JPH09105874A - 超小型機械式デバイス用弾性体要素 - Google Patents

超小型機械式デバイス用弾性体要素

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JPH09105874A
JPH09105874A JP8232118A JP23211896A JPH09105874A JP H09105874 A JPH09105874 A JP H09105874A JP 8232118 A JP8232118 A JP 8232118A JP 23211896 A JP23211896 A JP 23211896A JP H09105874 A JPH09105874 A JP H09105874A
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alloy
nitrogen
amorphous
elastic element
film
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JP8232118A
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John H Tregilgas
エイチ.トレジルガス ジョン
Thomas W Orent
ダブリュ.オレント トマス
Shuichi Yoshihara
秀一 吉原
Richard L Knipe
エル.ナイプ リチャード
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Texas Instruments Inc
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Texas Instruments Inc
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    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic Table or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
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    • G02B26/0841Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD the reflecting element being moved or deformed by electrostatic means

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディジタルマイクロミラー装置など超小型機
械式デバイスに適した弾性体要素(24)の材料の組成
と製法を開示する。 【解決手段】 超小型機械式デバイスには、可動要素
(26)とそれを結合しかつ駆動する弾性体要素(2
4)が含まれる。可動要素は頻繁に繰り返し動作をする
ので、弾性体要素は永久に撓んでしまい、つまり変形し
てしまい、デバイスは満足な動作をしなくなる。多結晶
質膜あるいは非晶質膜のいずれかの金属膜を形成するた
め、窒化アルミニウム合金および非アルミニウム合金を
使用することができ、この金属膜から弾性体要素を形成
する。これらの合金は、等方性の弾性体特性を備え、引
張強さが大きく、堆積した場合は平滑な膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超小型機械式デバイ
スに関し、より詳細には超小型機械式デバイスのヒンジ
と弾性体要素とに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に超小型機械式デ
バイスには、基板上につくられ、可動部分を備えた超小
型のデバイスが含まれている。かかるデバイスの一例
は、超小型ディジタルミラー装置つまりDMDである。
他の例には、超小型振動計、超小型電動機、歯車が含ま
れている。これらの構造体のいくつかには、ヒンジとか
はりのような、支持要素が含まれており、超小型機械の
別の構成部品はこの支持要素から吊り下げられている。
【0003】吊り下げられた構成部品が繰り返して動作
するためには、ヒンジあるいははりが弾性体の性質を持
つと同時に強靭でなければならない。吊り下げられた構
成部品が動くことができるように可撓性(flexibility
)が要求される。ヒンジあるいははりが強靭でない
