JPH09100247A - エーテル化反応器流出物流からのアルコール回収の改良方法 - Google Patents

エーテル化反応器流出物流からのアルコール回収の改良方法

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JPH09100247A
JPH09100247A JP8196170A JP19617096A JPH09100247A JP H09100247 A JPH09100247 A JP H09100247A JP 8196170 A JP8196170 A JP 8196170A JP 19617096 A JP19617096 A JP 19617096A JP H09100247 A JPH09100247 A JP H09100247A
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methanol
stream
ethanol
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etherification reaction
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JP8196170A
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Robert B Eldridge
ビー.エルドリッジ ロバート
Gary R Patton
アール.パットン ゲイリー
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Phillips Petroleum Co
Original Assignee
Phillips Petroleum Co
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    • C07C41/01Preparation of ethers
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    • C07C41/40Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of physical state, e.g. by crystallisation
    • C07C41/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of physical state, e.g. by crystallisation by distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチルt−ブチルエーテル(ETBE)、エ
タノールおよび炭化水素を含有するエーテル化反応帯域
生成物流へのメタノールの添加によるエタノール回収率
の向上方法を提供する。 【解決手段】 エーテル化反応帯域生成物流中における
メタノール対エタノールのモル比が0.1:1〜約1
0:1の範囲内になるようにメタノールの濃度を調整
し:そしてその後に、分別によって前記のエーテル化反
応帯域生成物流を、メタノールおよび炭化水素を含有す
る塔頂生成物とETBEおよびエタノールを含有する塔
底生成物とに分離するエーテル化反応帯域生成物からの
エタノール回収の改良方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エーテル化反応器
流出流中に含有されているアルコールの増加された回収
に関する。
【0002】
【従来の技術】エーテル化合物は、ガソリンの混合用成
分として周知である。ある種のエーテル化方法において
は、エーテル化合物はイソオレフィンとアルコールとを
エーテル化反応帯域内で反応させることによって製造さ
れる。エーテル化反応帯域からの反応生成物は、エーテ
ル化反応帯域供給物の非−反応性および未反応成分から
エーテルを除去するために分離を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】エチルt−ブチルエー
テル(ETBE)の製造においては、エタノールと炭化
水素間に形成される共沸混合物がエーテル化反応生成物
精留塔からのETBE塔底生成物に伴うエタノールの実
質的回収を困難にしている。さらに、エーテル化反応帯
域供給物として混合ブテンを使用した場合には、非−反
応性炭化水素が得られた反応生成物と共にエーテル化反
応生成物精留塔に装入され、その塔頂流と共に下流の加
工工程へ通過する。非−反応性炭化水素の存在は、しば
しばかような非−反応性炭化水素を処理する下流装置に
対する望ましくない汚染物となる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によって、エーテ
ル化反応帯域生成物流中に含まれているエタノールの増
大された除去並びに回収方法が提供される。
【0005】本発明によって、エーテル化反応帯域生成
物精留塔の塔頂生成物と共に通過するエタノールの量の
実質的減少方法も提供される。
【0006】本発明によって、エーテル化反応帯域生成
物精留塔の塔底生成物の一部分としてエーテル化反応帯
域生成物流からエタノールの実質的回収方法も提供され
る。
【0007】発明の要約 本発明の態様の一つは、エチルt−ブチルエーテル、エ
タノールおよび炭化水素を含有するエーテル化反応帯域
生成物流中に含まれているエタノールの回収の改良方法
である。エーテル化反応帯域生成物流からのエタノール
の回収を増大させるためには、エーテル化反応帯域生成
物流中におけるメタノールの濃度を、メタノール対エタ
ノールのモル比が約0.1:1〜約10:1の範囲内で
あるように調整する。その後に、エーテル化反応帯域生
成物流を、分別蒸留によってメタノールおよび炭化水素
を含有する塔頂流とETBEおよびエタノールを含有す
る塔底流とに分離する。
【0008】本発明の他の態様は、イソブチレン、エタ
ノールおよび非−反応性炭化水素を含有する流れをエー
テル化反応帯域内で反応させて、ETBE、未反応エタ
ノールおよび非−反応性炭化水素を含有する反応生成物
を形成することによるETBEの製造方法である。メタ
ノールは、メタノール対エタノールのモル比が約0.
