JPH0889728A - ガス用フィルタおよびその製造方法 - Google Patents
ガス用フィルタおよびその製造方法Info
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- JPH0889728A JPH0889728A JP6256275A JP25627594A JPH0889728A JP H0889728 A JPH0889728 A JP H0889728A JP 6256275 A JP6256275 A JP 6256275A JP 25627594 A JP25627594 A JP 25627594A JP H0889728 A JPH0889728 A JP H0889728A
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- Japan
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- filter
- powder
- metal
- mesh
- sintered
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
- Filtering Materials (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ディーゼル排ガス等に含まれるパティキュレ
ート捕獲のためのフィルタを提供する。 【構成】 本発明は金属属素線によって金属網が構成さ
れ、前記金属素線が焼結粉末で実質的に覆われており、
かつ前記金属網の網目の大部分が開孔しているガス用フ
ィルタであり、例えば表面に酸化被膜を形成できるFe
−Cr−Al合金が使用できる。また、本発明の製造方
法は金属網に、粉末を吹き付け、ついで前記金属網に前
記粉末を焼結するものである。
ート捕獲のためのフィルタを提供する。 【構成】 本発明は金属属素線によって金属網が構成さ
れ、前記金属素線が焼結粉末で実質的に覆われており、
かつ前記金属網の網目の大部分が開孔しているガス用フ
ィルタであり、例えば表面に酸化被膜を形成できるFe
−Cr−Al合金が使用できる。また、本発明の製造方
法は金属網に、粉末を吹き付け、ついで前記金属網に前
記粉末を焼結するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス中に含まれる微粒子
を捕獲するフィルタに関する。
を捕獲するフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、内燃機関の排ガスには煤や炭化
水素系の数μm以下の微粒子が含まれている。この微粒
子は通常パティキュレートと呼ばれている。このパティ
キュレートは特にディーゼルエンジンの排ガス中に多
く、通常のガソリンエンジンで使用するNOx分解の触
媒の使用を妨げてきた。そのため、ディーゼルエンジン
のガスに対して、NOx分解のための触媒を適用するた
めには、触媒の前でパティキュレートを補足するフィル
タが必要になっている。このようなフィルタとしては、
従来は、特開平5−141218号公報に記載されるよ
うな金属網によるフィルタが用いられていた。
水素系の数μm以下の微粒子が含まれている。この微粒
子は通常パティキュレートと呼ばれている。このパティ
キュレートは特にディーゼルエンジンの排ガス中に多
く、通常のガソリンエンジンで使用するNOx分解の触
媒の使用を妨げてきた。そのため、ディーゼルエンジン
のガスに対して、NOx分解のための触媒を適用するた
めには、触媒の前でパティキュレートを補足するフィル
タが必要になっている。このようなフィルタとしては、
従来は、特開平5−141218号公報に記載されるよ
うな金属網によるフィルタが用いられていた。
【0003】最近では、さらに高性能なフィルタが要求
されることから、特開昭61−53716号公報に記載
されるような多孔質の焼結体によるフィルタなどが開発
されている。また、特開平5−245317号公報に記
載されるような金属網にセラミックスや金属を焼結させ
てフィルタ層を構成したものが知られている。
されることから、特開昭61−53716号公報に記載
されるような多孔質の焼結体によるフィルタなどが開発
されている。また、特開平5−245317号公報に記
載されるような金属網にセラミックスや金属を焼結させ
てフィルタ層を構成したものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した、多孔質のセ
ラミックスのフィルタや焼結体の層を有するフィルタ
は、パティキュレートを補足するという目的に対しては
優れているが、炭化水素系の粘度の高いパティキュレー
