側端部には上記無段変速装置
51の駆動プーリ70が装着されている。上記発電機6
9の内側にはリングギヤ71がワンウエイクラッチ(図
示せず)を介して装着されており、該リングギヤ71に
は上記クランクケース55の上面に配置されたスタータ
モータ72の出力ギヤ72aが減速ギヤ73を介して噛
合している。
【0027】上記クランクケース55内の下部には冷却
水ポンプ駆動軸74が、また該駆動軸74とクランク軸
60との間にはオイルポンプ駆動軸75がそれぞれクラ
ンク軸60と平行に配置されている。該クランク軸60
のリングギヤ71の内側にはドライブギヤ76が装着さ
れており、該ドライブギヤ76は上記駆動プーリ70の
反対側に位置している。このドライブギヤ76にはアイ
ドラギヤ77を介して冷却水ポンプ駆動ギヤ78が噛合
しており、該アイドラギヤ77には上記オイルポンプ駆
動軸75が固定されている。そしてオイルポンプ79は
上記駆動プーリ70と反対側のクランクケース55内の
中央下部に配設されており、冷却水ポンプ80は駆動プ
ーリ70側のクランクケース55の下部外壁に配設され
ている。
【0028】上記クランク軸60の右側軸受81とクラ
ンクウェブ60aとの間には潤滑油の不浄物を濾過する
ロータリフィルタ82が装着されている。また上記クラ
ンク軸60の右側部分には、軸方向に延びるメインオイ
ル通路83と、該メインオイル通路83の内端から半径
方向に延び上記ロータリフィルタ82の入口に連通する
第1オイル通路84と、該ロータリフィルタ82の出口
からクランクピン61に向かって斜めに延びる第2オイ
ル通路85とが形成されている。
【0029】上記エンジンユニット50の潤滑油経路は
以下の構造となっている。上記クランクケース55の下
部に形成されたオイルパン86からオイルポンプ79に
より吸引された潤滑油は、クランクケース55に一体形
成されたメインギャラリ87に圧送され、ここからクラ
ンク軸経路,カム軸経路に分岐される。該クランク軸経
路では、上記メインギャラリ87からクランクケース5
5の内壁に一体形成されたオイル通路89,及び該ケー
ス55の右合面に装着されたクランクケースカバー88
の外壁に一体形成されたオイル通路90a,90bを通
ってオイル室90cに圧送される。そしてオイル室90
cからクランク軸60のメインオイル通路83,第1オ
イル通路84を通ってロータリフィルタ82に圧送さ
れ、ここから第2オイル通路85を通ってクランクピン
61から大端部,ピストン摺動面等に供給され、この後
オイルパン86に回収される。また、上記カム軸経路で
は、上記メインギャラリ87からシリンダヘッド,シリ
ンダをクランクケースに固定するヘッドボルトの挿通孔
(図示せず)を通ってシリンダヘッド57の潤滑油孔9
1aからオイル室91bに圧送される。そしてオイル室
91bからカム軸66の軸心及び軸直交方向に連通形成
されたオイル孔66a,66bを通ってカム摺動面等に
供給されるとともに、カム軸66の軸受92等を通って
タイミングチェーン室93に供給され、この後オイルパ
ン86に回収される(図12,図13の→印参照)。
【0030】上述のようにロータリフィルタ82をクラ
ンク軸60のクランクウェブ60aと右側軸受81との
間に配置したので、該フィルタ82からクランクピン6
1への第2オイル通路85を径方向に延びる1つの直線
孔により形成することができ、オイル通路の加工本数の
削減を図ることができ、加工コストを低減できる。ちな
みに従来は、ロータリフィルタを軸受の外側に配置して
おり、このため該フィルタとクランクピンとを連通する
オイル通路として、軸方向に延びる孔と径方向に延びる
孔との2本が必要があった。
【0031】上記クランクケース55は左右2分割構造
のもので、左側クランクケース55aには伝動ケースの
内壁面を構成する伝動ケース本体94が一体形成されて
いる。該ケース本体94の合面には伝動ケースの外壁面
を構成する伝動ケースカバー95がボルト締め固定され
ており、これによりベルト室Vが形成されている。この
ベルト室Vの前部に上記駆動プーリ70が、また後部に
従動軸96で支持された従動プーリ97が配置されてお
り、両プーリ70,97間にはVベルト98が巻回され
ている。上記駆動プーリ70の内側シーブ70aはウエ
イト99に作用する遠心力により軸方向に移動するよう
になっている。また上記従動軸96の左側部には遠心ク
ラッチ100が装着されており、該従動軸96には中間
軸101を介して後輪軸102が連結されている。
【0032】側面視で見ると上記伝動ケース本体94,
及び伝動ケースカバー95の両プーリ70,97間部分
bはVベルト98の配設に必要なサイズより上方,下方
に膨出形成されており、これによりVベルト98が上下
振れを生じてもケース内壁に当たることはなく、ばたつ
き音を防止するとともに接触による損傷を防止してい
る。
【0033】上記伝動ケースカバー95の外側にはケー
ス内で生じる騒音の外方発散を抑制する樹脂製ケースカ
バー104が装着されている。該樹脂製ケースカバー1
04は前側カバー105と後側カバー106との2分割
構造のものである。上記伝動ケースカバー95の前部に
は駆動プーリ70側にへこむ凹部95aが形成されてお
り、該凹部95aと前側カバー105の前部とで形成さ
れた空間がクリーナボックス107となっている。また
上記伝動ケースカバー95の凹部95aにはクリーナボ
ックス107からベルト室V内に冷却風を導入する取入
口103が形成されており、該取入口103の周縁部と
上記前側カバー105との間にエレメント108が挟持
された状態に配設されており、前側カバー105と凹部
95aとはボルト締め固定されている。
【0034】上記前側カバー105の後端部は、後側カ
バー106の前部外側を覆うように後方に延長されてい
る。該延長部の後端には上記クリーナボックス107内
に冷却風を導入する吸引口109が一体形成されてお
り、該吸引口109の開口縁には二股状のねずみ返し部
109aが一体形成されている。また吸引口109の開
口には複数のリブ105aが上下方向に間隔をあけ、か
つ下向きに傾斜させて配設されており、該リブ105a
は上記前側カバー105に一体形成されている。これに
より上記吸引口109からクリーナボックス107内に
水,ほこり等が進入するのを防止している。
【0035】上記車体フレーム2の前部にはラジエータ
116が配設されている。このラジエータ116はコア
部116aの左右側部にタンク部116bを配置すると
ともに後面に電動ファン117を配置した構造のもので
ある。上記ラジエータ116は、上記左, 右のダウンチ
ューブ13の傾斜部(縦辺部)13aの後側で、かつ後
述するフートボード8のセンタトンネル8aの前部内に
配置されており、またラジエータ116の各タンク部1
16bが車体正面視で上記傾斜部13aとラップするよ
うに配置されている。
【0036】上記右側タンク部116bの上面に給水ホ
ース118の下端が接続されており、該給水ホース11
8の上端の給水口118aは上記ヘッドパイプ5の左側
部に配置されており、該給水口118aにはラジエータ
キャップ119が装着されている。また上記左側タンク
部116bの下端には冷却水供給ホース120の前端が
接続されており、該供給ホース120の後端は上記冷却
水ポンプ80の吸引口に接続されている。上記シリンダ
ヘッド57の上面中央部に形成された冷却水排出口には
サーモスタット80aを介設してリターンホース121
の後端が接続されており、該ホース121の前端は右側
タンク部116bの上端に接続されている。なお、12
2は冷却水補充用のリカバリタンクであり、これは右側
ダウンチューブ13の直線部13b上に配置固定されて
いる。
【0037】また、上記シリンダヘッド57の上面右側
部に形成された冷却水排出口には上記キャブレタ49に
冷却水の一部を供給する冷却ホース123が接続されて
おり、これによりアイシングによるキャブレタの作動不
良を防止している。また該キャブレタ49の前面中央部
には冷却水の戻りホース124が接続されており、該戻
りホース124は上記リターンホース121の上流端に
接続されている。そして上記キャブレタ49の冷却水通
路(図示せず)の途中にはエア抜きスクリュウ115が
挿着されており、該スクリュウ115はラジエータ11
6等の全冷却水通路の最上部に位置している。
【0038】上記エンジンユニット50の冷却水経路は
