JPH09110730A - 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法 - Google Patents

有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法

Info

Publication number
JPH09110730A
JPH09110730A JP22899795A JP22899795A JPH09110730A JP H09110730 A JPH09110730 A JP H09110730A JP 22899795 A JP22899795 A JP 22899795A JP 22899795 A JP22899795 A JP 22899795A JP H09110730 A JPH09110730 A JP H09110730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecular weight
organic low
low molecular
weight compound
electromagnetic induction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22899795A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kurihara
建二 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP22899795A priority Critical patent/JPH09110730A/ja
Publication of JPH09110730A publication Critical patent/JPH09110730A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 高周波電磁誘導加熱装置内に、反応性官
能基を有する分子量1000以下の有機低分子量化合物
(A)、例えばサリチル酸と、その修飾剤(B)、例え
ばシリル化剤とが封入され、かつ高周波電磁誘導加熱に
より該化合物(A)の分解温度未満の温度まで発熱する
電磁誘導発熱性金属体、例えば220℃のキューリー温
度を有する強磁性金属体で覆われた試料セルを配し、高
周波電磁誘導加熱して反応させる有機低分子量化合物誘
導体の合成方法、および合成された有機低分子量化合物
誘導体をGC、GC−MS等、各種の分析の試料として
用いる有機低分子量化合物の分析方法。 【効果】 有機低分子量化合物(A)と修飾剤(B)と
が極めて短時間で反応する。しかも、容易に再現性良く
加熱でき、得られた有機低分子量化合物誘導体は各種の
分析に使用でき、容易に精度の高い分析ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性官能基を有
する有機低分子量化合物中の反応性官能基を修飾剤と反
応させて修飾する有機低分子量化合物誘導体の合成方
法、およびこの方法で得られた有機低分子量化合物誘導
体を分析試料として用いる有機低分子量化合物の分析方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分子量1000以下程度の有機低
分子量化合物の中で水酸基、アミノ基、カルボキシル基
等の反応性官能基を有するもの、例えばペンタエリスリ
トール、D−グルタミン酸、キヌレニン等は、難揮発性
であったり、また熱による分解が生じやすいなどの欠点
があるため、ガスクロマトグラフィー(GC)やガスク
ロマトグラフィー−マススペクトロメーター(GC−M
S)等の分析に際しては、該有機低分子量化合物とシリ
ル化剤、アルキル化剤等の修飾剤とを、加熱源としてオ
イルバス、アルミブロックーヒーター、ウォーターバス
等を使用し、通常50〜300℃の温度に加熱して反応
させ、該有機低分子量化合物中の反応性官能基を修飾し
て揮発性、熱安定性の高い有機低分子量化合物誘導体と
してから分析に供している。
【0003】また、特開平6−89694号公報には、
高級脂肪酸などのように沸点が高く、その一方で分解温
度が低い試料とメチル化剤とを、キューリー温度500
℃又は358℃の強磁性金属体で挟んだり、包んだりす
る等の方法で強磁性金属体に接触させておき、この強磁
性金属体をキューリー温度まで高周波誘導加熱して試料
のメチル化とガス化を同時に急速に進行させ、ガス化し
た試料をイオン化してマススペクトロメーターに導入し
て分析する気化分析方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、反応性官能基
を有する有機低分子量化合物中の反応性官能基を修飾剤
と反応させるための加熱源としてオイルバス、アルミブ
ロックーヒーター、ウォーターバス等を使用する方法で
は、温度を上げるのにかなりの時間を費やす、合成
終了後の後片付けでは室温まで加熱源を冷やすのに時間
がかかる、オイルバスを使用する際には試料を汚染す
る可能性がある等の欠点があり、反応性官能基を修飾し
て揮発性、熱安定性の高い有機低分子量化合物誘導体を
合成するのに数十分〜数十時間を要するものが多く、そ
の結果として分析に時間がかかるという課題があった。
【0005】例えば、J.Chromatogy.,
vol 57,p219−238(1971)では、D
−グルタミン酸をシリル化するのに、シリル化剤として
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセト
アミド(BSTFA)を、溶剤としてアセトニトリルを
用いて、オイルバス中、150℃で2.5時間を費やし
ており、また、河合聰著,ガスクロマトグラフィ入門
−薬学・医学・農薬への応用−,三共出版株式会社,1
991年では、2,6−ジタシャリーブチル−フェノー
ルをシリル化するのに、シリル化剤としてN,O−ビス
(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)を、溶剤
としてアセトニトリルを用いて、90℃で15時間を費
やしている。
【0006】また、特開平6−89694号公報で開示
された気化分析方法では、高周波誘導加熱装置を直結さ
せたマススペクトロメーターを用い、試料を500℃又
は358℃という高温に高周波誘導加熱してメチル化さ
せると同時にガス化させて分析するため、分析には専
用の装置が必要で、高周波誘導加熱装置が直結されてい
ない既存のマススペクトロメーターでは分析できない、
メチル化させた試料を回収することが困難で、同一の
メチル化された試料を他の分析、例えば元素分析、赤外
分光分析、ガスクロマトグラフィー等に転用できず、2
種以上の分析を組み合わせた総合的な試料分析ができな
い、という課題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決する方法について鋭意検討した結果、反応性官能基
を有する有機低分子量化合物と該反応性官能基の修飾剤
とを試料セルに封入し、これを高周波電磁誘導加熱によ
り該有機低分子量化合物(A)の分解温度未満の温度ま
で発熱する電磁誘導発熱性金属体、例えば有機低分子量
化合物(A)の分解温度未満のキューリー温度を有する
強磁性金属体で覆い、この電磁誘導発熱性金属体を高周
波電磁誘導加熱すると、短時間で容易に加熱されて該有
機低分子量化合物中の反応性官能基と修飾剤とが反応
し、該反応性官能基の修飾された有機低分子量化合物誘
導体が極めて短時間で合成できること、しかも加熱方法
が電磁誘導発熱性金属体を用いた高周波電磁誘導加熱で
あるため容易に再現性良く加熱できること、得られた有
機低分子量化合物誘導体はマススペクトロメーターによ
る分析のみならず、元素分析、赤外分光分析、ガスクロ
マトグラフィー等各種の分析にも好ましく使用でき、容
易に精度の高い分析ができること、更に反応性官能基を
有する有機低分子量化合物と該反応性官能基の修飾剤と
共に有機溶剤を試料セルに封入すると、試料全体が均一
に反応し、容易に有機低分子量化合物誘導体を合成でき
ること、電磁誘導発熱性金属体として50〜300℃と
いう比較的低いキューリー温度を有する金属体を用いる
と、高周波電磁誘導加熱時の試料の分解と試料セルの破
損を防止できること、を見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、高周波電磁誘導加熱装置
