JPH09102224A - 極低温用ケーブル - Google Patents

極低温用ケーブル

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JPH09102224A
JPH09102224A JP7279749A JP27974995A JPH09102224A JP H09102224 A JPH09102224 A JP H09102224A JP 7279749 A JP7279749 A JP 7279749A JP 27974995 A JP27974995 A JP 27974995A JP H09102224 A JPH09102224 A JP H09102224A
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JP
Japan
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laminated
paper
voltage
layer
insulator
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JP7279749A
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English (en)
Inventor
Daisuke Miura
大介 三浦
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E40/00Technologies for an efficient electrical power generation, transmission or distribution
    • Y02E40/60Superconducting electric elements or equipment; Power systems integrating superconducting elements or equipment

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  • Insulated Conductors (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高真空雰囲気中に配置された積層絶縁体につ
いて、最適な絶縁構造を得る。 【解決手段】 超電導撚線1は、積層絶縁紙より成る積
層絶縁体3により絶縁されているコルゲート管2の中で
液体ヘリウムにより冷却されている。コルゲート管2と
コルゲート管10の間は、高真空に保たれ、積層絶縁体
3は、下記の式を満たす。ここで、rk は、k層目の物
質の外半径を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層卷回されて高
真空雰囲気中に置かれる積層絶縁体を有する構造の極低
温用ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、超電導ケーブル,極低温ケーブル
等、極低温用ケーブルの絶縁体として、導線の周囲に積
層卷回されて高真空雰囲気中に置かれる構造の積層絶縁
体が開発された(例、特開平6-89617 号公報,特願平6-
69862 号)。図1は、積層絶縁体を有する超電導ケーブ
ルの構造の一例を示す図である。図1において、1は超
電導撚線、2はコルゲート管、3は積層絶縁体、4は導
電層、5はバインドテープ層、6は断熱層、7は銅テー
プ層、8は液体窒素が流される銅管、9は断熱層、10
はコルゲート管である。
【0003】超電導撚線1はコルゲート管2に挿通され
て、コルゲート管2との間には螺旋状にスペーサ(図示
せず)を介在させて液体ヘリウムの流路が形成されてお
り、それにより超電導撚線1が極低温に保たれるように
している。コルゲート管2の上側には、絶縁紙を積層卷
回した積層絶縁体3が形成されており、積層絶縁体3
は、ケーブルの屈曲性を良くするため、小さなギャップ
をあけて絶縁紙テープを卷回することにより形成されて
いる。そして、その上側に導電層4,バインドテープ層
5,断熱層6が形成されている。
【0004】断熱層6の上側には、銅テープ層7が設け
られ、その上に螺旋状に液体窒素銅管8が設けられ、そ
れら銅テープ層7,液体窒素銅管8により液体窒素シー
ルドが形成されている。さらに、断熱層9が設けられ、
その上に螺旋状にスペーサ(図示せず)を介在させてコ
ルゲート管10が形成されている。また、コルゲート管
2とコルゲート管10との間は高真空にして、断熱効果
が上がるようにしている。
【0005】この超電導ケーブルのように、積層絶縁体
を高真空雰囲気中に配置した絶縁方式によれば、次のよ
うな利点がある。すなわち、 絶縁紙積層構造を用いることによりフレキシビリティ
が確保される。 クライオ効果により高真空の維持が容易となる。 電気絶縁層にスペーサを用いる場合のような沿面が存
在しないことにより、耐電圧特性が向上する。 積層絶縁体が電気絶縁の機能の他に熱絶縁の機能をも
