JPH09100337A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置

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JPH09100337A
JPH09100337A JP25775595A JP25775595A JPH09100337A JP H09100337 A JPH09100337 A JP H09100337A JP 25775595 A JP25775595 A JP 25775595A JP 25775595 A JP25775595 A JP 25775595A JP H09100337 A JPH09100337 A JP H09100337A
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metal hydroxide
metal
semiconductor encapsulation
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Yoshio Yamaguchi
美穂 山口
Hitomi Shigyo
ひとみ 執行
Hiroko Yamamoto
裕子 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は燃焼時に有害ガスの発生が無く、高温
信頼性、半田耐熱性の優れた、半導体素子封止用難燃性
エポキシ樹脂組成物を得るためになされたものである。 【解決手段】硬化物の熱分解開始温度が260℃以上で
あり、且つ硬化物の曲げ強度が14kg/mm2以上で
ある次ぎの、疎水性エポキシ樹脂、硬化剤、金属水酸化
物、金属酸化物及び無機質充填材から構成される難燃性
エポキシ樹脂組成物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、高温信頼性、
半田耐熱性に優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物及
びこれを用いた半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、IC、LSI等の半導体
素子は、従来セラミックにより封止され、半導体装置化
されていたが、最近では、コスト、量産性の観点から、
プラスチックを用いた樹脂封止半導体装置が主流になっ
ている。この種の樹脂封止には、従来からエポキシ樹脂
が用いられており良好な成績を収めている。しかし、半
導体分野の技術革新によって集積度の向上とともに素子
サイズの大形化、配線の微細化が進み、半導体装置も小
形化、薄形化する傾向にあり、これに伴って封止材料に
対して、従来以上の信頼性の向上が要望されている。一
方、半導体装置等の電子部品は、難燃性の規格であるU
L94 V−0に適合することが必要不可欠である。従
来から、半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難燃作用を
付与する方法として、臭素化エポキシ樹脂及び酸化アン
チモンを添加する方法が一般的に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記難
燃化付与技術に関して2つの大きな問題があった。第1
の問題点として、燃焼時に臭化水素、臭素ガス、臭素化
アンチモン等の有害ガスの発生による人体への有害性や
機器への腐食性と、半導体素子封止過程で産出する産業
廃棄物や使用後の半導体装置の処分の問題等環境上の安
全性が問題となっている。第2の問題点としては、上記
難燃化付与技術を採用した半導体装置を高温で長時間放
置すると、遊離した臭素の影響で半導体素子上のアルミ
ニウム配線が腐食し、半導体装置の故障の原因となり高
温信頼性の低下が問題となっている。上記の問題点を解
決するためには、難燃剤としてノンハロゲンーノンアン
チモン系である金属水酸化物を無機難燃剤として添加す
る方法が提案されている。しかしながら、この方法では
大量の(例えば40重量%以上)金属水酸化物を使用せ
ねばならず、別の大きな問題が生じることとなる。第1
の問題点は、半田付け時に半導体装置に膨れや、クラッ
クが発生しやすい点である。半導体装置の実装方法とし
て表面実装が主流になっており、半田付け時には半田浸
漬、赤外リフロー、ベーパーフェイズリフロー等の半田
処理方法が選択されて使用される。いずれの処理法を採
用しても、半導体装置が高温(通常215〜260℃)
に曝されるため、従来の金属水酸化物が添加された樹脂
組成物を用いた樹脂封止による半導体装置では、金属水
酸化物の吸水量が多いため、吸湿した水分の急激な気化
により半導体装置の膨れやクラックが発生するというい
わゆる半田耐熱性の低下という問題が生じている。第2
の問題点として、高温信頼性に関しては150〜200
℃の高温環境下での半導体素子機能が低下するという点
である。発熱量の大きい半導体素子や自動車のエンジン
周りに搭載する半導体装置等では、長時間の使用により
