JPH09116461A - スペクトル拡散信号に含まれる雑音の分離推定方法及び装置 - Google Patents

スペクトル拡散信号に含まれる雑音の分離推定方法及び装置

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JPH09116461A
JPH09116461A JP7294784A JP29478495A JPH09116461A JP H09116461 A JPH09116461 A JP H09116461A JP 7294784 A JP7294784 A JP 7294784A JP 29478495 A JP29478495 A JP 29478495A JP H09116461 A JPH09116461 A JP H09116461A
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JP7294784A
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Inventor
Katsuyoshi Azeyanagi
功芳 畔柳
Naoki Suehiro
直樹 末広
Toshikatsu Naito
敏勝 内藤
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Toyo Communication Equipment Co Ltd
Original Assignee
Toyo Communication Equipment Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation
    • H04B1/7097Interference-related aspects
    • H04B1/71Interference-related aspects the interference being narrowband interference
    • H04B1/7102Interference-related aspects the interference being narrowband interference with transform to frequency domain

Abstract

(57)【要約】 【課題】スペクトル拡散符号と各種雑音とが混在した形
で受信機に入来した場合、これらを分離して雑音の周波
数成分を識別検出することにより、受信復調SN比を改
善しSS方式の周波数帯域利用効率を高める。 【解決手段】雑音を含有する受信フレ−ム信号r(t)
を希望局の拡散符号系列m(t)と同じ拡散符号系列m
(t)により逆拡散し、該逆拡散出力u(t)から直流
成分を除いた後、前記拡散符号系列m(t)を再び乗積
して再拡散乗積出力を得、該乗積出力のDFT変換分析
出力であるフレ−ムレ−トのi倍からなるN個の分析周
波数成分Wiを求め、含有雑音のみをDFT変換分析す
ることにより得られるj番目の雑音周波数成分Xjの集
合を未知数とし、予め求めておいた前記XjとWiとの
集合を用いて構成されるN元連立一次方程式を解き受信
信号中に含まれる雑音波形成分を検出推定することによ
り、前記受信フレ−ム信号r(t)から推定雑音波形を
除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、伝送過程にて混入
する雑音等の妨害成分を推定検出し、これにより受信S
N比を向上させることが可能なスペクトル拡散通信方法
及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散通信は伝送せんとするデ
ータにて拡散符号系列を変調することにより比較的狭い
帯域のスペクトルを呈するデータを、広い周波数帯域に
拡散して伝送するものであって、単位周波数当たりの伝
送電力が小さく、他の通信への妨害を比較的軽微なレベ
ルに限定すると共に伝送過程において混入する環境雑音
に対し、強い耐性を本質的に有するなどの多くの特徴を
呈する優れた通信方式である。図10は無線通信路を介
してスペクトル拡散通信を行う移動通信システムの一般
的な構成を示すブロック図であって、送信機TXは伝送
せんとするデータbにより系列発生器1にて発生した拡
散符号系列を乗積変調してベースバンド送信出力sT
得る。さらにベースバンド送信出力sT により発振器2
にて発生した周波数f0 の搬送波を変調することによっ
て得られる送信信号を、無線通信路を介して受信機RX
に送出する。尚、拡散符号系列としては前記データbの
周期長と同じビット周期長の疑似雑音(PN系列)を用
いるのが一般的であり、以下該PN系列の中で最も広く
用いられているM系列を例に説明を行う。
【0003】受信機RXはスペクトル拡散変調された信
号を図示を省略したアンテナを介して増幅器3に導き所
要レベルに増幅し、これと局部発振器4のローカル信号
L(=f0 )と周波数混合した信号をローパスフィル
タ5を経て取り出すことによりベースバンド帯域の拡散
信号に復調する(コヒーレント復調を仮定する)。この
ベースバンド帯域拡散信号と系列発生器6から発生され
る前記送信機TXにおいて用いた符号と同一のM系列符
号とを乗算器7に入力せしめ、ここで相互に相関をと
り、この相関出力を積分器8によりM系列の1フレーム
分の期間について積分を行い、検波器9で前記1フレー
ムを同期検波器10を介して前記系列発生器6の制御端
子に入力せしめ、受信された信号の位相と同期するよう
にM系列の発生タイミングを制御する。
【0004】図11は伝送過程にある信号のスペクトル
を模擬的に示した図であって、11はスペクトル拡散変
調信号のスペクトル、12は混入した環境雑音のスペク
トルである。これを受信機にてM系列による復調(逆変
換)を行うと図12に示す如く広い周波数帯域に拡散さ
れていた前記スペクトル拡散変調信号11が狭帯域の信
号13に、前記環境雑音12が広い周波数帯域に分散さ
れた信号14となるから、環境雑音による影響を本質的
に限定することが可能な通信方式として注目されてい
