JPH09105781A - 地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法、及びその装置 - Google Patents

地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法、及びその装置

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JPH09105781A
JPH09105781A JP28916695A JP28916695A JPH09105781A JP H09105781 A JPH09105781 A JP H09105781A JP 28916695 A JP28916695 A JP 28916695A JP 28916695 A JP28916695 A JP 28916695A JP H09105781 A JPH09105781 A JP H09105781A
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Communications Research Laboratory
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、ノイズのない地震電磁界信号を抽出
し、地震発生時、地震発生場所、及び地震のマグニチュ
ードを高精度に推定し、地震の発生を直前に推定可能と
する地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法、及びその
装置を提供する。 【構成】少なくとも2箇所に設置した観測局にて検出
し、市中ノイズ、大気放電等のノイズを除去した低周波
の地震電磁界信号Os と、この信号Os を処理した局地
特性値信号Ce 、及び改良局地特性値信号Cf とを基地
局に送り、基地局では、各観測局の相関関数に基づいて
求めた遅延時間T、及び半値幅Hと、地震電磁界信号O
s の主局特性値信号Cr とを求め、これらの信号と、観
測局の局地特性値信号Ce 、改良局地特性値信号Cf
に基づいて地震の発生源分布の推定と、地震のマグニチ
ュードの推定と、地震発生時を推定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地震発生前に観測され
る地震電磁界信号に基づいて、地震発生の時期、地震発
生場所、及び地震のマグニチュードを数日〜数時間前に
推定することを可能にする地震の前兆現象に係わる電磁
界観測方法、及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地震の予知は、数10年を単位とする長
期予知、数年を単位とする中期予知、数カ月〜数10日
前を目指した短期予知、及び数日〜数時間前を目指した
直前予知の4つに大別される。
【0003】従来技術による地震の短期予知は、主とし
てギリシャでVAN法と呼ばれる方法で試行されてい
る。また、電磁界の観測に基づく地震の予知法を提案し
た発明が知られている。代表例として示す次の3件のう
ちの1つ目は、「電位差又は電波のダイナミック・スペ
クトルによる地震予報法」(特開昭62−103596
号公報参照)で、2つ以上の観測点における電位差、又
は電波のスペクトル、及びその時間変化を比較すること
により、地震に伴う信号を弁別することを要旨とする。
2つ目は、「地震前兆の電界変動の観測法」(特公平5
−35999号公報参照)で、地震電磁界の検出のため
のセンサーとしてボアホール・アンテナを用いる方法を
要旨とする。3つ目は、「地震前兆の長波・地電流の発
生領域のトモグラフィ法」(特公平5−36000号公
報参照)に関するもので、地震電磁界の異なる観測点で
の相関により発生領域のトモグラフィー作成を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、短期の推定を
目指した地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法として
一定の評価があるのは、唯一つギリシャで試行されてい
るVAN法であるが、それは、10日〜40日前の短期
推定を目指した地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法
であり、数日〜数時間といった直前の推定を目指した地
震の前兆現象に係わる電磁界の観測は、技術的には不可
能とされ、これまでに実現した例はない。しかも、VA
N法は、一定の地震予想域における感度の良い場所を入
念に選んで電極を布設しなければならない上、その電極
布設方法についても数多くの試験を経て選定し、100
倍程度の雑音から有意な情報を抽出する必要がある。そ
のため、地震発生地点の推定には非常に豊富な経験が必
要とされる。また、短期の推定を目指した地震の前兆現
象に係わる電磁界観測を行うVAN法にしても、人工ノ
イズの多い我が国などでは、実用に当たって相当な工夫
が必要とされる。それにもましてVAN法を含めた従来
の方法では、地震の数時間前の直前の推定を目指した地
震の前兆現象に係わる電磁界の観測は、現実的に困難で
あるという問題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するもので、
ノイズの無い、又はノイズの非常に少ない地震電磁界信
号を抽出し、この電磁界信号から各観測局、及び基地局
にて求めた地震電磁界に関する多種類の特性値信号等に
基づいて、地震予測の三要素である地震発生時、地震発
生場所、及び地震のマグニチュードを実用的に推定し、
地震の発生を直前に推測可能とする電磁界の観測による
地震の前兆現象に係わる電磁界観測方法、及びその装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の地震の前兆現象
に係わる電磁界観測方法は、複数の観測局にて検出した
地震電磁界信号を処理して基地局に送り、地震発生時、
地震発生位置、及び地震の大きさに関係する特性量を計
測し、地震の前兆現象に係わる電磁界観測を行う方法に
おいて、少なくとも2箇所に設置した観測局の電磁界セ
ンサにて検出した地震電磁界信号から市中ノイズ、及び
大気放電ノイズを除去した地震電磁界信号Oa と、雷位
置標定手段において準拠した方法により検出した雷電磁
界信号の到来方位データ(d、Δd)とを出力し、地震
電磁界信号Oa と、既知の地震電磁界信号波形とを比較
し、同じ波形からなるノイズの無い地震電磁界信号Os
を抽出し、地震電磁界信号Os の、規定時間幅内に存在
する振幅レベル毎のパルス数、及びその極大値からなる
局地特性値信号Ce と、所定時間内に捕捉された到来方
位データ(d、Δd)の相加平均から求めた局地方向分
布データ(d0i、Δd0i)とを出力する。観測点から、
基地局より送られたデータに示される地震電磁界の中心
位置X0 、及びその拡がりΔX0 に向けて結んだ中心方
向ds 、及びばらつきΔds により形成された空間ウイ
ンドー幅内に存在する地震電磁界信号Os の振幅レベル
毎のパルス数、及びその極大値からなる改良局地特性値
