JPH09107977A - 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法 - Google Patents

新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法

Info

Publication number
JPH09107977A
JPH09107977A JP8188203A JP18820396A JPH09107977A JP H09107977 A JPH09107977 A JP H09107977A JP 8188203 A JP8188203 A JP 8188203A JP 18820396 A JP18820396 A JP 18820396A JP H09107977 A JPH09107977 A JP H09107977A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dna
gene
fragment
animal cell
promoter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8188203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4177904B2 (ja
Inventor
Nobuhito Koyama
信人 小山
Hidetomo Miyoshi
英知 三善
Yoshito Ihara
義人 井原
Atsushi Nishikawa
淳 西河
Naoyuki Taniguchi
直之 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takara Shuzo Co Ltd filed Critical Takara Shuzo Co Ltd
Priority to JP18820396A priority Critical patent/JP4177904B2/ja
Publication of JPH09107977A publication Critical patent/JPH09107977A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4177904B2 publication Critical patent/JP4177904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】配列表の配列番号:1、配列番号:2、配
列番号:3、および配列番号:4からなる群より選択さ
れるDNA又はその一部であって、かつ、動物細胞にお
いてプロモーター活性を有するDNA、該DNAと有用
遺伝子とを発現可能な状態で連結したことを特徴とする
組換えDNA、該組換えDNAを含有するベクター、該
組換えDNAを導入してなる動物細胞、該ベクターで形
質転換されてなる動物細胞、該動物細胞を有する動物、
該DNAを用いた動物細胞によるタンパク質の製造方
法、有用遺伝子の発現方法。 【効果】本発明のDNA断片をプロモーターとして用い
ることにより、目的の有用遺伝子を動物細胞において大
量に発現させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なプロモーター
および該プロモーターを用いた遺伝子発現方法に関す
る。更に詳しくは、動物細胞中で働き得る新規なプロモ
ーターを含むDNAに関するものであり、また、該プロ
モーターの下流にタンパク質をコードする核酸を連結し
て得られるDNAを含有するベクターを用いるタンパク
質の製造方法。更に、該プロモーターの下流に有用遺伝
子を連結し、得られたDNAあるいは該DNAを含有す
るベクターを動物細胞に導入することによる有用遺伝子
の発現方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動物由来の有用遺伝子産物を遺伝子工学
的に製造する場合、大腸菌、枯草菌、酵母等の微生物宿
主を用いると遺伝子が発現しなかったり、遺伝子産物で
ある蛋白が正しい立体構造をとらない、翻訳後修飾が正
しくなされない等の理由で活性を持たなかったりするこ
とがしばしば起こる。その問題の解決のために動物細胞
が宿主として用いられることが多く、この場合プロモー
ターの選択が発現効率に大きな影響を与える。従来、頻
繁に用いられてきた動物細胞用プロモーターとしては、
SV40プロモーター、サイトメガロウイルスプロモー
ター、アクチンプロモーター等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】動物細胞を宿主として
有用遺伝子産物を大量に生産する場合、従来用いられて
きた動物細胞用プロモーターは転写活性の点で必ずしも
満足のいくものではなく、更に強力なプロモーターの開
発が待ち望まれている。従って、本発明の第1の目的
は、動物細胞用のプロモーターとして強力なプロモータ
ー活性を有するDNAを提供することにある。本発明の
第2の目的は、本発明のプロモーター活性を有するDN
Aと有用遺伝子とを発現可能な状態で連結した組換えD
NAを提供することにある。本発明の第3の目的は、本
発明の組換えDNAを含有するベクターを提供すること
にある。本発明の第4の目的は、本発明の組換えDNA
を有する動物細胞および該動物細胞を有する動物を提供
することにある。本発明の第5の目的は、該プロモータ
ーを用いるタンパク質の製造方法を提供することにあ
る。本発明の第6の目的は、該プロモーターを用いる有
用遺伝子の発現方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、動物細胞
で高い転写効率を持つプロモーターを得る目的で鋭意研
究を続けたところ、ヒトのN−アセチルグルコサミニル
トランスフェラーゼIII(ヒトGnT−III)遺伝
子の上流に強力なプロモーターが存在することを見出し
た。このプロモーターを含むDNAの塩基配列を決定