る。図13は従来の直接拡散形スペクトル拡散通信方式
(DS−SS)における拡散符号出力eM と2値情報と
の対応を示す図である。
【0005】図においてbは送信すべき2値データ、T
D はデータの周期、Tc はチップ周期、sT は送信波形
である。図はコード長L=7チップを1周期とするM系
列を用いた例を示す。“1”に対応してeM を、“0”
に対応してその反転出力(eM # を送出する。これか
らデータ信号の占有周波数帯域はほぼfD =1/TD
あり、拡散送信出力sT のそれは、ほぼfc =1/Tc
となり、数1で与えられる。
【0006】
【数1】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、スペクト
ル拡散変調信号は極めて広い周波数帯域を占有するので
c 以下の帯域に含まれる雑音電力を1/(2L)に抑
圧することができ、雑音には強い。しかし、通常L≫1
でありL倍の帯域を使用するにもかかわらず、同時通話
数Ns はNs ≪L(Lの数分の一程度)となり、同時伝
送容量/Hzは時分割多重方式(TDMA)の(Ns
L)倍となる。したがって、TDMA方式に比べ、伝送
路の周波数帯域利用効率は、一般に極めて低くなるとい
う欠点がある。このように同時通話数Ns をNに比しあ
まり大きく設定し得ない理由は、希望局に割り当てたM
系列MD と他の移動局に割り当てた種類の異なるM系列
U の相互間に存在する相互相関係数を十分小さくなし
得ないからである。なお、一般に有色雑音や、伝搬過程
で多重反射(マルチパス)による遅延波による伝搬雑
音、フェーディングにともなう信号の減衰によるSN比
の低下などに対する抑圧効果も不十分であり、主として
これらの要因がスペクトル拡散通信(SS)の周波数利
用効率を低下させている。従来のDS−SSにおける雑
音の抑圧効果はプロセス利得GP (数2、数3)で与え
られている。
【0008】
【数2】
【0009】
【数3】 もし入来雑音の各周波数成分の位相が完全にランダムな
らば受信側復調後の復調雑音電力(図10の積分器8の
出力)は入力雑音電力(図10のLPF5の出力)に対
して、前述のように1/(2L)となる。また、異なる
M系列相互間の相互相関値Cc は、両者の相互位相によ
り変動するが、その平均値は数4で与えられている。
【0010】
【数4】 したがって、Cc にもとずく復調出力はいわゆる多局間
干渉雑音となり、干渉局数が増大した場合、受信復調S
N比は著しく低下するという問題点があった。本発明は
上述した従来のスペクトル拡散通信方式の欠点を除去す
るためになされたものであって、スペクトル拡散信号
と、上述の各種の雑音(有色雑音、遅延波、フェーディ
ングによる伝搬雑音、多局間干渉雑音など)とが混在し
た形で受信機に入来した場合、上記の信号と雑音は分離
して雑音の周波数成分を識別検出する手段を提供するこ
とにより、受信復調SN比をGp やCc で定まる値より
飛躍的に改善し、その結果、SS方式の周波数帯域利用
効率を著しく高めることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する為、
本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の
分離検出方式の請求項1記載の発明は、2値または多値
情報に拡散符号系列を対応させるスペクトル拡散通信方
式における受信側復調系において、希望局の拡散符号系
列m(t)と雑音n(t)からなる受信フレーム信号r
(t)に、分析用符号系列g(t)を乗ずることによ
り、乗積出力u(t)を得、該乗積出力u(t)のディ
スクリート・フーリエ変換分析によるN個の複素周波数
成分の集合[Ui ](i=0,1,2,…,N−1)
と、n(t)=0の場合の乗積出力γ(t)を分析し、
複素周波数成分の集合[Γi ]とを得、前記複素周波数
成分の集合[Ui ]を[Γi ]の位相の射影成分
[UIi]と直交成分[UQi]に分割し、さらに前記受信
フレーム信号r(t)を分析し、複素周波数成分の集合
[Ri]を得、該複素周波数成分の集合[Ri ]のう
ち、予め設定した修正スペクトル曲線に比し過大または
過小の振幅を持つ成分Rk の振幅を、前記[Ui ]、
[UQi](i=0,1,2,…,N−1)の電力をiに
関して選択的に加え合わせた値が減少するか、不変の範
囲内で修正し、次に2番目の同様な振幅をもつ成分
k ′の振幅を前記電力和が減少するか不変の範囲内で
修正する方法を順次繰り返すことにより前記電力和を0
に近接させ、この過程で生じたRk 、Rk ′の修正分か
ら雑音周波数成分Xk k ′等を推定し、前記受信フレ
ーム信号r(t)から、この推定雑音波形を除去したこ
とを特徴とする。
【0012】本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれ
る雑音成分の分離推定方式の請求項2記載の発明は、前
記請求項1記載のスペクトル拡散信号に含まれる雑音成
分の分離推定方式において、受信フレーム信号の周波数
成分のうち、希望局の拡散符号系列m(t)のディスク
リート・フーリエ変換分析による周波数成分[Ci ]の
位相への射影成分のみを抽出し、これを逆ディスクリー
ト・フーリエ変換した信号を受信フレーム信号r(t)
として用いたことを特徴とする。
【0013】本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれ
る雑音成分の分離推定方式の請求項3記載の発明は、前
記請求項1記載のスペクトル拡散信号に含まれる雑音成
分の分離推定方式において、分析用符号系列g(t)と
して希望局の方形波拡散符号系列m(t)またはそれを
帯域制限した系列mL (t)を用いたことを特徴とす
る。本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれる雑音成
分の分離推定方式の請求項4記載の発明は、前記請求項
1記載のスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離