信号Cf を求めて出力し、観測局の各々で求めた地震電
磁界信号Os の低周波信号と、局地特性値信号Ce 、改
良局地特性値信号Cf 、到来方位データ(d、Δd)、
及び局地方向分布データ(d0i、Δd0i)を基地局に送
り、少なくとも4点の観測点の場合には一対の各観測点
の信号Os 間の相関関数、及び平滑化相関関数を求め、
その極大値を示す時点を遅延時間Tとして求めるととも
に、平滑化相関関数の半値幅Hを求め、そして遅延時間
Tを入力されて地震電磁界発生域の空間分布の中央点を
示すデータXt 、及びその拡がりΔXt を求め、各対の
観測点のデータにつき半値幅Hに基づいて形成される到
達許容時間幅ΔT12内に共通に存在する信号Os のみを
抽出することによりノイズの無い地震電磁界信号Or
得、信号Or の振幅レベル毎のパルス数、及びその極大
値からなる主局特性値信号Cr と、局地方向分布データ
(d0i、Δd0i)に基づいて求めた地震電磁界発生域の
平均位置Xr 、その拡がりΔXr 、及び強度分布I
r と、算出した観測点から平均位置データXr 迄の震央
距離Lとを出力し、トモグラフィー算出手段からの空間
分布データXt 、ΔXt と、前記平均分布データXr
ΔXr 、及びIr と、到来方位データ(d、Δd)に基
づいて算出した発生域データXi 、ΔXi 、Ii との重
み付け平均値計算により、地震電磁界発生源の中心位置
0 、その拡がりΔX0 、その強度分布I0 を推定する
とともに、中心位置データX0 、及びその拡がりΔX0
を各観測局に送る。入力された前記主局特性値信号
r 、局地特性値信号Ce 、改良局地特性値信号Cf
及び震央距離Lと、前記データX0、拡がりΔX0 の集
合に基づいて求めた地震電磁界発生域の拡がりを示す量
とに基づいて地震マグニチュードM0 を推定し、入力さ
れた主局特性値信号Cr 、局地特性値信号Ce 、及び改
良局地特性値信号Cf におけるパルス数の時間関数に基
づいて求めた異常状態と判定する地震発生時T0 に、経
験的に設定した時間ΔTを加算して地震発生時TE を推
定することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の方法は、地震発生推定時T
E と、中心位置データX0 、拡がりΔX0 、その強度分
布I0 と、マグニチュードM0 とを、気象データと比較
して雷の有無を確認するとともに、地殻活動モニタデー
タと比較して地震発生の推定時TE 、地震発生源推定中
心位置データX0 、拡がりΔX0 、強度分布I0 、及び
マグニチュードM0 の信頼性の評価を行うことを特徴と
する。
【0008】さらに、本発明の方法は、地震電磁界の発
生点の集合により形成される地震電磁界の発生域の拡が
りを表す量、例えば面積値を算出し、この値に基づいて
マグニチュードの第1の推定値M1 を求め、主局特性値
信号Cr 、局地特性値信号C e 、及び改良局地特性値信
号Cf のパルス数、極大値、極小値、及び震央距離Lに
基づいて第2の推定値M2 を求め、推定値M1 、M2
重み付き平均値を算出して最終のマグニチュードM0
求めることを特徴とする。
【0009】また、本発明の地震の前兆現象に係わる電
磁界観測装置は、複数箇所に設置された観測局にて検出
した地震電磁界信号を処理して基地局に送り、基地局に
てさらに信号処理して地震発生時、地震発生位置、及び
地震のマグニチュードに関係する特性量を計測し、地震
の前兆現象に係わる電磁界観測を行う装置において、少
なくとも2箇所に設置された観測局のそれぞれは、観測
局の電磁界センサにより検出された電磁界信号から市中
ノイズ、及び大気放電ノイズを除去した地震電磁界信号
a と、予め記憶させた既知の地震電磁界信号波形とを
比較し、同じ波形を有する既知の地震電磁界信号を抽出
してノイズの無い局地地震電磁界信号Os を出力すると
共に、雷位置標定手段において準拠した方法により検出
した雷電磁界の到来方位データ(d、Δd)を出力する
局地地震電磁界弁別手段と、入力された前記信号O
s の、規定時間幅内に存在する振幅レベル毎のパルス数
と、その振幅の極大値からなる局地特性値信号Ce 、及
び所定時間内に捕捉された到来方位データ(d、Δd)
の相加平均から求めた局地方向分布データ(d0i、Δd
0i)を出力する局地特性値算出手段と、局地地震電磁界
弁別手段から出力される信号Os と、基地局から送られ
る地震電磁界中心位置データX0 、拡がりΔX0とを入
力され、観測局の観測点から中心位置X0 、拡がりΔX
0 に向けて結んで形成される空間ウインドー幅内に入る
信号Os の振幅レベル毎のパルスの数と、その極大値と
からなる改良局地特性値信号Cf を出力する改良局地特
性値算出手段と、局地地震電磁界弁別手段から出力され
る信号Os のうちの低周波の信号Os と、局地特性値信
号Ce 、及び改良局地特性値信号Cf と、到来方位デー
タ(d、Δd)、及び局地方向分布データ(d0i、Δd
0i)とを前記基地局に送る伝送手段とを備える。基地局
は、各観測局から入力された前記信号Os の平滑化され
た相関関数が極大となる時点を地震電磁界の遅延時間T
として求めるとともに、平滑化相関関数の半値幅Hを求
める相関処理手段と、遅延時間Tを入力されて地震電磁
界発生域の空間分布の中央点を示すデータXt 、その拡
がりΔXt を算出するトモグラフィー手段と、複数の信
号Os と、相関処理手段からの半値幅Hとを入力され、
半値幅Hに基づいて形成される許容時間幅ΔT12内に共
通に存在する複数の信号Os を抽出してノイズの無い主
局地震電磁界信号Or を出力する主局地震電磁界波弁別
手段と、入力された前記信号Or の振幅レベル毎のパル
ス数、極大値からなる主局特性値信号Cr と、局地方向
分布データ(d0i、Δd0i)に基づいて算出された地震
電磁界の平均分布データXr 、拡がりΔXr 、強度分布
r とを出力し、さらに、観測局から前記平均位置Xr
迄の震央距離Lを算出して出力する主局特性値算出手段
とを備える。さらに、主局特性値算出手段からの平均分
布データXr 、ΔXr 、Ir と、トモグラフィー手段か
らの空間分布データXt 、ΔXt と、到来方位データ
(d、Δd)を入力されて算出した発生域データXi
ΔXi 、Ii との重み付き平均値により算出された地震
電磁界発生源の中心位置データX0 、拡がりΔX0 、及
び強度分布I0 を推定するとともに、中央位置データX
0 、拡がりΔX0 を各観測局の改良局地特性値算出手段
に送る発生源分布推定手段と、入力された中心位置デー
タX0 、拡がりΔX0 の集合に基づいて求めた地震電磁
界発生域の拡がりを示す量と、主局特性値信号Cr、局
地特性値信号Ce 、改良局地特性信号Cf 、及び震央距
離Lとに基づいて地震のマグニチュードM0 を算出する
マグニチュード推定手段と、特性値Ce 、Cf 、Cr
パルス数を入力され、このパルス数と、時間との関数を
示すパルス数時間関数に基づいて求めた異常発生と判断
する時間T0 に、経験的に知られた時間ΔTを加算して
地震発生時TE を推定する発生時推定手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0010】また、本発明の予測装置は、発生時推定手