兼ね具えているため、その分、断熱層の厚さ等を軽減す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の技術は、積層絶縁体が高真空雰囲気中に配置さ
れており、従来の積層絶縁体とは配置される環境が著し
く異なるため、未だ積層絶縁体の設計方針が確立されて
いないのが現状である。
【0007】そこで、本発明は、このような高真空雰囲
気中に配置された積層絶縁体を有する極低温用ケーブル
について、最適な絶縁構造を得ることを課題とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の極低温用ケーブルでは、高真空雰囲気中に
配置された積層絶縁紙より成る積層絶縁体を有する極低
温用ケーブルにおいて、前記積層絶縁体(3) が、関係式
【数2】 ただし、Vは、設計電圧(kV) ε1 は、真空の誘電率(F/m) εk は、導体側からk層目の物質の誘電率(F/m) r0 は、導体の半径(mm) rk は、導体側からk層目の物質の外半径(mm) nは、絶縁紙の積層数 が成り立つようにした。また、積層絶縁紙に半合成紙を
用いることとした。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。高真空雰囲気中に配置され
た積層絶縁体について、最適な絶縁構造を解明すべく、
積層絶縁紙によるモデルケーブル試料を作成して、絶縁
破壊特性と部分放電特性を実験により求め、極低温、高
真空雰囲気下における積層絶縁体の破壊機構を以下のよ
うに調べた。
【0010】(絶縁破壊特性)図2は、積層絶縁体の絶
縁破壊試験用モデルケーブル試料を示す図である。図2
において、11は真鍮製の電極棒、12はカーボン紙、
13は積層絶縁紙試料、14はストレスコーン、15は
FRPキャップ、16はクレープカーボン紙、17はア
ルミ箔、18は錫メッキ銅線である。
【0011】真鍮製の電極棒11には、電界緩和用のカ
ーボン紙12を卷回した上に、幅20mm、厚さ約12
0μmの絶縁紙テープを1mmのギャップ、1/3ラッ
プで積層卷回した。絶縁紙としては、クラフト紙,合成
紙及び半合成紙の3種類用意した。
【0012】図3は、モデルケーブル試料を取り付けた
絶縁試験装置を示す図である。符号11〜17は、図2
のものに対応し、19はリード線、20は絶縁試験装
置、21はステンレス容器、22は真空室、23はFR
P製の冷媒容器、24は接続棒、25は冷媒室、26は
断熱用バッフル板、27は断熱層、28は液体窒素ガー
ドタンクである。冷媒容器23の冷媒室25は、液体ヘ
リウムで満たされていて、その下側の真空室22に、接
続棒24を介してモデルケーブル試料が設置されてい
る。この場合は、2つのモデルケーブル試料が取り付け
られているが、それぞれのモデルケーブル試料は、それ
ぞれ別々に試験が行われる。
【0013】モデルケーブル試料は、接続棒24の熱伝
導によって冷媒室25の温度4.2°Kとほぼ同じ温度
まで冷却される。また、真空室22の真空度は、1×1
-6〜2×10-7Torrに保つようにした。また、モ
デルケーブル試料のアルミ箔17はリード線19により
ステンレス容器21に接続されて、アース電位に保たれ
る。そして、接続棒24を介して電極棒11に正負の直
流電圧,交流電圧及びインパルス電圧を印加し、接続棒
24とアルミ箔17との間にある積層絶縁紙試料13の
絶縁破壊試験を行った。昇圧ステップは、正負の直流電
圧及び交流電圧の場合は、1kV/5 minとし、インパ
ルス電圧の場合は、2kV/3cycle とした。
【0014】図4は、直流絶縁破壊電圧の積層枚数依存
性を示す図である。試験は、厚さ120μmの半合成紙
(2軸延伸ポリプロピレンフィルムの上下面にクラフト
紙を貼り合わせたもの)を用い、その積層枚数を3層,
5層,8層と変えて行った。
【0015】ここで、破壊電圧VBDと積層絶縁紙の厚さ
dとの関係を、
【数3】VBD=Kdn (Kは定数) で表すと、正の直流電圧,負の直流電圧共ほぼ直線上に
乗ることが判る。また、積層絶縁紙の厚さ1mmでの破
壊ストレスは、正の直流電圧で21.7kV/mm、負
の直流電圧で41.5kV/mmというように、負の直
流電圧を印加した場合の方が正の直流電圧を印加した場
合の2倍程度の値を示し、顕著な極性効果が現れた。
【0016】図5は、交流,インパルス絶縁破壊電圧の
積層枚数依存性を示す図である。この試験も、図4の場
合と同様な絶縁紙を用いて行った。交流破壊電圧は、実
効値では正の直流破壊電圧より低下し、積層絶縁紙の厚
さ1mmでの破壊ストレスは、18kV/mmであっ
た。一方、インパルス破壊電圧は、交流破壊電圧の2〜
3倍の値を示した。
【0017】また、以上の試験結果に基づいて、数3に
おけるスケーリングパラメータKとnを求めると表1の
ようになる。
【表1】
【0018】油浸ケーブルに用いられている油浸セルロ
ース紙ではn=1に近い範囲でn<1となる場合は、絶
縁体の表面及び内部のボイド等の内部欠陥が原因となっ
て、そこから放電が起こり絶縁破壊に進展する場合であ
ると考えられている。今回の場合も、n=0.7〜0.