以下の構造となっている。冷却水ポンプ80によりラジ
エータ116から吸引した冷却水は、シリンダブロック
56の下面から該ブロック周壁に形成されたウオータジ
ャケット(図示せず)に供給され、ここからシリンダヘ
ッド57に形成されたウオータジャケットに供給され
る。このウオータジャケットを通った冷却水はシリンダ
ヘッド57の冷却水排出口からサーモスタット80aを
経てリターンホース121からラジエータ116のタン
ク部116bに戻され、コア部116aで冷却された
後、再び冷却水ポンプ80で吸引される。一方、上記シ
リンダヘッド57からの冷却水の一部は冷却ホース12
3からキャブレタ49内の冷却水通路に供給され、スロ
ットル弁(図示せず)等の周囲を回って戻りホース12
4から上記リターンホース121に排出される。
【0039】次に、本実施例の車体カバー1aについて
詳細に説明する。上記前部車体カバー6´を構成するフ
ロントカバー6の前面左, 右側部には走行風導入開口1
25が形成されており、該開口周縁は車体後方に折り曲
げられており、これにより筒状の延長部125aが形成
されている。この延長部125aはフロントカバー6の
下部の剛性を向上する補強部材としても機能している。
【0040】また上記フロントカバー6内の上記導入開
口125に臨む部分にはインナフェンダ126が配設さ
れており、該インナフェンダ126は、下部ブラケット
129,フロントフレーム131等に固定されている。
【0041】上記インナフェンダ126は、左右側壁1
26aと天壁126bとからなるトンネル状のもので、
上記天壁126bの前縁は上記延長部125aの上側に
位置し、後部はラジエータ116に向けて下方に湾曲形
成されている。該天壁126bの下端にはアンダカバー
9の上方延長部9dが続いており、該上方延長部9dに
は導入口9eが形成されている。これにより上記インナ
フェンダ126及び上方延長部9dは上記導入開口12
5から導入された走行風をラジエータ116のコア部1
16aに向けて案内する導風機能と、雨水,泥等がフロ
ントカバー6内に侵入するのを防止する泥除け機能を果
すようになっている。
【0042】また上記フロントカバー6の下方には前輪
34の上方を覆う可動フェンダ34aが位置しており、
上記走行風導入口9eは前輪34の後方に隠れている。
上記可動フェンダ34aの上面中央部には下向きのフェ
ンダ凹部34bが形成されており、上記フロントカバー
6下面の上記フェンダ凹部34bに対向する部分には上
向きのフロント凹部6bが形成されている。これにより
上記フロント凹部6bとフェンダ凹部34bとで走行風
導入する導入通路Aが形成されており、該通路Aは上記
インナフェンダ126,アンダカバー9の上方延長部9
dとで走行風をラジエータ116に導入するようになっ
ている。
【0043】上記インナフェンダ126の下方でかつ走
行風導入開口125に対向する位置にホーン127が配
置されている。該ホーン127は支持部材128に取付
けられており、該支持部材128は上記インナフェンダ
126の天壁126bを貫通してヘッドパイプ5に溶接
された下部ブラケット129に固定されている。これに
よりホーン音は上記導入開口125から前方に発音する
ようになっている。
【0044】また、図20に示すように、上記アンダカ
バー9の底面9dのラジエータ116の後側部分には冷
却風排出口9bが形成されている。また上排気口9bの
後縁から導風壁9cが上記ラジエータ116の上部に向
かって斜め上方に傾斜しつつ延びており、該導風壁9c
は上記ラジエータ116からの冷却風を上記排出口9b
に案内するように機能する。これによりラジエータ11
6に供給された走行風はアンダカバー9の底面9dと路
面との間に生じる負圧によって吸引され、上記排出口9
bから外方に放出される。
【0045】上記ヘッドパイプ5の上部には前方に突出
する上部ブラケット130が、下部には上記下部ブラケ
ット129が溶接により固定されており、該両ブラケッ
ト129,130には鋼管製のフロントフレーム131
が固定されている。このフロントフレーム131は側面
視で大略C字状に屈曲形成された前フレーム132と、
該前フレーム132に接続された後フレーム133とか
らなり、該フロントフレーム131に上記フロントカバ
ー6がボルト締め固定されている。
【0046】上記フロントカバー6の上縁6cは車体前
方から見て大略U字状をなすように起立形成されてお
り、該上縁6cの外側にはこれに沿って乗員の前方を覆
うウインドシールド134の下縁134aがボルト13
4bにより固定されている。また上記フロントカバー6
の前端中央に形成された開口6dにはヘッドライト13
5が、左, 右上端部に形成された開口6eにはフラッシ
ャライト136,136がそれぞれ装着されており、こ
の各ライト135〜136は上縁6cの下部に沿って配
置されており、フロントカバー6にボルト締め固定され
ている。
【0047】上記ウインドシールド134,及び各ライ
ト135〜136は、フロントカバー6のフロントフレ
ーム131への固定部131a,131bに近接して配
置されており、また該フロントカバー6の各部品の取付
け部,及びその周囲は図示していないが他の部分より厚
肉に形成され、さらにリブ等が一体形成されている。こ
のようにウインドシールド134,各ライト135,1
36,及び機器類137等の各部品をフロントカバー6
に直接固定し、該カバー6をフロントフレーム131に
固定するとともに、上記各部品の近傍にフロントカバー
6の固定部を配置した構造となっている。これにより各
部品の重量をフロントカバー6,フロントフレーム13
1で分散させて支持することができ、強度,剛性を確保
できる。また上記各部品をフロントカバー6に直接固定
したので、該部品とフロントカバー6との合わせ面を精
度良く合わせることができ、外観及び組み付け性を向上
できる。即ち、従来は、上記重量物である各部品はフレ
ームに固定するのが一般的である。このため該フレーム
にフロントカバーを装着する際の取付け誤差により各部
品とフロントカバーとの合わせ面がずれ易く見栄えが悪
化するという問題があり、また組付け作業に手間がかか
るという問題があった。
【0048】上記フロントカバー6の上縁6cとヘッド
ライト開口6dの上縁との間には人の手が挿入可能な大
きさのメンテナンス開口140が形成されており、また
上記上縁6cの左, 右下縁部分には該開口140より小
さいメンテナンス開口141,141がそれぞれ形成さ
れている。そして上記フロントカバー6の前面には帯板
を大略U字状に屈曲成形してなるメンテナンスカバー
(トリムカバー)142が着脱可能に装着されている。
このメンテナンスカバー142により上記各メンテナン
ス開口140,141、及び上記ウインドシールド13
4の下縁134aの各ボルト134bは覆われている。
ここで、上記ヘッドライト135のバルブ交換,各メー
タ類の結線,メータワイヤの取り替え,等のメンテナン
スを行うには、メンテナンスカバー142を外し、メン
テナンス開口140,141から手や治具を挿入して行
う。またエーミングはフロントカバー6の下面から手を
差し入れて行うこととなる(図21参照)。
【0049】上記フロントカバー6の後面には上記レッ
グシールド7がヘッドパイプ5の上部ブラケット130
等に固定されて装着されており、該レッグシールド7
は、収納部を構成する縦壁部7aと該縦壁部7aの下端
から斜め下方に延びるトンネル部7bと該トンネル部7
bの下端から左, 右側方に延び、足載部の一部を構成す
るフート部7c,7cとから構成されており、上記トン
ネル部7b内に上記メインフレーム11,及び左右サイ
ドフレーム12の接続部分が位置している。
【0050】上記縦壁7aの上端にはインナパネル7h
が接続されており、該インナパネル7hと縦壁7aとの
境界部に上記貫通孔42が形成され、またインナパネル
7hにスピードメータ,タコメータ等の機器類137が
配設されている。
【0051】また上記縦壁7aの上端略中央部には取付
け座7dが垂直面をなすように凹設されており、該取付
け座7dにメインスイッチ150が配設されている。図
23(a),(b)に示すように、上記取付け座7dに
は挿入孔7eが形成されており、該挿入孔7eの周縁に
は車体前方に延びる一対の係合片7fが一体に突出形成
されている。上記メインスイッチ150はキーシリンダ
150aと、該シリンダ150aのオン・オフ位置等を
