JPH09103301A - 横幅伸縮機能を備えた靴 - Google Patents

横幅伸縮機能を備えた靴

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JPH09103301A
JPH09103301A JP7264401A JP26440195A JPH09103301A JP H09103301 A JPH09103301 A JP H09103301A JP 7264401 A JP7264401 A JP 7264401A JP 26440195 A JP26440195 A JP 26440195A JP H09103301 A JPH09103301 A JP H09103301A
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JP
Japan
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shoe
adhesive
scabbard
skin
woven
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JP7264401A
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English (en)
Inventor
Teruhiro Oshitani
彰宏 押谷
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OSHITANI SANGYO KK
Original Assignee
OSHITANI SANGYO KK
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造コストの上昇を抑えた状態で、足の横幅
サイズに確実に対応することができるようにし、しかも
履き心地を良好にする。 【解決手段】 靴底2と、この靴底2の上部に形成され
た胛皮3とからなる靴1において、上記胛皮3は、一方
向にのみ伸縮するウェブが、靴1の幅方向に伸縮するよ
うに靴底2に固定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個人差による足の
横幅寸法のバラツキに確実に対応することができる横幅
伸縮機能を備えた靴に関するものである。そして、この
靴は、大人用、子供用、男性用、女性用、カジュアル
用、フォーマル用、スポーツ用等あらゆる用途に適用可
能なものである。
【0002】
【従来の技術】通常、靴は、ゴムや皮革などの強靱な材
料で形成された靴底と、この靴底の上部に接着または縫
着によって取り付けられた胛皮とから形成されている。
このような靴は、古くは着用者の足のサイズに合わせて
つくる、いわゆる注文生産が主流であったが、現在で
は、規格化された各種のサイズの靴が予め大量生産され
るようになっており、他品種が大量生産されるような製
品の最たるものになっている。
【0003】靴のサイズは、日本工業規格(JIS)に
制定され、足長を対象として19.5cm〜30cmの
範囲内で5mm毎に区分されているとともに、中足部分
の幅寸法(足囲)でも6mm毎に10段階に区分され、
これらのマトリックスでそれぞれの靴のサイズが決めら
れている。従って、需要者は上記各サイズの内、自身の
足に合致するものを選び出して購入することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記規格化
された靴のサイズの種類は、非常に多いものになってい
るため、これら全てのサイズの靴を製造しようとすれ
ば、製造コストが非常に高いものになるという問題点が
存在する。そこで、実際には、需要の多い平均的なサイ
ズのものが数〜10数種類製造されているのが一般的で
あり、需要者の選択範囲は実際には狭いものになってい
る。そして、一般的に足長については多くの種類の靴が
あるが、横幅寸法については種類が少なく、従って、足
長の合致する靴があっても、足幅が合わない場合が多
く、これの改善が嘱望されていた。
【0005】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、製造コストの上昇を抑えた
状態で、足の横幅サイズに確実に対応することが可能で
あり、しかも履き心地の良好な横幅伸縮機能を備えた靴
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
横幅伸縮機能を備えた靴は、靴底と、この靴底の上部に
形成された胛皮とからなる靴において、上記胛皮は、一
方向にのみ伸縮するウェブが、靴の幅方向に伸縮するよ