推定方式において、分析用符号系列g(t)として分析
用符号系列g(t)と希望局の拡散符号系列m(t)の
乗積出力がkTc(k=…,1/3,1/2,1,2,
3,…)を周期とする方形となるように選択したことを
特徴とする。
【0014】本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれ
る雑音成分の分離推定方式の請求項5記載の発明は、前
記請求項1記載のスペクトル拡散信号に含まれる雑音成
分の分離推定方式において、分析用符号系列g(t)と
して、分析用符号系列g(t)と希望局の方形波拡散符
号系列m(t)を帯域制限した系列mL (t)の乗積出
力がkTcを周期とする正弦波とその有限個の高周波か
らなるように選択したことを特徴とする。本発明に係る
スペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方式
の請求項6記載の発明は、前記請求項1記載のスペクト
ル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方式におい
て、雑音を含有する受信信号と受信側で用いる拡散符号
系列に対して予め定めた上限周波数以下の通過周波数帯
域に制限した時間波形を用いることを特徴とする。
【0015】本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれ
る雑音成分の分離推定方式の請求項7記載の発明は、前
記請求項1乃至5記載のスペクトル拡散信号に含まれる
雑音成分の分離推定方法において、受信フレーム信号r
(t)あるいは乗積出力u(t)と受信側拡散符号系列
m(t)との時間域における乗積を、周波数域における
たたみこみ演算で行うことを特徴とする。本発明に係る
スペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方式
の請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至5記載のス
ペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方式に
おいて、送信信号として、方形波M系列のチップ時間幅
当たりq点標本化によるインパルス列と、通過帯域をチ
ップ周波数のq/2に制限した標本化関数波形とのたた
みこみにより得られる時間波形とし、受信側において該
時間波形と同じ波形を逆拡散信号として用いたことを特
徴とする。
【0016】本発明に係るスペクトル拡散信号に含まれ
る雑音成分の分離推定方式の請求項9記載の発明は、2
値または多値情報に拡散符号系列を対応させるスペクト
ル拡散通信方式における受信側復調系において、雑音を
含有する受信フレーム信号r(t)を希望局の拡散符号
系列m(t)と同じ拡散符号系列m(t)により逆拡散
する手段と、該逆拡散出力u(t)から直流成分を除い
た出力に対して、前記拡散符号系列m(t)を再び乗積
して再拡散乗積出力を得る手段と、該乗積出力のディス
クリート・フーリエ変換分析出力であるフレームレート
のi倍(i=0,1,2,…,N−1)からなるN個の
分析周波数成分Wiを求める手段と、含有雑音のみをデ
ィスクリート・フーリエ変換分析することにより得られ
るj番目(j=0,1,2,…,N−1)の雑音周波数
成分Xjの集合を未知数とし、予め求めておいた前記X
jとWiとの集合を用いて構成されるN元連立一次方程
式を解く手段と、前記受信信号中に含まれる雑音波形成
分を検出推定し、前記受信フレーム信号r(t)から、
この推定雑音波形を除去する手段とを備えたことを特徴
とする。
【0017】以上の発明により、送信側では離散情報を
拡散符号により拡散したフレーム信号を作ってこれを送
信し、受信側では、先ず受信フレーム信号を分析して、
その中に含まれる受信雑音周波数成分を検出推定し、こ
の推定雑音を原受信信号から取り除いた後、通常の逆拡
散・復調処理を実施することにより受信復調SNを高め
ることができる。また受信フレーム信号に対し当該局に
対応する拡散符号により逆拡散(乗積)を施し、この逆
拡散出力中の直流成分を取り除くことにより、送信情報
対応成分を除去した逆拡散交流出力が交流雑音成分と該
雑音に付随して生じた雑音依存直流分から構成されるこ
とに着目し、この交流雑音成分と雑音依存直流分を分離
することができる。さらに上記逆拡散交流出力に逆拡散
符号を再度乗積して得られる再乗積出力のDFT分析に
よる周波数成分が、入来雑音の直流分と交流分及び雑音
依存直流分の3者から構成されるので、該再乗積出力の
分析成分と受信雑音成分とを関係づける、拡散符号長に
対応する元数の連立1次方程式を構成し、これを解くこ
とにより受信雑音成分を分離推定しうる。また受信信号
として疑似雑音の直流成分や、逆拡散符号に含まれる各
周波数成分の位相に合致する既知電力の疑似雑音の単一
周波数成分を別々に与えて上述の分析過程の出力を求め
ることにより、前記連立方程式の係数を予め求め、これ
を用いて前記方程式を解くことができる。さらに前記受
信雑音の各周波数成分のうち、予め逆拡散符号の位相と
同相な雑音成分に限定して、処理の簡易化を図ることが
できる。本発明は、同一符号長の拡散符号系列による干
渉雑音に対しても有効であるという特徴を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施の形態例
に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係
る受信側復調器のブロック図である。同図において前置
フィルタ(FIL)への受信入力信号r0 (t)は、送
信信号s0 (t)に雑音n0(t)が加えられたフレー
ム周期TD をもつ時間波形であり、数5により表すこと
ができ、またFILにおいて、伝送路で付加された雑音
成分n0 (t)の中の送信信号s0 (t)と直交する成
分nQ (t)を除き、s0 (t)と同相な成分n
I (t)のみを残す機能を果たす。すなわち、入力雑音
0 (t)は数6で表される。
【0019】
【数5】
【0020】