段からの地震発生時TE と、発生源推定手段からの中心
位置データX0 、拡がりΔX0 、強度分布I0 と、マグ
ニチュード推定手段からのマグニチュードM0 とを、気
象データと比較して雷の有無を確認する一方、地殻活動
モニタデータと比較して、前記三者のデータの推定の信
頼性を判定する総合判定手段を備えることを特徴とす
る。
【0011】さらに、本発明の予測装置のマグニチュー
ド推定手段は、入力された前記中心位置データX0 、拡
がりΔX0 の集合に基づいて地震電磁界の発生域の拡が
りを表す量、例えば面積値を算出し、この値に基づいて
マグニチュードの第1の推定値M1 を求め、入力された
主局特性値信号Cr 、局地特性値信号Ce 、及び改良局
地特性値信号Cf 、及び震央距離Lに基づいて求めた第
2の推定値M2 を求め、推定値M1 、M2 の重み付き平
均値を算出して最終のマグニチュードM0 を求めること
を特徴とする。
【0012】
【作用】少なくとも2箇所に設置した観測局の地震電磁
界センサにより検出し、増幅した地震電磁界信号Oから
市中ノイズ、及び雷による誘導信号を除去した地震電磁
界信号Oa を形成し、この信号Oa と、雷位置標定手段
において準拠して検出した雷電磁界の到来方位データ
(d、Δd)とを局地地震電磁界弁別手段に送る。局地
地震電磁界弁別手段に入力された地震電磁界信号O
a と、予め記憶された既知の地震電磁界信号波形とを比
較し、同じ波形を有する地震電磁界信号Os を抽出して
局地特性値算出手段に入力し、ここで、この信号Os
振幅レベル別のパルス数、及び極大値からなる局地特性
値信号Ce と、所定時間内に捕捉された到来方位データ
(d、Δd)の相加平均から求めた局地方向分布データ
(d0i、Δd0i)とを出力する。地震電磁界信号O
s と、基地局から送られて来る地震電磁界発生域の中心
位置データ(X0 、ΔX0 )とを入力され、観測点から
中心位置データ(X0 、ΔX0 )に向けて結んで形成さ
れる空間ウインドー幅内に入る地震電磁界信号Os の振
幅レベル毎のパルス数、及びその極大値からなる信号を
改良局地特性値信号Cf として出力する。そして、地震
電磁界信号O、低周波の地震電磁界信号Os 、局地特性
値信号Ce 、前記改良局地特性値信号Cf 、到来方位デ
ータ(d、Δd)、及び局地方向分布データ(d0i、Δ
0i)を伝送手段を介して基地局に送る。基地局の相関
処理手段に入力された各観測局の低周波の信号Os の平
滑化された相関関数の極大となる時点を遅延時間Tとし
て求めるとともに、平滑化相関関数の半値幅Hを求め
る。そして、この遅延時間Tを入力されたトモグラフィ
算出手段は、地震電磁界発生領域の空間分布データ
t 、ΔXtを求める。主局地震電磁界波弁別手段は、
到達許容時間幅ΔT12内に共通に存在する各観測局の地
震電磁界信号Os を抽出し、ノイズの無い地震電磁界信
号Orを出力する。信号Or を入力された主局特性値算
出手段は、この信号Or の振幅レベル毎のパルス数、そ
の極大値からなる主局特性値信号Cr と、地震電磁界発
生域(Xr 、ΔXr )、及び強度分布Ir と、観測点か
らXr 迄の震央距離Lと、局地方向分布データ(d0i
Δd0i)に基づいて算出した平均分布データ(Xr 、Δ
r )、及び強度分布Ir とを出力する。発生源分布推
定手段では、前記トモグラフィー手段からの空間分布デ
ータXt 、ΔXt と、主局特性値算出手段からの平均分
布データXr 、ΔXr 、及びIr と、観測局から入力さ
れる到来方位データ(d、Δd)に基づいて求めた発生
域データXi 、ΔXi 、Ii との、重み付き平均値計算
により求めた地震電磁界信号発生源の中心位置データX
0 、拡がりΔX0 、及びその強度分布I0 を求める他、
このデータX0 、ΔX0 を観測局の改良局地特性値算出
手段に送る。マグニチュード推定手段では、入力された
前記データX0 、ΔX0 と、特性値Ce 、Cf 、Cr
及び震央距離Lとに基づいて地震マグニチュードM0
算出する。発生時推定手段では、主局特性値信号Cr
局地特性信号Ce 、及びCf のパルス数の時間関数から
求めた地震発生時T0 に、経験的に設定した時間ΔTを
加算して、地震発生時TE を推定する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は、本発明に係る電磁界の観測による地震
の前兆現象に係わる電磁界観測方法を実施する装置の実
施例の概略的構成を示し、複数の観測局のうちの1つの
概略的ブロック図と、基地局の概略的ブロック図とによ
り示される。この観測局は、センサー1、時刻装置2、
局地弁別部3、局地特性値算出部4、及び伝送部5を備
え、基地局は、複数の観測局から送信される信号を受信
する受信部6、相関処理部7、トモグラフィー部8、主
局弁別部9、主局特性値算出部10、三要素推定部1
1、及び総合判定部12を備えている。
【0014】図1において、観測局が少なくとも2箇所
に設置され、それぞれの観測局は、地殻の主破壊前に震
源域で発生する微小破壊に伴う電磁界信号を観測して地
震電磁界信号を弁別、処理し、基地局は、これら各観測
局から送信された全データを受信して処理し、地震の前
兆現象に係わる電磁界の観測を行う。以下に、観測局に
配置される装置を説明する。センサー1は、ボアホール
・アンテナ、ダイポール・アンテナ等の電場計測用セン
サー、又はインダクション型磁場センサー等の磁場計測
用センサーである。時刻装置2は、複数の観測局の時刻
を1μ秒程度の精度で同期をとるための時刻装置であ
る。局地弁別部3は、後述する図2の詳細な説明から明
らかとなるが、センサ1により検出した地震電磁界信号
から雷放電等のノイズを除去する一方、地震電磁界の波
形、スペクトル等の特性を基にノイズのない地震電磁界
信号を出力し、さらに、雷電磁界信号の到来方位データ
d(方向)、その拡がりΔdを出力する。局地特性値算
出部4は、入力された地震電磁界信号について、一定時
間毎に振幅レベル毎のパルス数等の局地特性値を求め、
伝送部5は、各観測局にて求めた原データ、及び地震電
磁界信号の特性値を基地局に伝送する。
【0015】次に、上記観測局のそれぞれから送信され
た信号を受信する基地局に配置された装置を説明する。
受信部6は、通常は2箇所以上に設置された各観測局か
ら伝送される全データを受信する。相関処理部7は、一
対の相異なる2つの観測局における一定時間長の時系列
データを用い、これら2地点の時系列データ間の相関関
数Rij(t)の平滑化された関数の極大となる時点を求
め、その時点を遅延時間Tとして求めるとともに、平滑
化相関関数の半値幅Hを求める。この遅延時間Tを入力
されたトモグラフィー部8は、後述する図3の説明から
明らかとなるが、遅延時間Tから地震電磁界信号の発生
源の空間的分布Xt 、その拡がりΔXtを求める。半値
幅Hを入力された主局弁別部9は、後述する図3の説明
から明らかとなるが、相関処理部7で求めた遅延時間T
を考慮して、少なくとも3つの観測局で検出され、かつ
到達許容時間幅内に存在する信号を地震電磁界信号とし
て抽出し、主局特性値算出部10は、主局弁別部9にお
