JPH09110975A - 含フッ素ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

含フッ素ポリエステル及びその製造方法

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JPH09110975A
JPH09110975A JP29064895A JP29064895A JPH09110975A JP H09110975 A JPH09110975 A JP H09110975A JP 29064895 A JP29064895 A JP 29064895A JP 29064895 A JP29064895 A JP 29064895A JP H09110975 A JPH09110975 A JP H09110975A
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polyester
tfpo
reaction
hydrocarbon group
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JP29064895A
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Tokio Hagiwara
時男 萩原
Tadashi Narita
正 成田
Hiroshi Hamana
浩 浜名
Junko Matsui
順子 松井
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Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリフルオロプロピレン構造を有する新規な
含フッ素ポリエステル、及び該含フッ素ポリエステルを
簡便且つ高収率で製造できる方法を提供する。 【解決手段】 下記する一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
芳香族炭化水素基、又は、これら炭化水素基を構成する
炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基を示
し、更に置換基を有してもよい。nは、繰り返し数を示
し、n= 2 〜 1000である。)で示される含フッ素ポリ
エステル、及び、有機亜鉛化合物又はアミン類の存在下
に、3,3,3-トリフルオロ-1,2-エポキシプロパンとジカ
ルボン酸の酸無水物とを共重合させて該ポリエステルを
製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含フッ素ポリエス
テル、及びその製造方法に関する。具体的には、トリフ
ルオロプロピレンオキシド(3,3,3-トリフルオロ-1,2-
エポキシプロパン)とジカルボン酸の酸無水物とを、共
重合した構成単位からなる含フッ素ポリエステル、及び
トリフルオロプロピレンオキシドとジカルボン酸の酸無
水物を共重合して、該含フッ素ポリエステルを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】種々のポリエステルが既に開発され、従
来より、優れた合成繊維、工業用材料として広く用いら
れている。例えば、芳香族系ポリエステルは、機械特
性、寸法安定性、耐溶剤性などに優れた高分子材料とし
て利用されている。また、脂肪族系ポリエステルは、そ
れ自体は一般に融点が低く、耐溶剤性が低いものの、こ
れをプレポリマ−とする架橋ポリマ−や、他のプレポリ
マ−との重合させた複合材料では、優れた熱硬化性樹脂
となるものもある。加えて、ある種のポリエステルは、
生体内分解性のポリマ−として注目され、ドラッグデリ
バリ−材料として用いられているものもある。
【0003】これらポリエステルを製造する方法として
は、ジカルボン酸とジオ−ルの縮合反応、ジ酸クロリド
とジオ−ルの縮合反応、ラクトンの開環重合、環状エ−
テルと酸無水物との交互共重合などの方法を用いて、目
的とする構造単位からなる重合体に合成できることが知
られている。更に、含フッ素ポリエステルとして、比較
的鎖長の長いパ−フルオロアルキル基をその構成単位に
持つものや、或はパ−フルオロポリエ−テルを含むもの
など、フッ素含有量の高いものは既に多くの報告があ
る。しかしながら、フッ素含有量の少ない含フッ素ポリ
エステルは、その報告例はあまり多くない。
【0004】フッ素含有量の高くない含フッ素ポリエス
テルは、それと対応する構造のポリエステルと同様な高
分子材料として利用、或は複合材料の中間体としての用
途に加えて、フッ素置換に伴い、撥水性の増加、溶剤溶
解性の低減、低屈折率性等の性質が付与できるため、新
たな高分子材料開発の中間体として有用である。例え
ば、生体内分解性を有するポリエステルに、少量のフッ
素を導入することにより、フッ素置換に特有の疎水性の
