JPH091151A - 水処理用炭素電極 - Google Patents

水処理用炭素電極

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JPH091151A
JPH091151A JP7181052A JP18105295A JPH091151A JP H091151 A JPH091151 A JP H091151A JP 7181052 A JP7181052 A JP 7181052A JP 18105295 A JP18105295 A JP 18105295A JP H091151 A JPH091151 A JP H091151A
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carbon
plate
electrode
carbon plate
water treatment
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JP7181052A
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Shigeru Murakami
繁 村上
Tatsuji Ninomiya
龍児 二宮
Kazuo Sekiguchi
和夫 関口
Masao Ichise
正雄 市瀬
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気化学的な水処理用炭素電極の陽極面に使
用される貴金属電極を安価な材料で置き換えること。 【構成】 多孔質炭素板に多数の貫通孔を有する緻密な
ガラス状炭素板を密接させた電気化学的な水処理用炭素
電極である。ガラス状炭素板が貴金属電極に代るもの
で、この面が陽極側となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水中に存在する微生物
を電気化学的方法(電解)により殺菌するための水処理
用、あるいは金属イオンを含む水溶液から電解により金
属を回収するための水処理用質炭素電極に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料水、浴場やプール水、工業設備の冷
却水、防火用水、食品工場の各種水洗水等における微生
物(菌類、原生動物、藻類、藍藻類、細菌)の殺菌には
薬剤添加、紫外線照射、加熱等の手段が採られている
が、殺菌効率が悪かったり、抗菌が増殖する等の問題が
ある。そこで最近は微生物を特殊な電解槽の中で殺菌す
る方法が提案されている。また写真の現像、定着におけ
る処理液には銀イオン等が含まれ、またメッキの水洗廃
液には微量の貴金属イオンが含まれている。その他各種
の廃液の中に重金属イオンが微量に含まれる場合があ
る。これらの貴金属や重金属を有効利用あるいは環境問
題等から回収する必要がある。この電解回収にも上記し
た微生物の殺菌に用いられるのと同じ特殊な電解槽が有
効であることが知られている。
【0003】これらの水処理方法に用いられる電解槽の
構成を図2に示す。図2において、1は電解槽の筐体、
2は直流電圧印加端子、3は金属多孔板のターミナル電
極、4は電極間距離を一定に保つためのスペーサーであ
る。電極は多孔質炭素板6とこれを保護する保護電極5
とからなる。これらの多孔質炭素板、保護電極及びスペ
ーサーはセットとなり多数積層される。図2はその一部
を示す。処理する液は電解槽の入口7(図2においては
陽極側)から供給され、出口8(図2においては陰極
側)から排出される。
【0004】水が電解されると電極の陽極側に酸素ガス
等の酸化性物質が発生し、炭素電極が酸化により腐食さ
れる。炭素電極板を反応性の低いガラス状炭素とするこ
とにより、かなり腐食は防止できるが電極は多孔質であ
り反応を起こし易いので、陽極側にはこれを保護する電
極を設けることが望ましい。保護電極としてはチタン等