し、該DNAを西洋ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流
に連結してルシフェラーゼ遺伝子の発現を行わしめたと
ころ、該プロモーターが従来知られている動物細胞用プ
ロモーターよりも遥かに強力なプロモーターであること
を確認した。本発明はかかる発見に基づきさらに研究を
進めて完成するに至ったものである。
【0005】即ち、本発明の要旨は、(1) 配列表の
配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、および配
列番号:4からなる群より選択されるDNA又はその一
部であって、かつ、動物細胞においてプロモーター活性
を有するDNA、(2) 前記(1)に記載のDNAと
ハイブリダイズすることができるDNAであって、か
つ、動物細胞においてプロモーター活性を有するDN
A、(3) 前記(1)又は(2)に記載のDNAと有
用遺伝子とを発現可能な状態で連結したことを特徴とす
る組換えDNA、(4) 有用遺伝子がタンパク質をコ
ードする核酸、アンチセンスDNA、アンチセンスRN
A、デコイをコードする核酸、およびリボザイムからな
る群より選択される核酸であることを特徴とする前記
(3)記載の組換えDNA、(5) 前記(3)又は
(4)に記載の組換えDNAを含有するベクター、
(6) ベクターがプラスミドベクター又はウイルスベ
クターであることを特徴とする前記(5)記載のベクタ
ー、(7) 前記(3)又は(4)に記載の組換えDN
Aを導入してなる動物細胞、(8) 前記(5)又は
(6)に記載のベクターで形質転換されてなる動物細
胞、(9) 前記(7)又は(8)に記載の動物細胞を
有する動物、(10) 前記(1)又は(2)に記載の
DNAの下流にタンパク質をコードする核酸を発現可能
に連結し、得られる組換えDNAを含有するベクターで
形質転換された動物細胞を培養し、次いで培養物から該
タンパク質を採取することを特徴とする動物細胞による
タンパク質の製造方法、(11) 前記(1)又は
(2)に記載のDNAの下流に有用遺伝子を発現可能に
連結し、得られる組換えDNAを動物細胞に導入し、次
いでその動物細胞を培養することを特徴とする動物細胞
による有用遺伝子の発現方法、(12) 前記(1)又
は(2)に記載のDNAの下流に有用遺伝子を発現可能
に連結し、得られる組換えDNAを含有するベクターで
動物細胞を形質転換し、次いでその動物細胞を培養する
ことを特徴とする動物細胞による有用遺伝子の発現方
法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本明細書で言う「プロモーター」とは、転写開始
点(+1)から20〜30塩基対上流にあって、正確な
位置からRNAポリメラーゼに転写を開始させる機能を
担っているTATAボックスまたはTATAボックス類
似の領域が含まれるが、必ずしもこれらの領域の前後に
限定されるものではなく、この領域以外に、発現調整の
ためにRNAポリメラーゼ以外のタンパク質が会合する
ために必要な領域を含んでいてもよい。また本明細書中
で「プロモーター領域」と記載する場合があるが、これ
は本明細書で言うプロモーターを含む領域のことを示
す。
【0007】本明細書で言う「プロモーター活性」と
は、プロモーターの下流に発現可能な状態で有用遺伝子
を連結し、宿主(動物細胞)に導入した際、宿主内また
は宿主外において有用遺伝子の遺伝子産物を生産する能
力および機能を有することを示す。一般的に、プロモー
ターの下流に、定量が容易に行えるタンパク質をコード
する遺伝子(レポーター遺伝子)を発現可能な状態で連
結させ、宿主に導入し、これらタンパク質の発現量を測
定することでプロモーターの有無や強弱をプロモーター
の活性として表す。このようにプロモーターの下流に発
現可能な状態で有用遺伝子を連結し、宿主に導入した
際、宿主内または宿主外において有用遺伝子の遺伝子産
物の発現が確認された場合、そのプロモーターは導入し
た宿主においてプロモーター活性を有することになる。
【0008】本明細書で言う「動物細胞」としてはヒト
由来の細胞が挙げられるが、本発明のプロモーターがそ
の動物細胞内においてプロモーター活性を有するもので
あれば特に限定されるものではない。例えば、ヒト以外
の哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ブ
タ、ウシ、ウマ、イヌ、サル、チンパンジー等)、鳥類
(例えば、ニワトリ、七面鳥、ウズラ、アヒル、カモ
等)、爬虫類(例えば、ヘビ、ワニ、カメ等)、両生類
(例えば、カエル、サンショウウオ、イモリ等)、魚類
(例えば、アジ、サバ、スズキ、タイ、ハタ、ブリ、マ
グロ、サケ、マス、コイ、アユ、ウナギ、ヒラメ、サ
メ、エイ、チョウザメ等)が挙げられる。
【0009】本明細書で言う「有用遺伝子」には、動物
細胞において発現可能なタンパク質をコードする核酸、
動物細胞由来の遺伝子のアンチセンスDNA又はアンチ
センスRNA、動物細胞由来の転写因子の結合タンパク
質をコードする遺伝子あるいは転写因子の結合部位の配
列または類似の配列を持つデコイをコードする核酸、動
物細胞由来のmRNAを切断するリボザイムが挙げられ
る。
【0010】動物細胞において発現可能なタンパク質を
コードする核酸としては動物由来のものが挙げられる
が、本発明においてこれは限定されるものではなく、動
物細胞において発現可能であれば、細菌類、酵母類、放
線菌類、糸状菌類、子嚢菌類、担子菌類等の微生物由来
のもの、あるいは植物、昆虫等の生物由来のものも本明
細書で言う有用遺伝子に含まれる。
【0011】本明細書で言う「デコイをコードする核
酸」とは、動物細胞由来の転写因子の結合タンパク質を
コードする遺伝子あるいは転写因子の結合部位の配列ま
たは類似の配列を持つDNAを示し、これらを「おと
り」として細胞内に導入することで転写因子の作用を抑
制するものを言う。本明細書で言う「リボザイム」と
は、特定のタンパク質のmRNAを切断するものをい
い、これら特定のタンパク質の翻訳を阻害するものを言
