JPH0891337A - プラスチツクボトルおよびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ボトル本体１に、別体の口部２を係合一体化
してなるプラスチツクボトルであって、ボトル本体１の
開口部に形成したサポートリング部３の上方に係合部４
を設けたことを特徴とするプラスチツクボトル。 【効果】 各種形状の口部２をボトル本体１とは別工程
で製造することができ、口部２の成形金型が小型でよ
く、一方本体１の金型は同じ形状の本体で口部形状が多
様なボトルが効率的に得られるとともに、ボトル本体１
の開口部に形成したサポートリング部３の上方に係合部
４を設けたから、係合部４がサポートリング部３に保護
されるとともにハンドリングの際などに力の加わるサポ
ートリング部３が本体と一体に成形されているので丈夫
である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボトル本体と別体の口
部とを一体化してなるプラスチツクボトルおよびその製
造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】いわゆるブロー成形プラスチツクボトル
は飲料、醤油、或いは、サラダ油等の各種液体を収納す
るのに広く用いられており、密封状態を保つためにボト
ル口部に捩子部や平滑な内筒部が付設され、これに金属
キヤツプやプラスチツクキヤツプですき間なく密封する
構造をとっている。

【０００３】そして従来、プラスチツクボトルは一般に
射出成形などにより口部、サポートリング部、胴部及び
底部が一体に成形されたパリソンの、胴部及び底部から
なる本体を成形温度に加熱して高圧気体によりブロー成
形されるものであり、得られたボトルの口部やサポート
リング部はあらかじめ密封に必要な形状に成形されてい
るものであった。

【０００４】一方、近年ボトル本体のデザイン面のみな
らずキヤツプ面からデザインの新鮮味、機能の新規性、
便利性が追求されてきているため、必然的にボトル口部
の多様化が進められてきており、口部の規格としてもた
とえば同じ口部の外径でも高さが５種類あり、各々競合
品との格差、優位性の保持、人々の嗜好により選択され
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のプラスチツ
クボトルは、射出成形等により一体に成形されているパ
リソンをブロー成形して用いるため、ボトル口部の多様
化に対応して口部が異なるパリソンを得ようとすると、
胴部及び底部が同一形状でも口部の種類の数だけパリソ
ン全体の成形用の金型が必要となり、極めてコストアツ
プとなるという問題があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、ボトル本体と
口部を別体とすることにより、口部の多様化へ対応せん
とするものであり、ボトル本体に、別体の口部を係合一
体化してなるプラスチツクボトルであって、ボトル本体
の開口部に形成したサポートリング部の上方に係合部を
設けたことを特徴とするプラスチツクボトルである。

【０００７】また、ブロー成形する前に、ボトル本体と
別体とした口部を一体化することを目的とし、本体の開
口部にサポートリング部を形成したパリソン本体に別体
の口部を、サポートリング部上方において係合一体化し
てパリソンを形成し、該パリソンをブロー延伸成形する
ことを特徴とするプラスチツクボトルの成形方法であ
る。

【０００８】さらにブロー成形してから、ボトル本体と
別体とした口部を一体化することも目的とし、本体の開
口部にサポートリング部を形成したパリソン本体をブロ
ー延伸成形してボトル本体を成形してから、該ボトル本
体に別体の口部を前記サポートリング部上方において係
合一体化することを特徴とするプラスチツクボトルの成
形方法に関する。

【０００９】以下、本発明を図面をもって説明する。図
１は本発明のプラスチツクボトルの一例を示す一部断面
正面図、図２は本発明のプラスチツクボトルの製造方法
の一例を説明するための断面正面図であり図３は本発明
のプラスチツクボトルの製造方法の他の例を説明するた
めの断面正面図である。

【００１０】本発明は図１〜図３に示す様に、ボトル本
体１に、別体の口部２を係合一体化してなるプラスチツ
クボトルであって、ボトル本体１の開口部に形成したサ
ポートリング部３の上方に係合部４を設けたことを特徴
とするプラスチツクボトルである。