増進を図り、抗血栓性などの生体適合性の向上がなされ
る可能性があり、特に、医用材料として興味ある材料開
発に利用できる。
【0005】このような期待から、新規な構造の含フッ
素ポリエステルの提供が望まれており、特には、ポリエ
ステルのグリコ−ル成分部分に少量のフッ素が導入され
た構造の提供が望まれている。なお、具体的に、グリコ
−ル成分部分にトリフルオロプロピレン構造を有するポ
リエステルを合成したという報告例は未だない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は、新規な構造の含フッ素ポリエステル、特に
は、ポリエステルのグリコ−ル成分部分に少量のフッ素
が導入された構造の含フッ素ポリエステルを提供するこ
とにある。即ち、本発明の目的は、特殊繊維や医用材料
の中間体として有望な新規な含フッ素ポリエステル、よ
り具体的には、トリフルオロプロピレン構造を有する新
規な含フッ素ポリエステルを提供するとともに、該含フ
ッ素ポリエステルを簡便且つ高収率で製造できる方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特殊繊維
や医用材料の中間体として有用な少量のフッ素を導入し
たポリエステルの製造方法について、鋭意研究検討を進
めたところ、有機亜鉛化合物又はアミン類の存在下に、
トリフルオロプロピレンオキシド(3,3,3-トリフルオロ
-1,2-エポキシプロパン)とジカルボン酸の酸無水物と
を共重合することができることを見い出し、本発明を完
成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、下記する項(1)に記載
する含フッ素ポリエステル、及び項(2)に記載するそ
の製造方法である。
【0009】(1) 下記する一般式(I):
【化5】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
芳香族炭化水素基、又は、これら炭化水素基を構成する
炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基を示
し、更に置換基を有してもよい。nは、繰り返し数を示
し、n= 2 〜 1000である。)で示される含フッ素ポリ
エステル。
【0010】(2) 下記する一般式(I):
【化6】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
芳香族炭化水素基、又は、これら炭化水素基を構成する
炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基を示
し、更に置換基を有してもよい。nは、繰り返し数を示
し、n= 2 〜 1000である。)で示される含フッ素ポリ
エステルを製造するに際し、下記の式(II):
【化7】 で示されるトリフルオロプロピレンオキシドと、下記す
る一般式(III):
【化8】 (式中、Rは、一般式(I)のRと同じ基を示す。)で
示される酸無水物とを、有機亜鉛化合物又はアミン類の
存在下で共重合させることを特徴とする含フッ素ポリエ
ステルの製造方法。
【0011】なお、上記の一般式(I)において、該構
成単位の繰り返し数 n は、数平均の値を意味する。即
ち、係るポリエステルは、繰り返し数に分布を持つ混合
物として調製されるので、その分布の中心を示す数平均
の値により特定する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の含フッ素ポリエステル
は、プロピレンオキシド(1,2-エポキシプロパン)に換
えて、トリフルオロプロピレンオキシド(TFPO;
3,3,3-トリフルオロ-1,2-エポキシプロパン)を用い
て、ポリエステルの構成単位のグリコ−ル部分にフッ素
原子をトリフルオロメチル基として導入したものであ
る。加えて、対応するポリエステル、即ち下記する一般
式(IV):
【化9】 (式中、Rは、一般式(I)のRと同じ基を示す。)で
示される構成単位からなるポリエステルの機能、性質
を、係るメチル基をトリフルオロメチル基に変換するこ
とにより、少量のフッ素置換に伴う、撥水性の増加、溶
剤溶解性の低減、低屈折率性等の性質を付与するもので
ある。従って、該ジカルボン酸に由来するRは、基にす
るポリエステルの要望される基本的な機能に応じて予め
定まるものである。一般には、二価の基Rとして、脂肪
族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、
或は、これら炭化水素基を構成する炭素原子をヘテロ原
子に置き換えてなる二価の基の何れかを用いることがで
きる。なお、Rは、対称な構造を持つもののみでなく、
非対称な構造のものでもよく、更には、一つ以上の置換
基を有してもよい。
【0013】二価の基Rで置換基を有しないものに関し
