JPH089545B2 - ヒト免疫不全ウィルス感染者のための栄養製剤 - Google Patents
ヒト免疫不全ウィルス感染者のための栄養製剤Info
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- JPH089545B2 JPH089545B2 JP5258369A JP25836993A JPH089545B2 JP H089545 B2 JPH089545 B2 JP H089545B2 JP 5258369 A JP5258369 A JP 5258369A JP 25836993 A JP25836993 A JP 25836993A JP H089545 B2 JPH089545 B2 JP H089545B2
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- nutritional product
- human immunodeficiency
- immunodeficiency virus
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、ヒト免疫不全
ウィルス(HIV)感染者の栄養補給の必要性に応じる
よう処方した液体経腸栄養製剤、栄養製剤の使用、及び
栄養製剤使用の利点に関する。
ウィルス(HIV)感染者の栄養補給の必要性に応じる
よう処方した液体経腸栄養製剤、栄養製剤の使用、及び
栄養製剤使用の利点に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】カリ
ニ(Pneumocystis carinii)肺炎が関与するヒトでの強
力な消耗性疾患は1981年にアメリカで初めて報告さ
れた。この疾患に伴う症状の研究は後天性免疫不全症候
群(エイズ:AIDS)と呼ばれる疾患についての公衆
衛生学的及び政治的構造に究極的な焦点が当てられてい
た。エイズはヒト免疫不全ウィルス(HIV)による感
染症であり、数種の日和見感染症、症候群及び/または
悪性疾患の発症と定義されている。これらの疾患には結
核、カリニ(Penumocystis carinii)肺炎、サルモネラ
(Salmonella)血症、カポジ肉腫、Mycobaterium avium
intracellulare 、単純疱疹、トキソプラズマ症、サイ
トメガロウィルス(CMV)、痴呆性合併症及び消耗性
症候群があるが、これらに限られているのではない。
ニ(Pneumocystis carinii)肺炎が関与するヒトでの強
力な消耗性疾患は1981年にアメリカで初めて報告さ
れた。この疾患に伴う症状の研究は後天性免疫不全症候
群(エイズ:AIDS)と呼ばれる疾患についての公衆
衛生学的及び政治的構造に究極的な焦点が当てられてい
た。エイズはヒト免疫不全ウィルス(HIV)による感
染症であり、数種の日和見感染症、症候群及び/または
悪性疾患の発症と定義されている。これらの疾患には結
核、カリニ(Penumocystis carinii)肺炎、サルモネラ
(Salmonella)血症、カポジ肉腫、Mycobaterium avium
intracellulare 、単純疱疹、トキソプラズマ症、サイ
トメガロウィルス(CMV)、痴呆性合併症及び消耗性
症候群があるが、これらに限られているのではない。
【0003】HIVが感染するタイプの細胞は感染の型
に関するウィルスの作用、最終的には疾患がHIV感染
者の代謝及び栄養状態に与える影響を決定する働きを持
つ。免疫系により、Bリンパ球及びTリンパ球を含む感
染に対処するためのいくつかの型の細胞が生じ、これら
の細胞は抗原を産生し、侵入した病原体を直接攻撃す
る。免疫応答に関与するマクロファージ、単球や他の種
の細胞を含むこれらの細胞等は、それらが分泌する蛋白
質因子(サイトカイン)及び/またはその表面にある種
類の蛋白質及び糖蛋白質を介して伝達する。
に関するウィルスの作用、最終的には疾患がHIV感染
者の代謝及び栄養状態に与える影響を決定する働きを持
つ。免疫系により、Bリンパ球及びTリンパ球を含む感
染に対処するためのいくつかの型の細胞が生じ、これら
の細胞は抗原を産生し、侵入した病原体を直接攻撃す
る。免疫応答に関与するマクロファージ、単球や他の種
の細胞を含むこれらの細胞等は、それらが分泌する蛋白
質因子(サイトカイン)及び/またはその表面にある種
類の蛋白質及び糖蛋白質を介して伝達する。
【0004】HIV陽性及びエイズ患者を取り扱う健康
管理の専門家は日和味感染や悪性疾患の管理を含む多く
の管理上の問題に直面している。この疾患に対処するた
めに必要な療法に対する患者の反応を左右する2つの大
きな要素は、(a)感染初期の患者の栄養状態、及び
(b)適切な栄養を摂取し、それに耐える患者の能力で
ある。
管理の専門家は日和味感染や悪性疾患の管理を含む多く
の管理上の問題に直面している。この疾患に対処するた
めに必要な療法に対する患者の反応を左右する2つの大
きな要素は、(a)感染初期の患者の栄養状態、及び
(b)適切な栄養を摂取し、それに耐える患者の能力で
ある。
【0005】本明細書では、最新の最も優れた研究に基
づいて、HIV感染者に特定的な栄養の必要性に応じる
よう処方した経腸で与える液体の栄養製剤を開示してい
る。この高カロリーで栄養の豊富な、しかも脂肪分の少
ない栄養製剤は腸向性ペプチド、オメガ−3脂肪酸を多
量に含む脂肪源、及び繊維を含んでいる。腸向性ペプチ
ドは、細胞内の特殊な受容体経路を調節し、アポプトシ
ス遺伝子(apoptotic genes) の発現を減らし、細胞分裂
調節蛋白質の燐酸化を変化させるように思われる。この
ペプチドはアポプトシスに関係する遺伝子、アミロイド
β前駆体蛋白質及びアポプトシス救援蛋白質の発現を顕
著に低下させる。(この蛋白質は細胞死誘導のマーカー
である。)この栄養補給療法により腸細胞死亡率が低下
する。
づいて、HIV感染者に特定的な栄養の必要性に応じる
よう処方した経腸で与える液体の栄養製剤を開示してい
る。この高カロリーで栄養の豊富な、しかも脂肪分の少
ない栄養製剤は腸向性ペプチド、オメガ−3脂肪酸を多
量に含む脂肪源、及び繊維を含んでいる。腸向性ペプチ
ドは、細胞内の特殊な受容体経路を調節し、アポプトシ
ス遺伝子(apoptotic genes) の発現を減らし、細胞分裂
調節蛋白質の燐酸化を変化させるように思われる。この
ペプチドはアポプトシスに関係する遺伝子、アミロイド
β前駆体蛋白質及びアポプトシス救援蛋白質の発現を顕
著に低下させる。(この蛋白質は細胞死誘導のマーカー
である。)この栄養補給療法により腸細胞死亡率が低下
する。
【0006】これらの処方の成分は胃腸管内での変化を
促進し、HIV感染者の栄養状態及び生理状態を改善す
る。この栄養製剤のビタミン及びミネラル(無機質)組
成はHIV感染者で枯渇や不足の危険性が認められた栄
養素を満たす。この栄養製剤はβ−カロチンも含んでい
る。
促進し、HIV感染者の栄養状態及び生理状態を改善す
る。この栄養製剤のビタミン及びミネラル(無機質)組
成はHIV感染者で枯渇や不足の危険性が認められた栄
養素を満たす。この栄養製剤はβ−カロチンも含んでい
る。
【0007】本発明の栄養製剤は許容できる総合的経腸
補給物質であり、経口的あるいは経管的に摂取すること
ができる。種々のフレーバ例えばオレンジクリームやチ
ョコレートフレーバが開示されており、これは患者が固
体の食物を摂取できない状態の時にこの栄養製剤を経口
的な補助食品として、または総合的な経口食として使用
する際に摂取しやすくする。
補給物質であり、経口的あるいは経管的に摂取すること
ができる。種々のフレーバ例えばオレンジクリームやチ
ョコレートフレーバが開示されており、これは患者が固
体の食物を摂取できない状態の時にこの栄養製剤を経口
的な補助食品として、または総合的な経口食として使用
する際に摂取しやすくする。
【0008】HIV感染者の栄養補給についての文献が
多数発表されている。
多数発表されている。
【0009】小腸の絨毛萎縮がHIV感染初期の腸内に
病原体のないときに発見されることがあり、小腸管はH
IVの影響を非常に受け易いと主張されてきた。HIV
感染で認められる絨毛萎縮の組織学的所見では腸細胞は
正常と思われ、上皮内リンパ球の上昇は認められないた
め、グルテン性腸症または熱帯性スプルーに見られる古
典的な絨毛萎縮とは異なる。この絨毛萎縮は骨髄移植で
の移植片対宿主症でみられる絨毛萎縮と類似しており、
このため、粘膜内での免疫応答が関与している可能性が
挙げられる。Griffin, Human Immunodeficiency Virus
Infection andthe Intestine (HIV感染と腸), BAI
LLIERE'S CLINICAL GASTROENTEROLOGY,Vol.4, No.3, p
p.657-673 (1990) 。エイズ患者の正体不明の細胞のア
ポプトシス(apoptosis) はエイズが同定された直後に報
告された。Kotlerら, Enteropathy Associated with th
e Acquired Immunodeficiency Syndrome(エイズに伴う
腸症), ANNALS OF INTERNAL MEDICINE, Vol.101, No.
4, pp.421-428 (1984) 。
病原体のないときに発見されることがあり、小腸管はH
IVの影響を非常に受け易いと主張されてきた。HIV
感染で認められる絨毛萎縮の組織学的所見では腸細胞は
正常と思われ、上皮内リンパ球の上昇は認められないた
め、グルテン性腸症または熱帯性スプルーに見られる古
典的な絨毛萎縮とは異なる。この絨毛萎縮は骨髄移植で
の移植片対宿主症でみられる絨毛萎縮と類似しており、
このため、粘膜内での免疫応答が関与している可能性が
挙げられる。Griffin, Human Immunodeficiency Virus
Infection andthe Intestine (HIV感染と腸), BAI
LLIERE'S CLINICAL GASTROENTEROLOGY,Vol.4, No.3, p
p.657-673 (1990) 。エイズ患者の正体不明の細胞のア
ポプトシス(apoptosis) はエイズが同定された直後に報
告された。Kotlerら, Enteropathy Associated with th
e Acquired Immunodeficiency Syndrome(エイズに伴う
腸症), ANNALS OF INTERNAL MEDICINE, Vol.101, No.