【数6】 数6から明らかなように、入力雑音n0 (t)は2つの
成分からなるが、nI(t)のみが残される。ここで、
I とnQ の直交関係は、nI 、nQ をディスクリート
・フーリエ変換(DFT)で分析して得られる各周波数
成分の位相角が相互に直交していることを意味する。F
ILはまた、入力信号r0 (t)の中の高周波数成分
(通常チップレートfc より高い周波数成分)を除去す
る機能を持つ。したがって、FILの出力は数7で表現
できる。
【0021】
【数7】 ここでs(t)、n(t)はそれぞれs0 (t)、n0
(t)を帯域制限(≦fc )し、n0 (t)の中のM系
列(以下、Mは希望局の系列を一般に指すこととする)
と同相な成分に相当するnI (t)を抽出することによ
り得られる成分である。また、r(t)は逆拡散雑音検
出回路(DEND)に加えられ、ここで帯域内雑音スペ
クトル推定値X(f)(<fc )が求められる。X
(f)を逆DFT変換回路(IDFT)により逆変換す
れば、その時間波形n* (t)が求まる。この推定雑音
時間波形をr(t)から減ずる減算回路に加えれば数8
及び数9の出力s* (t)が求まる。
【0022】
【数8】
【0023】
【数9】 ここでε(t)は推定雑音誤差の時間波形である。ε
(t)≪n(t)となるように、ほぼ正しい雑音推定が
できれば、s* (t)に関するSN比はr(t)のそれ
に比して著しく大となる。s* (t)は通常のDS−S
S方式の復調回路(DEM:図10の7、8、9に相当
する)に加えられて、送信情報bに対応する受信情報
b′が復調検出される。復調回路は整合フィルタ(Ma
tchedFilter)と識別回路(DEC)からな
り、s(t)は整合フィルタに加える参照信号である。
また、eI は整合フィルタを構成する積分器の出力であ
る。ここでは、拡散符号系列として前記図13に示した
M系列を用いる場合を例にとって説明を進め、まず帯域
制限しない方形波M系列の時間波形m(t)の波形を
考察する。M系列の時間波形m(t)は、チップ当た
りの標本点数をqとするとき、数10のように表すこと
ができる。なお、は下付き文字の∞を意味するが、本
明細書中では下付き文字として使用可能な文字種の制限
等からのように表現している箇所も存する(図面等に
於いては全て下付き文字の∞で表現している)。
【0024】
【数10】 ここでTc はチップ周期、[ ]はガウス記号、qは標
本点数/Tc 、ck ′はk′番目の点の電圧振幅で+1
または−1V、pTC(t−kTc )はt=kTc から
(k+1)Tc までの間電圧が1Vとなる孤立パルス波
形である。このM(t)をDFTにより分析するとi
番目の周波数(ifD 、fD =TD -1)に対応する両側
周波数成分C′i は、数11〜数13で与えられる。
【0025】
【数11】
【0026】
【数12】
【0027】
【数13】 ここでαi 、βi はC′i の実部と虚部、Ci はi番目
の片側周波数成分の振幅値、θi はその位相角である。
図13の波形eM に対しq=10として求めたCi 、α
i 、βi の一部を図2に示す。(実際の両側スペクトル
は、i=Lq−1=69まで存在する。) 一方、雑音n(t)を同様に分析すれば、i番目の両側
周波数成分X′i は数14〜数17で与えられる。
【0028】
【数14】
【0029】
【数15】
【0030】
【数16】
【0031】
【数17】 ここでXi はi番目の片側周波数成分の振幅で正負の値
をとる。(C′i の位相を基準として正負を定める。) 前記数7に示したように、ここで対象とする雑音成分は
θi に合致する成分nI (t)であり、これに直交する
雑音成分nQ (t)は通常の復調回路を用いると、その
出力には現れないので、無視して差し支えない。図1の
FILを通過した出力であるX′i はC′i と同相な成
分になっている。したがって、数13と数17に対し、
数18が成り立つ。
【0032】
【数18】 図3は図1で説明した前置フィルタFILの一実施例
で、DSP(Digital Signal Proc
essing)を用いた回路構成を示す。入力フレーム
信号r0 (t)はA/DにおいてA/D変換された後、
DFT{<fc 、−NQ (f)}においてDFT変換さ
れる。ここでfc 以上の帯域成分は除去され、さらに雑
音の各周波数成分の中で、その位相がM系列の各成分周
波数の位相と直交する成分NQ (f)が除去される。こ
のDFT出力R( iD )=Ri は、IDFTにおいて
逆変換され、数7に示した時間波形r(t)となる。ま
たRi は数19に示すように信号成分Si と雑音成分X
i から成り立つ。
【0033】
【数19】 図4は、本発明の中核部分である、雑音識別分離回路
(DEND)のブロック図である。送信側で設定したフ
レーム毎の2値情報は1または−1なる定数(0≦t≦
D )]であるが、受信側の信号成分の振幅は伝送過程
で変動するので入力r(t)中の信号成分s(t)は実
数値bを用いると、以下のように表現することができ
る。
【0034】
【数20】 実際のs(t)は送信側のフィルタで予め帯域制限さ
れ、さらに受信側フィルタ(FIL)により帯域制限さ
れるが、ここでは最初理想的な数20の式の波形を入力
として考え、雑音のみ帯域制限されていると仮定する。
しかるとき、入力r(t)に対しては、m(t)が乗
算されて、出力u(t)となり、該出力u(t)の中の
直流成分がコンデンサCにより除去された後、その出力
に対して再びm(t)が乗算され、出力w(t)とな
る。m(t)×m(t)=1となるので、u(t)
は数21で与えられる。
【0035】
【数21】 bは、信号s(t)に対応するDC成分である。uD
H (t)は雑音n(t)に対応するDC成分の偏差U
(0)と、高周波成分U(f)から成り立ち、数22〜
数25で与えられる。
【0036】
【数22】
【0037】
【数23】
【0038】
【数24】
【0039】
【数25】 ただし、Rは実部を示し、F# はIDFT変換の記号で
ある。u(t)からDC成分(b+uD )を除いた成分
が次段に送られ、この成分に対してM(t)が再び乗