う。リボザイムは特定のタンパク質をコードする遺伝子
配列より設計可能であり、例えば、ハンマ−ヘッド型リ
ボザイムとしては、フェブス レター(FEBS Letter)、
第228巻、第228−230頁(1988)に記載の
方法が用いることができる。また、ハンマ−ヘッド型リ
ボザイムだけでなく、ヘアピン型リボザイム、デルタ型
リボザイムなどのリボザイムの種類に関わらず、特定の
タンパク質のmRNAを切断するもので、これら特定の
タンパク質の翻訳を阻害するものであれば本明細書で言
うリボザイムに含まれる。
【0012】本発明のプロモーター活性を有するDNA
断片の下流に有用遺伝子を有用遺伝子を発現可能な状態
で連結することにより、有用遺伝子の発現を増強するこ
とができる。即ち、本発明のプロモーター活性を有する
DNAと有用遺伝子とを発現可能な状態で連結してなる
組換えDNAがベクターを介してまたはベクターを用い
ずに導入された動物細胞において、有用遺伝子が発現す
る。ベクターとしては、プラスミドベクターまたはウイ
ルスベクターが好ましく使用される。ベクターを使用し
ない場合には、DNA断片を文献記載の方法で導入でき
る〔Virology,52, 456(1973), Molecular and Cellular
Biology, 7, 2745(1987), Journal ofthe National Ca
ncer Institute, 41, 351(1968), EMBO Journal, 1, 84
1(1982) 〕。
【0013】本発明のこのような組換えDNA断片を持
つ動物細胞およびこのような動物細胞を持つ動物も本発
明の範囲に含まれる。本発明により発現を増強すること
ができる有用遺伝子としては、前記のように例えばタン
パク質をコードするDNA、アンチセンスDNA、アン
チセンスRNA、デコイをコードするポリヌクレオチ
ド、デコイとして機能するヌクレオチド配列、リボザイ
ムなどが挙げられる。また、本発明は目的のタンパク質
を生産する方法、本発明のプロモーター活性を有するD
NA断片を使用する有用遺伝子の発現方法を開示してい
る。
【0014】即ち、本発明のプロモーター活性を有する
DNAの下流にタンパク質をコードする核酸を発現可能
に連結し、得られる組換えDNAを含有するベクターで
形質転換された動物細胞を培養し、培養物から該タンパ
ク質を採取するタンパク質の製造方法も本発明の範囲に
含まれる。同様に、本発明のプロモーター活性を有する
DNAの下流に有用遺伝子を発現可能に連結し、得られ
る組換えDNAを動物細胞に導入し、培養することによ
る有用遺伝子の発現方法、あるいは該組換えDNAを含
有するベクターで動物細胞を形質転換し、その動物細胞
を培養することによる動物細胞による有用遺伝子の発現
方法も本発明の範囲に含まれる。
【0015】本発明のDNAは、動物細胞用のプロモー
ター活性を有するものであり、配列表の配列番号:1で
示されるDNA配列の全部又はその一部を含むものであ
る。即ち、本発明のDNA断片は、新規なプロモーター
を含むDNA断片であり、該プロモーターを含む限り、
配列番号:1で示されるDNA配列の中のいかなるDN
A断片であってもよく、あるいは、配列番号:1で示さ
れるDNA配列の一部を含むいかなるDNA断片であっ
てもよい。例えば、特に限定されるものではないが、配
列番号:2で示されるDNA断片、配列番号:3で示さ
れるDNA断片、および配列番号:4で示されるDNA
断片の全部又は一部、もしくはそれらを含有するDNA
断片等が挙げられる。また、これらのDNA断片とハイ
ブリダイズすることができるDNA断片であって、動物
細胞においてプロモーター活性を有するものも、本発明
のDNA断片に含まれる。
【0016】本発明の動物細胞用のプロモーターは次の
ようにして発見されたものである。ヒトGnT−III
遺伝子は、井原ら[ジャーナル オブ バイオケミスト
リー(Journal of Biochemistry)、第113巻、第69
2〜698頁(1993年)]によって、胎児肝臓cD
NAライブラリー及びゲノムコスミドライブラリーから
単離されているのでこれらを使用した。ヒトGnT−I
II遺伝子をコードするcDNAクローンのうちH15
とH20(特開平6−62865号公報)は5’非翻訳
領域を含んでおり、この領域のDNA配列は予想される
開始コドンの上流8塩基対を除いて異なっている。ゲノ
ムクローンとしてはコスミドHug3とHug5が得ら
れており、そのうちHug3はGnT−III遺伝子の
コード領域とその上流約35kbを含んでいる。
【0017】そこでH15、H20の各々の5’非翻訳
領域をプローブとしたHug3コスミドクローンのサザ
ンハイブリダイゼーション、DNA塩基配列の解析等を
行うことによって、H15は開始コドンの上流約29k
b(H15エキソン−2)と1kb(H15エキソン−
1)、またH20は開始コドンの上流約26kb(H2
0エキソン−1)にエキソンを持つことが明らかとなっ
た。また、ヒト脳由来mRNAを鋳型としてGnT−I
II遺伝子特異的なプライマーを用いて5’−ラピッド
アンプリフィケーション オブ cDNA エンド
(RACE)を行ったところ、H15とH20ではスプ
ライシングが行われている開始コドンの上流7塩基対の
部位でスプライシングが行われていないmRNAが存在
することが判明した。このmRNAから得られたcDN
AをH204と呼ぶ。
【0018】これらの結果から、ヒトGnT−III遺
伝子転写産物は少なくとも3種類からなることが明らか
にされた。H15、H20、H204の転写に関わるプ
ロモーターは各々H15エキソン−2の上流域、H20
エキソン−1の上流域、および予想される翻訳開始点の
ゲノム上での上流域に存在すると考えられるので、西洋
ホタルルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子として
これらの領域を含むDNA断片のCOS1細胞における
プロモーター活性を測定したところ、図1(図中、ボッ