1:1〜約10:1の範囲内である精留塔供給物が得ら
れるように反応生成物に添加する。精留塔供給物は、分
別蒸留によって塔頂流と塔底流とに分離される。塔頂流
はメタノールおよび非−反応性炭化水素を含有し、塔底
流はETBEおよびエタノールを含有する。
【0009】本発明の方法は、エーテル化反応帯域生成
物流の分別分離に関連する問題のある種のものを解決す
る。特に、エーテル化反応帯域生成物流中におけるアル
コールの存在は、しばしばエーテル化反応帯域生成物流
の炭化水素とエーテルとで形成される共沸混合組成物に
よるエーテル生成物の分離に障害を起こす。エーテル化
反応生成物中に含まれるアルコールの量は、一般に、エ
ーテル化反応帯域供給物中に含まれているイソブチレン
の濃度によって決定される。イソブチレンの濃度が増加
するに伴い、アルコール反応体の化学量論的所要はそれ
に応じて増加する。従って、エーテル化反応帯域供給物
中におけるアルコール濃度の増加に伴い、エーテル化反
応帯域生成物流中に含まれるアルコールの量もそれに応
じて増加する。
【0010】エーテル化反応帯域生成物流は、分離帯域
を限定し、かつ、かようなエーテル化反応帯域生成物
流、すなわち、反応生成物を非−反応性および(また
は)未反応炭化水素を含有する塔頂生成物とエーテル生
成物を含有する塔底生成物とに分離する精留塔に装入ま
たは供給する。
【0011】典型的なエーテル化工程作業においては、
アルコールが実質的に無いエーテルを含有する精留塔塔
底生成物を生成させることがさらに望ましい。すなわ
ち、慣用のエーテル化工程においては、精留塔の塔頂生
成物は好ましくはエーテル化反応帯域生成物中に含まれ
る大部分のアルコールを含有する。しかし、本発明にお
いては、ETBE反応生成物はエーテル化反応帯域内で
生成される。従って未反応エタノール反応体は精留塔塔
頂生成物の一部分としてではなくETBE反応生成物と
共に精留塔塔底生成物として通過するのが望ましい。
【0012】エーテル化反応帯域生成物の非−反応性炭
化水素とエタノールとの間の分別分離の遂行に伴う重要
な問題は、2種の成分の満足な分離を妨害する一定沸点
混合物としても公知の共沸混合物の形成である。分別蒸
留によって炭化水素とエタノールとの適切な分離を行う
ことを不可能にするこの現象は、精留塔塔底生成物のエ
ーテルと共にエタノールの回収を望む場合に精留塔塔頂
生成物中にエタノールの有意な損失を生ずる。
【0013】精留塔塔頂生成物中におけるエタノールの
存在は2つの不利益がある。不利益の一つは、得られた
エタノールのない炭化水素をHFアルキル化のような下
流の処理装置へ通す前に、精留塔塔頂生成物からのエタ
ノールの効率的除去の支障に関係がある。ある種の下流
処理装置の供給物中における少量のエタノールは、かよ
うな装置に大きな不利な影響を及ぼす。精留塔塔頂生成
物中における大量のエタノールの存在の他の不利益は、
簡単には精留塔塔底生成物としてのエタノールの回収が
望ましい程度にできないことである。
【0014】精留塔塔底生成物のBTBEと共に回収さ
れるエタノール量を向上させるためには、精留塔供給物
のエタノール含量に基づいたメタノールの濃度がある臨
界範囲内にあるような精留塔供給物が得られるようにメ
タノールをエーテル化反応帯域生成物流に供給または添
加すればよいことが見出された。如何なる特定の理論に
拘束されたくないが、精留塔塔底生成物中におけるエタ
ノールの回収を増加させるために精留塔供給物に対する
添加物としてのメタノールの利用は、エタノールと炭化
水素との共沸混合物の形成を妨害することによるものと
考えられる。共沸混合組成物形成のこの妨害によって、
実質的にエタノールを含まないがメタノールおよび炭化
水素を含有する塔頂生成物とETBEおよびエタノール
を含有する精留塔塔底生成物の回収ができる。