いて地震電磁界信号として弁別し、抽出された信号を用
い、局地特性値算出部4で求めた算出方法と同じ手法で
地震電磁界信号の主局特性値を算出する。
【0016】三要素推定部11は、主局特性値算出部1
0で求めた主局特性値と、トモグラフィー部8で算出し
た電磁界信号の発生源の空間的分布、及び強度分布デー
タと、受信部6を介して送信される局地特性値等とを総
合し、地震予測の三要素である地震発生時、地震発生場
所、及び地震のマグニチュードを推定し、総合判定部1
2は、微小地震等の地殻活動観測データに関する参照デ
ータを参照し、また、気象等の参考データを参照して三
要素推定部11で推定した地震予測の三要素の値の信頼
度を算定する。
【0017】図2は図1に示す観測局の詳細なブロック
図、図3は図1に示す基地局の詳細なブロック図であ
る。図2に示す観測局において、電場・磁場を計測する
センサー21には、垂直電磁界を検出するボアホール・
アンテナ(地中に鉛直方向に埋め込まれた数100mの
長さの金属性パイプをモノポールとするアンテナ、特公
平5−35999号公報参照)、水平方向の地電位成分
を計測するための各々数10m離設された2対の電極
(ダイポール)、磁場の3成分の計測のためのループア
ンテナ、又は、インダクション磁場センサーが用いられ
る。
【0018】フィルター22は、センサー21の検出信
号から可能な限り市中ノイズを除去して1〜9kHz、
0.01〜0.7Hz、0〜0.7Hz等の200kH
z以下のノイズの無い周波数成分を得、このノイズを除
去された出力信号を入力された増幅器23は増幅信号O
を出力する。
【0019】雷位置標定部25は、複数の観測局の時計
の時刻を1μ秒程度の精度で同期をとる時刻装置、例え
ば高精度GPS時計を内蔵する市販の雷位置評定システ
ム(例えば、SAFIR、LPATS、LLPSなど)
を用い、雷放電を識別して雷による誘導信号を雷除去部
24に送る他、雷電磁界の到来方向を一点での測定によ
り決定し、その到来方位データd(方向)、及びそのば
らつきΔdを求める。このデータd、Δdは、センサ2
1により検出した電場・磁場信号の位相関係から、又
は、複数のアンテナへの雷信号の到達時間から求められ
る。
【0020】雷除去部24は、雷位置標定部25の雷放
電の誘導信号を入力され、増幅器23の出力信号Oから
雷誘導信号を除去した地震電磁界信号Oa と、雷位置標
定部25により求めた電磁界到来方位データd、Δdと
を出力する。
【0021】局地地震電磁界弁別部26は、信号O
a と、異なる周波数帯、特性の異なるアンテナ、また
は、電極の出力差等を考慮して予め作成した多数の既知
の地震電磁界信号の波形とを比較し、同じ波形を有する
既知の地震電磁界信号を抽出し、可能な限りノイズを除
去した局地地震電磁界信号Os を出力する。
【0022】局地特性値算出部27では、局地地震電磁
界弁別部26で得た電磁界信号Osから遠隔伝送に適合
しない信号、例えば、10kHz以上の高周波の信号を
抜き出した電磁界信号Os について、パルス波高分析技
術により振幅レベル毎のパルス数を検出し、さらに、規
定された時間幅(例えば、3秒)における信号Os の極
大値、極小値を求め、この信号を局地特性値信号Ce
して出力し、さらに、この信号Ce に時刻装置30から
のクロック信号TC を付加し、伝送部29を介して後述
する基地局に伝送する。さらに、ここでは、雷位置標定
部25において決定された到来方位データd、及びその
ばらつき±Δdが、規定された時間幅内にn個存在した
とすると、一定時間毎にd1 、d2 、・・・・dn の相
加平均値d01=(d1 +d2 +・・・+dn )/nと、
同様にしてその拡がりΔd01とを次々に算出し、このよ
うにして求めた各局地方向分布データd0i、及びΔd0i
を次々に伝送部29を介して基地局に送る。なお、局地
地震電磁界弁別部26のアルゴリズムが不完全である場
合には、増幅器23から出力される原信号Oについても
同様な処理が行われるが、局地地震電磁界弁別部26が
理想通りに機能する場合には、この信号Oに関する処理
は不要となる。
【0023】改良局地特性値算出部28では、後述する
説明から明らかとなるが、基地局の地震発生源分布推定
部39から送られた重み付き計算により求めた地震電磁
界信号の発生中心位置データXo 、及びその拡がりΔX
o と、予め記憶させた各観測局の観測点の位置データと
から、図4に示すように、観測点から発生域の中心点X
o を結んだ中心方向ds と、そのばらつきΔds とを算
出する。さらに、図5に示すように、このds 、及びΔ
s により形成された空間ウインドー内(ds±Δ
s )、換言すると∠POPにより囲まれる領域内に入
る振幅レベル毎の地震電磁界信号Os のパルス(○印に
て示す)の数、即ち、振幅レベルP3 、P2の間にはパ
ルスが2個、振幅レベルP2 、P1 の間にはパルスが1
個等のように計数したパルスの数と、局地地震電磁界弁
別部26の出力信号Os の所定時間幅内における振幅の
極大値、及び極小値とを算出し、これらの信号を改良局
地特性値信号Cf として出力するが、×印にて示す信号
はノイズとして取扱い、上記した信号処理は行わない。
なお、上記した信号処理は、予め定められた時間毎に行
う。
【0024】地震電磁界信号Os のうち低周波の信号、
例えば、10kHz以下の信号Osは、局地地震電磁界
弁別部26から伝送部29を介して直接に基地局に伝送
される。さらに、伝送部29からは、到来方位データ
d、Δd、及び局地方向分布データd0i、Δd0iと、局
地特性値信号Ce 、及び改良局地特性値信号Cf と、増
幅器23から出力される観測点の原データO、及び時刻
装置30からのクロック信号Tc とが送信される。
【0025】図3に示す基地局において、受信部31で
は、観測点1、2・・・Nにおける各観測局からのデー
タを受信し、そのデータの振り分けをインタフェース3
2が行う。ここで、第i番目の観測点からのデータをO
i (j) とし、局地特性値データをCi (j) とするが、説
明を簡単にするため、以下において1部、又は全部の添
字を省略することがある。局地特性値表示部33には、
各観測局の局地特性値算出部27、及び改良局地特性値
算出部28から送信された局地特性値Ce 、及び改良局
地特性値Cf が表示され、各観測局の増幅器23から送
信した原データO、及び低周波の信号Os は、低速信号
モニター34に記録される。
【0026】各観測局から低周波の信号Os を入力され
る相関処理部35では、図6(A)、(B)に示すよう
に、一定時間長T0 を有する時系列データとして、遅延
時間Tijを持って入力される観測点iの信号Osiと、観
測点jから入力される信号Osjとの相関関数Rij(t)
は、 Rij(δt)=∫Osi(t+δt)Osj(t)dt で示される。さらに、この相関関数Rij(t) の移動平
均(隣合うN個の平均値)をとって平滑化することによ
り得られた相関関数 Rsij (t) =∫ω(t−τ)Rsij (t)dτ において、そのRsij (δt)が極大となるδtの値T
ijを求める。即ち、 dRij(δt)/dδt=0、d2 ij(δt)/dδ