の材料からなるメッシュ状の基材に白金やルテニウムを
被覆し、これを炭素電極(多孔質炭素板)の陽極面に密
着させ、電解による酸素の発生をこの金属面で起こすよ
うにする方法が知られている。
【0005】多孔質炭素板は通常の炭素材と同様、炭素
骨材をピッチや熱硬化性樹脂を結合材として成形、焼成
したものや炭素繊維等を用いたものが知られている。炭
素骨材(コークスや黒鉛粒)を用いる場合はその粒子の
大きさを揃える等により気孔率を大きくして使用されて
いる。電解槽に微生物を含む水を通し、電圧を印加する
ことにより、微生物の殺菌が行われる。その際の作用機
構は処理液中の微生物が陽極表面で電解により発生する
発生期の酸素により死滅するといわれている。金属イオ
ンを含む水溶液の処理では多孔質炭素電極板の陰極側に
金属が析出するので、その量がある程度以上になったと
ころで電極板を取外し、種々の方法で金属を回収する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】保護電極は前記したよ
うにメッシュ状で通水性としたチタン等の基材を白金や
ルテニウムで被覆したものが知られている。しかし、こ
の保護電極は高価な貴金属を使用することが短所であ
る。本発明は、従来の高価な保護電極に代り、安価な材
料で保護電極を構成することにより水処理に使用される
炭素電極のコストを低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の金属
の保護電極に代る材料について種々研究した結果、ガラ
ス状炭素であって、かつ緻密なものは水処理用の保護電
極として十分使用可能であることを見出し、本発明を完
成するに至った。即ち、本発明は多孔質炭素板に多数の
貫通孔を有する緻密なガラス状炭素板が密接されてなる
電気化学的な水処理用炭素電極である。図1に本発明の
炭素電極の一例を示す。ガラス状の緻密な炭素板5が多
孔質炭素板6に密接されている。51は炭素板5の貫通
孔で通水するために設けられている。貫通孔の大きさ、
貫通孔同士の間隔は電解槽の容量、条件により適宜定め
られるが、一般的な電解槽の場合では貫通孔の大きさは
1φ〜8φmm程度、貫通孔同士の間隔は3〜20mm
程度が適当である。
【0008】本発明の保護電極はガラス状であり、かつ
緻密な材料から構成されていることが必要である。ガラ
ス状炭素は、コークスやピッチから製造される炭素材と
異なって、成形体の破面がガラス状を呈することからそ
の名があり、代表的なものはフェノール樹脂、フラン樹
脂、フルフリルアルコール等を硬化し、さらに焼成炭化
した炭素材である。さらにレーヨン、木材パルプ等のセ
ルロース系の繊維を炭化した炭素繊維やポリアクリロニ
トリル等の高分子繊維を不融化処理し、それを焼成炭化
した炭素繊維も広義のガラス状炭素といわれている。
【0009】本発明におけるガラス状炭素板は上記のガ
ラス状炭素が主体、即ち少なくとも50重量%はガラス
状炭素であり、好ましくは60重量%以上がガラス状炭
素である。そして電解における耐食性を高めるために緻
密であることが必要であり、これを気孔率で表せば10
%以下である。ガラス状炭素は他の炭素材に較べて反応
性は低いが、これを緻密化することによりさらに耐食性
が高まる。水処理電解においてガラス状炭素板は電極の
一部をなすものであり、当然導電性は高い方がよい。一
般に熱硬化性樹脂を炭化したガラス状炭素はコークス等
を原料とした炭素に較べれば導電性は悪い。しかし炭素
板に炭素繊維や導電性のよい炭素(黒鉛)粉末を含有さ
せることにより、炭素板の導電性を上げることができ
る。このようにしてガラス状炭素板の電気比抵抗を5×
10-3Ωcm以下とすることができる。
【0010】保護電極としてのガラス状炭素板の厚みは
0.6〜1.5mm程度が適するので炭素板の強度が弱
いと取扱いその他に問題が生ずるが、炭素板に炭素繊維
を含有させることによって炭素板の強度を上げることが
