JPH089987A - 糖脂肪酸エステルの製造方法 - Google Patents

糖脂肪酸エステルの製造方法

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JPH089987A
JPH089987A JP17597994A JP17597994A JPH089987A JP H089987 A JPH089987 A JP H089987A JP 17597994 A JP17597994 A JP 17597994A JP 17597994 A JP17597994 A JP 17597994A JP H089987 A JPH089987 A JP H089987A
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fatty acid
sugar
enzyme
reaction
ester
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JP17597994A
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Nobuhiro Mori
信博 森
Ryozo Iwasaki
亮三 岩崎
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アミド系有機溶剤と酵素を利用した糖類の脂
肪酸エステル化法の提供。 【構成】 炭素数5〜7の単糖類及びその一価アルコー
ルのエーテル化合物並びに炭素数4〜6の糖アルコール
及びその脱水縮合物から選ばれる糖類の1種又は2種以
上の混合物と、炭素数6〜22の飽和及び不飽和脂肪酸
並びに該脂肪酸と炭素数1〜3の低級アルコールとのエ
ステル脂肪酸の1種又は2種以上とを、有機溶媒の存在
下で、エステル分解活性を有する酵素を触媒として使用
して反応させることからなる糖類の脂肪酸エステルの製
造方法において、上記有機溶媒として下記一般式(1)
で示されるアミド系有機溶剤の1種又は2種以上を使用
することを特徴とする糖脂肪酸エステルの製造方法。 (但し、式中kは0以上の整数、m,nは1以上の整数
で、4≦k+m+n≦8である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素反応を利用した糖
脂肪酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、糖脂肪酸エステルは、界面特性が非常に優れている
ことが知られており、例えば、単糖類又はそのモノアル
キルエーテル脂肪酸エステルを配合した起泡力に優れ、
ぬるつきがなく濯ぎ性の良好な洗浄剤組成物(特開平3
−174498号,同3−185094号、同3−18
8195号)、グルコース又はアルキルグルコシドエス
テルを主成分とする濯ぎ時の触感に優れぬるつき感のな
い毛髪用洗浄組成物(特開平3−197145号、同3
−197416号)、グルコース脂肪酸エステルを配合
し、発泡性・使用感に優れた口腔用組成物(特開平3−
200713号、同3−223209号、同3−200
717号)等が提案されている。
【0003】この糖脂肪酸エステルは、糖類と脂肪酸又
はその低級アルキルエステルとを反応させることにより
得ることができるが、その反応は困難であり、これは化
学合成反応においても例外ではない。その最大の理由
は、糖分子がその分子中に多くの水酸基を有することか
ら親水性的性質が強く、一般的に界面活性が期待できる
C8以上の脂肪酸エステルを合成する際に使用するC8
以上の脂肪酸又はその低級アルキルエステルとの親和性
が極端に低いため、両者が互いに溶け合わない点に起因
するものである。
【0004】そこで、反応促進手段として、糖及び脂肪
酸を共に溶解する溶媒を使用して糖脂肪酸エステルを合
成する方法があり、例えばジメチルホルムアミド(DM
F)を溶媒とし水酸化カリウム(KOH)を触媒とする
ショ糖エステル合成法(特公昭35−13102号)が
提案され、この方法は工業的にも採用されている。
【0005】一方、糖脂肪酸エステルを酵素反応で糖類
と脂肪酸又はその低級アルキルエステルから製造する方
法も知られているが、酵素触媒は有機極性溶媒であるD
MF中でその活性を失うことが一般的に知られている
(山田靖宙:化学と生物,Vol.26,No.11,
706)。近年、有機溶媒中における酵素活性に関する
種々の研究がなされており、その報告例としては、ヘキ
サン中に於けるホスホリパーゼD活性についての研究
(T.D.Simpson:JAOCS,Vol.6
8,No.3,176(1991))、ジイソプロピル
エーテル、ヘキサン、メチルイソブチルケトン、アセト
ン等を用いた膜式バイオリアクターによる酵素的アシル
グリセロールの合成(A.van der Padt:
JAOCS,Vol.67,No.6,347(199
0))、水飽和n−ヘキサンを溶媒としたトリグリセリ
ドのエステル交換反応(福井三郎:化学と生物,Vo
l.19,No.10,620)、ポリエチレングリコ
ール(PEG)酵素が触媒するベンゼン中での酵素反応
(高橋勝宣:BIO INDUSTRY,Vol.5,
No.7,542(1988))等を挙げることができ
るが、これらのいずれもが非極性又は微極性有機溶媒下
での酵素反応であり、極性溶媒であるDMF中での酵素
活性発現例は殆んどない。唯一の報告に、無水DMF中
でサブチリシンを触媒としてグルコース、マルトース等
をアシル化した例(M.Therisod:J.Am.