95となり、内部欠陥からの放電破壊メカニズムがある
ことを暗示している。そして、その内部欠陥としては、
絶縁体を形成する際に絶縁紙テープをギャップ巻きした
結果生じるバットギャップが考えられる。
【0019】そこで、絶縁破壊が発生した試料を解体し
て調べた結果、図7に示すように、有効長部でいずれも
バットギャップ(図中の斜線部分)を起点にした2つの
タイプの破壊経路が観察された。その内の1つは、図7
に実線矢印P1 で示すような、最も内側(電極棒11
側)のバットギャップBGを起点として、積層された絶
縁紙を貫通して形成された経路である(貫通破壊)。そ
して、もう1つの経路は、図7に点線矢印P2 で示すよ
うな、同じく最も内側のバットギャップBGを起点と
し、積層された絶縁紙の間を通って形成された経路であ
る(積層沿面破壊)。
【0020】それら2種類の絶縁破壊の内の多くは、貫
通破壊であった。その破壊孔の一例を図8に示す。図8
(イ)は、電極棒11の直上に卷回された絶縁紙であ
る。そのギャップ部分に破壊孔Aがあいていた。図8
(ロ)は、図8(イ)のものの直上に卷回された絶縁紙
である。前記破壊孔Aに対応する位置に破壊孔Bがあい
ていた。
【0021】図6は、絶縁材料別の交流絶縁破壊電圧の
積層枚数依存性を示す図である。この試験は、図4の場
合と同様な半合成紙に加えて、クラフト紙(セルロー
ス)と合成紙(ポリエチレン)を用いて、3者の交流破
壊電圧の比較を行った。極低温下での1枚シート試験に
おける絶縁紙本来の破壊電圧は、通常、半合成紙>合成
紙>クラフト紙の順になるのに対して、上の試験では図
示のとおり、3者の間に顕著な差が現れなかった。この
ことから判断しても、この場合の絶縁破壊機構は、絶縁
紙本来の絶縁破壊強度に依存せずにバットギャップを起
点としたものであることが推測される。
【0022】なお、77°K,5×10-6〜1×10-6
Torrの条件下でも同様な試験を行ったが、その結果
は、上記のものと同様であった。
【0023】(部分放電特性)次に、部分放電特性につ
いて説明する。図9は、積層絶縁紙の部分放電測定用モ
デルケーブル試料を示す図である。符号は、図2のもの
に対応し、17−1〜17−3は、分割配置したアルミ
箔である。このようなモデルケーブル試料を、図3に示
した絶縁試験装置に取り付けて部分放電測定を行った。
【0024】図10は、積層絶縁紙の部分放電測定にお
ける接続図である。符号は、図3及び図9のものに対応
している。一方の接続棒24へモデルケーブル試料を取
り付け、電極棒11に交流の高電圧H.V.を印加す
る。そして、中央のアルミ箔17−1は、検出抵抗Rd1
を介してアースに接続する。また、それと並列に結合コ
ンデンサCkと検出抵抗Rd2の直列回路を接続する。一
方、両側のアルミ箔17−2,17−3は、他方の接続
棒24を介してアースに接続する。
【0025】そのような装置において、検出抵抗Rd1
Rd2の電圧V1 ,V2 を検出することにより、部分放電
の発生及びその強さを測定する。測定回路としては、図
11に示すように、部分放電の測定器として同調式部分
放電測定器を使用し、さらに感度良く測定を行うために
外部雑音の低減装置として、電源のノイズをカットする
ための平衡入力型部分放電検出器及び空中のノイズをカ
ットするための論理制御雑音弁別器を用いた。なお、図
11中のCaはモデルケーブル試料を示している。
【0026】実験は、ノイズレベル1pc(ピコクーロ
ン)、電極温度77°K、真空度1×10-6Torr、
昇圧ステップ1kV/10minの条件で行った。試料
は、半合成紙,合成紙,クラフト紙について、それぞれ
積層枚数3枚と5枚で実施した。その結果を表2に示
す。
【0027】
【表2】 なお、表2中の放電開始電界は、導体直上のバットギャ
ップの電界強度を後述する計算式により計算して求めた
値である。
【0028】一方、部分放電の発生パターンは、最初、
電圧ピーク部(図12中の+P,−P)で起こり、その
後電圧が上昇するに従って部分放電は、ピーク付近から
第1,第3象限(図12中のI,III の範囲)側で起こ
るようになった。この傾向は、ボイドに起因する放電に
特徴的に現れることが知られており、このことからも、