て、より具体的に示すならば、Rが脂肪族炭化水素基、
例えば、分枝を有してもよいアルキレン基に分類され
る、コハク酸由来のエチレン基、グルタル酸由来のトリ
メチレン基など、分枝を有してもよいアルケニレン基に
分類される、マレイン酸由来のcis-ビニレン基など、R
が芳香族炭化水素基、例えば、側鎖を有してもよい単環
芳香族炭化水素基に分類される、フタル酸由来の o-フ
ェニレン基などを好適なものとしてが挙げることができ
る。即ち、上記の一般式(III)で示され、該Rを含む
環状酸無水物を構成するに際し、5〜7員環となるも
の、少なくとも、ジカルボン酸の二つのカルボキシル基
が、隣接する配向を採り、容易に酸無水物を構成するこ
とが可能な位置に存在せしめるものが好ましい。
【0014】加えて、ジカルボン酸の酸無水物におい
て、それを構成する二価の基Rが非対称な構造の場合、
Rを存在する置換基を選ぶことにより、二つのカルボニ
ル基の反応性に差違を生じさせることができる。その時
には、該環状酸無水物の開環反応において、再現性よく
一方のカルボニル基に優先的に反応が起き、結果とし
て、ポリエステル中における基Rの配向に関しても、乱
れが起こることなく、単一の構成単位からなるポリエス
テルを主たる生成物とすることができる。
【0015】本発明の含フッ素ポリエステルは、TFP
Oとジカルボン酸から誘導された環状の酸無水物とを、
重合開始剤として、有機亜鉛化合物又はアミン類の存在
下で共重合させることにより製造することができる。こ
の共重合反応を、以下に簡単に説明する。
【0016】例えば、重合開始剤のアミン類が、先ず酸
無水物に作用して開環させ、一端に、イオン化したカル
ボキシル基(-COO-)を生成する。このアニオン種が
求核試薬として、TFPO 1位の炭素原子(メチレン
基)に作用し、エポキシ環の開環と、それに換わる結合
形成を行いエステル結合を生成する。結果として、TF
PO 2位の炭素原子上にアルコラ−ト型のアニオン種
(C-O-)が生成する。次いで、このアニオン種(C-
-)が酸無水物を開環させ、エステル結合を形成し、
他端にイオン化したカルボキシル基(-COO-)を再生
する。従って、この一連の求核反応により、ポリエステ
ルの構成単位の伸長がなされ、共重合反応が進行する。
或は、TFPO 1位の炭素原子(メチレン基)に、重
合開始剤が作用して、エポキシ環の開環が起こり重合反
応が開始する寄与もあるのは勿論である。
【0017】更には、重合開始剤の有機亜鉛化合物は、
TFPOのエポキシ基(-O-)(又は酸無水物のオキシ
基(-O-))の配位を受け、これらオキシ基(-O-)の
開裂を促進する。この開裂に伴い生成する、TFPO
2位炭素原子上のアルコラ−ト型アニオン種(C-O-
(又は酸無水物由来のカルボキシル基(-COO-))
が、係る有機亜鉛化合物に配位する酸無水物(又はTF
PO)に対して作用して共重合反応が進行する。
【0018】以上の過程が反復して伸長されたポリエス
テル中間体は、開始剤にアミン類を用いた際には、末端
には、重合開始剤一分子が配位したカチオン中心が、他
の末端には、上記のアニオン中心の何れかが、それぞれ
残るものとなる。反応停止に際し、この中間体に、水又
は酸水溶液を加えると、例えば、カチオン中心には、水
酸化物イオン(-OH)が、アニオン中心には、プロト
ン(H+)がそれぞれ付加され、電荷の中和がなされ、
最終生成物となる。従って、得られる重合物は、末端
に、カルボキシル基(-COOH)又は水酸基(-OH)
が残基するものとなる。例えば、下記する一般式
(V):
【化10】 (式中、Rは、一般式(I)のRと同じ基を示し、n
は、繰り返し数を示す。)で示されるポリエステル等と
なる。或いは、開始剤に例えば、ジアルコキシ亜鉛を用
いた際には、中間体の末端には、TFPO 1位炭素原
子上に該アルコキシ基が結合したものを生成し、末端に
残基することもできる。
【0019】本発明の製造方法において、原料の一つに
用いるTFPO単量体は、上記の式(II)で示される化
合物である。該エポキシドは、下記の式(VI):
【化11】 (式中、*Cは、不斉中心の炭素原子を示す。)に明示
するように、その2位の炭素原子は不斉原子であり、そ
れに伴い鏡像異性体が存在する。トリフルオロアセトン
を臭素化して得られたブロモトリフルオロアセトンを水
素化アルミニウムリチウムで還元して、ブロモトリフル
オロイソプロピルアルコ−ル(1-ブロモ-3,3,3-トリフ
ルオロ-2-プロパノ−ル)とし、次いでこれを苛性ソ−
ダで処理し閉環する方法、或はトリフルオロプロピレン
(3,3,3-トリフルオロプロペン)を微生物を用いて酸化
する方法(特公昭61−14798号公報、特開昭61
−202697号公報を参照)などにより製造すること
ができる。
【0020】また、本発明において他の原料とする、上
記の一般式(III)で示されるジカルボン酸の酸無水物
は、対応するジカルボン酸を脱水処理して、環状酸無水