算され、再拡散出力w(t)が得られる。図4の構成に
着目すればw(t)はn(t)に対し2回m(t)を
乗じたものから、uD (t)が欠けたものであるこ
とがわかる。この関係は数20からDC成分を除去した
後、m(t)を乗ずることにより、数26で表現する
ことができる。
【0040】
【数26】 入力フレーム信号中の信号成分bm(t)により生ず
るDC成分bの項は、ここでは検出対象としていないの
で除去する。ここで正確にbの影響を除去できるので、
以下の方法による雑音検出が可能となる。数26の周波
数成分はDFT変換記号Fを用いて数27で表現され
る。
【0041】
【数27】 ここで数22のuD を用い、X′i とC′i が何れも同
相であることを考えると、W(f)はi番目の周波数成
分の振幅Wi の和として表現できる。このWiを求める
と数28及び数29が得られる。
【0042】
【数28】
【0043】
【数29】 ここにaijは、直流依存偏差係数であり、雑音成分Xj
により生ずるWi 成分の比を示す係数である。すなわ
ち、Xj が生成する雑音依存直流分により生ずるw
(t)の中に含まれるM系列のi番目の周波数成分の値
に対応する。入力フレーム信号r(t)に含まれる雑音
成分Xj は、fc 以下に帯域制限されているので、j=
(L−1)以下に制限される。したがって、DC成分も
含めてL個の雑音スペクトルXj (j=0,1,2,
…,L−1)に対して数28を適用すると、Xj に関す
るL元連立1次方程式が得られる。
【0044】
【数30】 数30を省略して記述すると数31となる。
【0045】
【数31】 上式の係数マトリックスは使用するM系列のスペクトル
(数11)を用いると予め計算できる。また、Wi の値
は、入力r(t)にm(t)を乗じ、そのDC分を除
き、さらにM(t)を乗じた後、DFT分析した結果
として求まる。したがって、数31を解くことができ、
その結果Xj の値が求まる。この過程では、数8のεを
理論上0にしうる。ただし、入力雑音Xj のjに関する
パターン(大きさ、正負の関係)がCi のパターンに酷
似するような場合は、数21においてuH (t)=0と
なり、その結果、数26においてw(t)=0となるの
で検出できない。次に数31の[A]の各項を求める他
の手段を示す。今、単一周波数成分(数32)を図4の
入力信号として加える場合を考える。
【0046】
【数32】 ここでθj はM系列のj番目の周波数成分の位相を示
す。Xj =1とした場合にシミュレーションや実測で得
られるW(f)の値のうちi番目の周波数成分をW* i
とおけば、数33が得られる。
【0047】
【数33】 数33において、j=1とした場合のW* j のシミュレ
ーション出力の例を図5に示す。また、次のような方法
によってもaijを決定できる。実際問題として、数20
を仮定することができず、数7で示したように、一般に
信号成分も帯域制限を受ける。その場合の入力信号を数
34で表現する。
【0048】
【数34】
【0049】
【数35】 ここでmL (t),mH (t)はm(t)の周波数成
分のうち、fc 以下の成分のみからなる波形とfc 以上
の成分のみからなる波形である。この場合のrL (t)
及びsL (t)のスペクトルは数19の値に一致するが
i≦(L−1)に制限される。この場合は、乗積と直流
遮断によりbの影響をw(t)から完全に除くことがで
きず、その結果上述の手法を用いると、数30の方程式
の係数マトリックスの階位がLからL−1に低下する。
このことは、L元1次方程式の中の1個の方程式は、他
の(L−1)個の方程式の1次結合で表現されているこ
とを意味する。したがって、L個の未知数の集合
[Xj ](j=0,1,2,…,N−1)の中、いずれ
か1個の値を予め与えない限り、これを解くことはでき
ない。あるいは、bを仮定しさえすればこれを解くこと
ができる。すなわち、[Xj ]の中の1個Xk をX* k
と仮定し、またはbを予めb* と仮定した後、前述の方
法により[Xj ]の推定値[X* j ]を求める。次に、
集合[X* j ]から仮定したXk またはb* の妥当性を
評価する方法が必要となる。いま、簡単のため、k=L
−1と仮定すれば、数30の階位を1階位低下させた方
程式として数36が成り立つ。
【0050】
【数36】 数36を用いると、予め仮定したX* L1とともに、集合
[X* j ](j=0,1,2,…,L−2)が確定す
る。式(35)に示した受信入力rL (t)のDFT変
換による片側スペクトルの集合[Ri ]を用い、Xk
* k と仮定する。しかるとき、k番目の周波数成分に
関して数37が成り立つ。
【0051】
【数37】 したがって、X* k を仮定して数37により求めた解の
集合[X* i ]と数37の関係を持つb* を仮定しD求
めた同様な解の集合[X* i ]は一致する。b* または
* k を仮定したときに求まる数36の解[X* i ]と
数19の受信信号スペクトル[Ri ]との関係を次式で
示す。(以下、特に示さない限りi<Lである。)
【0052】
【数38】
【0053】
【数39】
【0054】
【数40】 上式において、j番目の周波数にのみ雑音成分が存在す
る場合の[Ri ]と、正しい値[Xj ]と、推定値[X
* j ]とをそれぞれ図6(a),(b)に示す。一方、
L (t)にm(t)を、またmL (t)にm
(t)を乗じた場合の乗積出力は、
【0055】
【数41】
【0056】
【数42】 となる。uL (t)とγ(t)とをそれぞれDFT分析
した場合の片側スペクトル集合を[Up ],[Γp ]で
表現する。この場合の[Up ]は数23から求まる片側
スペクトルの値とは[Γp ]だけ異なる。ここで、[Γ
p ]の位相をψp とすると、Upはψp の位相と同相の
成分UIpとψp に直交する成分UQpとに分割される。す
なわち、ψp を基準位相とすれば、
【0057】
【数43】 [UQp]はrL (t)に含まれる信号成分bmL (t)
には無関係である。したがって、図6においてCi を変