トを捕獲した場合には、フィルタの開孔部が閉塞しやす
く、条件によってはフィルタ寿命が著しく低下するとい
う問題があった。
ラミックスのフィルタや焼結体の層を有するフィルタ
は、パティキュレートを補足するという目的に対しては
優れているが、炭化水素系の粘度の高いパティキュレー
トを捕獲した場合には、フィルタの開孔部が閉塞しやす
く、条件によってはフィルタ寿命が著しく低下するとい
う問題があった。
【0005】また、金属網によるフィルタでは、パティ
キュレート等の微粒子を捕獲するためには極めて細い細
線に加工して網目を細かいものとしなければならずコス
トが高くなってしまうこと、および特開昭61−531
76号公報に記載されるようにパティキュレートを捕獲
するのには表面積を高めることが有効であるが、単純な
金属網では、多孔質のセラミックスに比べて表面積が大
きくできないという問題がある。
キュレート等の微粒子を捕獲するためには極めて細い細
線に加工して網目を細かいものとしなければならずコス
トが高くなってしまうこと、および特開昭61−531
76号公報に記載されるようにパティキュレートを捕獲
するのには表面積を高めることが有効であるが、単純な
金属網では、多孔質のセラミックスに比べて表面積が大
きくできないという問題がある。
【0006】本発明の目的は、上記問題に鑑み、開孔部
が閉塞されにくく、しかも微粒子を捕獲するために十分
に細かい網目と、大きな表面積を有するガス用フィルタ
を提供することである。
が閉塞されにくく、しかも微粒子を捕獲するために十分
に細かい網目と、大きな表面積を有するガス用フィルタ
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、微粒子の捕
獲のために十分な表面積を得るとともに、閉塞が起こり
難い構造のフィルタを研究し、金属網の網目の大部分が
開孔するように、粉末を焼結すれば、金属網の網目を細
かいものとすることができるとともに、表面積が大きく
なり、上述した問題が解決できることを見いだし本発明
に到達した。
獲のために十分な表面積を得るとともに、閉塞が起こり
難い構造のフィルタを研究し、金属網の網目の大部分が
開孔するように、粉末を焼結すれば、金属網の網目を細
かいものとすることができるとともに、表面積が大きく
なり、上述した問題が解決できることを見いだし本発明
に到達した。
【0008】すなわち本発明は、金属素線によって金属
網が構成され、前記金属素線が焼結粉末で実質的に覆わ
れており、かつ前記金属網の網目の大部分が開孔してい
ることを特徴とするガス用フィルタである。なお、網目
とは金属素線を編んだ時に形成される素線間の空間のこ
とである。上述した焼結粉末は、セラミックス粉末ある
いは金属粉末が使用できるが、好ましくは、表面に酸化
被膜を形成する合金、好ましくはFe−Cr−Al系合
金とする。なお、本発明で網目の大部分が開孔というの
は、具体的には90%以上、好ましくは実質的に全ての
網目が開孔していることを意味する。
網が構成され、前記金属素線が焼結粉末で実質的に覆わ
れており、かつ前記金属網の網目の大部分が開孔してい
ることを特徴とするガス用フィルタである。なお、網目
とは金属素線を編んだ時に形成される素線間の空間のこ
とである。上述した焼結粉末は、セラミックス粉末ある
いは金属粉末が使用できるが、好ましくは、表面に酸化
被膜を形成する合金、好ましくはFe−Cr−Al系合
金とする。なお、本発明で網目の大部分が開孔というの
は、具体的には90%以上、好ましくは実質的に全ての
網目が開孔していることを意味する。
【0009】また本発明の製造方法は、金属素線によっ
て構成された金属網に、粉末を吹き付け、ついで前記金
属網に前記粉末を焼結することを特徴とするガス用フィ
ルタの製造方法である。
て構成された金属網に、粉末を吹き付け、ついで前記金
属網に前記粉末を焼結することを特徴とするガス用フィ
ルタの製造方法である。
【0010】
【作用】本発明の最大の特徴の一つは、金属素線が焼結
粉末で実質的に覆われており、かつ前記金属網の網目の
大部分、より具体的には網目の90%以上、好ましくは
実質的に全ての網目が開孔するようにしたことである。
上述したように、本発明はフィルタ表面への吸着によっ
て微粒子を捕獲できることを知見し、粉末が焼結した表
面を有するフィルタを使用することによって、パティキ
ュレート等の微粒子の捕獲を行うものである。本発明に
おいては、焼結によって形成されたフィルタ表面は、特
に潤滑オイルや不完全燃焼して発生した炭化水素系の粒
子の吸着表面として有効に作用する。
粉末で実質的に覆われており、かつ前記金属網の網目の
大部分、より具体的には網目の90%以上、好ましくは
