JPH09108555A - W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法 - Google Patents

W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法

Info

Publication number
JPH09108555A
JPH09108555A JP29790295A JP29790295A JPH09108555A JP H09108555 A JPH09108555 A JP H09108555A JP 29790295 A JP29790295 A JP 29790295A JP 29790295 A JP29790295 A JP 29790295A JP H09108555 A JPH09108555 A JP H09108555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
emulsion
water
suspension
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29790295A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Kawagoe
哲男 川越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP29790295A priority Critical patent/JPH09108555A/ja
Publication of JPH09108555A publication Critical patent/JPH09108555A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Colloid Chemistry (AREA)
  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、シリコーン油のような絶縁性の高
い油に水を混合攪拌した時の油膜と水滴の動的挙動を解
析して、これを安定したW/O 型エマルジョンの製造に利
用し、取扱いに便利な流動性のW/O 型サスペンジョンの
製造方法を提供するものである。 【解決手段】 本発明は、油と水との混合液(1) を攪拌
(3) して、流動帯電により油が攪拌槽及び冷却槽、例え
ばアルミニウム合金製の容器(2) の表面に吸着するよう
静電気を発生させ、この静電気による水粒子同士の反
発、水粒子と油との吸引及び油の槽表面への吸着を利用
してW/O 型エマルジョンを造ること、並びに該W/O 型エ
マルジョンを冷却(2a)して水粒子を固化させ氷粒子が分
散した油とすることを特徴とするW/O 型エマルジョン及
びサスペンジョンの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流動性の優れた
W/O 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法に関
するものである。本発明は、電力負荷の平準化を図るた
めに、深夜電力を用いて電気エネルギーを冷熱として蓄
熱し、取扱い上便利な流動性のある氷とし、その冷熱を
生鮮食料、花卉類の保存或いは冷房負荷などに活用す
る。また、内燃機関(ディーゼル機関など)の燃料効率
の向上並びにNOx 濃度の低減をはかるために用いる軽
油・水(W/O 型エマルジョン)の乳化燃料の製造に活用
する。
【0002】
【従来の技術】一般に W/O型エマルジョンを造るには、
乳化剤として界面活性剤が用いられるが、この従来方法
によりエマルジョンを造り、これを冷却してサスペンジ
ョンを造る方法には、次の〜のような問題がある。
【0003】 低温域で、 W/O型から O/W型への転相
が起こりやすい 低温域で、水が冷却壁面へ吸着し、氷結を起こし易
い エマルジョンを循環させるなどの動的状態では、複
雑な現象が起こり、安定してサスペンジョンを造ること
が困難である 流動性の優れたサスペンジョンを造りにくい。
【0004】以上のような問題は従来解決されておら
ず、取扱いの容易な流動性のある氷サスペンジョンの製
造方法が確立されていない。
【0005】同様に界面活性剤を用いてW/O 型エマルジ
ョンとする乳化燃料の製造においても流動性の優れたも
のが得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、油に水を混