と、吊り下げられた構成部品が動きの方向に永久に曲げ
られたままになってしまうか、可塑性的に(plasticall
y )変形してその寸法が変化してしまうであろう。
【0004】この挙動を説明するため各種の理論が提案
されており、その理論には、結晶転位の微小滑り(micr
oslip of dislocations )、他側に比較して1側の結晶
粒界(grain boundary)の酸化の程度をより大きくする
こと、あるいは表面膜の成長までも含まれている。
【0005】窒素や他の元素とアルミニウムとの合金を
使用して特注化合物(ordered compounds )の混合物を
形成することが提案されている。これらの種類の化合物
の一例として、共通譲渡された特許出願第08/33
9,363号「はりを改良した超小型機械式デバイス
(Micromechanical Device Having an Improved Bea
m)」を参照することができる。これらの種類の処理の
目標は、面心立方(FCC)結晶構造よりスリップ抵抗
が大きいある種の金属間合金を開発することであった。
しかし、上述した技術的課題を克服するとともに、非晶
質Al- N 合金に観察されるウイスカ(whiskers)や
ヒルロック(hillocks)などの製造上の欠陥も考慮にい
れて、さらに優れた改良をおこなう必要がある。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明の1つのアスペクトは、
超小型機械式デバイス用弾性体要素である。このデバイ
スには、固定要素と可動要素とが含まれ、これらの要素
は弾性体要素によって結合されている。この要素は、金
属膜を形成する窒化アルミニウム合金あるいは非アルミ
ニウム合金を使用して形成され、弾性体要素はこの金属
膜から形成される。膜は非晶質あるいは多結晶質のいず
れかでよい。
【0007】本発明の1つの利点は、等方性の弾性体特
性を備えた弾性体要素を提供することである。
【0008】本発明の別の利点は、引張強さが大きな弾
性体要素を提供することである。
【0009】本発明の別の利点は、堆積した場合に平滑
な表面を提供することである。
【0010】本発明の別の利点は、容易にドライエッチ
ングできる元素で構成された弾性体要素を提供すること
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明とその利点をより良く理解
するために、添付の図面と共に以下の説明を参照された
い。
【0012】超小型機械式空間的光変調器の一部の平面
図を図1に示す。かかるデバイスのアレイが基板10の
上にモノリシックにつくられる。各ピクセル12は、2
つの対抗する角でヒンジ20a、20bにより支持され
る偏向可能な物体(diflectable mass)、この場合はミ
ラー14から構成される。ヒンジ20a、20bは、金
属の「はり(beam)」によって一緒に結合されることが
多く、この金属のはりは、ヒンジを形成するのに使用さ
れる同一の金属の層からパターニングされており、この
パターンの上に金属ミラーが堆積する。このミラーの下
の基板表面上に2つのアドレス電極があり、18a、1
8bの線に従ってアドレス指定される。ミラー14は電
気的に導通であり一定のバイアスに維持されている。
【0013】電極18a、18bのいずれかにバイアス
が印加されると、ミラーは、静電吸引力によってその電
極に吸引され、その電極の方向に偏向する。偏向動作は
ヒンジ20a、20bによって可能になるのであるが、
これらのヒンジが撓んで、つまり変形してミラーの総体
(mass)が動くことを可能にしている。ミラーがランデ
ィング電極16a、16bの1つの台あるいは他の1つ
の台につくまでミラーは動くが、電流が流れることを防
止するため、ランディング電極はミラーと同じバイアス
に維持されている。
【0014】この例の超小型機械式空間的光変調器は超
小型ディジタルミラーデバイス(DMD:以前は変形可
能ミラーデバイスとして知られている)である。しか
し、応力の性質や、動作の自由度を可能にするヒンジや
ミラーの他の部分の特性は、固定構成部品に固定されて
いる可動構成部品に結合した弾性体要素を備えた超小型
機械式デバイスのすべての種類に適用可能である。
【0015】これらのデバイスは、米国特許第5,06
1,049号に非常に詳細に説明されているモノリシッ
ク製造工程から得られる。ここでこの特許に言及するこ
とによりこの特許の開示内容を本願に明確に組み入れる
ことにする。考察をわかり易くするため、この製造工程
は単純化されている。デバイスの側面図を図2に示す。