4, pp.421-428 (1984) 。
【0010】Trujilloら, Assessment of nutritional
status, nutrient intake, and nutrition support in
AIDS patients (エイズ患者の栄養状態、栄養摂取及び
栄養補給の評価), JOURNAL OF THE AMERICAN DIETETIC
ASSOCIATION、Vol.92, No.4,pp.477-478 (1992) は、
エイズの入院患者は推定基礎エネルギー必要量の70
%、蛋白質必要量の65%しか摂取できておらず、急性
感染症や任意の身体活動に伴う代謝過剰により上昇する
要求に答えられないと報告している。エイズ患者は他の
非常に重症な患者にみられると同様な中等度から重篤な
代謝ストレスを有する。このストレスは、この疾患に伴
う食欲不振や吸収不良と共に栄養不良を進める。栄養と
HIV疾患の過程との間の任意可能な具体的な関係とは
無関係に、栄養不良患者は衰弱し、最適に機能すること
は不可能となる。栄養不良は一般に5つの分野の機能に
影響を与える:生殖能力、免疫能、労働能及び/または
行動能及び知覚。THE FASEB JOURNAL, Vol.5, No.10, p
p.2329-2330,特にp2330(1991) 。
status, nutrient intake, and nutrition support in
AIDS patients (エイズ患者の栄養状態、栄養摂取及び
栄養補給の評価), JOURNAL OF THE AMERICAN DIETETIC
ASSOCIATION、Vol.92, No.4,pp.477-478 (1992) は、
エイズの入院患者は推定基礎エネルギー必要量の70
%、蛋白質必要量の65%しか摂取できておらず、急性
感染症や任意の身体活動に伴う代謝過剰により上昇する
要求に答えられないと報告している。エイズ患者は他の
非常に重症な患者にみられると同様な中等度から重篤な
代謝ストレスを有する。このストレスは、この疾患に伴
う食欲不振や吸収不良と共に栄養不良を進める。栄養と
HIV疾患の過程との間の任意可能な具体的な関係とは
無関係に、栄養不良患者は衰弱し、最適に機能すること
は不可能となる。栄養不良は一般に5つの分野の機能に
影響を与える:生殖能力、免疫能、労働能及び/または
行動能及び知覚。THE FASEB JOURNAL, Vol.5, No.10, p
p.2329-2330,特にp2330(1991) 。
【0011】免疫能の低下した患者では、健常人にはさ
さいなことでも生命を脅かすことがあるので、食事によ
る感染は慎重に避けなければならない。汚染された食物
を摂取した場合、HIVに感染した患者は健常人に比
べ、サルモネラ菌に対して300倍の感受性を持つ。Dw
yer, Nutrition Support of HIV+ Patients (HIV陽
性患者の栄養補給), HENRY FORD HOSPITAL MEDICAL JO
URNAL, Vol.39, No.1, pp.60-65,特にP62 (1991)。Kotl
er, Nutritional Effects and Support in the Patient
with Acquired Immunodeficiency Syndrome(エイズ患
者の栄養の影響と補給),JOURNAL OF NUTRITION, 19
92年3月(第3補遺), pp.723-727は、エイズ患者で
のいくつかの下記の微量栄養素の不足を記載している:
(a)血清亜鉛及びセレン濃度の低下;(b)ビタミン
B12の吸収不良及びビタミンB12の血清濃度が正常
値以下;(c)感染患者の食習慣によって異なる広範囲
の葉酸の枯渇;及び(d)脂溶性微量栄養素例えばビタ
ミンE、β−カロチン及び必須脂肪酸の吸収不良。
さいなことでも生命を脅かすことがあるので、食事によ
る感染は慎重に避けなければならない。汚染された食物
を摂取した場合、HIVに感染した患者は健常人に比
べ、サルモネラ菌に対して300倍の感受性を持つ。Dw
yer, Nutrition Support of HIV+ Patients (HIV陽
性患者の栄養補給), HENRY FORD HOSPITAL MEDICAL JO
URNAL, Vol.39, No.1, pp.60-65,特にP62 (1991)。Kotl
er, Nutritional Effects and Support in the Patient
with Acquired Immunodeficiency Syndrome(エイズ患
者の栄養の影響と補給),JOURNAL OF NUTRITION, 19
92年3月(第3補遺), pp.723-727は、エイズ患者で
のいくつかの下記の微量栄養素の不足を記載している:
(a)血清亜鉛及びセレン濃度の低下;(b)ビタミン
B12の吸収不良及びビタミンB12の血清濃度が正常
値以下;(c)感染患者の食習慣によって異なる広範囲
の葉酸の枯渇;及び(d)脂溶性微量栄養素例えばビタ
ミンE、β−カロチン及び必須脂肪酸の吸収不良。
【0012】AMERICAN JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY,
Vol.85, Issue 4, p.475 (1990) の読者欄で、Freed ら
は、非経口的投与と異なり、いつでも可能な経腸栄養補
給のエイズ及び癌の患者への使用を主張している。
Vol.85, Issue 4, p.475 (1990) の読者欄で、Freed ら
は、非経口的投与と異なり、いつでも可能な経腸栄養補
給のエイズ及び癌の患者への使用を主張している。
【0013】症状のあるHIV感染患者では必須脂肪
酸、コバラミン(Cabalamin) 及び亜鉛の生化学指標が悪
化していたため、これらの栄養素を含む特別な栄養また
は食事をエイズ関連合併症(ARC)またはエイズ患者
に投与する試みを実施した。しかし、症状の改善や免疫
状態の改善は殆ど認められなかった。Dwyer, Nutrition
Support of HIV+ Patients (HIV陽性患者の栄養補
給), HENRY FORD HOSPITAL MEDICAL JOURNAL, Vol.39,
No.1, pp.60-65,特にp60 (1991)。
酸、コバラミン(Cabalamin) 及び亜鉛の生化学指標が悪
化していたため、これらの栄養素を含む特別な栄養また
は食事をエイズ関連合併症(ARC)またはエイズ患者
に投与する試みを実施した。しかし、症状の改善や免疫
状態の改善は殆ど認められなかった。Dwyer, Nutrition
Support of HIV+ Patients (HIV陽性患者の栄養補
給), HENRY FORD HOSPITAL MEDICAL JOURNAL, Vol.39,
No.1, pp.60-65,特にp60 (1991)。
【0014】Mandauら, USE OF A FIBER-CONTAINING EN
TERAL FORMULATION IN AN AIDS PATIENT(エイズ患者に
おける繊維含有経腸処方の使用), Nutrition Clinical
Practaice, Vol.4, Issue 4, pp.136-139 (1989) は、
種々の栄養補助剤を与えられたが、高残留栄養製剤を与
えるまで悪性の下痢が続いたエイズ患者について述べて
いる。しかし、Kingら, LESS DIARRHEA SEEN IN HIV-PO
SITIVE (HIV+) PATIENTS ON A LOW-FAT, ELEMENTAL DIE
T (低脂肪の基礎食を使用したHIV陽性患者では下痢
の頻度が低い), PROCEEDINGS OF THE V INTERNATIONAL
CONFERENCE OFAIDS, p. 466 (1989)は、低脂肪、低残
留の基礎食を使用した食事管理は一部のHIV感染患者
での体重の維持と下痢の低減に役立つ有用な補助療法と
なりうることを示唆している。
TERAL FORMULATION IN AN AIDS PATIENT(エイズ患者に
おける繊維含有経腸処方の使用), Nutrition Clinical
Practaice, Vol.4, Issue 4, pp.136-139 (1989) は、
種々の栄養補助剤を与えられたが、高残留栄養製剤を与
えるまで悪性の下痢が続いたエイズ患者について述べて
いる。しかし、Kingら, LESS DIARRHEA SEEN IN HIV-PO
SITIVE (HIV+) PATIENTS ON A LOW-FAT, ELEMENTAL DIE
T (低脂肪の基礎食を使用したHIV陽性患者では下痢
の頻度が低い), PROCEEDINGS OF THE V INTERNATIONAL
CONFERENCE OFAIDS, p. 466 (1989)は、低脂肪、低残
留の基礎食を使用した食事管理は一部のHIV感染患者
での体重の維持と下痢の低減に役立つ有用な補助療法と
なりうることを示唆している。
【0015】低脂肪、高繊維のエイズ患者用食事が望ま
しいことは、WeaverがReversible Malnutrition In AID
S (エイズでの可逆的栄養不良), GASTROENTEROLOGY C
LNICS OF NORTH AMERICA, Vol.17, No.3, pp.545-561
(1988) で示唆している。Weaverの教示によると、 Vivo
nex(登録商標) TEN(Norwich Eaton Chemicals, Inc.,
Norwich,ニューヨークが製造)は正常または低下した
消化管機能を有するエイズ患者の優れた補助食または食
事であることが証明されている。Vivonex は粉末の形で
包装されており、水または(アミノ酸の苦味を緩和する
ための)好みの液体と混合して経口で摂取するかまたは
経管的に与える。この文献には、エイズ患者用の栄養補
給療法が他にもいくつか示されてあるが、559ページ
に「これらの患者全員の治療に使用できる単一の栄養療
法はない」と結論している。従って、本発明者らはAR
C/エイズ患者の治療に食事補助や経腸及び非経口食と
合わせて特別の個人用に調製した経口食を与えることを
推奨する。
しいことは、WeaverがReversible Malnutrition In AID
S (エイズでの可逆的栄養不良), GASTROENTEROLOGY C
LNICS OF NORTH AMERICA, Vol.17, No.3, pp.545-561
(1988) で示唆している。Weaverの教示によると、 Vivo
nex(登録商標) TEN(Norwich Eaton Chemicals, Inc.,
Norwich,ニューヨークが製造)は正常または低下した
消化管機能を有するエイズ患者の優れた補助食または食
事であることが証明されている。Vivonex は粉末の形で
包装されており、水または(アミノ酸の苦味を緩和する
ための)好みの液体と混合して経口で摂取するかまたは
経管的に与える。この文献には、エイズ患者用の栄養補
給療法が他にもいくつか示されてあるが、559ページ
に「これらの患者全員の治療に使用できる単一の栄養療
法はない」と結論している。従って、本発明者らはAR
C/エイズ患者の治療に食事補助や経腸及び非経口食と
合わせて特別の個人用に調製した経口食を与えることを
推奨する。
【0016】Hickey, Nutritional Support of Patient
s with AIDS (エイズ患者の栄養補給), SURGICAL CLI
NICS OF NORTH AMERICA, Vol.71, No.3, pp.645-664 (1
991)は、エイズ患者の栄養補給の状態に関する優れた総
説を提供している。彼は、これらの患者での栄養補助療
法の主目的は代謝のホメオスターシス(正常な機能指
数、正の窒素バランス、安定した体重)を維持すること
であると述べている。その中で、分子量500未満の遊
離アミノ酸は消化管機能が衰えた状態でも急速に吸収さ
れるため、遊離アミノ酸の形の蛋白質を含む基礎的な栄
養製剤を栄養補給源または単一栄養源として与えること
を推奨している。しかし、エイズ患者全員が基礎栄養製
剤に耐用性を持つのではないと述べている。Heckerら,
Malnutrition in Patients with AIDS(エイズ患者での
栄養不良),NUTRITION REVIEWS, Vol.48, No.11, pp.3
93-401, 特にp.397 (1990)は、低脂肪、低残留基礎食の
摂取がエイズ患者の一部で有効であり得ることを示唆し
ている。
s with AIDS (エイズ患者の栄養補給), SURGICAL CLI
NICS OF NORTH AMERICA, Vol.71, No.3, pp.645-664 (1
991)は、エイズ患者の栄養補給の状態に関する優れた総
説を提供している。彼は、これらの患者での栄養補助療
法の主目的は代謝のホメオスターシス(正常な機能指
数、正の窒素バランス、安定した体重)を維持すること
であると述べている。その中で、分子量500未満の遊
離アミノ酸は消化管機能が衰えた状態でも急速に吸収さ
れるため、遊離アミノ酸の形の蛋白質を含む基礎的な栄
養製剤を栄養補給源または単一栄養源として与えること
を推奨している。しかし、エイズ患者全員が基礎栄養製
剤に耐用性を持つのではないと述べている。Heckerら,
Malnutrition in Patients with AIDS(エイズ患者での
栄養不良),NUTRITION REVIEWS, Vol.48, No.11, pp.3
93-401, 特にp.397 (1990)は、低脂肪、低残留基礎食の
摂取がエイズ患者の一部で有効であり得ることを示唆し
ている。
【0017】エイズ患者に遊離アミノ酸基礎食を与える
ことに対して議論が無いわけではない。例えば、Brolin
ら, Use of Nutrition Support in Patients with AID
S: AFour-Year Retrospective Review(エイズ患者での
栄養補助の使用:4年間の総論), NUTRITION, Vol.7,
No.1, pp.19-22, 特にp21 (1991)は、著者ら、例えばHi
ckeyやWeaverは下痢のあるエイズ患者への基礎食の使用
結果は述べていないとしている。Brolinらの経験では、
これらの患者はどんな経腸食も十分飲むことはできない
であろうし、消化管機能不全が悪化しているために経腸
管投与に耐えられず、従って、かれらの経験では非経口
的栄養補給は下痢を有したエイズ患者では単に有用な選
択肢でしかなかった。
ことに対して議論が無いわけではない。例えば、Brolin
ら, Use of Nutrition Support in Patients with AID
S: AFour-Year Retrospective Review(エイズ患者での
栄養補助の使用:4年間の総論), NUTRITION, Vol.7,
No.1, pp.19-22, 特にp21 (1991)は、著者ら、例えばHi
ckeyやWeaverは下痢のあるエイズ患者への基礎食の使用
結果は述べていないとしている。Brolinらの経験では、
これらの患者はどんな経腸食も十分飲むことはできない
であろうし、消化管機能不全が悪化しているために経腸
管投与に耐えられず、従って、かれらの経験では非経口
的栄養補給は下痢を有したエイズ患者では単に有用な選
択肢でしかなかった。
【0018】基礎食をエイズ患者に与えることに反対す
る議論もいくつかある。エイズ患者と特定しているわけ
ではないが、Klein ら, The Role of Cell Renewal in
theOntogeny of the Intestine. II. Regulation of Ce
ll Proliferation in Adult, Fetal and Neonatal Inte
stine (小腸個体発生における細胞更新の役割II.
成人、新生児及び胎児の小腸での細胞増殖の調節), JO
URNAL OF PEDIATRIC GASTROENTEROLOGY AND NUTRITION,
Vol.2, pp.204-228, 特にp.211 (1983)は、(a)基礎
食(VIVONEX (登録商標))は細胞更新を減少させ、空
腸及び回腸の両者の絨毛の大きさを減少させることが示
されている;(b)基礎食に繊維質(bulk)を加えると細
胞更新は増加するが、絨毛の高さは変化しない;(c)
基礎食を与えたラットではガストリン量が劇的に低下す
るが、粘膜上の食物濃度がより直接的に影響している可
能性がある、と記載している。
る議論もいくつかある。エイズ患者と特定しているわけ
ではないが、Klein ら, The Role of Cell Renewal in
theOntogeny of the Intestine. II. Regulation of Ce
ll Proliferation in Adult, Fetal and Neonatal Inte
stine (小腸個体発生における細胞更新の役割II.