物とすることにより調製できる。この環状酸無水物を構
成する二価の基Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水
素基、芳香族炭化水素基、或は、これら炭化水素基を構
成する炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基
の何れかである。更には、一つ以上の置換基を有しても
よい。なお、該二価の基R上に存在してもよい置換基と
しては、TFPOに対して求核反応して、そのエポキシ
環を開環せしめるものは好ましくない。もし、このよう
な求核反応をする可能性を有する置換基が存在する際に
は、予め保護基を導入してその反応性を除く処置をする
ことにより、同じく用いることができる。即ち、TFP
Oに対して求核反応性を有しないものに一旦誘導し、重
合反応が終了した後、保護基の脱離などにより、当初の
置換基に復するとよい。
【0021】これら酸無水物の由来するジカルボン酸の
うち、二価の基Rで置換基を有しないものに関して、よ
り具体的に示すならば、Rが脂肪族炭化水素基、例え
ば、分枝を有してもよいアルキレン基に分類される、エ
チレン基のコハク酸、トリメチレン基のグルタル酸な
ど、分枝を有してもよいアルケニレン基に分類される、
cis-ビニレン基のマレイン酸など、Rが芳香族炭化水素
基、例えば、側鎖を有してもよい単環芳香族炭化水素基
に分類される、o-フェニレン基のフタル酸など、環状酸
無水物を構成するに際し、5〜7員環となるものを好適
なものとしてが挙げることができる。少なくとも、ジカ
ルボン酸の二つのカルボキシル基が、隣接する配向を採
り、容易に酸無水物を構成することが可能な位置に存在
するものが好ましい。
【0022】なお、ジカルボン酸の酸無水物において、
それを構成する二価の基Rが非対称な構造のものでも、
Rに存在する置換基を選ぶことによって、該環状酸無水
物の開環において、反応性に差違を設けることができ
る。その時には、生成するアニオン種、イオン化したカ
ルボキシル基(-COO-)を、再現性よく、一方に優先
的に生成することができ、従って、得られるポリエステ
ル中における主な生成物は、基Rの配列に関しても、乱
れが起こることなく、単一の構成単位からなるものとす
ることができる。
【0023】本発明の製造方法において、目的とするポ
リエステルの構成単位は、TFPO一分子と酸無水物一
分子とが交互共重合して得られるものであるので、TF
POと酸無水物とは等モル量を用いるとよい。一方、上
記のTFPOと酸無水物との反応系に添加される有機亜
鉛化合物又はアミン類は、該共重合反応の開始剤として
作用するものである。従って、これら有機亜鉛化合物又
はアミン類は、TFPO或は酸無水物の開環を触媒する
ものであるので、酸無水物に対して触媒量を用いること
がよい。なお、開始剤としては、開環反応を触媒するも
のの、他方では、TFPO或は酸無水物の開環により生
成する反応種と反応して、該反応点に安定な結合形成を
起こし、自らが、更なる重合反応を終止又は阻害する如
き化合物は、通常好ましくない。以下に、本発明の製造
方法における、重合開始剤として好適な有機亜鉛化合
物、ならびにアミン類を説明する。
【0024】本発明の製造方法に用いられる、有機亜鉛
化合物とは、一分子中に、Zn(II)に対して、Zn(II)
-C結合又はZn(II)-O-C結合が少なくとも1つ存在
する化合物を意味する。更には、そのような分子が、相
互に会合した錯化合物、或はそのような分子に、他種の
分子が分子結合した錯化合物をも含む。即ち、このよう
な有機亜鉛化合物としては、ジアルキル亜鉛型化合物、
モノアルキルアルコキシ亜鉛型化合物、ジアルコキシ亜
鉛型化合物、更には、これら化合物の数分子が会合して
なるポリマ−状の多量体、又は、異なる種類に分類され
る二種の化合物が分子結合して錯形成したもの、或は、
エ−テル分子がこれら化合物に配位した錯化合物などを
挙げることができる。より具体的に、ジアルキル亜鉛型
化合物として、(C2H5)2Zn など、モノアルキルアルコキ
シ亜鉛型化合物として、[C2H5ZnOCH34 など、ジアル
コキシ亜鉛型化合物として、[Zn(OCH3)2]n など、こ
れらが錯形成したものとして、[Zn(OCH3)2(C2H5ZnOC
H3)6] など、エ−テル分子との錯化合物として、ジオ
キサン、ジエチルエ−テルなどがZn(II)に配位するも
のなどを例示することができる。加えて、これらの有機
亜鉛化合物と水分子との混合物、或はアミン分子との混
合物も、水分子又はアミン分子が配位子となり錯化合物
様の混合物となり、重合反応の開始剤として使用するこ
とができる。なお、その場合、アミン分子には、第三級
アミンを用いるのがよい。
【0025】なお、上記する有機亜鉛化合物のうち、会
合してなるポリマ−状の多量体、又は、異なる種類に分