合攪拌して上述した転相、氷結などのない安定したW/O
型エマルジョンの製造並びに流動性の優れたW/O 型サス
ペンジョンの製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、シリコーン油
のような絶縁性の高い油に水を混合攪拌した時の油膜と
水滴の動的挙動を解析することによって、安定したW/O
型エマルジョンを得て流動性の優れたW/O 型サスペンジ
ョンの製造方法を完成したものである。
【0008】すなわち、本発明は、油と水の混合液を攪
拌して、流動帯電により油が攪拌槽及び冷却槽の容器の
表面に吸着するよう静電気を発生させ、この静電気によ
る水粒子同士の反発、水粒子と油との吸引及び油の槽表
面への吸着を利用してW/O 型エマルジョンを造ること、
並びに該W/O 型エマルジョンを冷却して水粒子を固化さ
せ氷粒子が分散した油とすることを特徴とするW/O 型エ
マルジョン及びサスペンジョンの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】図1はこの発明のためのバッチ式
のサスペンジョン製造設備の例である。同図において、
1はシリコーンオイルと水の混合液、2はアルミニウム
合金製の攪拌槽、2aは冷却ジャケット、3はアルミニ
ウム合金製の攪拌機である。図2は循環還流式の製造設
備であり、1はシリコーンオイルと水の混合液、2はア
ルミニウム合金製の攪拌槽、3はアルミニウム合金製の
攪拌機、4はアルミニウム合金製の冷却槽、5は接続パ
イプ、6は循環ポンプである。図3は循環ポンプに攪拌
機能を兼ねさせた循環還流式の製造設備であり、1はシ
リコーンオイルと水の混合液、7はアルミニウム合金製
の貯槽、4はアルミニウム合金製の冷却槽、5は接続パ
イプ、8は攪拌兼用循環ポンプである。なお、エマルジ
ョンの製造には冷却ジャケット2aあるいは冷却槽4の
運転をする必要がない。
【0010】絶縁性の高い油を容器内で攪拌流動させる
と静電気が発生することが知られている。この油に水を
混在させると微細な水滴の分散が生じ、この分散水滴と
油の間に相対運動が起こり、その界面において正、負イ
オンの解離が起き、結果的に油中の解離イオンが多くな
る。これらの解離イオンは容器壁や攪拌翼に接近したと
きに選択的に吸着されるために、分散水粒子の量が多い
と極めて多量の静電気が発生する。また容器が金属の場
合、油は(−)に水は(+)に帯電する。
【0011】この解離イオンの吸着現象が主要因の電荷
移動の帯電現象は、油の物性と容器の物性により影響を
受ける。同一の油でも容器の材料が変わると帯電極性が
変わる。
【0012】容器の表面の材料がPE(ポリエチレ
ン),PVC(塩化ビニル樹脂),絶縁紙などの有機物
の場合は、一般に油を正に帯電させる。またアルミニウ
ム、亜鉛、銅のような金属は、油を負に帯電させる。金
属では表面の酸化物の酸素が、油中に含まれる正イオン
を選択的に吸着するためであることが知られている。
【0013】以上のように油と水の混合液を攪拌すると
静電気が発生するが、水の混合量が50%vol以下の場
合には油が連続相となり、油とその中に分散する水滴と
は静電気的な吸引、そして、水滴相互は静電的反発作用
を起こすことになる。この作用は油中に分散する水滴の
会合を阻止し、乳化状態を造りだすので特別に界面活性
剤を用いずW/O 型のエマルジョンを造ることに利用でき
る。
【0014】油の比誘電率は 3程度以下であり、水の比
誘電率 81 に比べると遥かに小さい。このことは、水中
に比べ油中では、静電気的な吸引、反発作用が遥かに大
きくなることなので、連続層となる油と水の混合液を攪
拌し、流動帯電現象により静電気を発生させ、その静電
気による反発・吸着作用を活用し、連続相を油とするW/
O 型エマルジョンを製造する方法は、非常に安定したも
のになり好都合である。
【0015】また、この静電気による反発・吸着作用
は、温度の影響をほとんど受けないので、エマルション
を冷却してサスペンジョン(液状の氷)を造るのに適し
ている。
【0016】以上のエマルジョン状態を造りだす帯電現
象は、攪拌停止後も暫く持続する。これは、油中に分散
する水滴の沈降により、その間、油と水の相対運動が起
き電荷の発生が継続するからである。
【0017】従って、このエマルジョン状態は、油や容
器の種類にもよるが攪拌停止後も1時間程度持続させる
ことができる。
【0018】エマルジョン状態の持続は、帯電現象の持
続時間に関係し、帯電現象の持続時間は油の絶縁抵抗、