クス表示がエキソン部分で、破線がイントロン部分を示
す)に示すようにH15エキソン−2内部のHind III部
位からH20エキソン−1内部のSac II部位までを含む
H20上流域約3kb断片(これを含むプラスミドをp
PG20Bと呼ぶ)にはプロモーター活性は検出できな
かった。しかし、H15上流域のEcoR I部位からH15
エキソン−2内部のHind III部位の一部を含む約3kb
断片(これを含むプラスミドをpPG15と呼ぶ)およ
びコード域上流のSph I 部位からコード域内部のNae I
部位までを含む約1.1kb断片(これを含むプラスミ
ドをpPG204−1.1と呼ぶ)、即ちH204を含
む断片にはプロモーター活性があり、後者は前者よりも
約10倍、またSV40プロモーターよりも約1.5倍
強い活性を有することが分かった。
【0019】さらに、この1.1kb断片内にはNae I
部位から約0.8kbの位置にXhoI 部位、約0.5k
bの位置にSsp I 部位、0.2kbの位置にHinc II 部
位があり、pPG204−1.1をこれらの制限酵素の
いずれか一つと、ベクターのマルチプルクローニングサ
イトに切断部位を持つBam HIで消化するとGnT−II
I開始コドンを含む、0.8kb断片(断片Aと呼
ぶ)、0.5kb断片(断片Bと呼ぶ)、及び0.2k
b断片(断片Cと呼ぶ)を切り出すことができる。これ
らの断片は上記の1.1kb断片よりもプロモーター活
性が2〜3倍も強く、SV40プロモーターよりも3〜
5倍も強いプロモーター活性を有することが分かった。
このようにして、本発明者らは、ヒトGnT−III遺
伝子のコード域上流約0.2〜約1kbを含むDNA断
片が強いプロモーター活性を持つことを明らかにし、本
発明に到達するに至った。以下に本発明のDNA断片の
取得方法について詳細に説明する。
【0020】(1)動物細胞においてプロモーター活性
を有するDNA断片の塩基配列 ヒトGnT−III遺伝子の上流部を含むゲノムコスミ
ドクローン、例えば井原らのコスミドクローンHug3
を制限酵素Sph I とNae I (ともに宝酒造社製)で切断
し、GnT−IIIをコードする領域のすぐ上流を含む
1.1kbのDNA断片を単離する。このDNA断片は
配列番号:1に示す塩基配列を有する。この断片を有用
遺伝子との連結等の目的に使用しやすいようにプラスミ
ドベクター、たとえば、pUC19(宝酒造社製)にサ
ブクローニングする。
【0021】サブクローニングされた1.1kbSph I
−Nae I 断片(pHug5’−204)の塩基配列は、
例えばジデオキシ法[プロシーディングス オブ ナシ
ョナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ
USA(Proceeding of theNational Academy of Scie
nces of the USA)、第74巻、第5463頁(197
7)]によって決定可能である。一般に1.1kbのD
NA断片の塩基配列を1回の反応で決定することは困難
なので、適当な制限酵素でさらに細分化し、サブクロー
ニングしてジデオキシ反応を行う方法、エクソヌクレア
ーゼIIIで一連の欠失プラスミドを作製してからジデ
オキシ反応を行う方法、決定された配列をもとに順にプ
ライマーを合成してジデオキシ反応を行う方法等を用い
ることができる。本発明では、制限酵素としてBst XI、
Xho I 、Ssp I 、Kpn I 、Hinc II を用いて細分化し
(pHug5’−204の挿入断片の制限酵素地図を図
2に示す)、サブクローニングしてジデオキシ反応を行
うことによってpHug5’−204の塩基配列を配列
表の配列番号:1に示すように決定した。
【0022】この1.1kb断片内には図2に示すよう
にNae I 部位から約0.8kbの位置にXho I 部位、約
0.5kbの位置にSsp I 部位、0.2kbの位置にHi
nc II 部位があり、pHug5’−204をこれらの制
限酵素のいずれか一つと、ベクターのマルチプルクロー
ニングサイトに切断部位を持つBam HIで消化することに
より、いずれもGnT−III開始コドンを含む、配列
表の配列番号:2に示す0.8kb断片(断片A)、配
列番号:3に示す0.5kb断片(断片B)、及び配列
番号:4に示す0.2kb断片(断片C)を切り出すこ
とができる。
【0023】(2)本発明のプロモーターを含むDNA
断片の調製 上記のコスミドまたはプラスミドから制限酵素Sph I と
Nae I (ともに宝酒造社製)で消化して切り出し、ある
いはさらにXho I 、Ssp I 、Hinc II 等の制限酵素で消
化して切り出すのが最も容易な調製法である。その他、
他の制限酵素で消化する方法、超音波処理による方法、
ホスホルアミダイト法で化学合成する方法、ポリメラー
ゼ連鎖反応法等を利用して調製する方法等も利用でき
る。例えば、配列番号:1等のDNA配列から適宜プラ
イマーを調製し、ポリメラーゼ連鎖反応法により所望の
DNA断片を容易に調製することができる。
【0024】本発明のプロモーターの塩基配列を利用す
るハイブリダイゼーション法により、他の細胞由来の遺
伝子から本発明のプロモーターを得ることもできる。こ
の場合は、例えば以下の方法が適用できる。まず他の細
胞の遺伝子源から得た染色体DNAを常法に従いプラス
ミドやファージベクターに接続して宿主に導入し、ライ
ブラリーを作製する。そのライブラリーをプレート上で
培養し、生育したコロニー又はプラークをニトロセルロ
ースやナイロンの膜に移し取り、変性処理によりDNA
を膜に固定する。この膜をあらかじめ32P等で標識した
プローブ(プローブとしては、配列表の配列番号:1に
記載したDNA断片、またはその一部、例えば断片A
(配列番号:2)、断片B(配列番号:3)、または断
片C(配列番号:4)等が使用できる)を含む溶液中で
保温し、膜上のDNAとプローブとの間でハイブリッド
を形成させる。
【0025】例えばDNAを固定化した膜を、6×SS