類される二種の化合物が分子結合して錯形成したもので
は、重合反応の開始、即ち、開環反応を触媒する活性点
は、多量体を構成する有機亜鉛化合物分子の一部分のみ
である。そのため、開始剤の使用重量と、触媒としての
活性量とは、必ずしも比例しないことになる。使用重量
を増すと、触媒としての活性量が増すことは勿論のこと
である。
【0026】また、重合反応の開始剤として使用される
アミン類は、第三級アミンであり、具体的には、脂肪族
アミンである トリ-n-ブチルアミンなど、芳香族アミン
である N,N-ジメチルベンジルアミンなど、複素環を形
成するアミンである 1-メチルイミダゾ−ルなど、塩基
として作用するモノアミン化合物を例示することができ
る。
【0027】重合反応の開始剤となる、上述した有機亜
鉛化合物やアミン類の使用量は、原料となる一般式(II
I)で示される二塩基酸の酸無水物単量体に対して、触
媒量から当量の間で種々に選択することができる。即
ち、目的とするポリエステルの繰り返し単位数 n に応
じて、0.1 〜 100 モル% の範囲、通常は、0.5 〜 10
モル% の範囲より適宜選択するのが好ましい。有機亜
鉛化合物とアミン類は混合して使用してもよく、その際
には、個々のモル%の総和を上記する範囲に選択すると
よい。得られる共重合体の重合度は、反応温度と反応時
間に依存するが、開始剤の使用量にも依存する。即ち、
開始剤1モル当たりの酸無水物或いはTFPOのモル数
を減すると、具体的には、開始剤の使用量が増すと、得
られるポリエステルの繰り返し単位数 n の数平均値は
減少する傾向にある。従って、上記する範囲で開始剤の
使用量を適宜選択するとともに、反応温度と反応時間を
調整することにより、ポリエステルの繰り返し単位数 n
の数平均値を、所望とする値に制御することが可能と
なる。
【0028】本発明の重合反応は、溶媒として、非プロ
トン性溶媒を用いて行うとよい。即ち、原料とするTF
PO及び酸無水物との反応性を示さず、これら原料及び
重合開始剤の溶解性を有する有機溶媒を用いて行うとよ
い。より具体的には、芳香族炭化水素であるトルエン、
ベンゼン等、脂肪族エ−テルである 1,2-ジメトキシエ
タン(DME)、ジ−n−ブチルエ−テル等、環状エ−
テルである ジオキサン等、これらの有機溶媒中で行う
のより好ましい。
【0029】反応温度は、用いる重合開始剤の種類に応
じて、また、目的とするポリエステルの繰り返し数nに
も応じて適宜選択するものであるが、一般に、-20 〜 2
00℃ の範囲、特には、0 〜 150 ℃ の範囲に選ぶのが
好ましい。一般に、反応温度を上昇させると、重合反応
の反応速度は増し、それに伴い収率も増す。一方、温度
を高くするにつれ、不要な副次反応も増す傾向があり、
それに因り、得られるポリエステルの伸長が阻害を被
り、収率、繰り返し数nの増加が抑えられる傾向にあ
る。或いは、添加した重合開始剤総量のうち、実際に開
環反応を触媒するものの比率も増し、最終生成物の繰り
返し数nの増加が抑えられることも生じ得る。これらの
要因をも考慮に入れて、目的とするポリエステルの繰り
返し数nに応じて、反応温度を定めることができる。
【0030】反応系への水分の混入により、重合反応は
停止するため、不要な水分混入を防ぐ目的から、反応
は、予め乾燥した窒素等の不活性ガス中で行うのが好ま
しい。同じ目的より、原料化合物、溶媒に付いても、予
め残留する水分を除く処理を施して使用するとよい。反
応の開始は、原料とするTFPO及び酸無水物を溶媒に
溶解し、重合開始剤を添加混合するとともに、所定の反
応温度に上昇させて反応を始める。
【0031】反応は温度を低下させ、その進行を抑制し
た後、反応液に水又は酸水溶液を添加して停止させる。
この反応溶媒−水混合液より、ジエチルエ−テル等の有
機溶媒を用いた抽出で、有機溶媒に可溶部分と不溶部分
とに分別し、分取した該有機溶媒層から溶媒を留去、真
空乾燥して、生成物の重合物ポリエステルを回収するこ
とができる。
【0032】回収された本発明の含フッ素ポリエステル
共重合体の構造は、核磁気共鳴スペクトル;プロトンN
MR(1H−NMR)、13C−NMR、赤外吸収スペク
トル(IR)の測定結果と、原料としたTFPO及びジ
カルボン酸の酸無水物のこれら分光学的特性値を参照し
て、それを構成する構成単位の構造を同定することがで
きる。更には、構成単位の繰り返し数 n の平均値の違
いは、融点(Tm)、分布を持つ混合物であるため、実際
には、融解ピ−ク温度の測定によって区別することがで
きる。または、数平均の分子量に換え、例えば、GPC
法におけるピ−ク分子量(ポリスチレン換算値)を求
め、重合度の判別を行うこともできる。なお、融解ピ−
ク温度に換えて、ガラス転移温度(Tg)の測定によって
区別することもできる。
【0033】例えば、一般式(I)において、R= -C
2CH2- であり、GPC法のピ−ク分子量がポリスチ