うに靴底に固定されていることを特徴とするものであ
る。
【0007】この横幅伸縮機能を備えた靴によれば、例
えば靴のサイズに比して足幅が大きい場合であっても、
靴を履くに際し、体重をかけつつ足の甲を胛皮の中に差
し入れることによって胛皮が幅方向に伸長し、これによ
って無理なく靴を着用した状態になる。そして、靴を履
いた状態で伸長したウェブの復元力により足の表面が胛
皮に密着した状態になるため、履き心地が良好になる。
しかも、胛皮は長手方向にはほとんど伸縮しないため、
靴の内部に長手方向の伸縮に起因した隙間の生じること
がなく、歩行時に靴が脱げるような不都合が確実に防止
される。
【0008】本発明の請求項2記載の横幅伸縮機能を備
えた靴は、請求項1記載の横幅伸縮機能を備えた靴にお
いて、上記ウェブは、一方向に伸縮する織製品および編
製品のうちのいずれか一方または双方の2枚の間に接着
剤層が挟持されて形成された少なくとも3層構造のもの
であることを特徴とするものである。
【0009】この横幅伸縮機能を備えた靴によれば、織
製品および編製品のうちのいずれか一方または双方の2
枚の間に接着剤層が挟持された状態の、少なくとも3層
構造でウェブが形成されているため、複数材料の積層構
造であること、および上記接着剤層の存在によってウェ
ブは非常に丈夫なものになる。
【0010】本発明の請求項3記載の横幅伸縮機能を備
えた靴は、請求項2記載の横幅伸縮機能を備えた靴にお
いて、上記織製品は、綾織りで織製された布体であるこ
とを特徴とするものである。
【0011】この横幅伸縮機能を備えた靴によれば、織
製品として綾織りによる布体が用いられているため、綾
織りの布体はその織製組織の特徴から本来的に一方向へ
の伸縮が可能になっており、このような布体はウェブの
材料として好適である。
【0012】本発明の請求項4記載の横幅伸縮機能を備
えた靴は、請求項2または3記載の横幅伸縮機能を備え
た靴において、上記接着剤層は、ゴムを主剤にした接着
剤によって形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0013】この横幅伸縮機能を備えた靴によれば、製
造された靴を加熱する加硫操作によって接着剤の強度が
向上し、しかも接着剤に胛皮に沿った形状に対する保形
性が付与された状態になるため、胛皮が丈夫なものにな
るとともに、胛皮の型崩れが確実に防止される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る靴の第1実
施形態を示す斜視図である。この図に示すように、第1
実施形態の靴1は、ゴム製の靴底2と、この靴底2の上
部に接着された胛皮3と、胛皮3の内部に敷設される中
敷き4とで形成されている。上記胛皮3は、足の先端部
から中足部分の前方までを覆う前方胛皮31と、この前
方胛皮31の両側部から後方に向かって延設された後方
胛皮32とで形成されている。上記後方胛皮32は、中
足から踵までの部分を嵌め込むためのものである。
【0015】上記靴底2は、スチレンブタジエンゴム
(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム
(IR)、エチレンプロピレン共重合ゴム(EPM)あ
るいはアクリロニトリル共重合ゴム(NBR)等を原料
とし、これを所定の金型内に射出して成形した後、加熱
による加硫処理を施すことによって製造されている。本
実施形態においては、上記NBRが靴底2の原料として
使用されている。
【0016】図2は、第1実施形態の靴に適用された胛
皮用のウェブの一例を示す断面図である。この図に示す
ように、ウェブ5は、第1布層51と、これに積層され
た接着剤層52と、さらにこの接着剤層52に積層され
た第2布層53とからなる3層構造を呈している。
【0017】そして、上記第1布層51および第2布層
53は、いずれも一方向に伸縮可能であるが、これと直
交する方向には伸縮しない、いわゆるワンウエイ織布が
採用されている。これらワンウエイ織布が接着剤層52
を挾持した状態で同一方向に伸縮するように積層され、
ウェブ5が形成されている。従って、ウェブ5は、一方
向には伸縮するが他方向には伸縮しないようになってい
る。
【0018】上記各布層51,53を形成している織布
は、本実施形態においては、通常の合成繊維を原料と
し、常法によって綾織り組織になるように織製されたも
のが採用されている。綾織り組織の織布は、この織り組
織の特性上、一方向へは伸縮し得るが他方向へは伸縮し
ないようになっており、上記各布層51,53の原料と
して好適である。なお、綾織り組織の他、梨字織り組
織、葛城織り組織などで織製された織布もなども各布層