化しても推定雑音スペクトルX* j はその真値Xj から
ΔbCi だけ変化するが、集合[UQp]はΔbの影響を
受けないことになる。そこでb* =0とし、次式のRi
を雑音の第1次推定値とする。
【0058】
【数44】 ここで、図7に示すRi の値が入力したとして説明す
る。図でbm i は、Ri <0の中の最大値R4 を通る
m系列スペクトルに比例した曲線であり、bh i (b
h <bm )は図の場合、2番目に大きな値R2 を通る修
正(スペクトル)曲線である。いまbh i 以上のスペ
クトルを全部雑音成分と仮定すれば、
【0059】
【数45】 となる。そこで、R4 の振幅をΔ1 削減し、その結果前
記直交成分の電力PQ (数46)が減少するか、不変で
あるとしよう。しかるときbh を更に少し減少し、R4
の振幅をさらにΔ2 削減することを繰り返し、その度に
Q を評価し、PQ が極小値に達するか、増大に転移す
るまで続ける。この過程において、次式で示す全削減量
ΔR4 が推定値X* 4 となる。
【0060】
【数46】
【0061】
【数47】 一般にbh をさらに減少すれば、R2 が過大なスペクト
ル成分となり、このR2 の過大な成分(bh の波線を越
えた部分)を取り除き、PQ の値を吟味する。PQ が増
大すれば、bh +R2 を元の値に戻す。即ち、PQ が増
大する直前まで同じ処理を施す。(この場合はbh をこ
れ以上減少するとPQ が増大したと仮定し、R2 の減少
は行っていない。)また、Xj <0の場合に対応するた
めに図のb′h (負の値)を仮定して同様の処理を施
す。図7(b)は、図7(a)のbh ,b′h を用いて
1 とR4 の振幅を削減した後の結果である。図7
(b),(c),(d)に示すように、負側の曲線を更
に減少していき、b′h →b′′h →b′′′h へと変
更し、この過程でPQ の減少(または不変)が続いたと
仮定した例を示す。この場合、図7(a)→(d)にお
いては、R1 の値はいったん0になり、さらに逆極性の
値R1 ′′′へと増大している。これから、1番目の周
波数の雑音推定値は図示の記号を用いるとX* 1 =R1
−R′′′1 となり、負の大きな値であることがわか
る。図7において、b1 i ,b2 i ,…は修正曲線
の変化分である。またR1 ′,R1 ′′,R1 ′′′は
最初のR1 に推定雑音を減ずるか、加えるかして得られ
た値であり、推定精度が高ければ次第に信号成分のみが
残る傾向をもつ。かくして、bh の振幅を少しづつ変化
させ、bh i を超過する、あるいは、bh i 未満の
i ,R′i ,…に対し上記処理を施せば[X* i ]の
推定値が得られる。
【0062】なお、修正精度を高めるために、同相成分
の電力を次式のPi で与えて検討する。
【0063】
【数48】 雑音成分Xi の変更とPi の増減は、jに関しても関数
関係にあるので、その関係を参照しつつPI の変化を検
査してΔRj の削減量または増加量を調節していけば推
定精度は高まる。Pj としてはDC成分を含めた値も利
用できる。PIの値を吟味しつつ、Ri の修正を施せば
必要以上受信信号の成分を削減せずに処理することがで
きる。さらに、詳細に推定する場合は、数48のPj
構成要素であるUIiのiに関するパターンに留意する方
法がある。すなわち、数41の中の信号成分γ(t)=
L (t)m(t)に対応するUIiのパターンを信号
パターンとすれば、UIiはこのパターンに相関する成分
[UIIi ]と直交する成分[UIQi ]に分離できる。し
たがって、PI の中で[UIQi ]に対応する電力成分を
IQとすると、しかるときPQ とPIQの和、P′Q を評
価尺度として取り上げ、これを減少する方向にbh の波
線を変化させ、(この場合、図の+側のbh と−側の
b′h とを交互に試用し、何れかPQ * の減少により有
効な側の値を用いて修正を進めることもできる)Ri
調整していくことができる。この方法は、一般的に表現
すれば、UIiとUQiの成分を選択的に重み係数を乗じて
加えた値を評価尺度として用いることを意味する。
【0064】受信入力信号r(t)に乗積する波形とし
ては、m(t)のみならず、一般に他の波形g(t)
を選び、上述と同じような修正処理を施すこともでき
る。その1例を図8に示す。図8(a)は入力波形m
(t)に図示のようにg(t)を乗積すると原周期波数
γ0 (t)が得られ、γ0 (t)は周期が2Tc で占有
率50%の方形波となる。ここで、γ0 (t)の波形を
反転した波形γ# 0 (t−T)を後続するT秒間に付加
して次式のγ(t)を生成する。
【0065】
【数49】 ここでH(t)はステップ関数である。γ(t)は2T
に7サイクルの方形波を含む。したがって、この2T区
間に対し、基本波をf′D =(2T)-1=0.5fD
してDFT分析を施すと、入力がm(t)の場合に対す
るスペクトルは図8(b)の実線で示すΓh となる。こ
こで、
【0066】
【数50】 である。このようにγ0 (t)からγ(t)を生成する
ことにより、Γh のスペクトルを単純化できる。受信入
力r(t)に対し式(20)と同様にg(t)を乗積し
た出力を次式で定義する。
【0067】
【数51】 2Tフレームよりなるu(t)に対しDFT分析を施し
て得られるi番目のスペクトルをUi としよう。また、
雑音対応成分v(t)のi番目のスペクトルをViとす
る。i=hの周波数成分ではΓh ≠0であるので、雑音
成分Viに対しΓh と同相な成分VIiと直交する成分V
Qiを定義できる。したがって、Ui は次式で与えられ
る。
【0068】
【数52】 しかるとき、雑音にのみ対応する乗積出力電力として次
式のPx を定義できる。
【0069】
【数53】 上式の積分範囲は、実際上、主なスペクトルの存在する
区間となる。図6、図7では、乗積出力u(t)の中の
γ(t)に直交する成分の電力PQ が減少するか不要で
あることを評価尺度として、入力信号のスペクトルiを
修正したが、ここではPQ の代わりにPx または、前述
の如くPQ * =Px +PIQを用いて修正する。一般にγ