内に、反応性官能基を有する分子量1000以下の有機
低分子量化合物(A)と該反応性官能基の修飾剤(B)
とが封入され、かつ高周波電磁誘導加熱により該有機低
分子量化合物(A)の分解温度未満の温度まで発熱する
電磁誘導発熱性金属体で覆われた試料セルを配し、該電
磁誘導発熱性金属体を高周波電磁誘導加熱して該有機低
分子量化合物(A)中の反応性官能基を修飾剤(B)と
反応させて修飾することを特徴とする有機低分子量化合
物誘導体の合成方法、この合成方法で得られた有機低分
子量化合物誘導体を、分析試料として用いることを特徴
とする有機低分子量化合物の分析方法、この合成方法で
得られた有機低分子量化合物誘導体を、ガスクロマトグ
ラフィー(GC)に注入し、クロマトグラムを得ること
を特徴とする有機低分子量化合物の分析方法、およびこ
の合成方法で得られた有機低分子量化合物誘導体を、ガ
スクロマトグラフィー−マススペクトロメーター(GC
−MS)に注入し、マススペクトログラムを得ることを
特徴とする有機低分子量化合物の分析方法を提供するも
のである。
【0009】本発明で用いる有機低分子量化合物(A)
としては、水酸基、アミノ基、アミド基、イミノ基、カ
ルボキシル基、チオール基等の反応性官能基を有する分
子量1000以下の化合物であればよく、例えばそれぞ
れ分子量1000以下の、アルコール類、フェノール
類、カルボン酸類、チオール類、アミン類、アミノ酸類
等が挙げられる。なかでも、修飾剤(B)と反応して、
揮発性、熱安定性が高く、溶剤に溶解可能な有機低分子
量化合物誘導体となるものが、GC、GC−MS等の分
析が容易であり、好ましい。
【0010】上記有機低分子量化合物(A)の具体例と
しては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトー
ル、トリクロロフェノール、2,6−ジタシャリーブチ
ル−4−メチル−フェノール、ナフトール、コルトー
ル、ジヒドロコデイン、エフェドリン、馬尿酸メチルエ
ステル、エクジステロン(ecdysterone )、ジヒドロサ
リンゴステロール(dihydrosaringosterol)等の水酸基
を有する有機低分子量化合物、テレフタル酸等のカルボ
キシル基を有する有機低分子量化合物、サリチル酸、p
−ヒドロキシ安息香酸、バニリン酸、マンデル酸、ヒド
ロキシフェニル酢酸等の水酸基とカルボキシル基とを有
する有機低分子量化合物、チオサリチル酸等のチオール
基とカルボキシル基とを有する有機低分子量化合物、ス
ルファニルアミド、アセトアニリド、フタルイミド、サ
ッカリン等のアミノ基、アミド基又はイミノ基を有する
有機低分子量化合物、グルタミン酸、キヌレニン、グリ
シン、メチオニン、トリプトファン、フェニルアラニン
等のアミノ基とカルボキシル基とを有する有機低分子量
化合物などが挙げられる。
【0011】これら有機低分子量化合物(A)のなかで
も、ペンタエリスリトールのように複数の水酸基を有す
るもの、グルタミン酸のようにアミノ基と複数のカルボ
キシル基とを有するもの、キヌレニンのようにカルボキ
シル基と複数のアミノ基とを有するものなどは、熱に弱
く難揮発性であり、その中でも特にグルタミン酸は難揮
発性で易熱分解性であるため、本発明の分析方法による
分析が特に効果的である。即ち、これらの化合物は難揮
発性、易熱分解性が高いため、直接GCやGC−MSに
注入しても正常なクロマトグラムやマススペクトルグラ
ムを得ることは難しく、その構造解析は困難であり、こ
れに対して本発明の分析方法によれば、容易に短時間で
熱安定性、揮発性の高い有機低分子量化合物誘導体とす
ることができ、その後、直接GCやGC−MSに注入す
ることにより正常なクロマトグラムやマススペクトログ
ラムが得られ、化合物の解析が容易に行える。
【0012】本発明で用いる修飾剤(B)としては、数
分以内で上記有機低分子量化合物(A)中の反応性官能
基と反応して該反応性官能基を修飾して有機低分子量化
合物誘導体を合成できるものであればよく、例えばシリ
ル化剤、アルキル化剤、アシル化剤等が挙げられ、通常
シリル化剤やアルキル化剤を用いるが、水酸基、アミノ
基、カルボキシル基、チオール基等の修飾が容易な点で
シリル化剤が好ましい。
【0013】上記シリル化剤としては、例えばN,O−
ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)、
N,O−ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセト
アミド(BSTFA)、N−トリメチルシリルアセトア
ミド(TMSA)、N−メチル−N−トリメチルシリル
アセトアミド(MTMSA)、N−メチル−N−トリメ
チルシリルトリフルオロアセトアミド(MSTFA)、
N−メチル−N−(ターシャリーブチルジメチルシリ
ル)−トリフルオロアセトアミド(MTBSTFA)、
N−トリメチルシリルイミダゾール(TMSI)、N−
(トリメチルシリル)ジメチルアミン(TMS−DM
A)、N−(トリメチルシリル)ジエチルアミン(TM
S−DEA)、テトラメチルジシラザン(TMDS)、
ジメチルジクロロシラン(DMCS)、トリメチルクロ
ロシラン(TMCS)、ターシャリーブチルジメチルク
ロロシラン(tert−BDMCS)、ヘキサメチレン
ジシラザン(HMDS)とトリメチルクロロシランの混
合ピリジン溶液(HT)等が挙げられる。
【0014】また、アルキル化剤としては、例えばN,
N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF
−DMA)、N,N−ジメチルホルムアミドジエチルア
セタール(DMF−DEA)、N,N−ジメチルホルム
アミドジ−n−プロピルアセタール(DMF−DNP
A)、N,N−ジメチルホルムアミドジ−n−ブチルア
セタール(DMF−DNBA)、水酸化テトラメチルア
ンモニウム(TMAH)、水酸化トリメチルアニリン
(TMAnH)、ヘキサフルオロイソプロパノール(H
FIP)、塩酸−メタノール混合液、塩酸−n−ブタノ
ール混合液、三弗化硼素−メタノール混合液、三弗化硼
素−n−プロパノール混合液、三弗化硼素−iso−プ
ロパノール混合液、三弗化硼素−n−ブタノール混合液
等が挙げられる。
【0015】更に、アシル化剤としては、例えばN−メ
チルビストリフルオロアセトアミド(MBTFA)、ビ
ストリフルオロアセトアミド(BTFA)、ヘプタフル
オロブチリルイミダゾール(HFBI)、ヘプタフルオ
ロ無水プロピオン酸(PFPA)、ヘプタフルオロ無水
酪酸(PFBA)、無水トリフルオロ酢酸(TFA
A)、無水酢酸」のピリジン溶液(AA−Py)等が挙
げられる。
【0016】本発明で用いる有機低分子量化合物(A)
と修飾剤(B)の組み合わせとしては、副生成物が生成
されず、1〜15分程度の短時間で有機低分子量化合物
誘導体が得られる組み合わせを適宜選択して用いること
が好ましい。例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル
基、チオール基等を有する有機低分子量化合物には、通
常シリル化剤やアルキル化剤などを組み合わせるが、な
かでも短時間で容易に上記有機低分子量化合物を修飾で
きる点でシリル化剤と組み合わせることが好ましい。
【0017】本発明で用いる電磁誘導発熱性金属体とし
ては、高周波の照射を受けて有機低分子量化合物(A)
の分解温度未満の温度まで高周波電磁誘導発熱し、しか
も試料セルを覆うことのできる金属体であればよいが、
通常は昇温が早く、短時間で安定的に反応を終了させる
ことができる点で、有機低分子量化合物(A)の分解温
度未満で、かつ有機低分子量化合物(A)中の反応性官
能基と修飾剤(B)とが反応可能なキューリー温度を有
する強磁性金属体からなる厚さ0.01〜0.5mm程
度の金属箔(ホイル)や金属板を適宜選択して用いる。
【0018】上記強磁性金属体としては、強磁性金属を
含有してなり、高周波電磁誘導加熱によりキューリー温
度(磁性転移点)まで急速に発熱し、その後は高周波電
磁誘導加熱を続けることによりキューリー温度を保持す
る金属体が挙げられ、例えばニッケル、鉄、コバルト等
の強磁性金属の1種もしくは2種以上からなる金属体、
又はこれらと銅、クロム、亜鉛、マンガン、アルミニウ
ム等のその他の金属との合金からなる金属体があり、そ