Chem.Soc.,109,3977(1987))
があるが、この方法は反応条件がDMF中の水分量0.
005%以下で特殊な脂肪酸エステルを基質として使用
するというかなり制限されたものになることから、工業
的現実度は低いものであった。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
特性のアミド系有機溶剤を使用することにより、酵素活
性を安定に保持しつつ糖類をエステル化することのでき
る糖脂肪酸エステルの製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、糖脂肪
酸エステル化反応において、下記一般式(1)で示され
る特定のアミド系有機溶媒を用いると、酵素活性が安定
に保持され、酵素の持つ特異性を生かし、反応時間を短
縮することができ、工業的に有利な糖類のエステル化反
応を行い得ることを知見した。
【0008】即ち、本発明者らは、DMFが種々の溶剤
の中でも優れた糖溶解能を有するものであり、このよう
な糖に対して優れた溶解性を示すDMFを代表とするア
ミド系有機溶媒を酵素反応に導入することは反応時間の
短縮化・特異性発現的理由から、また工業的見地から有
効であると考え、種々検討を行った結果、下記一般式
(1)のアミド系有機溶剤が糖類と脂肪酸又はその低級
アルキルエステルとの酵素反応の反応溶媒として優れ、
このアミド系有機溶剤を反応溶媒に用いることにより、
上記目的を達成し得ることを見い出し、本発明をなすに
至ったものである。
【0009】
【化2】 (但し、式中kは0以上の整数、m,nは1以上の整数
で、4≦k+m+n≦8である。)
【0010】従って、本発明は、炭素数5〜7の単糖類
及びその一価アルコールのエーテル化合物並びに炭素数
4〜6の糖アルコール及びその脱水縮合物から選ばれる
糖類の1種又は2種以上の混合物と、炭素数6〜22の
飽和及び不飽和脂肪酸並びに該脂肪酸と炭素数1〜3の
低級アルコールとのエステル脂肪酸の1種又は2種以上
とを、有機溶媒の存在下で、エステル分解活性を有する
酵素を触媒として使用して反応させることからなる糖類
の脂肪酸エステルの製造方法において、上記有機溶媒と
して上記一般式(1)で示されるアミド系有機溶剤の1
種又は2種以上を使用することを特徴とする糖脂肪酸エ
ステルの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
まず、本発明の糖脂肪酸エステルの製造に用いる第一の
原料は糖類である。この糖類は、炭素数5〜7の単糖類
及びその一価アルコールとのエーテル化合物並びに炭素
数4〜6の糖アルコール及びその脱水縮合物から選ばれ
る糖類の1種又は2種以上である。
【0012】ここで、炭素数5の単糖類としては、アラ
ビノース、リボース、キシロース、リキソース、キシル
ロース、リブロース、2−デオキシリボース等、炭素数
6の単糖類としては、グルコース、ガラクトース、フラ
クトース、マンノース、ソルボース、タロース、2−デ
オキシグルコース、6−デオキシガラクトース、6−デ
オキシマンノース、2−デオキシガラクトース等、炭素
数7の単糖類としては、アロヘプツロース、セドヘプツ
ロース、マンノヘプツロース、グルコヘプツロース等を
挙げることができる。
【0013】炭素数5〜7の単糖類と一価アルコ−ルと
のエーテル化合物としては、一価アルコールの炭素数が
1〜6、特に1〜3であるものが好ましい。このような
アルコールであればその炭素鎖が直鎖、分岐鎖、飽和、
不飽和、非置換、置換のいずれでもよいが、特に、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール
が好ましい。
【0014】また、糖類と一価アルコールとのエーテル
結合位置は特に制限されず、いずれの位置でもよい。例
示すると、メチルグルコシド、エチルグルコシド、プロ
ピルグルコシド、メチルフラクトシド、メチルマンノシ
ド等のグルコシド類、6−O−メチルグルコース、6−
O−メチルフラクトース等の糖エーテル類が挙げられ
る。ここで、アルキルグルコシド類は、上記糖類のヘミ
アセタール(アノマー)性水酸基にアルキル基をアグリ
コンとして有するものが使用され、また、ヘミアセター
ル性水酸基のアルキル置換後の立体配置がα位、β位各