水の混合率、容器の表面抵抗などで決まる電荷漏洩速度
に関係するが、油中に分散する水滴の沈降速度に大きく
左右される。この結果、ここではエマルジョンの持続時
間は油の粘度が高い場合には長くなり、油の粘度が低い
場合には短くなる。従って、エマルジョンの持続時間を
長くするには、比較的粘度の高い油を選ぶのが良く、シ
リコーン油は、灯油に比べ粘度・絶縁抵抗が共に高いの
で、エマルジョン状態を長く持続でき好都合である。
【0019】この様に本発明による製造では、エマルジ
ョン状態の持続時間が比較的長い物を造れるので、エマ
ルジョンを冷却してサスペンジョン(液状の氷)を造る
のに適している。
【0020】使用する油の種類と攪拌発生帯電量との関
係は、油の導電率に関係がある。文献(産業安全研究所
研究報告、RIIS-RR-89,p.79 (1989))によれば、発生帯
電量は、導電率が10-12 S/mから10-9S/m程度の範
囲で最も大きくなる。しかし、精製された油単独の状態
での発生帯電量は僅少であり、異物が混入した状態、特
に水滴が混入した状態では発生帯電量が急上昇する。
【0021】また、実験により攪拌発生帯電量は、導電
率のみならず油と水の親和性に大きく依存することが判
った。例えば灯油(導電率10-12 S/m)とシリコーン
油(導電率10-14 S/m)を比較すると、乳化実験(水
の混合量30%vol)の状況比較からシリコーン油で
は、攪拌速度が100 rpm程度の低速域でも容易に乳化
状態を造れるが、灯油を用いた場合には、攪拌速度が10
0 rpmの低速域では、その儘では乳化状態を造ること
はできなかった。そして、油と水の親和性を改善するた
めに若干の非イオン性の活性剤を用いる必要があった。
或いは攪拌速度を100rpm程度の低速から 400rpm
程度以上に高め、発生帯電量の増大を図る必要があっ
た。このことから、シリコーン油では発生帯電量が灯油
より遥かに大きいことが判つた。これは、油と水の親和
性が関係しているものと思われる。シリコーン油の親水
性は、灯油が共有結合であるのに対し、シリコーン油は
主鎖を構成しているSi−O結合が、共有結合の他にイ
オン結合性があることが関係している。以上のようにシ
リコーン油はこの目的の製造に適した油であることがわ
かつた。また、シリコーン油は安定性があり、しかもニ
ーズに合わせて粘度の調整ができるので好都合である。
【0022】流動帯電現象は、容器の表面にできる電気
二重層に深く関係するので、油と水の混合液に含まれる
解離イオンの存在が帯電電荷を左右することになる。
【0023】攪拌容器にガラスを、油にシリコーン油を
用いた実験では、蒸留水、軟水をそれぞれ別個に混合し
た場合、攪拌(回転速度 100rpm程度)のみでは必要
とする乳化状態を造ることはできなかった。他方、水道
水(硬水)、ミネラルウオータなどイオン性物質を含む
水では、攪拌(回転速度 100rpm程度)のみで容易に
乳化状態を造ることができた。この差異は、ガラスの表
面に水中に含まれるカルシウムなどの(+)イオンがガ
ラスの表面に吸着され、これが油の流動帯電を引き起こ
すことを考えれば、充分に理解できることである。従っ
て、流動帯電させるためには、油に混合させる水として
硬水、ミネラルウオータなどイオン性物質を含むものを
選ぶのが良い。また、超音波処理した水を使用すると乳
化が加速される。
【0024】油に混入する水の量は、流動帯電現象が油
と水の相対運動に起因し、発生帯電電荷量は水の量が増
加するほど大きくなるので、エマルジョン製造には、水
量が多い方が良いと考えられる。しかし、混合水量が増
加すると、混合液の導電率が増大し、電荷漏洩量も大き
くなり帯電量が減少する傾向が考えられる。前記文献に
よれば、灯油(導電率10-12 S/m)を用いた場合、水
の混合量が30%volで導電率が10-9S/mのオーダー
になり、発生帯電量が最大となる。また、混合量50%
(導電率10-8S/m以上)以上では油に替わって水が連
続相になるためほとんど帯電しなくなるとされている。
【0025】しかし、シリコーン油を用いた場合、水の
混合量が50%volの状態でも、流動帯電による乳化が
進行し、これを冷却してサスペンジョンを造れることが
実験で確認できた。
【0026】シリコーン油に水を30%vol混合した時
の導電率は10-8S/m程度である。水の混合量が50%v
olの状態でもサスペンジョンを造れることは、シリコ
ーン油は灯油と異なり水との親和性があり、また絶縁抵
抗・粘度が高いので、流動による発生帯電量・帯電持続