表示するスイッチキャップ151とからなり、上記キー
シリンダ150aの後端部は上記ヘッドパイプ5の上部
ブラケット130により支持されており、従ってキーシ
リンダ150aは上記レッグシールド7と共通のブラケ
ットに固定されている。
【0052】上記スイッチキャップ151は、円筒体1
51aの前端にフランジ部151bを一体形成するとと
もに、円筒体151aの後端に一対の突起片151cを
一体形成した構造のものである。該スイッチキャップ1
51はフランジ部151bの内周を上記キーシリンダ1
50aの前部に一体形成された嵌合部150bに嵌合さ
せるとともに、上記円筒体151aに軸方向に延びるよ
うに形成された係合スリット151d内に軸方向に延び
るよう形成された突起条150cを係合させることによ
り周方向に位置決め固定されている。そして上記フラン
ジ部151bは取付け座7dの挿入孔7eの周縁に当接
しており、上記突起片151cは取付け座7dの係合片
7fに係合している。これにより上記スイッチキャップ
151はこれの軸心が取付壁7dに垂直となるように該
取付け座7dに固定されており、かつ軸方向への移動が
規制されている。
【0053】また、上記スイッチキャップ151のフラ
ンジ部151bには、キースイッチの位置を示すON,
OFF,OPEN,LOCKの文字が表示されている。
本実施例スクータは、キースイッチをON位置に回動す
るとヘッドライトが点灯する常時点灯方式を採用し、か
つOPEN位置に回動するとシートロックが解除される
ようになっている。そしてキースイッチをOPEN位置
に回動した後、手を離すとキースイッチはOFF位置に
自動復帰するようになっている。従って本実施例ではシ
ートを開いた時はヘッドライトは自動的に消灯するの
で、消灯忘れによるバッテリあがりを防止できる。
【0054】上記レッグシールド7には収納装置が設け
られている。この収納装置は、該レッグシールド7の縦
壁7aの車幅方向中央部から右側部分を車体前方に膨出
することにより箱状のトランク凹部152を一体形成す
るとともに、上記縦壁7aの左側部分を切り欠いてトラ
ンク開口153を形成し、該トランク開口153に別途
形成されたトランク部材154を配設して構成されてい
る。
【0055】上記トランク凹部152の車体前方に位置
する前壁152aの左端部は上記ヘッドパイプ5の後側
を囲むように湾曲形成されており、天壁152bの中央
部は上記メインスイッチ150の下側を囲むように湾曲
形成されている。また上記トランク凹部152の底壁1
52cには挿通孔152dが形成されており、該トラン
ク凹部152内には挿通孔152dを挿通して上述のラ
ジエータ116のキャップ119を有する給水口118
aが臨んでいる。この挿通孔152dにはキャップ15
5が着脱可能に配設されており、該キャップ155はこ
れの下縁を軸方向に切り欠いて形成された係合爪155
aを上記挿通孔152dの周縁に係合させることにより
装着されている。
【0056】上記トランク部材154の開口は上記トラ
ンク開口153より大きく形成されており、該開口の下
縁154aは上記トランク開口153の下縁より下方
に、また上縁154bはトランク開口153の上縁より
上方に位置し、さらに左縁154eはトランク開口15
3の左縁より外側に位置している。また上記トランク部
材154の開口周縁にはフランジ部154cが一体形成
されており、該フランジ部154cには周方向に沿って
複数のボス154dが一体形成されている。このボス1
54d内には上記レッグシールド7の裏面に一体形成さ
れた突起部156が嵌合挿入され、その先端部が溶着さ
れており、これによりトランク部材154はレッグシー
ルド7に固定されている。また上記トランク部材154
の右端縁は上記トランク凹部152の左端縁に上記突起
部156を溶着することにより接合されており、これに
よりトランク部材154とトランク凹部152とは連通
し、かつ一体に接続されている。
【0057】上記トランク凹部152の開口及びトラン
ク開口153には両開口を開閉するリッド157が配設
されている。このリッド157は、これの下縁をヒンジ
158を介してトランク凹部152の開口下縁,及びト
ランク開口153の下縁に回動自在に支持するととも
に、上記リッド157の中央上端部にロック部材159
を配設したものである。このロック部材159は、図2
6に示すように、キーシリンダ159aをホルダ159
bとナット160で上記リッド157に締め付け固定し
た構造のものである。また上記トランク凹部152には
これの天壁152bを下側に屈曲形成してなる係合部1
52fが形成されており、また該係合部152fの後部
には切り欠き孔を介して半円状の支持凹部152gが形
成されている。そして上記係合部152fに上記キーシ
リンダ159aのロック爪159cが係脱可能に係合し
ており、上記支持凹部152gによりキーシリンダ15
9aは周方向の動きが規制されている。
【0058】このように上記収納装置では、キー付きリ
ッド157が配設されたトランク凹部152内にラジエ
ータ116の給水口118aを配置したので、いたずら
を防止できるとともに、冷却水の注水作業を容易に行う
ことができる。ちなみに、従来のように、車体カバー内
に給水口を配置する場合は、給水するたびに車体カバー
を取り外す必要があり、手間のかかる作業となる。また
車体カバーにリッドを配置する場合は、いたずら防止用
のキーを別途設ける必要があり、コストが上昇するとと
もに、リッドが外方から見えることから見栄えが悪いと
いう問題がある。さらにトランク凹部152を構成する
レッグシールド7,及びラジエータ116の給水ホース
118とも車体フレーム2に固定したので、給水口11
8aとトランク凹部152の挿通孔152dとの位置精
度を向上できる。
【0059】上記レッグシールド7の下端には上記フー
トボード8の前端が接続されており、該フートボード8
の下面には上記アンダカバー9が接続されている。上記
フートボード8は、上記レッグシールド7のトンネル部
7b,及び左右のフート部7c,7cに続いて後方に直
線状に延びるトンネル部8a,及びフート部8b,8b
を一体形成してなり、このトンネル部8a内に左右サイ
ドフレーム12が配置されており、上記両フート部8b
の下方にダウンチューブ13の直線部13bが配置され
ている。
【0060】上記フートボード8の右側フート部8bの
前後方向中央部には、該フート部8bを下方に膨出して
なる箱状の収納凹部161が一体形成されている。この
収納凹部161の上面開口には蓋部材162がフック1
63に係脱することにより開閉可能に配設されており、
該蓋部材162はフート部8bと面一に形成されてい
る。上記収納凹部161内の中央部にはバッテリ164
が、前部にはヒーズ等の電装部品165が、後部には上
述のリカバリタンク122の注入口122aが配置され
ている。また上記フート部8bの上面には足載マット
(図示せず)が敷設されており、該マットにより上記蓋
部材162は覆われている。
【0061】このように上記収納凹部161内にバッテ
リ164,電装部品165,及びリカバリタンク122
の注入口122aを集中して配置したので、点検整備を
容易に行うことができる。また上記フート部8bの蓋部
材162はマットで覆われているので、外方から見えな
いので外観を向上できるとともにいたずらを防止でき
る。さらにフート部8bに収納凹部161を一体形成し
たので、該部分の剛性を向上できる。また収納凹部16
1内にリカバリタンク122の注入口122aのみを配
置し、本体部は収納凹部161の外方に位置させたの
で、収納凹部161及び蓋部材162を小さくできる。
なお、従来は、バッテリ,電装部品等を車体カバー内に
個別に分散させて配置しており、点検作業を行うごとに
カバー類を脱着する必要があり、手間のかかる作業とな
っていた。
【0062】また、上記フートボード8のトンネル部8
aの中央部には物入開口166が切り欠き形成されてお
り、該開口周縁には段落ち状のフランジ部166aが一
体形成されている。この開口内には別途形成された物入
れ箱167が着脱可能に挿入配置されており、該物入れ
箱167の上縁に一体形成されたフランジ部167aは
ボルト167bによりフートボード8及びサイドカバー
10と共締め固定されている。上記物入開口166には
リッド168が開閉自在に配設されており、該リッド1