51,53の原料として使用し得る。
【0019】そして、第1布層51の表面に接着剤を一
様に塗布して接着剤層52を形成し、その上に第1布層
51と伸縮方向が同じになるように第2布層53を積層
することによってウェブ5が形成される。上記接着剤の
塗布操作は、一度塗りでもよいが、接着剤層52を所定
の厚み寸法にするために、通常複数回の塗り重ねが行わ
れる。
【0020】上記接着剤層52は原料としてゴム組成物
が使用されている。本実施形態においては、ゴムにカー
ボンブラック、酸化亜鉛、斜方晶系硫黄(S8)、ステ
アリン酸、老化防止剤、反応促進剤などを添加し、この
混合物を130〜160℃に加熱しながら15〜30分
間混練して接着基剤(第1接着基剤)を調製している。
そして、第1布層51への塗布に際し、上記接着基剤に
工業用ガソリンを適量添加して粘度を低下させるように
している。第1接着基剤の配合割合の一例を表1に示
す。
【0021】
【表1】
【0022】上記の第1接着基剤の他、特にゴムとして
NBRとSBRとの混合物を使用し、これらに上記第1
接着基剤と同一の組成を混入し、さらにフェニールβナ
フチルアミン、液状クマロン樹脂、フェノールとヘキサ
メチレンテロラミンとの付加化合物を混入することによ
って得られる接着基剤(第2接着基剤)を使用すること
もできる。なお、第2接着基剤においては、第1接着基
剤の老化防止剤に代えて軟化剤が使用されている。第2
接着基剤の一例を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】ちなみに、第2接着基剤にフェノールとヘ
キサメチレンテロラミンとの付加化合物を混入したの
は、これの混入によって接着剤の布に対する接着力が向
上するからである。
【0025】図3は、織布に対する接着剤の塗布操作の
一実施形態を示す説明図である。この図に示すように、
織布510に対する接着剤520の塗布処理は、接着剤
塗布装置6によって行われる。
【0026】上記接着剤塗布装置6は、織布510のロ
ール61aが装着された原反ローラ61と、この原反ロ
ーラ61から引き出された織布510を引き取って巻き
取る巻取りローラ62と、この巻取りローラ62と上記
原反ローラ61との間に介設される加熱用ドラム63
と、この加熱用ドラム63と上記原反ローラ61との間
で張設された織布510の表面に接着剤520を供給す
る接着剤供給機構64と、この接着剤供給機構64の直
ぐ下流側に設けられたドクター装置65とから構成され
ている。
【0027】上記巻取りローラ62および加熱用ドラム
63にはそれぞれに図略の駆動手段が設けられ、これら
駆動手段の駆動によって原反ローラ61に巻き取られて
いる織布510が引き出され、巻取りローラ62に順次
巻き取られるようになっている。
【0028】また、上記加熱用ドラム63は、内部が空
洞に形成され、この中にボイラー63aからのスチーム
が供給されるようになっており、これによって加熱用ド
ラム63の表面に接触した織布510に塗布されている
接着剤520に加熱処理が施されるようになっている。
なお、加熱用ドラム63をボイラー63aからのスチー
ムで加熱する代わりに、電熱ヒータで加熱するようにし
てもよい。
【0029】上記接着剤供給機構64は、接着剤520
を貯留する接着剤槽64aと、この接着剤槽64a内の
接着剤520を織布510の表面に吐出するノズル64
bとを備えている。このノズル64bは、吐出口が織布
510を横断するように長尺に形成され、これによって
ノズル64bから吐出された接着剤520は、織布51
0の幅方向の全長に亘って供給されるようになってい
る。
【0030】上記接着剤槽64aの底部とノズル64b
とをつなぐ管路には開閉バルブ64cが設けられ、この
開閉バルブ64cの開閉操作でノズル64bからの接着
剤520の吐出および吐出停止を行うとともに、開度を
調節することによって開閉バルブ64cからの吐出量を
調節し得るようになっている。
【0031】上記ドクター装置65は、上流側で接着剤
供給機構64によって織布510に供給された接着剤5
20の厚みを均一にするためのものであり、織布510
を横断するように設けられたドクター刃65aと、この
ドクター刃65aの上方に設けられ、刃先と織布510
との隙間寸法や当接度合いを調節する刃先調節手段65
bと、上記ノズル64bおよびドクター刃65aに対向
した状態で織布510の裏面側に設けられた接着剤受け
ホッパー65cとから構成されている。
【0032】この接着剤塗布装置6の構成によれば、ま
ず、接着剤槽64a内に、上記第1接着基剤または第2
接着基剤と、溶剤としての所定量工業用ガソリンとを充