時間も大きいいことに基づくものと思われる。流動帯電
現象は、油と水の混合液中に解離するイオンの吸着に基
づくものであるから、当然のことながら、攪拌容器の表
面の状態に深く関係する。[攪拌容器の材料と乳化進行
状況の関係]を実験で調べると乳化進行状況の良否は アルミニウム>銅>ステンレス>ガラス>プラスチック の順序の結果が得られた。
【0027】この実験結果は、明らかにアルミニウムの
ように容器材料の表面が活性なものほど乳化が進行する
ことを示している。この実験結果を確認するために、乳
化したものを冷却してサスペンジョンを造って比較して
みると、アルミニウムの場合は、容器の表面(冷却器の
表面)に氷が凍結するようなことはなかったが、他の材
料では、氷の一部が容器の表面に凍結するのが確認でき
た。この差異は、乳化状況の差即ち流動帯電の電荷レベ
ルの差異によるものと考えられる。
【0028】ガラス容器を用いて攪拌による乳化進行状
況を観察すると、攪拌前には油と水の比重差から容器の
上層部に油、下方に水と分離しているが、攪拌により乳
化が進行するときには、初めにガラスの表面(底面を含
む)が水を排して油で濡れる現象が起きる。
【0029】この現象から攪拌による乳化の第一条件
は、ガラスの表面の電気二重層に油が吸着される必要が
あることが推定できる。この吸着は、ガラス(Si
2 )の表面が(−)イオンで占められているので、ま
ず油と水の混合液中に含まれる(+)イオン性物質が吸
着され、次にこの(+)イオン層が、攪拌により(−)
にイオン化した油を吸着する順に起こることになる。そ
の結果、油を連続層とするW/O 型のエマルジョンが形成
されることになる。
【0030】従って、ガラス容器で、油と水の混合液中
に含まれる(+)イオン性物質が少ない場合には、攪拌
による乳化の進行が少ないことになる。このことは、実
験で軟水を用いた場合、攪拌速度が 100rpm程度で
は、乳化がほとんど進行しなかったことから裏付けが得
られている。
【0031】以上のことから、ガラス容器を用いて乳化
を行う場合は、水の種類が重要になる。
【0032】金属容器を用いた場合は、表面に金属酸化
膜ができて、その表面は(−)イオン層で覆われている
が、他方、自由電子の出入りで、(+)イオンも並存し
ている。この(+)イオンが並存する程度は、金属の種
類で異なり、イオン化ポテンシャルの低い金属程(+)
イオンが並存しやすいと考えられる。
【0033】したがって、金属容器を用いる場合は、そ
の表面に(+)イオンが並存するので、ガラス容器を用
いる場合のように、水の種類即ち水に含まれる(+)イ
オン性物質の存在は余り重要にならない。しかし、金属
の種類によつてイオン化ポテンシャルが異なり、(+)
イオンの並存する割合が変わるので金属の種類が問題と
なってくる。
【0034】金属のイオン化ポテンシャルを調べると、 亜鉛>鉄>銅>クローム>アルミニウム の順位に小さくなる。
【0035】この順位は、前述の[容器の材料と攪拌に
よる乳化進行状況]の実験結果と全く逆の関係にあるこ
とから、攪拌による乳化現象には、容器の表面の物性が
関係していることが裏付けられたことになる。
【0036】W/O 型エマルジョンを冷却してサスペンジ
ョンを造る際に、冷却器の表面に氷が凍結する傾向があ
る。この傾向は、乳化状態の成熟程度と、冷却器の表面
の物性に関係がある。冷却器の表面に氷が凍結するのを
防ぐためには、冷却の過程で表面を常に油で濡らしてお
く必要がある。即ち油の表面への吸着力が問題になる。
この吸着力は乳化の成熟程度に関係があり、成熟程度が
高い場合には油のイオン化が高まり、この結果、油の表
面への吸着力は大きくなることになる。
【0037】他方、冷却器の表面では油を吸引する力が
問題になる。この力は、表面に存在するイオンの量に関
係し、イオン量が多いほどイオン化した油を吸引する力
が大きいことになる。
【0038】金属容器の場合、容器にアルミニウム程度
のイオン化ポテンシャルの低いものを用いて、表面の
(+)イオンの量を高め、また混合液を充分に攪拌して
油の(−)イオン化を高めれば、容器の表面が常に油で
濡れるようになり、サスペンジョンを造っても、容器の
表面に氷の凍結が起こるようなことがない。容器の材料
にアルミニウムを選ぶことは、d電子を持つ遷移金属の
鉄、銅などを選ぶより優れている。
【0039】容器がプラスチックの場合、油は(+)に
帯電するが、水滴と油の相対運動では、水の比誘電率が
大きいために、水が(+)にイオン化する傾向があり、
攪拌を行っても静電気的な反発が働き、乳化が進行しな