C、1%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、100μ
g/mlのサケ精子DNA、5×デンハルツを含む溶液
中で65℃で20時間、プローブとハイブリダイゼーシ
ョンを行う。ハイブリダイゼーション後、非特異的吸着
を洗い流し、オートラジオグラフィー等によりプローブ
とハイブリッド形成したクローンを同定する。この操作
をハイブリット形成したクローンが単一になるまで繰り
返す。こうして得られたクローンの中には、目的のプロ
モーターをコードするDNAが挿入されている。
【0026】得られた遺伝子は、例えば次のように塩基
配列を決定し、得られた遺伝子が目的のプロモーターで
あるかを確認する。塩基配列の決定は、ハイブリダイゼ
ーションにより得られたクローンの場合、組換体が大腸
菌であれば試験管等で培養を行い、プラスミドを常法に
従い抽出する。これを制限酵素により切断し挿入断片を
取り出し、M13ファージベクター等にサブクローニン
グし、ジデオキシ法により塩基配列を決定する。組換体
がファージの場合も基本的に同様のステップにより塩基
配列を決定することが出来る。これら培養から塩基配列
決定までの基本的な操作法については、例えば、モレキ
ュラー クローニング ア ラボラトリー マニュアル
(Molecular Cloning A Laboratory Manual)、第2版、
T.マニアティス(T. Maniatis)、第1章、第90〜1
04頁、コールド スプリングハーバー ラボラトリー
社、1989年発行に記載されているとおりに行うこと
ができる。
【0027】得られた遺伝子が目的のプロモーターであ
るかどうかは、決定された塩基配列を本発明のプロモー
ターと比較してその相同性から推定することができる。
得られた遺伝子がプロモーターの全てを含まないと考え
られる場合には、得られた遺伝子を基にして合成DNA
プライマーを作製し、PCRにより足りない領域を増幅
したり、得られた遺伝子の断片をプローブとして、更に
DNAライブラリーまたはcDNAライブラリーをスク
リーニングすることにより、本発明のプロモーターにハ
イブリダイズするプロモーターの全コード領域の塩基配
列を決定することができる。
【0028】本発明の有用遺伝子の発現方法は、このよ
うにして得られる本発明のプロモーターの下流に有用遺
伝子を発現可能に連結して得られるDNA断片を動物細
胞に導入し、得られた細胞を培養することを特徴とする
ものである。上記のようにして調製された本発明のプロ
モーターを含むDNA断片の下流に目的の有用遺伝子を
発現可能に連結するには、DNAリガーゼやホモポリマ
ー法を利用することができる。DNAリガーゼにより連
結する場合は、例えば両者が同一の制限酵素部位を有す
るときはこの制限酵素で消化した後、例えばモレキュラ
ー クローニング ア ラボラトリー マニュアル、第
2版、T.マニアティス他著、第1章、第62頁、コー
ルド スプリング ハーバー ラボラトリー社、198
9年発行に記載された反応緩衝液中で両方のDNA断片
を混合し、DNAリガーゼを加えることにより、また両
者が同一の制限酵素部位を有しないときは末端をT4D
NAポリメラーゼ(宝酒造社製)で平滑末端化した後上
記のようにDNAリガーゼで処理することにより連結す
る。一方、ホモポリマー法を用いる場合は、制限酵素で
直鎖状にしたベクターの3’末端にターミナルデオキシ
リボヌクレオチジルトランスフェラーゼとdGTPによ
ってポリG鎖を付加し、また、インサートDNAの3’
末端には同様にポリC鎖を付加し、これらのポリG鎖と
ポリC鎖をアニールさせ、例えば塩化カルシウム法によ
り大腸菌に導入する[プロシーディングス オブ ナシ
ョナル アカデミー オブ サイエンシーズ オブ ザ
USA、第75巻、第3727頁(1978)]こと
により連結する。
【0029】本発明に使用できる目的の有用遺伝子とし
ては、例えばインターロイキン1〜12遺伝子、インタ
ーフェロンα、β、γ遺伝子、腫瘍壊死因子遺伝子、コ
ロニー刺激因子遺伝子、エリスロポエチン遺伝子、形質
転換増殖因子−β遺伝子、免疫グロブリン遺伝子、組織
プラスミノーゲン活性化因子遺伝子、ウロキナーゼ遺伝
子、西洋ホタルルシフェラーゼ遺伝子等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0030】上記のようにして得られる本発明のDNA
断片と有用遺伝子が連結したDNA断片は動物細胞用の
適当なベクターに組み込んで遺伝子発現用のプラスミド
を得ることができる。かかるベクターとしては、pTM
[ヌクレイック アシッズリサーチ(Nucleic Acids Re
search)、10巻、6715頁(1982)]、cos
202[ジ エンボ ジャーナル(The EMBO Journa
l)、第6巻、第355頁(1987)]、p9120
3(B)[サイエンス(Science)、第228巻、第81
0頁(1985)]、BCMGSNeo[ジャーナル
オブ エクスペリメンタル メディシン(Journal of E
xperimental Medicine)、第172巻、第969頁(1
990)]等が挙げられる。
【0031】得られた遺伝子発現用のプラスミドは、リ
ン酸カルシウム法[モレキュラーアンド セルラー バ
イオロジー(Molecular and Cellular Biology)、第7
巻、第2745頁(1987)]、電気穿孔法[プロシ
ーディングス オブ ナショナル アカデミー オブ
サイエンシーズ オブ ザ USA、第81巻、第71
61頁(1984)]、DEAE−デキストラン法[メ
ソッズ イン ヌクレイック アシッズ リサーチ(Me
thods in Nucleic Acids Research)、第283頁、カラ
ムら編、CRCプレス、1991年発行]、リポソーム
法[バイオテクニークス(BioTechniques)、第6巻、第
682頁(1989)]等によって適当な宿主細胞に導
入することができる。かかる宿主細胞としては、COS
1細胞、HELA細胞、CHO−21細胞、BHK−2