填し十分に撹拌混合することによって、所定の粘度の接
着剤520が接着剤槽64a内に貯留された状態にな
る。なお、溶質の濃度を均一化するためには上記混合の
後、接着剤520を略24時間寝かせるようにするのが
好ましい。
【0033】ついで原反ローラ61と巻取りローラ62
との間に加熱用ドラム63を介して織布510を張設す
るとともに、刃先調節手段65bの操作によってドクタ
ー刃65aを下降させ、その刃先と張設されている織布
510の表面との間の隙間寸法を所定の値に設定する。
なお、織布510上に接着剤520の薄層を形成させる
場合は、ドクター刃65aの刃先を織布510の表面に
軽く接触させるようにすればよい。同時にボイラー63
aからのスチームを加熱用ドラム63に供給して加熱用
ドラム63の外周面を100℃前後に加熱する。
【0034】その後、巻取りローラ62および加熱用ド
ラム63の図略の駆動手段を駆動させることにより、加
熱用ドラム63を介した巻取りローラ62への織布51
0の巻き取り操作を開始するとともに、開閉バルブ64
cを開弁して接着剤槽64a内の接着剤520を織布5
10の表面に供給する。そうすると、ノズル64bから
織布510の表面に供給された接着剤520は、下流側
のドクター刃65aによって余分な部分が掻き取られ、
これによって織布510への塗布厚みが均一化する。掻
き取られた接着剤520は接着剤受けホッパー65cに
捕捉され回収される。
【0035】接着剤520の塗布厚みが均一化した織布
510は、下流側の加熱用ドラム63の外周面に接触す
ることによって加熱され、表面の接着剤520中の溶剤
(工業用ガソリン)が揮散するとともに、接着剤520
中のゴムに加硫処理が施され、これによって織布510
の表面に下地のゴム層が形成された下地付織布511が
形成され、この下地付織布511が巻取りローラ62に
巻き取られる。
【0036】このようにして得られた下地付織布511
は、幅方向に裁断されて複数の所定寸法の長方形状の下
地付ウェブにされ、これら下地付ウェブのゴム層にさら
に上記接着剤520が刷毛塗りその他で塗布される。つ
いで一対の下地付ウェブを、それらの塗布面が互いに対
し、かつ、伸長方向が同一になるように揃えた状態で相
互に積層し、所定のプレスマシンで押圧した状態で略1
00℃前後で所定時間加熱処理することにより図2に示
すようなウェブ5が得られる。
【0037】図4は、本発明に係る靴の製造方法の一実
施形態を示す工程図である。また、図5は、靴の製造途
中の状態を示す説明図であり、(イ)は、裁断工程にお
いて裁断されて形成された胛皮、(ロ)は、縫製工程に
おいて所定の縫製処理が施された胛皮、(ハ)は、貼り
込み工程において胛皮が金型に装着された状態、(ニ)
は靴底接着工程において胛皮の底部に靴底が接着された
状態をそれぞれ示している。
【0038】第1実施形態に係る靴1は、図1に示すよ
うに、裁断工程P1、縫製工程P2、吊り込み工程P
3、加硫工程P4、冷却工程P5、および靴底接着工程
P6を経て製造される。裁断工程P1は、上記ウェブ5
を所定形状に裁断して胛皮3をつくる工程であり、通
常、打ち抜き処理を施すことによって前方胛皮31およ
び後方胛皮32が得られる。この裁断工程P1において
は、ウェブ5の伸縮する方向が、図5の(イ)に矢印で
示すように、胛皮3の幅方向に一致するように裁断され
る。
【0039】裁断された直後の前方胛皮31は、図5の
(イ)に示すように、略半円状を呈しているとともに、
後方胛皮32はU字径状を呈しており、このU字径状の
右側部の折り返された部分に踵部33が形成されてい
る。また、前方胛皮31および後方胛皮32は、それら
を合わせた状態で靴1の立体形状を展開した平面形状に
なっている。
【0040】この裁断工程P1で得られた展開状態の胛
皮3は、つぎの縫製工程P2において、前方胛皮31の
右縁部と後方胛皮32の両側部とが縫着され、これによ
って胛皮3の中央部分に足を入れるための長孔34が形
成される。この長孔34縁部についても内側に折り曲げ
られた状態で縫製される。そして、必要ならば、補強材
である爪先部力布31aおよび踵部力布33aが前方胛
皮31および後方胛皮32の踵部33の裏面に縫着また
は接着で取り付けられる。
【0041】上記吊り込み工程P3は、先の縫製工程P
2で得られた縫製処理済みの胛皮3を靴1の立体形状に
仕上げる工程である。この吊り込み工程P3において
は、図5の(ハ)に示すように、靴1の内部形状に対応
した外観形状を有するる金型7が用いられる。胛皮3
は、この金型7を用いた吊り込み操作によって靴1の外
観形状になるように立体形状化される。
【0042】具体的には、まず、底面にゴム系またはウ