(t)の繰り返し周期をTq =kTc (k=…,1/
3,1/2,1,2,3,…)と選ぶことができる。図
8はk=2の場合に当たる。k=4,k=1の場合を図
9の(a),(b)に示す。k=4の場合はγ0 (t)
の原周期を時間軸を反転して第2周期目に加えると4T
c を周期とする3.5サイクル分が得られる。この2周
期分の波形を極性反転した波形をさらに加えて4周期の
波形γ(t)を作れば7サイクルを含むことになる。こ
の4周期分をDFT分析すれば、前記Γh と同様な単純
なスペクトルが得られる。k=1の場合はγ(t)の原
周期は整数サイクルを含むので、γ(t)の原周期のま
まDFT分析することができる。k≦1の場合も同様な
分析ができる。またk=3のような素数の場合、前述の
手法と同様に、原周期の後にそれを元にして生成した複
数のフレームを付加することにより、γ(t)のスペク
トル成分を同様にして単純化できる。
【0070】信号m(t)が帯域制限されている場合、
図9(a)に点線で示すように変形した波形となるが、
この場合g(t)も図示のごとく点線のように変形す
る。しかるときγ(t)は正弦波に近づき、Γh の高次
成分は減少し、そのスペクトルはさらに単純となるの
で、Px による評価はより容易となる。なお、単位電力
の雑音成分Xj による数51のUi に生成する成分をa
* ijとすればa* ijはjとiとの組み合わせに依存し、
大きく変動する。したがって、Rj を変化させX* j
推定するときは、a* ij(i=0,1,…,L−1)の
うちの比較的大きな複数個の値i′のみを選び、それに
対応する数52に示したPXの構成成分のうち、i′番
目の成分のみを選択的に加え合わせたP′Q を評価尺度
とすれば、Xj の推定精度を高めることができる。さら
に、上述の如き複数の種類のg(t)を予め準備し、そ
れらによる評価値Px を総合して、例えば最も小さい
(あるいは最も大きい)雑音推定値X* j を採用するな
どの手法により、推定精度を高めることができる。上述
の説明では入力信号や雑音検出過程の信号に対しDF
T,IDFT変換を施して、処理を進めたが、r(t)
×m(t)は数19のRiと数11のC′i のたたみ
こみ積分で実現できる。したがって、Ri をもとに図
1、図3、図4の演算処理をすべて周波数領域で行うこ
ともできる。その結果、図1の整合フィルタ出力eI
求め、これを予め設定したしきい値と比較すればよい。
【0071】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、受信した
スペクトル拡散信号に2回拡散信号を乗積した後、その
出力を分析し、L次元1次連立方程式を解くという簡易
な方法で、受信信号に含まれている雑音信号成分を検出
推定できる。また、受信信号に分析波形を乗積した後、
その乗積出力の周波数成分のうち、雑音を除いた信号対
応周波数成分と直交する成分の電力が減少するように、
受信信号スペクトルの中の過大あるいは過小振幅成分を
削減または増大することを繰り出す方法によりこの修正
分から受信信号に含まれる雑音成分を推定することがで
きる。この雑音成分を受信信号から差し引けば、雑音成
分を含まない、あるいは雑音成分の減少した受信信号に
変換できるので、これに通常の復調処理を施して、送信
信号の情報の識別が可能となり、雑音の周波数特性(周
波数系列の大きさ、極性のパターン)が拡散符号のそれ
と酷似している場合を除き、正確な雑音推定が可能であ
るという特徴を有するので、スペクトル拡散通信におけ
る受信SN比を高め、誤り率の飛躍的改善を図るうえで
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスペクトル拡散信号復調方式に用
いる受信側復調器のブロック図。
【図2】本発明に係るスペクトル拡散信号復調方式に用
いる雑音識別分離回路のブロック図。
【図3】本発明に係るスペクトル拡散信号復調方式に用
いる前置フィルタの位置実施例を示すブロック図。
【図4】M系列の両側スペクトルの一部を示す図。
【図5】シミュレーション出力の例を示す図。
【図6】(a),(b)は受信フレーム信号と推定雑音
のスペクトルを示す図。
【図7】(a),(b),(c),(d)は推定雑音ス
ペクトルの修正過程の説明図。
【図8】(a),(b)は乗積時間波形とそのスペクト
ルを示す図。
【図9】(a),(b)は乗積時間波形を示す図。
【図10】スペクトル拡散通信を行う移動通信システム
の一般的な構成を示すブロック図。
【図11】伝送過程にある信号のスペクトルを模擬的に
示した図。
【図12】スペクトル拡散通信における信号の状態を示
す図。
【図13】従来の直接拡散型スペクトル拡散通信方式に
おける拡散符号出力と2値情報との対応を示す図。
【符号の説明】
FIL フィルタ DEND 逆拡散雑音検出回路 IDFT 逆デスクリートフーリエ変換 DEC 識別回路 DFT ディスクリートフーリエ変換 A/D アナログ・デジタル変換 AYZ アナライザー LPF フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末広 直樹 茨城県つくば市竹園3−6−305−103 (72)発明者 内藤 敏勝 神奈川県高座郡寒川町小谷二丁目1番1号 東洋通信機株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値または多値情報に拡散符号系列を対
    応させるスペクトル拡散通信方式における受信側復調系
    において、 希望局の拡散符号系列m(t)と雑音n(t)からなる
    受信フレーム信号r(t)に、分析用符号系列g(t)
    を乗ずることにより、乗積出力u(t)を得、 該乗積出力u(t)のディスクリート・フーリエ変換分
    析によるN個の複素周波数成分の集合[Ui ](i=
    0,1,2,…,N−1)と、n(t)=0の場合の乗
    積出力γ(t)を分析し、複素周波数成分の集合
    [Γi ]とを得、 前記複素周波数成分の集合[Ui ]を[Γi ]の位相の