1細胞等が挙げられる。得られた形質転換細胞を適当な
培地で培養することにより、目的の有用遺伝子産物を効
率よく製造することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。
【0033】実施例1 井原らによって報告されているGnT−III遺伝子
[ジャーナル オブ バイオケミストリー、第113
巻、第692頁(1993)]を含むゲノム領域が挿入
されたコスミドクローンHug3を制限酵素Sph I とNa
e I (ともに宝酒造社製)で消化し、アガロースゲル電
気泳動を行った。ゲルから1.1kbの断片を切り出
し、イージートラップ(EASYTRAPTM、宝酒造社製)を用
いてDNAを回収し、この断片をSph I とHinc II で消
化したpUC19とT4DNAリガーゼで連結した後、
塩化カルシウム法によって大腸菌XL1−Blueに導
入した。得られたアンピシリン耐性菌のコロニーを拾い
あげて培養し、その菌体からアルカリ法によってプラス
ミドを調製した。pUC19のマルチプルクローニング
サイトにはHind III部位、Sph I 部位、Hinc II 部位、
Bam HI部位がこの順に互いに近接して並んでいた。プラ
スミドをBam HIとHind IIIで二重消化した後、アガロー
スゲル電気泳動において、1.1kbのHind III−Bam
HI断片を持つことを確認(この断片の塩基配列は配列番
号:1に示される配列であった)した後、該プラスミド
をプラスミドpHug5’−204とした。該プラスミ
ドで大腸菌XL1−Blueを形質転換した後、Escher
ichia coli XL1-Blue/pHug5'-204(工業技術院生命工学
工業技術研究所にFERM BP−5532として寄託
されている)を得た。
【0034】次いで、pHug5’−204をBam HIと
Hind IIIで消化し、1.1kb断片をアガロースゲルか
らイージートラップを用いて回収し、dATP、dGT
P、dCTPおよびdTTP存在下、T4−DNAポリ
メラーゼ(宝酒造社製)によって末端を平滑化した。一
方、プロモーターを欠いた西洋ホタルルシフェラーゼ遺
伝子、SV40エンハンサー、大腸菌の複製開始点及び
アンピシリン耐性遺伝子を含むプラスミドであるエンハ
ンサーベクター(東洋インキ社製)を西洋ホタルルシフ
ェラーゼ遺伝子のすぐ上流に位置するSma I 部位で消化
し、T4−DNAリガーゼによって先に回収した1.1
kb断片と連結した後塩化カルシウム法によって大腸菌
XL1−Blueに導入した。
【0035】1.1kb断片の挿入の向きを調べる目的
でアンピシリン耐性菌からアルカリ法でプラスミドを調
製し、Xho I で消化してアガロースゲル電気泳動を行っ
た。制限酵素地図から1.1kb断片が西洋ホタルルシ
フェラーゼ遺伝子と同じ向きに挿入されていれば0.8
kb断片が、逆向きに挿入されていれば0.3kb断片
が観察されると予想されるので、0.8kbXho I 断片
を持つプラスミドを選び出すことによってpPG204
−1.1を得た。
【0036】100μg/mlのアンピシリンを含むL
B培地[1%バクトトリプトン、0.5%バクトイース
トエキストラクト(共にディフコ社製)、0.5%Na
Cl]が200ml入った2リットル容三角フラスコに
pPG204−1.1を保持する大腸菌を接種し、37
℃で1晩振盪培養し、モレキュラー アンド セルラー
バイオロジー、第7巻、第2745頁(1987)に
記載の塩化セシウム平衡密度勾配遠心法によってプラス
ミドを調製した。10cmペトリディッシュ1枚当たり
20μgのpPG204−1.1をモレキュラー アン
ド セルラーバイオロジー、第7巻、第2745頁(1
987)に記載のリン酸カルシウム法でCOS1細胞
(ATCC CRL 1650)にトランスフェクトし
た。
【0037】トランスフェクトされたCOS1細胞のル
シフェラーゼ活性は、ピッカジーンキット(東洋インキ
社製)を用い、キットの説明書の指示に従って測定し
た。トランスフェクションの48時間後にキットの細胞
溶解液0.7mlに細胞を懸濁し、その上清20μlと
発光基質100μlを混合してただちに液体シンチレー
ションカウンターで発光強度を測定した。ポジティブコ
ントロールとしてキットに含まれるコントロールベクタ
ー(SV40プロモーター)、ネガティブコントロール
としてエンハンサーベクターでトランスフェクトした細
胞を用いた。
【0038】その結果、本発明のDNA断片を用いたも
の(pPG204−1.1)は、SV40プロモーター
よりも遙かに強いプロモーター活性をもっていた。
【0039】 相対発光強度(%) エンハンサーベクター 0.4 SV40プロモーター 100 pPG204−1.1 156
【0040】実施例2 pHug5’−204をXho I で消化し、dATP、d
GTP、dCTP及びdTTP存在下、T4−DNAポ
リメラーゼによって末端を平滑化し、更にBamHIで消化
してアガロースゲル電気泳動の後、0.8kb断片(断
片A)をイージートラップを用いて回収した。また、p
Hug5’−204をSsp I とBam HIで消化して0.5
kb断片(断片B)、及びHinc II とBam HIで消化して
0.2kb断片(断片C)を断片Aと同様に回収した。
【0041】断片Aは配列番号:1のDNA断片の第3
00番目のCから第1116番目のCまでの817bp
のDNA断片であり、断片Bは配列番号:1のDNA断
片の第595番目のAから第1116番目のCまでの5
22bpのDNA断片であり、断片Cは配列番号:1の
DNA断片の第917番目のGから第1116番目のC
までの200bpのDNA断片である。断片A、断片
B、または断片CをSmaI とBam HIで消化したエンハン
サーベクターと連結し、大腸菌XL1−Blueに導入
した。得られたアンピシリン耐性株からプラスミドDN
Aを抽出し、ScaI とHind IIIで切断して目的の断片が
挿入されていることを確認した。即ち、断片Aが挿入さ
れていると2.0kb、断片Bが挿入されていると1.