できる。またこのように薄い炭素板は炭素繊維あるいは
炭化により炭素繊維となる有機繊維を用いた方が製造が
容易である。
【0011】本発明のガラス状炭素板は、上記したよう
な保護電極として要求される特性等から望ましい構成は
炭素繊維及び炭素粉が熱硬化性樹脂の炭化物で一体に結
合されたものである。そしてこれらの好ましい割合は炭
素繊維25〜50重量%、炭素(黒鉛)粉40重量%以
下、特に好ましくは20〜30重量%、熱硬化性樹脂の
炭化物20〜50重量%である。炭素繊維は強度の向上
に寄与するが多過ぎると炭素板の緻密性が劣る。また炭
素粉は導電性を高めるが、多過ぎると腐食性が大きくな
る。熱硬化性樹脂の炭化物は炭化してガラス状炭素とな
ると共に炭素繊維、炭素粉の結合材として作用するが、
少ないと結合力が弱く、また炭素繊維や炭素粉の量から
上限は制限される。これらの理由から上記の範囲が好ま
しい。
【0012】ガラス状炭素板中に炭素繊維を含有させる
方法としては通常の炭素繊維に液状の熱硬化性樹脂等を
含浸、成形し、焼成することも可能であるが、有機高分
子繊維を用いて同様に成形し、必要により不融化処理を
施し、次いで焼成することもでき、前者に較べコストが
低く有利である。特に木材パルプ、レーヨン等のセルロ
ース系繊維は上記の不融化処理が必要でなく、炭化によ
り炭素板中で炭素繊維化するので好都合である。
【0013】これらのことから、本発明におけるガラス
状炭素板の最も好ましい製造方法はリンター紙、クラフ
ト紙等の紙に液状の熱硬化性樹脂を含浸し、これを必要
な厚さに積層圧着し、焼成する方法である。炭素粉末は
紙に含浸させておくか、または液状の樹脂を含浸する
際、液状の樹脂に粉末を分散させ、樹脂と一緒に含浸す
ることかができる。前記のような紙はパルプ繊維が細く
緻密となっているので樹脂を含浸し、積層圧着し、長時
間かけて焼成すれば非常に緻密なガラス状炭素板が得ら
れる。焼成における熱硬化性樹脂の炭化率は40〜50
%、紙の炭化率は30〜40%程度であるので、炭素板
の前記した好ましい割合とするには紙100重量部に熱
硬化性樹脂(固形分)50〜100重量部、炭素粉40
重量部以下、好ましくは20〜30重量部を含有させれ
ばよい。熱硬化性樹脂としては液状のフェノール樹脂、
フラン樹脂、カルボジイミド樹脂等が用いられる。
【0014】熱硬化性樹脂等を含浸した紙の積層枚数は
前記した炭素板の厚み0.6〜1.5mmの場合で9〜
22枚である。積層圧着の際150〜230℃程度に加
熱して樹脂を硬化させる。圧着は金属板や黒鉛板等に挟
んで5〜50kg/cm2 程度に加圧して行う。硬化後
の焼成は積層紙を黒鉛板に挟んで800℃程度までは1
0℃/hr以下程度の昇温速度で加熱する。これによっ
て樹脂及び紙は炭化し、ガラス状炭素板となり、そのま
まで使用可能であるが、さらに好ましくは2000℃以
上に加熱する。高温処理することによって炭素板の導電
性が高まる。
【0015】保護電極としては前記したように貫通孔
(通水孔)が必要である。貫通孔は焼成後の炭素板にド
リル等で穴開けしてもよく、また貫通孔の精度は必要で
ないので、積層硬化した紙に穴開けしておくこともでき
る。次に、多孔質炭素板について説明する。多孔質炭素
板は多孔質の炭素板であればよく、従来水処理用電極と
して知られているものも使用できる。例えば黒鉛粒の粒
度を揃えてピッチや樹脂等の結合材を加えて成形、焼成
した炭素板である。黒鉛粒の粒度を揃えることによって
炭素板は多孔質となる。
【0016】多孔質炭素板として特に好ましいのは上記
のガラス状炭素板と同様、炭素繊維、熱硬化性樹脂の炭
化物及び必要により炭素粉とで構成し、ただし多孔質と
したものである。炭素板を多孔質とするには繊維材料と
してはレーヨン紙が適する。レーヨン紙は前記の紙と違
って繊維の太さが、例えば3〜20デニールと太く、紙
を粗にすることができる。これに樹脂等を含浸し、積層
圧着しても緻密化せず、焼成炭素板は多孔質となる。
