JPH088931A - Atm−lanシステム、atmスイッチ及びcatv網 - Google Patents

Atm−lanシステム、atmスイッチ及びcatv網

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JPH088931A
JPH088931A JP14022394A JP14022394A JPH088931A JP H088931 A JPH088931 A JP H088931A JP 14022394 A JP14022394 A JP 14022394A JP 14022394 A JP14022394 A JP 14022394A JP H088931 A JPH088931 A JP H088931A
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JP
Japan
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cell
terminal
atm
message
terminals
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JP14022394A
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English (en)
Inventor
Yasuro Shohata
康郎 正畑
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Two-Way Televisions, Distribution Of Moving Picture Or The Like (AREA)
  • Data Exchanges In Wide-Area Networks (AREA)
  • Small-Scale Networks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】端末の独立性が高く、かつATMスイッチのハ
ードウェア量を小さくできるATM−LANシステムを
提供する。 【構成】 複数の端末を複数のハブを介して接続し、端
末からハブを制御する形式のATM−LANシステムに
おいて、任意の入力ポートに入力したセルを任意の二つ
以上の出力ポートへコピーして出力するコピー接続機能
を有するATMスイッチ20と、ブロードキャストチャ
ネル上のメッセージの宛先情報に従って、予め定められ
たルーティングタグ群の一つから選択したルーティング
タグを該メッセージに付加してATMスイッチ20の所
定の入力ポートへ渡すルーティングタグ付加部102を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の端末を収容しそ
れら端末間で通信を行うためのローカルエリアネットワ
ーク(LAN)に関し、特に非同期転送モード(AT
M)で通信を行うATM−LANシステムと該ATM−
LANシステムを構成するハブに含まれるATMスイッ
チ、及び非同期転送モードで通信を行うCATV網に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、伝送/交換技術の高速化を狙
う技術として、ATM(非同期転送モード)が注目を集
めている。ATMは、全ての情報をセルと呼ばれる固定
長短パケットに担わせて転送する事により、パケット交
換のハードウェア実装を狙い、高速な情報の伝送/交換
を容易にする事を狙った技術である。
【0003】ATMは、将来の広帯域サービス統合ディ
ジタル網(B−ISDN)の“約束された解”と目され
ている。このことから、広域網へのインタオペラビリテ
ィを高めるべく、例えば一つのフロアといった限定され
た区域をサービス範囲とするネットワーク、即ちローカ
ルエリアネットワーク(LAN)に、ATM技術を適用
したいわゆるATM−LANに関する研究・開発が近年
活発である。しかしながら、今まで研究・開発されてき
たATM−LANには、以下のような問題点がある。
【0004】ATM通信網は、基本的にATMレイヤに
てコネクションオリエンティッドの通信を提供するもの
である。従来のATM−LANでは、収容する端末にコ
ネクションを設定する機能は網側機能として提供され
る。また、従来から分散オペレーティングシステムとい
ったLAN上で提供されるネットワーキングされたサー
ビスが多用している、“ある端末があるサービスを使用
しようとする際、該サービスを提供するホストをLAN
内ブロードキャストにて探索する”といった技術も、網
側機能として提供されているものを使用せざるを得な
い。即ち、従来のATM−LANは、端末の網側機能か
らの独立性が低い。これは結果として、網側機能によっ
てネットワーキングされるサービスの機能が制限されて
しまうという重大な欠点を内包してしまう事を意味す
る。また、通信資源の管理をワークステーションが行え
ないので、通信資源を使うプロセスのデッドロックを検
出できないという点も問題である。
【0005】このような問題に対して、コネクションを
設定する際、ハブが持つVP/VCリンク設定機能とV
P/VC連結機能とを端末からの指示にて制御すること
によって、コネクション設定を端末が主体となって行
い、もって網側機能からの端末の独立性を高めたATM
−LANシステムが考えられている。この場合、ATM
−LANシステムを構成するハブ(ノードとも呼ばれ
る)は、例えば端末からハブへのVP/VCリンク設定
機能とVP/VCリンクの連結機能への指示等を行うべ
くブロードキャストチャネルを準備するための機能を有
する。このブロードキャストチャネルのメッセージに
は、そのメッセージの宛先と送出元が書かれている。各
ハブは、ブロードキャストチャネル上のメッセージの宛
先を参照し、自分宛であればそのメッセージを取り込ん
でハブ設定プロセスへと転送することによって、コネク
ション設定プロセスからの指示を知る。メッセージの宛
先と送出元には、端末やハブに製造時から付加されるノ
ード番号と呼ばれるグローバルユニークな番号が書き込
まれている。製造時にグローバルユニーク性を保証して
付加する番号を宛先とすることにより、VP/VCリン
ク設定をブロードキャストチャネル上で指示する等、ブ
ロードキャストチャネルを用いた通信を電源投入時から
行う事ができる。
【0006】このブロードキャストチャネル上のメッセ
ージは、ATMセル一つに納めることとし、メッセージ