68の前縁はヒンジ結合されており、後部にはキー付き
ロック部材168aが装着されており、さらに上記リッ
ド168はトンネル部8aと面一になっている。
【0063】上記物入れ箱167を取り外すことによ
り、物入開口166から手を差し入れてエンジンユニッ
ト50,ラジエータ116の電動ファン117等の整備
を行うことができる。また物入れ箱16とサイドカバー
10とが共締めされているので部品点数が少なくて済
む。
【0064】上記フートボード8の後端にはサイドカバ
ー10の前端が接続されている。該サイドカバー10の
上部には上記シート4が配設されており、該シート4
は、後述するように前部座席4aと該前部座席4aより
一段高い後部座席4bとからなり、底板4cにクッショ
ン4dを配置し、該クッション4dを表皮4eで覆った
構造のものである。上記サイドカバー10は左,右一対
の下部サイドカバー170と、左右一体型の上部サイド
カバー171と、左右一体型の前部サイドカバー172
とで構成された3分割構造のものである。上記下部サイ
ドカバー170は動力ユニット3の左右側方を覆うとと
もに後輪52の上方を覆っており、該下部サイドカバー
170と上部サイドカバー171の前部間には後部乗員
の足載部170aが位置している。上記上部サイドカバ
ー171はシート4の後部座席4bの下方を覆うように
斜め上方に延びており、該上部サイドカバー171の後
端面にはテールランプ,ストップランプ,フラッシャラ
ンプを一体化した標識ライト171aが配設されてい
る。また上記前部サイドカバー172は上記シート4の
前部座席4aの下方を覆っており、フートボード8と共
締め固定されている。
【0065】また上記サイドカバー10内の後部座席4
bの下方には収納ボックス174が配設されている。こ
の収納ボックス174はヘルメット等が収納可能な大き
さ,形状からなるもので、上記リヤフレーム15間に架
け渡してボルト締め固定されており、該収納ボックス1
74の開口縁部174aは上記シート4の底板4cで覆
われている。この開口縁部174aに臨む底壁4c部分
は上方に凸状に膨出形成されており、これによりヘルメ
ット頂部の逃げスペースを確保している。
【0066】上記上部サイドカバー171の上縁部に
は、図30(a)に示すように、前後方向に延び、かつ
車体前方に前下がりに傾斜し、シート側縁部4dが進入
する凹状溝175が一体形成されている。この凹状溝1
75は、該サイドカバー171の外面をなす外側面17
5aの上端から下方に屈曲形成され、さらに上記収納ボ
ックス174の開口縁部174aの上方を囲むシール部
(内側壁)175cが一体に延長形成されている。この
シール部175cの上面には上記シート4の底板4cに
装着されたウエザーストリップ176が当接しており、
これによりシート4と上部サイドカバー171との間,
及び収納ボックス174との間はシールされている。そ
して上記凹状溝175の外側壁部175bは上記シート
4の長手方向中央部から後部にかけて該シート4の側縁
部4d外方を覆っており、該側縁部4dの下端は凹溝部
175b内に位置している。また上記凹状溝175の内
側壁175dは上記収納ボックス174の開口縁部17
4aの外方を覆っている。
【0067】図30(b),図33に示すように、上記
上部サイドカバー171の後部にはアルミダイキャスト
製のグラブバー173が配設されている。このグラブバ
ー173は後部座席4bの左右側部及び後端面を囲む大
略コ字状のもので、上述の凹状溝175の一部分を構成
する外側壁173bとこれの下端から内方に屈曲して延
びる底壁173cとを有し、外側面173aはサイドカ
バー171の外側面175aと連続面をなしている。左
右の外側壁173bの後端部間にはクロスメンバ173
dが一体に接続形成されている。上記外側壁173bの
前部に一体形成された底壁173cは支持パイプ16の
前後方向中央部にブラケット176を介してボルト締め
固定されている。また上記クロスメンバ173dの左右
端部は上記支持パイプ16の後端部にブラケット178
を介してボルト締め固定されており、該クロスメンバ1
73dの車幅方向中央には上記シート4のロック装置1
79が固定されている。
【0068】上記上部サイドカバー171のグラブバー
173との重なり部分は内側に凹設されており、これに
より上部サイドカバー171の外面とグラブバー173
の外面とは連続面をなすように面一となっている。また
上記グラブバー173の外側壁173bは上記シート4
の側縁部4dを覆っており、該側縁部4dの下端は上記
底壁173cに対向している。
【0069】上記グラブバー173の外側壁173bの
後端部には、図31,図32に示すように、ヘルメット
ホルダ180が一体形成されており、該ホルダ180は
上記外側壁173bを一部切り欠いて形成されたもので
ある。このホルダ180にヘルメット181の止め金1
81aを装着することにより、盗難の防止を図りなが
ら、雨水の侵入を回避できるとともにサイドカバー10
への傷付きを防止できる。即ち、装着状態のヘルメット
181は金属製のグラブバー173に当接し、サイドカ
バー10には当接しにくいとともにヘルメット開口が下
向きになることから、サイドカバー10が傷付くことは
なく、かつヘルメット181内に雨水が入り込むことも
ない。またホルダ180をグラブバー173に一体形成
したのでコストの点においても安価である。なお、従来
は、サイドカバーの上縁にホルダを設ける構造であるこ
とから、ヘルメットはサイドカバーに直接当たり、かつ
上向きになり易いという問題がある。
【0070】また、図34に示すように、シート4の後
上方には、ボックス183が載置されたリヤキャリア1
82が配設されている。該リヤキャリア182は、矩形
状のパイプ182a間に複数の補強板(図示せず)架け
渡して接続したもので、上記パイプ182aの左, 右後
端部に固着された第1支持部材184,及び中央部に固
着された第2支持部材185により支持されている。こ
の第2支持パイプ185は上記グラブバー173の後端
内壁にブラケット186を介してボルト締め固定されて
おり、上記第1支持パイプ184は上記支持パイプ16
の両端に配設された上記ブラケット178間に架設され
たフレームパイプ187に接続されている。
【0071】上記リヤキャリア182の前端部はグラブ
バー173の後端上面173fの上方に位置するように
延長形成されており、該延長部182bに後部座席用バ
ックレスト188が着脱可能に装着されている。このバ
ックレスト188はこれの車幅方向両端部に脚部189
を突設してなり、該脚部189が上記延長部182bに
取付けられている。本実施例では、車体フレーム2を構
成する支持パイプ16,及び該パイプ16に固定された
グラブバー173にリアキャリア182を固定し、該キ
ャリア182にバックレスト188を取付けたので、例
えば従来のように車体フレームに取付けステーを介して
バックレストを取付けたり、あるいはシートに取付けた
りする場合に比べて構造が簡単であり、しかも余分な取
付けスペースを不要にできるのでサイドカバー内の空間
を大きくとることができる。また上記バックレスト18
8を容易に脱着でき、取り外した場合は上記延長部18
2bを荷台スペースとして利用できるとともに、外した
場合の痕跡がなく見栄えの悪化を回避できる。
【0072】次に本実施例のシート装置について説明す
る。上記シート4の前部座席(メインシート)4aの後
端には一段高い後部座席(タンデムシート)4bが形成
されており、両シート4a,4bの境界部には縦壁部1
90が形成されている。該縦壁部190には前部バック
レスト191が配設されている。このバックレスト19
1は乗員の腰部を支持することにより乗り心地の向上を
図るためのもので、乗員の身長等に応じて前後方向に移
動可能に調整できるようになっている。
【0073】上記縦壁部190の車幅方向中央部には車
体前方に突出する凸部192が一体に凸設されている。
また上記バックレスト191の背面には、上記凸部19
2の前面192a,左右側面192b,192b,及び
上面192cを囲む凹部191aが凹設されている。上
記凸部192の前方突出量は、後述する移動調整機構1
93によるバックレスト191の前方最大移動量よりも
若干大きく設定されており、これにより上記バックレス
ト191の背面とこれの前方への移動に伴う縦壁部19
0との間に生じる隙間を埋めている。