【0017】レーヨン紙は、レーヨン繊維を2〜20m
m程度の長さとし、好ましくはこれに木材パルプを加
え、また操作をし易くするために少量のポリビニルアル
コール、ビニロン等のバインダーを使用して抄造する。
さらにシートの強度を増すためにエポキシ樹脂等を加え
ることもできる。炭素粉末はレーヨン紙の抄造と同時あ
るいは後の含浸工程で含有させることができる。レーヨ
ン紙の望ましい例を示せば、レーヨン繊維60〜90重
量部、パルプ3〜35重量部、抄紙用バインダー2〜2
0重量部、これらの合計100重量部に対し、炭素微粉
0〜18重量部である。
【0018】このレーヨン紙に前記と同様の液状熱硬化
性樹脂を含浸し、積層硬化、焼成する。多孔質炭素板は
緻密なガラス状炭素板より厚く、例えば10mm前後と
なるのでそれに合せた積層枚数とする。硬化、焼成は上
記と同様である。これらの製法における好ましい条件を
示せば、レーヨン紙100重量部に対し、熱硬化性樹脂
60〜150重量部(溶剤等を除く樹脂固形分)、炭素
粉18重量部以下である。これによって炭素繊維40〜
65重量%、樹脂の炭化物35〜60%、炭素微粉0〜
15%の多孔質炭素板が得られる。
【0019】この製法によって得られた多孔質炭素電極
は気孔率が40%以上で、気孔径は80%以上が30〜
90μm(水銀圧入法)に分布している。気孔率の上限
は75%程度である。このように気孔率が高いが炭素繊
維で補強されているので曲げ強度は80kg/cm2
上となる。そしてこの多孔質炭素板はガラス状炭素が主
体をなしているので水処理電解における耐食性が高い。
また気孔率が大きく、水中の殺菌や金属回収の効果が大
である。
【0020】本発明の水処理用炭素電極は、上記の緻密
なガラス状炭素板からなる保護電極と多孔質炭素板とが
密接したものからなっている。両者の密接化は、機械的
に面加工した後に単純積層して締め圧をかける方法、も
しくはフッ素樹脂フィルム等を介して加熱溶融圧着する
方法等により行なうことができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (1)保護電極の製造 下記2種の紙を使用した。 市販リンター紙:丸福製紙(株)製,5ミルスリンタ
ー 黒鉛微粉/パルプ混抄紙:リンテック(株)製,黒鉛
微粉20重量%配合 上記2種の紙に表1に示した如く、フェノール樹脂単
味、また黒鉛微粉/フェノール樹脂混合液を所定量含浸
した。フェノール樹脂は昭和高分子(株)製、BRL−
120Zを、また黒鉛微粉は昭和電工(株)製、UFG
−30(平均径10μm)を20重量%混合使用した。
含浸量のコントロールは溶剤(エタノール)で樹脂濃度
を変えて行なった。含浸液を含浸したプリプレグシート
を積層し、160℃、30分加圧保持し、シートを積層
圧着してグリーン成形板とした。
【0022】該グリーン成形板を常法により黒鉛板に挾
持し、1週間をかけて1000℃に焼成した。一部は更
に10時間をかけて2300℃に焼成した。得られた炭
素板の破面はガラス状を呈し、表2に示す物性を具備し
ていた。同様にして上記フェノール樹脂の代りにフラン
樹脂(日立化成(株)製、商品名(ヒタフラン)を用い
てテストした。テスト条件および物性測定結果を表1、
表2に示した。フラン樹脂を用いて得られた炭素板の破
面もフェノール樹脂に比べ若干の曇りはあるもののガラ
ス状を呈していた。得られた炭素板をダイヤモンド工具
により機械加工し、78φmmの穴付円板に加工した。
穴は3φmmの径で全ての穴の中心間が5mm間隔とな
るように炭素板全面に開けた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】 曲げ強さ:3点曲げ法により測定 電気比抵抗:4端子法により測定
【0025】(2)多孔質炭素板の製造法 (レーヨン紙の作製条件)繊維長8mm、太さ15デニ
ールのレーヨン繊維75重量部、カナディアンフリーネ
