JPH09119016A - 抗菌性レーヨン繊維及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性レーヨン繊維及びその製造方法

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JPH09119016A
JPH09119016A JP30049395A JP30049395A JPH09119016A JP H09119016 A JPH09119016 A JP H09119016A JP 30049395 A JP30049395 A JP 30049395A JP 30049395 A JP30049395 A JP 30049395A JP H09119016 A JPH09119016 A JP H09119016A
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JP
Japan
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hinokitiol
solution
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methanol
viscose
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Application number
JP30049395A
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English (en)
Inventor
Akira Shimizu
亮 清水
Yasu Okabe
縁 岡部
Kenji Okamoto
賢二 岡本
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Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
Original Assignee
Kohjin Holdings Co Ltd
Kohjin Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた抗菌作用を有するレーヨン繊維を提供
する。 【構成】 ヒノキチオールを、メタノール・希アルカリ
液の混合溶液に溶解して、ビスコースに添加後混和し、
紡糸浴で凝固再生することにより、目的のものが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒノキチオールを含有
した抗菌性レーヨン繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の清潔志向を反映して、いわゆる抗
菌防臭加工した繊維製品が多数報告されている。加工に
供されている繊維の種類は、ナイロン、ポリエステル等
の合成繊維から木綿、ウール等の天然繊維に至るまで多
岐に渡っている。ヒノキチオールは台湾ヒノキ油、青森
産ヒバ油あるいはウエスターンレッドシーダーオイルな
どの中に存在する結晶性の物質であるが、抗菌性、頭髪
への発毛促進、食品の防腐効果、花類の鮮度保持効果の
作用の他にアレルギー症状特にアトピー性皮膚炎の改善
の作用を有している。かかるヒノキチオールを加工した
繊維としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合物
と熱可塑性樹脂を混合紡糸した後ヒノキチオールを繊維
中に吸尽させたもの(特開平2−307913号公
報)、熱可塑性樹脂とヒノキチオールの混合物より紡糸
した繊維からなる不織布(特開平5ー78966号公
報)等の報告がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
熱可塑性樹脂からなる繊維は、吸湿性等に劣るため、用
途が限定されるという欠点があった。本発明は、かかる
欠点のないヒノキチオールを含有した繊維を提供するこ
とを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するため鋭意研究の結果、ヒノキチオールがメ
タノール・希アルカリ液の混合溶液に十分溶解するこ
と、該ヒノキチオール含有溶液をビスコースに添加後混
和し、紡糸浴で凝固再生することによりゲル化をおこす
ことなく効率よくレーヨン繊維にヒノキチオールを含有
させることができること、該繊維は優れた抗菌性を有し
ていること、耐洗濯性にも優れていることを見いだし、
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、ヒノキ
チオールを含有した抗菌性レーヨン繊維及びその製造方
法を提供するものである。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用されるヒノキチオールは、台湾ヒノキ油、青森産ヒ
バ油あるいはウエスターンレッドシーダーオイル等から
抽出されたもの、例えばヒバ油等、そのままで、あるい
はこれらを精製したもの、いずれも用いることができ
る。
【0006】本発明では、ヒノキチオールをメタノール
・希アルカリ液の混合溶媒に溶解してビスコースへ添加
される。混合溶液は、メタノール10〜40重量部及び
希アルカリ液90〜60重量を混合することによって製
造される。メタノールの量が10重量部より少ないとヒ
ノキチオールの溶解度が低く、また40重量部を越える
とビスコースのゲル化をおこしやすく好ましくない。用
いられる希アルカリ液としてはいずれでもかまわない
が、水酸化ナトリウム溶液が特に好ましい。水酸化ナト
リウムの濃度は、0.1〜5N程度で十分である。添加
されるヒノキチオールの量は溶解度の範囲内であれば十
分であるが、通常0.5〜5%程度が好ましい。
【0007】上記の方法で調整されたヒノキチオール含
有溶液は、紡糸直前のビスコースに添加混合され紡糸さ
れる。添加方法は特に限定されないが、インジェクショ
ン方式の方が切替等を考慮すれば有利である。ビスコー
スの調製及び紡糸条件等は通常のセルロース再生繊維の
製造条件が適用される。ヒノキチオールの添加量は特に
限定されないが、0.05重量%以上、好ましくは0.