の具体例としては日本分析工業株式会社製のパイロホイ
ル(キューリー温度160〜1040℃)等が挙げられ
る。これら強磁性金属体のキューリー温度は、金属の種
類や配合組成により大きく異なり、例えばニッケルと銅
の合金のキューリー温度は150〜200℃程度である
が、ニッケルのキューリー温度は358℃、ニッケルと
鉄の合金のキューリー温度は500〜650℃程度、鉄
のキューリー温度は770℃と高温である。本発明で
は、高周波電磁誘導加熱時の高温加熱による試料の分解
と試料の蒸気圧上昇による試料セルの破損を防止するた
め、これら強磁性金属体の中からキューリー温度が50
〜300℃、なかでもキューリー温度が100〜300
℃の強磁性金属体、例えば日本分析工業株式会社製のパ
イロホイルF160、F170、F220、F235、
F255等を適宜選択して用いることが好ましい。
【0019】本発明で用いる試料セルとしては、有機低
分子量化合物(A)と修飾剤(B)とを封入することが
可能で、これらの反応において安定なものが挙げられ、
通常はガラス製のものを用いる。その形状、大きさは高
周波電磁誘導加熱装置の大きさや能力、有機低分子量化
合物(A)と修飾剤(B)の使用量等により異なり、限
定されないが、GCやGC−MS等の分析に用いる場
合、通常外径1.5〜5mm、長さ20〜150mm程
度のガラス管を封管したものが好ましい。その容量は、
通常30〜1500μl、好ましくは50〜400μl
である。
【0020】以下に本発明の有機低分子量化合物誘導体
の合成方法の一例を示す図面を用いて本発明の方法を説
明する。図1は、本発明の有機低分子量化合物誘導体の
合成方法の一例を示す概念図であり、(1)は試料セ
ル、(2)は電磁誘導発熱性金属体からなる箔、(3)
は保護セル、(4)は高周波電磁誘導加熱装置(装置の
全体は図示せず)内にある高周波加熱コイル、(5)は
反応性官能基を有する分子量1000以下の有機低分子
量化合物(A)と該反応性官能基の修飾剤(B)とを含
む試料である。
【0021】まず、一方が開口した試料セル(1)に反
応性官能基を有する分子量1000以下の有機低分子量
化合物(A)と該反応性官能基の修飾剤(B)とを含む
試料(5)を採取し、バーナー等により試料セル(1)
を封管するが、有機低分子量化合物(A)と修飾剤
(B)とを含む試料(5)と共に有機溶剤を採取し、封
管すると、試料全体が均一に反応し、容易に有機低分子
量化合物誘導体を合成できる点で好ましい。ここで用い
る修飾剤(B)としては、有機溶剤に溶解させて液状と
したもの、例えばGC、GC−MS等用に調製されたも
のでもよい。
【0022】有機低分子量化合物(A)と修飾剤(B)
の採取量は、特に限定されないが、通常有機溶剤も含む
試料の全容量が試料セル容量の3〜70%、好ましくは
5〜40%となる量であり、またこれらの使用比率は、
有機低分子量化合物(A)中の反応性官能基1モルに対
する修飾剤(B)のモル数が10モル以上の大過剰とな
る比率、好ましくは10〜300モルとなる比率であ
る。更に、有機低分子量化合物(A)の使用量は、例え
ば有機溶剤も含む試料の全容量が10〜50μlの場
合、通常5〜1000μg、好ましくは5〜100μg
である。
【0023】尚、ここで用いる有機溶剤としては、修飾
剤(B)と反応しないものであればよいが、合成された
有機低分子量化合物(A)の誘導体を溶解可能なもの、
例えばアセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、クロロホルム、
ピリジン、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル等が挙げ
られ、なかでも有機低分子量化合物(A)の誘導体と修
飾剤(B)とを溶解可能なものが好ましく、特に有機低
分子量化合物(A)と修飾剤(B)と有機低分子量化合
物(A)とを溶解可能なものが好ましい。
【0024】試料セル(1)の封管後、封管された試料
セル(1)を電磁誘導発熱性金属体からなる箔(2)で
覆うが、試料セル(1)は必ずしも全体を電磁誘導発熱
性金属体からなる箔(2)で覆う必要はない。箔(2)
は、試料(5)が加熱されて反応するように適宜覆えば
よく、箔(2)の面積や厚さを変えることにより試料
(5)の反応条件、例えば加熱速度や加熱温度等を適宜
変更させることもできる。尚、電磁誘導発熱性金属体か
らなる箔(2)で覆った試料セル(1)を、そのまま用
いてもよいが、ガラス等からなる保護セル(3)に入れ
て、保護し、高周波電磁誘導加熱することが好ましい。
【0025】次いで、電磁誘導発熱性金属体からなる箔
(2)で覆った試料セル(1)をそのまま、あるいは図
1のように該試料セル(1)を保護セル(3)に入れ
て、高周波加熱コイル(4)内に配した後、通電して高
周波を照射して電磁誘導発熱性金属体からなる箔(2)
を発熱させ、そのまま通電を続けて有機低分子量化合物
(A)中の反応性官能基と修飾剤(B)とを加熱して反
応させ、有機低分子量化合物(A)の誘導体を合成す
る。高周波の照射による高周波電磁誘導加熱時間は、有
機低分子量化合物(A)中の反応性官能基と修飾剤
(B)との反応が終了するのに十分な時間であればよ
く、特に限定されないが、通常は1〜15分間である。
この反応により合成された有機低分子量化合物(A)の
誘導体は、通常、合成と同時に大過剰の修飾剤(B)や
有機溶剤に溶解されるため、試料セル(1)中には溶液
状の試料が得られる。ここで用いる高周波電磁誘導加熱
装置としては、高周波の照射により電磁誘導発熱性金属
体を高周波電磁誘導加熱できるものであればよく、特に
限定されない。
【0026】反応が終了した後、試料セル(1)を取り
出し、一方を開封した後、あらかじめセットしたGCや
GC−MS等の分析機器に合成された有機低分子量化合
物(A)の誘導体を含む溶液を注入し、分析する。尚、
合成された有機低分子量化合物(A)の誘導体が試料セ
ル中の修飾剤(B)や有機溶剤に溶解しにくく、ゲル状
等で得られた場合は、反応終了後、試料セルを開封し、
有機溶剤を加えて溶解させてから分析すればよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、例えばガラス等からな
る一方が開口した試料セル(1)に、ペンタエリスリト
ール、グルタミン酸、キヌレン等の反応性官能基を有す
る分子量1000以下の有機低分子量化合物(A)と、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BS
A)、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセター
ル等の修飾剤(B)と、好ましくは更にジメチルホルム
アミド等の合成された有機低分子量化合物(A)の誘導
体を溶解可能な有機溶剤を採取し、試料セル(1)を封
管した後、封管された試料セル(1)を電磁誘導発熱性
金属体、例えば50〜300℃のキューリー温度を有す
る強磁性金属体からなる箔(2)で覆い、更に必要応じ
てガラス等からなる保護セル(3)に入れて、高周波電
磁誘導加熱装置の高周波加熱コイル内に配した後、1〜
15分間通電して箔(2)を発熱させ、有機低分子量化
合物(A)中の反応性官能基と修飾剤(B)とを加熱し
て反応させ、有機低分子量化合物(A)の誘導体を合成
した後、試料セル(1)を取り出し、一方を開封した
後、あらかじめセットしたGCやGC−MS等の分析機
器に合成された有機低分子量化合物(A)の誘導体を含
む溶液を注入し、分析することにより実施できる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれにより限定されるものではな
い。
【0029】実施例1 有機低分子量化合物(A)としてサリチル酸を、また液
状の修飾剤(B)としてN,O−ビス(トリメチルシリ
ル)アセトアミド(BSA)を用い、サリチル酸0.1
5mgをアセトニトリル5mgに溶解させた溶液と、
N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BS
A)7mgとを、外径3mm、内径2mm、長さ50m
mのガラス管の一方を封管した試料セルに入れ、開口部
をバーナーで加熱して封管した。この試料セルをキュー
リー温度220℃の強磁性金属体からなる金属箔(日本
分析工業株式会社製のパイロホイルF220、厚さ0.