々単独のもの、又は、α体及びβ体が任意の割合で混合
しているもののいずれも使用することができる。
【0015】更に、炭素数4〜6の糖アルコール及びそ
の脱水縮合物としては、エリスリトール、リビトール、
キシリトール、アリトール、ソルビトール、ガラクチト
ール、ソルビタン、ソルバイド等を挙げることができ
る。
【0016】本発明においては、上述の炭素数5〜7の
単糖類及びその一価アルコールとのエーテル化合物の1
種以上と、炭素数4〜6の糖アルコール及びその脱水縮
合物の1種以上とを併用混合することができ、その併用
比率に応じた比率でしかも効率よく糖脂肪酸エステル混
合物を一挙に合成することができる。
【0017】次に、本発明の第二の原料は、炭素数6〜
22の脂肪酸又はその低級アルキルであるが、ここで使
用する脂肪酸は飽和又は不飽和であってもよく、直鎖又
は分岐脂肪酸であってもよく、このような脂肪酸であれ
ば、水酸基、カルボニル基、フェニル基で置換されたも
のでもよい。具体的には、カプロン酸、ソルビン酸、カ
プリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミトレイン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
オレイン酸、リノイール酸、リノレイン酸、ペンタデカ
ン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、ドコセン酸、アラキ
ドン酸、リシノレイン酸、ジヒドロキシスレアリン酸等
を使用することができる。
【0018】更に、脂肪酸のエステルとしては、上記炭
素数6〜22の脂肪酸と低級アルコール、例えば、メタ
ノール、エタノール、プロパノールとのエステルを使用
するものであり、具体的には、カプロン酸メチル、カプ
ロン酸エチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、
ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロ
ピル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸メチル、
ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、パルミチ
ン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピ
ル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステア
リン酸プロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチ
ル、オレイン酸プロピル、リノール酸メチル、リノール
酸エチル、リノール酸プロピル、リノレン酸メチル、リ
ノレン酸エチル、リノレン酸プロピル、エイコ酸メチ
ル、アラキドン酸メチル、ドコサン酸メチル、ドコセン
酸メチル等を挙げることができる。
【0019】これら原料の使用量は適宜選択されるが、
通常、糖1モルに対して脂肪酸類0.1〜20モル、好
ましくは1〜10モル、更に好ましくは2〜5モルの使
用量が好適である。
【0020】本発明においては、上記原料をエステル分
解活性を有する酵素を用い、後述する特定の有機溶媒中
で反応させる。この場合、エステル分解活性を有する酵
素は、通常リパーゼと呼ばれ、加水分解酵素に属する酵
素群を意味する。この酵素群には、例えば、豚膵臓由来
リパーゼ、キャンディダ属由来酵母リパーゼ、アスペル
ギルス属,ムコール属,シュードモナス属,リゾプス
属,ペニシリウム属,クロモバクテリウム属各由来の菌
体リパーゼ等を挙げることができる他、これら微生物等
のDNAを宿主に導入し、該宿主に生産させたリパーゼ
等を使用してもよい。なお、上述の酵素は精製品でも、
粗製品でもよく、更に、エステル分解活性を有する酵素
を生産する菌体(処理菌体、休止もしくは静止菌体)の
乾燥品を使用することもできる。
【0021】なお、上記酵素は、反応液に分散させた状
態で使用するが、固定化酵素としての使用が望ましく、
これにより耐熱性の向上、基質特異性の向上を達成し
得、更に、酵素サイクル使用も容易になる。