1〜2.5重量%の範囲である。0.05重量%より少
ないと十分な効果が得られない。又、2.5重量%を越
えて添加しても抗菌性は特に変わらず、むしろ繊維物性
の低下を招いたり、原綿のヒノキチオール臭が強くなり
過ぎることの弊害が出てくる。
【0008】本発明の特徴は、ヒノキチオールをメタノ
ール・希アルカリ液の混合溶媒に溶解してビスコースに
添加することにより、優れた抗菌作用を有するレーヨン
繊維を提供する点にある。繊維への処理剤として使用さ
れる場合は、例えばヒバ油をマイクロカプセル化処理又
はサイクロデキストリン処理を行い、分散剤添加のもと
水系分散体として使用されるケースが多い。しかしなが
らこれらの水分散体をビスコースに分散させると、分散
物の粒径過大、又は2次凝集発生のため繊維化は困難で
ある。本発明は、ビスコースに対してはゲル化を生じ易
く相溶性不良であるメタノールを用い、これを希アルカ
リ液と混合液としヒノキチオールを溶解させると、溶解
度も高く、且つ、ビスコースとの相溶性も良好で、紡糸
に際してゲル化もなく繊維化が可能であるという新たな
知見に基づくものである。即ち、ヒノキチオールのメタ
ノールに対する溶解度はメタノール100%では33重
量%以上であるが水〜メタノール系では極度に低下し、
例えばメタノール30%溶液では1重量%程度しか溶解
しない。しかしながら水のかわりに1N水酸化ナトリウ
ム溶液を用いると、メタノール30%溶液でもヒノキチ
オールの溶解度は3%と、溶解度を向上させることがで
きる。本発明者らは、混合溶媒への溶解度をあげること
により、ビスコースへの添加液量を低減させ、添加によ
るビスコース粘度の低下も防止でき、メタノールを使用
するにもかかわらずゲル化をおこすことを防止できたも
のと推察している。
【0009】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明を詳細に説明す
る。 参考例 攪拌機付きのステンレスタンクに、脱塩水67.3重量
部、次に水酸化ナトリウム(粒状:純度99%)2.7
重量部を入れ、攪拌してIN−水酸化ナトリウム液を製
造した。これにメタノール30重量部を注入し、攪拌し
てその混合重量比がメタノール30%、1N水酸化ナト
リウム液70%の混合液とした。これに結晶ヒノキチオ
ール3.1重量部を加え攪拌し溶解後3重量%のヒノキ
チオール添加液を調製した。
【0010】実施例 セルロース濃度8.91%、アルカリ濃度5.7%、粘
度48秒(落球法)及び熟成度9.2のビスコースにイ
ンジェクションを用い、ヒノキチオール量がセルロース
に対して0.1重量%になるよう参考例で製造したヒノ
キチオール添加液を注入しつつミキサーにて連続混合
し、硫酸112g/L、硫酸ナトリウム330g/L、
硫酸亜鉛13.5g/Lからなる温度45℃の第一浴に
40m/minで紡糸し、次いで硫酸60g/Lからな
る温度90℃の第二浴をドラフト率50%で通すことに
より、凝固再生したレーヨントウを得た。次いでこれを
レーヨンの一般的な製造法により、カット・捲縮・精練
・乾燥しステープルレーヨンを得た。得られた繊維中の
ヒノキチオール含有量は0.9mg/gであり、添加し
たヒノキチオールのほとんどがレーヨン繊維中に含有し
ていた(目標値の90%)。なお、ヒノキチオールは以
下の方法により分析した。水分既知の試料約10gを精
秤し、銅アンモニア溶液(市販品:キシダ製)500g
を加え、30分間攪拌した。次いでクロロホルム500
mlを加え抽出し、更にクロロホルム500mlで2回
抽出した。抽出液を合わせ、ロータリーエバポレーター
でクロロホルムを除去した。抽出物中のヒノキチオール
の分析は、化粧品原料基準により実施した。
【0011】比較例1 水系分散体を使用した場合 ヒバ油をサイクロデキストリン加工した「ヒバパウダ
ー」(マキ商事製、ヒノキチオール含量約5%)、脱塩
水及びアニオン性分散剤を使用して「ヒバパウダー」の
