JPH089660B2 - 高分子ウイスカー - Google Patents

高分子ウイスカー

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JPH089660B2
JPH089660B2 JP60119017A JP11901785A JPH089660B2 JP H089660 B2 JPH089660 B2 JP H089660B2 JP 60119017 A JP60119017 A JP 60119017A JP 11901785 A JP11901785 A JP 11901785A JP H089660 B2 JPH089660 B2 JP H089660B2
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polymer
whiskers
whisker
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crystal
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誠司 遠藤
邦生 木村
康夫 加藤
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はウイスカー状ポリ(p−オキシベンゾイル)
結晶またはウイスカー状ポリ(2−オキシ−6−ナフト
イル)結晶に関し、得られたウイスカーは結晶性が高い
ため高弾性、高強力の等方性補強材として利用される。
(従来の技術) 近年高性能材料の要求から複合材料が注目されてい
る。そのため補強材として、高弾性率、高強度を有する
グラフアイト繊維やポリ(p−フエニレンテレフタラミ
ド)繊維などの全芳香族ポリアミド繊維が開発されてい
る。しかしながら、これらは長繊維であり、1方向に対
してしか補強することができず、2方向に対して補強す
るためには積層する必要があり、更に2次元全体に等方
的に補強するることは不可能である。また、該長繊維を
たとえ切断してもその長さには限界があり、例えば100
μm程度のものを得ることはできない。一方、結晶の析
出の程度をコントロールすることにより繊維長を調節す
ることができるウイスカーを用いて前記欠点を解決し得
るが、現在、有機高分子ウイスカーとしては、ポリ(オ
キシメチレン)ウイスカーが知られているのみである。
前記ウイスカーはトリオキサンをヘキサン中でイオン開
環重合させると同時に結晶析出させる方法により製造さ
れている。この様な方法により長さ30〜150μm、太さ
1〜3μmのウイスカーが得られると云われているが、
融点が183〜185℃と低く、用途としては、スピーカーコ
ーン用補強材のみに限定されているのが現状である。
また、融点の高い重合体として、ポリ(p−オキシベ
ンゾイル)がp−アセトキシ安息香酸を熱媒中で加熱す
ることにより得られることはすでに知られている(J.P.
S.,Polym.Letters Ed.,22,433('84)参照)。
しかしながら、この方法では円柱状又は平板状結晶で
あり、ウイスカー状結晶は得られておらず、これらの結
晶は補強材として有効な充分な大きさの長さと直径の比
を有してはいない。
(発明が解決しようとする問題点) 前記したように、従来より融点の高い高分子に関し
て、補強材として有効なウイスカー状形態の結晶を得る
ことができなかつた。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、より融点が高く補強材として有用な高
分子ウイスカーを得るべく鋭意探索検討を続けた結果、
遂に本発明を完成するに到つた。すなわち本発明は、p
−オキシベンゾイルをくり返し単位とし、および2−オ
キシ−6−ナフトイルをくり返し単位とし、ウイスカー
状結晶であることを特徴とする高分子ウイスカーであ
る。
一般にウイスカーとは極めて単結晶に近いヒゲ状結晶
と定義されているが、この場合は無機化合物のウイスカ
ーに対する定義であり、高分子ウイスカーは、ポリ(オ
キシメチレン)ウイスカーの例にみられる様に一定値以
上の長さと太さの比を有した形状を有し、かつ結晶性が
極めて高いものとされている。
本発明における高分子ウイスカーとは、長さ(L)が
6〜200μm、直径(D)が0.2〜5μm、かつL/Dが10
以上の値をもつ形状を有し、さらにX線により測定され
た結晶化度が85%以上である結晶体をいう。
本発明における高分子ウイスカーの製造方法は特に制
限されないが、1例として次の様な製造方法が挙げられ
る。
すなわち、下記一般式(I)又は(II)で示される化
合物を、沸点が270℃以上で、ポリ(p−オキシベンゾ
イル)又はポリ(2−オキシ−6−ナフトイル)が不溶
性または難溶性であり、かつ前記化合物と反応しない溶
媒中に、該溶媒に溶解させる前記化合物もしくはそのオ
リゴマーの濃度が得られるポリマーとして換算して0.3