【0074】上記移動調整機構193は、以下の構造と
なっている。上記バックレスト191の背面部にはこれ
の凹部191aを囲むようにフレーム板194が配設さ
れており、該フレーム板194には取付けステー195
が装着されている。この取付けステー195は車幅方向
に延びる板本体195aの左, 右端部に後方に延びる棒
状のステー板195bを一体形成したもので、上記板本
体195aがフレーム板194にボルト締め固定されて
いる。なお、上記フレーム板194をバックレスト19
1の凹部191aを囲むように形成したので、該バック
レスト191自体の剛性を高めることができ、腰部を支
持する際の安定感,ホールド感を向上できる。
【0075】一方、上記凸部192の左, 右端部には上
記ステー板195bが挿入可能なガイド孔196が形成
されており、該ガイド孔196内には角筒状のガイド部
197が形成されている。このガイド部197は、これ
の底部を上記底板4cの左,右側端部4c´により構成
するとともに、左, 右側部及び天井部をコ字状に形成さ
れたカイド部材198により構成されており、該ガイド
部材198の外表面には複数の補強リブ198aが一体
形成されている。また上記底板4cの左, 右側端部4c
´の上記ステー板195bに対向する部分にはこれの移
動方向に所定間隔をあけてボルト孔199が形成されて
おり、該ボルト孔199に挿入されたボルト200によ
り上記ステー板195bは締結されている。これにより
上記バックレスト191はこれのステー板195bの前
部がガイド部197により支持されており、後部がボル
ト200により固定されている。ここで上述の収納ボッ
クス174の天壁を構成する上記底板4cの前壁部分
は、上記凸部192の前面192aに沿って途中まで延
びここから車幅方向中央部分を上方に膨出形成し、上記
左右側端部4c´だけ水平に形成しており、これにより
ヘルメットの頂部との干渉を回避している。
【0076】上記移動調整機構193によれば、バック
レスト191に取付けステー195を固定し、シート4
の凸部192にガイド部197を設け、該ガイド部19
7内に上記取付けステー195のステー板195aを差
し込むとともに、該ステー板195aの後端をボルト2
00で固定したので、このボルト200を脱着するだけ
の簡単な作業でバックレスト191の位置調整を行うこ
とができ、また取付けステー195とガイド部197だ
けで構成したので、構造を簡略化できるとともに部品点
数を必要最小限の抑えることができ、コストを低減でき
る。またクッション厚を減らすこともないので乗り心地
が悪化することもない。
【0077】上記シート4の前端下部にはシートヒンジ
205が配設されており、該ヒンジ205を支点として
シート4は上下方向に揺動するようになっている。この
シートヒンジ205は、上記左, 右サイドフレーム1
2,12間に架け渡して立設された鳥居状の高架ブラケ
ット206にヒンジブラケット207を固定し、上記シ
ート底板4cの前端下部に支持ブラケット208を固定
し、該両ブラケット207,208をヒンジピン209
により連結して構成されている。また上記シート4の後
端下部にはU字状のロック部材210が締結されてお
り、該ロック部材210は上述のロック装置179によ
り施錠,解錠される。
【0078】ここで上記支持ブラケット208は図46
に示すように、水平線Bに対して車体右側(図示左側)
が高くなるように傾斜している。上記シート4は上記ヒ
ンジピン209が水平になるように支持されているが、
支持ブラケット208が右上りになっていることから閉
状態では右上りに配置される。これは後述するシートガ
スダンパ225が若干車体左寄りに1本配置されている
ことから、シート開時に右下りとなるおそれがあり、こ
れを回避するためである。なお、上記シート4は閉時に
はロック装置179によってロックされることから、上
記右上りは略水平に補正される。
【0079】上記シート4の前部座席4aの前端部の車
幅方向中央部は上方に膨出形成されており、該膨出部4
eは運転者が脚部で挟持するニーグリップ機能を果して
いる。
【0080】また上記シート4の前部座席4aの下部に
は、車体フレーム2に取付け固定された燃料タンク21
1が配設されている。該タンク211の前端上部には給
油口211aが突出形成されており、該給油口211a
にはキャップ212が着脱可能に装着されている。そし
て上記シート4の上記膨出部4eの前端面には給油開口
213が形成されている。この給油開口213は、シー
ト4の底板4cの前端部214を上向きに傾斜させて形
成されたものである。ここで上記前端部214を上向き
に起立させたことにより該部分のクッション4dの厚さ
は薄肉となるが、この部分には乗員の身体が当接しない
ので乗り心地を悪化させることはない。また、上記上向
き起立により、上述の膨出部4eが形成されたものであ
る。
【0081】上記給油開口213には該開口を開閉する
フューエルリッド215が配設されている。このフュー
エルリッド215は板金製のインナパネル216とアウ
タパネル217とからなり、該インナパネル216の下
部は上記支持ブラケット208にボルト218で固定さ
れており、上部は上記底板4cの前端部214に一体形
成されたリブ部214aにボルト219で固定されてい
る。上記アウタパネル217の下縁はインナパネル21
6の下縁にヒンジピン220により開閉自在に連結され
ている。また上記インナパネル216の上端部にはアウ
タパネル217を施錠,解錠するロック部材221が配
設されている。
【0082】上記インナパネル216には開口216a
が形成されており、該開口216aの開口縁は内側に屈
曲して円筒状に延びている。そして該開口216a内に
は上記燃料タンク211の給油口211aが挿入配置さ
れている。また該給油口211aとインナパネル216
の開口216aとの間にはブーツ222が配設されてお
り、これにより燃料が外部に流出するのを防止してお
り、該ブーツ222内に溢れた燃料はチューブ223で
回収されるようになっている。
【0083】ここで、上記シート4を車体フレーム2に
装着するにあたっては、まずシート4のロック部材21
0をグラブバー173に固定されたロック装置179に
施錠して位置決め固定し、この状態で給油開口213か
ら上記シート4の前端をシートヒンジ205の支持ブラ
ケット208に位置合わせを行いながらボルト224で
固定する(図33,図39参照)。このように上記シー
ト4の前端面に給油開口213を形成し、該開口213
の近傍下部にヒンジ205を配置したので、シート4を
取付ける際の前後,左右方向の位置決めを精度良くかつ
容易に行うことができ、ひいてはシート4とサイドカバ
ー10,グラブバー173と合わせ精度を向上できると
ともに、収納ボックス174とのシール面の合わせ精度
を向上できる。その結果、シート4とサイドカバー10
との合わせ面をつめた設計が可能となり、隙間やずれの
ない車体ボディを形成でき、外観の向上を図ることがで
きる。即ち、従来は、シート後端のロック部材を位置決
めした状態でシート前端をヒンジに取付けることができ
ないことから、サイドカバーとの合わせ精度が低く、両
者の間に隙間が生じ易いという問題があった。
【0084】上記シート4と車体フレーム2との間には
ガスダンパ225が配設されている。該ダンパ225は
シート開閉時の労力を軽減し、かつ開いた状態に保持す
るためのものである。上記ガスダンパ225はシリンダ
226内にピストン(図示せず)を摺動自在に挿入し、
該ピストンにピストンロッド227の一端を固定し、該
ロッド227の他端を上記シリンダ226から突出して
構成されている。
【0085】上記ダンパ225は、上記燃料タンク21
1の上壁211bとシート底板4cとの間に、かつ該底
板4cに沿って前後方向に略水平に配置されている。ま
た上記燃料タンク211の上壁211bの車幅方向略中
央部には前後方向に延びる凹部211cが凹設されてお
り、該凹部211c内に上記ダンパ225が収納配置さ
れている。上記ダンパ225のピストンロッド227は
上記リアフレーム15の前端に固定されたブラケット2
28に回動可能に連結されている。そして上記シリンダ
226は底板4cの下面に固定されたブラケット229
に回動可能に連結されており、該シリンダ226のシー
ト側連結部は上記ピストンロッド227の車体連結部よ
り車体前方のシートヒンジ205寄りで、かつヒンジ2