【0016】基板10の上に本デバイスのアレイがつく
られるが、基板10は最初にCMOSアドレス回路でつ
くられていなければならない。普通、M3と呼ぶ金属層
がCMOSウェハーの上に堆積して電極を形成する。つ
いで空間形成材料(spacingmaterial)として機能する
フォトレジスト層が塗布され、その中にバイアが形成さ
れる。厚さが500オングストローム(A)から700
Aの金属薄膜24が空間形成材料の上に堆積する。この
金属薄膜がパターニングされエッチングされて、ヒンジ
と、各ミラー用の2つのヒンジを結合するはりとを形成
する。最後の金属層が堆積すると、この金属層は空間形
成材料のバイアをほぼ完全に埋めて支柱28(support
post)を形成する。この層がパターニングされエッチン
グされると、ヒンジに結合されている金属のはりによっ
てミラーが下方に支持され、ヒンジはつぎに支柱に結合
される。
【0017】ミラーが自由に動くことを可能にするた
め、普通、プラズマエッチングを使用して空間形成材料
がエッチングされて、エアギャップ22をつくり、ミラ
ーはこのエアギャップの上に吊り下げられる。デバイス
のアレイの全体がウェハーの上につくられると、超小型
可動ミラーのアレイがつくられ、このアレイの各1つの
ミラーが、他の用途の間で表示される画像やプリントさ
れる画像のピクセルを制御することができる。たとえ
ば、ある画像を形成するには、各ミラーはディスプレイ
表面に向かってあるいはディスプレイ表面から外れた方
向に光が向くように制御される。各ミラーによってどの
くらい強い光がディスプレイ表面に向けられるかによっ
て、そのピクセルの輝度が決定される。このように全ア
レイを制御することにより、画像が形成される。
【0018】しかし、ディスプレイ表面に向かってかつ
ディスプレイ表面から外れた方向にミラーを回転させる
ことは、適切なアドレス指定信号に応答してヒンジを繰
り返し撓めなければならない。このため、ヒンジが1つ
の方向または他の1つの方向に永久に曲がってしまう、
つまり永久に変形してしまう可能性があり、そうすると
ミラーは光の小部分を、常に画面に向かって、または画
面から外れた方向のいずれかに向けることになるから、
画像品質が低下することになる。
【0019】図3aから図3fに示すようなマルチレベ
ルDMDなど別の構造体であっても、この技術的課題が
存在する。マルチレベルDMDは、シングルレベルDM
Dと同じ初期工程で形成される。図3aは、電極層30
を覆う保護酸化物32の上の空間形成層34の初期形成
を示している。電極層30は基板10の上にある。バイ
ア35は、シングルレベルデバイスとまったく同様に空
間形成層34に刻まれる。
【0020】図3bに示すように、ついで金属膜24が
空間形成材料の上とバイア35の中に堆積して支柱28
を形成する。この膜は前とまったく同様にヒンジとはり
とを形成するが、本実施例においては、このヒンジとは
りよりも1レベル上にミラーが形成されるので、このヒ
ンジとはりとはデバイスの電気的能動レベルにあるであ
ろう。図3cに示すように次の工程においては、より厚
い金属の層が堆積し、パターニングされかつエッチング
されて、ヒンジ、支柱キャップ36、ヨーク38を形成
する。
【0021】図3dにおいて、この金属のヨーク層は空
間形成材料の別の層40で覆われる。バイア42がヨー
ク38の直上の空間形成材料中に形成される。図3eに
おいて、最終金属層が堆積し、パターニングされかつエ
ッチングされて、ミラー44を形成した後のミラーを示
しており、このミラーはバイアの中に形成された支柱4
6によって支持される。図3fに示すように、最後に空
間形成材料がエッチングで除かれると、基板と能動ヨー
クとの間にギャップ22aが残り、能動ヨークとミラー
との間にギャップ22bが残る。本実施例においても、
ヒンジとはりの金属膜24が撓んで、ヨークが2つの方
向のいずれかに偏向することを可能にしている。ヨーク
が撓むと、ミラーは希望する通りに動く。しかし、永久
の撓み、つまり永久の変形に関する同じ技術的課題が発
生する。
【0022】以前はこの課題に対する解決策を、ヒンジ
とはりとに使用される金属膜を形成することに求めてい
た。普通、ミラーは、反射率が高いある種のアルミニウ
ム合金である。はりとヒンジは、不純物を含んだあるい
は不純物を含まないチタン合金/タングステン合金から
形成されていた。これらの合金の種類の一例は、共通所
有の米国特許出願第08/395,562号の中に見る
ことができる。その上、ヒンジの変形つまり撓みは微小
滑りによって発生するという理論に従って、窒素などの