19mm、縦23mm、横9mm)で覆い、次いで外径
8mm、内径6mm、長さ120mmの試験管状のガラ
スからなる保護セルに入れた後、高周波電磁誘導加熱装
置内に配して、高周波電磁誘導加熱装置に2分間通電し
て上記金属箔を220℃に高周波電磁誘導加熱し、反応
させてサリチル酸のトリメチルシリル化誘導体を含む溶
液を得た。
【0030】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、下記GC−MS測定条件(a)にセットし
たGC−MSにサリチル酸のトリメチルシリル化誘導体
を含む溶液を注入し、分析を行った。
【0031】GC−MS測定条件(a) (GC測定条件) カラム :長さ1m×内径3mm 粒径60〜80メッシュの担体(Uniport HP) 中に液相(Silicone OV−17)を2重量%含 浸させたもの キャリアーガス:ヘリウムガス(流量 30ml/min) カラム温度 :80℃に1分間保持後、10℃/minの速度で230℃ に昇温 注入口温度 :250℃ (MS測定条件) イオン源温度 :300℃ 電子衝撃(EI) :電圧 70eV、電流 60μA 化学イオン化(CI):電圧250eV、電流250μA
【0032】図2がトータルイオンクロマトグラム(T
IC)で、図3が電子衝撃(EI)によるマススペクト
ルである。図2のトータルイオンクロマトグラム(TI
C)に1本のピークが認められ、図3の電子衝撃(E
I)によるマススペクトルに、サリチル酸がトリメチル
シリル化された時の分子量(MW282)に相当する分
子イオン(M+) は存在しなかったが、トリメチルシリ
ル化物に特徴的な(M−15)+ 、すなわちm/z 26
7が存在していたことより、下記構造式(1)で示され
るサリチル酸中の水酸基とカルボキシル基にそれぞれト
リメチルシリル基が導入され、下記構造式(2)で示さ
れるサリチル酸のトリメチルシリル化誘導体が合成され
ていたことがわかった。
【0033】
【化1】
【0034】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0035】実施例2 強磁性金属体からなる金属箔(パイロホイルF220)
の大きさを縦12mm、横9mmに変更した以外は実施
例1と同様にしてトリクロロフェノールのトリメチルシ
リル化誘導体を含む溶液を得た。
【0036】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、実施例1と同じく上記構造式
(1)で示されるサリチル酸中の水酸基とカルボキシル
基にそれぞれトリメチルシリル基が導入され、上記構造
式(2)で示されるサリチル酸のトリメチルシリル化誘
導体が合成されていたことがわかった。
【0037】実施例3 強磁性金属体からなる金属箔(パイロホイルF220)
の大きさを縦6mm、横9mmに変更し、更に高周波電
磁誘導加熱装置の通電時間を4分間に変更した以外は実
施例1と同様にしてトリクロロフェノールのトリメチル
シリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0038】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、実施例1と同じく上記構造式
(1)で示されるサリチル酸中の水酸基とカルボキシル
基にそれぞれトリメチルシリル基が導入され、上記構造
式(2)で示されるサリチル酸のトリメチルシリル化誘
導体が合成されていたことがわかった。
【0039】実施例4 サリチル酸の代わりにトリクロロフェノールを用い、高
周波電磁誘導加熱装置の通電時間を90秒間に変更した
以外は実施例1と同様にしてトリクロロフェノールのト
リメチルシリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0040】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラム
(TIC)に2本のピークが認められたが、電子衝撃
(EI)によるマススペクトルにより、一方のピークを
示す化合物は、分子量が234で、塩素元素の同位体ピ
ーク比より算出した塩素数が2個であったことから、合
成にともなう副生成物ではなく、不純物であることがわ
かった。しかし、他方のピークを示す化合物は、分子量
が268で、塩素の同位体ピーク比より算出した塩素数
が3個であったことから、トリクロロフェノール中の水
酸基にトリメチルシリル基が導入された化合物であるこ
とがわかった。
【0041】実施例5 サリチル酸の代わりにスルファニルアミドを用いた以外
は実施例1と同様にしてスルファニルアミドのトリメチ
ルシリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0042】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラム
(TIC)に1本のピークが認められ、電子衝撃(E
I)によるマススペクトルに、スルファニルアミドがト
リメチルシリル化された時の分子量に相当する分子イオ
ン(M+) はm/z 316があったこと、およびトリメ
チルシリル化物に特徴的な(M−15)+ イオンがm/
z 301に存在していたことから、スルファニルアミ
ド中のアミノ基のそれぞれにトリメチルシリル基が導入
された化合物が合成されていたことがわかった。
【0043】実施例6 サリチル酸の代わりにペンタエリスリトールを用い、高
周波電磁誘導加熱装置の通電時間を4分間に変更した以
外は実施例1と同様にしてペンタエリスリトールのトリ
メチルシリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0044】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラム
(TIC)に1本のピークが認められ、電子衝撃(E
I)によるマススペクトルに、ペンタエリスリトールが
トリメチルシリル化された時の分子量(MW424)に
相当する分子イオン(M+ )は存在していなかったが、
トリメチルシリル化物に特徴的な(M−15)+ イオ
ン、すなわちm/z 409が存在していたこと、および
化学イオン化(CI、イソブタン)によるマススペクト
ルに分子イオンにプロトンが付加した擬似分子イオン
(QM+ )がm/z 425に存在していたことから、こ
の化合物の分子量が424で、ペンタエリスリトール中
の水酸基のそれぞれにトリメチルシリル基が導入された
化合物が合成されていたことがわかった。
【0045】実施例7 D−グルタミン酸0.15mgと、液状のN,O−ビス
(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)7mg
と、アセトニトリル5mgとを、外径3mm、内径2m
m、長さ50mmのガラス管の一方を封管した試料セル
に入れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。この試
料セルをキューリー温度160℃の強磁性金属体からな
る金属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイルF1
60、厚さ0.19mm、縦23mm、横9mm)で覆
い、次いで外径8mm、内径6mm、長さ120mmの
試験管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高周波
電磁誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱装置
に10分間通電して上記金属箔を160℃に高周波電磁
誘導加熱し、反応させてD−グルタミン酸のトリメチル
シリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0046】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、前記GC−MS測定条件(a)にセットし
たGC−MSにD−グルタミン酸のトリメチルシリル化
誘導体を含む溶液を注入し、分析を行った。
【0047】図4がトータルイオンクロマトグラム(T
IC)で、図5が電子衝撃(EI)によるマススペクト
ルである。図4のトータルイオンクロマトグラム(TI
C)に1本のピークが認められ、図5の電子衝撃(E
I)によるマススペクトルにD−グルタミン酸がトリメ
チルシリル化された時の分子量に相当する分子イオン
(M+ )がm/z 363に存在していたことから、下記
構造式(3)で示されるD−グルタミン酸中のアミノ基
とカルボキシル基のそれぞれにトリメチルシリル基が導
入され、下記構造式(4)で示されるD−グルタミン酸
のトリメチルシリル化誘導体が合成されていたことがわ
かった。
【0048】
【化2】
【0049】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0050】実施例8 サリチル酸の代わりにチオサリチル酸を用いた以外は実
施例1と同様にしてチオサリチル酸のトリメチルシリル
化誘導体を含む溶液を得た。
【0051】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラム
(TIC)に1本のピークが認められ、電子衝撃(E
I)によるマススペクトルに、チオサリチル酸がトリメ
チルシリル化された時の分子量(MW 298)に相当
する分子イオン(M+ )は存在しなかったが、トリメチ
ルシリル化物に特徴的な(M−15)+ 、すなわちm/
z 283が存在していたことより、チオサリチル酸中
のチオール基とカルボキシル基のそれぞれにトリメチル
シリル基が導入された化合物が合成されていたことがわ
かった。
【0052】実施例9 サリチル酸の代わりにキヌレニンを用い、アセトニトリ
ルを使用しなかった以外は実施例1と同様にしてキヌレ
ニンのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液を得た。
【0053】次いで、実施例1と同様にGC−MSによ
る分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラム
(TIC)に1本のピークが認められ、電子衝撃(E
I)によるマススペクトルにキヌレニンがトリメチルシ
リル化された時の分子量に相当する分子イオン(M+
がm/z 424に存在していたことより、キヌレニン中