この場合の部分放電がバットギャップに起因するもので
あると推測できる。
【0029】さらに、第1象限からピーク領域+Pにか
かる部分の方が第3象限からピーク領域−Pにかかる部
分より部分放電の発生割合が多く、また、放電電荷量も
大きいという顕著な極性効果が観測された。このこと
は、図4に示したように、正の直流電圧印加時の絶縁破
壊電圧が負の直流電圧印加時の絶縁破壊電圧より低いこ
と、及び交流電圧印加時の絶縁破壊電圧がピーク値で正
の直流電圧印加時の絶縁破壊電圧とほぼ同レベルである
ことにも対応している。この原因としては、バットギャ
ップ内部において、真空中のコロナ放電による極性効果
と同様な現象が起きていると推測される。
【0030】以上に示した絶縁破壊試験と部分放電測定
との結果から、高真空雰囲気中に配置された積層絶縁紙
より成る極低温用ケーブルの積層絶縁体の絶縁破壊は、
積層絶縁体のバットギャップに起因して起きていること
が判る。そして、積層絶縁体のバットギャップの内、最
も電界強度が高くなるのは導体直上にあるバットギャッ
プである。そこで、本発明では、導体直上にあるバット
ギャップの電界強度が所定値以上にならないように積層
絶縁体を形成することとした。
【0031】ところで、積層絶縁体を持つ電気ケーブル
の絶縁体各層の電界強度Ei は、次に示す数4で表され
ることが知られている(例、「高電圧工学」コロナ社
第7章)。
【数4】 ただし、Vは、設計電圧(kV) εi は、導体側からi層目の物質の誘電率(F/m) εk は、導体側からk層目の物質の誘電率(F/m) ri は、導体側からi層目の物質の外半径(mm) rk は、導体側からk層目の物質の外半径(mm) nは、絶縁紙の積層数
【0032】この式を使って、導体直上のバットギャッ
プにかかる電界強度EBGを示すと、次の数5のようにな
る。
【数5】 ただし、Vは、設計電圧(kV) ε1 は、真空の誘電率(F/m) εk は、導体側からk層目の物質の誘電率(F/m) r0 は、導体の半径(mm) rk は、導体側からk層目の物質の外半径(mm) nは、絶縁紙の積層数
【0033】この場合、各層の誘電率は、例えば、図7
の一点鎖線で示すように、導体直上のバットギャップを
通る垂直面内にある部分の誘電率を用いて計算する。す
なわち、その部分にバットギャップがある第1層と第2
層の誘電率ε1,ε4 は、真空の誘電率を用い、その他の
層の誘電率ε2,ε3,ε5 は、絶縁紙の誘電率を用いて計
算する。
【0034】ここで、各種絶縁紙の極低温下での誘電率
がどのようになるかを示す。図13は、各種絶縁紙の比
誘電率の温度依存性を示す図である。図13において、
実線はセルロース、点線はポリプロピレン、一点鎖線は
ポリエチレンの比誘電率の温度依存性を示している。一
般的に絶縁紙に使用されているセルロース,ポリプロピ
レン及びポリエチレンの比誘電率は、図13から明らか
なように、77°K以下の極低温においては、2.2〜
2.6の範囲でほとんど温度によって変化しない(この
ことは、バットギャップにおける電界強度は、絶縁紙の
種類によって顕著な変化がないことを意味している)。
【0035】前記表2の放電開始電界は、上記数5を使
って求めたものである。そこで、表2を見ると、放電開
始電界は、多少のばらつきはあるものの、ほぼ21kV
/mmとなっている。その値に安全率30%(当技術分
野で安全率として、この程度の数字が良く用いられる)
を見込んで、導体直上のバットギャップにかかる電界強
度が15kV/mm以下になるようにすれば、極低温ケ
ーブルの積層絶縁体の絶縁破壊の発生を防止することが
できることになる。
【0036】一方、導体直上のバットギャップにかかる
電界強度を低く抑えることは、同一の絶縁紙を用いた場
合、積層絶縁体の積層厚さを厚くすることにつながる。
すなわち、ケーブル外径が一定の場合、積層絶縁体の積
層厚さを厚くするとその分、断熱層の厚さを薄くするこ
とになって断熱効果が低下してしまう。すなわち、導体
直上のバットギャップにかかる電界強度を低くすればす
るほど良いという分けではなく、そのことによるマイナ
ス面も生じる。そこで、本発明では、マイナス面である
断熱効果の低下がほとんど影響しない範囲となるよう