レン換算値で 7.9 ×103 である含フッ素ポリエステ
ル共重合体は、一例として下記する物性を示す。
【0034】(1)1H−NMR 下記の各シグナルが認められる。 2.6〜2.8ppm(コハク酸由来のCH2) 4.3、4.5ppm(TFPO由来のCH2) 5.6ppm(TFPO由来のCH)
【0035】(2)13C−NMR 29ppm(コハク酸由来のCH2) 61ppm(TFPO由来のCH2) 69ppm(TFPO由来のCH) 118〜130ppm(TFPO由来のCF3) 172,176ppm(コハク酸由来のC=O) のシグナルが認められ、これにより、CF3基を有する
ポリエステル構造を有することが判る。
【0036】(3)IR 2950, 1740, 1100 cm-1 に吸収が認められ、これにより、アルキル水素結合(C
−H)、カルボニル結合(C=O)、C−F結合の存在
が確認できる。
【0037】(4)Tg −10 ℃ なお、同じ構成単位からなる場合、その繰り返し数 n
の平均値が増すと、即ち数平均の分子量が大きくなる
と、融点(Tm)、実際には、融解ピ−ク温度或いはガラ
ス転移温度(Tg)がそれに伴い高くなることは勿論のこ
とである。
【0038】以下、本発明の含フッ素ポリエステルとそ
の製造方法に関して、実施例を挙げてを具体的に説明す
る。
【0039】なお、下記の各実施例においては、得られ
た共重合体の構造決定、その物性の測定は以下の方法で
行った。 〔1〕1H−NMR及び13C−NMR(装置:日本電子
製 GSX−270型) 〔2〕赤外吸収スペクトル(装置:島津製作所製 IR
−435) 〔3〕融解ピ−ク温度 Tm の評価 DSC分析(装置:セイコ−電子製 DSC-200、昇温速
度: 10 ℃/min)により、融解ピ−ク温度を融点 Tm と
定義した。なお、ガラス転移温度 Tg の評価も、液状の
試料を冷却固化して、類似の方法により行った。 〔4〕GPC法におけるピ−ク分子量(装置:島津製作
所製 LC−9A)GPC法の測定条件 カラム: Shodex KF-806M ×2本 溶離液:THF、 液流量 0.1 ml/min ピ−ク分子量は、ポリスチレン換算値として求めた。
【0040】
【実施例1】TFPOは、トリフルオロプロピレン(3,
3,3-トリフルオロプロペン)を特公昭61−14798
号公報に記載の方法により、微生物で酸化して得られた
光学活性なTFPO、(S)-体;光学純度 75 % e.e.
のものを用いた。なお、このTFPOには、予め水素化
カルシウムを添加して、窒素気流下で蒸留して精製モノ
マ−とした後、反応に使用した。また、溶媒として用い
るトルエンも、金属ナトリウムを添加した後、窒素気流
下で蒸留して精製した。
【0041】一方、開始剤 [Zn(OMe)2]n の調製は、
窒素下 1M Et2Zn ヘキサン溶液 0.47ml と1M MeOH ジ
オキサン溶液 0.94 ml とを、シリンジでアンプル管に
仕込み、60 ℃で 30 分加熱撹拌して、配位子の交換を
行う方法を用いた。調製した開始剤 [Zn(OMe)2]n
は、減圧下溶媒を留去した後、先に精製したトルエン
4.0ml に溶解させた。
【0042】別のアンプル管に、無水コハク酸 1.17 g
(11.7 mmol)を入れ、窒素置換後、精製トルエンを添
加した。これを液体窒素で冷却し、精製済 TFPOモ
ノマ− 1.0 ml (11.7 mmol)と、先に調製した [Zn(O
Me)2]n トルエン溶液を添加し、封管した。アンプル管
を、80 ℃の恒温槽中に 48 時間保持し、重合反応させ
た後、アンプル管を冷却し反応を停止した。開封して、
反応液を水 100 ml 中に注ぎ、ジエチルエ−テル 100 m
l で抽出した。得られたジエチルエ−テル層を、水 100
ml で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去後、真空乾燥して、生成物 2.11 g を回収し
た。収率(TFPO及び酸無水物に仕込み量総和に対す
る、回収生成物の重量%)は、85 %であった。
【0043】なお、生成物の共重合体を構成単位の構成
を確認するため、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペ
クトルで分析したところ、下記する結果が得られた。 〔1〕 1H−NMR (CDCl3) 下記の各シグナルが認められる。 2.6〜2.8ppm(無水コハク酸由来のCH2) 4.3、4.5ppm(TFPO由来のCH2) 5.6ppm(TFPO由来のCH)13 C−NMR (CDCl3) 29ppm(無水コハク酸由来のCH2) 61ppm(TFPO由来のCH2) 69ppm(TFPO由来のCH) 118〜130ppm(TFPO由来のCF3基) 172,176ppm(無水コハク酸由来のC=O) のシグナルが認められ、CF3基を有するポリエステル