【0022】酵素を固体化する担体として具体的には、
活性炭,多孔性ガラス,酸性白土,漂白土,カオリナイ
ト,アルミナ,シリカゲル,ベントナイト,ヒドロキシ
アパタイト,リン酸カルシウム,金属酸化物等の無機
物、デンプン,グルテン等の天然高分子、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,フェノ−ルホルマリン樹脂,アク
リル樹脂,アニオン交換樹脂,カチオン交換樹脂等の合
成高分子等を挙げることができる。これらの内では、物
理的形態として多孔性を有する合成高分子の使用が好ま
しく、例えば、多孔性ポリエチレン、多孔性ポリプロピ
レン、多孔性フェノ−ルホルマリン樹脂、多孔性アクリ
ル樹脂が好適に採用される。なお、酵素の活性発現を阻
害しないものであれば、上記以外の固定化担体を使用し
てもよい。
【0023】上記固定化担体に酵素を固定化する際、固
定化される酵素量は、通常固定化担体1gに対して、
0.1〜500mgの蛋白質量、特にリパーゼ酵素が蛋
白質中に30〜80%程度含まれている蛋白質を固定化
したものが好適に採用される。
【0024】更に、上記固定化酵素の使用量は特に限定
されないが、酵素蛋白の吸着率が5%程度の固定化酵素
を用い、バッチ式反応器による反応を想定した場合、原
料の糖1重量部に対して0.001〜10重量部、好ま
しくは0.01〜1重量部、更に好ましくは0.05〜
0.3重量部である。酵素の量が少ないと反応速度が低
下することがあり、また、多すぎると攪拌に支障をきた
す場合がある。
【0025】本発明の糖脂肪酸エステルの製造方法にお
いては、酵素反応による上記糖類と脂肪酸類とのエステ
ル合成又はエステル交換反応を下記一般式(1)で示さ
れるアミド系有機溶媒を反応溶媒として行うものであ
る。
【0026】
【化3】 (但し、式中kは0以上の整数、m,nは1以上の整数
で、4≦k+m+n≦8である。)
【0027】上記一般式(1)で示されるアミド系有機
溶剤として具体的には、例えば、N,N−ジメチルプロ
ピオンアミド、N,N−ジメチル酪酸アミド、N,N−
ジメチル吉草酸アミド、N,N−カプロンアミド、N,
N−メチルエチルアセトアミド、N,N−メチルエチル
プロピオンアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロ
ピオンアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,
N−ジプロピルアセトアミド等を挙げることができ、こ
れらはその1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使
用することができる。
【0028】上記アミド系有機溶剤の使用量は、溶剤の
種類、原料の脂肪酸又はそのエステルの炭素鎖長、反応
温度により適宜選択されるが、工業化に適用するため
に、生産性の点から原料の糖類1に対し1〜10重量
倍、特に2〜5重量倍が好ましい。
【0029】また、反応温度は、酵素反応及び生産効率
を考慮すると、酵素の至適温度以下で行うもので、通常
30〜100℃である。
【0030】更に、本発明により糖脂肪酸エステルを製
造する場合は、例えば原料、酵素、溶媒等を反応槽に導
入し、攪拌、振盪により反応を進める方法(回分式)、
該回分式反応槽を直列につないだもの(連続攪拌槽
式)、原料等が溶媒中に溶解する場合は、酵素及び固定
化酵素を充填した反応器に通液する方法(カラム式)等
を採用することができる。
【0031】また、本発明は、エステル合成又はエステ
ル交換反応のため、水もしくは低級アルコールを副生す
るが、反応を円滑に行うためにこれらを系外に排出する
ことが好ましい。副生物を除去する手段として、例え
ば、ゼオライト、モレキュラーシーブス、ぼう硝を反応
系外及び/又は反応系内で用いて吸着除去するか、ある
いは反応槽内を減圧にし、蒸発させて槽外に排出する方
法等が挙げられ、これらの方法を前述の反応装置と適宜
組み合わせることにより、効率良く反応を行うことがで
きる。
【0032】
【発明の効果】本発明の糖脂肪酸エステルの製造方法に
よれば、上記式(1)のアミド系有機極性溶媒中での酵
素活性を安定に保持し得るため、酵素の特異性を生か
し、反応時間の短縮化を可能にし、工業的に有利な糖類