〜4.5重量%となるように添加し、265℃以上で、非撹拌
下または低速撹拌下にて重合結晶化させることにより得
ることができる。
(但し、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基又はメチル
基を0〜3個有するフエニル基を示す。) 上記一般式(I)又は(II)で示される化合物の具体
的な例としては、p−アセトキシ安息香酸、p−プロピ
オロキシ安息香酸、p−ベンゾイロキシ安息香酸、p−
トルイロキシ安息香酸、2−アセトキシ−6−ナフトエ
酸、2−プロピオロキシ−6−ナフトエ酸、2−ベンゾ
イロキシ−6−ナフトエ酸、2−トルイロキシ−6−ナ
フトエ酸等が挙げられる。
溶媒としては沸点が270℃以上で反応により成生する
ポリ(p−オキシベンゾイル)またはポリ(2−オキシ
−6−ナフトイル)が不溶性または難溶性である必要が
ある。少くともポリマーの溶解度が0.3重量%以下であ
ることが望ましい。なお溶媒中に活性な水素等を含有し
ているとモノマーの分解等が起こるので好ましくない。
具体的な例としては、ジイソプロピルナフタレン、ジエ
チルナフタレン、エチル−イソプロピルナフタレン、シ
クロヘキシルジフエニル、ジエチルジフエニル等の芳香
族化合物類、あるいは沸点270℃以上のパラフイン類等
を挙げることができる、但し、これらの化合物は少なく
とも190℃以上で流動することが好ましく、特にパラフ
イン類が好ましい。
反応中溶媒中に溶解しているモノマーまたはオリゴマ
ーの濃度を0.3〜4.0重量%の範囲に保つことが重要であ
る。この範囲内であれば、反応中にポリマーが析出する
に従いモノマーを系中に投入してもかまわない。
反応温度は265℃以上である。265℃未満ではウイスカ
ー状の形態を有するポリマーは得られない。一方、反応
温度を上昇させると結晶析出速度が大きくなるが、350
℃を超えると析出速度はそれ程大きく変化せず、逆に反
応機材の腐触等の問題が生じ有効ではない。好ましい反
応温度は275℃〜350℃である、なお溶媒の沸点が反応温
度より低い場合は加圧下で反応される。この場合反応に
より生成する酸を除去する工夫が必要である。
反応は非撹拌又は低速撹拌下で進められる。ここで低
速撹拌とは最高20rpm程度までを云う。ただし、ポリマ
ーの結晶が析出前までは、撹拌しても大きな障害になら
ない。撹拌回転数を大きくすると、ポリマー収率が悪く
なるばかりではなく得られる結晶がフイブリル化し、ウ
イスカー状結晶を得ることができない。
(作用) 本願発明高分子ウイスカーが得られる理由は明らかで
はないが、特定の溶媒、温度、濃度、その他の条件を選
択することにより、結晶成長初期の結晶核の形状および
重合反応と結晶成長との速度がうまくバランスして、ウ
イスカー状の結晶が得られるものと思われる。
(実施例) 以下に実施例でもつて本発明を具体的に示すが、これ
らでもつて本発明が限定されるものではない。
実施例 1. 窒素ガス導入管、温度計および留出管をとりつけた直
径4cm、長さ20cmの反応器中にアルキル化ジフエニル
(サーモS800、新日本製鉄化学製)49gおよび2−アセ
トキシ安息香酸1.0gをとり、100℃にて1夜減圧に保つ
た後N2ガスを用いて3回置換した。
反応器をアントルヒーターに入れ、N2気流下にて25分
間で320℃まで昇温したところ、溶液はいつたん均一と
なり、その後徐々に沈澱が生成した。この条件下にて6
時間反応させた後、冷却した沈澱物を瀘別した。沈澱物
をアセトンで3回洗浄した後100℃にて16時間減圧乾燥
した。得られた沈澱物は太さが最高3.5μ、長さ約70μ
のウイスカー状結晶体であつた。得られた結晶体を300
倍に拡大した電子顕微鏡写真を第1図に、またX線強度
曲線を第2図に示す。
該結晶の結晶化度はほゞ100%である。なお、熱天秤
による分析(昇温速度10℃/min、空気気流下)で減量開
始温度は348℃、走査型熱量分析の結果、昇温速度10℃/
minで347℃に吸熱ピークが観察された。しかしながら、
それ以上高温に保つてもポリマーは溶融しなかつた。更
に同じ条件で降温すると323℃に発熱ピークが観察され
たが、これらのピークは結晶の転位またはポリマーの配
列の変化によるものと考えられる。
実施例 2. 窒素ガス導入管、撹拌機および留出管をとりつけた直
径4cm、長さ20cmの重合管中にパラフイン(融点48〜50
℃)49gおよび2−アセトキシ安息香酸1gをとり、窒素
ガス置換を3回行つた。その後窒素気流下撹拌しながら
マントルヒータを用いて約30分間で330℃まで昇温し
た。マントルヒーターの温度が210℃になつた時点で撹
拌を止め、撹拌機を温度計にとりかえ、330℃にて6時
間反応させた。その後、冷却し、沈澱物をとり出し、沈
澱物をクロロホルムで充分に洗浄し、減圧乾燥すること
により、直径1〜1.5μ、長さ20〜30μのウイスカー状
結晶を得た。
得られた結晶体を1000倍に拡大した電子顕微鏡写真を
第3図に示す。