構造を有することがわかる。 〔2〕 IR 2950, 1740, 1100 cm-1 に吸収が認められ、これにより、アルキル水素結合(C
−H)、カルボニル結合(C=O)、C−F結合の存在
が確認できる。 〔3〕 ガラス転移温度 Tg −10 ℃ 〔4〕 GPC法におけるピ−ク分子量(ポリスチレン
換算値) 7.9×103
【0044】
【実施例2〜21】TFPOと無水コハク酸との重合反
応を、実施例1の方法に準じて、溶媒の種類、開始剤の
種類、反応温度を種々に換えて行った。なお、TFPO
と無水コハク酸の使用量は、実施例1と同じにした。溶
媒は、混入する水分を除去する処理を施し用い、実施例
1と等しい容量を用いた。開始剤は、該溶媒に溶解し、
使用量は、TFPOと無水コハク酸の合計モル数に対し
て、 2 モル%を用いた。
【0045】各実施例において用いた、溶媒の種類、開
始剤の種類、反応温度(及び反応時間)を表1にまとめ
て示す。反応後、実施例1に倣い、反応停止、反応液か
らジエチルエ−テル抽出、ジエチルエ−テル層からの生
成物の分離回収を行なった。回収された重合物ポリエス
テルの形状、そのGPC法におけるピ−ク分子量(ポリ
スチレン換算値)、並びに、収率(TFPO及び酸無水
物に仕込み量総和に対する、回収生成物の重量%)を表
1に、上記の実施例1の結果とともに、実施例2〜21
として併せて示す。なお、ここに得られた実施例2〜2
1の各重合物ポリエステルの構成単位に付いても、核磁
気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルで分析したとこ
ろ、下記するスペクトルが観測された。
【0046】〔1〕 1H−NMR (CDCl3) 2.6〜2.8ppm(無水コハク酸由来のCH2) 4.3、4.5ppm(TFPO由来のCH2) 5.6ppm(TFPO由来のCH)13 C−NMR (CDCl3) 29ppm(無水コハク酸由来のCH2) 61ppm(TFPO由来のCH2) 69ppm(TFPO由来のCH) 118〜130ppm(TFPO由来のCF3基) 172,176ppm(無水コハク酸由来のC=O) 〔2〕 IR 1750〜1700 cm-1 (C=O) 1450〜850 cm-1 (CF3基のCF;幅広) この結果から実施例1と同じく、コハク酸由来の -CH
2-CH2- とTFPO由来の -CH(CF3)-CH2- の存
在が確認され、実施例1と同じ構成単位からなるポリエ
ステルであることが確認された。
【0047】なお、表1中に示す、開始剤 Et2Zn-H2O
(1:0.8) は、 Et2Zn 1 モルに対して、水分子 0.8 モ
ルを混じて、錯体に調製したものであり、 [Zn(OM
e)2]n -1-メチルイミタ゛ソ゛-ル (1:1) は、上記の実施例1で調
製した [Zn(OMe)2]n と 1-メチルイミタ゛ソ゛-ル とを、 Zn(OM
e)2 1 モルに対して、 1-メチルイミタ゛ソ゛-ル 1 モルの比率
で混合する溶液とするものである。また、 Et2Zn-H2O-1
-メチルイミタ゛ソ゛-ル (1:1) (1:0.8:1) は、開始剤 Et2Zn-H2O
(1:0.8) の 1 モルに対して、 1-メチルイミタ゛ソ゛-ル 1 モル
の比率で混合する溶液とするものである。
【0048】
【表1】
【0049】この表1にまとめる結果より、アミン類を
重合開始剤に用いる反応系においては、反応温度を高め
ると、重合開始剤による開環の反応が促進され、結果と
して収率が増すことが分かる。しかしながら、重合度は
低下することが分かる。従って、重合開始剤の使用量を
適宜選択するともに、反応温度を調製することにより、
得られるポリエステルの重合度を広い範囲で制御するこ
とが可能であることが分かる。
【0050】
【実施例22】無水コハク酸に換えて、無水フタル酸
1.73 g (11.7 mmol)を用い、開始剤として N,N-ジメ
チルベンジルアミン 0.07 ml (0.47 mmol)を用いて、
その他は実施例1と同じ条件、操作を行い、無水フタル
酸とTFPOとの重合反応を行なった。次いで、反応
後、実施例1に倣い、反応停止、反応液からジエチルエ
−テル抽出、ジエチルエ−テル層からの生成物の分離回
収を行なった。重合物ポリエステル 2.46 g を得、収率
(TFPO及び酸無水物に仕込み量総和に対する、回収
生成物の重量%)は、81 %であった。
【0051】なお、ここに得られた重合物ポリエステル
の構成単位には、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペ
クトルで分析したところ、フタル酸由来のフェニレン基
とTFPO由来の -CH(CF3)-CH2- の存在が確認
され、ジカルボン酸としてフタル酸をその構成単位に含
むポリエステルであることが確認された。また、GPC
法におけるピ−ク分子量(ポリスチレン換算値)は、3.