不純物が合金の強度を大きくするために使用され、微小
滑りに対する良好な抵抗をつくり出してきた。これらの
合金の例は、共通所有の米国特許出願第08/339,
363号の中に見ることができる。
【0023】ガラスに代表されるように、非晶質材料
は、広い距離範囲にわたって原子の規則性が欠如してい
るもの(a lack of long range atomic order )、つま
り原子配列の周期性の欠如(a lack of atomic periodi
city)しているものとして定義されている。隣接原子と
の間に狭い距離範囲の規則性はあるが、原子配列の規則
性の程度は距離と共に減少するので、3番目に近い位置
にある隣接原子に対してはより不確定性が大きくなり、
4番目に近い位置にある隣接原子に対してはさらに大き
な不確定性が存在する。非晶質材料は、X線回析、電子
回析、透過電子顕微鏡(すなわち、TEM)を含むいろ
いろな技術によってその特徴を示すことができる。窒素
をドーピングしたアルミニウムチタン合金(titanium a
luminide)の膜は非晶質でありかつ多結晶質であるが、
これのX線回析スペクトルの例を図5、6に示す。図5
に示すように、非晶質膜は1つの広いピークを示してい
るが、多結晶質膜は、図6に示すように、同じ位置でシ
ャープなピークを示しており、さらにいくつかの別の小
さな第2のピーク、つまり2次の反射を示している。非
晶質材料の試料に対するX線回析および電子回析のパタ
ーンは、強度が均一の1つか2つの散乱リング(diffus
e ring)のパターンによって支配されているのに対し、
結晶質材料は個々のスポットのパターンつまりスポット
のリングは巾がより微小である。TEM顕微鏡写真は、
傾斜を伴う変化をしない均一なコントラストの層を示し
ており、結晶粒界や結晶転位は現れていない。
【0024】窒素不純物を添加した用途には、当初、結
晶質構造体が望ましいと考えられた。しかし、実験の結
果、当初は望ましいとされた非FCC多結晶質構造体を
上回るいくつかの利点を持つ別の構造体が判明した。ア
ルミニウムあるいはチタン/タングステン以外の非晶質
あるいは多結晶質の多成分合金(multicomponet alloy
)が格段に優れていることが判明した。
【0025】アルミニウム合金の反応性窒化処理を使用
すると、分散強化合金(Dispersionhardening alloy)
つまり非晶質合金という確定的な解が得られる。また反
応性窒化処理は、アルミニウム以外の材料を使用して、
たとえば、スパッタリングの時、ケイ素- チタン(Sili
con-titanium)ターゲットを使用して非晶質の合金をつ
くり出すことに使用できる。このような合金を改良する
と結晶粒がより小さく強靭な合金のヒンジをつくり出せ
るように思われるとともに、また以前に使用されていた
チタン- タングステン- 窒素のヒンジよりエッチングが
容易になるようにも思われる。
【0026】Al- Si(1%)- Ti(0. 2%)と
Al- Ti(0. 5%)のアルミニウム合金をスパッタ
リングターゲットに使用すると、金属膜をスパッタリン
グする時に使用するアルゴンガスにいろいろなパーセン
テージの窒素ガスを添加して使用する各ターゲットに対
して、1つの範囲の窒化合金薄膜がつくり出される。両
方式において、アルゴンスパッタガス中で窒素が約10
%と低いパーセンテージのとき、多結晶質構造体は、歪
んだ(strained)アルミニウムの多結晶質構造体にな
る。これらの膜は、窒素を含まないアルミニウムの膜の
結晶粒が約1000Aから10000Aであることに比
較して、かなり小さい結晶粒(約100Aから1000
A)の大きさを示している。
【0027】窒素が高いパーセンテージのとき、Alの
結晶構造がもはや支配的でなくなるまでさらに歪が発生
して、非晶質金属が観察される。スパッタガス中で、窒
素が約50%と非常に高いレベルにあるとき、光学的透
明度に基づく色で立証されるとおり、薄膜は多結晶質A
l- N になるようである。これらの膜の結晶粒の大き
さは、100Aから200Aの範囲にある。上で考察し
たAl- Si(1原子%)- Ti(0. 2原子%)合金
では、FCC結晶構造から非晶質結晶構造への変化は、
アルゴンスパッタガス中の窒素が約15%のときに発生
し、Al- Ti(0. 5原子%)合金では、スパッタガ
ス中で窒素が20%から30%の間にあるとき、この変
化が発生する。後者の合金の場合、このシフトは1%の
ケイ素が存在しないことに起因するようである。
【0028】アルゴンスパッタガス中の窒素が約10%