【0015】発明方法では、実質的にエタノールの無い
精留塔塔頂生成物を得るのに有効な量のメタノールを精
留塔供給物と共に使用することが望ましい。すなわち、
使用するメタノールの量は、一般に約1.5mol%未
満のエタノール、好ましくは約1.0mol%未満のエ
タノールそして最も好ましくは0.5mol%未満のメ
タノールを含有する精留塔塔頂生成物に精留塔供給物を
分別分離できるような量である。
【0016】精留塔供給物中に供給されるメタノールの
量は、精留塔塔底生成物中に含まれるエタノールの所望
回収率によって決定される。精留塔供給物中におけるメ
タノール対エタノールのモル比は、エタノールの回収率
に影響を与える臨界的比であり;そして一般的に、約
0.1:1〜約10:1である。しかし、精留塔塔底生
成物中におけるエタノールのさらに適正な回収の回収の
ためには、メタノール対エタノールのモル比は約0.2
5:1〜約7.5:1の範囲内である。好ましくは、精
留塔供給物中におけるメタノール対エタノールのモル比
は、約0.5:1〜約5:1、そして最も好ましくは
1:1〜3:1の範囲内である。
【0017】精留塔供給物中におけるメタノール対エタ
ノールのモル比は、本発明の重要な特徴であり、かつ、
精留塔塔底生成物中のETBEと共に回収されるエタノ
ールの回収率を決定する。一般に、エーテル化反応帯域
生成物流中の少なくとも約70重量%は精留塔塔底流と
共に通過しなければならない。しかし、エーテル化反応
帯域生成物流中の少なくとも約80重量%が精留塔塔底
生成物に回収されるのが好ましく、そして最も好ましく
は少なくとも95重量%のエタノールが回収されること
である。
【0018】エーテル化反応帯域生成物流は、エタノー
ル、イソオレフィンのようなエーテル化できるオレフィ
ンおよび他の非−反応性炭化水素を含有するエーテル化
反応帯域供給流を装入し、この反応帯域内で供給流中に
存在するイソ−オレフィンを酸イオン交換樹脂触媒の存
在下に第一または第二アルコールと反応させてエーテル
に転化させることによって製造される。一般に、イソ−
オレフィンには1分子当り5〜16個の炭素原子を有す
る炭化水素が含まれる。かようなイソ−オレフィンの例
には、イソブチレン、イソアミレン、イソヘキシレン、
イソヘプチレン、イソオクチレン、イソノニレン、イソ
デシレン、イソウンデシレン、イソドデシレン、イソト
リデシレン、イソテトラデシレン、イソペンタデシレン
およびイソヘキサデシレンまたはこれらの2種以上の混
合物が含まれる。
【0019】エーテル化反応体として使用できるアルコ
ールには、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノールのような1〜12個の炭素原子を有する
第一および第二アルコール、第一および第二ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリ
グリコールおよびグリセロールなどまたはこれらの2種
以上の混合物が含まれる。
【0020】エーテル化反応帯域への現在好ましい反応
体は、エタノールおよびイソブチレンがガソリンのオク
タン価向上剤として用途を有するエチルt−ブチルエー
テル(ETBE)を生成するためにエタノールおよびイ
ソブチレンである。エタノールはガソリン用のオクタン
価向上混合成分としての利用価値がある。従って、現在
のところイソ−オレフィンとしては主としてイソブチレ
ンであり、そしてアルコールとしては主としてエタノー
ルである。
【0021】典型的なエーテル化工程においては、イソ
−オレフィンおよびアルコール供給流を、エーテル化反
応に不利な影響を及ぼさない稀釈剤の存在下にエーテル
化反応帯域へ通過させる。稀釈剤は別の流れとして存在
できるが、通常は稀釈剤はイソ−オレフィン流中にあ
る。典型的な稀釈剤の例には、アルカンおよび直鎖オレ