2 <0 を満足する遅延時間Tijを求める(特公平5−3600
0号公報参照)。また、平滑化された相関関数Rs
(1/2)(R)となる時点をT1 、T2 (T2
1 )とし、半値幅Hを、 H12=T2 −T1 により求める。そして、この半値幅Hは主局地震電磁界
波弁別部36に送る一方、遅延時間Tはトモグラフィー
部38に送る。
【0027】トモグラフィー部38では、以下のような
信号処理を行う。即ち、相関処理部35で求めた遅延時
間Tについては、観測点が4個以上あれば、3個以上の
独立な遅延時間Tがあるので、観測点の任意の2点を焦
点とし、遅延時間に対応する伝搬距離差が一定な点の軌
跡として、図7に示すように、観測点1、3を焦点とす
る双曲面、及び観測点1、2、3、4を含む平面の交線
である双曲線で示される回転2葉双曲面11と、観測点
2、4を焦点とする双曲面で示される回転2葉双曲面1
2と、観測点1、4を焦点とする双曲面で示される回転
2葉双曲面13とが描かれ、これら双曲面11、12、
13に関する直角座標の式に変換した以下の3つの式 X2 −(Y2 /3)=1、 (−X2 /3)+Y2 =1、 2XY+2X−2Y=3、 の交点Qを地震発生空間点として求め(特公平5−36
000)、次に、この発生点の集合の空間分布の中心位
置としてXt 、及びその拡がりΔXt を算出する。
【0028】遅延時間を持って入力された各観測点から
の信号Os から、さらにノイズを除去するために、低周
波の信号Os 、及び相関処理部35からの半値幅Hを入
力された主局地震電磁界波弁別部36では、全ての観測
点のうち、任意に定めた3つの観測点に、例えば1、
2、3の番号を付し、これらを二つづつの3グループ
(1、2)、(2、3)、(3、1)に分け、図8の
(A)、(B)に示すように、時間t1 、t2 にて到達
するグループ(1、2)の信号Os の時系列データ
s1、Os2に対し、図8(C)に示すように、遅延時間
12(T12=t2 −t1 )だけずらしてt2 をt1 に一
致させた時系列データOs1(実線にて示す)、Os2(点
線にて示す)を相互に比較し、相関処理部35から出力
される半値幅H12により定められた到達時間許容幅ΔT
12の時間ウィンドー幅内に共通に存在する○印にて示す
地震電磁界信号のみを抽出し、この信号処理により、ウ
インドー外に存在する×印にて示すノイズが入るのを除
去する。この操作を(2、3)(3、1)の2つのグル
ープに対して行い、このウインドー内に存在する信号を
主局地震電磁界波弁別信号Or として出力する。なお、
その他に、遅延時間を考慮して設定された所定時間幅に
共通に存在する各観測局1、2、3からの3つの時系列
データの信号Os を共に抽出するようにしてもよい。ま
た、このような処理は任意に設定したグループに対して
行ってもよい。
【0029】信号Or を入力される主局特性値算出部3
7では、一定時間毎に観測局の局地特性値算出部27と
同様にパルス波高分析技術により、信号Or の振幅レベ
ル毎の地震電磁界信号のパルスの数と、規定された時間
幅における地震電磁界信号の振幅の極大値、及び極小値
とを求める。
【0030】さらに、各観測局から伝送されてきた局地
方向分布データd0i、Δd0iから地震電磁界信号の発生
源の平均中心位置Xr 、その拡がりΔXr 、及び平均強
度分布Ir を以下のようにして算出する。即ち、図9
(A)に示すように、例えば与えられた観測点1、2、
3の位置データと、各局地方向分布データd01±Δ
01、d02±Δd02、d03±Δd03とからその交差領域
を算出し、さらに交差領域の中心Xi 、及びそのばらつ
きΔXi を算出し、入力された全部の地震電磁界信号に
対してこのような算出を行う。このようにして算出した
発生場所Xi と、そのばらつきΔXi とを、図9(B)
に模式的に示すように、1つの円として示すと、数多く
の大小の円状の点の集合を雲状の塊として描くことが出
来る。そして、図9(C)に示すように、この雲状の塊
により描かれる領域の平均中心位置Xr、その拡がりΔ
r を算出する。さらに、算出したこの雲状の塊の面積
Sと、その中に存在する大小の円状の点の数Mとの比M
/Sから、平均強度分布Ir を算出し、これらの信号を
主局特性値信号Cr として出力する。なお、その際、図
9(C)に示すように、例えば、観測点1から地震電磁
界の平均中心位置Xr 迄の距離Lを算出しておく。ま
た、上記のようにして求めたXr 、その拡がりΔXr
強度分布Ir は、発生源分布推定部39、及び主局特性
値表示部42に送られる。
【0031】発生源分布推定部39では、トモグラフィ
ー部38からの地震電磁界発生源に関する空間分布デー
タXt 、ΔXt と、主局特性値算出部37からの電磁界
信号の平均分布データである地震電磁界発生域の中心位
置Xr 、拡がりΔXr 、及び強度分布Ir と、インタフ
ェース32から送られる各観測局からの到来方位データ
d、及びΔdに基づいて算出した地震電磁界発生データ
i 、拡がりΔXi 、強度分布Ii とに基づいて、地震
電磁界信号の発生中心位置X0 、拡がりΔX0、その強
度分布I0 の推定を、以下のようにして行う。すなわ
ち、地震電磁界信号の3つのデータ、Xt 、ΔXt と、
i 、ΔXi 、Ii と、Xr 、ΔXr 、Ir とに対し、
以下に示す適当な重みを付け計算式により中心位置
0 、及びその拡がりΔX0 を算出する、 Xo =(1/3)(w1 i +w2 r +w3 t )、 ΔXo =(1/3)(w1 ΔXi +w2 ΔXr +w3 Δ
t )、 ここで、w1 +w2 +w3 =1である。また、重み付き
強度分布I0 も、 I0 =(1/2)(w4 i +w5 r ) により算出し、中心位置データXo 、ΔXo 、その強度
分布I0 を次々に送出する。そして、発生源分布推定部
39のデータXO 、ΔXO は、前述したように、各観測
局の改良局地特性値算出部28に送られ、当該観測点に
おける空間ウィンドー内の信号のみにつき、改良局地特
性値Cf を算出してそれを主局に送信し、局地特性値表
示部33に表示する。なお、この重み付き平均値の算出
のアルゴリズムは、トモグラフィー部38から得られた
発生源データXt 、ΔXt にかなりの重みを置いた重み
付き平均による。
【0032】地震の発生時推定部41では、入力される
特性値信号Ce 、Cf 、Cr における所定時間幅当たり
のパルス数時間関数の重み付き平均特性関数Cm を、 Cm =(1/3)(we e +wf f +wr r ) の式により算出する、ここで、当初は、例えばwe
0.2、wf =0.3、wr =0.5とするが、最適な
重みの値は経験的に決められる。このようにして予め定
められた時間内、例えば30分毎に算出したCm を縦軸
に、時間tを横軸にとると、図10(A)に例示される
グラフが描かれる。この地震電磁界信号のパルス数時間
関数の重み付き平均値Cm において、経験的に知られた
地震発生の直前と判定する異常判定基準値Co に対し、
このCo を超える時刻T0 を求める。そして、図10
(B)に示すように、所定値Co を超える時間T0 に、
経験的に知られた地震発生迄の時間ΔT(通常は、数時