のアミノ基とカルボキシル基のそれぞれにトリメチルシ
リル基が導入された化合物が合成されていたことがわか
った。
【0054】実施例10 2,6−ジタシャリーブチル−4−メチル−フェノール
0.15mgを5mgのアセトニトリルに溶解させた溶
液と、液状のN−トリメチルシリルイミダゾール(TM
SI)7mgとを、外径3mm、内径2mm、長さ50
mmのガラス管の一方を封管した試料セルに入れ、開口
部をバーナーで加熱して封管した。この試料セルをキュ
ーリー温度235℃の強磁性金属体からなる金属箔(日
本分析工業株式会社製のパイロホイルF235、厚さ
0.19mm、縦23mm、横9mm)で覆い、次いで
外径8mm、内径6mm、長さ120mmの試験管状の
ガラスからなる保護セルに入れた後、高周波電磁誘導加
熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱装置に5分間通
電して上記金属箔を235℃に高周波電磁誘導加熱し、
反応させて2,6−ジタシャリーブチル−4−メチル−
フェノールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液を得
た。
【0055】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、前記GC−MS測定条件に(a)セットし
たGC−MSに2,6−ジタシャリーブチル−4−メチ
ル−フェノールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液
を注入し、分析を行った。
【0056】図6がトータルイオンクロマトグラム(T
IC)で、図7が電子衝撃(EI)によるマススペクト
ルである。図6のトータルイオンクロマトグラム(TI
C)に2本のピークが認められ、図7の成分(II)の電子
衝撃(EI)によるマススペクトルに、2,6−ジタシ
ャリーブチル−4−メチル−フェノールがトリメチルシ
リル化された時の分子量(MW292)に相当する分子
イオン(M+ )がm/z 292として存在していたこと
から、下記構造式(5)で示される2,6−ジタシャリ
ーブチル−4−メチル−フェノール中の水酸基にトリメ
チルシリル基が導入された下記構造式(6)で示される
2,6−ジタシャリーブチル−4−メチル−フェノール
のトリメチルシリル化誘導体が合成されて、これがトー
タルイオンクロマトグラム(TIC)の成分(II)のピー
クを示していたことがわかった。尚、成分(I)のピーク
を示していた化合物は未反応の2,6−ジタシャリーブ
チル−4−メチル−フェノールであり、未反応成分比は
トリメチルシリル誘導体100モルに対して14モルで
あった。
【0057】
【化3】
【0058】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0059】実施例11 サリチル酸0.15mgと、液状のN,N−ジメチルホ
ルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)7m
gと、アセトニトリル5mgとを、外径3mm、内径2
mm、長さ50mmのガラス管の一方を封管した試料セ
ルに入れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。この
試料セルをキューリー温度255℃の強磁性金属体から
なる金属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイルF
255、厚さ0.19mm、縦23mm、横9mm)で
覆い、次いで外径8mm、内径6mm、長さ120mm
の試験管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高周
波電磁誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱装
置に3分間通電して上記金属箔を255℃に高周波電磁
誘導加熱し、反応させてサリチル酸のメチル化誘導体を
含む溶液を得た。
【0060】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、前記GC−MS測定条件(a)にセットし
たGC−MSにサリチル酸のメチル化誘導体を含む溶液
を注入し、分析を行った。
【0061】図8がトータルイオンクロマトグラム(T
IC)で、図9が電子衝撃(EI)によるマススペクト
ルである。図8のトータルイオンクロマトグラム(TI
C)に1本のピークが認められ、図9の電子衝撃(E
I)によるマススペクトルにサリチル酸がメチル化され
た時の分子量に相当する分子イオン(M+) がm/z 1
66に存在していたことから、下記構造式(7)で示さ
れるサリチル酸の水酸基とカルボキシル基にそれぞれメ
チル基が導入された下記構造式(8)で示されるサリチ
ル酸のメチル化誘導体が合成されていることがわかっ
た。
【0062】
【化4】
【0063】実施例12 ジペンタエリスリトール0.15mgと、液状のN,O
−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(BSA)7
mgと、アセトニトリル5mgとを、外径3mm、内径
2mm、長さ50mmのガラス管の一方を封管した試料
セルに入れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。こ
の試料セルをキューリー温度255℃の強磁性金属体か
らなる金属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイル
F255、厚さ0.19mm、縦23mm、横9mm)
で覆い、次いで外径8mm、内径6mm、長さ120m
mの試験管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高
周波電磁誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱
装置に4分間通電して上記金属箔を255℃に高周波電
磁誘導加熱し、反応させてジペンタエリスリトールのト
リメチルシリル化誘導体を含む溶液を得た。通電終了
後、試料セルを取り出し、一方を開封した後、前記GC
−MS測定条件(a)にセットしたGC−MSにジペン
タエリスリトールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶
液を注入し、分析を行った。
【0064】図10がトータルイオンクロマトグラム
(TIC)で、図11の上段が電子衝撃(EI)による
マススペクトル、下段が化学イオン化(CI、イソブタ
ン)によるマススペクトルである。
【0065】図10のトータルイオンクロマトグラム
(TIC)に1本のピークが認められ、図11の電子衝
撃(EI)によるマススペクトルにジペンタエリスリト
ールのトリメチルシリル誘導体の分子量(MW686)
に相当する分子イオン(M+)が認められず、m/z 4
25、m/z 335などのフラグメントイオンのみがあ
ることから同定は難しいが、化学イオン化(CI、イソ
ブタン)によるCIマススペクトルから分子イオンにプ
ロトンが付加した擬似分子イオン(QM+) がm/z 6
87に存在していたことからこの化合物の分子量が68
6で、下記構造式(9)に示すジペンタエリスリトール
の水酸基のそれぞれにトリメチルシリル基が導入され、
下記構造式(10)で示されるジペンタエリスリトール
のトリメチルシリル化誘導体が合成されていたことがわ
かった。
【0066】
【化5】
【0067】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0068】実施例13 2,6−ジタシャリーブチル−4−メチル−フェノール
0.15mgを20mgのピリジンに溶解させた溶液
と、液状のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトア
ミド(BSA)7mgとを、外径3mm、内径2mm、
長さ50mmのガラス管の一方を封管した試料セルに入
れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。この試料セ
ルをキューリー温度160℃の強磁性金属体からなる金
属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイルF16
0、厚さ0.19mm、縦6mm、横9mm)で覆い、
次いで外径8mm、内径6mm、長さ120mmの試験
管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高周波電磁
誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱装置に1
0分間通電して上記金属箔を160℃に高周波電磁誘導
加熱し、反応させて2,6−ジタシャリーブチル−4−
メチル−フェノールのトリメチルシリル化誘導体を含む
溶液を得た。
【0069】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、下記GC−MS測定条件に(b)セットし
たGC−MSに2,6−ジタシャリーブチル−4−メチ
ル−フェノールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液
を注入し、分析を行った。
【0070】GC−MS測定条件(b) (GC測定条件) カラム :長さ2m×内径3mm 粒径60〜80メッシュの担体(クロモソルブ W)中に 液相(Silicone OV−1)を5重量%含浸させ たもの キャリアーガス:ヘリウムガス(流量 30ml/min) カラム温度 :150℃に1分間保持後、10℃/minの速度で260 ℃に昇温 注入口温度 :250℃ (MS測定条件) イオン源温度 :300℃ 電子衝撃(EI) :電圧 70eV、電流 60μA 化学イオン化(CI):電圧250eV、電流250μA
【0071】図12がトータルイオンクロマトグラム
(TIC)で、図13が電子衝撃(EI)によるマスス
ペクトルである。図12のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)に2本のピークが認められ、図13の成分
(II)の電子衝撃(EI)によるマススペクトルに、2,
6−ジタシャリーブチル−4−メチル−フェノールがト
リメチルシリル化された時の分子量(MW292)に相
当する分子イオン(M+ )がm/z 292として存在し