のとき、Al- Si(1原子%)-Ti(0. 2原子
%)を使用してスパッタリングされた窒素含有率の小さ
い合金で、少ししか欠陥がない実用的なDMDデバイス
が生産された。スパッタガス中の窒素が22%の場合の
実験を1回行ったところ、焼なまし工程中にウイスカが
形成された。125℃から200℃で焼なましした場
合、非晶質の窒化アルミニウムを低温で焼なましするこ
とはウイスカを成長させる傾向があるが、非晶質でない
合金ではそのような傾向はない。
【0029】非晶質合金に対するウイスカの形成を克服
するため、スパッタリングに使用する合金ターゲットを
変更した。スパッタガス中の窒素を約10%と約50%
にするとともに、セラック(登録商標)Al- Ti(2
5原子%Ti)が使用された。これらの窒化合金は非晶
質であり、これには窒素濃度が高い合金が含まれてお
り、この種の合金は着色しかつ光学的に透明に見える。
200℃で24時間の焼なまし中、これらの非晶質合金
のいずれにもウイスカの形成は認められなかった。また
非晶質合金膜は、意図して窒素を添加せずに、このター
ゲットを使用して低温成長によりつくり出された。組成
分析で、約1. 3% のレベルの酸素と窒素が残存して
いることが示された。これらの不純物は、セラック(登
録商標)ターゲットを製造するときに使用される粉末か
ら発生する。
【0030】その上非晶質の場合、滑り面(slip plane
s )、つまり滑りに対する結晶転位(dislocations for
slip )がないので、これらの膜の引張強さは非晶質に
することにより改善されたようである。沈下(sag )
は、空間形成材料の上のAl合金の応力分布によって制
御されるが、スパッタリング条件によって変わることが
ある。空間形成材料の上に堆積した金属膜の圧縮性応力
が大きいと、沈下が起こる傾向があるが、引張応力は沈
下を防止する傾向がある。非晶質の膜をつくることによ
り、引張強さは大きくなる。0%から10%の窒素を含
むアルゴンの中でスパッタリングされるAl- Ti(2
5 原子% Ti)の合金はフォトレジストに堆積した
場合引張応力を持つ傾向があるので、通常は沈下しな
い。金属膜の応力対全スパッタガス圧力の図を図4に示
す。ここで正の値は引張応力を表す。この図からわかる
ように、0%から10%の窒素を含んだ膜は圧縮性応力
がほとんど無いかまったく無いので平らなヒンジにな
る。
【0031】スパッタリングでつくられたTiAl3
膜は、粉末のターゲットから発生した酸素と窒素の残存
レベルを示している。この残存レベルは、型で固めたタ
ーゲットを使用することにより減少させることができ
る。膜中の窒素レベルはスパッタガス中の窒素レベルよ
りも遥かに高くてもよい。たとえば、アルゴン中の10
%の窒素は、反応性スパッタリングでつくられた膜の中
では18原子%の窒素以上のレベルになっている。正確
な組成は蒸着パラメータ(deposition parameters )と
蒸着条件とによって決まる。
【0032】したがって、固定部分と可動部分との間に
弾性体結合要素を必要とする超小型ディジタルミラーデ
バイスやその他のデバイスなど、デバイスの機械的要素
または構造体要素としての用途には、約0. 1原子%か
ら約45原子%のレベルの窒素を含有したTiAl
3 (N)の合金を使用することが望ましい。また完全に
窒化された合金も使用できる可能性がある。
【0033】また、高温で再結晶質化させる可能性を備
えた非晶質合金の安定化を助けるため、共有結合用のケ
イ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素、または炭素などの
不純物をアルミニウム窒素合金に添加することも望まし
い。さらに、材料が多結晶質の場合、ニッケル、亜鉛、
マグネシウムまたはチタンなど他の不純物を添加して金
属間化合物を形成し、強度を高めることが望ましい。こ
れらの化合物の例には、AlNy 、(Al3 Ti)
y ,(Al:(SiTi))N、(Al:(Q,
Z))Ny があるが、ここでyは、0と1. 0との間を
変わることができ、QとZとは、上に列挙した不純物で
ある。
【0034】さらに、アルミニウムと窒素(0. 0原子
%から50. 0原子%の窒素)と1つまたはそれ以上の
不純物の非晶質合金を使用することが望ましいであろ
う。これらの非晶質合金は、周期的格子(periodic lat
tice)がなく、結晶転位による滑りに対して抵抗性があ
り、より平滑な膜を堆積するとともに、等方性の弾性体
特性を備えているであろう。さらにこれらの非晶質合金
は、窒素と、アルミニウムを除く他のいかなる不純物と