レタン系の接着剤を塗布して乾燥した中敷き4の接着剤
の塗布されていない面を金型7の底面に積層した状態
で、上記縫製工程P2で縫製処理の施された胛皮3を上
記金型7の上部に被せ、ついで胛皮3の周縁部を金型7
の底面に積層されている中敷き4の接着剤層に向かうよ
うに折り返す、いわゆる吊り込み操作を行う。こうする
ことによって胛皮3が足形の立体形状になるとともに、
胛皮3の底に中敷き4が接着された状態になる。
【0043】そして、上記吊り込み操作においては、胛
皮3の幅方向両下側部が伸びない状態で縁部を金型7の
底面に向けて折り返すようにするのが好ましい。その理
由は、胛皮3は幅方向に伸縮自在のウェブ5によって形
成されており、胛皮3が幅方向に伸長した状態で折り返
されると、それを金型7から抜き出した状態で伸長して
いるウェブ5の復元力によって縮まり、これによって立
体形状の胛皮3の形崩れが起こるという不都合が生じる
からである。
【0044】ついで、胛皮3の装着された金型7を図略
の加熱炉に装入し、140〜80℃で2〜40分間、加
熱することによって、胛皮3を形成しているウェブ5の
接着剤層52内のゴム成分が硫黄成分によって加硫さ
れ、これによるゴム成分の改質によって接着剤層52が
硬化するとともに強靱になり、胛皮3は立体形状を確実
に保持し得るようになる。
【0045】ついで上記加硫工程P4における上記加硫
処理が完了した後、金型7を加熱炉から取り出し、冷却
工程P5において自然放冷あるいは強制冷却による冷却
処理を施し、金型7を略常温にまで温度降下させる。
【0046】その後、靴底接着工程P6において、予め
ゴム系またはウレタン系の接着剤が上面に塗布され、乾
燥された靴底2を胛皮3の底部の中敷き4に重ね合わせ
ることによって、図5の(ニ)に示すように、胛皮3内
に金型7が装着された状態で靴底2と胛皮3とが相互に
接着された状態になる。
【0047】この状態で金型7を介して中敷き4と靴底
2とに対し、図略のプレスマシンで所定時間の押圧処理
を施し、その後、靴を脱がせる容量で胛皮3から金型7
を抜き取ることによって、図1に示すような靴1が得ら
れる。
【0048】図6は、本発明に係る第2実施形態の靴を
示す斜視図である。この実施形態の靴1aは、足の前方
半分を覆う前方胛皮と、足の後方を覆う後方胛皮とが当
初から一体化した胛皮3aで形成されている以外は、第
1実施形態の靴1と同じである。なお、第2実施形態の
靴1aの場合は、上記縫製工程P2において、先の実施
形態で行われたような前方胛皮3bと後方胛皮3cとの
縫製処理は施す必要はなく、その分製造コストの低減を
図り得る。
【0049】以上詳述したように、本発明の靴1,1a
は、胛皮3,3aとして一方向に伸縮するウェブ5が採
用され、このウェブ5が靴の幅方向に伸縮するように靴
底2に取り付けられて形成されているため、たとえ足の
横幅が標準サイズよりも広くても、靴1,1aを履いた
状態で胛皮3,3aが幅方向に拡張し、これによって無
理なく靴1,1aを着用することができるようになる。
【0050】しかも、胛皮3,3aは、長手方向には伸
長しないため、歩行中に上記伸長によって靴が脱げ易く
なるような不都合は生ぜず、総じて靴1,1aが非常に
履き易い快適なものになる。
【0051】本発明は、以上の実施形態の他、以下をも
含むものである。
【0052】(1)上記の実施形態においては、胛皮
3,3aは、3層構造のウェブ5が用いられているが、
3層構造に限定されるものではなく、さらに接着剤層お
よび布層を交互に順次積層した4層構造以上にしてもよ
いし、一の接着剤層と一の布層とからなる2層構造にし
てもよい。
【0053】(2)上記の実施形態においては、胛皮
3,3aの原料であるウェブ5は、織製品が適用されて
いるが、織製品の代りにメリヤス編み等による編製品を
用いてもよいし、織製品と編製品とを接着剤層を介して
交互に積層してもよい。さらには、一方は一方向に伸縮
する織布を使用し、他方は合成皮革等の合成樹脂シート
を適用するようにしてもよい。
【0054】
【発明の効果】上記本発明の請求項1記載の横幅伸縮機
能を備えた靴によれば、胛皮は、一方向にのみ伸縮する
ウェブが、靴の幅方向に伸縮するように靴底に固定され
て形成されてなるものであるため、例えば靴のサイズに
比して足幅が大きい場合であっても、靴を履くに際し、
体重をかけつつ足の甲を胛皮の中に差し入れることによ
って胛皮が幅方向に伸長し、これによって無理なく靴を
着用した状態になり、個人差による足幅のバラツキを確
実に吸収することが可能になる。従って、従来のように
各種の足幅サイズに合致するように多くの種類の靴を製
造する必要がなくなり、品種が多いことによる製造コス