の脂肪酸エステル化反応を行うことができる。
【0033】
【実施例】以下、比較例と実施例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0034】[比較例1]30ml容三角フラスコに、
α−メチルグルコシド(MG)1.08g(5.55m
mol)とカプリン酸メチル5.16g(27.8mm
ol)とジメチルホルムアミド(DMF)5mlを加
え、次いで、キャンディダ・アンタークティカ由来の中
性耐熱性リパーゼをアクリル樹脂に固定化したもの(S
P435:NOVO社製)100mgを加えた後、副生
するメタノールを除去するためモレキュラーシーブス5
Aを2g添加し、恒温式ロータリーシェーカーにより5
0℃で攪拌反応させた。
【0035】24時間後、反応液を回収し、常法により
アセチル化し、ガスクロマトグラフィー(GLC)にて
分析を行った。その結果、MGのMGカプリン酸エステ
ルへの変換率は1.5%であった。また、反応後の酵素
(SP435)を回収し、酵素活性を測定した結果、残
存活性は認められず、DMFによる酵素失活であること
が確認された。
【0036】[比較例2]DMFを使用せず、比較例1
と同様に操作を行った。その結果、MGのMGカプリン
酸エステルへの変換率は13.7%であった。なお、反
応後の分析では酵素活性は保持されていた。
【0037】[比較例3]DMFをジメチルアセトアミ
ドに変更し、比較例1と同様に操作を行った。その結
果、MGのMGカプリン酸エステルへの変換率は1.8
%であった。また、酵素活性を測定した結果、残存活性
は認められず、酵素失活であることが確認された。
【0038】[実施例1]DMFをジメチルプロピオン
アミドに変更した以外は、比較例1と同様に操作を行っ
た。
【0039】MGのMGカプリン酸エステルへの変換率
は99.5%であり、その内MGカプリン酸モノエステ
ル99.2%、MGカプリン酸ジエステル0.8%で、
トリエステル以上は検出されなかった。
【0040】[実施例2]30ml容三角フラスコに、
グルコース1.00g(5.55mmol)とカプリン
酸メチル1.75g(11.1mmol)、カプリン酸
メチル2.06g(11.1mmol)、ジエチルアセ
トアミド4mlを加え、更にSP435を100mgと
モレキュラーシーブス5Aを2g加えた後、80℃で5
時間、攪拌反応させた。
【0041】グルコースC8/C10エステルへの変換
率は98.9%で、その内99.0%がモノエステルで
あった。
【0042】[実施例3]30ml容三角フラスコに、
フラクトース1.00g(5.55mmol)とオレイ
ン酸メチル4.94g(16.7mmol)とジエチル
ホルムアミド5mlを加え、更にSP435を100m
gとモレキュラーシーブス5Aを2g加えた後、40℃
で24時間、攪拌反応させた。
【0043】フラクトースエステルへの変換率は95.
1%で、その内26.3%がモノエステルであった。
【0044】[実施例4]30ml容三角フラスコに、
エチルグルコシド1.15g(5.55mmol)とラ
ウリン酸メチル2.38g(11.1mmol)とジメ
チルプロピオンアミド3mlを加え、更にSP435を
100mgとモレキュラーシーブス5Aを2g加えた
後、50℃で24時間、攪拌反応させた。
【0045】エチルグルコシドエステルへの変換率は9
9.2%で、その内99.7%がモノエステルであっ
た。
【0046】[実施例5]30ml容三角フラスコに、
D−ソルビトール1.01g(5.55mmol)とス
テアリン酸4.74g(16.7mmol)とジメチル
カプロンアミド10mlを加え、更にSP435を10
0mgとモレキュラーシーブス3Aを2g加えた後、9
0℃で3時間、攪拌反応させた。
【0047】ソルビトールエステルへの変換率は99.
9%で、その内17.8%がモノエステルであった。
【0048】[実施例6]30ml容三角フラスコに、
D(−)1,4ソルビタン0.91g(5.55mmo
l)とカプリル酸メチル8.77g(55.5mmo
l)とメチルエチルアセトアミド5mlを加え、更にS
P435を100mgとモレキュラーシーブス5Aを2
g加えた後、70℃で7時間、攪拌反応させた。
【0049】ソルビトールエステルへの変換率は99.