実質的に全ての網目が開孔するようにしたことである。
上述したように、本発明はフィルタ表面への吸着によっ
て微粒子を捕獲できることを知見し、粉末が焼結した表
面を有するフィルタを使用することによって、パティキ
ュレート等の微粒子の捕獲を行うものである。本発明に
おいては、焼結によって形成されたフィルタ表面は、特
に潤滑オイルや不完全燃焼して発生した炭化水素系の粒
子の吸着表面として有効に作用する。
【0011】本発明では、金属網の網目を開孔部として
残しているため、多孔質体層の内部空隙をパティキュレ
ート捕獲用のフィルタとして使用する従来の排ガスフィ
ルタのように空隙の閉塞による急速な寿命低下を防止す
ることができる。また金属網へ粉末を焼結させること
は、網目の開孔径を粉末の粒度や量によって制御でき、
特に網目が大きくても粉末で埋めることで小さくすると
いう効果があり、製造コストの高い極細線を使用するの
を避けることができるという利点がある。本発明によれ
ば、フィルタの目開き200μm以下、好ましくは10
0μm以下にすることが可能である。本発明において、
焼結する粉末は表面積の大きい表面を得るという目的お
よび網目を細かくするという目的からはセラミックスで
も金属でも良い。なお、焼結する粉末を金属粉末とすれ
ば、焼結性に劣るセラミックスに対して、金属素線と金
属同士ということもあり、焼結しやすく好ましい。
残しているため、多孔質体層の内部空隙をパティキュレ
ート捕獲用のフィルタとして使用する従来の排ガスフィ
ルタのように空隙の閉塞による急速な寿命低下を防止す
ることができる。また金属網へ粉末を焼結させること
は、網目の開孔径を粉末の粒度や量によって制御でき、
特に網目が大きくても粉末で埋めることで小さくすると
いう効果があり、製造コストの高い極細線を使用するの
を避けることができるという利点がある。本発明によれ
ば、フィルタの目開き200μm以下、好ましくは10
0μm以下にすることが可能である。本発明において、
焼結する粉末は表面積の大きい表面を得るという目的お
よび網目を細かくするという目的からはセラミックスで
も金属でも良い。なお、焼結する粉末を金属粉末とすれ
ば、焼結性に劣るセラミックスに対して、金属素線と金
属同士ということもあり、焼結しやすく好ましい。
【0012】本発明において、金属網を用いるのは、焼
結体のみで網状に焼結するのは困難であり、また焼結体
だけでは部材としての強度を十分に保つのが難しいため
である。また金属網は、規則的な開孔部を容易に得るこ
とができるという利点もあり、有効である。また金属素
線が焼結粉末で実質的に覆われると規定したのは、金属
素線の被覆が不十分であると、その部分の金属素線部分
が酸化されて破損したり、焼結粉末が金属素線から剥離
する原因になり好ましくない。また表面を構成する粉末
を耐熱性の高い合金として、フィルタの内部となる金属
網を安価なステンレス鋼を用いるとフィルタの製造コス
トを下げられるが、この場合にはフィルタ内部の金属網
の保護のためにも金属素線が焼結粉末で実質的に覆うよ
うに構成することが望ましい。
結体のみで網状に焼結するのは困難であり、また焼結体
だけでは部材としての強度を十分に保つのが難しいため
である。また金属網は、規則的な開孔部を容易に得るこ
とができるという利点もあり、有効である。また金属素
線が焼結粉末で実質的に覆われると規定したのは、金属
素線の被覆が不十分であると、その部分の金属素線部分
が酸化されて破損したり、焼結粉末が金属素線から剥離
する原因になり好ましくない。また表面を構成する粉末
を耐熱性の高い合金として、フィルタの内部となる金属
網を安価なステンレス鋼を用いるとフィルタの製造コス
トを下げられるが、この場合にはフィルタ内部の金属網
の保護のためにも金属素線が焼結粉末で実質的に覆うよ
うに構成することが望ましい。
【0013】金属網としては排ガス等の腐食環境を考慮
し、ステンレス鋼が好ましい。特に好ましくは、排ガス
による熱疲労損傷を低減するためには、熱膨張係数が低
いことが好ましく、マルテンサイト系やオーステナイト
系ステンレス鋼よりも熱膨張係数の低いフェライト系ス
テンレス鋼が好ましい。代表的な金属網用の鋼として
は、SUS430,SUS429,SUS405,SU
S434などのフェライト系ステンレスの他、耐食性が
必要な場合は、SUS304,SUS316,SUS3
47,SUSXM7などのオーステナイト系ステンレ
ス、さらに強度も必要な場合には、SUS410,SU
S416,SUS420J1,SUS420J2,SU
440Cなどのステンレス線を採用することができる。
また、金属粉末は、直接排ガス等に接触するため金属網
よりもさらに耐食性および耐熱性に優れた材質が必要と
なる。好ましくは耐酸化性合金であるFe−Cr−Al
系の鋼が使用できる。
し、ステンレス鋼が好ましい。特に好ましくは、排ガス
による熱疲労損傷を低減するためには、熱膨張係数が低
いことが好ましく、マルテンサイト系やオーステナイト
系ステンレス鋼よりも熱膨張係数の低いフェライト系ス
テンレス鋼が好ましい。代表的な金属網用の鋼として
は、SUS430,SUS429,SUS405,SU
S434などのフェライト系ステンレスの他、耐食性が
必要な場合は、SUS304,SUS316,SUS3
47,SUSXM7などのオーステナイト系ステンレ
ス、さらに強度も必要な場合には、SUS410,SU
S416,SUS420J1,SUS420J2,SU
440Cなどのステンレス線を採用することができる。
また、金属粉末は、直接排ガス等に接触するため金属網
よりもさらに耐食性および耐熱性に優れた材質が必要と
なる。好ましくは耐酸化性合金であるFe−Cr−Al
系の鋼が使用できる。
【0014】すなわち、金属粉末中のCrはCr2O3系
を主体とする酸化膜を形成するが、さらに耐熱性を確保
するには被膜の保護性と密着性に優れたAl2O3の酸化
膜を形成するAlの添加が有効である。好ましいCr量
は、15−30%であり、より好ましくは18−28%
である。また、Alは熱膨張係数を増加する元素であ
り、熱疲労損傷を防ぐためには少ない方が良く、耐酸化
性の点からは高い方が良い。好ましいAl量は2−12
%である。本発明では合金粉末として使用するため、A
l量の増加による冷間加工性の劣化が問題とならないた
め、5%以上のAlの添加が可能である。より好ましい
範囲は5−9%である。
を主体とする酸化膜を形成するが、さらに耐熱性を確保
するには被膜の保護性と密着性に優れたAl2O3の酸化
膜を形成するAlの添加が有効である。好ましいCr量
は、15−30%であり、より好ましくは18−28%
である。また、Alは熱膨張係数を増加する元素であ
り、熱疲労損傷を防ぐためには少ない方が良く、耐酸化
性の点からは高い方が良い。好ましいAl量は2−12
%である。本発明では合金粉末として使用するため、A
l量の増加による冷間加工性の劣化が問題とならないた
め、5%以上のAlの添加が可能である。より好ましい
範囲は5−9%である。
【0015】本発明においては上述のFe−Cr−Al
合金だけでなく、この合金系に被膜の密着性を高めて耐
熱性を更に高める常套手段としてY、Scを含むLa,
Ce等の希土類元素、Ti、Zr等が添加できるのは言
うまでもない。希土類元素の過剰添加は、粒界に酸化物
を生じ酸素のパスを形成して、酸化を助長することにな
るため0.1%以下が望ましい。また、金属粉末の合金
系として、耐熱性に優れたInconel600,In
conel601,Inconel690,ハステロイ
X等のNi基の耐熱合金などの使用も可能である。
合金だけでなく、この合金系に被膜の密着性を高めて耐
熱性を更に高める常套手段としてY、Scを含むLa,
Ce等の希土類元素、Ti、Zr等が添加できるのは言
うまでもない。希土類元素の過剰添加は、粒界に酸化物
を生じ酸素のパスを形成して、酸化を助長することにな
るため0.1%以下が望ましい。また、金属粉末の合金
系として、耐熱性に優れたInconel600,In
conel601,Inconel690,ハステロイ
X等のNi基の耐熱合金などの使用も可能である。
【0016】また本発明の製造方法において、最も特徴
とするところは、金属網に粉末を吹き付けるところにあ
る。上述したように、本発明のガス用フィルタは網目の
大部分が開孔するように焼結したものであり、網目を残
すように金属網に粉末を接触させるという点において、
粉末を吹き付ける方法が有効である。この方法によれ
ば、粉末を金属素線を実質的に覆うように塗布すること
ができる。したがって、粉末の吹き付けの後焼結すれ
ば、本発明のガス用フィルタを得ることができるもので
ある。また、本発明は金網と粉末が焼結により結合して
いるため、フレキシブルであり、巻回したり、折り曲げ
たりして多層のフィルタ層の形成が可能である。
とするところは、金属網に粉末を吹き付けるところにあ
る。上述したように、本発明のガス用フィルタは網目の
大部分が開孔するように焼結したものであり、網目を残
すように金属網に粉末を接触させるという点において、
粉末を吹き付ける方法が有効である。この方法によれ
ば、粉末を金属素線を実質的に覆うように塗布すること
ができる。したがって、粉末の吹き付けの後焼結すれ
ば、本発明のガス用フィルタを得ることができるもので
ある。また、本発明は金網と粉末が焼結により結合して
いるため、フレキシブルであり、巻回したり、折り曲げ
たりして多層のフィルタ層の形成が可能である。
【0017】
【実施例】まず、表1に示す組成であり、平均粒径10
μmに調整した原料粉末を準備した。この原料粉末70
vol%に対して、ポリビニルアルコール1vol%の
水溶液30vol%を混合してスラリーとした。一方、
表1に示す金属素線としてステンレス線を用いた金属網
と、軟鋼製の金属網(SWM−A)を準備した。上述の
粉末のスラリーをスプレーガンに充填し、上述の金網に
吹き付けた。スプレーガンによる塗布により、本実施例
においては、全ての網目を開孔させつつ、粉末を塗布す
ることができた。粉末塗布後、10マイナス3乗Torr下
の真空下、1350℃で焼結を行ない、ガス用フィルタ
を得た。
μmに調整した原料粉末を準備した。この原料粉末70
vol%に対して、ポリビニルアルコール1vol%の
水溶液30vol%を混合してスラリーとした。一方、
表1に示す金属素線としてステンレス線を用いた金属網
と、軟鋼製の金属網(SWM−A)を準備した。上述の
粉末のスラリーをスプレーガンに充填し、上述の金網に
吹き付けた。スプレーガンによる塗布により、本実施例
においては、全ての網目を開孔させつつ、粉末を塗布す
ることができた。粉末塗布後、10マイナス3乗Torr下
の真空下、1350℃で焼結を行ない、ガス用フィルタ
を得た。
【0018】
【表1】
【0019】得られたガス用フィルタに対して、600
℃×10時間および1000℃×10時間の大気中加熱
を行い、耐酸化性を酸化増量で評価した。なお酸化増量
の評価は、金属網の外寸法を厚さのない平板と仮定した
ときの表面積に対する重量の増加分で評価した。また、
ガス用フィルタとしての曲げ加工性を評価するために、
JIS Z2248で規定される90度曲げ試験を実施
した。本実施例においては、全てのガス用フィルタにお
いて90度曲げ加工が可能であり良好とした。結果をま
とめて表2に示す。なお、表1および表2に示す目開き
とは、網目の間隙に内接する最大円の直径に対応する。
℃×10時間および1000℃×10時間の大気中加熱
を行い、耐酸化性を酸化増量で評価した。なお酸化増量
の評価は、金属網の外寸法を厚さのない平板と仮定した
ときの表面積に対する重量の増加分で評価した。また、
ガス用フィルタとしての曲げ加工性を評価するために、
JIS Z2248で規定される90度曲げ試験を実施
した。本実施例においては、全てのガス用フィルタにお
いて90度曲げ加工が可能であり良好とした。結果をま
とめて表2に示す。なお、表1および表2に示す目開き
とは、網目の間隙に内接する最大円の直径に対応する。
【0020】
【表2】
【0021】本発明の典型的なガス用フィルタの表面ミ
クロ焼結組織写真を図1および図2に示す。図1および
図2を見ると明らかなように、本発明のガス用フィルタ
の網目は開孔しており、金属素線が焼結粉末で実質的に
覆われて表面積の広い焼結表面を形成していることが認
められる。また、表1および表2から金網本来目開き
が、粉末を焼結することによって小さくなっている。こ
のことはフィルタとしての開孔径を小さくできたことを
示すものであり、微粒子の捕獲に有効なフィルタが形成
できたことがわかる。。
クロ焼結組織写真を図1および図2に示す。図1および
図2を見ると明らかなように、本発明のガス用フィルタ
の網目は開孔しており、金属素線が焼結粉末で実質的に
覆われて表面積の広い焼結表面を形成していることが認
められる。また、表1および表2から金網本来目開き
が、粉末を焼結することによって小さくなっている。こ
のことはフィルタとしての開孔径を小さくできたことを
示すものであり、微粒子の捕獲に有効なフィルタが形成
できたことがわかる。。
【0022】また試料のうち、Fe−Cr−Al系合金
粉末を使用した試料No.1〜9は1000℃の耐酸化
性試験において、市販のステンレス粉末を使用した試料
No.10および11に比べて酸化増量が少なく、耐酸
化性という点で優れていることがわかる。また、金網の
材質としては、軟鋼製の金網を使用すると600℃の耐
酸化性試験でも酸化の進行が認められ、1000℃の試
験では酸化が進行し過ぎて、脆化して、欠損が生じてし
まった。このことから高温で使用する用途においてはス
テンレス性の金属網が好ましいことがわかる。
粉末を使用した試料No.1〜9は1000℃の耐酸化
性試験において、市販のステンレス粉末を使用した試料
No.10および11に比べて酸化増量が少なく、耐酸
化性という点で優れていることがわかる。また、金網の
材質としては、軟鋼製の金網を使用すると600℃の耐
酸化性試験でも酸化の進行が認められ、1000℃の試
験では酸化が進行し過ぎて、脆化して、欠損が生じてし
まった。このことから高温で使用する用途においてはス
テンレス性の金属網が好ましいことがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、網目の開孔径が小さく
表面積の大きい焼結表面を有するため、パティキュレー
ト等の微粒子を捕獲するフィルタとして有効に作用する
ものとなる。また本発明は、網目が開孔していることか
ら、フィルタ閉塞の問題が少ないという利点がある。さ
らに、本発明のガス用フィルタは曲げ加工が可能であ
り、筒状に多層に巻いて多層のフィルタ層を形成するこ
とも可能であり有用である。
表面積の大きい焼結表面を有するため、パティキュレー
ト等の微粒子を捕獲するフィルタとして有効に作用する
ものとなる。また本発明は、網目が開孔していることか
ら、フィルタ閉塞の問題が少ないという利点がある。さ
らに、本発明のガス用フィルタは曲げ加工が可能であ
り、筒状に多層に巻いて多層のフィルタ層を形成するこ
とも可能であり有用である。
【図1】本発明のガス用フィルタの30倍の表面焼結金
属ミクロ組織を示す写真である。
属ミクロ組織を示す写真である。
【図2】本発明のガス用フィルタの400倍の表面焼結
金属ミクロ組織を示す写真である。
金属ミクロ組織を示す写真である。
Claims (4)
- 【請求項1】 金属素線によって金属網が構成され、前
記金属素線が焼結粉末で実質的に覆われており、かつ前
記金属網の網目の大部分が開孔していることを特徴とす
るガス用フィルタ。 - 【請求項2】 焼結粉末は、表面に酸化被膜を形成する
合金であることを特徴とする請求項1に記載のガス用フ
ィルタ。 - 【請求項3】 焼結粉末は、Fe−Cr−Al系合金で
あることを特徴とする請求項1に記載のガス用フィル
タ。 - 【請求項4】 金属素線によって構成された金属網に、
粉末を吹き付け、ついで前記金属網に前記粉末を焼結す
ることを特徴とするガス用フィルタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256275A JPH0889728A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ガス用フィルタおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6256275A JPH0889728A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ガス用フィルタおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0889728A true JPH0889728A (ja) | 1996-04-09 |
Family
ID=17290387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6256275A Pending JPH0889728A (ja) | 1994-09-26 | 1994-09-26 | ガス用フィルタおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0889728A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006062294A1 (en) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Kaya Ama Inc. | Method for producing filter used in gas generating apparatus of car airbag |
CN100436203C (zh) * | 2004-11-29 | 2008-11-26 | 伽倻尖端素材技术株式会社 | 制造用在汽车气囊的气体发生装置中的过滤器的方法 |
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1994
- 1994-09-26 JP JP6256275A patent/JPH0889728A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006062294A1 (en) * | 2004-11-29 | 2006-06-15 | Kaya Ama Inc. | Method for producing filter used in gas generating apparatus of car airbag |
CN100436203C (zh) * | 2004-11-29 | 2008-11-26 | 伽倻尖端素材技术株式会社 | 制造用在汽车气囊的气体发生装置中的过滤器的方法 |
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