い水だけの部分が残る。この対策には、水の(+)イオ
ン化を抑制するために、帯電防止剤を用いると改善され
る。例えばポリエーテル系の変性シリコーン油などが有
効である。
【0040】容器の表面状態をアルミニウム程度にイオ
ン化ポテンシャルを低くするには、アルミニウムを用い
た合金、蒸着、溶射、クラッド、箔、鍍金、塗装或いは
スパイラルワイヤやメッシュ、チューブなどの挿入など
の方法を用いることができる。これらの方法を用いるこ
とにより、サスペンジョンを造るのにアルミニウムと同
様の効果が得られる。また、クロームもポテンシャルが
アルミニウムに近いので活用できる。
【0041】前述の様に、攪拌により流動帯電現象を発
生させ、その静電気的な反発・吸引並びに吸着作用を利
用して、エマルジョン並びにサスペンジョンを製造がで
きるが、さらに実用的な安定性を高めるのに、補助的に
若干の界面活性剤を用いることができる。非イオン性や
アニオン性の界面活性剤などを用いると良い。
【0042】サスペンジョンの流動性は、その中に含ま
れる氷粒の大きさに左右される。氷粒の平均径が 0.1m
m程度以下になると,サスペンジョンはゼリー状になり
流動性は大きく低下する。サスペンジョンの流動性並び
に解氷性の点からは平均氷粒径は 1mm程度が望まし
い。
【0043】サスペンジョンの製造に界面活性剤を用い
ると氷粒径が細かくなり 0.1mm程度になる。本発明で
は界面活性剤を用いていないので、氷粒径の比較的大き
なものができる。攪拌程度にもよるが氷粒径は 1mm程
度のものとなり、流動性の優れたサスペンジョンを造れ
る。
【0044】この製造方法の特徴とするところは、乳化
状態の発生・維持に、攪拌による流動帯電現象で発生し
た、しかも、比誘電率の小さい油中で大きく働く静電気
力(反発力・吸引力並びに吸着力)を活用していること
にある。
【0045】従って、この製造工程に於て最も留意すべ
きことは、この静電気力(反発力・吸引力並びに吸着
力)を乱すような工程を設けないことである。
【0046】前述のように、この静電気力(反発力・吸
引力並びに吸着力)は、容器の材質・表面状態で大きく
変動するので、容器の材質、容器を結ぶ配管などの混合
液に接触する部分の材質に注意しなければならないこと
になる。この部分に金属材料とプラスチックなどの絶縁
材を併用すると材料により帯電の極性が変わり、その結
果、静電気力が乱れ、エマルション・サスペンジョンの
製造が不安定になるので好ましくない。
【0047】このために、攪拌から冷却までの一連の工
程を構築する容器部品(槽、パイプなど)の混合液に接
触する部分の材料は、金属と絶縁物とが混在しないよう
にすることが望ましい。この場合、金属には、蒸着、メ
タリコン、箔、メッキ、塗装或いはスパイラルワイヤや
メッシュ、チューブの挿入などを含む表面処理を施した
ものが含まれる。
【0048】前項に於いて、金属材料と絶縁材料を併用
接続し、静電気力の乱れが問題になる場合は、併用接続
する箇所に除電器(帯電電荷の極性と反対の極性イオン
を発生・供給する装置など)を設置したり、接続箇所の
上流或いは下流に流れが100秒程度以上滞留して電荷が
漏洩により緩和する区間を設けると良い。
【0049】また、帯電防止剤を混入して、帯電レベル
を調整し静電気の乱れの影響を少なくすることができ
る。
【0050】更に、図示しないが軽油・水の乳化燃料を
用いる内燃機関において、燃料供給系統の燃料の噴射の
前工程に、本発明のW/O 型エマルジョン製造の装置を組
み込めば、次のような問題が解消できる。
【0051】 流動性の低下(界面活性剤を用いるた
めに生ずる水滴径の細粒化に基づく粘度増大) 流動性の不安定性(エマルジョン製造後の時間経過
と共に分散水粒径の会合による粒径の増大)。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、下記の効果が得られ
る。
【0053】 攪拌により安定したエマルジョンを製
造できる このエマルジョンは、低温域でも安定しているので
サスペンジョンの製造に適する 攪拌による流動帯電現象を活用しているので、エマ
ルジョン、サスペンジョンの製造が安価にできる 流動性の優れたエマルジョン、サスペンジョンを製
造できる 界面活性剤を用いていないので、混合液の腐敗など
の心配がない 電力の平準化に寄与する。
【0054】 軽油・水(W/O 型エマルジョン)の乳
化燃料の流動性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明のための製造設備(バッチ式)