長が伸びる事による遅延の増大を抑えている。ブロード
キャストチャネル上のセルをブロードキャストセルと呼
び、また、ブロードキャストセル以外のセルをユーザセ
ルと呼ぶ。ブロードキャストセルとユーザセルは、各ハ
ブのインタフェース点からは混在して入力される。予め
定められたVPI/VCIを持つセルをブロードキャス
トセルと定義することにより、ブロードキャストセルと
ユーザセルの区別を行う。
【0007】ブロードキャストセルの転送宛先を指定す
る方法として、以下の3種類の方法が考えられる。
【0008】第1の方法は、ブロードキャストセルの転
送宛先のノード番号を宛先とする方法である。この宛先
を持つブロードキャストセルは、全ての端末/ハブに一
旦転送され、転送先においてこの宛先が参照され、自分
のノード番号と一致する端末/ハブのみが当該ブロード
キャストセルを取り込む動作を行う。
【0009】第2の方法は、あるブロードキャストセル
を全ての端末/ハブが取り込む様にする方法である。こ
れを示すために、宛先に例えばオール“1”といった予
め定められたビットパタンを予約する。これはATM−
LANシステム中でサービスを提供している場所を探
す、等の目的で使用される。
【0010】第3の方法は、あるブロードキャストセル
を当該セルを挿入した端末/ハブに直接物理リンクで接
続されたハブもしくは端末のみに渡し、その他の端末/
ハブには渡さないという方法である。これを示すため
に、宛先に例えばオール“0”といった予め定められた
ビットパタンを予約する。これはノード番号と組み合わ
され、ATM−LANシステムがどの様に接続されてい
るかをコネクション設定プロセスが認識する、即ち構成
認識を行うためのプロトコルの実行の為に使用される。
【0011】以上の3通りの宛先指定法を実現するため
には、ブロードキャストセルに前端末/ハブに転送する
ものと、物理リンクにて直接接続された端末/ハブのみ
に転送するものの2種類を規定する必要がある。前者を
全端末同報のブロードキャストセル、後者を隣接ノード
分岐のブロードキャストセルと呼ぶ。
【0012】各ハブは、ユーザセルについては以下に述
べる様な従来のATM−LANシステムと同様の処理を
行う。すなわち、各ハブは入力されたセルのVPI/V
CIを参照し、当該セルが属するVP/VCを知る。次
に、各ハブはそのVP/VCに属するセルの転送先であ
る送出先のインタフェース点およびその送出先のインタ
フェース点での新しいVPI/VCIを知る。各ハブ
は、意図された送出先のインタフェース点に入力セルを
転送すると同時に、新しいVPI/VCIに書き換え
る。この動作を行うため、各ハブは設定されているVC
/VP毎に、当該VP/VCに属するセルを送出するイ
ンタフェース点を示す情報と、送出先の新しいVPI/
VCIを示す情報を保持するテーブル(これをルーティ
ングタグテーブルと呼ぶ)を各ポート毎に備えている。
上述のハブ設定メッセージを受け取ると、ハブ設定プロ
セスは必要なポートのルーティングタグテーブルを更新
する事により、VP/VCリンクの設定と連結を行うこ
とになる。
【0013】一方、各ハブはブロードキャストセルにつ
いては、以下のような処理を行い、ATM−LANシス
テム全体としてブロードキャストチャネルを提供する。
ブロードキャストセルは、全てのハブ設定プロセスや端
末に、ただ1回、転送される必要がある。この様なブロ
ードキャストを行う方法として良く知られている方法
は、ATM−LAN中に木構造を定義し、その木構造に
沿ってブロードキャストセルをコピーしながら転送する
方法である。この木構造をブロードキャスト木と呼ぶ。
ハブ設定プロセスや端末は、ブロードキャスト木のリー
フとして定義される。
【0014】ここで、ブロードキャストチャネルを実現
する手法として以下の2種類が考えられる。
【0015】第1の方法では、上述のブロードキャスト
木のルートに、該ブロードキャスト木に沿ってリーフか
らルートに向かって、リーフである端末やハブ設定プロ
セスの送出したブロードキャストセルを転送し、一旦ブ
ロードキャスト木のルートに全て合流させる。その後、
合流させたトラフィックを再度ブロードキャスト木に沿
って、今度はルートから各リーフに向けて各ハブでコピ
ーを行いながら転送する。
【0016】この方法は、転送されるブロードキャスト
セル間に全順序が規定され、全端末、全ハブ設定プロセ
スが受け取るブロードキャストセルの順番が全て同一で
あるという分散OSを実現するために好ましい性質があ
る一方、一つのブロードキャストセルがブロードキャス
ト木に沿って2回転送されるので、ブロードキャストチ
ャネルのレイテンシが悪くなると同時にブロードキャス
トチャネルのトラフィックが増大してしまう、という問
題点がある。さらに、ブロードキャスト木のルートから
コネクション設定プロセスまでの経路上で障害が発生す
ると、ATM−LAN全体が動作しなくなってしまう、
という問題点もある。
【0017】第2の方法は、ブロードキャスト木を構成
する枝となっている物理リンクから入ってきたブロード
キャストセルを各ハブでコピーし、入ってきた枝以外の
枝となっている物理リンクへと送出する方法である。
【0018】この方法では、一つのブロードキャストセ
ルはただ1回ブロードキャスト木に沿って転送されるだ
けであるので、ブロードキャストチャネルのレイテン
シ、トラフィックとも第1の方法に比して小さく、ま
た、ATM−LAN内部に障害が発生しても、障害発生
ポイントからコネクション設定プロセスまでの間で規定
されるATM−LANの一部は動作を続けることが可能
であるという利点がある。しかしながら、ブロードキャ
ストセルの間に全順序が規定できない、即ち、それぞれ
の端末/ハブ設定プロセスが受信するブロードキャスト
セルの順序がそれぞれ毎に異なるという問題点がある。
【0019】例えば、ブロードキャストチャネル用のV
PI/VCIを第1のアルゴリズム用、第2のアルゴリ
ズム用それぞれに対して予約し、これらのアルゴリズム
の利点を生かすように、ブロードキャストセルにて提供
されるサービスの性質に応じてどちらかを選択するとい
った手法も考えられるが、第2の方法で必要なメッセー
ジ到着に係る全順序規定の可能なブロードキャストチャ
ネルは、いわゆるポイント−マルチポイントコネクショ
ンをコネクション設定プロセスがATM−LAN中に定
義できれば容易に構築可能であるので、ここでは以降の
説明においては、ブロードキャストチャネル実現の為
に、上述した第2の方法を使ってブロードキャストセル