フィンのような非−反応性炭化水素が含まれる。アルコ
ール以外のエーテル化反応帯域への供給物は、一般に、
約2〜約80重量%の非−反応性炭化水素およびオレフ
ィンを含み、好ましくは約10〜約60重量%さらに好
ましくは30〜50重量%の非−反応性炭化水素および
オレフィンを含有するように稀釈される。
【0022】本発明のエーテル化反応帯域において有用
な酸性イオン交換樹脂は、少なくとも1個のSO3 H官
能基を含有する比較的高分子量の炭素質物質である。こ
れらの触媒は、歴青炭の硫酸処理によって製造され、か
つ、ゼオライト軟水化剤または塩基交換剤として商業的
に販売されているスルホン化石炭(「Zeo−Karb
H」「Nalcite X」および「Nalcite
AX」)が挙げられる。これらの物質は、通常、中和さ
れた形態で入手できる、かような場合には、使用の前に
塩酸のような強鉱酸による処理によって活性化して水素
型にし、かつ、水で洗浄してナトリウムおよび塩化物イ
オンを除去しなければならない。本発明における使用に
はスルホン化樹脂型触媒が好ましい。これらの触媒に
は、フェノールホルムアルデヒド樹脂と硫酸との反応生
成物(「Amberlite IR−1」、「Ambe
rlite IR−100」および「Nalcite
MX」)が含まれる。クマロン−インデンとシクロペン
タジエンおよびフルフラールとのスルホン化樹脂ポリマ
ーおよびシクロペンタジエンとフルフラールとのスルホ
ン化ポリマーも有用である。最も好ましいカチオンイオ
ン交換樹脂は、例えばイオン化性または官能性核硫酸基
を有する共重合ジビニルベンゼン、0.5〜20%、好
ましくは4〜16%を有するジビニルベンゼン架橋ポリ
スチレンマトリックスのようなスルホン化ポリスチレン
樹脂から本質的に成る強酸性交換樹脂である。これらの
樹脂は、「Dowex 50」、「Nalcite H
CR」および「Amberlyst 15」のような種
々の銘柄で商用として製造および販売されている。商用
として入手したままであるとこれらは約50%の溶媒含
量を有するがこれらはそのままで使用するかまたは溶媒
を最初に除去してもよい。樹脂の粒度は特に重要ではな
く、従って任意の特定の粒度に関連する取扱上の利点に
よって選定される。一般に、10〜50U.S.Sie
ve Seriesのメッシュ寸法が好ましい。反応
は、かく拌スラリー反応器中または固定床連続流反応器
のいずれかで実施できる。かく拌スラリー反応器中にお
ける触媒濃度は、所望の触媒効果が得られるのに十分な
濃度でなければならない。一般に、触媒濃度は、反応器
内容物の重量に基づいて0.5〜50重量%(乾燥基
準)であり、これらのうちで1〜25%が好ましい範囲
である。
【0023】Rohm & HaasのAmberly
st 15およびDow ChemicalのDowe
x M−31のような酸性イオン交換樹脂が、エーテル
化用としては現在のところ最も好ましい触媒である。
【0024】エーテル化反応帯域の温度およびエーテル
化反応帯域への供給物の空間速度は、所望転化率および
オリゴマー化が問題となる温度によって所望のように選
択できる。一般に、エーテル化反応帯域の温度は、約3
0〜約120℃(約86〜約248°F)、好ましくは
約35〜約80℃(約95〜約176°F)の範囲内で
あろう。圧力は、一般に、反応の間に装入物および生成
物が液相に維持されるように選択する。典型的な圧力
は、約2.11〜約21.1kg/cm2 ゲージ(約3
0〜約300psig)の範囲内である。一般に、反応
器中における液空間速度(LHSV)は、約1〜約10
/時間、好ましくは約2〜約8/時間、最も好ましくは
3〜6/時間の範囲内であろう。
【0025】エーテル化反応帯域供給物中におけるアル
コール対イソ−オレフィンのモル比は、一般に、約0.
5:1〜約4:1、好ましくは約0.8:1〜約1.