間程度)を加え、 TE =T0 +ΔT を算出することで地震発生時TE を推定する。地震発生
判定の基準値C0 、及びその時刻T0 から発生迄の時間
ΔTは、経験的に決定するものとし、さらに各地域のデ
ータの蓄積を基に改良して行く学習機能を有するもので
あってもよい。判定基準C0 の決め方にもよるが、ΔT
は、現在の研究では、概ね数時間〜数日であることが知
られている。
【0033】マグニチュード推定部40では、図11に
示すように、発生源分布推定部39で求めた各地震電磁
界信号X0 、ΔX0 の×印で示す発生位置を基に、その
拡がりのパラメーター、例えば、面積Aを次のようにし
て算出する。即ち、これらの地震電磁界信号の発生源
は、図11に示すように、前述したように雲状の分布を
描くので、これを囲む領域を作り、その面積を算出する
が、円、又は、楕円によりその領域を近似することで、
面積Aの計算は容易となる。この面積Aを、地震学で既
知のマグニチュードを算出する経験式 M=aLogA+b に挿入し、マグニチュードMの推定値M1 を求める、こ
こで、a、bは定数である。次に、主局特性値算出部3
7の主局特性値信号Cr 、及び各観測局からの局地特性
値信号Ce 、改良局地特性値信号Cf のパルスの数、極
小値、極大値、及び主局特性値算出部37で求めた観測
点から発生域の中央点Xr 迄の震央距離Lを以下に示す
マグニチュードの経験的関係式 経験的関係式=M2 =f(Cr 、Ce 、Cf 、L) に挿入し、マグニチュードの第2の推定値M2 を求め
る。マグニチュードの最終推定値M0 は、推定値M1
2 の重みつき平均値、 M0 =(1/2)(w1 1 +w2 2 ) の式にて算出する。なお、現在は上記M2 を求める式の
具体的な形は知られていないが、M2 が知られていない
間は、w2 =0として計算する。また、地震電磁界信号
の発生源の拡がりと、マグニチュードM1 との関係につ
いても、各地域、地震のメカニズムなど地震の型ごとの
経験式は、データの蓄積により改良することとなる。今
後の各地における観測データの蓄積を待って、これ等の
経験式の精度の向上を図る自己学習機能を有するもので
あってもよい。従って、本システムでは、利用者の経験
がネットワーク等でグローバルにかつ、効率的にリンク
されていれば一層効率的なものとなる。
【0034】以上のようにして地震発生時刻推定部4
1、発生源分布推定部39、マグニチュード推定部40
において算出された全ての推定値、特に、地震発生時T
E と、地震発生中心位置X0 、その拡がりΔX0 、及び
強度分布I0 と、地震のマグニチュードM0 との地震予
測の三要素の予測値は、主局特性値表示部42に表示さ
れる。また、判定部43では、上記した三種のデータ
と、気象データを参考データとして比較し、雷放電の有
無の確認を行う他、微小地震活動の推移、地殻変動デー
タなど地殻活動に関する参照データと、推定された地震
予測の三要素の全て、又は、一部とを対比して、総合的
評価を行い、推定の精度を評価する。このような評価の
際、地殻変動等のその他の独立していると思われる観測
項目に異常がある場合には、予測の信頼度を大きくす
る。判定の高度化、定量化にあたっては、自己学習機能
を採用することができるが、初期の段階では、定性的な
判定となる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、少な
くとも2箇所に設置した各観測局にて検出した地震電磁
界信号から市中ノイズ、及び大気放電ノイズを除去した
地震電磁界信号Oa と既知の地震電磁界信号波形とを対
比し、同じ波形を有する地震電磁界信号OS を抽出し、
この信号OS の振幅レベル毎のパルスの数等で構成され
る局地特性値信号Ce と、到来方位データ(d、Δd)
と、この到来方位データ(d、Δd)の相加平均値から
求めた局地方向分布データ(d0i、Δd0i)とを基地局
に送る一方、観測点から、基地局から送られたデータに
より示される地震電磁界発生源の中心位置(X0 、拡が
りΔX0 )を結んで形成される空間ウインドー幅内に存
在する振幅レベル毎のパルス数、及び極値にて構成され
る改良局地特性値信号Cf と、低周波の信号OS とを基
地局に送信する。基地局の相関処理手段では、各観測点
間の地震電磁界信号OS の平滑化相関関数に基づいて遅
延時間T、及び半値幅Hを求め、そして遅延時間Tをト
モグラフィー部に入力して地震電磁界の空間分布データ
(Xt 、ΔXt )を求め、主局地震電磁界波弁別手段で
は、半値幅Hに基づいて形成される到達許容時間幅ΔT
12内に共通に存在する各観測局の信号OS を主局特性値
信号Or として出力し、さらに、主局特性値算出手段で
は、一定時間におけるこの信号Or の振幅レベル毎のパ
ルス数等から構成される信号Cr を出力し、局地方向分
布データ(d0i、Δd0i)に基づいて求めた地震電磁界
の発生域の平均分布データ(Xr 、ΔXr 、Ir )と、
算出した観測点からXr に至る震央距離Lとを出力す
る。発生源分布推定部では、平均分布データ(Xr 、Δ
r 、Ir )と、空間分布データ(Xt 、ΔXt )と、
到来方位データ(d、Δd)に基づいて算出したデータ
(Xi 、ΔXi 、Ii )との重み付き平均値データ(X
0 、ΔX0 、I0 )を算出して発生源分布の推定を行
い、マグニチュード推定部では、重み付き平均値として
算出された中心位置データX0 、拡がりΔX0 と、局地
特性値信号Ce 、及びCf と、主局特性値信号Cr と、
距離Lとに基づいて地震のマグニチュードM0 を推定
し、さらに、地震発生時推定部では、主局特性値C
r と、局地特性値Ce と、改良局地特性値Cf におけ
る、パルス数時間関数に基づいて求めた重み付き平均値
により示される異常値発生時T0 に、経験から求めた時
間ΔTを加算して地震発生時TE を求めるよう構成され
ている。従って、各観測局、及び基地局においてノイズ
の影響を受けない地震電磁界信号が形成される上、これ
らの地震電磁界信号に基づいて地震電磁界の特性を示す
局地特性値信号Ce と、改良局地特性値信号Cf と、主
局特性値信号Cr との3種類の特性値信号等を形成する
ことが出来、このため、これらの信号等に基づいて求め
た地震発生時TE と、その発生源中央位置データ
(X0、ΔX0 、I0 )と、そのマグニチュードM0
の推定を高い精度にて得ることが可能となり、高い確度
にて地震の前兆現象に係わる電磁界の観測を行うことが
出来る。
【0036】さらに、地震の発生時推定部と、発生源分
布推定部と、マグニチュード推定部との出力信号と、気
象データとを対比して雷放電の確認を行うことが出来、
さらに、地殻活動モニタデータと対比することで、推定
した3要素の信号の信頼性を評価することが可能とな
る。
【0037】また、本発明の地震の前兆現象に係わる電
磁界の観測技術によれば、地震の前兆現象に係わる電磁
界の観測手法が実用的と考えられるので、一般に広く活
用されることが出来、このため、避難の実施により人命
の保全が可能となる他、一次、二次災害を軽減する等、
地震災害の全般的軽減を図ることが期待出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の地震の前兆現象に係わる電磁界観測