の転送を各ハブが行っているものとして説明を進める。
【0020】上述の様にブロードキャストチャネルを実
現するためには、各インタフェース点に、該インタフェ
ース点がブロードキャスト木の枝である物理リンクを収
容しているか否かを示す情報が必要になる。
【0021】上述した思想で構築される改良されたAT
M−LANに対しては、ITU−T/ATM Foru
mといった標準化機関で策定されているATMに関する
標準(以下、ATM標準方式という)にて動作する端末
や上位のネットワークを接続したり、移動端末を収容し
たりすることが容易である。ノード番号がグローバルユ
ニークであるので、上記のATM標準方式にて策定され
るレイヤ3アドレスと、ノード番号との対応関係をコネ
クション設定プロセスが保持し、かつ必要な位置にコネ
クションを設定する事にしておけば、ATM標準方式と
のインタワーキングは容易である。また、ノード番号が
グローバルユニークであるので、一つのコネクション設
定プロセスのサービス範囲内(これを管理ドメインと呼
ぶ)での端末の移動のみならず、管理ドメインを越えた
端末の移動に対しても容易に対応することが可能であ
る。さらに、ブロードキャストチャネル上で、端末の必
要とするサービスを端末主導で検索可能なプロトコルを
実行することが可能なので、移動端末の種別をATM−
LANが意識する必要もない。
【0022】一方、上述の改良されたATM−LANシ
ステムのハブ内で使用されるATMスイッチとしては、
ポイント−ポイント接続のATMスイッチにバス型スイ
ッチを併設するもの、もしくは出力バッファ型でブロー
ドキャストセルのルーティングを実現する為に出力部に
アドレスフィルタを置く形式のものが考えられる。しか
し、前者の場合はブロードキャストセルを処理するため
に特別なハードウェアが必要で、かつバス型スイッチに
対してブロードキャストセルを分岐/挿入する部分に比
較的大容量のセルバッファが必要であり、後者の場合は
ユーザセル/ブロードキャストセルをコピーする為のバ
スの後ろに設けられるセルバッファに比較的大容量のセ
ルバッファや、ブロードキャストセルをルーティングす
るためのアドレスフィルタといった特別なハードウェア
が必要であり、いずれにしてもATMスイッチのハード
ウェア量が大きいという欠点が生じる。
【0023】また、CLSF(コネクションレスサービ
スファンクション)として良く知られている、コネクシ
ョンレス通信を行うパケットを処理する機能をコネクシ
ョン設定プロセスにて実現する場合、CLSFを任意の
ワークステーションに移してスループットを向上させる
という操作をユーザがいかにして行うことができるかも
課題となる。
【0024】さらに、上述の改良されたATM−LAN
システムでは、ITU−T/ATMForum標準に比
べてハブの制御系の機能が削減されることでコスト削減
が可能である。しかし、ATM−LANシステムのハブ
にATMスイッチ、物理レイヤ機能、ヘッダ書き換え機
能等、通話路系を実現するために数多くの部品を使用す
ると、例えばユーザがエディタを動作させる場合のよう
に、下り方向のトラフィックは大きいが、上り方向のト
ラフィックは小さいという端末をより安くATM−LA
Nに収容したいというユーザの要求に答えることは難し
い。
【0025】ところで、例えば M.DePrycker,W.Verbie
st,D.Mestdaghが、ISS92 の会議録pp.380-384に、“ A
TM PASSIVE NETWORKS : PREPARING THE ACCESS NETWORK
FORBISDN”と題された論文で開示した如く、同軸ケー
ブルや光スターカプラといった比較的安価な伝送媒体を
用いて多数の加入者を収容し、これらの加入者にビデオ
分配サービスや、ビデオオンデマンドといったサービス
を提供する、いわゆるCATV網をATM化しようとす
る動きが近年活発である。しかしながら、従来知られて
いるこの種の通信網の場合、光スターカプラを通じて転
送される情報はATMセルの形式をとっているが、光ス
ターカップラ上にコネクションを設定する為に、光スタ
ーカップラ上で定義された1セル長のスロットをコネク
ションを要求した端末に割り当てている。これは、いわ
ゆる回線交換、STMである。従って、加入者が例えば
1kbpsから10Gbpsまでといった如く幅広い伝
送帯域を要求する様になった場合、コネクションに対し
てスロットを割り当てるのが困難になったり、ATM公
衆網と接続する点においてアダプテーションを行わなけ
ればならないためにヘッドエンドのハードウェア量が大
きくなってしまったり、あるいはATM公衆網からの着
呼、公衆網への発呼といったATM公衆網のサービスを
受けるために一旦プロトコル変換が行われるのでサービ
スの透過性が悪いといった様に、ATM公衆網とのイン
タワーキングを考えたときにその制御が困難であり、ま
たヘッドエンドのハードウェア量が増大するという問題
が生じることになる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、端末の独立性を高くでき、かつATMスイッチのハ
ードウェア量を小さく抑える事のできるATM−LAN
システムおよび該ATM−LANに適したATMスイッ
チを提供することにある。
【0027】本発明の第2の目的は、端末の独立性を高
くでき、かつCLSFのネットワーキングを行う事ので
きるATM−LANシステムを提供することにある。
【0028】本発明の第3の目的は、通話路系を実現す
るために必要な部品点数を削減したハブを有するATM
−LANシステムを提供することにある。
【0029】本発明の第4の目的は、ATM公衆網との
インタワーキングが簡単で、ヘッドエンドのハードウェ
ア量も削減できるCATV網を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成するた
め、第1の発明は複数の端末を複数のハブを介して接続
し、前記端末間で同期転送モードによりセルを伝送して
通信を行うATM−LANシステムにおいて、前記複数
の端末の少なくとも一つに設けられ、バーチャルパスま
たはバーチャルチャネルのリンクを設定するためのリン
ク設定要求及び該リンクを連結するためのリンク連結要
求を送出する要求送出手段と、前記複数のハブ及び前記
複数の端末を接続し、前記要求送出手段から送出された
前記リンク設定要求およびリンク連結要求を含むメッセ
ージを前記複数のハブに対して転送するブロードキャス
トチャネルと、前記複数のハブのそれぞれに設けられ、
前記ブロードキャストチャネルから転送された前記リン
ク設定要求およびリンク連結要求を受けて前記リンクの
設定及び連結を行うリンク設定/連結手段とを具備し、
前記ハブは、前記セルを入力する複数の入力ポートと前
記セルを出力する複数の出力ポートおよび任意の入力ポ
ートに入力したセルを任意の二つ以上の出力ポートへコ
ピーして出力するコピー接続機能を有するATMスイッ
チと、前記ブロードキャストチャネル上のメッセージの
宛先情報に従って、予め定められたルーティングタグ群
の一つから選択したルーティングタグを該メッセージに
付加して前記ATMスイッチの所定の入力ポートへ入力
させるルーティングタグ付加手段とを有することを特徴
とする。
【0031】さらに、第1の発明はセルを入力する複数
の入力ポートとセルを出力する複数の出力ポートおよび
記憶手段を有し、各入力ポートから入力されたセルを該
記憶手段の所定のアドレスに一旦書き込み、該記憶手段
の所定のアドレスから各出力ポートへ出力するセルを読
み出すATMスイッチにおいて、(a) 前記複数の入力ポ
ートからそれぞれ入力されるセルを書き込むアドレスを
決定するための前記入力ポートの数と同数の書き込みア
ドレス決定タイムスロット群と、(b) 前記複数の出力ポ
ートのうち任意の二つ以上の出力ポートへ転送されるセ
ルを読み出すアドレスを決定するための一つのコピーセ
ル出力ポート決定タイムスロットと、(c) 前記コピーセ
ル出力ポート決定タイムスロットに続いて前記複数の出
力ポートから出力されるセルを読み出すアドレスを決定
するための前記出力ポートの数と同数の読み出しアドレ
ス決定タイムスロット群とを用いて前記記憶手段の書き
込みアドレスおよび読み出しアドレスを管理するアドレ
ス管理手段を有することを特徴とする。なお、上記記憶
手段はRAMにより実現され、共通のセルバッファを構
成する。
【0032】第2の目的を達成するため、第2の発明は
複数の端末を複数のハブを介して接続し、前記端末間の
通信を非同期転送モードにより行うATM−LANシス
テムにおいて、前記複数の端末の少なくとも一つに設け
られ、バーチャルパスまたはバーチャルチャネルのリン
クを設定するためのリンク設定要求及び該リンクを連結
するためのリンク連結要求を送出する要求送出手段と、
前記複数のハブ及び前記複数の端末を接続し、前記要求
送出手段から送出された前記リンク設定要求およびリン
ク連結要求を含むメッセージを前記複数のハブに対して
転送するブロードキャストチャネルと、前記複数のハブ
のそれぞれに設けられ、前記ブロードキャストチャネル
から転送された前記リンク設定要求およびリンク連結要
求を受けて前記リンクの設定及び連結を行うリンク設定
/連結手段と、前記複数の端末の少なくとも一つに設け
られたコネクションレスサービスを提供するための処理
を行うコネクションレスサービス処理手段と、前記複数
の端末のうちの前記コネクションレスサービス処理手段
を有しない端末に設けられ、該端末が前記コネクション
レスサービスを要求する際に前記コネクションレスサー
ビス処理手段を有する端末に向かうコネクションの設定
を前記要求送出手段に依頼するコネクション設定依頼手
段とを具備することを特徴とする。
【0033】また、前記コネクションレスサービス処理
手段は、前記コネクションレスサービスの制御メッセー
ジを転送するセルのヘッダ部のセル廃棄優先度ビットを
オフに、該コネクションレスサービスのデータメッセー
ジを転送するセルのヘッダ部のセル廃棄優先度ビットを
オンにそれぞれ設定するアダプテーション手段を有する
ことを特徴とする。
【0034】第3の目的を達成するため、第3の発明は
複数の端末を複数のハブを介して接続し、前記端末間の
通信を非同期転送モードにより行うATM−LANシス
テムにおいて、前記複数の端末の少なくとも一つに設け
られ、バーチャルパスまたはバーチャルチャネルのリン
クを設定するためのリンク設定要求及び該リンクを連結
するためのリンク連結要求を送出する要求送出手段と、
前記複数のハブ及び前記複数の端末を接続し、前記要求
送出手段から送出された前記リンク設定要求およびリン
ク連結要求を含むメッセージを前記複数のハブに対して
転送するブロードキャストチャネルと、前記複数のハブ
のそれぞれに設けられ、前記ブロードキャストチャネル
から転送された前記リンク設定要求およびリンク連結要
求を受けて前記リンクの設定及び連結を行うリンク設定
/連結手段と、前記ハブの各々のポートと前記複数の端
末のうちの二つ以上の端末との間に接続された光スター
カプラとを具備することを特徴とする。
【0035】第4の目的を達成するため、第4の発明は
複数の端末を光スターカプラもしくは同軸ケーブルから
なる分配手段を含む伝送路を介してヘッドエンドに接続
し、該ヘッドエンドと前記複数の端末との間の通信を非
同期転送モードによりセルの形で行うCATV網であっ
て、前記ヘッドエンドに設けられ、該ヘッドエンドから
前記端末への情報を伝送する下りリンクに予め定められ
た間隔でオーバーヘッドを送出することにより下りリン
ク上にフレームを定義し、該オーバーヘッドに囲まれた
ペイロード部分に前記セルを挿入するとともに、遅れ時
間測定メッセージを送出するフレームを該オーバーヘッ
ドにより指定する下りリンク情報送出手段と、前記端末
に設けられ、前記下りリンク上で定義されたフレームを
予め定められた個数に分割して上りリンクスロットとし
て設定する上りリンクスロット設定手段と、前記端末か
ら送出される遅れ時間測定メッセージによる時間測定の
結果に基づいて前記上りリンクスロット設定手段により
設定される上りリンクスロットの開始時間を早めること
により、前記伝送路による遅延を補償する伝送路遅延補
償手段とを具備することを特徴とする。
【0036】
【作用】第1の発明によると、ATM−LANシステム
を構成するハブにコピー接続の可能なATMスイッチを
用いることで、ブロードキャストセルのコピーをハブに
おいて実現するため、ATMスイッチ自体にブロードキ
ャストセルのコピーのための特別なハードウェアを持た
ずにブロードキャストチャネルを実現する事ができる。
しかも、ブロードキャストセルの宛先に従ってルーティ
ングタグを選択してするため、ATMスイッチの出力側
にアドレスフィルタのような特別なハードウェアを置く
必要もない。これによりATMスイッチのハードウェア
量が効果的に削減される。
【0037】また、第1の発明のATM−LANシステ
ムで使用するコピー接続機能を有する上記ATMスイッ
チとして、共通のセルバッファを備えたいわゆる共通バ