ていたことから、前記構造式(5)で示される2,6−
ジタシャリーブチル−4−メチル−フェノール中の水酸
基にトリメチルシリル基が導入された前記構造式(6)
で示される2,6−ジタシャリーブチル−4−メチル−
フェノールのトリメチルシリル化誘導体が合成されて、
これがトータルイオンクロマトグラム(TIC)の成分
(II)のピークを示していたことがわかった。尚、成分
(I)のピークを示していた化合物は未反応の2,6−ジ
タシャリーブチル−4−メチル−フェノールであり、未
反応成分比はトリメチルシリル誘導体100モルに対し
て75モルであった。
【0072】実施例14 フタルイミド0.15mgと、液状のN,O−ビス(ト
リメチルシリル)アセトアミド(BSA)7mgと、ア
セトニトリル20mgとを、外径3mm、内径2mm、
長さ50mmのガラス管の一方を封管した試料セルに入
れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。この試料セ
ルをキューリー温度160℃の強磁性金属体からなる金
属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイルF16
0、厚さ0.19mm、縦6mm、横9mm)で覆い、
次いで外径8mm、内径6mm、長さ120mmの試験
管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高周波電磁
誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱装置に2
分間通電して上記金属箔を160℃に高周波電磁誘導加
熱し、反応させてフタルイミドのトリメチルシリル化誘
導体を含む溶液を得た。
【0073】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、下記GC−MS測定条件(c)にセットし
たGC−MSにフタルイミドのトリメチルシリル化誘導
体を含む溶液を注入し、分析を行った。
【0074】GC−MS測定条件(c) (GC測定条件) カラム :長さ2m×内径3mm 粒径60〜80メッシュの担体(クロモソルブ W)中に 液相(Silicone OV−1)を5重量%含浸させ たもの キャリアーガス:ヘリウムガス(流量 30ml/min) カラム温度 :130℃に1分間保持後、15℃/minの速度で260 ℃に昇温 注入口温度 :250℃ (MS測定条件) イオン源温度 :300℃ 電子衝撃(EI) :電圧 70eV、電流 60μA 化学イオン化(CI):電圧250eV、電流250μA
【0075】図14がトータルイオンクロマトグラム
(TIC)で、図15が電子衝撃(EI)によるマスス
ペクトルである。図14のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)に1本のピークが認められ、図15の電子
衝撃(EI)によるマススペクトルに、フタルイミドが
トリメチルシリル化された時の分子量に相当する分子イ
オン(M+)219は存在しないが、M−CH3 に相当
するイオンがm/z 204に存在していたことから、下
記構造式(11)で示されるフタルイミド中のイミド基
にトリメチルシリル基が導入された下記構造式(12)
で示されるフタルイミドのトリメチルシリル化誘導体が
合成されていたことがわかった。
【0076】
【化6】
【0077】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0078】実施例15 フタルイミド0.15mgと、液状のN,N−ジメチル
ホルムアミドジメチルアセタール(DMF−DMA)7
mgと、アセトニトリル20mgとを、外径3mm、内
径2mm、長さ50mmのガラス管の一方を封管した試
料セルに入れ、開口部をバーナーで加熱して封管した。
この試料セルをキューリー温度220℃の強磁性金属体
からなる金属箔(日本分析工業株式会社製のパイロホイ
ルF220、厚さ0.19mm、縦6mm、横9mm)
で覆い、次いで外径8mm、内径6mm、長さ120m
mの試験管状のガラスからなる保護セルに入れた後、高
周波電磁誘導加熱装置内に配して、高周波電磁誘導加熱
装置に5分間通電して上記金属箔を220℃に高周波電
磁誘導加熱し、反応させてフタルイミドのメチル化誘導
体を含む溶液を得た。
【0079】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、前記GC−MS測定条件(c)にセットし
たGC−MSにフタルイミドのメチル化誘導体を含む溶
液を注入し、分析を行った。
【0080】図16がトータルイオンクロマトグラム
(TIC)で、図17が電子衝撃(EI)によるマスス
ペクトルである。図16のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)に1本のピークが認められ、図17の電子
衝撃(EI)によるマススペクトルに、フタルイミドが
メチル化された時の分子量に相当する分子イオン
(M+)がm/z 161に存在していたことから、前記
構造式(11)で示されるフタルイミド中のイミド基に
メチル基が導入された下記構造式(13)で示されるフ
タルイミドのメチル化誘導体が合成されていたことがわ
かった。
【0081】
【化7】
【0082】実施例16 有機溶剤としてアセトニトリルの代わりにn−ヘキサン
を用いた以外は実施例13と同様にしてフタルイミドの
メチル化誘導体を含む溶液を得た。
【0083】次いで、実施例13と同様にGC−MSに
よる分析を行ったところ、トータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)に1本のピークが認められ、電子衝撃(E
I)によるマススペクトルに、フタルイミドがメチル化
された時の分子量に相当する分子イオン(M+) はm/
z 161に存在していたことから、フタルイミド中の
イミド基にメチル基が導入された化合物が合成されてい
たことがわかった。
【0084】実施例17 キヌレニン1mgと、液状のN,O−ビス(トリメチル
シリル)アセトアミド20mgと、アセトニトリル10
0mgとを、外径5mm、内径3mm、長さ140mm
のガラス管の一方を封管した試料セルに入れ、開口部を
バーナーで加熱して封管した。この試料セルをキューリ
ー温度160℃の強磁性金属体からなる金属箔(日本分
析工業株式会社製のパイロホイルF160、厚さ0.1
9mm、縦9mm、横23mm)で覆い、次いで外径8
mm、内径6mm、長さ120mmの試験管状のガラス
からなる保護セルに入れた後、高周波電磁誘導加熱装置
内に配して、高周波電磁誘導加熱装置に10分間通電し
て上記金属箔を160℃に高周波電磁誘導加熱し、反応
させてキヌレニンのトリメチルシリル化誘導体を含む溶
液を得た。
【0085】通電終了後、試料セルを取り出し、一方を
開封した後、下記GC−MS測定条件(d)にセットし
たGC−MSにキヌレニンのトリメチルシリル化誘導体
を含む溶液を注入し、分析を行った。
【0086】GC−MS測定条件(d) (GC測定条件) カラム :長さ2m×内径3mm 粒径60〜80メッシュの担体(クロモソルブ W)中に 液相(Silicone OV−1)を5重量%含浸させ たもの キャリアーガス:ヘリウムガス(流量 30ml/min) カラム温度 :160℃に1分間保持後、15℃/minの速度で260 ℃に昇温 注入口温度 :250℃ (MS測定条件) イオン源温度 :300℃ 電子衝撃(EI) :電圧 70eV、電流 60μA
【0087】図18がトータルイオンクロマトグラム
(TIC)で、図19が電子衝撃(EI)によるマスス
ペクトルである。図18のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)に大きな2本のピークが認められ、図19
の成分(I)の電子衝撃(EI)によるマススペクトルに
おいて下記構造式(14)で示されるキヌレニンに、2
個のトリメチルシリル基が導入された時の分子量(MW
352)に相当する分子イオン(M+ )がm/z 352
として存在していたことから、下記構造式(15)、
(16)又は(17)で示されるキヌレニンの誘導体が
合成されて、これがトータルイオンクロマトグラム(T
IC)の成分(I)のピークを示していたことがわかっ
た。尚、成分(II)のピークを示していた化合物はキヌレ
ニンに3個のトリメチルシリル基が導入された時の分子
量(MW424)に相当する分子イオン(M+ )がm/
z 424として存在していたことから、下記構造式
(18)で示されるキヌレニンの誘導体が合成されて、
これがトータルイオンクロマトグラム(TIC)の成分
(II)のピークを示していることがわかった。
【0088】
【化8】
【0089】(式中、TMSはトリメチルシリル基を表
わす。)
【0090】次いで、下記ガスクロマトグラフィー−原
子発光検出器(GC−AED)測定条件(e)にセット
したGC−AEDに上記GC−MSで用いたのと同じキ
ヌレニンのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液を注入
し、分析を行った。
【0091】GC−AED測定条件(e) (GC測定条件) カラム :キャピラリーカラム DB−17 長さ20m×内径0.25mm 膜厚0.25df キャリアーガス:ヘリウムガス(圧力 20psi) カラム温度 :160℃に1分間保持後、10℃/minの速度で260 ℃に昇温 注入口温度 :250℃ (AED測定条件) 測定波長 :炭素 496nm 水素 486nm 窒素 174nm ケイ素 251nm
【0092】図20が炭素と水素と窒素とケイ素のAE
Dクロマトグラムである。図20の4元素にそれぞれ大
きなピーク2本が認められることから、キヌレニンにト
リメチルシリル基が導入されていることがわかる。
【0093】更に、あらかじめ下記ガスクロマトグラフ
ィー−フーリエ変換赤外分光分析(GC−FTIR)測
定条件(f)にセットしたGC−FTIRに上記GC−
MSで用いたのと同じキヌレニンのトリメチルシリル化
誘導体を含む溶液を注入し、分析を行った。
【0094】GC−FTIR測定条件(f) (GC測定条件) カラム :キャピラリーカラム DB−17 長さ30m×内径0.25mm 膜厚0.25df キャリアーガス:ヘリウムガス(圧力 50kpa) カラム温度 :160℃に1分間保持後、10℃/minの速度で250 ℃に昇温 注入口温度 :250℃ (FTIR測定条件) 測定領域 :4500〜700cm-1 分解能 :8.0cm-1