ス650mlに叩解した木材パルプ(NBKP:クロフ
トン)15重量部、繊維状バインダーとしてPVA繊維
(クラレ(株)製、VPB105、1デニール×4m
m)を5重量部ならびに黒鉛微粉(昭和電工(株)製、
UFG−30)を5重量部の割合で混合分散後、エポキ
シ系樹脂(商品名:エピノックスP−201、ディック
ハーキュレス社製)を繊維に対して0.4wt%(固形
分)添加し、水で希釈し、レーヨン紙を抄造した。
【0026】上記、レーヨン紙にフェノール樹脂(昭和
高分子(株)製、BRL−120Z)を固形分換算で5
0重量%含浸したプリプレグシートを42枚積層し、2
kg/cm2 、230℃、30分の条件でシートを積層
圧着してグリーン成形板とした。該グリーン成形板を常
法により黒鉛板に挾持し、2日間をかけて1000℃に
焼成した後、更に10時間をかけて2700℃に焼成し
た。得られた多孔質炭素板の物性測定結果を表3に示し
た。この多孔質炭素板をダイヤモンド工具により78φ
mmの円板に加工した。
【0027】
【表3】 気孔径(メジアン径、直径)、気孔率:水銀圧入法により測定 通気率:空気、差圧20mmAqの条件で測定、板に垂直方向
【0028】(3)保護電極板と多孔質炭素板の密接方
法 下記(a)〜(c)の方法で図2に示す保護電極板およ
び多孔質炭素板を装置に組み立てて性能、耐久性を評価
した。 (a)得られた多孔質炭素板をダイヤモンド砥石で精度
良く面加工した後、図2に示した如く装置を組み立て、
端子板により0.5kg/cm2 の面圧を印加し、保護
電極と多孔質炭素板等を密接保持させた状態で殺菌性
能、金属イオン回収性能を調べた。保護電極板としては
表2に示した例1〜8について、それぞれ同じ保護電極
板で図2の装置を組み立て性能を調べた。
【0029】(b)保護電極板と多孔質電極板の間にテ
フロンフィルム(日東電工(株)製、PFA)を挟み、
350℃、2kg/cm2 荷重で10分保持することに
より接着した。接着した炭素電極をやはり図2の如く装
置に組み立てて、上記(a)同様に表2に示した例1〜
8について性能を調べた。尚、テフロンフィルムで全面
接着したものは耐食性は優れれるが撥水性が強く、本発
明に係る水処理用装置に使用する場合には全面接着とす
ると電極全面に処理水が行き渡らない等の不具合を生ず
ることが明らかとなった。
【0030】(c)然してテフロンフィルムを5mm角
に切断し、電極面5ケ所(中央1ケ所+周辺4ケ所)の
接着とし、撥水性の不具合を回避した。装置組み立て時
の端子板による面圧印加は1kg/cm2 とした。
【0031】(4)銀除去試験 (1)に記載する各種の保護電極板と、(2)に記載す
る多孔質炭素板を、(3)に記載する(a)及び(c)
の方法で密接した電極を使用して多孔質炭素板10枚か
らなる図2に示す電解槽をつくった。この電解槽を使用
した図3に示す電解試験装置により、写真現像における
水洗水廃水を模擬し、定着廃液を銀濃度が30mg/リ
ットルになるように希釈して試験原液とし、これを貯槽
に仕込み、印加直流電圧35V、貯槽液量20リット
ル、液流量2リットル/min、通電時間1hrのテス
トを、貯槽液を更新して15回のテストを行なった。図
3において11は電解槽、12は貯槽、13はポンプ、
14は直流電源、15はサンプリング弁である。
【0032】試験結果を表4に示す。比較例2を除きい
ずれの実験においても15回のテストによる保護電極
板、多孔質炭素板の重量減少は認められなかった。また
目視観察の結果においても比較例2を除き保護電極板、
多孔質炭素板の腐食の徴候は認められなかった。また、
いずれの実験においても銀の除去性能に有意な差は認め
られなかった。これらのことから、(1)に記載する各
種のガラス状の緻密な炭素板からなる保護電極板が、P
t/Ti網と同じく多孔質炭素板の腐食を防ぐ効果があ
り、保護電極板それ自身も耐食性があり、しかも銀除去
性能に悪影響を与えないことがわかった。