ッファ型スイッチを採用することにより、ユーザセルと
ブロードキャストセルの区別無く、ATMスイッチに含
まれるセルバッファを使用する事が可能であり、これに
よってハブ内に必要となるセルバッファの総量を大幅に
削減することが可能になる。
【0038】さらに、このようなコピー接続の可能な共
通バッファ型ATMスイッチにおいて、共通のセルバッ
ファを構成するRAMからセルを読み出す時、コピーセ
ルを読み出すアドレスを決定するコピーセル出力ポート
決定タイムスロットと、それに続いて出力される他のセ
ルを読み出すアドレスを決定するタイムスロットを明確
に分離することにより、コピーを実現する時の種々の問
題が解決される。
【0039】第2の発明によると、コネクションレスサ
ービスを要求する端末がコネクションレスサービス処理
手段であるCLSFプロセスを自律的にATM−LAN
システム中で検索できるようにしたので、ATM−LA
Nシステムの管理者が自由にCLSFプロセスを実装す
る端末の個数を変化させ、もって該ATM−LANシス
テム中で提供されるコネクションレスサービスのスルー
プットを決定することが可能となる。
【0040】また、ここでCLSFプロセスがATMレ
イヤに対して、制御メッセージを転送するセルのヘッダ
部のセル廃棄優先度(CLP)ビットをオフとし、デー
タメッセージを転送するセルのヘッダ部のCLPビット
をオンとして、前者のCLPを後者のそれよりも小さく
することで、ATMレイヤでの輻輳発生時であっても制
御メッセージが廃棄されにくく、結果としてスループッ
トの良いATM−LANシステムを提供する事が可能と
なる。
【0041】第3の発明によると、複数の端末を単なる
光スターカプラを介してハブの共通のポートに接続して
一つのインタフェース点に収容できるので、通話路形を
実現するために多くの部品を必要としない非常に安価な
構成で多数の端末を収容可能であるATM−LANを提
供することができる。
【0042】第4の発明によると、ATM多重を行う加
入者網を提供することができ、さらに加入者網において
スロッテドアロハというスループットの良い方式を使用
することが可能になるので、ATM公衆網などのATM
通信網とのインタワーキング性の高いCATV網を安価
に構築する事が可能となる。
【0043】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて詳細に説明する。
【0044】図1は、本発明の一実施例に係るATM−
LANシステムの全体構成を示している。このATM−
LANシステムは、ハブ1−1〜1−3を介して複数の
端末2−1〜2−4を接続した構成となっている。ハブ
1−1〜1−3と端末2−1〜2−4の間は、物理リン
ク7−1〜7−6にて接続されている。
【0045】さらに、このATM−LANシステム内
に、各ハブ1−1〜1−3及び各端末2−1〜2−3を
接続しているブロードキャストチャネル3が設けられて
いる。各ハブ1−1〜1−3には、ハブ設定プロセス4
−1〜4−3がそれぞれ備えられ、また端末2−1〜2
−4のうちの少なくとも一つ(この例では2−1)にコ
ネクション設定プロセス5が備えられる。
【0046】コネクション設定プロセス5は、任意のハ
ブ1−1〜1−3に対してVP(バーチャルパス)また
はVC(バーチャルチャネル)を構成するVP/VCリ
ンク6−1〜6−3を設定し、かつそれらを連結する要
求、即ちハブ設定要求をブロードキャストチャネル3に
向けて送出する機能を持っている。
【0047】ハブ設定プロセス4−1〜4−3は、ブロ
ードキャストチャネル3により転送されてきたハブ設定
要求を受けてVP/VCリンク6−1〜6−3の設定お
よびそれらリンクの連結を行う。
【0048】コネクション設定プロセス5が意図するハ
ブ上でVP/VCリンクが設定され連結されると、コネ
クション設定プロセス5が意図するVPもしくはVCが
ATM−LANシステム上に設定できる事になる。コネ
クション設定プロセス5は端末側プロセスであるので、
このコネクション設定プロセス5による通信資源の管理
情報を他のユーザプロセスと共有する事は容易である。
これによってデッドロック回避も可能である。
【0049】図2は、第1の発明の一実施例に係るAT
M−LANのハブの構成を示す図である。本実施例に係
るATM−LANのハブは、複数の回線インタフェース
(INF#1,…,INF#n)10−1,…,10−
n、ATMスイッチ20およびノード制御部30から構
成されている。
【0050】各回線インタフェース10−i(i=1,
…,n)は、受信側の物理レイヤ部101、ルーティン
グタグ付加部102、ルーティングタグ削除部103、
送信側の物理レイヤ部104、及び回線インタフェース
が収容する物理リンク上にブロードキャスト木の枝が存
在するか否かを示す機械式スイッチ105から成ってい
る。また、ノード制御部30はマイクロプロセッサ30
1、受信FIFOメモリ302、送信FIFOメモリ3
03、入力ポート304、ROM305、RAM306
より成っている。
【0051】マイクロプロセッサ301は、ROM30
5に予め記憶されているプログラムに従って動作し、本
実施例に係るハブ全体の制御を行う。この為、各回線イ
ンタフェース10−iの各構成部、受信側の物理レイヤ
部101、ルーティングタグ付加部102、ルーティン
グタグ削除部103、送信側の物理レイヤ部104はマ
イクロプロセッサ301の指令を受けて各種動作を行う
様に構成されている。図が煩雑になるのを防ぐため、図
2ではこの為に必要となる信号経路は図示されていな
い。また、各回線インタフェースが含む機械式スイッチ
105は、ノード制御部30の入力ポート304に接続
されているものとする。
【0052】図3に、本実施例に係るハブに含まれるA
TMスイッチ20の扱うセルのフォーマットを示す。A
TMスイッチ20は、ITU−Tにて規定された形式の
セル(ここではこの形式を持つセルを国際標準セルと呼
ぶ)の先頭に8ビットのルーティングタグの付いた形式
のセル(ここではこの形式を持つセルを内部セルと呼
ぶ)をスイッチングする。ATMスイッチ20はコピー
接続機能、つまり任意の入力ポートに入力したセルを任
意の二つ以上の出力ポートへコピーして出力する機能を
有するものであり、8ビットのルーティングタグは、ビ
ットマップ方式として良く知られた形式にて該セルを転
送すべき出力ポートを指定する。図3に例示されたフォ
ーマットの場合、ATMスイッチ20の最大のポート数
を8としているが、ビットマップ方式とは以下の様な方
式である。即ち、ルーティングタグの各ビットと、AT
Mスイッチ20の各ポートを対応させておく。送出ポー
トの指定は、該ルーティングタグのビットを1とする事
で行う。ATMスイッチ20は、該ルーティングタグの
うちで1となっているビットに対応するポートへ該セル
を送出する。複数ビットで1となっていれば、必要に応
じてATMスイッチ20はセルをコピーして出力する。
ルーティングタグが全て0である内部セルは、以降のフ
ィールドに有意情報を保持していない、いわゆる空セル
である。
【0053】本実施例の場合、全てのポートでITU−
T標準でUNIセルと呼ばれる形式の国際標準を扱うも
のとしている。即ち、国際標準セルのヘッダ部5バイト
は、前から順にGFCフィールド、VPIフィールド、
VCIフィールド、PTIフィールド、CLPビット、
HECフィールドである。これらのフィールドの意味は
ITU−T標準に準拠している。ただし、VPIフィー
ルド、VCIフィールドのビットパタンの内の一つが予
めブロードキャストチャネル用に予約されている。この
予約する値は、本発明の有効性に何等影響を与えない
が、ここでは、この予約された値としてオール“1”を
採用し、以下の説明を進める。
【0054】ユーザセルの場合、国際標準セルの情報部
にはユーザ情報が担われるが、ブロードキャストセルの
場合は、端末からハブへの指示が書かれる。ここでは、
ブロードキャストセルの情報部の使い方としては、特願
平5−120351に示したものを前提として説明を進
める。即ち、前から順に宛先アドレス、送出元アドレ
ス、メッセージ種別、メッセージ番号、メッセージ内
容、BIP−8である。これらのフィールドの実際の値
は、特願平5−120351に開示されたものと同様で
あるとする。なお、ITU−T標準のOAMセルと合わ
せ、BIP−8の代わりにCRC−10を採用すること
にしても構わない。この場合、メッセージ内容フィール
ドがオクテットの整数倍にならず、メッセージ内容フィ
ールドの作成の為の手間が増大するという欠点がある。
【0055】以下、これらの図を参照しながら、本実施
例に係るATM−LANにおけるハブの動作を詳細に説
明する。
【0056】まず、各回線インタフェース10−iは、
以下の動作を行う。ハブの外部から物理リンクを通じて
入力されるビット列は、物理レイヤ部(受信側)101
に入力される。物理レイヤ部(受信側)101では、該
入力されたビット列に対してフレーム同期、セル同期操
作を行ってセル流を再生し、ルーティングタグ付加部1
02へと出力する。
【0057】ルーティングタグ付加部102では、物理
レイヤ部(受信側)101から受信したセル流に含まれ
るそれぞれのセルに、ATMスイッチ20での該セルの
ルーティングを指定するルーティングタグを付加し、A
TMスイッチ20の入力ポートへと渡す。
【0058】ATMスイッチ20は、各回線インタフェ
ース10から入力されたセルを該セルに付加されたルー
ティングタグに従ってスイッチングし、所望の出力ポー
トへと転送する。このより詳細な方法は、後ほど説明す
る。
【0059】ATMスイッチ20の出力ポートから一つ
の回線インタフェース10に向けて送出されたセルは、
ルーティングタグ削除部103において、該セルに付加
されたルーティングタグが削除されてインタフェース点
上でのフォーマットへと戻され、物理レイヤ部(送信
側)104へ転送される。物理レイヤ部(送信側)で
は、渡されたセルのヘッダ中のHEC値を計算してHE
Cフィールドを書き換え、該物理レイヤ部(送信側)1
04の作成しているフレームのペイロード部分に乗せら
れ、ハブの外部へと送出される。
【0060】一方、ATMスイッチ20の出力ポートか
らノード制御部30に向けて送出されたセルは、一旦受
信バッファ302に保持される。受信バッファ302に
は、外部から固定的に、もしくはマイクロプロセッサ3
01により受信バッファ制御の為の内部レジスタ群の一
部に、電源投入時に該ハブに付加されたノード番号が与
えられている。ATMスイッチ20からセルを受け取る
と、受信バッファ302は受け取ったセルの宛先アドレ
スを参照し、以下の動作を行う。すなわち、受け取った
セルの宛先アドレスが全端末同報であるか、もしくは隣
接ノード分岐である場合は、マイクロプロセッサ301
に引き渡すべく、一旦保持する。宛先アドレスがその他
の値の場合は、前記与えられたノード番号と、該受け取
ったセルの宛先アドレスフィールドを比較し、一致した
場合にのみマイクロプロセッサ301に引き渡すべく、
一旦保持する。一致しなかった場合は廃棄する。
【0061】マイクロプロセッサ301は、受信バッフ
ァ302にセルが保持されたことを割り込みやポーリン
グといった良く知られた手法により関知する。受信バッ
ファ302にセルが保持されたならば、マイクロプロセ
ッサ301は該セルをRAM306へと転送する。マイ
クロプロセッサ301は、ROM305に保持されたプ
ログラムに従ってRAM306に転送されたセルを解析
し、該セルにて指示された動作を行う。
【0062】一方、マイクロプロセッサ301がハブ外
部に情報を転送するときは、該外部に転送したい情報を
持つセルを送信バッファ303上に作成する。送信バッ
ファ303は、マイクロプロセッサ301によりセルが
一つ作成されると、ATMスイッチ20に向けて送出す
る。ATMスイッチは、ノード制御部30から渡された
セルも、回線インタフェースから渡されたセルと同様、
該セルに付加されたルーティングタグに従って所望の出
力ポートへと転送する。
【0063】次に、各回線インタフェース10−iのル
ーティングタグ付加部102およびルーティングタグ削
除部103のより詳細な動作について説明する。
【0064】まず、ルーティングタグ付加部102につ
いて説明する。各回線インタフェース10−iのルーテ
ィングタグ付加部102は、ルーティングタグテーブル
を内蔵している。該ルーティングタグテーブルはマイク
ロプロセッサ301による設定/変更が可能な様に構成
されている。該ルーティングタグテーブルは、ユーザセ
ルのATMスイッチでのルーティングの為に必要なルー
ティングタグを保持するために使用される。
【0065】ルーティングタグ付加部102は、物理レ
イヤ部(受信側)101からセルを受け取ると、該セル
のVPI/VCIフィールドを参照し、該セルがユーザ
セルであるか、ブロードキャストセルであるか、判断す
る。該セルがユーザセルである場合、該セルの持つVP
I/VCIに対応するルーティングタグテーブルのエン
トリを参照し、該セルが送出されるべき出力ポートを示
すルーティングタグを該セルに付加する。
【0066】コピー接続の可能なATMスイッチ20を
採用する場合、良く知られているように、それぞれのコ
ピーコネクションをVPI/VCIではなく、ハブ内部
のみで一意である特別な識別子にて識別するのが適当で
ある。あるコピーコネクションについて考えると、該コ
ピーコネクションの入力部に一つのVPI/VCI、該
コピーコネクションがn個の出力ポートに向けて設定さ
れているとすれば、該コピーコネクションの出力部にn
個のVPI/VCIがそれぞれ付けられており、これら
の識別子のどれかを使うよりは、別に識別子を定義した
方がコピーコネクションの制御が単純になるからであ
る。この識別子をコピーコネクション識別子と呼ぶ。こ
の識別子は、ノード制御部30のマイクロプロセッサ3
01が独立して管理する事が可能である。本実施例の場
合、ATMスイッチ20は、後に述べるように、セルの
コピーを作成するとき、該セルのビットパタンを書き換
えるようには構成されていない。ATMスイッチ20を
経由した後、ルーティングタグ削除部103において、
必要な値をVPI/VCIフィールドに書き込む時の手
がかりとする為、本実施例に係るATM−LANのハブ
では、該コピーコネクション識別子を国際標準セルのV
PIフィールドに書き込む事としている。VP交換のサ
ポートを行うため、VCIフィールドについては、ルー
ティングタグ付加部102はトランスペアレントとして
いる。
【0067】さらに、本実施例に係るATM−LANの
ハブの場合、ルーティングタグ付加部102がブロード
キャストセルの内の全端末同報のブロードキャストセル
に付加するルーティングタグを保持するレジスタを内蔵
している。ブロードキャストセルに付加するルーティン
グタグは、以下の様にしてマイクロプロセッサ301に
より計算され、該ルーティングタグを保持するレジスタ
に設定される。即ち、マイクロプロセッサ301は、ま
ず、各回線インタフェース10−iの機械式スイッチ1
05の値を入力ポート304を通じて読み取る。
【0068】次にマイクロプロセッサ301は、該読み
とった値と、上述のブロードキャストチャネル実現用ア
ルゴリズム、即ち、該機械式スイッチ105にてブロー
ドキャスト木があると指定されているインタフェース点
から入力されたブロードキャストセルは、自分以外の回
線インタフェースの内、該機械式スイッチ105にてブ
ロードキャスト木がある指定されているインタフェース
点へと転送するというアルゴリズムとから、各回線イン
タフェース10−i毎にブロードキャストセル用のルー
ティングタグを計算し、ルーティングタグ付加部102
の内蔵するレジスタに設定する。設定の契機は、該ハブ
の電源投入時、もしくは機械式スイッチ105に設定さ
れた値が変化した時である。
【0069】ルーティングタグ付加部102が物理レイ
ヤ部(受信側)101からセルを受け取り、該セルのV
PI/VCIフィールドを参照した結果、該セルがブロ
ードキャストセルであると認識した時は、ルーティング
タグ付加部102は次にブロードキャストセルの宛先ア
ドレスフィールドを参照し、該ブロードキャストセルが
隣接ノード分岐のブロードキャストセルであるか、全端
末同報のブロードキャストセルであるかを判断する。
【0070】全端末同報のブロードキャストセルの場
合、前記ブロードキャストセル用のルーティングタグを
保持したレジスタからルーティングタグを取り出し、該
入力されたセルに付加してATMスイッチ20へと送出
する。ブロードキャストセルは、どのハブのどの出力ポ
ートであっても全て同一のVPI/VCI値を持ってい
るので、ユーザセルとは異なり、VPI値のコピーコネ
クション識別子への書き換えは行わない。
【0071】一方、受け取ったセルが隣接ノード分岐の
ブロードキャストセルである場合、ルーティングタグ付
加部102はノード制御部30の接続されたポートにの
み向かう事を指示するルーティングタグを付加し、AT
Mスイッチ20に出力する。このノード制御部30の接
続されたポートにのみ向かう事を指示するルーティング
タグについても、マイクロプロセッサ301が電源投入
時にルーティングタグ付加部102に内蔵されたレジス
タに予め書き込んでおくものとする。また、この時もV
PIフィールドの書き換えは行わない。
【0072】なお、隣接ノード分岐のブロードキャスト
セルに対して応答を返すときに、全端末同報のブロード
キャストセルとする事も可能であるが、これを行うと例
えばATM−LANの電源立ち上げ時にブロードキャス
トチャネル3に一斉にブロードキャストセルが与えられ
る結果となり、望ましくない。このため、隣接ノード分
岐のブロードキャストセルに対して応答を返すときは、
該隣接ノード分岐のブロードキャストセルが到着したポ
ートに対してのみ、隣接ノード分岐のブロードキャスト
セルにて応答を返すことが望ましい。これを実現するた
めには、ルーティングタグ付加部102が隣接ノード分
岐のブロードキャストセルの例えば宛先フィールドのプ
ロセス番号の部分、もしくはVPI/VCIフィールド
の一部に、自分に付けられたポート番号を書き込む事
で、ノード制御部30に該隣接ノード分岐のブロードキ
ャストセルが到着したポート番号を通知する様にしても
よい。ノード制御部30は、該ポート番号を参照し、隣
接ノード分岐のブロードキャストセルによる応答メッセ
ージに付けるルーティングタグを所望のポートにのみ転
送するように設定する事になる。
【0073】次に、ルーティングタグ削除部103につ
いて説明する。
【0074】ルーティングタグ削除部103は、新規V
PI/VCIテーブルを内蔵している。ルーティングタ
グ付加部102に内蔵されたルーティングタグテーブル
と同様、この新規VPI/VCIテーブルはマイクロプ
ロセッサ301による設定/変更が可能な様に構成され
ている。該新規VPI/VCIテーブルは、ユーザセル
がインタフェース点に向けて送出される時のVPI/V
CI値を保持するために使用される。
【0075】上述したように、ルーティングタグ付加部
102において内部セルのVPIフィールドにコピーコ
ネクション識別子が記述される。新規VPI/VCIテ
ーブルは、該コピーコネクション識別子をキーとしてア
クセス可能な様に構成されている。
【0076】ルーティングタグ削除部103は、ATM
スイッチ20からセルを受け取ると、まずVPIフィー
ルドを参照し、入力されたセルがブロードキャストセル
か、ユーザセルか判断する。コピーコネクション識別子
