JPH0892940A

JPH0892940A - 金属入防砂シ−ト

Info

Publication number: JPH0892940A
Application number: JP22749894A
Authority: JP
Inventors: Susumu Kato; 進加藤; Mitsunori Mimura; 三徳三村; Tadahiro Yomo; 忠博四方
Original assignee: Maeda Kosen Co Ltd
Current assignee: Maeda Kosen Co Ltd
Priority date: 1994-09-22
Filing date: 1994-09-22
Publication date: 1996-04-09

Abstract

(57)【要約】【目的】容易に縫製加工が可能であり、かつ、所定の
重量を現地にて付与することにより、施工中、潮流、波
に流されたり、風に吹き飛ばされたりせず、速やかかつ
確実に目的の場所に沈設でき、簡便で、長時間所定位置
での防砂効果を維持することができる防砂シ−トを提供
する。【構成】所定間隔の袋状筒部を備え、かつ、透水性を
有する織物または編物において、前記袋状筒部に比重
５．０以上の金属体を収納したことを特徴とする防砂シ
−トを提供するものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、防波堤などの施工の際
の海面埋め立てに使用される防砂シ−トに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、防波堤施工の際の海面埋め立て作
業において、せっかく搬入した土砂などが、波や潮流に
よって流出してしまうのを防止することを目的として、
海底に防砂シ−トを沈める際に、波や潮流によりシ−ト
が海中で煽られたり横に流されたりし易いうえ、水の浮
力が働くため、思いどうりの所定の位置に敷設すること
が難しい。

【０００３】また、海面埋め立ては、一般に広範に及ぶ
ため、持ち運び可能なように、一定の大きさに切断され
た複数枚の防砂シ−トを用いるので、沈設と同時にダイ
バ−が潜り、これらのシ−トをロ−プなどで接続する作
業を行わなければならなかった。しかし、透明度の低
い水中においては、シ−トやロ−プが見えにくく作業が
困難なため、敷設に長時間を要すという欠点があった。

【０００４】さらに、シ−トを所定位置に敷設できたと
しても、波や潮流の影響によりシ−トが捲れ上がると、
そのつど修正補修しなければならないという欠点もあ
る。

【０００５】これらを解決するために、弊社より平成６
年８月２６日に出願された特許があり、これは、比重
５．０以上の金属製のワイヤが織り込みあるいは編み込
まれた透水性を有する防砂シ−トを提供するものである
が、これは、縫製加工などの後加工を行う際、その加工
寸法によっては持ち運び、取り扱いが手間取り、難作業
となることもある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、容易に縫製
加工が可能であり、かつ、所定の重量を現地にて付与す
ることにより、施工中、潮流、波に流されたり、風に吹
き飛ばされたりせず、速やかかつ確実に目的の場所に沈
設でき、簡便で、長時間所定位置での防砂効果を維持す
ることができる防砂シ−トを提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、所定間隔の袋
状筒部を備え、かつ、透水性を有する織物または編物に
おいて、前記袋状筒部に比重５．０以上の金属製の棒、
板、ワイヤ（以下単に「金属体」ともいう）を収納した
防砂シ−トを提供するものである。

【０００８】

【作用】防砂シ−トに金属体を収納することで、軽いシ
−トであっても、金属体の重みによって、捲れ上がった
り浮遊したりするのを防ぐことができる。また、透水性
シ−トとすることで、速やかに水中に敷設することがで
きると共に、砂分は逃がさず水流は通過させるために、
防砂シ−トを敷設当初のまま維持でき、砂の移動を押さ
えるシ−ト本来の作用を発揮する。

【０００９】また、あらかじめ袋状筒部を備えるシ−ト
を作成した後、縫製加工を行い、その後金属体を挿入収
納することによって、縫製加工をする際、持ち運び、取
り扱いが簡単で、容易に縫製を行うことができる。

【００１０】さらに、袋状筒部の一部の密度を粗にする
ことにより、金属体を挿入する際、構成糸を切断損傷す
ることなく収納することもできる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。なお、この実施例を述べるにあたって、防波堤施工
の際の海面埋め立てに使用される防砂シ−トを例にと
る。

【００１２】図１は、本発明の防砂シ−トの平面図であ
り、図２は同断面図である。以下、これらについて詳細
に説明する。

【００１３】本発明の防砂シ−ト１０は、図１および図
２にあるように、生地部１１、金属体２１を収納した袋
状筒部１２および耳部１３から構成されている。

【００１４】この防砂シ−ト１０を作製するには、例え
ば、単糸繊度３，４００ｄｅのポリエステルのタスラン
糸を経糸および緯糸に使用して、三重織し、長さ方向に
６．８ｃｍ間隔で三重組織の生地部１１、および３．２
ｃｍ間隔で袋織し、二重組織の袋状筒部１２、また両幅
端に４．５ｃｍ幅で一重組織の耳部１３を設ける。その
後、１０ｃｍピッチとなる前記袋状筒部１２に断面直径
１０ｍｍの鋼棒２１を挿入収納する。

【００１５】防砂シ−ト１０を構成する経糸および緯糸
の素材は、前記ポリエステルのタスラン糸の他、ポリエ
ステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニルなどの合成繊維からなるフィラメント糸、
スパン糸、およびタスラン糸などの加工糸でもよい。

【００１６】また、防砂シ−ト１０を構成する経糸およ
び緯糸の単糸繊度は、本実施例では３，４００ｄｅであ
り、通常、５００〜１０，０００ｄｅ、好ましくは１，
０００〜６，０００ｄｅ程度である。

【００１７】また、防砂シ−ト１０に収納する金属体２
１の素材は、前記鋼に限られず、鉛、ステンレス、鉄、
銅、その他各種合金を使用してもよい。また、金属体２
１の形状は、前記棒状に限られず、板またワイヤなどで
あってもよい。

【００１８】なお、金属体２１の重量は、１．５ｋｇ／
ｍ²以上、好ましくは３ｋｇ／ｍ²以上であり、１．５ｋ
ｇ／ｍ²未満であると、施工中、波や潮流によりシ−ト
が海中で煽られたり横に流されたりし易いため、思いど
うりの所定の位置に敷設するのが難しいうえ、シ−トが
敷設できたとしても、波や潮流により捲れ上がり、位置
が移動し易く、重みによって波浪などによりシ−トが浮
遊したりするのを防ぐという本発明の目的を達成し得な
い。

【００１９】この金属体２１の比重は、５．０以上、好
ましくは７．５以上であり、５．０未満であると、重み
によって波浪などによりシ−トが浮遊したりするのを防
ぐという本発明の目的を達成するためには、大量の金属
体を収納するか、金属体の大きさを大きくする必要があ
る。

【００２０】金属体２１の本数は、好ましくは２０本／
ｍ以下であり、２０本／ｍを超えると収納工程にかかる
作業的負担が重くなる。

【００２１】また、金属体２１の断面の直径あるいは厚
みは、好ましくは２０ｍｍ以下であり、２０ｍｍを超え
ると挿入収納がしにくい。

【００２２】したがって、金属体２１の収納条件は、こ
れら全てを満たすことが好ましい。

【００２３】また、防砂シ−ト１０を構成する経糸およ
び緯糸の密度は、８〜６０本／インチ、好ましくは１４
〜３５本／インチであり、６０本／インチを超えると金
属体２１の挿入が困難である。なお、生地部１１と袋状
筒部１２は同じ密度でもよいが、好ましくは、金属体２
１の挿入収納を簡単に行えるように、袋状筒部１２の一
部の密度を生地部１１の密度より前記範囲で小さくした
方がよい。また、耳部１３の密度は、通常、前記範囲
で、生地部１１および袋状筒部１２の密度より大きくす
る。

【００２４】また、袋状筒部１２の間隔は、金属体２１
の大きさによる。小さ過ぎると、挿入収納が困難であ
り、一方、大き過ぎると、金属体２１の固定が悪くな
る。

【００２５】さらに、本発明の防砂シ−ト１０は、透水
性を有するものである。透水性を有しないと、施工時に
水中を速やかに沈下せず、また敷設後は、潮流の影響を
まともに受けて、シ−トが捲れ上がったり流されたりし
やすい。なお、透水係数は、１．０×１０^-3ｃｍ／ｓｅ
ｃ以上、好ましくは１．０×１０〜１．０×１０^-2ｃｍ
／ｓｅｃである。１．０×１０^-3ｃｍ／ｓｅｃ未満で
は、水中での沈下が悪く、また防砂シ−トの敷設後、地
盤が安定するまでに時間がかかる。

【００２６】また、防砂シ−ト１０は、三重織で構成さ
れているが、二以上の多重織でもよい。また、防砂シ−
ト１０は、長さ方向に所定間隔で袋状筒部１２を備える
が、この方向は、幅あるいは長さおよび幅の両方向であ
ってもよい。また、所定間隔とは、一定の等間隔でもよ
いし、間隔が異なっているものでもよい。

【００２７】なお、本実施例では、金属体を、所定間隔
の袋状筒部を備える織物シ−トに収納した防砂シ−トに
ついて説明したが、織物に限らず、金属体を、所定間隔
の袋状筒部を備える編物シ−トに収納した防砂シ−トで
あってもよい。

【００２８】本発明の防砂シ−トを敷設する方法として
は、種々の方法が採用できるが、例えば、本発明の防砂
シ−トを工場などにて、該シ−トの耳部を重ね合わせて
耳部どうしを縫製し、運搬可能な大きさとしたのち、該
シ−トの端部を重ね合わせて敷設する方法が挙げられ
る。このとき、重ね合わせる幅は、５０〜１５０ｃｍ、
好ましくは８０〜１００ｃｍである。その際、重ね合う
シ−トどうしをロ−プで接続したり、接着剤で接合しな
くてもよい。

【００２９】本発明の防砂シ−トを工事現場で敷設する
場合には、例えば、防波堤の基礎となる部分の海底に、
運搬船を用いて砂を散布すると同時にまたは散布したの
ち、防砂シ−ト敷設船により前記のようにして調製され
た本発明の防砂シ−トを敷設しつつ、重石を投下して防
砂シ−トを仮固定する。次いで、防波堤の型枠となるケ
−ソンを沈下させて、コンクリ−トを打設する。本実施
例により敷設した防砂シ−トは、長時間にわたり敷設し
た当初の防砂効果を継続して発揮することができる。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、容易に縫製加工が可能
であり、かつ、所定の重量を現地にて付与することによ
り、施工中、潮流、波に流されたり、風に吹き飛ばされ
たりせず、速やかかつ確実に目的の場所に沈設でき、簡
便で、長時間所定位置での防砂効果を維持することがで
きる防砂シ−トを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である、防砂シ−トの平面図
である。

【図２】本発明の一実施例である、防砂シ−トの断面図
である。

【符号の説明】

１０防砂シ−ト１１生地部１２袋状筒部１３耳部２１金属体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】所定間隔の袋状筒部を備え、かつ、透水
性を有する織物または編物において、前記袋状筒部に比
重５．０以上の金属体を収納したことを特徴とする防砂
シ−ト。
【請求項２】袋状筒部の一部の密度が粗な、請求項１
記載の防砂シ−ト。