【0033】
【表4】
【0034】(5)制菌試験 本試験には図3に示す電解試験装置を用いた。貯槽にあ
らかじめ沸騰・脱気しておいた水道水10リットルを入
れ、これに大腸菌を約107 cfu/mlの濃度になる
ように懸濁した。ポンプを回し、液流量1リットル/m
inで液を循環した。30分後に液をサンプリングし、
印加直流電圧70Vで通電を開始した。1時間後に液を
サンプリングし通電を止めた。サンプリング液は、10
0倍系列希釈し、原液、10-2希釈液、10-4希釈液、
10-6希釈液、各0.1mlをニュートリエントアガー
平板培地各2枚に塗抹し、大腸菌・菌数を測定した。貯
槽の液を更新し、同様の試験を15回行なった。これら
の結果を表5に示す。実施例17〜32および比較例3
のいずれも1時間通電後では大腸菌は検出されず、また
15回後でも制菌効果は変わらなかった。保護電極板お
よび多孔質炭素板の重量減少はなかった。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】多孔質炭素電極を保護するために使用さ
れる本発明の電極は緻密にしてガラス状であり、耐食性
がよく、従来のチタン等に白金等を被覆した高価な保護
電極と比べて遜色ない特性を有する。そしてこの保護電
極は安価に製造することができ、実用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水処理用炭素電極の斜視図である。
【図2】図1の炭素電極を組み込んだ電解槽の断面図
(一部省略)である。
【図3】水処理電解装置の配置図である。
【符号の説明】
1 電解槽の筐体 11 電解槽 12 貯槽 13 ポンプ 14 直流電源 15 サンプリング弁 2 直流電圧印加端子 3 ターミナル電極 4 スペーサー 5 保護電極 51 貫通孔 6 多孔質炭素板 7 液の入口 8 液の出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市瀬 正雄 東京都港区芝大門一丁目13番9号昭和電工 株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質炭素板に多数の貫通孔を有する緻
    密なガラス状炭素板が密接されてなる電気化学的な水処
    理用炭素電極。
  2. 【請求項2】 多孔質炭素板の気孔率が40%以上、緻
    密なガラス状炭素板の気孔率が10%以下である請求項
    1記載の炭素電極。
  3. 【請求項3】 緻密なガラス状炭素板が炭素繊維を有機
    高分子物質の炭化物で一体に結合したものからなる請求
    項1又は2記載の水処理用炭素電極。
  4. 【請求項4】 炭素繊維がセルロース系繊維の炭化物で
    ある請求項3記載の水処理用炭素電極。
  5. 【請求項5】 緻密なガラス状炭素板が炭素微粉を40
    重量%以下含む請求項1〜4のいずれかに記載の水処理
    用炭素電極。
  6. 【請求項6】 有機高分子物質が熱硬化性樹脂である請
    求項3〜5のいずれかに記載の水処理用炭素電極。
  7. 【請求項7】 緻密なガラス状炭素板が炭素繊維25〜
    50重量%、熱硬化性樹脂の炭化物20〜50重量%、
    炭素微粉40重量%以下からなる請求項1〜6のいずれ
    かに記載の水処理用炭素電極。
  8. 【請求項8】 水中の微生物の電気化学的な殺菌用であ
    る請求項1〜7のいずれかに記載の水処理用炭素電極。
  9. 【請求項9】 金属イオンを含む水溶液中の金属の電気
    化学的な回収用である請求項1〜7のいずれかに記載の
    水処理用炭素電極。
JP7181052A 1995-06-23 1995-06-23 水処理用炭素電極 Pending JPH091151A (ja)

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