【0095】図21がグラムシュミット法によってイン
ターフェログラムデータの変化を記録した赤外クロマト
グラム(IRC)である。この図21には大きなピーク
2本が認められ、図22と図23は図21の2本のピー
クを示す成分のそれぞれのFTIRスペクトルである。
【0096】図22と図23のスペクトルにおいて22
00〜2300cm-1付近にSi−H結合のピーク、1
250〜1260cm-1および850cm-1付近にSi
−CH3 結合のピーク、1700〜1750cm-1付近
にCOO−R結合のピークなどが認められ、しかもCO
OH基のピークが認められないことから、一方はキヌレ
ニンのアミノ基の一部とカルボキシル基にトリメチルシ
リル基が導入された前記構造式(16)又は(17)で
示されるキヌレニンの誘導体であり、他方はキヌレニン
のアミノ基とカルボキシル基にトリメチルシリル基が導
入された前記構造式(18)で示されるキヌレニンの誘
導体であったことがわかった。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、反応性官能基を有する
有機低分子量化合物(A)と該反応性官能基の修飾剤
(B)とが極めて短時間で加熱されて反応し、該反応性
官能基の修飾された有機低分子量化合物誘導体が極めて
短時間で合成できる。しかも容易に再現性良く加熱で
き、得られた有機低分子量化合物誘導体はマススペクト
ロメーターによる分析のみならず、元素分析、赤外分光
分析、ガスクロマトグラフィー等各種の分析にも好まし
く使用でき、容易に精度の高い分析ができる。更に有機
低分子量化合物(A)と修飾剤(B)と共に有機溶剤を
試料セルに封入すると、試料全体が均一に反応し、容易
に有機低分子量化合物誘導体を合成でき、強磁性金属体
として50〜300℃という比較的低いキューリー温度
を有する強磁性金属体を用いると、高周波電磁誘導加熱
時の試料の分解と試料セルの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の有機低分子量化合物誘導体の
合成方法の一例を示す概念図である。
【図2】第2図は実施例1で合成したサリチル酸のトリ
メチルシリル化誘導体を含む溶液のトータルイオンクロ
マトグラム(TIC)である。
【図3】第3図は実施例1で合成したサリチル酸のトリ
メチルシリル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(EI)に
よるマススペクトルである。
【図4】第4図は実施例7で合成したD−グルタミン酸
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液のトータルイオ
ンクロマトグラム(TIC)である。
【図5】第5図は実施例7で合成したD−グルタミン酸
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(E
I)によるマススペクトルである。
【図6】第6図は実施例10で合成した2,6−ジタシ
ャリーブチル−4−メチル−フェノールのトリメチルシ
リル化誘導体を含む溶液のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)である。
【図7】第7図は実施例10で合成した2,6−ジタシ
ャリーブチル−4−メチル−フェノールのトリメチルシ
リル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(EI)によるマス
スペクトルである。
【図8】第8図は実施例11で合成したサリチル酸のメ
チル化誘導体を含む溶液のトータルイオンクロマトグラ
ム(TIC)である。
【図9】第9図は実施例11で合成したサリチル酸のメ
チル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(EI)によるマス
スペクトルである。
【図10】第10図は実施例12で合成したジペンタエ
リスリトールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の
トータルイオンクロマトグラム(TIC)である。
【図11】第11図は実施例12で合成したジペンタエ
リスリトールのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の
電子衝撃(EI)によるマススペクトルと化学イオン化
(CI、イソブタン)によるマススペクトルである。
【図12】第12図は実施例13で合成した2,6−ジ
タシャリーブチル−4−メチル−フェノールのトリメチ
ルシリル化誘導体を含む溶液のトータルイオンクロマト
グラム(TIC)である。
【図13】第13図は実施例13で合成した2,6−ジ
タシャリーブチル−4−メチル−フェノールのトリメチ
ルシリル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(EI)による
マススペクトルである。
【図14】第14図は実施例14で合成したフタルイミ
ドのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液のトータルイ
オンクロマトグラム(TIC)である。
【図15】第15図は実施例14で合成したフタルイミ
ドのトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の電子衝撃
(EI)によるマススペクトルである。
【図16】第16図は実施例15で合成したフタルイミ
ドのメチル化誘導体を含む溶液のトータルイオンクロマ
トグラム(TIC)である。
【図17】第17図は実施例15で合成したフタルイミ
ドのメチル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(EI)によ
るマススペクトルである。
【図18】第18図は実施例17で合成したキヌレニン
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液のトータルイオ
ンクロマトグラム(TIC)である。
【図19】第19図は実施例17で合成したキヌレニン
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の電子衝撃(E
I)によるマススペクトルである。
【図20】第20図は実施例17で合成したキヌレニン
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の炭素と水素と
窒素とケイ素のAEDクロマトグラムである。
【図21】第21図は実施例17で合成したキヌレニン
のトリメチルシリル化誘導体を含む溶液の赤外クロマト
グラム(IRC)である。
【図22】第22図は図21の成分(I)の赤外吸収ス
ペクトル(FTIR)である。
【図23】第23図は図21の成分(II)の赤外吸収ス
ペクトル(FTIR)である。
【符号の説明】
1 試料セル 2 電磁誘導発熱性金属体からなる箔 3 保護セル 4 高周波加熱コイル 5 試料

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波電磁誘導加熱装置内に、反応性官
    能基を有する分子量1000以下の有機低分子量化合物
    (A)と該反応性官能基の修飾剤(B)とが封入され、
    かつ高周波電磁誘導加熱により該有機低分子量化合物
    (A)の分解温度未満の温度まで発熱する電磁誘導発熱
    性金属体で覆われた試料セルを配し、該電磁誘導発熱性
    金属体を高周波電磁誘導加熱して該有機低分子量化合物
    (A)中の反応性官能基を修飾剤(B)と反応させて修
    飾することを特徴とする有機低分子量化合物誘導体の合
    成方法。
  2. 【請求項2】 電磁誘導発熱性金属体が、有機低分子量
    化合物(A)の分解温度未満のキューリー温度を有する
    強磁性金属体ある請求項1記載の合成方法。
  3. 【請求項3】 有機低分子量化合物(A)と修飾剤
    (B)と共に有機溶剤を封入した試料セルを用い、該有
    機溶剤中で有機低分子量化合物(A)中の反応性官能基
    を修飾剤(B)と反応させて修飾する請求項1又は2記
    載の合成方法。
  4. 【請求項4】 電磁誘導発熱性金属体のキューリー温度
    が、50〜300℃である請求項1、2又は3記載の合
    成方法。
  5. 【請求項5】 高周波電磁誘導加熱時間が、1〜15分
    間である請求項4記載の合成方法。
  6. 【請求項6】 有機低分子量化合物(A)が水酸基、ア
    ミノ基、アミド基、イミノ基、カルボキシル基およびチ
    オール基からなる群から選ばれる1種以上の反応性官能
    基を有する有機低分子量化合物であり、かつ修飾剤
    (B)がシリル化剤又はアルキル化剤である請求項1、
    2、3、4又は5記載の合成方法。
  7. 【請求項7】 修飾剤(B)が、シリル化剤である請求
    項6記載の合成方法。
  8. 【請求項8】 電磁誘導発熱性金属体で覆われた試料セ
    ルを、保護セルに入れて高周波電磁誘導加熱装置内に配
    する請求項1〜7のいずれか1つに記載の合成方法。
  9. 【請求項9】 試料セルおよび保護セルが、ガラス製セ
    ルである請求項8記載の合成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    合成方法で得られた有機低分子量化合物誘導体を、分析
    試料として用いることを特徴とする有機低分子量化合物
    の分析方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    合成方法で得られた有機低分子量化合物誘導体を、ガス
    クロマトグラフィー(GC)に注入し、クロマトグラム
    を得ることを特徴とする有機低分子量化合物の分析方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1つに記載の
    合成方法で得られた有機低分子量化合物誘導体を、ガス
    クロマトグラフィー−マススペクトロメーター(GC−
    MS)に注入し、マススペクトログラムを得ることを特
    徴とする有機低分子量化合物の分析方法。