成人、新生児及び胎児の小腸での細胞増殖の調節), JO
URNAL OF PEDIATRIC GASTROENTEROLOGY AND NUTRITION,
Vol.2, pp.204-228, 特にp.211 (1983)は、(a)基礎
食(VIVONEX (登録商標))は細胞更新を減少させ、空
腸及び回腸の両者の絨毛の大きさを減少させることが示
されている;(b)基礎食に繊維質(bulk)を加えると細
胞更新は増加するが、絨毛の高さは変化しない;(c)
基礎食を与えたラットではガストリン量が劇的に低下す
るが、粘膜上の食物濃度がより直接的に影響している可
能性がある、と記載している。
【0019】エイズ患者に特定的に向けられているので
はないが、化学療法による大腸炎に対する食事の影響
が、Shouら, Dietary Manipulation of Methotrexate-I
nducedEnterocolitis(メトトレキセート誘発大腸炎の
食事による処置), JOURNAL OFPARENTERAL AND ENTERAL
NUTRITION, Vol.15, No.3, pp.307-312 (1991)に報告
されている。この研究の結果は、患者は普通食は摂取で
きないが、基礎食より窒素源としてポリペプチドを含む
食事の方が化学療法に有用である可能性があることも示
唆していた。この文献は、基礎液体食がグラム陰性菌の
顕著な増加を特徴とする腸内細菌叢の変化を起すことを
主張している。感染を引き起こす小腸管から上皮粘膜を
通る細菌の移動が少なくとも部分的には細菌の増殖過多
により生じる可能性があること、液体栄養補給食の投与
により粘膜の絨毛の高さや陰かの深さが減ると言う小腸
粘膜の萎縮やその他の望ましくない結果が生じることを
述べている。
はないが、化学療法による大腸炎に対する食事の影響
が、Shouら, Dietary Manipulation of Methotrexate-I
nducedEnterocolitis(メトトレキセート誘発大腸炎の
食事による処置), JOURNAL OFPARENTERAL AND ENTERAL
NUTRITION, Vol.15, No.3, pp.307-312 (1991)に報告
されている。この研究の結果は、患者は普通食は摂取で
きないが、基礎食より窒素源としてポリペプチドを含む
食事の方が化学療法に有用である可能性があることも示
唆していた。この文献は、基礎液体食がグラム陰性菌の
顕著な増加を特徴とする腸内細菌叢の変化を起すことを
主張している。感染を引き起こす小腸管から上皮粘膜を
通る細菌の移動が少なくとも部分的には細菌の増殖過多
により生じる可能性があること、液体栄養補給食の投与
により粘膜の絨毛の高さや陰かの深さが減ると言う小腸
粘膜の萎縮やその他の望ましくない結果が生じることを
述べている。
【0020】本発明の栄養製剤は、HIV感染者及びエ
イズ患者用の高蛋白質、低脂肪、高カロリー製剤であ
る。本発明の栄養製剤はこれらの患者に独特な栄養要件
を満たしている。本発明の目的は、HIV感染者の胃腸
管構造を疾患状態と比べて正常な胃腸管構造に少なくと
も等しい状態に維持することにある。本発明の他の目的
は、脱水の可能性を減らし、下痢の治療に必要な医薬品
の量を減らすことであり、これにより下痢治療剤とHI
V感染者が使用している可能性のある他の医薬品との間
で相互作用が起こる可能性が低下する。胃腸管構造を維
持することにより腸炎の形の炎症反応が減少しまたはな
くなる。本発明の栄養製剤を与えられたHIV感染者を
組織学的にまたは内視鏡で調べると、上記の利点が現わ
れていた。本発明のもう1つの目的はHIV感染者の免
疫系の悪化を阻止することにある。
イズ患者用の高蛋白質、低脂肪、高カロリー製剤であ
る。本発明の栄養製剤はこれらの患者に独特な栄養要件
を満たしている。本発明の目的は、HIV感染者の胃腸
管構造を疾患状態と比べて正常な胃腸管構造に少なくと
も等しい状態に維持することにある。本発明の他の目的
は、脱水の可能性を減らし、下痢の治療に必要な医薬品
の量を減らすことであり、これにより下痢治療剤とHI
V感染者が使用している可能性のある他の医薬品との間
で相互作用が起こる可能性が低下する。胃腸管構造を維
持することにより腸炎の形の炎症反応が減少しまたはな
くなる。本発明の栄養製剤を与えられたHIV感染者を
組織学的にまたは内視鏡で調べると、上記の利点が現わ
れていた。本発明のもう1つの目的はHIV感染者の免
疫系の悪化を阻止することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の経腸液体栄養製
剤の栄養ベースは1日1515カロリーで、これを23
7mLずつ5回に分けて投与する。しかし、経腸液体栄
養製剤は主治医の薦めに従って単一の栄養源としてでも
栄養補給用にも使用できる。また、この新規の栄養補給
用製剤を237ml与えると約303カロリーが、1l
与えると約1,280カロリーが得られる。この新規の
栄養製剤のカロリー密度は約1.2−1.35cal/
mL、最も好ましくは約1.28cal/mLである。
この高いカロリー密度により患者はより少量の製品でよ
り多くのカロリーを取ることができ、このことは食欲不
振の場合には非常に重要である。この新規の栄養製剤の
栄養組成を表1に示す。
剤の栄養ベースは1日1515カロリーで、これを23
7mLずつ5回に分けて投与する。しかし、経腸液体栄
養製剤は主治医の薦めに従って単一の栄養源としてでも
栄養補給用にも使用できる。また、この新規の栄養補給
用製剤を237ml与えると約303カロリーが、1l
与えると約1,280カロリーが得られる。この新規の
栄養製剤のカロリー密度は約1.2−1.35cal/
mL、最も好ましくは約1.28cal/mLである。
この高いカロリー密度により患者はより少量の製品でよ
り多くのカロリーを取ることができ、このことは食欲不
振の場合には非常に重要である。この新規の栄養製剤の
栄養組成を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】体内蛋白質の保持量は蛋白質の代謝回転と
して知られる分解(異化作用)及び合成(同化作用)の
一定状態にある。HIV感染者は進行中の感染症または
併発した感染症の影響から、代謝の「引潮(ebbs)」と
「上げ潮(flows) 」を経験している。感染の活性相、す
なわち患者の代謝が過剰な場合、異化過程が優勢であ
る。代謝の不活発な状態、すなわち感染が活性なときと
併発しているときの中間では、同化が主流となる。適当
なエネルギーを与えると、同化の間には蛋白質及び他の
栄養素が窒素及び組織の合成を促進する。経腸栄養補給
は栄養不良のエイズ患者の体細胞量を充実させる。
して知られる分解(異化作用)及び合成(同化作用)の
一定状態にある。HIV感染者は進行中の感染症または
併発した感染症の影響から、代謝の「引潮(ebbs)」と
「上げ潮(flows) 」を経験している。感染の活性相、す
なわち患者の代謝が過剰な場合、異化過程が優勢であ
る。代謝の不活発な状態、すなわち感染が活性なときと
併発しているときの中間では、同化が主流となる。適当
なエネルギーを与えると、同化の間には蛋白質及び他の
栄養素が窒素及び組織の合成を促進する。経腸栄養補給
は栄養不良のエイズ患者の体細胞量を充実させる。
【0024】本発明の栄養製剤の好ましい実施態様の蛋
白質系は約78重量%の大豆蛋白質加水分解産物と約2
2%のカゼイン酸ナトリウム(sodium caseinate)からな
る。
白質系は約78重量%の大豆蛋白質加水分解産物と約2
2%のカゼイン酸ナトリウム(sodium caseinate)からな
る。
【0025】本発明の栄養補給用蛋白質源として使用す
る大豆蛋白質加水分解産物は米国特許第4,100,0
24号明細書に教示の方法を使用して製造できる。この
明細書は本発明の栄養製剤用の大豆蛋白質加水分解産物
の製法を教示する目的で本明細書に含むものとする。簡
単には、これはpH域2−7の水性媒質中に可溶な大豆
蛋白質からポリペプチドを製造する方法であり、加水分
解度が約8−15%となるまで、pH7.5−8.5
で、基質濃度5−20%w/wの大豆蛋白質で、大豆蛋
白質1kg当り4−25Anson 単位の微生物アルカリ性
プロテイナーゼで大豆蛋白質を加水分解し、次に、食用
の酸でpHを下げて酵素を不活化してから、沈澱から上
清を回収することからなる。しかし、本明細書に詳細に
記載の特性を有する任意他の方法で製造した大豆蛋白質
加水分解産物も本発明の実施に使用できるものと理解さ
れよう。
る大豆蛋白質加水分解産物は米国特許第4,100,0
24号明細書に教示の方法を使用して製造できる。この
明細書は本発明の栄養製剤用の大豆蛋白質加水分解産物
の製法を教示する目的で本明細書に含むものとする。簡
単には、これはpH域2−7の水性媒質中に可溶な大豆
蛋白質からポリペプチドを製造する方法であり、加水分
解度が約8−15%となるまで、pH7.5−8.5
で、基質濃度5−20%w/wの大豆蛋白質で、大豆蛋
白質1kg当り4−25Anson 単位の微生物アルカリ性
プロテイナーゼで大豆蛋白質を加水分解し、次に、食用
の酸でpHを下げて酵素を不活化してから、沈澱から上
清を回収することからなる。しかし、本明細書に詳細に
記載の特性を有する任意他の方法で製造した大豆蛋白質
加水分解産物も本発明の実施に使用できるものと理解さ
れよう。
【0026】このような大豆蛋白質加水分解産物を含む
栄養製剤の例は米国特許第4,959,350号明細書
に教示されているが、この従来技術の栄養製剤のpHは
(本発明製剤の6.4−6.6と比べて)4.5未満で
あり、浸透圧は(本発明の栄養製剤では660mosm
/水1kgに対して)約350msosm/水1kg以
下である。この従来技術の栄養製剤は脂肪組成、繊維含
量、ビタミン及びミネラルの組成の点で本発明の栄養製
剤とは異なる。
栄養製剤の例は米国特許第4,959,350号明細書
に教示されているが、この従来技術の栄養製剤のpHは
(本発明製剤の6.4−6.6と比べて)4.5未満で
あり、浸透圧は(本発明の栄養製剤では660mosm
/水1kgに対して)約350msosm/水1kg以
下である。この従来技術の栄養製剤は脂肪組成、繊維含
量、ビタミン及びミネラルの組成の点で本発明の栄養製
剤とは異なる。
【0027】本発明の栄養製剤は、上記の方法で大豆蛋
白質加水分解産物を製造しているNOVO Industri A/S
(Bagsvaerd 、デンマーク)から入手した大豆蛋白質加
水分解産物を使用して製造した。本発明の実施に適した
大豆蛋白質加水分解産物の性質はNOVO Industri から入
手した数種のロットの大豆蛋白質加水分解産物の試料を
実際に分析し、及び/または、所望特性に従って選択し
た規格によって測定した。
白質加水分解産物を製造しているNOVO Industri A/S
(Bagsvaerd 、デンマーク)から入手した大豆蛋白質加
水分解産物を使用して製造した。本発明の実施に適した
大豆蛋白質加水分解産物の性質はNOVO Industri から入
手した数種のロットの大豆蛋白質加水分解産物の試料を
実際に分析し、及び/または、所望特性に従って選択し
た規格によって測定した。
【0028】本発明の実施に使用する大豆蛋白質加水分
解産物が76重量%以上、好ましくは80重量%以上の
蛋白質、1重量%以下の脂肪、及び5.5重量%以下、
好ましくは4.8重量%以下の灰分を含むことが非常に
重要であると考えられる。また、大豆蛋白質加水分解産
物の5重量%水性スラリーのpHが約4.2−4.3の
範囲であり、どんな場合にも4.5未満であることが非
常に重要であると考えられる。大豆蛋白質加水分解産物
の加水分解度(AN/TN×100)が約14−17の
範囲、最も好ましくは約16であることが重要であると
考えられる。
解産物が76重量%以上、好ましくは80重量%以上の
蛋白質、1重量%以下の脂肪、及び5.5重量%以下、
好ましくは4.8重量%以下の灰分を含むことが非常に
重要であると考えられる。また、大豆蛋白質加水分解産
物の5重量%水性スラリーのpHが約4.2−4.3の
範囲であり、どんな場合にも4.5未満であることが非
常に重要であると考えられる。大豆蛋白質加水分解産物
の加水分解度(AN/TN×100)が約14−17の
範囲、最も好ましくは約16であることが重要であると
考えられる。
【0029】本発明の実施に使用した大豆蛋白質加水分
解産物のアミノ酸組成を表2に、ミネラル組成を表3に
示す。分子量プロフィールは、約16%の加水分解度を
持つ大豆蛋白質加水分解産物について、4つのロットの
大豆蛋白質加水分解産物(SPH)の試料をサイズ排除
クロマトグラフィーにかけて測定したおおよその分子量
分布を表4に示す。粒径がSPH含有経腸栄養製剤の物
理的安定性及び生物学的機能に関係するため、大豆蛋白
質加水分解産物の分子量プロフィールが非常に重要であ
ると考えられる。すなわち、本発明の栄養製剤に使用す
るSPHでは、分子量プロフィールは、(分子量150
0−5000ダルトンの粒子からなる)ペプチド含量が
高く、遊離アミノ酸含量が低いことを示している。SP
Hの約30−60重量%は分子量1500−5000ダ
ルトンの粒子である。遊離アミノ酸含量は大豆蛋白質加
水分解産物の1重量%未満であり、言い換えれば、大豆
蛋白質加水分解産物100g当り1g未満である。好ま
しくは、本発明の経腸栄養製剤は他の遊離アミノ酸源を
含んでいない。しかし、蛋白質100g当り約13gま
でを遊離アミノ酸として含む栄養製剤も本発明の範囲に
含む。遊離アミノ酸含量が低いと経腸栄養製剤の浸透圧
及びフレーバの点で有利である。大豆蛋白質加水分解産
物のミネラル組成は、栄養製剤中の微量及び超微量ミネ
ラルの大部分を供給するため非常に重要であると考えら
れる。
解産物のアミノ酸組成を表2に、ミネラル組成を表3に
示す。分子量プロフィールは、約16%の加水分解度を
持つ大豆蛋白質加水分解産物について、4つのロットの
大豆蛋白質加水分解産物(SPH)の試料をサイズ排除
クロマトグラフィーにかけて測定したおおよその分子量
分布を表4に示す。粒径がSPH含有経腸栄養製剤の物
理的安定性及び生物学的機能に関係するため、大豆蛋白
質加水分解産物の分子量プロフィールが非常に重要であ
ると考えられる。すなわち、本発明の栄養製剤に使用す
るSPHでは、分子量プロフィールは、(分子量150
0−5000ダルトンの粒子からなる)ペプチド含量が
高く、遊離アミノ酸含量が低いことを示している。SP
Hの約30−60重量%は分子量1500−5000ダ
ルトンの粒子である。遊離アミノ酸含量は大豆蛋白質加
水分解産物の1重量%未満であり、言い換えれば、大豆
蛋白質加水分解産物100g当り1g未満である。好ま
しくは、本発明の経腸栄養製剤は他の遊離アミノ酸源を
含んでいない。しかし、蛋白質100g当り約13gま
でを遊離アミノ酸として含む栄養製剤も本発明の範囲に
含む。遊離アミノ酸含量が低いと経腸栄養製剤の浸透圧
及びフレーバの点で有利である。大豆蛋白質加水分解産
物のミネラル組成は、栄養製剤中の微量及び超微量ミネ
ラルの大部分を供給するため非常に重要であると考えら
れる。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】好ましくは、本発明の実施に使用する大豆
蛋白質加水分解産物の分子量分布は、サイズ排除クロマ
トグラフィーで測定して、分子量1500−5000ダ
ルトンの粒子が30−60%となるものである。他の分
子量プロフィールを持つ大豆蛋白質加水分解産物を使用
すると許容できる製品は得られない。
蛋白質加水分解産物の分子量分布は、サイズ排除クロマ
トグラフィーで測定して、分子量1500−5000ダ
ルトンの粒子が30−60%となるものである。他の分
子量プロフィールを持つ大豆蛋白質加水分解産物を使用
すると許容できる製品は得られない。
【0034】本発明の栄養製剤に使用する大豆蛋白質加
水分解産物では、無傷(intact)の蛋白質を含まない場
合、保存安定性のある製品は得られないことが判った。
蛋白質は一旦加水分解されると、一次及び二次構造を失
い、そのため乳化特性を含むその機能の一部は失われ
る。従って、界面活性剤特性はなく、処方を安定化でき
ないため相分離が生じる。この特別な大豆蛋白質加水分
解産物を含む液体製剤を安定化させるための種々の方法
が検討された。
水分解産物では、無傷(intact)の蛋白質を含まない場
合、保存安定性のある製品は得られないことが判った。
蛋白質は一旦加水分解されると、一次及び二次構造を失
い、そのため乳化特性を含むその機能の一部は失われ
る。従って、界面活性剤特性はなく、処方を安定化でき
ないため相分離が生じる。この特別な大豆蛋白質加水分
解産物を含む液体製剤を安定化させるための種々の方法
が検討された。
【0035】3種の乳化剤及びその混合物を評価した
が、最も有効な乳化剤はGrinstead ofDanisco(デンマ
ーク)から市販の Panodan(登録商標)である。Panoda
n はモノ−ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルで
あり、非常に親水性の強い成分を持つ陰イオン界面活性
剤である。Panodan は一般にヒト用の栄養製剤への使用
が安全(GRAS)であるとみなされている。Panodan
は栄養製剤中の脂肪球に負の電荷を与え、電気的に互い
に反発させるため、羊毛状の塊(flocculation)や凝結(c
oalescence) が起きない。Panodan を使用すると、他の
蛋白質源がない場合、大豆蛋白質加水分解産物は約2週
間エマルジョンのままでいられた。しかし、ステアロイ
ルラクチル酸ナトリウムも乳化剤として使用できるが、
この乳化剤は米国食品医薬品局によりGRASと分類さ
れていない。
が、最も有効な乳化剤はGrinstead ofDanisco(デンマ
ーク)から市販の Panodan(登録商標)である。Panoda
n はモノ−ジグリセリドのジアセチル酒石酸エステルで
あり、非常に親水性の強い成分を持つ陰イオン界面活性
剤である。Panodan は一般にヒト用の栄養製剤への使用
が安全(GRAS)であるとみなされている。Panodan
は栄養製剤中の脂肪球に負の電荷を与え、電気的に互い
に反発させるため、羊毛状の塊(flocculation)や凝結(c
oalescence) が起きない。Panodan を使用すると、他の
蛋白質源がない場合、大豆蛋白質加水分解産物は約2週
間エマルジョンのままでいられた。しかし、ステアロイ
ルラクチル酸ナトリウムも乳化剤として使用できるが、
この乳化剤は米国食品医薬品局によりGRASと分類さ
れていない。
【0036】大豆蛋白質加水分解産物を含むエマルジョ
ンを安定化させるためにでんぷんの使用を検討したが、
エマルジョンの粘度が高すぎるため、この方法は取り入
れられなかった。
ンを安定化させるためにでんぷんの使用を検討したが、
エマルジョンの粘度が高すぎるため、この方法は取り入
れられなかった。
【0037】無傷の蛋白質を安定化剤として使用するこ
とも検討された。蛋白質の安定化作用は古くから認めら
れていた。例えば、カゼイン酸(caseinates)は親水性と
する高い電荷を持ち、またいくつかの疎水性基を有して
いる。このため、また無作為にコイル状になった分子構
造を有しているため、脂肪/水界面に対し非常に選択的
である理想的な乳化剤となる。カゼイン酸ナトリウム少
なくとも10−30重量%と残部が上記の大豆蛋白質加
水分解産物である蛋白質系をPanodan (登録商標)と共
に使用すると相分離に対して十分な安定性をもつエマル
ジョンが得られることが判った。
とも検討された。蛋白質の安定化作用は古くから認めら
れていた。例えば、カゼイン酸(caseinates)は親水性と
する高い電荷を持ち、またいくつかの疎水性基を有して
いる。このため、また無作為にコイル状になった分子構
造を有しているため、脂肪/水界面に対し非常に選択的
である理想的な乳化剤となる。カゼイン酸ナトリウム少
なくとも10−30重量%と残部が上記の大豆蛋白質加
水分解産物である蛋白質系をPanodan (登録商標)と共
に使用すると相分離に対して十分な安定性をもつエマル
ジョンが得られることが判った。
【0038】本発明の新規の経腸栄養製剤の好ましい実
施態様の蛋白質系は約78重量%の大豆蛋白質加水分解
産物と約22重量%のカゼイン酸ナトリウムからなる。
施態様の蛋白質系は約78重量%の大豆蛋白質加水分解
産物と約22重量%のカゼイン酸ナトリウムからなる。
【0039】本発明の栄養製剤の蛋白質系の無傷の蛋白
質からなる成分は任意好適な無傷の蛋白質源、例えばエ
ンドウ豆蛋白質及び乳漿蛋白質濃縮物からなってよく、
これらはカゼイン酸ナトリウムの代わりにまたは付加的
に含まれてよいものと理解されるべきである。例えば、
栄養製剤のpHを、カゼイン酸ナトリウムが安定ではな
いpHまでさらに酸性側に下げたい場合、カゼイン酸ナ
トリウムの代わりに適当量の無傷の蛋白質源例えば乳漿
蛋白質濃縮物及び分離物を入れることができる。
質からなる成分は任意好適な無傷の蛋白質源、例えばエ
ンドウ豆蛋白質及び乳漿蛋白質濃縮物からなってよく、
これらはカゼイン酸ナトリウムの代わりにまたは付加的
に含まれてよいものと理解されるべきである。例えば、
栄養製剤のpHを、カゼイン酸ナトリウムが安定ではな
いpHまでさらに酸性側に下げたい場合、カゼイン酸ナ
トリウムの代わりに適当量の無傷の蛋白質源例えば乳漿
蛋白質濃縮物及び分離物を入れることができる。
【0040】一般的なアミノ酸組成(5つのバッチの本
発明栄養製剤の平均)を表5に示す。
発明栄養製剤の平均)を表5に示す。
【0041】
【表5】
【0042】HIV感染者が遭遇する問題の1つは下痢
である。本発明の栄養製剤はHIVによる下痢を撲滅す
るための栄養補助を提供する。大豆多糖の形の食物繊維
は繊維質(bulk)を便に加え、保水量の増加を助ける。本
明細書及び特許請求の範囲で使用する「食物繊維」また
は「繊維」はヒトの酵素で消化できない植物物質を意味
するものと理解されたい。繊維は回盲部及び結腸で細菌
により一部消化され、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸
及び酪酸)と気体(メタン及び二酸化炭素)となる。繊
維は下痢の際の腸の機能を調整する働きがあることが知
られている。本発明の栄養製剤の食物繊維源である大豆
多糖は小腸内で短鎖脂肪酸を生成することが知られてい
る。本発明の栄養製剤は約8.9−11.6g/L、好
ましくは約8.9g/Lの大豆多糖由来の食物繊維を含
んでいる。
である。本発明の栄養製剤はHIVによる下痢を撲滅す
るための栄養補助を提供する。大豆多糖の形の食物繊維
は繊維質(bulk)を便に加え、保水量の増加を助ける。本
明細書及び特許請求の範囲で使用する「食物繊維」また
は「繊維」はヒトの酵素で消化できない植物物質を意味
するものと理解されたい。繊維は回盲部及び結腸で細菌
により一部消化され、短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸
及び酪酸)と気体(メタン及び二酸化炭素)となる。繊
維は下痢の際の腸の機能を調整する働きがあることが知
られている。本発明の栄養製剤の食物繊維源である大豆
多糖は小腸内で短鎖脂肪酸を生成することが知られてい
る。本発明の栄養製剤は約8.9−11.6g/L、好
ましくは約8.9g/Lの大豆多糖由来の食物繊維を含
んでいる。
【0043】本発明の栄養製剤の脂肪系は約70重量%
のカノーラ油(canola oil)、約20重量%の中鎖トリグ
リセリド(MCT)油(例えば分留したココナッツ
油);および約10重量%の魚油からなる。本発明の栄
養製剤に使用されている乳化剤はモノ−ジグリセリドの
ジアセチル酒石酸エステルであり、これは油混合物の約
5%を構成する。栄養製剤の脂肪酸組成は表6に示す。
のカノーラ油(canola oil)、約20重量%の中鎖トリグ
リセリド(MCT)油(例えば分留したココナッツ
油);および約10重量%の魚油からなる。本発明の栄
養製剤に使用されている乳化剤はモノ−ジグリセリドの
ジアセチル酒石酸エステルであり、これは油混合物の約
5%を構成する。栄養製剤の脂肪酸組成は表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】本発明の栄養製剤に使用する精製し、脱臭
した魚油はn−3ポリ不飽和脂肪酸を全体で約45%含
み、そのうち、約28%がエイコサペンタエン酸(EP
A、C20:5n−3)で、13%がドコサヘキサエン
酸(DHA、C22:6n−3)である。これらの不飽
和脂肪酸は魚油を非常に酸化され易くする。従って、出
荷前に、酸化を防ぐために、生産者が天然の混合トコフ
ェロール約7000ppmを加えている。魚油は到着後
使用するまで窒素雰囲気下、冷所に保存する。この商品
の使用期限はわずか70日であり、この期間に使用する
と最適品質であることが保証されている。栄養製剤はい
わしから製造した魚油を使用して製造されており、これ
は日本の東京都新宿区のMochida International から入
手した。
した魚油はn−3ポリ不飽和脂肪酸を全体で約45%含
み、そのうち、約28%がエイコサペンタエン酸(EP
A、C20:5n−3)で、13%がドコサヘキサエン
酸(DHA、C22:6n−3)である。これらの不飽
和脂肪酸は魚油を非常に酸化され易くする。従って、出
荷前に、酸化を防ぐために、生産者が天然の混合トコフ
ェロール約7000ppmを加えている。魚油は到着後
使用するまで窒素雰囲気下、冷所に保存する。この商品
の使用期限はわずか70日であり、この期間に使用する
と最適品質であることが保証されている。栄養製剤はい
わしから製造した魚油を使用して製造されており、これ
は日本の東京都新宿区のMochida International から入
手した。
【0046】脂肪全体については特別の食事の要件はな
いが、脂溶性ビタミンの運搬と吸収の促進のために必須
脂肪酸が必要な場合がある。例えば魚油からのn−3脂
肪酸はプロスタグランジン産生とある種の腫瘍遺伝子例
えばRASの発現を低下させる。n−3脂肪酸はアポプ
トシス遺伝子(細胞死遺伝子)の発現も低下させる。本
発明の液体栄養製剤は1リットル当りn−3脂肪酸を1
900mg以上含む。栄養製剤中のn−6脂肪酸の総量
対n−3脂肪酸の総量の重量比は約1.3:1から2.
5:1、好ましくは約1.5:1である。
いが、脂溶性ビタミンの運搬と吸収の促進のために必須
脂肪酸が必要な場合がある。例えば魚油からのn−3脂
肪酸はプロスタグランジン産生とある種の腫瘍遺伝子例
えばRASの発現を低下させる。n−3脂肪酸はアポプ
トシス遺伝子(細胞死遺伝子)の発現も低下させる。本
発明の液体栄養製剤は1リットル当りn−3脂肪酸を1
900mg以上含む。栄養製剤中のn−6脂肪酸の総量
対n−3脂肪酸の総量の重量比は約1.3:1から2.
5:1、好ましくは約1.5:1である。
【0047】本発明の栄養製剤の脂肪酸組成は、カロリ
ーの10%未満を飽和脂肪酸で、カロリーの10%以下
は不飽和脂肪酸で取るというアメリカ心臓協会(Americ
an Heart Association)の推奨に合う。
ーの10%未満を飽和脂肪酸で、カロリーの10%以下
は不飽和脂肪酸で取るというアメリカ心臓協会(Americ
an Heart Association)の推奨に合う。
【0048】本発明の栄養製剤中の炭水化物系は複雑な
炭水化物と単純な糖の混合物からなり、約72.1重量
%の加水分解したコーンスターチ、約22.8%の蔗糖
及び約5.1%の大豆多糖からなる。
炭水化物と単純な糖の混合物からなり、約72.1重量
%の加水分解したコーンスターチ、約22.8%の蔗糖
及び約5.1%の大豆多糖からなる。
【0049】本発明の栄養製剤に使用する安定化剤は3
50ppmの濃度のカッパ及びイオタカラギーナンの混
合物である。カラギーナンは赤色の海藻から得られる高
分子量の直鎖状多糖である。
50ppmの濃度のカッパ及びイオタカラギーナンの混
合物である。カラギーナンは赤色の海藻から得られる高
分子量の直鎖状多糖である。
【0050】本発明の栄養製剤は1184mL(237
mLずつ5回分)でUS RDAの少なくとも100%
のビタミンとミネラルを提供する。脂溶性ビタミン(α
−トコフェリルアセテート、ビタミンAパルミテート、
フィロキノン、ビタミンD3)をプレミックスとして加
える。水溶性ビタミン(ナイアシンアミド、d−パント
テン酸カルシウム、塩酸チアミン、塩酸ピロドキシン、
リボフラビン、葉酸、ビオチン、シアノコバラミン)も
プレミックスとして加える。β−カロチンは30%の植
物油溶液として加える。塩化コリン、タウリン、L−カ
ルニチン、アスコルビン酸及び追加のシアノコバラミン
も個々に加える。
mLずつ5回分)でUS RDAの少なくとも100%
のビタミンとミネラルを提供する。脂溶性ビタミン(α
−トコフェリルアセテート、ビタミンAパルミテート、
フィロキノン、ビタミンD3)をプレミックスとして加
える。水溶性ビタミン(ナイアシンアミド、d−パント
テン酸カルシウム、塩酸チアミン、塩酸ピロドキシン、
リボフラビン、葉酸、ビオチン、シアノコバラミン)も
プレミックスとして加える。β−カロチンは30%の植
物油溶液として加える。塩化コリン、タウリン、L−カ
ルニチン、アスコルビン酸及び追加のシアノコバラミン
も個々に加える。
【0051】処方中の大豆蛋白質加水分解産物は必要な
クロム及びモリブデンを100%提供する。残りのミネ
ラルはクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、超微細燐
酸三カルシウム(TCP)、二塩基性燐酸マグネシウム
(magnesium phosphate dibasic) 、硫酸銅、セレン酸ナ
トリウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸第一鉄及びヨ
ウ化カリウムから得られる。大豆蛋白質加水分解産物の
フィチン酸塩量が高く、生物から得られないSPHから
大量の燐を供給しすぎる場合、さらにTCPの使用が必
要なことがある。
クロム及びモリブデンを100%提供する。残りのミネ
ラルはクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、超微細燐
酸三カルシウム(TCP)、二塩基性燐酸マグネシウム
(magnesium phosphate dibasic) 、硫酸銅、セレン酸ナ
トリウム、硫酸亜鉛、硫酸マンガン、硫酸第一鉄及びヨ
ウ化カリウムから得られる。大豆蛋白質加水分解産物の
フィチン酸塩量が高く、生物から得られないSPHから
大量の燐を供給しすぎる場合、さらにTCPの使用が必
要なことがある。
【0052】表1に示す高濃度のビタミン及びミネラル
があるため、本発明の栄養製剤はより少量の製品で経腸
的に患者に与える栄養の要件を満たすことができる。H
IV感染者では、胃腸管の問題または薬剤や治療による
食欲不振、悪心及び/またはおう吐のために容量制限が
必要なことが多い。
があるため、本発明の栄養製剤はより少量の製品で経腸
的に患者に与える栄養の要件を満たすことができる。H
IV感染者では、胃腸管の問題または薬剤や治療による
食欲不振、悪心及び/またはおう吐のために容量制限が
必要なことが多い。
【0053】本発明の栄養製剤はプロビタミンA活性を
持つカロチノイド化合物であるβ−カロチンを含んでい
る。しかし、ビタミンAと異なり、β−カロチンには毒
性がなく、従って毒性を引き起こす心配なしに、食事に
レチノール等価物源として使用できる。ビタミンAは熱
傷や放射線による傷に伴う免疫抑制の一部を直すことが
示されている。
持つカロチノイド化合物であるβ−カロチンを含んでい
る。しかし、ビタミンAと異なり、β−カロチンには毒
性がなく、従って毒性を引き起こす心配なしに、食事に
レチノール等価物源として使用できる。ビタミンAは熱
傷や放射線による傷に伴う免疫抑制の一部を直すことが
示されている。
【0054】本発明の栄養製剤1日1184mL(23
7mLずつ5回)で得られるビタミンE及びC、葉酸、
及びビタミンB12の量は、疾患の初期の適当な蓄積を促
進し、さらに、疾患のその後の段階で認められるこれら
のビタミンの不足に対処するために、これらの栄養分に
関するUS RDAを大幅に超えている。ミネラルであ
る、鉄、マンガン、亜鉛及びセレンは、疾患の進行につ
れて認められるこれらの栄養素の枯渇や不足に対処でき
る量含まれている。
7mLずつ5回)で得られるビタミンE及びC、葉酸、
及びビタミンB12の量は、疾患の初期の適当な蓄積を促
進し、さらに、疾患のその後の段階で認められるこれら
のビタミンの不足に対処するために、これらの栄養分に
関するUS RDAを大幅に超えている。ミネラルであ
る、鉄、マンガン、亜鉛及びセレンは、疾患の進行につ
れて認められるこれらの栄養素の枯渇や不足に対処でき
る量含まれている。
【0055】HIV感染患者が直面するもう1つの問題
はカヘキシー(cachexia)(体重の減少)である。例えば
魚油及びカノーラ油でn−3脂肪酸を与えると、代謝変
化に関与しているカケクチンや腫瘍壊死因子を阻害する
ことによりカヘキシーを顕著に抑制する。カケクチンは
個々の患者が、脂質産生の増加する(脂肪の少ない筋肉
を脂肪に代える)際の脂肪の少ない身体(lean body mas
s)を維持する力を低下させる。本発明の栄養製剤は高い
カロリー密度と大豆蛋白質加水分解産物からの腸向性ペ
プチドにより蛋白質合成を維持するための高い窒素源を
提供する。本発明の栄養製剤は非常に低い約135:1
のカロリー:窒素比を有している。上記の利点は、身体
組成(%低脂肪体及び体脂肪)及び、安定な同位元素を
使用し、サイトカインを測定することにより中間代謝を
評価することにより、本発明の栄養製剤を与えたHIV
感染者で示されている。
はカヘキシー(cachexia)(体重の減少)である。例えば
魚油及びカノーラ油でn−3脂肪酸を与えると、代謝変
化に関与しているカケクチンや腫瘍壊死因子を阻害する
ことによりカヘキシーを顕著に抑制する。カケクチンは
個々の患者が、脂質産生の増加する(脂肪の少ない筋肉
を脂肪に代える)際の脂肪の少ない身体(lean body mas
s)を維持する力を低下させる。本発明の栄養製剤は高い
カロリー密度と大豆蛋白質加水分解産物からの腸向性ペ
プチドにより蛋白質合成を維持するための高い窒素源を
提供する。本発明の栄養製剤は非常に低い約135:1
のカロリー:窒素比を有している。上記の利点は、身体
組成(%低脂肪体及び体脂肪)及び、安定な同位元素を
使用し、サイトカインを測定することにより中間代謝を
評価することにより、本発明の栄養製剤を与えたHIV
感染者で示されている。
【0056】HIV感染者が遭遇するもう1つの問題
は、特定の栄養素、例えばセレン、マグネシウム、亜
鉛、ビタミンB6 、ビタミンB12、葉酸及びβ−カロチ
ンの枯渇である。表1に示したように、本発明の栄養製
剤はこれらの栄養素についての米国のRDAをはるかに
超えた量を提供する。
は、特定の栄養素、例えばセレン、マグネシウム、亜
鉛、ビタミンB6 、ビタミンB12、葉酸及びβ−カロチ
ンの枯渇である。表1に示したように、本発明の栄養製
剤はこれらの栄養素についての米国のRDAをはるかに
超えた量を提供する。
【0057】HIV感染者の直面するもう1つの問題は
心筋病変の起こる危険性が増すことである。本発明の栄
養製剤は心筋病変の危険性を減らす栄養素を含んでい
る。これらの成分にはセレン、魚油、β−カロチン及び
ビタミンEを含んでいる。
心筋病変の起こる危険性が増すことである。本発明の栄
養製剤は心筋病変の危険性を減らす栄養素を含んでい
る。これらの成分にはセレン、魚油、β−カロチン及び
ビタミンEを含んでいる。
【0058】体液状態の維持及び他の重要な機能例えば
蛋白質合成の維持には適当量の電解質(ナトリウム、カ
リウム及び塩化物)が必要である。例えば、異化状態に
ある患者(catabolic patients)では窒素が筋肉からなく
なると尿中のカリウムがなくなるため、カリウムは特に
重要である。同様に同化状態にある患者(anabolic pati
ents) では、回復の間により大量の窒素が筋肉組織に取
り込まれるため、より大量のカリウムが保持される。本
発明の栄養製剤中のナトリウム及びカリウムはSPH、
クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び水酸化カリウ
ムから供給される。塩化物の要求の100%がSPHか
ら得られる。本発明の栄養製剤の窒素/カリウム比は約
3.5:1であり、これは、嘔吐や下痢のようなHIV
に関連した症状で失われるカリウムの一部を補うと考え
られる。栄養製剤の電解質含量はフレーバ間で異なる
が、一般に、ナトリウム約970−1050mg/l;
カリウム約2600−2830mg/l;塩化物約14
00−1550mg/lである。
蛋白質合成の維持には適当量の電解質(ナトリウム、カ
リウム及び塩化物)が必要である。例えば、異化状態に
ある患者(catabolic patients)では窒素が筋肉からなく
なると尿中のカリウムがなくなるため、カリウムは特に
重要である。同様に同化状態にある患者(anabolic pati
ents) では、回復の間により大量の窒素が筋肉組織に取
り込まれるため、より大量のカリウムが保持される。本
発明の栄養製剤中のナトリウム及びカリウムはSPH、
クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム及び水酸化カリウ
ムから供給される。塩化物の要求の100%がSPHか
ら得られる。本発明の栄養製剤の窒素/カリウム比は約
3.5:1であり、これは、嘔吐や下痢のようなHIV
に関連した症状で失われるカリウムの一部を補うと考え
られる。栄養製剤の電解質含量はフレーバ間で異なる
が、一般に、ナトリウム約970−1050mg/l;
カリウム約2600−2830mg/l;塩化物約14
00−1550mg/lである。
【0059】栄養製剤の浸透圧の主要な決定因子は単純
な炭水化物、電解質、及びアミノ酸または小さなペプチ
ドである。本発明の栄養製剤は高いペプチド含量を提供
し、HIV感染患者に代謝及び生理学的に有用な高いカ
リウム濃度を提供する特別の大豆蛋白質加水分解産物を
使用して処方されているため、浸透圧は等張より高い。
本発明の栄養製剤の浸透圧は約660mosm/水1k
gである。
な炭水化物、電解質、及びアミノ酸または小さなペプチ
ドである。本発明の栄養製剤は高いペプチド含量を提供
し、HIV感染患者に代謝及び生理学的に有用な高いカ
リウム濃度を提供する特別の大豆蛋白質加水分解産物を
使用して処方されているため、浸透圧は等張より高い。
本発明の栄養製剤の浸透圧は約660mosm/水1k
gである。
【0060】本発明の栄養製剤は粘度が約24−45c
psで、経口補助食として及び経口または経管のいずれ
かで投与する総合的経腸補給全体としての両方で使用で
きるように処方した。栄養製剤の密度は23℃で約1.
105g/mLであり、pHは約6.4−6.6であ
る。
psで、経口補助食として及び経口または経管のいずれ
かで投与する総合的経腸補給全体としての両方で使用で
きるように処方した。栄養製剤の密度は23℃で約1.
105g/mLであり、pHは約6.4−6.6であ
る。
【0061】新規の栄養製剤には2つのフレーバ系、す
なわちチョコレートとオレンジクリームが開発された。
チョコレート風味の製品では、ココアパウダーによるカ
フェイン量は237mL当り約8.38mg、1184
mLで41.9mgである。テオブロミン量は237m
L当り52.4mg、1184mL当り262mgであ
る。
なわちチョコレートとオレンジクリームが開発された。
チョコレート風味の製品では、ココアパウダーによるカ
フェイン量は237mL当り約8.38mg、1184
mLで41.9mgである。テオブロミン量は237m
L当り52.4mg、1184mL当り262mgであ
る。
【0062】本発明のHIV/エイズ患者用栄養補給用
処方の製法は、油、乳化剤、脂溶性ビタミンを含む油混
合物の製造から始める。その他に2つのスラリー(炭水
化物スラリー及び蛋白質/ミネラルスラリー)を製造
し、予め蛋白質の一部を加えた油混合物と混合する。得
られた混合物をホモジェナイズし、熱処理し、ビタミン
及びミネラルを基準に合わせ、フレーバを加え、最後に
滅菌する。表7及び表8は本発明のオレンジクリーム及
びチョコレート風味の製品1000kgのバッチを製造
するのに使用する材料の量を示している。
処方の製法は、油、乳化剤、脂溶性ビタミンを含む油混
合物の製造から始める。その他に2つのスラリー(炭水
化物スラリー及び蛋白質/ミネラルスラリー)を製造
し、予め蛋白質の一部を加えた油混合物と混合する。得
られた混合物をホモジェナイズし、熱処理し、ビタミン
及びミネラルを基準に合わせ、フレーバを加え、最後に
滅菌する。表7及び表8は本発明のオレンジクリーム及
びチョコレート風味の製品1000kgのバッチを製造
するのに使用する材料の量を示している。
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】油混合物は、必要量のカノーラ油とMCT
油をブレンドタンクに加え、この油を撹拌しながら約5
7−68℃まで加熱することにより製造する。必要量の
Panodan (登録商標)乳化剤(モノ及びジグリセリドの
ジアセチル酒石酸エステル)を加熱した油混合物に加え
る。脂溶性ビタミンのプレミックス及びβ−カロチンを
次に加え、適切に混合されるようによく混合する。
油をブレンドタンクに加え、この油を撹拌しながら約5
7−68℃まで加熱することにより製造する。必要量の
Panodan (登録商標)乳化剤(モノ及びジグリセリドの
ジアセチル酒石酸エステル)を加熱した油混合物に加え
る。脂溶性ビタミンのプレミックス及びβ−カロチンを
次に加え、適切に混合されるようによく混合する。
【0066】油中蛋白質のスラリーは、撹拌を続けなが
らカゼイン酸ナトリウムの半量を油混合物に加えること
により製造する。このスラリーは使用まで約40−46
℃に維持する。
らカゼイン酸ナトリウムの半量を油混合物に加えること
により製造する。このスラリーは使用まで約40−46
℃に維持する。
【0067】炭水化物スラリーは、好適なタンクに適当
な量の水を計り取り、この水を約68−74℃に加熱し
て製造する。撹拌しながら蔗糖及びコーンシロップを加
えて60重量%の溶液とする。
な量の水を計り取り、この水を約68−74℃に加熱し
て製造する。撹拌しながら蔗糖及びコーンシロップを加
えて60重量%の溶液とする。
【0068】ミネラル/蛋白質スラリーは、適当量の水
を計り取り、この水を約68−74℃に加熱して製造す
る。下記の成分を次の順で撹拌しながら水に溶解または
懸濁させる:クエン酸ナトリウム、二塩基性燐酸マグネ
シウム、燐酸三カルシウム、炭酸カルシウム、大豆蛋白
質加水分解産物。次に完全に溶解するまで混合すると、
27重量%のスラリーが得られる。次に、ミネラル/蛋
白質スラリーのpHを45%KOHで約5.7−6.0
に調整する。
を計り取り、この水を約68−74℃に加熱して製造す
る。下記の成分を次の順で撹拌しながら水に溶解または
懸濁させる:クエン酸ナトリウム、二塩基性燐酸マグネ
シウム、燐酸三カルシウム、炭酸カルシウム、大豆蛋白
質加水分解産物。次に完全に溶解するまで混合すると、
27重量%のスラリーが得られる。次に、ミネラル/蛋
白質スラリーのpHを45%KOHで約5.7−6.0
に調整する。
【0069】混合物は適当量の水を約57−68℃に加
熱し、残りのカゼイン酸ナトリウム、大豆多糖、イオタ
カラギーナン及びカッパカラギーナンを加えて製造す
る。チョコレート風味のバッチでは、必要量のココアパ
ウダーを加え、均一になるように十分混合する。混合用
の装置、例えば、米国特許第4,850,704号に記
載の二段階ブレンダーを使用してこの混合物を作ること
ができる。
熱し、残りのカゼイン酸ナトリウム、大豆多糖、イオタ
カラギーナン及びカッパカラギーナンを加えて製造す
る。チョコレート風味のバッチでは、必要量のココアパ
ウダーを加え、均一になるように十分混合する。混合用
の装置、例えば、米国特許第4,850,704号に記
載の二段階ブレンダーを使用してこの混合物を作ること
ができる。
【0070】炭水化物スラリー、ミネラル/蛋白質スラ
リー及び油中蛋白質スラリーを撹拌しながら合わせると
固体量34重量%の混合物が得られる。この混合物のp
Hは6.25−6.55である。pHの調整が必要なと
きには、1NのKOHまたは1Nのクエン酸を加える。
乳化する前に、魚油が混合物全体に均一に分散するよう
に一定の速度で混合物に魚油を計量しながら加える。
リー及び油中蛋白質スラリーを撹拌しながら合わせると
固体量34重量%の混合物が得られる。この混合物のp
Hは6.25−6.55である。pHの調整が必要なと
きには、1NのKOHまたは1Nのクエン酸を加える。
乳化する前に、魚油が混合物全体に均一に分散するよう
に一定の速度で混合物に魚油を計量しながら加える。
【0071】混合物を乳化し、超高温(148−151
℃)で処理し、二段階ホモジェナイザーを使用して27
3−287/35±7kg/cm2 でホモジェナイズす
る。処理した混合物を次に1−7℃に冷却する。
℃)で処理し、二段階ホモジェナイザーを使用して27
3−287/35±7kg/cm2 でホモジェナイズす
る。処理した混合物を次に1−7℃に冷却する。
【0072】固体を約9.0重量%含むビタミン、アミ
ノ酸及びミネラルの溶液は、適当量のフッ素除去水を約
43−54℃まで加熱して調製する。次に、撹拌しなが
ら次の順でミネラルを加える:硫酸第一鉄、硫酸マンガ
ン、硫酸銅、セレン酸ナトリウム及び硫酸亜鉛及びヨウ
化カリウム。ビタミン及びアミノ酸を撹拌しながら次の
順に加える:水溶性ビタミンプレミックス、タウリン、
L−カルニチン、塩化コリン及びシアノコバラミン。次
に、撹拌しながら混合物にビタミンとミネラルの溶液を
加える。
ノ酸及びミネラルの溶液は、適当量のフッ素除去水を約
43−54℃まで加熱して調製する。次に、撹拌しなが
ら次の順でミネラルを加える:硫酸第一鉄、硫酸マンガ
ン、硫酸銅、セレン酸ナトリウム及び硫酸亜鉛及びヨウ
化カリウム。ビタミン及びアミノ酸を撹拌しながら次の
順に加える:水溶性ビタミンプレミックス、タウリン、
L−カルニチン、塩化コリン及びシアノコバラミン。次
に、撹拌しながら混合物にビタミンとミネラルの溶液を
加える。
【0073】固体分12%のアスコルビン酸溶液は、必
要量の45%KOHを冷却した成分水と合わせ、必要量
のアスコルビン酸を加えて作成する。pHが6−10で
あることを測定してから、混合物にアスコルビン酸溶液
を撹拌しながら加える。
要量の45%KOHを冷却した成分水と合わせ、必要量
のアスコルビン酸を加えて作成する。pHが6−10で
あることを測定してから、混合物にアスコルビン酸溶液
を撹拌しながら加える。
【0074】オレンジクリーム風味用には、フレーバ溶
液は約38−49℃の必要量の水をオレンジクリームフ
レーバと合わせて作成する。次に、人工の生リームを加
える。チョコレート風味の製品用には、フレーバ溶液は
約38−49℃の必要量の水、人工のチョコレートフレ
ーバを混合して作成する。この場合、フレーバ溶液は約
20%の固形分を含んでいる。混合物にこのフレーバ溶
液を撹拌しながら加える。
液は約38−49℃の必要量の水をオレンジクリームフ
レーバと合わせて作成する。次に、人工の生リームを加
える。チョコレート風味の製品用には、フレーバ溶液は
約38−49℃の必要量の水、人工のチョコレートフレ
ーバを混合して作成する。この場合、フレーバ溶液は約
20%の固形分を含んでいる。混合物にこのフレーバ溶
液を撹拌しながら加える。
【0075】完全な混合物のpHは、1NのKOHまた
は1Nのクエン酸で6.6−6.8に調整し、好適な容
器例えば237mLの金属の缶に入れ、最後に滅菌す
る。もちろん、所望に応じて、栄養製剤は無菌的方法を
使用して製造し、好適な容器に包装してもよい。
は1Nのクエン酸で6.6−6.8に調整し、好適な容
器例えば237mLの金属の缶に入れ、最後に滅菌す
る。もちろん、所望に応じて、栄養製剤は無菌的方法を
使用して製造し、好適な容器に包装してもよい。
【0076】本明細書に記載の方法で製造した栄養製剤
は経口または経管的に投与できるすぐに使用できる形の
液体である。本発明の栄養製剤はそのままで使用できる
液体の形態でのみ製造したが、本発明の範囲から逸脱す
ることなく、後から希釈するための濃縮した液体の形態
または好適な液体で後から再構成するための粉末の形態
でも製造できると理解されよう。
は経口または経管的に投与できるすぐに使用できる形の
液体である。本発明の栄養製剤はそのままで使用できる
液体の形態でのみ製造したが、本発明の範囲から逸脱す
ることなく、後から希釈するための濃縮した液体の形態
または好適な液体で後から再構成するための粉末の形態
でも製造できると理解されよう。
【0077】本発明の経腸栄養製剤を使用して研究を行
なった。この研究は、HIV感染者及びエイズ患者の多
数の栄養、免疫、及び胃腸管の状態及び機能の予後マー
カーに対する本発明の栄養製剤の作用を標準的な経腸用
の全蛋白質をベースとする処方であるEnsure(登録商
標)と比較評価するように設計した。EnsureはAbbott L
aboratories の一部門であるRoss Laboratories (米
国、OH、コロンブス)から市販されている。これらの2
つの製品の比較を表9に示す。
なった。この研究は、HIV感染者及びエイズ患者の多
数の栄養、免疫、及び胃腸管の状態及び機能の予後マー
カーに対する本発明の栄養製剤の作用を標準的な経腸用
の全蛋白質をベースとする処方であるEnsure(登録商
標)と比較評価するように設計した。EnsureはAbbott L
aboratories の一部門であるRoss Laboratories (米
国、OH、コロンブス)から市販されている。これらの2
つの製品の比較を表9に示す。
【0078】研究の開始の際、患者を無作為に本発明製
剤投与群(n=17)と対照(Ensure(登録商標)群
(n=22)に割り付け、最初の連続6週間、通常の毎
日摂取しているものに加えて補助的に1日当り各経腸栄
養製剤を少なくとも474mL取るように指示した。食
事摂取の残量(補助用食物と摂取した他の食物の和)を
7日間連続食物摂取記録を使用して研究の期間を通して
追跡すると、2群間で蛋白質、脂肪または炭水化物の全
体摂取量に有意差がないことが判った。年齢、身長、体
重及び体重減少を開始前に評価すると、2群間に有意差
がないことが明らかであった。開始前と(6週間の)追
跡時の血液試料を絶食状態で得、栄養及び免疫状態の生
化学的指標の測定に使用した。さらに、身体構成の変化
(アントロポメトリックス及び生体電気インピーダン
ス)及び腸体質、カルノフスキー活動能力スコア、入
院、医薬品の使用、及び心臓機能を含むがそれに限定さ
れるものではない臨床結果を表わす変数の詳細な評価を
開始前及び6週間の追跡時に得た。胃腸の完全性と機能
及び各経腸的補助のこれらのパラメータに対する相対的
な腸向性作用を評価するために、十二指腸生検を開始前
及び追跡時にこの研究の一部の例(新製剤群、n=6;
Ensure群、n=5)で得て、生検試料を透過型電子顕微
鏡で組織学的及び形態学的パラメータについて評価し
た。
剤投与群(n=17)と対照(Ensure(登録商標)群
(n=22)に割り付け、最初の連続6週間、通常の毎
日摂取しているものに加えて補助的に1日当り各経腸栄
養製剤を少なくとも474mL取るように指示した。食
事摂取の残量(補助用食物と摂取した他の食物の和)を
7日間連続食物摂取記録を使用して研究の期間を通して
追跡すると、2群間で蛋白質、脂肪または炭水化物の全
体摂取量に有意差がないことが判った。年齢、身長、体
重及び体重減少を開始前に評価すると、2群間に有意差
がないことが明らかであった。開始前と(6週間の)追
跡時の血液試料を絶食状態で得、栄養及び免疫状態の生
化学的指標の測定に使用した。さらに、身体構成の変化
(アントロポメトリックス及び生体電気インピーダン
ス)及び腸体質、カルノフスキー活動能力スコア、入
院、医薬品の使用、及び心臓機能を含むがそれに限定さ
れるものではない臨床結果を表わす変数の詳細な評価を
開始前及び6週間の追跡時に得た。胃腸の完全性と機能
及び各経腸的補助のこれらのパラメータに対する相対的
な腸向性作用を評価するために、十二指腸生検を開始前
及び追跡時にこの研究の一部の例(新製剤群、n=6;
Ensure群、n=5)で得て、生検試料を透過型電子顕微
鏡で組織学的及び形態学的パラメータについて評価し
た。
【0079】大きな医療センターで追跡したHIV感染
者及びエイズ患者の内、ARCまたはエイズと診断され
た患者を含むHIV感染患者39例を6週間にわたって
研究した。対象の年齢は13才から60才であった。性
別及び人種に関係なく研究の対象とした。選択する範疇
の患者はHIV感染が確認されており、好ましいカルノ
フスキー活動能力状態(65−100)、適当な血液
(WBC200/mm2より大きい、血小板100,0
00より大きい)、腎(血清クレアチニン2mg/dl
未満)及び肝(ビリルビン2mg/dl未満)機能を持
つものである。さらに、理想体重の30%を超える体重
の減少があった患者は研究対象から除外した。この研究
に参加した各人から得たデータや試料はすべて栄養学的
データ収集訪問と合わせて個々に集めた。これは二重盲
検予想試験であった。
者及びエイズ患者の内、ARCまたはエイズと診断され
た患者を含むHIV感染患者39例を6週間にわたって
研究した。対象の年齢は13才から60才であった。性
別及び人種に関係なく研究の対象とした。選択する範疇
の患者はHIV感染が確認されており、好ましいカルノ
フスキー活動能力状態(65−100)、適当な血液
(WBC200/mm2より大きい、血小板100,0
00より大きい)、腎(血清クレアチニン2mg/dl
未満)及び肝(ビリルビン2mg/dl未満)機能を持
つものである。さらに、理想体重の30%を超える体重
の減少があった患者は研究対象から除外した。この研究
に参加した各人から得たデータや試料はすべて栄養学的
データ収集訪問と合わせて個々に集めた。これは二重盲
検予想試験であった。
【0080】この結果は、治療期間中、本明細書に開示
の経腸栄養製剤は標準の経腸管投与(Ensure(登録商
標))と比べ、免疫機能、GI症候学、身体的性能及び
身体構成の正の動向を顕著に支持していることを示し
た。これらの結果はHIV/エイズ患者で本明細書に開
示の製剤の効果を支持する重要なデータを提供する。
の経腸栄養製剤は標準の経腸管投与(Ensure(登録商
標))と比べ、免疫機能、GI症候学、身体的性能及び
身体構成の正の動向を顕著に支持していることを示し
た。これらの結果はHIV/エイズ患者で本明細書に開
示の製剤の効果を支持する重要なデータを提供する。
【0081】
【表9】
【0082】表10はこの6週間の補助療法プロトコー
ルで認められたより顕著な変化をまとめたものである。
矢印及びその個々の統計的有意差は対照群及び新製剤群
の両者について追跡期と開始前との比較(開始前からの
変化)のために示した。表10に示した変数をすべて全
体的にみると、対照群ではほとんどでないにせよ多くの
パラメータが有意に異なるまたは統計的有意差に近づい
たが、新製剤群では大部分のパラメータが維持されるま
たは変化しないことが明らかとなった。
ルで認められたより顕著な変化をまとめたものである。
矢印及びその個々の統計的有意差は対照群及び新製剤群
の両者について追跡期と開始前との比較(開始前からの
変化)のために示した。表10に示した変数をすべて全
体的にみると、対照群ではほとんどでないにせよ多くの
パラメータが有意に異なるまたは統計的有意差に近づい
たが、新製剤群では大部分のパラメータが維持されるま
たは変化しないことが明らかとなった。
【0083】
【表10】
【0084】全リンパ球は本発明の栄養製剤を与えた群
では増加したが、対照群では低下した。CDBリンパ球
は本発明栄養製剤投与群では増加し(NS)、対照群で
は低下した。反対に、CD4細胞数は対照群で大きく変
動し、新製剤群では変化しなかった。反対に、エイズの
進行に伴い低下するCD4:CD8比は新製剤群に比べ
対照群で非常に低下した。新製剤群では機能の促進また
は維持の他に、GI徴候の減少、身体構成維持の顕著な
変化、身体機能の維持、呼吸器洞性不整脈振幅及び顕著
なGI耐容性が認められたが、本発明の栄養製剤の特別
な効果はこの効果が免疫細胞の死(アポプトーシス)の
減少と関連しているように思われる。
では増加したが、対照群では低下した。CDBリンパ球
は本発明栄養製剤投与群では増加し(NS)、対照群で
は低下した。反対に、CD4細胞数は対照群で大きく変
動し、新製剤群では変化しなかった。反対に、エイズの
進行に伴い低下するCD4:CD8比は新製剤群に比べ
対照群で非常に低下した。新製剤群では機能の促進また
は維持の他に、GI徴候の減少、身体構成維持の顕著な
変化、身体機能の維持、呼吸器洞性不整脈振幅及び顕著
なGI耐容性が認められたが、本発明の栄養製剤の特別
な効果はこの効果が免疫細胞の死(アポプトーシス)の
減少と関連しているように思われる。
【0085】白血球数(WBC)は対照群で上昇した
が、新製剤群では変化しなかった。統計的な差ではない
が、対照群でWBCは3.2±0.3×103 細胞/m
m3 から4.4±0.7×103 細胞/mm3 へと上昇
した。対照群でのWBCのこの上昇は、6週間の補助療
法使用後に対照群で好中球数が顕著に上昇したことによ
るのは明らかである。好中球数の上昇の他に、対照群で
は6週間の補助療法の使用後にリンパ球により%白血球
数が低下した。新製剤群では、開始前と追跡時に%リン
パ球は変化しなかった。WBCや白血球の個々の成分の
これらの変化は間接的に、追跡時(補助療法6週間使用
時)に対照群では新製剤群に比べて免疫能が低下してい
ることを示している。
が、新製剤群では変化しなかった。統計的な差ではない
が、対照群でWBCは3.2±0.3×103 細胞/m
m3 から4.4±0.7×103 細胞/mm3 へと上昇
した。対照群でのWBCのこの上昇は、6週間の補助療
法使用後に対照群で好中球数が顕著に上昇したことによ
るのは明らかである。好中球数の上昇の他に、対照群で
は6週間の補助療法の使用後にリンパ球により%白血球
数が低下した。新製剤群では、開始前と追跡時に%リン
パ球は変化しなかった。WBCや白血球の個々の成分の
これらの変化は間接的に、追跡時(補助療法6週間使用
時)に対照群では新製剤群に比べて免疫能が低下してい
ることを示している。
【0086】示したパラメータのいずれも開始前には2
群間で有意差を全く示さなかったため、研究開始前には
全ての患者の免疫状態が同様であったことを示してい
る。しかし、白血球数やその各成分の評価について上記
したように、全リンパ球数は6週間の補助療法使用後に
対照群で減少した。統計的に有意ではないが、全リンパ
球の平均絶対数は6週間の補助療法の使用後に対照群で
低下し、新製剤群で上昇した。さらに、エイズの進展を
示す優れた予後マーカーであるCD4及びCD8レベル
は6週間の補助療法後に対照群で低下した。反対に、新
製剤群では、6週間の補助療法後、CD4レベルは開始
前のままであり、CD8レベルは実際に上昇した。エイ
ズの進展を示すこれらのマーカーに決定的な傾向がある
ようであり、このことは新製剤を与えられた患者は対照
群と比較して研究期間中免疫反応性を良好に維持できた
ことを示唆する。この免疫状態の維持についての別の証
拠を表10に示す。CD4/CD8比及びCD4/アル
ブミン比は新製剤群(各々23%及び15%)に比べて
対照群(各々4%及び6%)で非常に大きく低下した。
さらに、全ての例で統計的に有意ではないが、これらの
結果は明らかに1つの傾向を示し、さらに、新製剤を与
えられた患者のほうが対照群と比べて免疫状態をよく維
持できたという観察を確認している。この論点をさらに
支持するものを表11に示す。この表は、6週間の補助
療法後にCD4レベルが150以下まで進んだ患者の数
を両方の群について示している。この結果は明らかに、
新製剤を使用した補助療法は対照群に比べてより多数の
患者でCD4レベルが150以下へ低下することを予防
できることをはっきり示している。
群間で有意差を全く示さなかったため、研究開始前には
全ての患者の免疫状態が同様であったことを示してい
る。しかし、白血球数やその各成分の評価について上記
したように、全リンパ球数は6週間の補助療法使用後に
対照群で減少した。統計的に有意ではないが、全リンパ
球の平均絶対数は6週間の補助療法の使用後に対照群で
低下し、新製剤群で上昇した。さらに、エイズの進展を
示す優れた予後マーカーであるCD4及びCD8レベル
は6週間の補助療法後に対照群で低下した。反対に、新
製剤群では、6週間の補助療法後、CD4レベルは開始
前のままであり、CD8レベルは実際に上昇した。エイ
ズの進展を示すこれらのマーカーに決定的な傾向がある
ようであり、このことは新製剤を与えられた患者は対照
群と比較して研究期間中免疫反応性を良好に維持できた
ことを示唆する。この免疫状態の維持についての別の証
拠を表10に示す。CD4/CD8比及びCD4/アル
ブミン比は新製剤群(各々23%及び15%)に比べて
対照群(各々4%及び6%)で非常に大きく低下した。
さらに、全ての例で統計的に有意ではないが、これらの
結果は明らかに1つの傾向を示し、さらに、新製剤を与
えられた患者のほうが対照群と比べて免疫状態をよく維
持できたという観察を確認している。この論点をさらに
支持するものを表11に示す。この表は、6週間の補助
療法後にCD4レベルが150以下まで進んだ患者の数
を両方の群について示している。この結果は明らかに、
新製剤を使用した補助療法は対照群に比べてより多数の
患者でCD4レベルが150以下へ低下することを予防
できることをはっきり示している。
【0087】
【表11】
【0088】プログラムされた細胞死とも呼ばれるアポ
プトシスは環境、特に細胞が受け取る活性化信号の性質
や強度による活性細胞の自殺過程である。アポプトシス
には染色体の濃縮、膜の泡化(blebbing)、DNAの断片
化を含み、これらはすべて顕微鏡検査ではっきりと可視
的に認められる。他方、例えば外傷や疾患により引き起
こされる壊死による細胞死は顕微鏡検査でアポプトシス
細胞とはっきり区別できる。HIV陽性患者及びエイズ
患者の両者でのCD4細胞のアポプトシスは評価の高い
科学文献、例えば、GougeOn, Apoptosis as a Mechanis
m of Cell Death in Peripheral Lymphocytes from HIV
-1-Infected Individuals (HIV−1感染患者由来の
末梢リンパ球での細胞死機構としてのアポプトシス),
IMMUNODEFICIENCY IN HIV INFECTION AND AIDS, pp.115
-126 (1992) 及びAmeisen, THE PROGRAMMED CELL DEATH
THEORY OF AIDS PATHOGENESIS: IMPLICATIONS, TESTAB
LEPREDICTIONS, AND CONFRONTATION WITH EXPERIMENTAL
FINDINGS(エイズ病変のプログラムされた細胞死理
論:意味、試験可能な予想、及び実験的知見との相違
点), IMMUNODEFICIENCY REVIEWS, Vol.3, pp.237-246
(1992)に報告されている。アポプトシスの開始が疾患の
初期に起こると報告されているので、最も効果的にする
ためには任意可能な介入を早期に開始すべきである。現
在の時点では、HIV陽性及びエイズ患者でのCD4細
胞のアポプトシスの介入はこの疾患のさらに別な所にも
影響を与える可能性があるが、CD4細胞が枯渇すると
免疫機能が失われ、その結果患者が日和見感染にかかる
ことが知られている。表10及び表11に示すデータ及
びそれに対する備考は、本明細書に開示の栄養製剤を使
用してHIV感染者の経腸的な栄養補給を行なうことに
よりCD4細胞のアポプトシスを阻止することをはっき
り示している。すなわち、この栄養補助はCD4細胞の
アポプトシスを完全になくすのではないが、栄養製剤の
なんらかの成分がアポプトシスを開始させるCD4細胞
への信号の伝達を妨害するように思われる。栄養製剤に
使用する大豆蛋白質加水分解産物は何らかの物質、おそ
らくペプチドを提供し、それがこの有用な生物学的作用
を与えると考えられる。この大豆蛋白質加水分解産物を
治療上有効量経腸的に与えるとHIV感染者のCD4細
胞アポプトシスを妨害すると考えられる。
プトシスは環境、特に細胞が受け取る活性化信号の性質
や強度による活性細胞の自殺過程である。アポプトシス
には染色体の濃縮、膜の泡化(blebbing)、DNAの断片
化を含み、これらはすべて顕微鏡検査ではっきりと可視
的に認められる。他方、例えば外傷や疾患により引き起
こされる壊死による細胞死は顕微鏡検査でアポプトシス
細胞とはっきり区別できる。HIV陽性患者及びエイズ
患者の両者でのCD4細胞のアポプトシスは評価の高い
科学文献、例えば、GougeOn, Apoptosis as a Mechanis
m of Cell Death in Peripheral Lymphocytes from HIV
-1-Infected Individuals (HIV−1感染患者由来の
末梢リンパ球での細胞死機構としてのアポプトシス),
IMMUNODEFICIENCY IN HIV INFECTION AND AIDS, pp.115
-126 (1992) 及びAmeisen, THE PROGRAMMED CELL DEATH
THEORY OF AIDS PATHOGENESIS: IMPLICATIONS, TESTAB
LEPREDICTIONS, AND CONFRONTATION WITH EXPERIMENTAL
FINDINGS(エイズ病変のプログラムされた細胞死理
論:意味、試験可能な予想、及び実験的知見との相違
点), IMMUNODEFICIENCY REVIEWS, Vol.3, pp.237-246
(1992)に報告されている。アポプトシスの開始が疾患の
初期に起こると報告されているので、最も効果的にする
ためには任意可能な介入を早期に開始すべきである。現
在の時点では、HIV陽性及びエイズ患者でのCD4細
胞のアポプトシスの介入はこの疾患のさらに別な所にも
影響を与える可能性があるが、CD4細胞が枯渇すると
免疫機能が失われ、その結果患者が日和見感染にかかる
ことが知られている。表10及び表11に示すデータ及
びそれに対する備考は、本明細書に開示の栄養製剤を使
用してHIV感染者の経腸的な栄養補給を行なうことに
よりCD4細胞のアポプトシスを阻止することをはっき
り示している。すなわち、この栄養補助はCD4細胞の
アポプトシスを完全になくすのではないが、栄養製剤の
なんらかの成分がアポプトシスを開始させるCD4細胞
への信号の伝達を妨害するように思われる。栄養製剤に
使用する大豆蛋白質加水分解産物は何らかの物質、おそ
らくペプチドを提供し、それがこの有用な生物学的作用
を与えると考えられる。この大豆蛋白質加水分解産物を
治療上有効量経腸的に与えるとHIV感染者のCD4細
胞アポプトシスを妨害すると考えられる。
【0089】免疫状態の上記の評価の他に、IgG、I
gM及びIgAについての免疫グロブリンレベルも開始
前と6週間の補助療法後の追跡時に評価した。開始前に
対照群と新製剤で補助療法を行なう患者との間ではこれ
らのパラメータの各々について統計的差異は認められな
かった。しかし、6週間の補助療法後には、各免疫グロ
ブリンレベルが上昇した。IgGは両群で上昇したもの
の、どちらの群でも統計的に有意ではなかった。しか
し、対照群ではIgGは上昇しても平均値は臨床的正常
域に入いらないが、新製剤投与群では平均値は上昇して
臨床的な正常域にあった。IgGの場合と同様に、Ig
Mの平均レベルも両群で上昇した(新製剤群では統計的
に有意な上昇)。しかし、両群の平均IgMレベルとも
正常の臨床域にあった。6週間後、対照群及び新製剤投
与群の両者でIgAは統計的に有意に上昇した。
gM及びIgAについての免疫グロブリンレベルも開始
前と6週間の補助療法後の追跡時に評価した。開始前に
対照群と新製剤で補助療法を行なう患者との間ではこれ
らのパラメータの各々について統計的差異は認められな
かった。しかし、6週間の補助療法後には、各免疫グロ
ブリンレベルが上昇した。IgGは両群で上昇したもの
の、どちらの群でも統計的に有意ではなかった。しか
し、対照群ではIgGは上昇しても平均値は臨床的正常
域に入いらないが、新製剤投与群では平均値は上昇して
臨床的な正常域にあった。IgGの場合と同様に、Ig
Mの平均レベルも両群で上昇した(新製剤群では統計的
に有意な上昇)。しかし、両群の平均IgMレベルとも
正常の臨床域にあった。6週間後、対照群及び新製剤投
与群の両者でIgAは統計的に有意に上昇した。
【0090】表10は対照群と新製剤群についての1日
当りの腸運動の平均回数の推移を示している。興味深い
ことに、経腸的に補助療法を行なうと、両方の補助療法
群で1日当りの腸運動の平均回数が減少するように思わ
れた。統計的に有意ではないが、1日当りの腸運動の平
均回数は6週間の補助療法後に両群で1日当りほぼ1回
減少した。両群からのデータを集めると、1日当りの腸
運動の平均回数は追跡時には開始前と比べ顕著に減少し
た。経腸補助療法が1日当りの腸運動の平均回数を減少
させることはこれまで示されておらず、むしろこのパラ
メータを上昇させる報告がなされていたため、これは興
味深い発見である。1日当りの腸運動の平均回数の客観
的な記録の他に、便の固さについての詳細な情報も得
た。開始前または6週間の補助療法後のいずれでも、便
の固さについては2つの群で有意差はなかった。さら
に、各栄養補給物質は開始前からの便の固さの変化に対
して影響は与えないようであった。
当りの腸運動の平均回数の推移を示している。興味深い
ことに、経腸的に補助療法を行なうと、両方の補助療法
群で1日当りの腸運動の平均回数が減少するように思わ
れた。統計的に有意ではないが、1日当りの腸運動の平
均回数は6週間の補助療法後に両群で1日当りほぼ1回
減少した。両群からのデータを集めると、1日当りの腸
運動の平均回数は追跡時には開始前と比べ顕著に減少し
た。経腸補助療法が1日当りの腸運動の平均回数を減少
させることはこれまで示されておらず、むしろこのパラ
メータを上昇させる報告がなされていたため、これは興
味深い発見である。1日当りの腸運動の平均回数の客観
的な記録の他に、便の固さについての詳細な情報も得
た。開始前または6週間の補助療法後のいずれでも、便
の固さについては2つの群で有意差はなかった。さら
に、各栄養補給物質は開始前からの便の固さの変化に対
して影響は与えないようであった。
【0091】この研究で測定してもう1つの重要な臨床
上の変動はカルノフスキースコア(Karnofsky score) で
ある。カルノフスキースコアは主治医が患者の生命の質
について行なう客観的な判断である。表10は対照群と
新製剤で補助療法を行なった群についてのカルノフスキ
ースコアの変化を示している。開始前、両群とも機能状
態はほぼ等しかった(対照群対新製剤群で76対8
0)。しかし、統計的有意差ではないが、6週間の研究
の間、対照群の平均カルノフスキースコアの低下(21
%)は新製剤群(9%)に比べて大きかった。
上の変動はカルノフスキースコア(Karnofsky score) で
ある。カルノフスキースコアは主治医が患者の生命の質
について行なう客観的な判断である。表10は対照群と
新製剤で補助療法を行なった群についてのカルノフスキ
ースコアの変化を示している。開始前、両群とも機能状
態はほぼ等しかった(対照群対新製剤群で76対8
0)。しかし、統計的有意差ではないが、6週間の研究
の間、対照群の平均カルノフスキースコアの低下(21
%)は新製剤群(9%)に比べて大きかった。
【0092】臨床的に有意な変化を示した生化学指標は
クレアチニンと血中尿素窒素(BUN)のみであった。
血清クレアチニンは、統計的に有意ではないが、6週間
の補助療法後に、新製剤群で1.0±0.1mg/dL
から1.1±0.1mg/dLへと上昇したが、対照群
では変化は認められなかった。反対に、BUNは対照群
及び新製剤群の両方で14mg/dLから15mg/d
Lへと有意に上昇した。BUNのこの上昇は対照群で有
意であった。これらの所見はともに、対照の補助療法を
投与された患者では新製剤群と比べて蛋白質の分解の程
度が大きく、(6週間の補助療法後にクレアチニン量が
上昇することから間接的に示されるように)研究期間中
に新製剤群では対照群に比べて筋肉量を良好に増加させ
ることを示している。
クレアチニンと血中尿素窒素(BUN)のみであった。
血清クレアチニンは、統計的に有意ではないが、6週間
の補助療法後に、新製剤群で1.0±0.1mg/dL
から1.1±0.1mg/dLへと上昇したが、対照群
では変化は認められなかった。反対に、BUNは対照群
及び新製剤群の両方で14mg/dLから15mg/d
Lへと有意に上昇した。BUNのこの上昇は対照群で有
意であった。これらの所見はともに、対照の補助療法を
投与された患者では新製剤群と比べて蛋白質の分解の程
度が大きく、(6週間の補助療法後にクレアチニン量が
上昇することから間接的に示されるように)研究期間中
に新製剤群では対照群に比べて筋肉量を良好に増加させ
ることを示している。
【0093】新製剤、及びその構成成分である大豆蛋白
質加水分解産物(SPH)、魚油及び可溶性繊維系の腸
向性作用(enterotrophic effects) を評価するために、
この研究に参加した患者の一部で最終的な十二指腸生検
を得た。対照群6例、新製剤群7例の患者から開始寺及
び6週間の追跡寺に直接内視鏡により生検を得た。生検
試料はグルタアルデヒドで固定し、電子顕微鏡分析用に
処理した。開始前及び追跡時での群間及び各補助療法群
につての開始前からの変化のいずれでも、微細絨毛の高
さ、直径及び表面積に関して有意差は認められなかっ
た。
質加水分解産物(SPH)、魚油及び可溶性繊維系の腸
向性作用(enterotrophic effects) を評価するために、
この研究に参加した患者の一部で最終的な十二指腸生検
を得た。対照群6例、新製剤群7例の患者から開始寺及
び6週間の追跡寺に直接内視鏡により生検を得た。生検
試料はグルタアルデヒドで固定し、電子顕微鏡分析用に
処理した。開始前及び追跡時での群間及び各補助療法群
につての開始前からの変化のいずれでも、微細絨毛の高
さ、直径及び表面積に関して有意差は認められなかっ
た。
【0094】標準身体測定変数及び個々に計算した身体
構成パラメータを記録した。データは両群についてこれ
らのパラメータのいずれの間にも有意な差や変化は示し
ていない。しかし、有意な改善は認められなかったが、
両方の補助療法は身体測定変数及び脂肪量、無脂肪量、
体脂肪率を含む身体構成が維持できたことは特記すべき
である。この研究に参加した患者は研究開始時に顕著な
(通常から10%の)体重の減少を報告していたことか
らすると、これのみから、経腸補助療法がエイズの進行
に伴う進行性の体重の減少を低下または予防できる明白
な証拠が得られた。
構成パラメータを記録した。データは両群についてこれ
らのパラメータのいずれの間にも有意な差や変化は示し
ていない。しかし、有意な改善は認められなかったが、
両方の補助療法は身体測定変数及び脂肪量、無脂肪量、
体脂肪率を含む身体構成が維持できたことは特記すべき
である。この研究に参加した患者は研究開始時に顕著な
(通常から10%の)体重の減少を報告していたことか
らすると、これのみから、経腸補助療法がエイズの進行
に伴う進行性の体重の減少を低下または予防できる明白
な証拠が得られた。
【0095】HIV感染及び/またはエイズにとっても
う1つの非常に重要で費用の掛かる必然的なことは何度
も入院しなければならないことである。22例の対照群
患者のうち5例(23%)はこの6週間の研究の間に少
なくともさらに1回入院する必要があったが、新製剤で
補助療法を行なった患者では追加の入院を必要とするも
のはいなかった(p<0.05)。エイズに関連する合
併症の治療のための費用は莫大である。従って、この知
見はさらに研究する根拠となろう。
う1つの非常に重要で費用の掛かる必然的なことは何度
も入院しなければならないことである。22例の対照群
患者のうち5例(23%)はこの6週間の研究の間に少
なくともさらに1回入院する必要があったが、新製剤で
補助療法を行なった患者では追加の入院を必要とするも
のはいなかった(p<0.05)。エイズに関連する合
併症の治療のための費用は莫大である。従って、この知
見はさらに研究する根拠となろう。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/305 A61K 31/715 38/17 ACJ A61K 37/16 ACJ 37/18 ADD (72)発明者 アーネスト・ウイリアム・リチヤーズ アメリカ合衆国、オハイオ・43229、コラ ンバス、ハンナウエイ・レーン・2406 (72)発明者 テレンス・ブルース・メイザー アメリカ合衆国、オハイオ・43068、レイ ノルズバーグ、ラウンドレイ・ロード・ノ ース・6897 (72)発明者 ボニー・チヤンドラー・アブルゼス アメリカ合衆国、オハイオ・43017、ダブ リン、キーテイング・ドライブ・5673 (72)発明者 グレゴリー・アラン・スノウドン アメリカ合衆国、オハイオ・43147、ピツ カーリントン、ホウイートフイールド・ド ライブ・3492 (72)発明者 マイケル・アレン・チヤンドラー アメリカ合衆国、オハイオ・43230、ガハ ンナ、ハーベスト・ウツド・レーン・5359 (56)参考文献 特開 平5−163160(JP,A)
Claims (8)
- 【請求項1】(a)サイズ排除クロマトグラフィーで測
定して粒子の30−60%の分子量が1500−500
0ダルトンである分子量分布を有する大豆蛋白質加水分
解産物からなる第一の蛋白質源; (b)栄養製剤中の大豆蛋白質加水分解産物と無傷(非
分解)の蛋白質が安定に乳化するのに十分な量のその無
傷の蛋白質源からなる第二の蛋白質源;及び (c)n−6脂肪酸の総和対n−3脂肪酸の総和の重量
比が約1.3:1から2.5:1であることを特徴とす
る脂肪源からなるヒト免疫不全ウィルス感染者のための
経腸栄養補給用の栄養製剤。 - 【請求項2】 脂肪源が魚油からなる、請求項1に記載
のヒト免疫不全ウィルス感染者のための経腸栄養補給用
の栄養製剤。 - 【請求項3】 さらに食物繊維源を含む、請求項1に記
載のヒト免疫不全ウィルス感染者のための経腸栄養補給
用の栄養製剤。 - 【請求項4】 食物繊維源が大豆多糖からなる、請求項
3に記載のヒト免疫不全ウィルス感染者のための経腸栄
養補給用の栄養製剤。 - 【請求項5】 大豆蛋白質加水分解産物の加水分解度が
約14−17であり、大豆蛋白質加水分解産物のアミノ
酸組成中の遊離アミノ酸が1%未満である、請求項1に
記載のヒト免疫不全ウィルス感染者のための経腸栄養補
給用の栄養製剤。 - 【請求項6】 無傷の蛋白質をカゼイン酸ナトリウム、
エンドウ豆蛋白質分離物及び乳漿蛋白質分離物からなる
群から選択する、請求項1に記載のヒト免疫不全ウィル
ス感染者のための経腸栄養補給用の栄養製剤。 - 【請求項7】 無傷の蛋白質がカゼイン酸ナトリウムか
らなる、請求項1から6のいずれか一項に記載のヒト免
疫不全ウィルス感染者のための経腸栄養補給用の栄養製
剤。 - 【請求項8】 脂肪源が魚油、カノーラ油又は中鎖トリ
グリセリドからなる、請求項1から6のいずれか一項に
記載のヒト免疫不全ウィルス感染者のための経腸栄養補
給用の栄養製剤。
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