分散液(ヒバパウダーの固型分濃度5重量%)を調製し
た。なお、分散剤の添加量は「ヒバパウダー」に対して
30%添加されている。この「ヒバパウダー」分散液を
「ヒバパウダー」固型分がセルロースに対して2重量%
(ヒノキチオールに換算すると約0.1重量%)になる
様にビスコース液に添加・混合したものを紡糸したが、
紡糸に際してろ過性が悪く、紡糸は困難であった。
【0012】比較例2 メタノール〜水系を使用した場
合 メタノール30%溶液にヒノキチオールを溶解度いっぱ
いに溶解(約1重量%)し、これをを使用してセルロー
スに対してヒノキチオールの量が2重量%になる様、ビ
スコース液に添加混合して紡糸液を調製した。この紡糸
液をろ過後、実施例に従って繊維化を試みたが、添加液
の濃度低下による添加量の増大に伴い凝固再生がうまく
いかず、結束繊維が生じた。
【0013】評価例 実施例で製造した、ヒノキチオールを含有したレーヨン
綿の抗菌性試験を行った。 (1)原綿の洗濯前における抗菌性 試験方法は衛生加工製品の加工効果評価試験方法マニュ
アルに従って行なった。抗菌効果はシェークフラスコ法
を採用した。試験菌株はKlebsiella pne
umoniae(ATCC4352)を使用した。レーヨン繊維
の減菌率は66.3%を示し、合格基準の26%を大幅
に越えていた。 (2)ニット品の洗濯後の抗菌性 実施例で得られたヒノキチオールを含有したレーヨン綿
を紡績加工し、綿番20番の紡績糸を作製した。次いで
これを用いて丸編みニットを試編した。洗濯試験はJI
SL0217−103に従って行い、洗濯回数は10回
とした。 洗濯後の抗菌性試験は上記(1)と同様の方
法で行なった。当該ニットの減菌率は62.9%を示
し、洗濯前の原綿の値と比較してもほとんど低下のない
事が確認された。即ち、洗濯後においても抗菌性は十分
に確保されていた。
【0014】
【発明の効果】以上説明してきた様に、本発明による
と、ヒノキチオールを含有したレーヨン及びその製造法
が提供される。ヒノキチオールは種々の作用を有してい
るが、抗菌性もその一例であり、抗菌性が付与された繊
維製品として様々な分野で有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒノキチオールを含有した抗菌性レーヨ
    ン繊維。
  2. 【請求項2】 ヒノキチオールの含有量が0.1〜2.
    5重量%である請求項1記載の抗菌性レーヨン繊維。
  3. 【請求項3】 メタノール10〜40重量部及び希アル
    カリ液90〜60重量部の混合溶媒にヒノキチオールを
    溶解した溶液を、ビスコースに添加し、混和後紡糸浴で
    凝固再生することを特徴とする、抗菌性レーヨン繊維の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100419137C (zh) * 2003-11-14 2008-09-17 宜宾丝丽雅股份有限公司 一种抗菌粘胶纤维及其生产工艺
JP2010116656A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Daiwabo Holdings Co Ltd 機能剤を含むレーヨン繊維及びその製造方法
CN104790055A (zh) * 2015-04-15 2015-07-22 刘逸新 一种含草珊瑚提取物的粘胶纤维的制备方法
CN104805520A (zh) * 2015-04-15 2015-07-29 刘逸新 一种含罗布麻提取物的粘胶纤维的制备方法

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CN104790055B (zh) * 2015-04-15 2016-03-23 青岛大学 一种含草珊瑚提取物的粘胶纤维的制备方法
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