2:1の範囲内、そして最も好ましくは約1:1であ
る。
【0026】エーテル、アルコールおよび炭化水素を含
有するエーテル化反応帯域生成物流は、エーテル化反応
帯域生成物流を精留塔塔頂生成物と精留塔塔底生成物と
に分離するための分離手段となる前記のような精留塔に
装入または通過させる。分離手段は、好ましくは液−蒸
気接触用となるトレーまたは詰物を装備した蒸留塔また
は精留塔を含む慣用の蒸留装置である。蒸留操作は、M
cGraw−HillInc.によって出版されている
Perr Chemical Engineer
s’Handbook,Sixth Edition
1984 13−5〜13−9頁に示されており、本書
は本明細書の参考になる。
【0027】本明細書に前記したように、精留塔塔頂生
成物流中におけるエタノール濃度を減少させ、それによ
って未反応エタノールの高い回収率が得られるようにエ
ーテル化反応帯域生成物流に制御された量のメタノール
を混合する。精留塔塔頂生成物は、炭化水素からのメタ
ノール分離用の下流の分離装置へ通過させる。
【0028】分離装置が約1.0mol%未満のメタノ
ール、好ましくは約0.5mol%未満のメタノール、
最も好ましくは0.20mol%未満のメタノールを含
有する分離された炭化水素流を生成させる限りは、任意
の慣用または非慣用分離設備が精留塔塔頂生成物の炭化
水素からのメタノールの分離用として使用できる。好ま
しい分離設備には、水を含む水流と精留塔塔頂生成物と
を接触させ、分離炭化水素流またはメタノールの少いラ
フィネート流およびメタノールに富む抽出流を得る接触
手段が含まれる。水流は溶媒としての作用をする。
【0029】メタノールに富む抽出流は、メタノールお
よび水を分離する精留塔へ通過する。分離された水は、
水流として使用でき、そして分離されたメタノールは再
循環によるメタノール流として役立てることができ、従
って得られた混合物を精留塔供給物としてエーテル化反
応帯域生成物精留塔へ装入する前に、メタノール流をエ
ーテル化反応生成物流と混合する。
【0030】図1を参照すると、直列に配置されたエー
テル化反応器12aおよび12b、エーテル化反応帯域
生成物精留塔14および分離設備16を含む工程設備の
略図が示されている。分離設備16には、コンタクター
18および精留塔20も含まれている。
【0031】イソブチレン、エタノールおよび他の非−
反応性炭化水素を含有するエーテル化反応帯域供給流
は、導管22によってエーテル化反応器12aおよび1
2bに装入される。エーテル化反応器12aおよび12
bは、エーテル化反応帯域を限定する。これらのエーテ
ル化反応器12aおよび12bの内部には、好適なエー
テル化触媒が含まれており、そしてエーテル化反応器1
2aおよび12bは、ETBE、未反応エタノールおよ
び非−反応性炭化水素を含有する反応生成物を生成させ
るために好適なエーテル化反応条件下で運転される。反
応生成物は、導管24によってエーテル化反応帯域生成
物精留塔14中に導入される。メタノール流は、導管2
6によって反応生成物中に導入され、混合された精留塔
供給物は、導管28によってエーテル化反応帯域生成物
精留塔に装入される。
【0032】エーテル化反応帯域生成物精留塔14は、
分離帯域を限定し、かつ、精留塔供給物を主としてメタ
ノールおよび非−反応性炭化水素を含有する精留塔塔頂
流と、主としてETBEおよびエタノールを含有する精
留塔塔底生成物とに分離する手段となる。精留塔塔底流
は、導管30を通って貯蔵または追加処理のいずれかに
通過する。
【0033】精留塔塔頂流は、導管32によってエーテ
ル化反応帯域精留塔14から分離設備16に通過する、
分離設備16は分離帯域を限定し、かつ、精留塔塔頂流
をメタノールを、含有するメタノール流と非−反応性炭
化水素を含有するメタノールの少いラフィネート流とに
分離する手段となる。さらに特別には、精留塔塔頂流
は、導管32によって、接触帯域を限定し、かつ、精留
塔塔頂流と水抽出剤とを接触させる手段となるコンタク
ター18に通過する。導管34によってコンタクター1
8から出て行くのはメタノールの少いラフィネート流で
ある。メタノールに富む抽出液は導管36を通って精留
塔20へ通過する、精留塔20は分離帯域を限定し、か
つ、抽出液を水を含有する水の流とメタノールを含有す
るメタノール流とに分離する手段となる。導管38を通
って精留塔20からコンタクター18に通過する水流
は、抽出剤として使用できる。メタノール流は、導管4
0、次いで導管26を通って精留塔20を出て、導管2
4を通ってエーテル化反応帯域生成物流中に導入される
流れと混合され、得られた混合物は導管28を通って精
留塔14に導入される。補給メタノールは導管42によ
って必要に応じて工程系10へ添加できる。
【0034】
【発明の実施の形態】次の計算例は、本発明をさらに例
示するために示す。
【0035】
【実施例】実施例I 表Iには、基礎事例および発明事例に関してエーテル化
反応帯域生成物精留塔の工程シュミレーションからの物
質収支を示す。基礎事例は、エタノール、エーテル(主
としてエチルt−ブチルエーテル)および炭化水素を含
有するがメタノールを含有しないエーテル化反応帯域生
成物流を塔頂生成物と塔底生成物とに分別分離する事例
である。発明事例は、供給物中におけるメタノール対エ
タノールのモル比、約3:1を得るために供給物にメタ
ノールを添加したのを除いて基礎事例において使用した