7kb、断片Cが挿入されていると1.4kbの断片が
見られる。このようにして断片Aを持つpPG204−
0.8、断片Bを持つpPG204−0.5、及び断片
Cを持つpPG204−0.2を得た。
【0042】pPG204−0.8、pPG204−
0.5、及びpPG204−0.2を保持する大腸菌か
ら実施例1と同様に塩化セシウム平衡密度勾配遠心法で
プラスミドを調製し、COS−1細胞をトランスフェク
トした。トランスフェクトされたCOS−1細胞抽出物
のルシフェラーゼ活性を実施例1と同様の方法で測定し
た。但し、発光強度はルミノメーター(LB 950
1、ベルトールド社製)で測定した。その結果、縮小化
した断片は1.1kbのSph I −Nae I 断片に比べて2
倍〜3倍のプロモーター活性を有していた。
【0043】 相対発光強度(%) pPG204−1.1 100 pPG204−0.8 316 pPG204−0.5 333 pPG204−0.2 219
【0044】
【発明の効果】本発明のDNA断片をプロモーターとし
て用いることにより、目的の有用遺伝子を動物細胞にお
いて大量に発現させることができる。
【0045】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1116 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列: GCATGCGCCA CTACACTCAG CTACTTTGTA TTTTTAGTAG AGACAGGGTT TCACCATGTT 60 GGCCAGGCTG GTCTCGAACT CCTGACCTTG TGATCTGCCC ACCTCGGCCT CCCAAAGTGC 120 TGGGATTATA GGCGTGAGCC ACTGCACTGG CCGACCTCAA ATTTTTATGC CTGGAGATTA 180 GTAAAGGGCA TGGAATAATG AAGGGGAACT TTTATTTTAT TTTGTTTTTG AGATAGGGTC 240 TCAGTCTGTT GTCCAGGCTG GGGCGCAGTG GTGCAATCAT GGCTCACTGC AGCCTCAACC 300 TCGAGGTCTC AAGTGATCCT CCCACCTCAC CTCAGCCTCC TAAGTAGCTG GGACCACAAG 360 CACATGGCAC CACACCTGGC ACCACACCTG GCTAATTTTT AAATTTTCTG TAGAGATGGG 420 GTCTCACTAT GTTGTCCAGC TGGTCTCAAA CTCCTGGGCT CAAGTGATCC TCCTGCCTCA 480 GCCTCTGAAG GTGTTGGGAT TACAGGCGTG AGCACCACGC CTGGCCTAAT TTTATTCATT 540 AAATATGTTA GAATTAAGTG TTTTCCCTTG AGACCTGTGA GTTTTTCAGT GAAAAATATT 600 CAAAAGGTTT GTCAGTATGT CCATAAAAAA GAAGATAGGA GGGGAGGGAC AGGACCCAGG 660 AGGGCAGCCT ACAGCCTGCT CTCCCCGTTC TGTCCTGGGG CGGAGTCTGT ACTGCGAGTT 720 GAGCTTTTCC CAAGTCGTCA TGTTACTCCT GGAGCCAAGC CTAGCAGTGC AGCCTCACAG 780 TCAGGTTGGG GTGGTCCAGC GGAGAAGCAG GCTGCAGAGG GGGCAGGGTG GTGGCCTGGG 840 GATCTCAGGG AAGGGCTATG GGAGCACGGC GGTGTCCTCA GTGCTGGGGC TTTCAGGGGC 900 CTTGGTACCG CGAGTTGACT CTTGGGGGCA GGAGGTCACT CCATGCAGGG GCAGCAGGTG 960 CTGGCCACCA CATTGTCCAG CAAGGTGGCA GCAGAGGCCT CCTAGGTCCC CTTCCTAGGA 1020 AAGGAGCCTG GGCTGCCCTG ATGAGTCTCC TGTCTCTCTC TCTCCCGCAG GATGAAGATG 1080 AGACGCTACA AGCTCTTTCT CATGTTCTGT ATGGCC 1116
【0046】配列番号:2 配列の長さ:817 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列: CTCGAGGTCT CAAGTGATCC TCCCACCTCA CCTCAGCCTC CTAAGTAGCT GGGACCACAA 60 GCACATGGCA CCACACCTGG CACCACACCT GGCTAATTTT TAAATTTTCT GTAGAGATGG 120 GGTCTCACTA TGTTGTCCAG CTGGTCTCAA ACTCCTGGGC TCAAGTGATC CTCCTGCCTC 180 AGCCTCTGAA GGTGTTGGGA TTACAGGCGT GAGCACCACG CCTGGCCTAA TTTTATTCAT 240 TAAATATGTT AGAATTAAGT GTTTTCCCTT GAGACCTGTG AGTTTTTCAG TGAAAAATAT 300 TCAAAAGGTT TGTCAGTATG TCCATAAAAA AGAAGATAGG AGGGGAGGGA CAGGACCCAG 360 GAGGGCAGCC TACAGCCTGC TCTCCCCGTT CTGTCCTGGG GCGGAGTCTG TACTGCGAGT 420 TGAGCTTTTC CCAAGTCGTC ATGTTACTCC TGGAGCCAAG CCTAGCAGTG CAGCCTCACA 480 GTCAGGTTGG GGTGGTCCAG CGGAGAAGCA GGCTGCAGAG GGGGCAGGGT GGTGGCCTGG 540 GGATCTCAGG GAAGGGCTAT GGGAGCACGG CGGTGTCCTC AGTGCTGGGG CTTTCAGGGG 600 CCTTGGTACC GCGAGTTGAC TCTTGGGGGC AGGAGGTCAC TCCATGCAGG GGCAGCAGGT 660 GCTGGCCACC ACATTGTCCA GCAAGGTGGC AGCAGAGGCC TCCTAGGTCC CCTTCCTAGG 720 AAAGGAGCCT GGGCTGCCCT GATGAGTCTC CTGTCTCTCT CTCTCCCGCA GGATGAAGAT 780 GAGACGCTAC AAGCTCTTTC TCATGTTCTG TATGGCC 817
【0047】配列番号:3 配列の長さ:522 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列: AATATTCAAA AGGTTTGTCA GTATGTCCAT AAAAAAGAAG ATAGGAGGGG AGGGACAGGA 60 CCCAGGAGGG CAGCCTACAG CCTGCTCTCC CCGTTCTGTC CTGGGGCGGA GTCTGTACTG 120 CGAGTTGAGC TTTTCCCAAG TCGTCATGTT ACTCCTGGAG CCAAGCCTAG CAGTGCAGCC 180 TCACAGTCAG GTTGGGGTGG TCCAGCGGAG AAGCAGGCTG CAGAGGGGGC AGGGTGGTGG 240 CCTGGGGATC TCAGGGAAGG GCTATGGGAG CACGGCGGTG TCCTCAGTGC TGGGGCTTTC 300 AGGGGCCTTG GTACCGCGAG TTGACTCTTG GGGGCAGGAG GTCACTCCAT GCAGGGGCAG 360 CAGGTGCTGG CCACCACATT GTCCAGCAAG GTGGCAGCAG AGGCCTCCTA GGTCCCCTTC 420 CTAGGAAAGG AGCCTGGGCT GCCCTGATGA GTCTCCTGTC TCTCTCTCTC CCGCAGGATG 480 AAGATGAGAC GCTACAAGCT CTTTCTCATG TTCTGTATGG CC 522
【0048】配列番号:4 配列の長さ:200 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列: GACTCTTGGG GGCAGGAGGT CACTCCATGC AGGGGCAGCA GGTGCTGGCC ACCACATTGT 60 CCAGCAAGGT GGCAGCAGAG GCCTCCTAGG TCCCCTTCCT AGGAAAGGAG CCTGGGCTGC 120 CCTGATGAGT CTCCTGTCTC TCTCTCTCCC GCAGGATGAA GATGAGACGC TACAAGCTCT 180 TTCTCATGTT CTGTATGGCC 200
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のプロモーターを含むDNA
(pPG204−1.1)とヒトGnT−III遺伝子
cDNA(H15、H20等)との関係を示した概略図
である。
【図2】図2は、pHug5’−204の挿入断片の制