7 ×103であった。
【0052】
【実施例23】N,N-ジメチルベンジルアミンに換えて、
トリ−n−ブチルアミン 0.11 ml (0.47 mmol)を開始
剤として用い、他の条件は実施例22と同じにして、無
水フタル酸とTFPOとの重合反応を行なった。次い
で、実施例22と同じ操作で、ジエチルエ−テル層から
の生成物の分離回収を行なった。重合物ポリエステル
2.25 g を得、収率(TFPO及び酸無水物に仕込み量
総和に対する、回収生成物の重量%)は、74 %であっ
た。
【0053】なお、ここに得られた重合物ポリエステル
の構成単位には、核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペ
クトルで分析したところ、フタル酸由来の フェニレン
基 とTFPO由来の -CH(CF3)-CH2- の存在が確
認され、実施例22のポリエステルと同じ構成単位から
なるポリエステルであることが確認された。また、GP
C法におけるピ−ク分子量(ポリスチレン換算値)は、
2.8 ×103であった。表2に、実施例22及び23の
反応条件、及び得られた重合物ポリエステルの形状、収
率、GPC法におけるピ−ク分子量を対比させて示す。
なお、実施例22及び23のポリエステルは、下記する
核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクトルを与える。
【0054】〔1〕 1H−NMR ( (CD3)2C=O ) 7.6〜8.1ppm(無水フタル酸由来のフェニレン
基) 4.4〜5.0ppm(TFPO由来のCH2) 6.0ppm(TFPO由来のCH)13 C−NMR ( (CD3)2C=O ) 62ppm(TFPO由来のCH2) 70ppm(TFPO由来のCH) 118〜130ppm(TFPO由来のCF3基) 126〜137ppm(無水フタル酸由来のフェニレン
基) 166〜167ppm(無水フタル酸由来のC=O) 〔2〕 IR 1750〜1700 cm-1 (C=O) 1450〜1050 cm-1 (CF3基のCF;幅広)
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明の含フッ素ポリエステルは、その
分子内にフッ素置換をトリフルオロメチル基として有す
るので、フッ素含有率が高くなく、特殊繊維、医用材料
用の中間体として有用である。加えて、本発明の製造方
法により、トリフルオロプロピレンオキシドとジカルボ
ン酸の環状酸無水物とを原料として、共重合反応で簡便
且つ効率よく製造することができ、上記の各種用途の製
品を得る方法として利用価値が大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記する一般式(I): 【化1】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
    芳香族炭化水素基、又は、これら炭化水素基を構成する
    炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基を示
    し、更に置換基を有してもよい。nは、繰り返し数を示
    し、n= 2 〜 1000である。)で示される含フッ素ポリ
    エステル。
  2. 【請求項2】 下記する一般式(I): 【化2】 (式中、Rは、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、
    芳香族炭化水素基、又は、これら炭化水素基を構成する
    炭素原子をヘテロ原子に置き換えてなる二価の基を示
    し、更に置換基を有してもよい。nは、繰り返し数を示
    し、n= 2 〜 1000である。)で示される含フッ素ポリ
    エステルを製造するに際し、下記の式(II): 【化3】 で示されるトリフルオロプロピレンオキシドと、下記す
    る一般式(III): 【化4】 (式中、Rは、一般式(I)のRと同じ基を示す。)で
    示される酸無水物とを、有機亜鉛化合物又はアミン類の
    存在下で共重合させることを特徴とする含フッ素ポリエ
    ステルの製造方法。
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