方法を実施する装置の実施例の概略的構成を、複数の観
測局の1つを概略的に示すブロック図と、基地局の概略
的ブロック図とにより示す図である。
【図2】 図1に示される観測局の詳細なブロック図で
ある。
【図3】 図1に示される基地局の詳細なブロック図で
ある。
【図4】 観測点から地震電磁界発生中央位置X0 を結
んだ中心方向ds と、地震電磁界の拡がりから求めた方
向のばらつきΔds との関係を模式的に示す図である。
【図5】 空間ウインドー(ds ±Δds )幅内、即ち
図中、∠POPの立体角内に存在する信号Os のパルス
(○印にて示す)のみを抽出対象とすることを模式的に
示す図である。
【図6】 (A)は観測点iにおいて観測点jに対し遅
延時間Tijを持って入力される地震電磁界信号Osiの波
形を例示する図、(B)は観測点jから入力される地震
電磁界信号Osjの波形を例示する図である。
【図7】 3つの回転2葉双曲面11、12、13の交
点Q(地震電磁界発生域)として求められた地震電磁界
の発生点Xt の関係を模式的に示す図である。
【図8】 (A)は観測点1から到達時間t1 にて入力
される信号Os1を例示する図、(B)は観測点2から到
達時間t2 にて入力される信号Os2と、信号Os1、及び
信号Os2の遅延時間T12とを示す図、(C)は到達時間
1 に到達時間t2 を一致させ、到達許容時間幅ΔT12
内に共通に存在する2つの信号Os1、Os2を○印にて示
し、それ以外をノイズ(×印)とすることを模式的に示
す図である。
【図9】 (A)は複数の観測点における局地方向分布
データ(d0i±Δd0i)の交点により形成される電磁界
信号の発生場所Xi 、及びそのばらつきΔXi との関係
を示す図、(B)は電磁界パルスの発生場所Xi と、そ
のばらつきΔXi とを1つの円で示し、この円の多数の
集合を雲状の塊として示す図、(C)は図9(B)に示
す雲状の塊の平均的な中心位置Xr 、及びその拡がりΔ
r と、観測点との位置関係を示すとともに、観測点か
ら中心位置Xr 迄の震央距離Lの位置関係を模式的に示
す図である。
【図10】 (A)は地震電磁界のパルス数時間関数C
m と、地震の直前発生を判定する異常判定基準値C
0 と、このC0 を超える時間T0 との関係を模式的に示
す図、(B)は地震発生時刻TE =T0 +ΔTの関係を
模式的に示す図である。
【図11】 ×状にて示す地震電磁界の発生源の集まり
を雲状の分布として描く領域の面積Aを模式的に示す図
である。
【符号の説明】
21・・センサ、22・・フィルタ、23・・増幅器、
24・・雷除去部、25・・雷位置標定部、26・・局
地地震電磁界弁別部、27・・局地特性値算出部、28
・・改良局地特性値算出部、29・・伝送部、30・・
時刻装置、31・・受信装置、32・・インタフェー
ス、33・・局地特性値表示部、34・・低速信号モニ
ター、35・・主局地震電磁界波弁別部、37・・主局
特性値算出部、38・・トモグラフィー部、39・・発
生源推定部、40・・マグニチュード推定部、41・・
発生時推定部、42・・主局特性値表示部、43・・総
合判定部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の観測局にて検出した地震電磁界信
    号を処理して基地局に送り、地震発生時、地震発生位
    置、及び地震の大きさに関係する特性量を計測し、地震
    の前兆現象に係わる電磁界を観測する方法において、 少なくとも2箇所に設置した観測局の電磁界センサにて
    検出した地震電磁界信号から市中ノイズ、及び大気放電
    ノイズを除去した地震電磁界信号Oa と、雷位置標定手
    段において準拠した方法により検出した雷電磁界信号の
    到来方位データ(方向d、拡がりΔd)とを出力し、 前記地震電磁界信号Oa と、既知の地震電磁界信号波形
    とを比較し、同じ波形を有する信号以外の信号を除去し
    て、ノイズの無い地震電磁界信号Os を抽出し、 前記地震電磁界信号Os の、規定時間幅内に存在する振
    幅レベル毎のパルス数、及びその極大値からなる局地特
    性値信号Ce と、所定時間内に捕捉された前記到来方位
    データ(d、Δd)の相加平均から求めた局地方向分布
    データ(主方向d0i、ばらつきΔd0i)とを出力し、 前記観測局の観測点から、前記基地局より送られたデー
    タによって示される地震電磁界の中心位置X0 、及びそ
    の拡がりΔX0 に向けて結んだ中心方向ds 、及びばら
    つきΔds により形成された空間ウインドー幅内に存在
    する前記地震電磁界信号Os の振幅レベル毎のパルス
    数、及びその極大値からなる改良局地特性値信号Cf
    求めて出力し、 前記観測局の各々で求めた前記地震電磁界信号Os の低
    周波信号、前記局地特性値信号Ce 、改良局地特性値信
    号Cf 、到来方位データ(d、Δd)、及び局地方向分
    布データ(d0i、Δd0i)を前記基地局に送り、 前記基地局において、 各観測点の前記信号Os の相関関数を求め、さらに平滑
    化した前記相関関数の極大を示す時点を遅延時間Tとし
    て求めるとともに、前記平滑化相関関数の半値幅Hを求
    め、 前記遅延時間Tより地震電磁界発生域の空間分布の中央
    点を示すデータXt 、及びその拡がりΔXt を求め、 前記半値幅Hに基づいて形成される到達許容時間幅ΔT
    12内に共通に存在する各観測点の前記信号Os を抽出す
    ることにより、ノイズの無い地震電磁界信号Or を得、 前記信号Or の振幅レベル毎のパルス数、及びその極大
    値からなる主局特性値信号Cr と、前記局地方向分布デ
    ータ(d0i、Δd0i)に基づいて求めた地震電磁界発生
    域の中央位置Xr 、その拡がりΔXr 、及び強度分布I
    r を平均分布データとして求めるとともに、算出した観
    測点から前記中央位置Xr 迄の震央距離Lとを出力し、 前記空間分布データXt 、ΔXt と、前記平均分布デー
    タXr 、ΔXr 、及びIr と、前記到来方位データ
    (d、Δd)に基づいて算出した発生域データXi、Δ
    i 、Ii との重み付け平均値計算により地震電磁界発
    生源の中心位置を示すX0 、その拡がりΔX0 、その強
    度分布I0 を推定するとともに、前記中心位置データX
    0 、及びその拡がりΔX0 を前記各観測局に送り、 入力された前記主局特性値信号Cr 、局地特性値信号C
    e 、改良局地特性値信号Cf 、及び震央距離Lと、前記
    データX0 、その拡がりΔX0 の集合に基づいて求めた
    地震電磁界発生域の拡がりを示す量とに基づいて地震マ
    グニチュードM0 を推定し、 入力された主局特性値信号Cr と、局地特性値信号Ce
    と、改良局地特性値信号Cf とにおけるパルス数の時間
    関数に基づいて求めた異常発生と判断する地震発生時T
    0 に、経験的に設定した時間ΔTを加算して地震発生時