実施例 3. p−アセトキシ安息香酸1gのかわりにp−ベンゾイロ
キシ安息香酸1.3gを用いる以外は実施例2と同様にし
て、太さ1〜3μm、長さ30〜60μmの結晶を得た。得
られた結晶体を1000倍に拡大して電子顕微鏡写真を第4
図に示す。
実施例 4. 2−アセトキシ−6−ナフトエ酸0.9g用いる以外は実
施例2と同様にして太さ約0.3μ、長さ約10μの結晶を
得た。得られた結晶体を3000倍に拡大した電子顕微鏡写
真を第5図に、またX線強度曲線を第6図に示す。この
図より、該結晶体の結晶化度はほゞ100%である。な
お、該結晶体は、400℃まで加熱しても形状は変化しな
かつた。
参考例 1. 界面重合法によりビスフエノールAとテレフタル酸ク
ロルドおよびイソフタル酸クロリド(モル比4/6)とを
反応させることにより、全芳香族ポリエステルを合成し
た。
一方、クロロホルム1.00mlを入れた撹拌機付200mlの
3ツ口フラスコを超音波発生器付水浴に入れ、該フラク
コ内に実施例2で得られた高分子ウイスカー0.5gをと
り、撹拌しながら超音波により分散した。その後、前記
全芳香族ポリエステル1.5gを少しずつ投入溶解した。減
圧によりクロロホルムを蒸発濃縮した後、得られた溶液
をテフロン板上に流延、乾燥することによつてシートを
得た。
該シートをかさね合せた後、ヒートプレス法により、
厚さ約1mmのシートとし、該シートを巾5mm、長さ5cmに
切りとりテンシロンを用いた引張り弾性率および熱機械
特性測定装置による熱変形温度測定用試料とした。
一方、全芳香族ポリエステルのみの試料も同様にして
作製し、比較参考例とした。
得られた結果を第1表に示す。
なお、テンシロンによる測定後の破断面の観察から高
分子ウイスカーとポリマーとの接着は十分ではないこと
がわかつた。しかしながら第1表より明らかなように当
ウイスカーは良好な補強性能を有しており、上記弾性率
から、ウイスカーの弾性率は約32GPaと推定され、今
後、ポリマーとの接着性を向上させることにより、更に
高い弾性率が得られるものと期待される。
【図面の簡単な説明】
第1、3、4、5図はそれぞれ実施例1、2、3、4で
得られた高分子ウイスカー状結晶の電子顕微鏡写真、第
2、6図はそれぞれ実施例2、6で得られた高分子ウイ
スカー状結晶のX線強度曲線を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】P−オキシベンゾイルをくり返し単位と
    し、ウイスカー状結晶であることを特徴とする高分子ウ
    イスカー。
  2. 【請求項2】2−オキシ−6−ナフトイルをくり返し単
    位とし、ウイスカー状結晶であることを特徴とする高分
    子ウイスカー。
JP60119017A 1984-12-07 1985-05-31 高分子ウイスカー Expired - Lifetime JPH089660B2 (ja)

Priority Applications (2)

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JP60119017A JPH089660B2 (ja) 1985-05-31 1985-05-31 高分子ウイスカー
US06/804,419 US4673724A (en) 1984-12-07 1985-12-04 Polymeric whisker and production of the same

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JP60119017A JPH089660B2 (ja) 1985-05-31 1985-05-31 高分子ウイスカー

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JPS61276819A JPS61276819A (ja) 1986-12-06
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JP60119017A Expired - Lifetime JPH089660B2 (ja) 1984-12-07 1985-05-31 高分子ウイスカー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE789542A (fr) * 1971-10-01 1973-03-29 Carborundum Co Production d'un polyester de para-oxybenzoyle infusible et faconnable

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JPS61276819A (ja) 1986-12-06

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