05より上方に位置している。
【0086】次に上記自動二輪車1のスタンド装置につ
いて説明する。上記ダウンチューブ13の直線部13b
の中央部には1本の脚部を有するサイドスタンド(図示
せず)が配設されており、後端部にはメインスタンド2
35が配設されている。このメインスタンド235は
左, 右の脚部236a,236bを有するスタンド本体
236にヒンジブラケット237を接続し、該左脚部2
36aに足踏部材238を接続して構成されている。上
記ヒンジブラケット237は、上記左右直線部13b間
に下向きに架け渡して接続されたスタンドフレーム23
9のブラケット240にヒンジピン241を介して連結
されている。これにより上記スタンド本体236は起立
位置Aと動力ユニット3のクランクケース55の下面に
当接する収納位置Bとの間で上下揺動可能となってい
る。
【0087】上記スタンド本体236とブラケット24
0との間には該スタンド本体236を収納方向に常時付
勢するスプリング(図示せず)が配設されている。また
上記ブラケット240にはスタンド本体236の回動を
起立位置Aにて規制するストッパ部材242が接続され
ており、上記ヒンジブラケット237のストッパ部材2
42に当接する部分には幅広の凸部243が一体形成さ
れている。
【0088】上記スタンド本体236の両脚部236
a,236bにはクロスバー244が接続されており、
該クロスバー244は収納位置Bにおいて下方に突出す
るように湾曲形成されている。そして該クロスバー24
4の車幅方向中央に上記クランクケース55の下面に当
接するゴムローラ部材245が配設されている。このゴ
ムローラ部材245は上記クロスバー244に接続され
た左右支持板246a,246b間にピン247を介し
て回転自在に支持されている。
【0089】そして上記動力ユニット3の上記ローラ部
材245が当接する部分には前後方向に延びる厚肉部2
48が形成されており、該厚肉部248には逃げ面24
9が形成されている。この逃げ面249は、動力ユニッ
ト3の上下揺動に伴うスタンド本体236の路面高さの
減少を抑制する曲面形状を有しており、具体的には上記
動力ユニット3のピボット軸20からゴムローラ部材当
接部までを半径とする円弧Cに対し、前側部分ほど上方
に位置する曲面をなしている。即ち動力ユニット3が静
止位置(図43〜図45の実線参照)から伸びきり位置
(図43〜図45の一線鎖線参照),及び最圧沈み位置
(図43〜図45の二点鎖線参照)に揺動すると、スタ
ンド本体236は上記揺動による路面高さの減少が抑制
される方向に、つまり上方に揺動することとなり、よっ
てバンク角θ´の減少を回避している。
【0090】上記逃げ面249を概念的に示す図47に
基づいて説明すれば、該逃げ面249の上記ローラ部材
当接部より前側部分は上記円弧Cより上方に位置し、後
側部分は下方に位置している。
【0091】次に、本実施例の作用効果について説明す
る。本実施例の車体フレーム2では、ヘッドパイプ5の
上部にメインフレーム11を接続し、該メインフレーム
11の後端に後方に直線状に延びる左右一対のサイドフ
レーム12,12を接続し、さらに上記ヘッドパイプ5
の下部に左右一対のダウンチューブ13を接続し、該ダ
ウンチューブ13の屈曲部13cと上記サイドフレーム
12の後端部12aとを懸架ブラケット14で連結した
ので、大型スクータに採用する場合の車体フレームの剛
性を確保することができる。
【0092】またヘッドパイプ5に1本のメインフレー
ム11を接続したので、2本のメインフレームを接続す
る場合に比べてヘッドパイプ回りに空きスペースを確保
でき、これによりレッグシールド7内に収納部を設ける
場合の容積を大きくとることができる。また上記左右の
サイドフレーム12の直線部と、左右のダウンチューブ
13の直線部13bとで足載部を形成したので、フート
ボード8のトンネル部に容量の大きい物入箱167を配
置できる。
【0093】上記サイドフレーム12とダウンチューブ
13との屈曲部同士を縦パイプ25で連結したので、フ
レーム剛性をさらに向上できる。さらに懸架ブラケット
14のサイドフレーム12接続部の上部に懸架リンク1
7を、下部にコンプレッションロッド22を連結し、両
者の連結部で動力ユニット3を支持したので、該動力ユ
ニット3の支持剛性を向上できる。
【0094】本実施例の縦パイプ25の製造方法では、
縦パイプ25の周方向展開寸法aを有する平板25´の
両端部を、上記サイドフレーム12,ダウンチューブ1
3と縦パイプ25との当接面bを展開した形状b´に打
ち抜き、該平板25´を円筒状に形成した後、この突き
合わせ部25a´同士を溶接して製造したので、該縦パ
イプ25の当接面aを上記サイドフレーム12,ダウン
チューブ13に突き合わせて溶接する際の合い面精度を
向上でき、従来のパイプの端面を切断加工して曲面を形
成する場合に比べて取付け時の寸法精度を向上できる。
また上記平板25´の打ち抜きと同時に治具孔25b,
水抜き孔25cを形成したので、従来の孔あけ加工を不
要にでき、製造コストを低減できる。
【0095】本実施例のステアリング装置では、ステア
リングシャフト30の上部をフロントカバー6の貫通孔
42から外方に突出し、この突出部に操向ハンドル35
のハンドルホルダ36を装着したので、上記フロントカ
バー6を外すことなくハンドル35の着脱作業を行うこ
とができ、ハンドル回りの組付け性,整備性を向上でき
る。また上記ステアリングシャフト30の上端にナット
41を螺着し、該ナット41でハンドルホルダ36を締
め付け固定したので、従来の溶接したり,ボルト取付け
部を突設したりする場合の出っ張りを不要にでき、ケー
ブル類の接触による損傷を防止できる。
【0096】上記ハンドルホルダ36に雌テーパ面38
を形成し、該雌テーパ面38にステアリングシャフト3
0の雄テーパ面39を嵌合させて結合したので、大型ス
クータに採用する場合の締結強度を向上でき、車体重量
に対する剛性を確保できる。従来の2本のフロントフォ
ークを上方に延長して結合する場合に比べて収納部の容
積を大きくとることができる。
【0097】また上記フロントカバー6の貫通孔42を
ダブルナット32より大径に形成したので、該ナット3
2の脱着作業を上記貫通孔42から容易に行うことがで
き、これによりフロントカバー6を外すことなくフロン
トフォーク33,ステアリングシャフト30を着脱で
き、整備性,作業性をさらに向上できる。また上記貫通
孔42はハンドルカバー43の下面で覆われているの
で、外方から見えることもなく外観の悪化を防止でき
る。
【0098】本実施例のエンジンユニット50では、ク
ランク軸60のドライブギヤ76にアイドラギヤ77を
介して冷却水ポンプ駆動ギヤ78を連結し、該アイドラ
ギヤ77でオイルポンプ駆動軸75を駆動するようにし
たので、オイルポンプ駆動ギヤを省略でき、部品点数を
削減できるとともに小型化に対応できる。
【0099】またアイドラギヤ77でオイルポンプ79
を駆動するようにしたので、冷却水ポンプ80の減速比
とは関係なくオイルポンプ79のギヤ比を設定でき、こ
の点からも小型化に対応できる。
【0100】さらにまた、上記構成としたので、オイル
ポンプ79を無断変速装置51の駆動プーリ70の反対
側で、かつクランクケース55の中央下部に配置するこ
とが可能となり、これにより潤滑油吸込み口をオイルパ
ン86の中央下端に配置できる。その結果、オイル通路
を簡略化できるとともに、油面が変動した場合にエアを
吸い込むというポンプの吸い込みロスを防止できる。
【0101】また、本実施例の無段変速装置51の冷却
装置では、伝動ケースカバー95の前部に凹設された凹
部95aと前側カバー105とでクリーナボックス10
7を形成し、該前側カバー105の後端部に冷却風を導
入する吸引口109を形成したので、既存の部品を利用
してクリーナボックス107を構成でき、従来のように
別体のキャップや仕切板を設ける場合に比べて部品点数
を削減できるとともに、構造を簡略化でき、コストを低
減できる。しかもこの場合、伝動ケースカバー95に凹
部95aを形成したので、それだけ伝動ケースカバー9
5の剛性が高まり、振動,騒音の発生を抑制できる。
【0102】また上記前側カバー105と伝動ケースカ
バー95とをエレメント108を挟持するように共締め
固定したので、上記前側カバー105を外すだけでエレ
メント108の交換,掃除を行うことができる。