限酵素地図を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 C12N 5/00 B (C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 9/02 C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (72)発明者 西河 淳 大阪府豊中市新千里南町3丁目8番 A5 −401号 (72)発明者 谷口 直之 大阪府豊中市上野東2丁目19番32−201号

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号:1、配列番号:2、
    配列番号:3、および配列番号:4からなる群より選択
    されるDNA又はその一部であって、かつ、動物細胞に
    おいてプロモーター活性を有するDNA。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDNAとハイブリダイ
    ズすることができるDNAであって、かつ、動物細胞に
    おいてプロモーター活性を有するDNA。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のDNAと有用遺
    伝子とを発現可能な状態で連結したことを特徴とする組
    換えDNA。
  4. 【請求項4】 有用遺伝子がタンパク質をコードする核
    酸、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、デコイ
    をコードする核酸、およびリボザイムからなる群より選
    択される核酸であることを特徴とする請求項3記載の組
    換えDNA。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の組換えDNAを
    含有するベクター。
  6. 【請求項6】 ベクターがプラスミドベクター又はウイ
    ルスベクターであることを特徴とする請求項5記載のベ
    クター。
  7. 【請求項7】 請求項3又は4に記載の組換えDNAを
    導入してなる動物細胞。
  8. 【請求項8】 請求項5又は6に記載のベクターで形質
    転換されてなる動物細胞。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の動物細胞を有す
    る動物。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2に記載のDNAの下流
    にタンパク質をコードする核酸を発現可能に連結し、得
    られる組換えDNAを含有するベクターで形質転換され
    た動物細胞を培養し、次いで培養物から該タンパク質を
    採取することを特徴とする動物細胞によるタンパク質の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1又は2に記載のDNAの下流
    に有用遺伝子を発現可能に連結し、得られる組換えDN
    Aを動物細胞に導入し、次いでその動物細胞を培養する
    ことを特徴とする動物細胞による有用遺伝子の発現方
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1又は2に記載のDNAの下流
    に有用遺伝子を発現可能に連結し、得られる組換えDN
    Aを含有するベクターで動物細胞を形質転換し、次いで
    その動物細胞を培養することを特徴とする動物細胞によ
    る有用遺伝子の発現方法。
JP18820396A 1995-06-30 1996-06-28 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法 Expired - Fee Related JP4177904B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18820396A JP4177904B2 (ja) 1995-06-30 1996-06-28 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18775395 1995-06-30
JP7-187753 1995-06-30
JP7-233364 1995-08-17
JP23336495 1995-08-17
JP18820396A JP4177904B2 (ja) 1995-06-30 1996-06-28 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09107977A true JPH09107977A (ja) 1997-04-28
JP4177904B2 JP4177904B2 (ja) 2008-11-05

Family

ID=27325945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18820396A Expired - Fee Related JP4177904B2 (ja) 1995-06-30 1996-06-28 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4177904B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP4177904B2 (ja) 2008-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20220162647A1 (en) Method for inducing targeted meiotic recombinations
JP6831797B2 (ja) メチロトローフ酵母の遺伝子操作の発現構築物および方法
EP3636753B1 (en) Method for manufacturing dna-edited eukaryotic cell
JP3966903B2 (ja) ハムスターの強力な同種プロモーター
CN107164375B (zh) 一种新型向导RNA表达盒及在CRISPR/Cas系统中的应用
JP2022548062A (ja) 亢進したdna産生を有する修飾型細菌レトロエレメント
KR20240055073A (ko) 클래스 ii, v형 crispr 시스템
EP2139995B1 (en) Polynucleotides for enhancing expression of a polynucleotide of interest
AU4694399A (en) Vector construction by host cell-mediated recombination
JP4364474B2 (ja) 哺乳動物において機能的なトランスポゾン
JPH09107977A (ja) 新規なプロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法
Lee et al. Characterization of mouse peroxiredoxin I genomic DNA and its expression
EP0753579B1 (en) Novel promoter and method of gene expression using the same
Boybek et al. Novel site-specific DNA modification in Streptomyces: analysis of preferred intragenic modification sites present in a 5.7 kb amplified DNA sequence
US20190218533A1 (en) Genome-Scale Engineering of Cells with Single Nucleotide Precision
KR102302827B1 (ko) 크리스퍼 간섭을 이용한 유전자 발현 억제용 조성물
EP2516653A1 (en) Promoter sequences
JP2007159568A (ja) プロモーターおよび該プロモーターを用いた遺伝子発現方法
KR20230058482A (ko) 표적 dna의 편집 방법, 표적 dna가 편집된 세포의 제조 방법, 및 그것들에 사용하는 dna 편집 시스템
JP2003210173A (ja) 新規プロモーター
EA040859B1 (ru) Способ получения эукариотических клеток с отредактированной днк и набор, используемый в этом способе
Staubli et al. Structure and chromosomal localization of the mouse oncomodulin gene
JP2002085076A (ja) シネコシスチスpcc6714由来のプロモーター
JP2000342263A (ja) ハイグロマイシン耐性遺伝子及び形質転換されたCandida属酵母

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040204

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040330

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080715

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080825

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees