JPH089593B2 - 環状エノ−ル誘導体およびその製造法 - Google Patents

環状エノ−ル誘導体およびその製造法

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JPH089593B2
JPH089593B2 JP62198454A JP19845487A JPH089593B2 JP H089593 B2 JPH089593 B2 JP H089593B2 JP 62198454 A JP62198454 A JP 62198454A JP 19845487 A JP19845487 A JP 19845487A JP H089593 B2 JPH089593 B2 JP H089593B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、循環系機能障害治療および予防改善剤とし
て有用な環状エノール誘導体およびその製造法に関す
る。
従来の技術 成人に多い心臓,脳,腎臓などの病気は、基礎病変の
引き金に虚血状態を伴うことが多い。たとえば虚血性心
疾患,脳虚血障害,虚血性腎障害,虚血性消化器系潰瘍
などは高度文明社会と高齢化社会の進展に伴い、それら
の罹患率の上昇と共に先進国における死亡率の主因とな
っている。
最近、虚血性組織における病変の進展、すなわち、細
胞機能の低下,細胞障害,細胞破壊,細胞壊死には白血
球と活性酸素種あるいは活性有機ラジカル種が大きな役
割を果たしていることが明らかにされてきた。〔I.Frid
ovich アニュアル レビュー オブ ファーマコロジ
ー アンド トキシコロジー(Annual Review of Pharm
acology and Toxicology),23,239(1983);J.M.McCor
d,ザ ニュー イングランド ジャーナル オブ メデ
ィシン(The New England Journal of Medicine),31
2,159(1985),K.P.Burton,J.M.McCord.G.Ghai,アメリ
カン ジャーナル オブ フィジオロジー(American J
ournal of Physiology),246,H776(1984)〕。生体に
おける活性酸素種あるいは活性有機ラジカル種としては
スーパーオキサイド(superoxide:O ・),水酸化ラジ
カル(・OH),一重項酸素(12),過酸化ラジカル
(ROO・)などが考えられている。とりわけ、虚血状態
から再び血液が再灌流される際に起る異常な酸素吸収と
スーパーオキサイド(O ・)の過剰な産生は無差別な
細胞または組織の障害を引き起す原因となっているもの
と考えられている。
虚血再灌流あるいは虚血後の組織障害の保護あるいは
改善にスーパーオキサイド(O ・)を効果的にまたは
特異的に消去するスーパーオキサイド・デイスムターゼ
(superoxide dismutase)が効果的であることが報告さ
れている。〔D.N.Granger,G.Rutili,J.M.McCord,ガスト
ロエンテロロジー(Gastroenterology),81,82(198
1)〕。また、アスコルビン酸,α−トコフエロール,
システイン,還元型グルタチオンなどの化合物は遊離ラ
ジカルの消去作用を有し、これら化合物はある種の疾病
状態において遊離ラジカルが関与すると予想される組織
障害を予防することができるとされている〔I.Fridovic
h,サイエンス(Science),201,875(1978)〕。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、生体組織障害,特に心臓,脳,腎臓,
肺,消化器管系における虚血再灌流後の障害に対して、
活性酸素種および有機ラジカル種が極めて重要な役割を
果しているとするこれまでの生化学的並びに薬理学的基
礎研究に立脚し、上述した遊離ラジカル消去剤に比較し
て、化学合成上のみならず薬理学的にも製剤学的にも優
れた新しいタイプの活性酸素種および有機ラジカル消去
剤を目的とした薬剤の探索研究を推進してきた。その結
果、ある種の環状エノール誘導体がアスコルビン酸,α
−トコフェロールなどに比較してさらに強力な活性酸素
種および有機ラジカル種の消去作用を示し、低用量で虚
血性心および脳機能障害や腎障害を抑制することを見い
出し、これらの知見に基づいてさらに研究を進めた結
果、本発明を完成した。
問題を解決するための手段 本発明は、式 〔式中、Xは硫黄原子または置換基として水酸基、C
1-3アルコキシ、ハロゲン、カルボキシルまたはC1-3
ルコキシカルボニルで置換されていてもよいアルキル、
アルケニル、アルキニル、水酸基、C1-6アルキ
ル、ハロゲン、トリハロゲノメチルまたはC1-3アルコ
キシで置換されていてもよいアリール、ハロゲン、ト
リハロゲノメチル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ア
ルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されてい
てもよいアラルキル、複素環基または複素環−アル
キル基を有していてもよい窒素原子を、Yは酸素原子、
フェニレンまたはフェニレンオキシを、R1は水素原子
または置換基としてメチル、エチル、n−プロピル、
イソプロピル、アリル、プロパルギルまたはフェニルで
置換されていてもよい水酸基、低級アルキルチオ、
水酸基、メトキシ基またはフルオロ基で置換されていて
もよいフェニルチオ、水酸基、メトキシ基またはフル
オロ基で置換されていてもよいフェニル、ビニル、
メチル、エチルまたはフェニルで置換されていてもよい
エチニルまたはカルボキシルを有していてもよい炭化
水素残基を、R2はC9-20アルキルまたはハロゲン
またはC1-3アルコキシを有していてもよいフェニル−
1-3アルキルを示し、R1はXとしての窒素原子ととも
に5ないし7員環を形成していてもよい。〕で表わされ
る化合物、および 式 〔式中、X,Y,R1およびR2は前記と同意義を、Zは低級
アルキルを示す〕で表わされる化合物を、塩基の存在下
環化反応に付すことを特徴とする化合物(I)の製造法
を提供するものである。
Xで表わされる置換基を有していてもよい窒素原子の
置換基としては、アルキル,アルケニル,アルキニル,
アリール、アラルキルなどの炭化水素残基やチエニルな
どの複素環基もしくは複素環−アルキル基が挙げられ、
アルキルとしては炭素数1〜15のもの、例えばメチル,
エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブ
チル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチ
ル,n−ノニル,n−デシル,n−ウンデシル,ドデシルなど
が挙げられ、1以上の置換基(例、水酸基,C1-3アルコ
キシ,ハロゲン,カルボキシ,C1-3アルコキシカルボニ
ルなど)を有していてよく、アルケニルとしては炭素数
2〜5のもの、例えばビニル,アリル,イソプロペニル
などが、アルキニルとしては炭素数2〜5のもの、例え
ばエチニル,2−プロピニル,2−ブチニルなどが、アリー
ルとしては、置換基(例、水酸基,C1-6アルキル,ハロ
ゲン,トリハロゲノメチル,C1-3アルコキシなど)を有
していてもよいフェニル,例えばフェニル,3−トリフロ
ロメチルフェニル,4−ヒドロキシフェニル,4−メトキシ
フェニル,3,4−ジヒドロキシフェニルなどが、アラルキ
ルとしては、置換基(例、ハロゲン,トリハロゲノメチ
ル,メチレンジオキシ,アルコキシ,アルコキシカルボ
ニル,カルボキシルなど)を有していてもよいフェニル
−C1-3アルキルやナフチル−C1-3アルキル、例えば、
ベンジル,3,4,5−トリメトキシベンジル,2,5−ジメトキ
シ−3,4,6−トリメチルベンジル,3,4−ジメトキシベン
ジル,3,4−メチレンジオキシベンジル,4−エトキシカル
ボニルベンジル,4−カルボキシベンジル,フェネチル,
フェニルプロピル,3−トリフルオロメチルベンジル,2
−,3−,または4−クロロベンジル,1−または2−ナフ
チルメチルなどが、複素環または複素環−アルキルとし
ては、2−チエニル,3−チエニルメチルなどが挙げられ
る。
該窒素原子が、R1の炭化水素残基、好ましくは硫黄
原子を含んでいてよいアルキルと形成しうる5〜7員環
としては、ピロリジン,ピペリジン,ヘキサメチレンイ
ミン,チアゾリジンなどが挙げられ、これらの環状基は
置換基(例、水酸基,C1-3アルキル,カルボキシなど)
を有していてもよい。
上記化合物(I)において、Y(スペーサー)で表わ
されるフェニレン,フェニレンオキシおよびオキシフェ
ニレンオキシに関しては、o−,m−もしくはp−のいず
れの置換形式でもよい。とりわけYとしては、結合手,p
−フェニレン,o−,m−もしくはp−フェニレンオキシ,
または酸素原子であることが好ましい。
1としての炭化水素残基としては、低級(C1-6アル
キル,低級(C2-6)アルケニル,低級(C2-6)アルキ
ニル,アリールなどが挙げられこれらの基は置換基を有
していてもよい。
上記低級アルキル基としては、たとえば置換基を有し
ていてもよい直鎖状または分枝状のアルキル基が挙げら
れる。直鎖状または分枝状のアルキル基におけるアルキ
ル基としては、たとえば、メチル,エチル,プロピル,
イソプロピル,n−ブチル,n−ペンチル,n−ヘキシルなど
が挙げられ、とりわけC1-3の低級アルキルが好まし
い。
上記低級アルケニルとしてはC2−C4の低級アルケニ
ルが好ましく、例えばエテニル,1−もしくは2−プロペ
ニル,イソプロペニル,イソブテニル,1−,2−もしくは
3−ブテニルなどが挙げられる。
上記低級アルキニルとしては、C2−C4の低級アルキ
ニルが好ましく、例えばエチニル,1−もしくは2−プロ
ピニル,1−,2−もしくは3−ブチニルなどが挙げられ
る。
上記アリールとしてはフェニル,ナフチルなどが挙げ
られる。
これらの炭化水素残基は同一または異なる1〜3個の
置換基を有していてもよく、例えば置換されていてもよ
い水酸基,C1−C3の低級アルキルチオ,置換されていて
もよいフェニルチオ,置換されていてもよいフェニル,
ビニル,置換されていてもよいエチニルもしくはカルボ
キシが挙げられる。置換されていてもよい水酸基の置換
基として、メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピ
ル,アリル,プロパルギル,フェニルなどが、置換され
ていてもよいフェニルチオ基および置換されていてもよ
いフェニル基のフェニル基の置換基として、水酸基,メ
トキシ基,フルオロ基などが、また置換されていてもよ
いエチニル基の置換基として、メチル,エチル,フェニ
ルなどが、それぞれ挙げられる。
上記R1は、水素原子であるか、水酸基もしくはカル
ボキシル基で置換されたまたは無置換の低級(C1-3
アルキル,水酸基,カルボキシル基C1-3アルコキシカ
ルボニル基または(および)フェニル基で置換されたま
たは無置換のフェニルであることがとりわけ好ましい。
化合物(I)におけるR2としては、例えば炭素数
9〜20のアルキルまたはハロゲンまたはC1-3アルコ
キシを有していてもよいフェニル−C1-3アルキルなど
が挙げられる。
上記アルキルとして、例えばn−ノニル,n−デシル,n
−ウンデシル,n−ドデシル,n−トリデシル,n−テトラデ
シル,n−ペンタデシル,n−ヘキサデシル,n−ヘプタデシ
ル,n−オクタデシル,n−ノナデシル,n−エイコシルなど
が挙げられる。
上記ハロゲンまたはC1-3アルコキシを有していても
よいフェニル−C1-3アルキルとしては、たとえばベン
ジル,4−フルオロベンジル,4−メトキシベンジルなどが
挙げられる。
本発明の化合物(I)は、例えば化合物(II)を塩基
の存在下環化反応に付すことにより製造することができ
る。
上記塩基(塩基性縮合剤)としては、水素化アルカリ
金属(例、水素化ナトリウム)などの無機塩基や有機ア
ルカリ金属(例、カリウム第3級ブトキシド,リチウム
ジイソプロピルアミド)などの有機金属塩基が挙げら
れ、溶媒としては、アルコール類(例、第3級ブタノー
ル),エーテル類(例、ジオキサン,テトラヒドロフラ
ン),アミド類(例、N,N−ジメチルホルムアミド,ヘ
キサメチルホスホルアミド)などの有機溶媒が挙げられ
る。反応温度は0°〜70℃の範囲で行うことができ、反
応は約1〜8時間で終了する。
原料化合物(II)は、例えば下記の工程で製造するこ
とができる。
〔式中、X,Y,Z,R1およびR2は前記と同意義を、Z1は低
級アルキルを、Z2,はハロゲンを示す〕 上記工程は、例えば酢酸エステル(III)にハロゲン
化炭化水素(R2‐Z2)を塩基の存在下に反応させて得
られる化合物(IV)をアルカリ加水分解してカルボン酸
体(V)とし、このカルボン酸体を化合物(VI)と反応
させ中間体(II)を製造する。
上記製造工程において、化合物(IV)の製造に用いる
塩基としては、例えば炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,
水素化ナトリウムなどが挙げられ、反応溶媒としてメタ
ノール,エタノール,ジメチルスルホキサイド,N,N−ジ
メチルホルムアミド,ジオキサン,テトラヒドロフラン
などが用いられる。化合物(IV)を通常公知の方法でア
ルカリ性加水分解を行い、酸性にして遊離のカルボン酸
体(V)を得る。
さらにXが窒素原子の場合、カルボン酸体(V)のカ
ルボキシル基をそれ自体公知の方法で活性化し、N−置
換あるいは無置換グリシンエステル体(VI)よりアミド
化して中間体(II)を製造する。本反応工程におけるカ
ルボキシル基の活性化には、通常の酸クロライド,混合
酸無水物,活性エステル化などの方法が用いられる。ア
ミド化反応には、炭酸カリウム,炭酸ナトリウム,水酸
化ナトリウム,ピリジン,トリエチルアミンなどの無機
または有機塩基が用いられ、反応溶媒としての水または
メタノール,エタノール,アセトン,テトラヒドロフラ
ン,アセトニトリルなどの単独または含水溶媒中で行わ
れる。
またXが硫黄原子の場合は、カルボン酸体(V)のカ
ルボキシル基を自体公知の方法で活性化し、これをα−
置換チオグリコール酸エステル体(VI)と反応させ(チ
オエステル化反応)で中間体(II)を製造する。カルボ
キシル基の活性化には、公知の酸クロライド,混合酸無
水物,活性エステル化などの方法が用いられる。チオエ
ステル化反応は、炭酸カリウム,トリエチルアミンなど
の脱酸剤の存在下に有機溶媒中(例、アセトン,テトラ
ヒドロフラン,ジクロルメタン,アセトニトリルなど)
で行われる。
かくして製造される化合物(I)は自体公知の分離・
精製手段(例えば、シリカゲルクロマトグラフィー,再
結晶など)により単離採取することができる。
本発明化合物(I)は、ラット脳ホモジェネートを用
いた試験管内実験で抗酸化作用を、またラット心臓にお
ける虚血−再灌流モデルあるいはラット虚血脳モデルあ
るいは酸素フリーラジカルによるラット腎障害モデルな
どにおいてそれぞれ機能障害を予防および改善する作用
を示し、しかも毒性,副作用は極めて低い。したがって
本発明化合物(I)は、哺乳動物(例、マウス,ラッ
ト,ウサギ,イヌ,サル,ヒトなど)における虚血性心
臓障害(不整脈,冠状動脈攣縮,組織の壊死,心筋梗塞
など),クモ膜下出血障害,虚血性脳組織障害(例,脳
梗塞,ぼけ、老人性痴呆症など),虚血性腎障害,虚血
性消化管障害(例、消化管潰瘍など)などの諸障害に対
して治療および予防改善効果が奏されるため、循環系機
能障害予防改善剤として用いることができる。
上記循環系機能障害予防改善剤としての使用の具体例
としては、たとえば抗不整脈剤,抗心筋梗塞剤,抗脳梗
塞,ぼけ,老人性痴呆症予防剤,クモ膜下出血後の治療
改善などの循環器系改善剤,腎機能改善剤,ストレス性
消化器潰瘍治療剤などが挙げられる。
本発明化合物は毒性が低く(例えばマウスにおける急
性毒性試験では1000mg/kg経口投与で死亡する例は認め
られなかった。)、本発明化合物(I)はそれ自体公知
の薬理的に許容される担体,賦形剤,希釈剤などと混合
し、自体公知の方法に従って、医薬組成物[例、錠剤,
カプセル剤(ソフトカプセル,マイクロカプセルを含
む),液剤,坐剤,注射剤,経鼻剤]として経口的もし
くは非経口的に安全に投与することができる。投与量は
投与対象,投与経路,症状などによっても異なるが、上
記哺乳動物に経口的に投与する場合、化合物(I)とし
て通常1回量として約0.1mg/kg〜50mg/kg体重,好まし
くは約0.5mg/kg〜20mg/kg体重を1日1〜3回程度投与
する。
また、非経口的に投与する場合、たとえば坐剤として
は化合物(I)として約5mg〜10mg/kgを1日1ないし2
回投与すればよい。注射剤としては化合物(I)として
約0.1mg/kg〜5mg/kgを1日1ないし2回投与することが
望ましい。
上記経口製剤、例えば錠剤を製造する際には、結合剤
(例、ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシメチ
ルプロピルメチルセルロース,マクロゴールなど),崩
壊剤(例、デンプン,カルボキシメチルセルロースカル
シウムなど),賦形剤(例、乳糖,デンプンなど),滑
沢剤(例、ステアリン酸マグネシウム,タルクなど)な
どを適宜配合することができる。
また、非経口製剤、たとえば注射剤を製造する際に
は、等張化剤(例、ブドウ糖,D−ソルビトール,D−マン
ニトール,塩化ナトリウムなど),防腐剤(例、ベンジ
ルアルコール,クロロブタノール,パラオキシ安息香酸
メチル,パラオキシ安息香酸プロピルなど),緩衝剤
(例、リン酸緩衝液,酢酸ナトリウム緩衝液など)など
を適宜配合することができる。
作用および実施例 実験例1 ラット脳ホモジェネートにおける過酸化脂質生成の
抑制作用 (i) 方法 雄性SDラット(12週令)をペントバルビタール麻酔
下、瀉血したのち脳組織を摘出した。脳組織をリン酸緩
衝液(pH7.4)中ホモジナイズし、5%ホモジェネート
として用いた。同ホモジェネートを37℃,1時間インキュ
ベートした後、Ohkawaら[アナリティカル・バイオケミ
ストリー(Analytical Biochemistry),95:351,1979]
の記載にしたがって過酸化脂質の生成量をチオバルビツ
ール酸(TBA)法により測定した。
被験薬物は5%ホモジェネート中インキュベートする
前に最終濃度10-5Mとなるように添加した。過酸化脂質
生成の抑制作用は溶媒(DMSO)添加群と比較し、%抑制
率として表わした。
(ii) 結果を表1に示した。
実験例2 ラット心臓の冠動脈閉鎖−再灌流時における心室性不
整脈発生の抑制作用: (i) 方法 雄性SDラット(9〜13週令,250-370g)を用いた。ペ
ントバルビタール麻酔,人口呼吸下に開胸し、左冠動脈
前下行枝を絹糸で5分間結紮し、ついで閉鎖を解き再灌
流し10分間観察した。標準四肢第II誘導心電図を記録し
心室性不整脈の発生を調べた。
被験薬物は無麻酔下に冠動脈閉鎖を行う約180分前に1
0mg/kgをアラビアゴム懸濁液として経口投与した。結果
は表2に示した。
(ii) 結果 左冠動脈前下行枝を5分間閉鎖したのち、再灌流した
時、単発的にみられる期外収縮(PVCs)や、心室性頻脈
(VT)および心室性細動(VF)で代表される心室性不整
脈が発生する。VTおよびVFは発作性に繰り返しみられる
か、または持続的なVF発生により死亡に至る。
Vehicle投与群(対照)ではVFおよびVTが90%以上の
動物でみられそれらの持続時間はそれぞれ約80および20
〜30秒であり、また10〜25%の動物は持続的なVF発生に
より死亡した。
化合物(4−l)の3mg/kgおよび(4−p)の10mg/k
g投与群ではそれら不整脈発生が著しく有意に抑制され
た。また不整脈が発生したとしても、その持続時間は短
縮された。したがってVFによる死亡率も低かった。また
単発性のPVCsの発生もVehicle群で10回/分前後であっ
たが、化合物(4−l)および(4−p)投与群では有
意に少なかった。
一方、ビタミンCおよびビタミンEの50mg/kg経口投
与では有意な影響は認められなかった。
心室性細動および心室性頻脈の発生頻度は発生個体数
/実験例数(%),また持続時間は秒で平均±SEMを示
す。期外収縮は期外収縮数/min,死亡率は、死亡数/実
験例数(%)で示した。
実験例3 マウスにおける急性毒性 (i) 方法 雄性Crj-ICRマウス(4週令,21〜26g)を用いた。1
群6匹として、化合物(4−b,4−l)をそれぞれ300お
よび1000mg/kgを経口投与した。
薬物投与後、各群毎にケージに飼い、24時間症状観察を
行った。
薬物はアラビアゴム懸濁液とし、0.1ml/10gの容量で
投与した。
(ii) 結果 化合物(4−b,4−l)をそれぞれ300および1000mg/k
gを経口投与した時、両群とも半数例に鎮静状態および
眼瞼下垂が認められたが、いずれも3時間以内に回復し
た。24時間の観察時間で両群ともに死亡例はなかった。
参考例1 4−ヒドロキシフェニル酢酸エチル(18g,0.1mol)と
臭化ドデシル(25g,0.1mol)のN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF,100ml)溶液に炭酸カリウム(15g,0.1mol)
を加え、100℃で1時間加熱かくはんした。冷却後反応
液に水(200ml)加え、イソプロピルエーテル(IPE)で
抽出した。有機層を水洗、乾燥後減圧濃縮した。生成物
をメタノール(100ml)とテトラヒドロフラン(THF,100
ml)の混合溶媒に溶かし、水酸化ナトリウム(10g,0.25
mol)水溶液を加えて50℃で加熱かくはんした。反応液
は減圧濃縮後2規定塩酸でpH=4とし、生成物を酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水洗、乾燥後減圧濃縮し、得
られた粗結晶をヘキサン−IPEから再結晶して4−ドデ
シルオキシフェニル酢酸(1−e,20g,63%)を得た。な
お、上記参考例に従って化合物(1−a〜1−d及び1
−f〜1−k)を合成した。物性及びNMRスペクトルを
表3に示す。
参考例2 3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(2g,10mmol)
とグリシンエチルエステル塩酸塩(1.4g,10mmol)のエ
タノール溶液(50ml)に炭酸水素ナトリウム(1g,12mmo
l)と5%−パラジウム炭素(0.3g)を加えた。反応液
を1気圧水素下50℃で16時間加熱かくはんした。冷却後
反応液をろ過して触媒を除去してから減圧濃縮した。生
成物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:IPE:
酢酸エチル=1:1)にかけて精製し、N−(3,4,5−トリ
メトキシベンジル)アミノ酢酸エチル(2−h,1.5g,47
%)を得た。物性及びNMRスペクトルを表4に示す。
参考例3 4−クロロベンジルブロマイド(4.2g,20mmol)とグ
リシンエチルエステル塩酸塩(2.8g,20mmol)のDMF溶液
(50ml)に炭酸カリウム(5g)を加え、60℃で3時間加
熱かくはんした。冷却後反応液に水(100ml)を加え、
生成物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥後
減圧濃縮した。生成物をシルカゲルクロマトグラフィー
(展開溶媒:IPE:酢酸エチル=1:1)にかけて精製しN−
(4−クロロベンジル)アミノ酢酸エチル(2−j,2.7
g,60%)を得た。物性及びNMRスペクトルを表4に示
す。
参考例4 4−ホルミル安息香酸メチル(6.4g,40mmol)とグリ
シンエチルエステル塩酸塩(5.6g,40mmol)のエタノー
ル溶液(50ml)に炭酸カリウム(5.6g,40mmol)を加
え、室温下1時間かくはんした。反応液に水素化シアノ
ボロハイドライド(2g,50mmol)を加え、さらに18時間
かくはんした。反応液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。
残渣に水(50ml)を加え酢酸エチルで抽出した。有機層
を水洗、乾燥後減圧濃縮した。生成物をシリカゲルクロ
マトグラフィー(展開溶媒:IPE:酢酸エチル=1:1)にか
けて精製しN−(4−メトキシカルボニルベンジル)ア
ミノ酢酸エチル(2−g,5g,50%)を得た。
上記と同様の反応によって化合物(2−a〜2−f,2
−i)を合成した。物性及びNMRスペクトルを表4に示
した。
参考例5 4−ドデシルオキシフェニル酢酸(3.2g,0.01mol)の
ジクロルメタン溶液(50ml)にオキザリルクロリド(2m
l)を滴下した。反応液を30分室温で反応させ、さらに5
0℃で30分かくはん後減圧濃縮した。残渣をジクロルメ
タン(10ml)に溶かし、N−メチルグリシンエチルエス
テル塩酸塩(1.6g,0.01mol)のジクロルメタン(50ml)
とトリメチルアミン(4ml)の混合溶液に0℃で滴下し
た。反応液を室温下1時間かくはんした後、IPE(100m
l)を加え水洗、乾燥後減圧濃縮した。生成物をシリカ
ゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:IPE:酢酸エチル=
1:1)にかけて精製し、エチルN−(4−ドデシルオキ
シフェニルアセチル)−N−メチルアミノ酢酸(3−i,
4.0g,95%)を得た。
上記参考例に従って類縁体(3−aから3−o)を合
成した。物性及びNMRスペクトルを表5および表6に示
した。
参考例6 参考例5の方法に従って、オクタデシルオキシ酢酸を
オキザリルクロリドと反応させ、相当する酸クロライド
となし、N−(3,4,5−トリメトキシベンジル)グリシ
ンエチルエステル(2−h)と反応して、N−(3,4,5
−トリメトキシベンジル)−N−オクタデシルオキシア
セチルグリシンエチルエステル(3−p)を合成した。
油状物。
組成式:C3455NO7 NMRスペクトル(CDCl3):δ6.40(2H,s),4.58(2H,
m),4.16(2H,m),3.86(4H,m),3.75(9H,s),3.45(2
H,m),1.65(2H,),1.24(33H,m),0.85(3H,m) 参考例7 参考例5の方法に従って、表6(II)に示した化合物
(3q〜3t)を合成した。
参考例8 4−ドデシルオキシフェニル酢酸(3.2g,0.01mol)の
ジクロルメタン溶液(50ml)にオキザリルクロリド(2m
l)を滴下した。反応液を30分室温で反応させ、さらに5
0℃で30分かくはん後減圧濃縮した。残渣をジクロルメ
タン(10ml)に溶かし、チオグリコール酸エチル(1.2m
l,0.01mol)のジクロルメタン(50ml)とトリメチルア
ミン(4ml)の混合溶液に0℃で滴下した。反応液を0
℃で2時間かくはんした後、IPE(100ml)を加え水洗、
乾燥後減圧濃縮した。生成物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(展開溶媒:ジクロロメタン:ヘキサン=1:1)
にかけて精製し、S−(4−ドデシルオキシフェニル)
アセチルチオグリコール酸エチル(3−u,2.8g,66%)
を得た。
組成式:C24384S NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.15(2H,d,9Hz),6.82
(2H,d,9Hz),4.13(2H,q,7Hz),3.90(2H,t,7Hz),3.7
6(2H,s),3.61(2H,s),1.73(2H,m),1.25(18H,m),
1.21(3H,t,7Hz),0.86(3H,m) 参考例9 −10℃にて、フェニル酢酸エチル(13.1g,0.08ml)と
塩化アルミニウム(24.5g,0.18ml)の1,2−ジクロロエ
タン溶液(50ml)にウンデカノイルクロリド(20ml)を
滴下した。反応液を室温で20分さらに50℃で4時間攪拌
したのち、濃塩酸(40ml)と氷(160g)の混合液中に注
ぎ込んだ。生成物を酢酸エチルで抽出し、有機層を水
洗,乾燥後減圧下で濃縮した。得られた残渣をエタノー
ル(100ml)に溶解し、氷冷下にて水素化ホウ素ナトリ
ウム(1.18g,0.03ml)を加えた。反応液を室温にて1.5
時間攪拌したのち、1規定塩酸(60ml)を加え、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を水洗,乾燥後減圧濃縮した。
生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘ
キサン−酢酸エチル=5:1)にかけて精製し、4−(1
−ヒドロキシウンデシル)フェニル酢酸エチル(3−v,
10.9g,41%)を得た。油状物。
組成式:C21343 NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.27(4H,m),4.63(1
H,t,7Hz),4.12(2H,q,7Hz),3.57(2H,s),1.70(2H,
m),1.25(19H,m),0.86(3H,m) 4−(1−ヒドロキシウンデシル)フェニル酢酸エチ
ル(9.7g,0.029ml)の酢酸溶媒(50ml)に10%−パラジ
ウム炭素を加えた。反応液を1気圧水素下18時間攪拌し
たのちろ過して触媒を除去し、濃アンモニア水と氷(10
0g)の混合液中に注ぎ込んだ。生成物を酢酸エチルで抽
出し、有機層を水洗,乾燥後減圧濃縮して4−ウンデシ
ルフェニル酢酸エチル(3−w,8.2g,88%)を得た。油
状物。
組成式:C21242 NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.15(4H,m),4.13(2
H,q,7Hz),3.55(2H,s),2.57(2H,t,8Hz),2.55(2H,
m),1.27(19H,m),0.86(3H,m) 4−ウンデシルフェニル酢酸エチル(7.2g,0.023ml)
をメタノール(40ml)とテトラヒドロフラン(40ml)の
混合溶媒に溶かし、水酸化ナトリウム(2.2g,0.055ml)
を加えて50℃で20分攪拌した。反応液を減圧濃縮後、2
規定塩酸でpH=4とし、生成物を酢酸エチルで抽出し
た。有機層を水洗,乾燥後減圧濃縮し、得られた粗結晶
をヘキサンから再結晶して4−ウンデシルフェニル酢酸
(3−x,1.8g,27%)を得た。mp.83-84℃。
組成式:C19302 NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.15(4H,s),3.59(2
H,s),2.59(2H,t,8Hz),1.10(2H,m),1.26(16H,m),
0.87(3H,m) 参考例10 参考例5の方法に従って、4−ドデシルオキシフェニ
ル酢酸をオキザリルクロリドと反応させて相当する酸ク
ロリドとなしアスパラギン酸ジエチルエステルと反応さ
せて、N−(4−ドデシルオキシフェニルアセチル)ア
スパラギン酸ジエチルエステル(3−y)を合成した。
組成式:C2845NO6 NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.15(2H,d,9Hz),6.83
(2H,d,9Hz),6.43(1H,d,9Hz),4.80(1H,dt,5Hz,9H
z),4.15(2H,q,7Hz),4.08(2H,q,7Hz),3.93(2H,t,6
Hz),3.51(2H,s),2.93(1H,dd,5Hz,17Hz),2.75(1H,
dd,5Hz,17Hz),1.75(2H,m),1.27(18H,m),1.21(3H,
t,7Hz),1.16(3H,t,7Hz),0.87(3H,m) 4−(4−ドデシルオキシフェニルアセチル)アスパ
ラギン酸ジエチルエステル(2.0g,4.1mmol)とヨウ化メ
チル(0.76ml)をDMF(20ml)に溶解し、氷冷下で水素
化ナトリウム(60%油状,0.2g,4.8mmol)を加え30分攪
拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(50ml)
を加え、IPEで抽出した。有機層を水洗,乾燥後減圧濃
縮して、N−(4−ドデシルオキシフェニルアセチル)
−N−メチルアスパラギン酸ジエチルエステル(3−
z)の粗製物(2.0g)を得た。
組成式:C2947NO6 NMRスペクトル(CDCl3,δ値):7.13(2H,m),6.83(2
H,m),4.90(1H,m),4.15(4H,m),3.91(2H,t,6Hz),
3.81:3.67(2H,s),3.01:2.78(3H,s),2.95(2H,m),
1.75(2H,m),1.27(24H,m),0.87(3H,m) 実施例1 エチル N−(4−ドセシルオキシフェニルアセチ
ル)−N−メチルアミノ酢酸(4.0g,0.01mol)をTHF(5
0ml)とDMF(10ml)の混合溶媒に溶かし室温下カリウム
第3級ブトキシド(1.8g,1.6mol)を加えた。反応液は
1時間かくはんした後2規定塩酸(20ml)を加え生成物
を酢酸エチルで抽出した。有機層を水洗、乾燥後減圧濃
縮し、粗結晶をIPE−酢酸エチルから再結晶し、N−メ
チル−3−(4−ドデシルオキシフェニル)−4−ヒド
ロキシ−3−ピロリン−2−オン(4−b,2.4g,71%)
を得た。上記と同様の反応によって化合物(4−a,4−
c〜4−t,5−a〜5−g)を合成した。物性及びNMRス
ペクトルは表7,表8,表9,表10および表11に示した。
実施例2 S−(4−ドデシルオキシフェニル)アセチルチオグ
リコール酸エチル(2.8g,6.6mol)をTHF(50ml)とDMF
(10ml)の混合溶媒に溶かし室温下カリウム第3級ブト
キシド(1.1g,10mmol)を加えた。反応液は1時間かく
はんした後2規定塩酸(20ml)を加え生成物を酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を水洗,乾燥後減圧濃縮して得ら
れる残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:
酢酸エチル)にかけて精製し、さらに粗結晶をIPEから
再結晶して2,5−ジヒドロ−4−ヒドロキシ−3−(4
−ドデシルオキシフェニル)チオフェン−2−オン(5
−h,13mg,0,5%)を得た。mp.173-175℃ 組成式:C22323S NMRスペクトル(CDCl3中):7.54(2H,d,9Hz),6.85(2
H,d,9Hz),3.93(2H,s),3.93(2H,t,6Hz),1.75(2H,
m),1.27(18H,m),0.87(3H,m) 実施例3 実施例1の方法に従ってN−(4−ドデシルオキシフ
ェニルアセチル)−N−メチルアスパラギン酸ジエチル
エステルよりN−メチル−5−エトキシカルボニルメチ
ル−3−(4−ドデシルオキシフェニル)−4−ヒドロ
キシ−3−ピロリン−2−オンを合成した。mp.101-120
℃ 組成式:C22323S NMRスペクトル(CDCl3中):7.85(2H,d,9Hz),6.85(2
H,d,9Hz),4.25(1H,dd,4Hz,6Hz),4.03(2H,q,6Hz),
3.93(2H,t,6Hz),3.00(1H,dd,4Hz,16Hz),2.80(3H,
s),2.63(1H,dd,6Hz,16Hz),1.68(2H,m),1.25(18H,
m),1.11(3H,t,6Hz),0.86(3H,m) 実施例4 リチウムジイソプロピルアミド(1.1mol)のTHF溶液
(16ml)に、−78℃にてN−メチル−3−(3−ドデシ
ルオキシフェニル)−4−ヒドロキシ−3−ピロリン−
2−オン(0.19g,0.5mmol)を加え、0℃で5分さらに
室温で10分攪拌した。反応液を−78℃に冷却後ベンズア
ルデヒド(0.15ml,1.5mmol)を加え30分攪拌した。飽和
塩化アンモニウム水溶液(20ml)を加え、生成物を酢酸
エチルで抽出した。有機層を水洗,乾燥後減圧濃縮し、
得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶
媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:1)にかけて精製し、N
−メチル−3−(3−ドデシルオキシフェニル)−4−
ヒドロキシ−5−ヒドロキシ(フェニル)メチル−3−
ピロリン−2−オンの2種類の異性体、ジアステレオマ
ーA(5−j,0.10g,mp.117-118℃ from IPE)およびジ
アステレオマーB(5−k,0.05g,mp.110-111℃ from M
eOH)を得た。
組成式:C3041NO4 NMRスペクトル(CDCl3中): ジアステレオマーA:7.25(8H,m),6.72(1H,m),4.60
(1H,d,8Hz),3.87(2H,t,7Hz),3.79(1H,d,8Hz),2.1
8(3H,s),1.70(2H,m),1.27(18H,m),0.87(3H,m) ジアステレオマーB:7.25(8H,m),6.75(1H,m),5.06
(1H,d,5Hz),3.98(1H,d,5Hz),3.87(2H,d,6Hz),2.6
9(3H,s),1.70(2H,m),1.27(18H,m),0.87(3H,m) 発明の効果 本発明の化合物(I)は、抗酸化作用,活性酸素種に
よる機能障害予防,改善作用等を有し、循環系機能障害
予防,治療薬として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 487/04 137 7019−4C 513/04 325 (56)参考文献 米国特許3541111(US,A) Helv.Chim.Acta,63 (1),121−31(1980) Bull.Chim.Soc,Jp n.,58(1),395−6(1985) Bull.Chim.Soc,Jp n.,49(▲II▼),3287−90(1976) Tetrahedron Lett., 25(46),5243−6(1984)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔式中、Xは硫黄原子または置換基として水酸基、C
    1-3アルコキシ、ハロゲン、カルボキシルまたはC1-3
    ルコキシカルボニルで置換されていてもよいアルキル、
    アルケニル、アルキニル、水酸基、C1-6アルキ
    ル、ハロゲン、トリハロゲノメチルまたはC1-3アルコ
    キシで置換されていてもよいアリール、ハロゲン、ト
    リハロゲノメチル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ア
    ルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されてい
    てもよいアラルキル、複素環基または複素環−アル
    キル基を有していてもよい窒素原子を、 Yは、酸素原子、フェニレンまたはフェニレンオキシ
    を、 R1は水素原子または置換基としてメチル、エチル、
    n−プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギルま
    たはフェニルで置換されていてもよい水酸基、低級ア
    ルキルチオ、水酸基、メトキシ基またはフルオロ基で
    置換されていてもよいフェニルチオ、水酸基、メトキ
    シ基またはフルオロ基で置換されていてもよいフェニ
    ル、ビニル、メチル、エチルまたはフェニルで置換
    されていてもよいエチニルまたはカルボキシルを有し
    ていてもよい炭化水素残基を、 R2はC9-20アルキルまたはハロゲンまたはC1-3
    ルコキシを有していてもよいフェニル−C1-3アルキル
    を示し、 R1はXとしての窒素原子とともに5ないし7員環を形
    成していてもよい〕で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】式 〔式中、Xは硫黄原子または置換基として水酸基、C
    1-3アルコキシ、ハロゲン、カルボキシルまたはC1-3
    ルコキシカルボニルで置換されていてもよいアルキル、
    アルケニル、アルキニル、水酸基、C1-6アルキ
    ル、ハロゲン、トリハロゲノメチルまたはC1-3アルコ
    キシで置換されていてもよいアリール、ハロゲン、ト
    リハロゲノメチル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ア
    ルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されてい
    てもよいアラルキル、複素環基または複素環−アル
    キル基を有していてもよい窒素原子を、 Yは酸素原子、フェニレンまたはフェニレンオキシを、 R1は水素原子または置換基としてメチル、エチル、
    n−プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギルま
    たはフェニルで置換されてもよい水酸基、低級アルキ
    ルチオ、水酸基、メトキシ基またはフルオロ基で置換
    されていてもよいフェニルチオ、水酸基、メトキシ基
    またはフルオロ基で置換されていてもよいフェニル、
    ビニル、メチル、エチルまたはフェニルで置換されて
    いてもよいエチニルまたはカルボキシルを有していて
    もよい炭化水素残基を、 R2はC9-20アルキルまたはハロゲンまたはC1-3
    ルコキシを有していてもよいフェニル−C1-3アルキル
    を示し、 Zは低級アルキルを示し、 R1はXとしての窒素原子とともに5ないし7員環を形
    成していてもよい〕で表わされる化合物を、塩基の存在
    下環化反応に付すことを特徴とする式 〔式中、X、Y、R1およびR2は前記と同意義を示す〕
    で表わされる化合物の製造法。
  3. 【請求項3】式 〔式中、Xは硫黄原子または置換基として水酸基、C
    1-3アルコキシ、ハロゲン、カルボキシルまたはC1-3
    ルコキシカルボニルで置換されていてもよいアルキル、
    アルケニル、アルキニル、水酸基、C1-6アルキ
    ル、ハロゲン、トリハロゲノメチルまたはC1-3アルコ
    キシで置換されていてもよいアリール、ハロゲン、ト
    リハロゲノメチル、メチレンジオキシ、アルコキシ、ア
    ルコキシカルボニルまたはカルボキシルで置換されてい
    てもよいアラルキル、複素環基または複素環−アル
    キル基を有していてもよい窒素原子を、 Yは酸素原子、フェニレンまたはフェニレンオキシを、 R1は水素原子または置換基としてメチル、エチル、
    n−プロピル、イソプロピル、アリル、プロパルギルま
    たはフェニルで置換されてもよい水酸基、低級アルキ
    ルチオ、水酸基、メトキシ基またはフルオロ基で置換
    されていてもよいフェニルチオ、水酸基、メトキシ基
    またはフルオロ基で置換されていてもよいフェニル、
    ビニル、メチル、エチルまたはフェニルで置換されて
    いてもよいエチニルまたはカルボキシルを有していて
    もよい炭化水素残基を、 R2はC9-20アルキルまたはハロゲンまたはC1-3
    ルコキシを有していてもよいフェニル−C1-3アルキル
    を示し、 R1はXとしての窒素原子とともに5ないし7員環を形
    成していてもよい〕で表わされる化合物を含有してなる
    過酸化脂質生成抑制剤。
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