脱水反応が生起するため、高温信頼性が低下するという
問題が生じる可能性がある。
【0004】このように、従来の難燃化技術では、上記
のような問題が生じるため、燃焼時に有害ガスの発生の
ない、安全かつ無公害な材料であって、半導体装置の半
田付け時において金属水酸化物の脱水による半導体装置
の膨れやクラックを起さず、長期間の高温雰囲気下での
放置によっても半導体素子上のアルミニウム配線の腐食
や高温信頼性の低下の生起しない難燃化技術の開発が強
く望まれている。そこで我々は特願平7−507466
において熱硬化性樹脂、硬化剤とともに金属水酸化物、
金属酸化物とを併用した半導体封止用熱硬化性樹脂組成
物を提案し上記課題の解決を図った。しかしその後の検
討において、疎水性エポキシ樹脂を使用するとさらに高
温信頼性、難燃性、安全性及びとりわけ半田耐熱性に優
れた半導体装置が得られる事がわかり本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、硬化物の熱分解開始温度が260℃以上
であり、且つ硬化物の曲げ強度が14kg/mm2以上
である下記の(イ)〜(ホ)成分を含有するエポキシ樹
脂組成物を提供することにある。 (イ)疎水性エポキシ樹脂 (ロ)硬化剤 (ハ)下記の一般式(1)で表される金属水酸化物 n(MaOb)・cH2O ・・・(1) [上記式(1)において、Mは金属元素であり、a、
b、cは正数、nは1以上の正数である。] (ニ)下記の一般式(2)で表される金属酸化物 n’(QdOe) ・・・(2) [上記式(2)において、Qは周期律表のIVa、Va、VI
a、VIIa、VIII、Ib、IIbから選ばれた族に属する金属元
素であり、d、eは正数、n’は1以上の正数であり、
MとQは異なる金属の組合わせで用いられる。] (ホ)無機質充填材 すなわち、本発明者らは、安全性はもちろん高温信頼
性、半田付け時の耐熱性及び難燃性に優れた封止用樹脂
組成物を得るために一連の研究を重ねた。その研究の過
程で、従来の難燃剤に代わる新たな難燃剤を得るために
種々の化合物について試験を行った。その結果、エポキ
シ樹脂として疎水性エポキシ樹脂を用い、難燃剤とし
て、前記一般式(1)で表される金属水酸化物と一般式
(2)で表される金属酸化物との併用によりこれら難燃
剤は安全・無公害であり、高温信頼性、難燃性及びとり
わけ半田付け時の耐熱性に優れた封止用成形材料が得ら
れることを見いだし本発明に到達した。
【0006】つぎに、本発明を詳しく説明する。本発明
に用いられる疎水性エポキシ樹脂とは、汎用エポキシ樹
脂の代表である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂と異なり、樹脂骨
格中にビフェニルやナフタレンやフルオレンやシクロ環
のように疎水骨格を有するエポキシ樹脂などが挙げら
れ、単独もしくは混合して使用することができる。通常
の硬化剤例えばフェノールノボラック樹脂を用いて、こ
れらの骨格を有するエポキシ樹脂と汎用的なクレゾール
ノボラックエポキシ樹脂を硬化させた場合、これらの骨
格を有するエポキシ樹脂の場合の方がクレゾールノボラ
ックエポキシ樹脂を用いた場合より、吸水率を小さくす
ることが可能である。殊に4、4’ビス(βγエポキシ
プロポキシ)3、3’、5、5’テトラメチルビフェニ
ル(以下TMBGと略す)が溶融時の粘度も低く好まし
く用いられる。またクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂などとの
併用を妨げるものではないが、本目的の半田耐熱性を低
下する傾向にあるので好ましくなく、状況に応じて併用
することになる。上記疎水性エポキシ樹脂(イ成分)と
ともに用いられる硬化剤(ロ成分)として、例えば、フ
ェノール樹脂、酸無水物、アミン化合物、など従来公知
のものが使用されるが、このうちフェノール樹脂の使用
が好適である。このフェノール樹脂としてはフェノール
ノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA
ノボラック、ナフトールノボラック及びフェノールアラ
ルキル樹脂等があげられる。
【0007】上記疎水性エポキシ樹脂(イ成分)および
硬化剤(ロ成分)とともに用いられる金属水酸化物(ハ
成分)は下記の一般式(1)で表される金属水酸化物で
ある。 n(MaOb)・cH2O ・・・(1) [上記式(1)において、Mは金属元素であり、a、
b、cは正数、nは1以上の正数である。] 上記式(1)において、金属水酸化物中のMは、Al, M
g, Ca, Ni, Co,Sn, Zn, Cu, Fe, Ti, B 等があ
げられる。上記式(1)で表される金属水酸化物の具体
的な代表例としては、Al2O3・yH2O(0<y≦
3)、MgO・yH2O(0<y≦1)、CaO・yH2
O(0<y≦1)、NizOy・H2O(0.5<z≦
2、0<y≦2)、CoOz・yH2O(1≦z≦2、0
≦y≦2)、PbOz・yH2O(0.5≦z≦2、0
<y≦2)、SnOz・yH2O(1≦z≦2、0<y
≦2)、ZnO・yH2O(0<y≦1)、FeOz・y
H2O(1≦z≦1.5、0.5≦y≦1.5)、CuOz
・yH2O(0.5≦z≦1、0<y≦1)等があげら
れる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併せて
用いてもよい。上記一般式(1)で表される金属水酸化
物の熱的性質として、脱水開始温度が200℃以上であ
ることが好ましい。特に好ましくは脱水開始温度が26
0℃以上のものである。上記脱水開始温度とは、熱天秤
を使用した熱重量法(大気中で測定)により昇温速度1
0℃/minで測定される値であり、加熱減量が5重量
%に達した時の温度、および微分加熱減量値(加熱減量
を時間で一次微分した値、すなわち加熱減量速度)が
0.5重量%/minを越えたときの温度のいずれか低
い方の温度とする。さらに単位重量あたりの脱水に伴う
吸熱エネルギーの大きな水酸化物が好適に使用できる。
【0008】一方疎水性エポキシ樹脂(イ)、硬化剤
(ロ)、金属水酸化物(ハ)とともに使用される(2)
式で表せる金属酸化物(ニ)の金属元素を示すQは、周
期律表のIVa、Va、VIa、VIIa、VIII、Ib、IIbから選ば
れた族に属する金属から選択されるが、一般式(1)の
金属元素Mとは異なる金属の組合せで使用される。金属
元素Qとしては、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウ
ム、銅、亜鉛、カドミウム等があげられ、単独でもしく
は2種以上あわせて選択される。具体的な代表例として
は、MgO、CaO、NiOy(0.5≦y≦2)、Co
Oy(1≦y≦2)、PbOy(0.5≦y≦2)、S
nOy(1≦y≦2)、ZnO、FeOy(1≦y≦
1.5)、CuOy(0.5≦y≦1)、TiOy(1≦
y≦2)、PbOy(1≦y≦2)等があげられる。そ
して一般式(1)と(2)との関係では、MgO・H2
O、Al2O3・yH2Oの金属水酸化物Fe2O3、NiO
の金属酸化物の組合せが好適である。そして、上記式
(1)及び(2)で表される金属水酸化物と金属酸化物
は粒状物であり、レーザー式粒度測定機による平均粒径
0.1〜30μmのものが好適に用いられる。
【0009】無機質充填材(ホ)としては石英ガラス粉
末、タルク、シリカ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウ
ム、窒化ホウ素、窒化ケイ素およびカーボンブラック粉
末等があげられる。特に、シリカ粉末を用いるのが好適
である。このような無機質充填材は、金属水酸化物、金
属酸化物を加算した無機物全体重量がエポキシ樹脂組成
物全重量に対して60〜92重量%に設定するのが好ま
しい。そして、上記金属水酸化物と酸化物の含有量は全
組成物重量の4〜40%であることが好ましい。その理
由は4重量%未満では難燃効果が劣り、40重量%を越
えると耐半田性や高温信頼性が低下するからである。こ
の時併用される一般式(2)で表せる金属酸化物は金属
水酸化物に対して重量で10〜50%の割合で一般には
用いられる。10%未満では難燃化効果が低く、また5
0%を越えると高温信頼性が低下するためである。また
場合によっては一般式(1)、(2)で表される、金属
水酸化物と金属酸化物の複合形態である複合金属水酸化
物を用いることができる。具体的な代表例としてs(M
gO)・1−s(NiO)・cH2O(0<s<1、0<
c≦1)、s(Al2O3)・1−s(Fe2O3)・c
H2O(0<s<1、0<c≦3)などが挙げられる。
特に複合水酸化物を使用した場合には、樹脂組成物全体
の3〜30重量%でその難燃化効果を発揮できる。この
場合も3%未満では難燃化効果が低く、30%を越える
と高温信頼性や半田耐熱性が低下するためである。複合
水酸化物の中では、特に酸化マグネシウム・酸化ニッケ
ルの水和物が特に好ましく使用する事ができる。
【0010】さらに、硬化した樹脂組成物(硬化体)
は、つぎのようにして抽出された抽出水中の塩素イオン
濃度が硬化体1gあたり100μg以下であることが好
ましい。すなわち、硬化体5gと蒸留水50ccを専用
の抽出容器に入れ、この容器を160℃の乾燥機内に2
0時間放置して抽出水を抽出する。そして、上記抽出水
をイオンクロマト分析して塩素イオン量(X)を測定す
る。この塩素イオン量(X)は硬化体中のイオン量を1
0倍に希釈した値であるため、下記に示す式により硬化
体1gあたりの塩素イオン量を算出する。 硬化体1gあたりの塩素イオン量(μg)=X×(50
/5) すなわち、硬化体の抽出水中に含有される塩素イオン濃
度が高いと、素子、リードフレーム等の腐食が発生した
り、耐湿性が劣化するようになるからである。
【0011】なお、本発明に用いられる樹脂組成物に
は、上記成分以外に、硬化促進剤、顔料、離型剤、可と
う性付与剤等を必要に応じて適宜に添加することができ
る。上記顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン
等があげられる。上記離型剤としては、パラフィンや脂
肪酸エステル、脂肪酸塩等があげられる。上記可とう性
付与剤としては、シランカップリング剤等のカップリン
グ剤及びシリコーン樹脂やブタジエンーアクリロニトリ
ルゴム等があげられる。また本発明では有機系の難燃剤
の併用もより金属水酸化物の使用量を低減できるので都
合がよい。代表的な難燃剤としては、メラミン誘導体、
シアヌレート誘導体、イソシアヌレート誘導体など複素
環骨格を有する化合物が用いられる。
【0012】本発明のエポキシ樹脂組成物は、例えば次
のようにして製造することができる。すなわち、疎水性
エポキシ樹脂(イ成分)、硬化剤(ロ成分)、金属水酸
化物(ハ成分)、金属酸化物(ニ成分)、無機質充填材
(ホ成分)ならびに必要に応じて他の添加剤を所定の割
合で配合する。ついで、この混合物をミキシングロール
機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練して、これを
室温に冷却する。そして、公知の手段によって粉砕し、
必要に応じて打錠するという一連の工程によって目的と
するエポキシ樹脂組成物を製造することができる。この
ようにして得られるエポキシ樹脂組成物を用いての半導
体素子の封止方法は、特に限定するものではなく、通常
のトランスファー成形等の公知の成形方法によって行う
ことができる。
【0013】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【実施例1〜7、比較例1〜5】表1に示す金属水酸化
物、金属酸化物ならびに下記の表2に示す各成分を同表
に示す割合で配合し、ミキシングロール機(温度100
℃)で3分間溶融混練を行い、冷却固化した後粉砕して
目的とする粉末状熱硬化性樹脂組成物を得た。このよう
に実施例および比較例によって得られた熱硬化性樹脂組
成物を用い、半導体素子をトランスファー成形(条件:
175℃×2分)し、175℃×5時間で後硬化するこ
とにより半導体装置を得た。この半導体装置は、80ピ
ンQFP(クワッドフラットパッケージ、サイズ:20
×14×2mm)であり、ダイパッドサイズは8×8mmで
ある。このようにして得られた半導体装置について、8
5℃/85%相対湿度の高温槽中に96時間放置して吸
湿させた後、加熱温度240℃で90秒間赤外リフロー
して半田耐熱性を評価した。また上記半導体装置を20
0℃で放置して故障率50%になる時間を測定する高温
放置試験を行った。さらに、厚み1/16インチの試験
片を成形し、UL94 V−0規格の方法に従って難燃
性を評価した。また、硬化物を粉砕して熱重量分析を行
い、熱分解開始温度と260℃での加熱減量を測定し
た。曲げ試験は時JIS K−6911 に従って行い
曲げ強度を求めた。これらの結果を下記の表3に示す。
【0014】実施例1に於ては金属水酸化物と金属酸化
物総量は全組成物重量の32%であって、硬化後の曲げ
強度は15kg/mm2、の硬化物が得られた。この組
成物の高温信頼性、半田耐熱性は優れ、難燃レベルも9
4 V−0であった。一方比較例1では従来技術のブロ
ム化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン併用で難燃化した
ものであるが、この場合は高温信頼性に劣る。また比較
例2では金属水酸化物と金属酸化物総量を併用している
が曲げ強度が13kg/mm2と低く半田耐熱性に劣
る。比較例3では加熱減量が多く、塩素イオン濃度も高
い組成のため、半田耐熱性と高温信頼性が悪かった。
【0015】実施例2〜4は金属水酸化物と金属酸化物
の全重量に対する割合を18〜40%の範囲で変えたも
のであるが、曲げ強度も15〜17kg/mm2となっ
ており、難燃レベル、高温信頼性、半田耐熱性も良好で
あった。一方比較例4では金属水酸化物のみで難燃化を
図ったため半田耐熱性が悪かった。また比較例5では金
属水酸化物を用いていないため難燃性レベルに劣った。
【0016】実施例5では複合水酸化物を全重量の30
%用いたもので、曲げ強度も15kg/mm2であり、
難燃性レベル、高温信頼性、半田耐熱性の優れた結果を
得た。実施例6では複合金属水酸化物と金属酸化物の併
用系であるが、曲げ強度が16kg/mm2であり、難
燃性レベル、高温信頼性、半田耐熱性に優れた結果が得
られた。また実施例7では金属水酸化物と金属酸化物
(総量が全重量の32%)に加え、有機難燃剤としてメ
ラミンを加えた系であるがこの場合も、難燃性レベル、
高温信頼性、半田耐熱性に優れた結果が得られた。
【0017】
【表1】
【表2】
【表3】
【0018】
【発明の効果】以上のように、本発明の半導体装置は、
前記一般式(1)及び(2)で表される金属水酸化物と
金属酸化物を含有する疎水性エポキシ樹脂組成物を用い
て半導体素子が封止されている。このため、高温に放置
しても難燃剤として臭素化エポキシ樹脂を使用する場合
と比較すると臭素の影響がないためアルミニウム配線の
腐食が生起せず、高温信頼性が向上して長寿命になる。
また、吸湿量の少ない疎水性エポキシ樹脂を使用してい