のと同じ供給物の分別分離事例である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】* 成分の流れは1bmol/時間である。
【0039】表Iに示した情報から判るように、精留塔
供給物へのメタノールの添加は、塔底生成物中における
エタノールの回収を増加させる。基礎事例においては、
1.68kg(3.75 lb)・mol/時間のエタ
ノールが塔頂生成物と共に通過する。これに対して、発
明事例の場合には、0.11kg(0.25 lb)・
mol/時間未満のエタノールが塔頂生成物と共に通過
する。この相異が、エーテル化反応帯域生成物中へのメ
タノール添加の利用から得られた精留塔塔底生成物と共
にエタノール回収の向上を例証している。
【0040】実施例II この実施例では、精留の前にエーテル化反応帯域生成物
流への添加剤としてメタノールの使用によって該生成物
流からのエタノールの重量%回収率の向上を証明するエ
タノール回収データを示す。表IIに示したデータは、
Phillips Petroleum Compan
yが所有権を有する気−液平衡熱力学物理特性データを
使用し、標準分別シュミレーションパッケージを使用し
て得たものである。表IIのデータを図2にプロットし
てある。この場合にも、メタノール対エタノールのモル
比の増加に伴い重量%エタノール回収率が向上すること
が例証されている。
【0041】
【表3】
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である工程を示す略図。
【図2】エーテル精留塔供給物中におけるメタノール対
エタノールのモル比の関数としてのエーテル精留塔塔底
生成物中のエタノールの回収重量%を示すプロット。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチルt−ブチルエーテル(ETB
    E)、エタノールおよび炭化水素を含有するエーテル化
    反応帯域生成物流中に含まれているエタノールの回収の
    改良方法であって:該エーテル化反応帯域生成物流中に
    おけるメタノールの濃度を、メタノール対エタノールの
    モル比が0.1:1〜約10:1の範囲内であるように
    調整し;そしてその後に、該エーテル化反応帯域生成物
    流を分別によって、メタノールおよび炭化水素を含有す
    る塔頂流とBTBEおよびエタノールを含有する塔底流
    とに分離することを特徴とする前記の方法。
  2. 【請求項2】 前記のエーテル化反応帯域生成物中にお
    けるエタノールの少なくとも70重量%が前記の塔底流
    中に含まれる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記のエーテル化反応帯域生成物流中に
    おけるエタノールの少なくとも95重量%が前記の塔底
    流中に含まれる請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 メタノールを前記の濃度に調整する前
    に、前記のエーテル化反応帯域生成物流は1重量%未満
    のメタノールの濃度を有する請求項1〜3の任意の1項
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記の塔頂生成物が、1重量%未満のエ
    タノールの濃度を有する請求項1〜4の任意の1項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記のメタノール流が、90重量%を超
    えるメタノールの濃度を有する請求項1〜5の任意の1
    項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記のエーテル化反応帯域生成物流中に
    おける調整されたメタノールの前記の濃度が、メタノー
    ル対エタノールのモル比、約0.25:1〜約7.5:
    1の範囲内にある請求項1〜6の任意の1項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記のエーテル化反応帯域生成物流を、
    イソブチレン、エタノールおよび非−反応性炭化水素を
    含有する流れをエーテル化反応帯域内で反応させてET
    BE、エタノールおよび非−反応性炭化水素を含有する
    反応生成物を形成し、該反応生成物に前記の供給物中に
    おけるメタノール対エタノールのモル比が約0.1:1
    〜約10:1の前記の範囲内にあるようなメタノールを
    含有するメタノール流を添加することによって生成させ
    る請求項1〜7の任意の1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記の塔頂流と水を含有する水流とを抽
    出帯域内で接触させて該塔頂流からメタノールを抽出
    し、非−反応性炭化水素を含有するメタノールの少いラ
    フィネート流およびメタノールに富む抽出流を得て、そ
    して前記のメタノールに富む抽出流を、前記の水流と前
    記のメタノール流とに分離する工程をさらに含む請求項
    1〜8の任意の1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記のメタノールの少いラフィネート
    流が、1重量%未満のアルコール濃度を有する請求項9
    に記載の方法。
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