【００１１】このように、ボトル本体１に、別体の口部
２を係合一体化したから、各種形状の口部２を本体１と
は別工程で製造することができ、口部２の成形金型が小
型でよく、一方本体１の金型は同じ形状の本体で口部形
状が多様なボトルが効率的に得られるとともに、ボトル
本体１の開口部に形成したサポートリング部３の上方に
係合部４を設けたから、係合部４がサポートリング部３
に保護されるとともにハンドリングの際などに力の加わ
るサポートリング部３が本体と一体に成形されているの
で丈夫であるという効果がある。

【００１２】本発明において、ボトル本体１は胴部１１
および底部１２がブロー成形されており、サポートリン
グ部３はボトル本体１の開口部に一体的に形成され、パ
リソン本体５０において一体的に射出成形された形状が
そのまま残っておりブロー成形されていない。ボトル本
体１の材質としてはポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂が好適である。

【００１３】また、口部２は各種の口部規格に合わせた
大きさや形状が採用でき、例えば図１、図２に示すよう
な捩じ込みキヤツプに対応する形状あるいは図３に示す
ような打栓式キヤツプに対応する形状などが使用でき
る。また材質としては本体と同じポリエステル樹脂や耐
熱性に優れたポリカーボネート樹脂が好ましく、ポリエ
ステル樹脂の場合には加熱結晶化させて耐熱性を付与し
てもよいし、さらに本体とは異なる色彩とすることもで
きる。

【００１４】本発明で係合部４はサポートリング部３の
上方に設けられており、その構造としては図１、図２に
示すように捩子構造でも、図３に示すように嵌合構造で
もよい。ここで密封性をより完全にするために雄捩子４
１と雌捩子４２の間、あるいは内筒部３３と下筒部２１
との間にパッキンや接着剤等を介在させてもよい、又、
高周波等で嵌合部を外部から融着してもよい。

【００１５】なお、係合部４としては、図示しないが、
ボトル本体側と口部２側の対向する面を、平坦状やテー
パー状などのすり合わせ面として、接着や高周波融着に
よって係合するようにしても良い。

【００１６】また本発明は図２の例のように、本体５０
の開口部にサポートリング部３を形成したパリソン本体
５０に別体の口部２を、サポートリング部３上方におい
て係合一体化してパリソン５を形成し、該パリソン５を
ブロー延伸成形することを特徴とするプラスチツクボト
ルの成形方法である。

【００１７】このように、パリソン本体５０に別体の口
部２を一体化してからブロー成形するので、従来のブロ
ー成形装置をそのまま使用できるほか、口部２として耐
熱性に優れたポリカーボネート樹脂を用いることによ
り、パリソン５の状態で加熱結晶化するという工程がな
くとも、口部２の耐熱性に優れたプラスチツクボトルを
得られるという効果がある。

【００１８】パリソン５は、サポートリング部３の中間
で分割され、下サポートリング３１はその下方に形成さ
れた胴部５１、底部５２とともにパリソン本体５０を構
成し、下サポートリング３１上面には短筒３１０が立上
がり、該短筒３１０の外面には雄捩子４１を形成してあ
る。

【００１９】一方、上サポートリング３２は、その内面
に前記雄捩子４１に対応する雌捩子４２が形成され、上
サポートリング３２の上方には口筒２１が形成され、合
わせて口部２を構成している。

【００２０】このように、サポートリング３を口部２と
本体１の両方に分けておけば、係合部４を構成する雄捩
子４１および雌捩子４２の双方がサポートリング３１，
３２に保護されるほか、例えば上サポートリング３２側
を加熱結晶化して耐熱性を向上させたり、あるいは接着
や高周波により融着する場合に、サポートリング３１，
３２による広い面積が使用できるので係合部４の強度が
向上するなどという効果がある。

【００２１】もちろん、雄捩子４１と雌捩子４２とは雄
雌逆に付設されてもよい。要は、雄捩子と雌捩子によ
り、パリソン本体５０と口部２とが一体化できればよ
い。

【００２２】図２に示すように，まずパリソン本体５０
と口部２とを雄捩子４１及び雌捩子４２をねじ込むこと
で一体化してパリソン５を形成し、このパリソン５を通
常の方法でブロー成形することにより最終ボトルが得ら
れる。