    射影成分[UIi]と直交成分[UQi]に分割し、 さらに前記受信フレーム信号r(t)を分析し、複素周
    波数成分の集合[Ri]を得、該複素周波数成分の集合
    [Ri ]のうち、予め設定した修正スペクトル曲線に比
    し過大又は過小の振幅を持つ成分Rk の振幅を、前記
    [UIi]、[UQi](i=0,1,2,…,N−1)の
    電力をiに関して選択的に加え合わせた値が減少する
    か、不変の範囲内で修正し、 次に2番目の同様な振幅を持つ成分Rk ′の振幅を前記
    電力和が減少するか不変の範囲内で修正する方法を順次
    繰り返すことにより前記電力和を0に近接させ、この過
    程で生じたRk 、Rk ′の修正分から雑音周波数成分X
    k k ′等を推定し、前記受信フレーム信号r(t)か
    ら、この推定雑音波形を除去したことを特徴としたスペ
    クトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方式において、受信フレーム
    信号の周波数成分のうち、希望局の拡散符号系列m
    (t)のディスクリート・フーリエ変換分析による周波
    数成分[Ci ]の位相への射影成分のみを抽出し、これ
    を逆ディスクリート・フーリエ変換した信号を受信フレ
    ーム信号r(t)として用いたことを特徴とするスペク
    トル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方式において、分析用符号系
    列g(t)として希望局の方形波拡散符号系列m(t)
    またはそれを帯域制限した系列mL (t)を用いたこと
    を特徴とするスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の
    分離推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方式において、分析用符号系
    列g(t)として分析用符号系列g(t)と希望局の拡
    散符号系列m(t)の乗積出力が、kTc(k=…,1
    /3,1/2,1,2,3,…)を周期とする方形波と
    なるように選択したことを特徴とするスペクトル拡散信
    号に含まれる雑音成分の分離推定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方式において、分析用符号系
    列g(t)として、分析用符号系列g(t)と希望局の
    方形波拡散符号系列m(t)を帯域制限した系列m
    L (t)の乗積出力がkTcを周期とする正弦波とその
    有限個の高調波からなるように選択したことを特徴とす
    るスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方式において、雑音を含有す
    る受信信号と受信側で用いる拡散符号系列に対して予め
    定めた上限周波数以下の通過周波数帯域に制限した時間
    波形を用いることを特徴としたスペクトル拡散信号に含
    まれる雑音成分の分離推定方法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5記載のスペクトル
    拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定方法において、
    受信フレーム信号r(t)あるいは乗積出力u(t)と
    受信側分析用符号系列g(t)との時間域における乗積
    を、周波数域におけるたたみこみ演算で行うことを特徴
    としたスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推
    定方法。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至5記載のスペクトル拡散信
    号に含まれる雑音成分の分離推定方式において、送信信
    号として、方形波M系列のチップ時間幅当たりq点標本
    化によるインパルス列と、通過帯域をチップ周波数のq
    /2に制限した標本化関数波形とのたたみこみにより得
    られる時間波形とし、受信側において標本化関数時間波
    形に対応する分析符号系列の波形を用いたことを特徴と
    したスペクトル拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定
    方法。
  9. 【請求項9】 2値または多値情報に拡散符号系列を対
    応させるスペクトル拡散通信方式における受信側復調系
    において、 雑音を含有する受信フレーム信号r(t)を希望局の拡
    散符号系列m(t)と同じ拡散符号系列m(t)により
    逆拡散する手段と、 該逆拡散出力u(t)から直流成分を除いた出力に対し
    て、前記拡散符号系列m(t)を再び乗積して再拡散乗
    積出力を得る手段と、 該乗積出力のディスクリート・フーリエ変換分析出力で
    あるフレームレートのi倍(i=0,1,2,…,N−
    1)からなるN個の分析周波数成分Wiを求める手段
    と、 含有雑音のみをディスクリート・フーリエ変換分析する
    ことにより得られるj番目(j=0,1,2,…,N−
    1)の雑音周波数成分Xjの集合を未知数とし、予め求
    めておいた前記XjとWiとの集合を用いて構成される
    N元連立一次方程式を解く手段と、 前記受信信号中に含まれる雑音波形成分を検出推定し、
    前記受信フレーム信号r(t)から、この推定雑音波形
    を除去する手段とを備えたことを特徴とするスペクトル
    拡散信号に含まれる雑音成分の分離推定装置。
JP7294784A 1995-10-18 1995-10-18 スペクトル拡散信号に含まれる雑音の分離推定方法及び装置 Withdrawn JPH09116461A (ja)

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