を示す摸式図である。
【図2】図2は、この発明のための製造設備(循環還流
式)を示す摸式図である。
【図3】図3は、この発明のための、循環ポンプに攪拌
機能を兼ねさせた製造設備(循環還流式)を示す摸式図
である。
【符号の説明】
1 混合液、 2 攪拌槽、 2a 冷却ジャケット、 3 攪拌機、 4 冷却槽、 5 接続パイプ 6 循環ポンプ、 7 貯槽、 8 攪拌兼用循環ポンプ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油と水の混合液を攪拌して、流動帯電に
    より油が攪拌槽及び冷却槽の容器の表面に吸着するよう
    静電気を発生させ、この静電気による水粒子同士の反
    発、水粒子と油との吸引及び油の槽表面への吸着を利用
    してW/O 型エマルジョンを造ること、並びに該W/O 型エ
    マルジョンを冷却して水粒子を固化させ氷粒子が分散し
    た油とすることを特徴とするW/O 型エマルジョン及びサ
    スペンジョンの製造方法。
  2. 【請求項2】 油と水の混合液が、導電率10-8S/m以
    下の混合液である請求項1記載のW/O 型エマルジョン及
    びサスペンジョンの製造方法。
  3. 【請求項3】 油が、シリコーン油である請求項1記載
    のW/O 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法。
  4. 【請求項4】 攪拌槽の容器、冷却槽の容器又は槽間接
    続パイプの材料が、アルミニウム系材料およびイオン化
    ポテンシャルがアルミニウム若しくはクロームのイオン
    化ポテンシャル以下の材料のうちから選択されたもので
    ある請求項1記載のW/O 型エマルジョン及びサスペンジ
    ョンの製造方法。
  5. 【請求項5】 攪拌から冷却までの製造工程システムに
    おいて、混合液、エマルジョン及びサスペンジョンに接
    触する槽・配管材料が、金属或いは絶縁物に統一された
    請求項1記載のW/O 型エマルジョン及びサスペンジョン
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 攪拌から冷却までの製造工程システムに
    おいて、混合液、エマルジョン及びサスペンジョンに接
    触する槽・配管材料が、金属と絶縁物を接続したもので
    あり、その接続部に除電器を設けること、或いはその接
    続部の上流または下流に流れを滞留させ電荷を緩和させ
    る区間を設けること、或いは前記混合液に帯電防止剤を
    混入することにより、帯電レベルを調整したものもので
    ある請求項1記載のW/O 型エマルジョン及びサスペンジ
    ョンの製造方法。
  7. 【請求項7】 W/O 型エマルジョンが、内燃機関の燃料
    供給工程に使用されるW/O 型乳化燃料である請求項1、
    4、5又は6記載のW/O 型エマルジョンの製造方法。
JP29790295A 1995-10-19 1995-10-19 W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法 Pending JPH09108555A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29790295A JPH09108555A (ja) 1995-10-19 1995-10-19 W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29790295A JPH09108555A (ja) 1995-10-19 1995-10-19 W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09108555A true JPH09108555A (ja) 1997-04-28

Family

ID=17852586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29790295A Pending JPH09108555A (ja) 1995-10-19 1995-10-19 W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09108555A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ottewill et al. Preparation of core-shell polymer colloid particles by encapsulation