【0103】さらに上記前側カバー105の吸引口10
9は進行方向と反対側に開口しているので、車体前側に
吸引口を設ける場合に比べて走行風による水,ほこりが
進入し難く、しかも上記吸引口109にねずみ返し部1
09a,リブ106aを配置したので、水,ほこりの進
入をさらに抑制でき、エレメント108の寿命を延長で
きる。
【0104】本実施例のラジエータ116の配置構造に
よれば、該ラジエータ116をフートボード8のセンタ
トンネル8aの前部内に配置したので、走行風を確保で
きるとともに、センタトンネル8a部分の空きスペース
を有効利用して配置でき、従来の前部車体カバー内に配
置する場合に比べて該カバー内の内装部品の配置レイア
ウトに対する自由度を向上でき、ひいては収納部の容積
を大きくとることができる。またエンジンユニット50
に近接して配置できるので、給水ホース118,リター
ンホース121の配索が短縮できる分だけ却水抵抗を小
さくでき、この点からも冷却効率を向上できる。また上
記センタトンネル8aが排風機能を果すとともに通風通
路を大きくとれるので、冷却効率をさらに向上できる。
【0105】上記ラジエータ116を左右ダウンチュー
ブ13の傾斜部(縦辺部)13a間の後側に配置したの
で、前輪34の回動軌跡(図17の一点鎖線参照)に干
渉することなく配置でき、ひいてはホイールベースを短
くでき、またホイールベースをそのままとした場合には
足載部の前後方向スペースを拡大できる。また上記ラジ
エータ116の前面は左右ダウンチューブ13により保
護されるので外力による損傷を防止でき、かつ地上高さ
を確保することができる。
【0106】上記ラジエータ116の左右タンク部11
6bを上記ダウンチューブ13の傾斜部13aにラップ
させたので、センタトネンル8a及び左,右ダウンチュ
ーブ13,13の車幅寸法を広げることなくコア部11
6aの上下方向寸法を大きく設定して有効面積を大きく
でき、冷却効率を向上できる。
【0107】上記エンジンユニット50の上部にキャブ
レタ49を配置し、該キャブレタ49にエンジンからの
冷却水(温水)を供給するとともに、該キャブレタ49
のラジエータ116を含む全冷却水通路の最上部にエア
抜きスクリュウ115を配設したので、アイシングの防
止を図りながら冷却水通路に溜まった空気を容易に抜く
ことができ、従来のホース類を脱着してエア抜きする場
合に比べて作業を改善できる。
【0108】本実施例の走行風導入構造によれば、フロ
ントカバー6の前面左, 右側部に走行風導入開口125
を形成し、該導入開口125からラジエータ116に向
けて走行風を案内するインナフェンダ126及びアンダ
カバー9の上方延長部9dを配設したので、空気抵抗を
小さくできるとともに整流効果があり、外観の向上を図
りながらラジエータ116への冷却風を効率良く導入で
きる。また上記導風開口125に続く延長部125aは
フロントカバー6の下部分の補強部材として機能し、該
部分の剛性を高めることができる。
【0109】上記インナフェンダ126内に導入開口1
25に対向するようホーン127を配置したので、ホー
ン音量を大きく発することができ、従来のホーン用スリ
ットを別途設ける場合に比べフロントカバー6上部への
水入りを防止できるとともに外観の悪化を回避できる。
【0110】また、アンダカバー9のラジエータ116
後部に排出口9bを形成し、該排出口9bの後縁からラ
ジエータ116に向かって斜め前方に起立する導風壁9
cを形成したので、上記アンダカバー9の後方下部に生
じる負圧を有効利用して排風効率を向上でき、ひいては
ラジエータ116への冷却風を増大できる。また上記排
出口9b,及び導風壁9cは外方から見えないので外観
の悪化を防止できるとともに、上記導風壁9cを設けた
ので排風熱によるエンジンユニット50等への影響を回
避でき、かつ泥水等の付着も防止できる。
【0111】本実施例の車体構造によれば、フロントカ
バー6の上縁6cとヘッドライト開口6dの上縁との間
にメンテナンス開口140を形成し、該メンテナンス開
口140及びウインドシールド134の下縁134aを
メンテナンスカバー142で覆ったので、フロントカバ
ー6を外すことなく上記メンテナンス開口140からヘ
ッドライト135のバルブ交換や各種メータ類の結線を
行うことができ、作業性を向上できる。
【0112】この場合、上記フロントカバー6のメンテ
ナンス開口形成部分が上部ほど後方に位置するよう斜め
上方に傾斜しているので、上記メンテナンス開口の平面
投影面積、つまり上方から作業する場合の有効面積が大
きくなり、この点からも作業性を向上できる。
【0113】また上記ウインドシールド134の下縁1
34aの取付けボルト134bはメンテナンスカバー1
42で覆われており、しかもメンテナンスカバー142
には意匠効果を高めるための模様を施すことができるの
で、外観の向上を図ることができる。
【0114】本実施例のメインスイッチ取付け構造によ
れば、レッグシールド7の取付け座7dに挿入孔7eを
形成するとともに該挿入孔7eの周縁に係合片7fを一
体形成し、スイッチキャップ151のフランジ部151
bを上記挿入孔7eの周縁に当接させるとともに、円筒
体151aの突起片151cを上記係合片7fに係合さ
せたので、スイッチキャップ151とレッグシールド7
の取付け座7dとの軸方向における隙間をなくすことが
でき、外観を向上できる。
【0115】また、キーシリンダ150a及びレッグシ
ールド7を共通の車体ブラケットに固定したので、両者
間の取付誤差が小さくなり、この点からも上記スイッチ
キャップとレッグシールド7の取付け座7dとの軸方向
隙間が小さくなる。
【0116】また、挿入孔7eをスイッチキャップ15
1の円筒体151aより大径に形成し、係合片7eを弾
力性を有するものとしたので、挿入孔7eとスイッチキ
ャップ151との軸直角方向の誤差を吸収できる。
【0117】本実施例の収納装置では、レッグシールド
7の縦壁7aの車幅方向右側部を車体前方に膨出させて
トランク凹部152を一体形成し、左側部にトランク開
口153を切り欠き形成し、該トランク開口153に別
途形成されたトランク部材154を装着したので、トラ
ンク容量を大幅にアップすることができ収納機能を向上
できる。また上記トランク部材154の下縁154aを
上記トランク開口153の下縁より下方に、また上縁1
54bをトランク開口153の上縁より上部に位置させ
たので、トランク容量の増大を図りながら収納物の落ち
こぼれを防止できる。
【0118】また上記トランク開口153,及びトラン
ク凹部152の開口に、ロック部材159が装着された
リッド157を配設し、レッグシールド7のトランク凹
部152に上記ロック部材159のロック爪159cが
係合する係合部152fを一体形成するとともに、ロッ
ク部材159の後端部を支持する支持凹部152gを一
体形成したので、ロック部材159をレッグシールド7
で支持することができ、ロック強度を向上できるととも
に、ロック爪159cと係合部152fとの位置精度を
向上でき、長期間使用しても施錠を確実に行うことがで
きる。
【0119】なお、上記実施例では、レッグシールド7
の左側部にのみ別体のトランク部材154を配置した
が、本発明では収納部全体を別体のトランク部材で構成
してもよくこの場合はトランク容量をさらに増大でき
る。
【0120】本実施例のサイドカバー処理構造によれ
ば、上部サイドカバー171の上縁部に前後方向に延び
る受け部175を凹設し、該受け部175の外壁部17
5aでシート4の側縁部4dを覆うとともに、内壁部1
75bのシール部175cで収納ボックス174の開口
縁174aを覆ったので、シート4の下方に手を入れる
ことができず悪戯や盗難を防止できる。また上記受け部
175とシート4の側縁部4dとはラビリンス構造とな
っているので、雨水や洗車水による収納ボックス174
内への水入りを防止でき、さらに上記受け部175は車
体前方に前下がりに傾斜しているので、雨水や洗車水が
入り込んでも容易に排水することができる。
【0121】上記上部サイドカバー171の後部にグラ
ブバー173を配設し、該グラブバー173の外側壁1
73aでシート4の側縁部4dを覆うとともに、該グラ
ブバー173の外面と上記サイドカバー171の外面と
が面一となるように配設したので、悪戯や水入りを防止
できるとともに、車体外面が連続面となることから乗降