    E を推定する、ことを特徴とする地震の前兆現象に係
    わる電磁界観測方法。
  2. 【請求項2】 前記地震発生推定時TE と、前記中心位
    置データX0 、拡がりΔX0 、その強度分布I0 と、前
    記マグニチュードM0 とを、気象データと比較して雷の
    有無を確認するとともに、地殻活動モニタデータと比較
    して前記地震発生の推定時TE 、前記地震発生源中心位
    置データX0 、拡がりΔX0 、強度分布I0 、及び前記
    マグニチュードM0 の信頼性の評価を行うことを特徴と
    する請求項1に従う方法。
  3. 【請求項3】 前記中心位置データX0 、拡がりΔX0
    の集合に基づいて地震電磁界の発生域の拡がりを表す
    量、例えば面積値を算出し、該値に基づいてマグニチュ
    ードの第1の推定値M1 を求め、前記主局特性値信号C
    r 、局地特性値信号Ce 、及び改良局地特性値信号
    f 、及び震央距離Lに基づいて第2の推定値M2 を求
    め、前記推定値M1 、M2 の重み付き平均値を算出して
    最終のマグニチュードM0 を推定することを特徴とする
    請求項1に従う方法。
  4. 【請求項4】 複数箇所に設置された観測局にて検出し
    た地震電磁界信号を処理して基地局に送り、基地局にて
    さらに信号処理して地震発生時、地震発生位置、及び地
    震のマグニチュードに関係する特性量を計測し、地震の
    前兆現象に係わる地震電磁界を観測する装置において、 少なくとも2箇所に設置された観測局のそれぞれは、 前記観測局の電磁界センサにより検出された電磁界信号
    から市中ノイズ、及び大気放電ノイズを除去した地震電
    磁界信号Oa と、予め記憶させた既知の地震電磁界信号
    波形とを比較し、同じ波形を有する既知の地震電磁界信
    号を抽出してノイズの無い局地地震電磁界信号Os を出
    力する共に、雷位置標定手段において準拠した方法によ
    り検出した雷電磁界信号の到来方位データ(d、Δd)
    を出力する局地地震電磁界弁別手段と、 入力された前記信号Os の、規定時間幅内に存在する振
    幅レベル毎のパルス数と、その振幅の極大値とからなる
    局地特性値信号Ce 、及び所定時間内に捕捉された電磁
    界信号の前記到来方位データ(d、Δd)の相加平均か
    ら求めた局地方向分布データ(d0i、Δd0i)を出力す
    る局地特性値算出手段と、 前記局地地震電磁界弁別手段から出力される信号O
    s と、前記基地局から送られる地震電磁界中心位置を示
    すデータX0 、拡がりΔX0 とを入力され、前記観測局
    の観測点から前記中心位置X0 、拡がりΔX0 に向けて
    結んで形成される空間ウインドー幅内に入る前記信号O
    s の振幅レベル毎のパルスの数と、その極大値とからな
    る改良局地特性値信号Cf を出力する改良局地特性値算
    出手段と、 前記局地地震電磁界弁別手段から出力される信号Os
    うちの低周波の信号O s と、前記局地特性値信号Ce
    及び改良局地特性値信号Cf と、到来方位データ(d、
    Δd)、及び局地方向分布データ(d0i、Δd0i)とを
    前記基地局に送る伝送手段とを備え、 前記基地局は、 前記各観測局から入力された前記信号Os の平滑化され
    た相関関数が極大となる時点を地震電磁界の遅延信号T
    として求めるとともに、前記平滑化相関関数の半値幅H
    を求める相関処理手段と、 前記遅延時間Tを入力されて地震電磁界発生域の空間分
    布の中央点を示すデータXt 、その拡がりΔXt を算出
    するトモグラフィー手段と、 複数の前記信号Os と、前記相関処理手段からの半値幅
    Hとを入力され、前記半値幅Hに基づいて形成される到
    達許容時間幅ΔT12内に共通に存在する複数の信号Os
    を抽出してノイズの無い主局地震電磁界信号Or を出力
    する主局地震電磁界波弁別手段と、 入力された前記信号Or の振幅レベル毎のパルス数、極
    大値からなる主局特性値信号Cr と、局地方向分布デー
    タ(d0i、Δd0i)に基づいて算出された地震電磁界の
    平均分布データXr 、その拡がりΔXr 、及び強度分布
    r とを出力し、さらに、前記観測局から前記平均分布
    データXr 迄の震央距離Lを算出して出力する主局特性
    値算出手段と、 前記主局特性値算出手段からの平均分布データXr 、Δ
    r 、Ir と、前記トモグラフィー手段からの空間分布
    データXt 、ΔXt と、到来方位データ(d、Δd)を
    入力されて算出した発生域データXi 、ΔXi 、Ii
    の重み付け平均値計算により算出された地震電磁界発生
    源の中心位置データX0 、その拡がりΔX0 、及び強度
    分布I0 を推定するとともに、該中心位置データX0
    その拡がりΔX0 を前記各観測局の改良局地特性値算出
    手段に送る発生源分布推定手段と、 入力された前記中心位置データX0 、拡がりΔX0 の集
    合に基づいて求めた地震電磁界発生域の拡がりを示す量
    と、主局特性値信号Cr 、局地特性値信号Ce、改良局
    地特性信号Cf 、及び震央距離Lとに基づいて地震のマ
    グニチュードM0 を算出するマグニチュード推定手段
    と、前記特性値Ce 、Cf 、Cr のパルス数を入力さ
    れ、このパルス数と時間との関数を示すパルス数時間関
    数に基づいて求めた異常発生と判断する時間T0 に、経
    験的に知られた時間ΔTを加算して地震発生時TE を推
    定する発生時推定手段とを備えることを特徴とする地震
    電磁界の観測による地震の前兆現象に係わる電磁界観測
    装置。
  5. 【請求項5】 前記発生時推定手段からの地震発生推定
    時TE と、前記発生源推定手段からの中心位置データX
    0 、その拡がりΔX0 、強度分布I0 と、前記マグニチ
    ュード推定手段からのマグニチュードM0 とを、気象デ
    ータと比較して雷の有無を確認する一方、地殻活動モニ
    タデータと比較して前記三者のデータの推定の信頼性を
    判定する総合判定手段を備えることを特徴とする請求項
    4記載の装置。
  6. 【請求項6】 前記中心位置データX0 、その拡がりΔ
    0 の集合に基づいて地震電磁界の発生域の拡がりを表
    す量、例えば面積値を算出し、該値に基づいてマグニチ
    ュードの第1の推定値M1 を求め、入力された前記主局
    特性値信号Cr 、局地特性値信号Ce 、及び改良局地特
    性値信号Cf 、及び震央距離Lに基づいて求めた第2の
    推定値M2 を求め、前記推定値M1 、M2 の重み付き平
    均値を算出して最終のマグニチュードM0 を求めること
    を特徴とする請求項4に従う装置。
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