Hogg The role of polymer adsorption kinetics in flocculation
CN105555412B (zh) 用于乳化剂及其它混合物的单极分离的系统及方法
Beysens et al. Wetting-induced aggregation of colloids
US5507967A (en) Electrorheological magnetic fluid and process for producing the same
CN110613960B (zh) 可同时实现o/w与w/o乳液高效油水分离的磁性破乳剂的制备方法与应用
US4284518A (en) Stabilized hybrid lubricant
Alam et al. Bulk Nanobubbles: generation using a two-chamber swirling flow nozzle and long-term stability in water
Ma et al. Surface nanobubble characterization and its enhancement mechanisms for fine-particle flotation: A review
Sun et al. A comparative research of microwave, conventional-heating, and microwave/chemical demulsification of Tahe heavy-oil-in-water emulsion
Shen et al. Synthesis of a low temperature ionic liquid demulsifier and its demulsification mechanism
Wang et al. Coating of polytetrafluoroethylene/polyacrylate: core‐shelled structure and tribological behaviors
JPH09108555A (ja) W/o 型エマルジョン及びサスペンジョンの製造方法
Du et al. Measurement and analysis of surface tension of B/JP-10 high-energy nanofluid fuels for enhanced heat transfer in combustion
JP4151775B2 (ja) 抵抗低減効果を有する氷・水スラリーの生成方法、その輸送方法及びその輸送システム
Sun et al. Study on the coupling effect of microwave and magnetic nanoparticles on oil droplet coalescence
CN106395932B (zh) 一种耐温耐盐的三元复合驱采出水除油剂及其制备方法
Monduzzi et al. Microstructure of perfluoropolyether water/oil microemulsions
Tyusenkov et al. The effect of electrization on the properties of flowing water-oil emulsion
JPH10185379A (ja) 製氷システム又は氷蓄熱システム
Omenyi et al. Enhanced erythrocyte suspension layer stability achieved by surface tension lowering additives
CN1699157A (zh) 超分散纳米球金刚石乳化液及其制备方法
JP2000314576A (ja) W/o型エマルション及びサスペンションの製造方法
US7696252B2 (en) Process for the production of emulsions and dispersions
Chen et al. Correlation between the stability of concentrated emulsions and the interfacial free energy between the two phases