トの増大を確実に抑制する上で好都合である。
【0055】また、靴を履いた状態で伸長したウェブの
復元力により足の表面が胛皮に密着した状態になるた
め、履き心地が良好になるとともに、胛皮は長手方向に
はほとんど伸縮しないため、靴の内部に長手方向の伸縮
に起因した隙間の生じることがなく、歩行時に靴が脱げ
るような不都合が確実に防止され、靴を使用感の良好な
商品価値の高いものにする上で有効である。
【0056】上記本発明の請求項2記載の横幅伸縮機能
を備えた靴によれば、ウェブは、一方向に伸縮する織製
品および編製品のうちのいずれか一方または双方の2枚
の間に接着剤層が挟持されて形成された少なくとも3層
構造で形成されているため、複数材料の積層構造である
こと、および上記接着剤層の存在によってウェブは非常
に丈夫なものになる。
【0057】上記本発明の請求項3記載の横幅伸縮機能
を備えた靴によれば、織製品として綾織りによる布体が
用いられているため、綾織りの布体はその織製組織の特
徴から本来的に一方向への伸縮が可能になっており、ウ
ェブの材料として好適に使用することができる。
【0058】上記本発明の請求項4記載の横幅伸縮機能
を備えた靴によれば、接着剤層は、ゴムを主剤にした接
着剤によって形成されているため、製造された靴を加熱
する加硫操作によって接着剤の強度が向上し、しかも接
着剤に胛皮に沿った形状に対する保形性が付与された状
態になる。従って、得られた靴の胛皮が非常に丈夫なも
のになるとともに、胛皮の型崩れが確実に防止され、商
品価値の向上を図る上で極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る靴の第1実施形態を示す斜視図で
ある。
【図2】第1実施形態の靴に適用された胛皮用のウェブ
の一例を示す断面図である。
【図3】織布に対する接着剤の塗布操作の一実施形態を
示す説明図である。
【図4】本発明に係る靴の製造方法の一実施形態を示す
工程図である。
【図5】靴の製造途中の状態を示す説明図であり、
(イ)は、裁断工程において裁断されて形成された胛
皮、(ロ)は、縫製工程において所定の縫製処理が施さ
れた胛皮、(ハ)は、吊り込み工程において胛皮が金型
に装着された状態、(ニ)は靴底接着工程において胛皮
の底部に靴底が接着された状態をそれぞれ示している。
【図6】本発明に係る第2実施形態の靴を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1,1a 靴 2 靴底 3,3a 胛皮 31 前方胛皮 31a 爪先部力布 32 後方胛皮 33 踵部 33a 踵部力布 34 長孔 4 中敷き 5 ウェブ 51 第1布層 52 接着剤層 53 第2布層 510 織布 511 下地付織布 520 接着剤 6 接着剤塗布装置 61 原反ロール 62 巻取りローラ 63 加熱用ドラム 64 接着剤供給機構 65 ドクター装置 7 金型 P1 裁断工程 P2 縫製工程 P3 吊り込み工程 P4 加硫工程 P5 冷却工程 P6 靴底接着工程

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴底と、この靴底の上部に形成された胛
    皮とからなる靴において、上記胛皮は、一方向にのみ伸
    縮するウェブが、靴の幅方向に伸縮するように靴底に固
    定されていることを特徴とする横幅伸縮機能を備えた
    靴。
  2. 【請求項2】 上記ウェブは、一方向に伸縮する織製品
    および編製品のうちのいずれか一方または双方の2枚の
    間に接着剤層が挟持されて形成された少なくとも3層構
    造のものであることを特徴とする請求項1記載の横幅伸
    縮機能を備えた靴。
  3. 【請求項3】 上記織製品は、綾織りで織製された布体
    であることを特徴とする請求項2記載の横幅伸縮機能を
    備えた靴。
  4. 【請求項4】 上記接着剤層は、ゴムを主剤にした接着
    剤によって形成されていることを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の横幅伸縮機能を備えた靴。
JP7264401A 1995-10-12 1995-10-12 横幅伸縮機能を備えた靴 Pending JPH09103301A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018163740A1 (ja) * 2017-03-08 2018-09-13 株式会社オールユアーズ 靴及び靴の製造方法

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