に、導体直上のバットギャップにかかる電界強度の下限
を10kV/mmとすると良い。
【0037】なお、表2から明らかなように、半合成紙
を用いた場合は、部分放電開始電圧が安定している。そ
の理由を本発明者は、クラフト紙や合成紙に比べて、半
合成紙は、上下のクラフト紙の間にポリプロピレンフィ
ルムを有しているため、テープ作成時のカットをシャー
プに行うことができてテープ端面がきれいであるうえ、
半合成紙は、引っ張り強度が大きいため、絶縁テープを
導体に卷回する際の作業性が良いという特性を有する結
果であると考えている。
【0038】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の極低温用ケー
ブルによれば、積層絶縁体を最適な絶縁構造とすること
ができる。また、絶縁紙に半合成紙を用いれば、絶縁特
性が安定し、しかも絶縁テープを導体に卷回する際の作
業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層絶縁体を有する超電導ケーブルの構造の
一例を示す図
【図2】 積層絶縁体の絶縁破壊試験用モデルケーブル
試料を示す図
【図3】 モデルケーブル試料を取り付けた絶縁試験装
置を示す図
【図4】 直流絶縁破壊電圧の積層枚数依存性を示す図
【図5】 交流,インパルス絶縁破壊電圧の積層枚数依
存性を示す図
【図6】 絶縁材料別の交流絶縁破壊電圧の積層枚数依
存性を示す図
【図7】 積層絶縁紙の破壊経路説明図
【図8】 貫通破壊の破壊孔の一例を示す図
【図9】 積層絶縁紙の部分放電測定用モデルケーブル
試料を示す図
【図10】 積層絶縁紙の部分放電測定における接続図
【図11】 積層絶縁紙の部分放電測定回路図
【図12】 部分放電測定時に課電する交流電圧波形を
示す図
【図13】 各種絶縁紙の比誘電率の温度依存性を示す
【符号の説明】
1 超電導撚線 2,10 コルゲート管 3 積層絶縁体 4 導電層 5 バインドテープ層 6,9 断熱層 7 銅テープ層 8 銅管 11 電極棒 12 カーボン紙 13 積層絶縁紙試料 14 ストレスコーン 15 FRPキャップ 16 クレープカーボン紙 17 アルミ箔 18 錫メッキ銅線 19 リード線 20 絶縁試験装置 21 ステンレス容器 22 真空室 23 冷媒容器 24 接続棒 25 冷媒室 26 断熱用バッフル板 27 断熱層 28 液体窒素ガードタンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高真空雰囲気中に配置された積層絶縁紙
    より成る積層絶縁体を有する極低温用ケーブルにおい
    て、前記積層絶縁体(3) が、関係式 【数1】 ただし、Vは、設計電圧(kV) ε1 は、真空の誘電率(F/m) εk は、導体側からk層目の物質の誘電率(F/m) r0 は、導体(1) の半径(mm) rk は、導体側からk層目の物質の外半径(mm) nは、絶縁紙の積層数 を満足するものであることを特徴とする極低温用ケーブ
    ル。
  2. 【請求項2】 積層絶縁紙に半合成紙を用いたことを特
    徴とする請求項1記載の極低温用ケーブル。
JP7279749A 1995-10-03 1995-10-03 極低温用ケーブル Pending JPH09102224A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE202012008574U1 (de) 2011-09-09 2012-10-08 Ferenc Bölcskei Reinheitseinlage für WC-Becken
CN110211743A (zh) * 2019-03-20 2019-09-06 天津大学 一种新型气体绝缘超导输电管道

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DE202012008574U1 (de) 2011-09-09 2012-10-08 Ferenc Bölcskei Reinheitseinlage für WC-Becken
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