JP22899795A 1995-02-16 1995-09-06 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法 Pending JPH09110730A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22899795A JPH09110730A (ja) 1995-02-16 1995-09-06 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2805095 1995-02-16
JP7-204402 1995-08-10
JP7-28050 1995-08-10
JP20440295 1995-08-10
JP22899795A JPH09110730A (ja) 1995-02-16 1995-09-06 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09110730A true JPH09110730A (ja) 1997-04-28

Family

ID=27286051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22899795A Pending JPH09110730A (ja) 1995-02-16 1995-09-06 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09110730A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11242021A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Kyocera Corp シアネート樹脂の硬化度測定装置及びその測定方法
WO2004038424A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Arkray, Inc. 分析用具における液成分の温調方法、分析用具、および分析装置
CN115290785A (zh) * 2022-08-03 2022-11-04 中国计量科学研究院 基于红外光谱技术的蛋白质纯度计量基准方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11242021A (ja) * 1998-02-26 1999-09-07 Kyocera Corp シアネート樹脂の硬化度測定装置及びその測定方法
WO2004038424A1 (ja) * 2002-10-28 2004-05-06 Arkray, Inc. 分析用具における液成分の温調方法、分析用具、および分析装置
US8409522B2 (en) 2002-10-28 2013-04-02 Arkray, Inc. Analyzing instrument, temperature control method for liquid in analyzing instrument, and analyzing apparatus
CN115290785A (zh) * 2022-08-03 2022-11-04 中国计量科学研究院 基于红外光谱技术的蛋白质纯度计量基准方法
CN115290785B (zh) * 2022-08-03 2023-04-11 中国计量科学研究院 基于红外光谱技术的蛋白质纯度计量基准方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lamkin et al. Quantitative gas chromatography of amino acids. Preparation of n-butyl N-trifluoroacetyl esters.
Belcher et al. Volatile transition metal complexes of bis-acetylacetone-ethylenedi-imine and its fluorinated analogues
Hanin et al. Analysis of microquantities of choline and its esters utilizing gas chromatography-chemical ionization mass spectrometry
Lin et al. Chemical derivatization for the analysis of drugs by GC-MS-A conceptual review
CA2257940C (en) Method of explosives detection
Huang et al. Dynamics of the reactions of O (1D) with CD3OH and CH3OD studied with time-resolved Fourier-transform IR spectroscopy
Games et al. Analysis of pepper and capsicum oleoresins by high-performance liquid chromatography—mass spectrometry and field desorption mass spectrometry
Barry et al. Derivatisation for liquid chromatography/electrospray mass spectrometry: synthesis of pyridinium compounds and their amine and carboxylic acid derivatives
JPH09110730A (ja) 有機低分子量化合物誘導体の合成方法および有機低分子量化合物の分析方法
US20160354758A1 (en) Thermally Modified Polymeric Organosilicon Material, Method for Preparing Said Material and the Uses Thereof
Coll et al. Report and implications of the first observation of C4N2 in laboratory simulations of Titan’s atmosphere
Karimi et al. Synthesis of 11C‐labelled amides by palladium‐mediated carboxamination using [11C] carbon monoxide, in situ activated amines and 1, 2, 2, 6, 6‐pentamethylpiperidine
Sanche Irradiation of organic and polymer films with low-energy electrons
Gregersen et al. Gas chromatographic mass spectrometric identification of N‐dicarboxylmonoglycines
Biederer et al. A structural effect in direct reactions: kinetics of D abstraction from Pt (110) 1× 2 surfaces with gaseous H atoms
Kurlansik et al. Fast atom bombardment: evidence of disproportionation and recombination of a synthetic porphyrin in the matrix
Iwata et al. 4-(5, 6-Dimethoxy-2-benzimidazoyl) benzohydrazide as fluorescence derivatization reagent for carboxylic acids in high-performance liquid chromatography
US4663297A (en) Temperature programmed spectroscopy techniques
JPH09329589A (ja) 有機低分子量化合物の抽出方法および有機低分子量化合物の分析方法
Choi et al. Determination of testosterone: epitestosterone ratio after pentafluorophenyldimethylsilyl-trimethylsilyl derivatisation using gas chromatography-mass spectrometry in equine urine
Maksyutenko et al. Formation of c-C6H5CN ice using the SPACE TIGER experimental setup
Jenske et al. Highly selective and sensitive gas chromatography–electron-capture negative-ion mass spectrometry method for the indirect enantioselective identification of 2-and 3-hydroxy fatty acids in food and biological samples
Murray et al. The electron capture negative ion chemical ionization mass spectra of 2‐(4′, 6′‐bistrifluoromethyl‐2′‐pyrimidinyl)‐tetrahydroisoquinoline and 4‐substituted analogues
Whitten et al. Pyrolysis Studies. Controlled Thermal Degradation of Mesoporphyrin1
Harvey Selective solid-phase microextraction of explosives using fibers coated with the La (III) complex of p-di (4, 4, 5, 5, 6, 6, 6-heptafluoro-1, 3-hexanedionyl) benzene