9%で、その内98.6%がモノエステルであった。
【0050】[実施例7]30ml容三角フラスコに、
ガラクトース1.00g(5.55mmol)とラウリ
ン酸4.45g(22.2mmol)とジエチルアセト
アミド4mlを加え、更にSP435を100mgとモ
レキュラーシーブス3Aを2g加えた後、70℃で24
時間、攪拌反応させた。
【0051】ソルビトールエステルへの変換率は53.
0%で、その内53.1%がモノエステルであった。
【0052】[実施例8]30ml容三角フラスコに、
α−MG1.08g(5.55mmol)とミリスチン
酸メチル5.37g(22.2mmol)とジエチルホ
ルムアミド5mlを加え、更にシュードモナス属由来リ
パーゼP(天野製薬)50mgとモレキュラーシーブス
3Aを2g加えた後、50℃で48時間、攪拌反応させ
た。
【0053】α−MGエステルへの変換率は75.3%
で、その内99.5%がモノエステルであった。
【0054】[実施例9]30ml容三角フラスコに、
β−MG1.08g(5.55mmol)とカプリル酸
メチル3.5g(22.2mmol)とジエチルアセト
アミド4mlを加え、更にリゾプス属由来リパーゼ(生
化学工業)50mgとモレキュラーシーブス3Aを2g
加えた後、50℃で48時間、攪拌反応させた。
【0055】β−MGエステルへの変換率は52.9%
で、その内99.1%がモノエステルであった。
【0056】[実施例10]30ml容三角フラスコ
に、MG(α/β=7/3)1.08g(5.55mm
ol)とカプリル酸メチル1.75g(11.1mmo
l)、カプリン酸メチル2.06g(11.1mmo
l)とジメチルプロピオンアミド4mlを加え、更にS
P435を100mgとモレキュラーシーブス3Aを2
g加えた後、60℃で15時間、攪拌反応させた。
【0057】MG(α/β=7/3)エステルへの変換
率は99.5%で、その内99.1%がモノエステルで
あった。
【0058】[実施例11]攪拌器、温度計、水銀マノ
メーター及び還流冷却装置を備えた四つ口丸底フラスコ
に、α−MG75.6g(0.39mol)、カプリル
酸メチル122.5g(0.78mol)、カプリン酸
メチル144.2g(0.78mol)、ジメチルプロ
ピオンアミド400mlとSP435を7g加え、上記
還流冷却器の出口にドライアイストラップ、水流ポンプ
を接続し、減圧下に70℃で反応を行った。この場合、
還流冷却器の冷却水温度は、反応溶媒のジメチルプロピ
オンアミドを還流し、反応進行と共に副生するメタノー
ルのみを高純度でトラップに補集させるため、真空度を
考慮して25℃とした。
【0059】反応を開始してから3時間後、反応液が透
明になり、更に、0.5時間反応を継続した。反応を停
止し、上澄を組成分析した結果、MGエステルへの変換
率は95.9%で、その内99.5%がモノエステルで
あった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数5〜7の単糖類及びその一価アル
    コールのエーテル化合物並びに炭素数4〜6の糖アルコ
    ール及びその脱水縮合物から選ばれる糖類の1種又は2
    種以上の混合物と、炭素数6〜22の飽和及び不飽和脂
    肪酸並びに該脂肪酸と炭素数1〜3の低級アルコールと
    のエステル脂肪酸の1種又は2種以上とを、有機溶媒の
    存在下で、エステル分解活性を有する酵素を触媒として
    使用して反応させることからなる糖類の脂肪酸エステル
    の製造方法において、上記有機溶媒として下記一般式
    (1)で示されるアミド系有機溶剤の1種又は2種以上
    を使用することを特徴とする糖脂肪酸エステルの製造方
    法。 【化1】 (但し、式中kは0以上の整数、m,nは1以上の整数
    で、4≦k+m+n≦8である。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7754864B2 (en) 2002-10-10 2010-07-13 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Tyrosinase activity controlling agent, process for producing the same and external preparation containing the same

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