【００２３】なお、ねじ込む際の有効捩子山数は１山以
上で３山もあれば強度及び密封面で十分効果を有する。

【００２４】さらに本発明は図３に示すように本体の開
口部にサポートリング部３を形成したパリソン本体５０
をブロー延伸成形してボトル本体１を成形してから、該
ボトル本体１に別体の口部２を前記サポートリング部３
上方において係合一体化することを特徴とするプラスチ
ツクボトルの成形方法である。

【００２５】このように、ボトル本体１を成形してから
口部２を一体化するから、ボトル本体１をブロー成形す
る時に加わる各種応力よって口部２が変形するという恐
れが無いという効果がある。

【００２６】図３の例ではパリソン５はサポートリング
部３の上部で分割され、サポートリング部３はその下方
に形成された胴部５１、底部５２とともにパリソン本体
５０を構成している。

【００２７】そしてサポートリング部３の内面には円周
方向に複数の係止溝４３を有する内筒部３３が設けられ
ている。

【００２８】一方、口部２の下端には、本体１の内筒部
３３の内径とほぼ同一の外径を有する下筒部２１が形成
され、該下筒部２１の外面には係止溝４３と係合する係
止突条４４が形成されている。なお内筒部３３に下筒部
２１を押込むのを容易にするため内筒部３３内面に外開
きのテーパーを、下筒部２１の外面に先細のテーパー
を、垂直に対し１〜５度の角度で付設してもよい。

【００２９】図３に示す様に、まずパリソン本体５０を
ブロー延伸成形してボトル本体１を成形してから、該ボ
トル本体１に別体の口部２を前記サポートリング部３上
方において係合一体化する。

【００３０】そして成形されたボトル本体１に口部２を
一体化するためにはボトル本体１の内筒部３３に口部２
の下筒部２１を無理に押込み、係止溝４３に係止突条４
４を嵌合することで一体化した最終的なプラスチツクボ
トルが得られる。

【００３１】ここで係止溝４３と係止突条４４との重な
りしろは、密封性をより完全にするため０．０２ｍｍ以
上が好ましいが、０．２ｍｍ以上にすると押込み嵌合
時、内筒部３３に変形やクラック等が生じ易いので０．
０２〜０．２ｍｍがよい。

【００３２】そして、図１〜３の例ではいずれの場合
も、係合部４をサポートリング３の内側を加工すること
により形成しているので、サポートリング３が外側に突
出していることにより、厚肉の加工スペースを得ること
ができ、丈夫であるという利点がある。

【００３３】

【発明の効果】本発明は、ボトル本体に、別体の口部を
係合一体化してなるプラスチツクボトルであって、ボト
ル本体の開口部に形成したサポートリング部の上方に係
合部を設けたことを特徴とするプラスチツクボトルであ
るので、各種形状の口部を本体とは別工程で製造するこ
とができ、口部の成形金型が小型でよく、一方本体の金
型は同じ形状の本体で口部形状が多様なボトルが効率的
に得られるとともに、ボトル本体の開口部に形成したサ
ポートリング部の上方に係合部を設けたから、係合部が
サポートリング部に保護されるとともにハンドリングの
際などに力の加わるサポートリング部が本体と一体に成
形されているので丈夫である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のプラスチツクボトルの一例を示す一部
断面正面図

【図２】図１のプラスチツクボトルを製造する方法を説
明するための断面正面図

【図３】本発明のプラスチツクボトルの製造方法の他の
例を説明するための断面正面図

【符号の説明】

１ ボトル本体 ２ 口部 ３ サポートリング部 ４ 係合部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボトル本体に、別体の口部を係合一体化
   してなるプラスチツクボトルであって、ボトル本体の開
   口部に形成したサポートリング部の上方に係合部を設け
   たことを特徴とするプラスチツクボトル。
2. 【請求項２】 本体の開口部にサポートリング部を形成
   したパリソン本体に別体の口部を、サポートリング部上
   方において係合一体化してパリソンを形成し、該パリソ
   ンをブロー延伸成形することを特徴とするプラスチツク
   ボトルの成形方法。
3. 【請求項３】 本体の開口部にサポートリング部を形成
   したパリソン本体をブロー延伸成形してボトル本体を成
   形してから、該ボトル本体に別体の口部を前記サポート
   リング部上方において係合一体化することを特徴とする
   プラスチツクボトルの成形方法。