からも構成できるであろう。これらの例には、TiN、
SiN、(TiSi)Ny 、(Tix Si(1-x) )Ny
があるが、ここでxとyは、0と1. 0 との間を変わ
ることができる。たとえば、1:2:3という適切な組
成のTi:Si:N合金は、Tiターゲットの表面の約
50%がケイ素で覆われた純粋なチタンターゲットと、
アルゴンスパッタガス中の10%の窒素とから反応性ス
パッタリングで堆積した。
【0035】窒素とチタンとの濃度を制御することによ
り、多結晶質とは対照的に、膜が非晶質になるパーセン
テージを設定することが可能である。Al- 1/2%T
iのターゲットと、0%から20%の窒素を含むアルゴ
ンスパッタガスとを使用し、3kWの電力を使用してス
パッタリングを行った場合、膜は多結晶質になる。20
%から30%の窒素では、膜は非晶質になる。窒素の濃
度レベルが35%以上のとき、膜はの多結晶質になる。
Tiの濃度は、膜が非晶質になるときの窒素の濃度に逆
比例して影響しているようである。チタンのパーセンテ
ージが高いと、膜が非晶質になるときの窒素の濃度が低
くなる。
【0036】しかしながら、多結晶質材料も使用できる
ように見える。これらの合金の種類の例は、AlNとA
l+AlN、さらにはAl(<15原子%のN)であ
る。また上述の不純物を使用して、多結晶質合金を形成
することもできる。使用可能な場合でも多結晶質膜を使
用することは、超小型機械式デバイスの弾性体要素に非
晶質膜を使用するのと同様な利点があるようには見えな
い。非晶質膜は降伏強さが大きく、等方性の弾性体特性
を備えておりさらに平滑な膜が堆積する。
【0037】このように、超小型機械式弾性体要素の改
良に関する詳細な実施例をここまで説明してきたが、以
下の請求の範囲に述べられている限りのことを除いて、
この特定の参照事例が本発明の範囲を限定していると考
えられることを意図していない。
【0038】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 1.超小型機械式デバイスの1つの構成部分が動くとき
に撓む弾性体要素であって、1つまたはそれ以上の電気
的に導通な非晶質合金で構成されている要素を含むこと
を特徴とする弾性体要素。
【0039】2.第1項記載の弾性体要素であって、前
記合金は1つまたはそれ以上の不純物を含むことを特徴
とする弾性体要素。
【0040】3.第2項記載の弾性体要素であって、前
記不純物は、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素、炭
素、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタンから構成さ
れるグループから選択されることを特徴とする弾性体要
素。
【0041】4.第1項記載の弾性体要素であって、前
記合金は一般的な化学記号、AlN y 、(Al3 Ti)
y 、(Al:(Si,Ti))N、あるいは(Al:
(Q,Z))Ny を有し、QおよびZは他の元素である
ことを特徴とする弾性体要素。
【0042】5.第4項記載の弾性体要素であって、y
は、0と1.0との間で変わることができることを特徴
とする弾性体要素。
【0043】6.第5項記載の弾性体要素であって、Q
およびZは、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素、炭
素、ニッケル、亜鉛、マグネシウム、チタンから構成さ
れるグループから選択されることを特徴とする弾性体要
素。
【0044】7.第1項記載の要素であって、前記非晶
質合金は、TiAl3 のスパッタターゲットを使用して
形成されることを特徴とする要素。
【0045】8.第1項記載の要素であって、前記非晶
質合金は、Al:Tiのターゲットを使用して形成さ
れ、Tiは1原子%から50原子%まで変わることがで
きることを特徴とする要素。
【0046】9.第8項記載の要素であって、前記非晶
質合金は、意図的に窒素を添加することにより形成され
ることを特徴とする要素。
【0047】10.第1項記載の要素であって、前記非
晶質合金は、チタンから形成されることを特徴とする要
素。
【0048】11.第10項記載の要素であって、前記
要素は、Ti:Si:Nから形成されることを特徴とす
る要素。
【0049】12.第10項記載の要素であって、前記
要素は、ケイ素、ホウ素、ゲルマニウム、酸素、炭素、
窒素からなるグループから選択された少なくとも1つの
添加不純物から形成されることを特徴とする要素。