るため、吸湿した状態で、半田付け処理した場合におい
ても半導体装置のクラックが発生しにくい。さらに、有
害なハロゲン化物や三酸化アンチモンを使用せずに難燃
性の付与が可能となることから、安全性が非常に高く環
境上有利に使用できる。さらに疎水性エポキシ樹脂を用
いているので硬化物の吸水性も低下し、半田耐熱性に対
して非常に優れた硬化を与える。このように、本発明の
半導体装置は、無公害な難燃化技術、しかも半導体装置
の信頼性を格段に向上させる技術を提供するものであ
り、産業上の利用価値は極めて高いものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化物の熱分解開始温度が260℃以上で
    あり、且つ硬化物の曲げ強度が14kg/mm2以上で
    ある下記の(イ)〜(ホ)成分を含有する半導体封止用
    エポキシ樹脂組成物。 (イ)疎水性エポキシ樹脂 (ロ)硬化剤 (ハ)下記の一般式(1)で表される金属水酸化物 n(MaOb)・cH2O ・・・(1) [上記式(1)において、Mは金属元素であり、a、
    b、cは正数、nは1以上の正数である。] (ニ)下記の一般式(2)で表される金属酸化物 n’(QdOe) ・・・(2) [上記式(2)において、Qは周期律表のIVa、Va、VI
    a、VIIa、VIII、Ib、IIbから 選ばれた族に属する金属
    元素であり、d、eは正数、n’は1以上の正数であ
    り、MとQは異なる金属の組合せで使用される。] (ホ)無機質充填材
  2. 【請求項2】一般式(1)で表される金属水酸化物中の
    金属元素を示すMが、アルミニウム、マグネシウム、カ
    ルシウム、ニッケル、コバルト、スズ、亜鉛、銅、鉄、
    チタンおよびホウ素からなる群から選ばれた少なくとも
    一つの金属である請求項1記載の半導体封止用エポキシ
    樹脂組成物。
  3. 【請求項3】一般式(2)で表される金属酸化物中の金
    属元素を示すQが、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウ
    ム、銅、亜鉛およびカドミウムからなる群から選ばれた
    少なくとも一つの金属である請求項1または2記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】一般式(1)及び(2)で表される金属酸
    化物と金属水酸化物が複合化した複合化金属水酸化物で
    あることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】複合化金属水酸化物がsMgO・(1−
    s)NiO・cH2O[0<s<1、0<c≦1]から
    なる請求項4に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】一般式(1)で示される金属水酸化物と一
    般式(2)で示される金属酸化物の使用量が組成物全重
    量の4〜40%である請求項1〜3のいずれか一項に記
    載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】複合化金属水酸化物の使用量が組成物全重
    量の3〜30%含んでなる請求項4、5項記載の半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(イ)成分である疎水性エポキシ樹脂がビフ
    ェノール型エポキシ樹脂である請求項1〜7のいずれか
    一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】硬化後の塩素イオン濃度が、組成物硬化体
    1gあたり100μg以下である請求項1〜8のいずれ
    か一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  10. 【請求項10】有機系難燃剤を含有した請求項1〜9の
    いずれか一項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  11. 【請求項11】組成物の硬化体が1/16インチ厚みの
    UL94燃焼試験において、V−0相当の難燃性を示す
    請求項1〜10のいずれか一項に記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか一項に記載の
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物で半導体素子を封止し
    て得られる半導体装置。
JP25775595A 1995-10-04 1995-10-04 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 Pending JPH09100337A (ja)

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