時に邪魔になるものがなく、乗降性を改善できるととも
に外観を向上できる。
【0122】本実施例のシート装置では、シート4の前
部座席4a後端の縦壁部190に前方に突出する凸部1
92を一体形成し、バックレスト191の背面に上記凸
部192を囲む大きさの凹部191aを凹設し、上記凸
部192の突出量をバックレスト191の前方移動量よ
り大きくしたので、バックレスト191を移動させた場
合には、該背面と上記縦壁部190との隙間は凸部19
2により隠れることから外観の悪化を防止でき、また隙
間を別体のカバーで隠す場合のコスト上昇を抑制でき
る。また上記シート4の縦壁部190側に凸部192を
形成したので、バックレスト側を凸部を設ける場合のよ
うなバックレストの側方への広がりを回避でき、乗員の
乗車姿勢を安定でき、しかも上記縦壁部190の後方下
部の空間が狭まることもないので収納ボックス174へ
の影響を回避できる。
【0123】本実施例の給油構造によれば、シート4の
前端面に、これの底板4cの前端部214を上向きに起
立形成するとともに左右側部を上向きの傾斜させて給油
開口213を形成し、該開口213にこれを開閉するフ
ューエルリッド215を配設し、該給油開口213内に
燃料タンク211の給油口211aを配置したので、重
量物のシート4を開閉することなく給油を行うことがで
きる。また給油口211aをシート4の前端に配置した
ので、この前端部214のクッション厚が薄くなっても
乗り心地への影響はなく、しかもニーグリップ機能を有
するとともにシート内側の空間を有効利用することがで
き、シート高さを高くすることなく必要タンク容量を確
保できる。さらにシート4の前端下部に車体フレームに
固定されたシートヒンジ205が配置されており、この
ためリッド215と給油口211aとの位置合わせを精
度よく行うことができる。
【0124】また、上記シート4と車体フレーム2との
間にダンパ225を配設し、該ダンパ225のピストン
ロッド227をリアフレーム15に連結し、シリンダ2
26をシート4の底板4cに連結するとともに、該連結
部を上記ピストンロッド227の連結部より車体前方に
位置させ、かつシートヒンジ205寄りに位置させたの
で、シートの開閉労力を軽減を図りながら、ダンパ22
5の揺動ストロークを小さくできる。またダンパ自体を
コンパクトに構成できることから、配置スペースを縮小
でき、ひいては燃料タンク211の容量を確保できる。
【0125】また上記ダンパ225はシートヒンジ20
5寄りで、かつ燃料タンク211の上壁211bに凹設
された凹部211c内に収納配置されてるので、該凹部
211cによる燃料容量への影響は小さく、また収納ボ
ックス174の容量や荷物の出し入れに影響を与えるこ
ともない。またダンパ225を車幅方向略中央部に配置
したので、1本のダンパだけでシートの開閉時のがたつ
きを防止できる。
【0126】そして本実施例のスタンド装置では、動力
ユニットがθだけ上方(右方)に揺動すると、車体の路
面高さはΔHだけ低くなるが、スタンド本体236が逃
げ面249に沿って上方にΔLだけ揺動するので、スタ
ンド本体236の右端部の路面高さの低下は軽減され
る。
【0127】このように本スタンド装置では、スタンド
本体236にゴムローラ部材245を回転自在に装着
し、前側部分,後側部分がピボット軸20を中心とした
円弧より上方,下方に位置する曲面をなす逃げ面249
を形成したので、動力ユニット3の揺動によるスタンド
本体236の路面高さの減少を抑制でき、これによりバ
ンク角θ´の減少を軽減でき、車両姿勢を安定化でき
る。また上記ローラ部材245を車幅方向中央に配置し
たので、一側部に配置する場合に比べて両脚部236
a,236bの傾きを防止できる。さらにローラ部材2
45を回転自在としたので擦れによる摩耗を抑制でき、
寿命を延長できる。
【0128】
【発明の効果】以上のように本発明に係る自動二輪車の
冷却構造によれば、アンダカバー内の前部にラジエータ
を配置し、該アンダカバー底面のラジエータより後側部
分に冷却風排出口を形成し、該排出口の後縁部から上記
ラジエータ上部に向かって延びる導風壁を形成したの
で、アンダカバー,路面間に生じる負圧を有効利用して
排風効率を高めて冷却風量を増大できる効果があるとと
もに、外観を向上できる効果がある。また導風壁を設け
たことにより、エンジン構成部品等への熱影響及び泥等
の付着を回避できる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるスクータ型自動二輪車
の左側面図である。
【図2】上記実施例の動力ユニットの懸架部分を示す左
側面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】上記実施例の縦パイプを示す側面図である。
【図5】上記縦パイプの製造方法を示す工程図である。
【図6】上記縦パイプの展開図である。
【図7】上記実施例のステアリング装置の左側面図であ
る。
【図8】上記ステアリングシャフトの取付け構造を示す
断面図である。
【図9】上記実施例の動力ユニットの平面図である。
【図10】上記動力ユニットの左側面図である。
【図11】上記動力ユニットの背面図である。
【図12】上記動力ユニットの右側面図である。
【図13】上記動力ユニットの一部断面平面図である。
【図14】上記実施例のラジエータ配置構造を示す左側
面図である。
【図15】上記配置構造の平面図である。
【図16】上記ラジエータを正面から見た概略構成図で
ある。
【図17】上記ラジエータを平面から見た概略構成図で
ある。
【図18】上記実施例の車体カバーの正面図である。
【図19】上記実施例のフロントフレームを示す左側面
図である。
【図20】上記実施例のラジエータ冷却構造を示す左側
面図である。
【図21】上記実施例のフロントカバーの断面図であ
る。
【図22】上記実施例のレッグシールドの背面図であ
る。
【図23】上記レッグシールドのメインスイッチ取付け
部分を示す断面図である。
【図24】上記レッグシールドの収納部を示す断面図で
ある。
【図25】上記レッグシールドの収納部を示す断面図で
ある。
【図26】上記レッグシールドのロック部材を示す断面
図である。
【図27】上記フートボードの足載部分の平面図であ
る。
【図28】上記フートボードの足載部分の断面図であ
る。
【図29】上記実施例のサイドカバーの左側面図であ
る。
【図30】上記サイドカバー上縁部分の断面図である。
【図31】上記グラブバーの断面図である。
【図32】上記グラブバー後部を示す側面図である。
【図33】上記実施例のシート後部を示す断面側面図で
ある。
【図34】上記実施例シートのリヤキャリアを示す側面
図である。
【図35】上記シートの斜視図である。
【図36】上記シートのバックレストを示す側面図であ
る。
【図37】上記シートのバックレスト調整機構を示す構
成図である。
【図38】上記調整機構の断面側面図である。
【図39】上記シート前部を示す断面側面図である。
【図40】上記実施例のフューエルリッドの分解斜視図
である。
【図41】上記シートのダンパを示す構成図である。
【図42】上記実施例のスタンド装置を示す平面図であ
る。
【図43】上記スタンド装置の左側面図である。
【図44】上記スタンド装置の逃げ面を示す構成図であ
る。
【図45】上記スタンド装置の模式図である。
【図46】上記実施例のシートヒンジを示す図である。
【図47】上記実施例におけるスタンド装置の移動状態
を示す概念図である。
【符号の説明】
1 スクータ型自動二輪車 9 アンダカバー 9b 冷却風排出口 9c 導風壁 116 ラジエータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前方から導入した冷却風をラジエー
    タに供給し、該ラジエータを通過した冷却風を車体外方
    に排出するようにした自動二輪車の冷却構造において、
    車体の前,後輪間の底部を覆うアンダカバー内の前部に
    ラジエータを配置し、該アンダカバー底面のラジエータ
    より後側部分に冷却風排出口を形成し、該排出口の後縁
    部から上記ラジエータの上部に向かって斜め上方に延び
    る導風壁を形成したことを特徴とする自動二輪車の冷却
    構造。
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