【0050】13.超小型機械式デバイスの1つの構成
部分が動くときに撓む弾性体要素であって、電気的に導
通な多結晶質膜で構成されている要素を含むことを特徴
とする弾性体要素。
【0051】14.第13項記載の要素であって、前記
多結晶質膜は、主としてAlとNから構成されているこ
とを特徴とする要素。
【0052】15.超小型機械式デバイス(12)用の
弾性体要素(24)。超小型機械式デバイス(12)に
は、弾性体要素(24)によって一緒に結合されている
可動要素(26)が含まれる。可動要素(26)は繰り
返し頻繁に動くので、弾性体要素(24)は永久に撓ん
でしまい、つまり変形してしまい、デバイスは満足な動
作をしなくなる。多結晶質膜あるいは非晶質膜のいずれ
かの金属膜を形成するため、窒化アルミニウム合金およ
び非アルミニウム合金を使用することができ、この金属
膜から弾性体要素(24)が形成される。これらの合金
は、等方性の弾性体特性を備え、引張強さが大きく、堆
積した場合は平滑な膜を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】超小型機械式デバイスの平面図。
【図2】アルミニウム合金のヒンジとはりとを使用する
製造工程における超小型機械式デバイスの側面図であっ
て、図1の線2- 2に沿った側断面図。
【図3】アルミニウム合金のヒンジとはりとを使用する
製造工程におけるマルチレベル超小型機械式デバイスの
側断面図であって、aは電極層を被覆する保護酸化物の
上の空間形成層の初期形成を示す図、bは金属膜が空間
形成材料の上とバイアの中に堆積して、支柱が形成する
ことを示す図、cはより厚い金属の層が堆積し、パター
ニングされかつエッチングされて、ヒンジ、支柱キャッ
プ、ヨークが形成することを示す図、dはcに示す金属
ヨークが空間形成材料で覆われ、バイアがヨークの真上
の空間形成材料の中に形成されることを示す図、eは最
終金属層が堆積し、パターニングされかつエッチングさ
れて、ミラーを形成した後のミラーを示す図、fは最後
に空間形成材料がエッチングで除かれ、基板と能動ヨー
クとの間にギャップが残り、能動ヨークとミラーとの間
にギャップが残ることを示す図。
【図4】いくつかの異なるガス組成に対する全Ar-
(N)の関数としてのTiAl3ターゲットからの反応
性スパッタリングによって得られる堆積した膜の引張応
力を示すグラフ。
【図5】窒素をドーピングした非晶質アルミニウムチタ
ン膜のX線回析スペクトルの例を示すグラフ。
【図6】窒素をドーピングした多結晶質アルミニウムチ
タン膜のX線回析スペクトルの例を示すグラフ。
【符号の説明】
10 基板 12 ピクセル 14、44 ミラー 16a、16b ランディング電極 18a、18b アドレス指定線 20a、20b ヒンジ 22 エアギャップ 24 金属薄膜/弾性体要素 26 可動要素 28 支柱 30 電極層 32 保護酸化物 34、40 空間形成層 35、42 バイア 36、46 支柱キャップ 38 ヨーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉原 秀一 茨城県つくば市二の宮4−8−1 ガーデ ンコート筑波1007 (72)発明者 リチャード エル.ナイプ アメリカ合衆国テキサス州,マッキニイ, ディープ バレー ドライブ 2202

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超小型機械式デバイスの1つの構成部分
    が動くときに撓む弾性体要素であって、 1つまたはそれ以上の電気的に導通な非晶質合金で構成
    されている要素を含むことを特徴とする弾性体要素。
  2. 【請求項2】 超小型機械式デバイスの1つの構成部分
    が動くときに撓む弾性体要素であって、 電気的に導通な多結晶質膜で構成されている要素を含む
    ことを特徴とする弾性体要素。
JP8232118A 1995-09-01 1996-09-02 超小型機械式デバイス用弾性体要素 Pending JPH09105874A (ja)

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US003139 1979-01-15
US313995P 1995-09-01 1995-09-01

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EP0762176A2 (en) 1997-03-12
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