の値として255、すなわち全て1を使用しないという
規約を設ける事で、VPIフィールドが全て1であれば
ブロードキャストセル、そうでなければユーザセルと判
断することが可能になる。
【0077】受け取ったセルがブロードキャストセルで
ある場合、ルーティングタグ削除部103はルーティン
グタグ付加部102にて付加されたルーティングタグを
削除し、国際標準セルとして物理レイヤ部(送信側)1
04へと渡す。受け取ったセルがユーザセルである場
合、ルーティングタグ削除部103は、ルーティングタ
グを削除すると同時に、VPIフィールドの値をキーと
して該セルが送出される時に持つべきVPI/VCI値
を新規VPI/VCIテーブルから取り出し、該セルの
VPI/VCIフィールドを書き換える。ここで、各コ
ピーコネクション識別子毎に、該識別子にて識別される
コネクションがVC交換を受けるか、VP交換を受ける
かを指定するビットを新規VPI/VCIテーブルの各
エントリに設け、VP交換を受けるとされるコネクショ
ンに属するセルであればVPIのみを、VC交換を受け
るとされるコネクションに属するセルであればVPIと
VCIを、それぞれ書き換える様にルーティングタグ削
除部103を構成すると、より望ましい実施例となる。
【0078】なお、GFCフィールドについてはルーテ
ィングタグ付加部102、ルーティングタグ削除部10
3共にトランスペアレントとする。以降に説明するよう
に、本実施例のATM−LANでは端末−端末間のフロ
ー制御にGFCフィールドが使用される様に構成されて
も良い。
【0079】また、ノード制御部30の受信FIFOメ
モリ302には、内部セルの形式、即ちルーティングタ
グが付加された形式にてセルが受信されることに注意が
必要である。また、送信FIFOメモリ303には、内
部セルの形式にてセルを格納する必要があることにも注
意が必要である。マイクロプロセッサ301は、送信F
IFOメモリ303にセルを書き込む時、必要となるル
ーティングタグを付加した形式のブロードキャストセル
を作成する。全端末同報のブロードキャストセルに付加
するルーティングタグは、回線インタフェース10−i
の機械式スイッチ105に設定された情報を入力ポート
304を経由して読み取ると、マイクロプロセッサ30
1にて計算することが可能になる。即ち、上述のブロー
ドキャストチャネル実現のためのブロードキャストセル
のルーティングアルゴリズムに従い、該機械式スイッチ
105にてブロードキャスト木が設定されていると指定
されている回線インタフェース全てに該ブロードキャス
トセルを転送するようにすれば良い。一方、隣接ノード
分岐のブロードキャストセルについては、該ブロードキ
ャストセルを転送したい先の回線インタフェースを指定
する様なルーティングタグを付加する事になる。
【0080】さらに、本実施例ではコスト削減の為にル
ーティングタグ付加部102にて付加される情報はルー
ティングタグ8ビットだけであるとしたが、例えばルー
ティングタグを32ビットにしたり、コピーコネクショ
ン識別子16ビットとし、VPIフィールドに上書きせ
ずにルーティングタグと国際標準セルの間に挟み、ルー
ティングタグ削除部103が参照する位置を変化させる
等、付加される情報の変形は本発明の有効性を損なうも
のでは無いことに注意が必要である。
【0081】さらにまた、ATMスイッチ20にかかる
負荷を削減するため、不要なブロードキャストセルをノ
ード制御部30に転送しないようにすべく、ルーティン
グタグを変化させてブロードキャストセルに付加する動
作を行う様にルーティングタグ付加部102を構成する
事も可能である。ルーティングタグ付加部102は、物
理レイヤ部(受信側)101からセルを受け取った時、
該セルがブロードキャストセルであるならば、宛先アド
レスフィールドを参照し、該宛先アドレスフィールドの
値に従って、以下のように付加するルーティングタグを
変化させる。
【0082】即ち、宛先アドレスフィールドが全端末に
転送する事を示していれば、上述のマイクロプロセッサ
301から設定されたルーティングタグで全端末同報の
ブロードキャストセル用であるものを付加する。一方、
宛先アドレスフィールドが隣接ノード分岐の場合は、上
述と同じく、マイクロプロセッサ301から設定された
ルーティングタグで隣接ノード分岐のブロードキャスト
セル用であるものを付加する。宛先アドレスフィールド
に、ある端末もしくはハブ設定プロセスが指定されてい
たならば、ルーティングタグ付加部102は、次に、該
ハブに付加されたノード番号と該宛先アドレスフィール
ドを比較する。一致していれば、ノード制御部30にの
み向かうルーティングタグ、即ち隣接ノード分岐のブロ
ードキャストセル用のルーティングタグを付加する。一
致していなければ、全端末同報のブロードキャストセル
用のルーティングタグと、隣接ノード分岐のブロードキ
ャストセル用のルーティングタグの各ビットの論理否定
をとったものとの、各ビットの論理積をとったものをル
ーティングタグとして与える。ここで与えられるルーテ
ィングタグは、ここで述べた様に操作を加える事で、ノ
ード制御部を除くブロードキャスト木の枝へと該セルを
コピーして転送する様な形式となる。
【0083】なお、以上のアルゴリズムを実行するため
に必要となるノード番号は、マイクロプロセッサ301
が電源投入時にルーティングタグ付加部102の内部レ
ジスタに設定するようにしても良いし、あるいはルーテ
ィングタグ付加部102を実現するLSIの外部ピンに
DC信号として与えるようにしても良い。
【0084】上述したように、ノード番号による処理を
ルーティングタグ付加部102にて行う事にすると、A
TMスイッチ20の負荷が低下するという利点の他に、
受信FIFOメモリ302でのノード番号によるアドレ
スフィルタリングが不要となり、受信FIFOメモリ3
02として汎用のFIFOメモリが使用可能になるとい
う利点もある。
【0085】この場合さらに、受信FIFOメモリ30
2でのアドレスフィルタリングを行わないので、あるV
PI/VCIを持つユーザセルをノード制御部30に転
送する様にルーティングタグ付加部102に含まれるル
ーティングタグテーブルを設定し、マイクロプロセッサ
30にてAAL5といったアダプテーションプロトコル
を実行すると、各端末とノード制御部30との間に任意
長のメッセージの転送が可能なコネクションが設定でき
るようになるという利点もある。このように端末とノー
ド制御部30の間にコネクションを設定できるようにな
ると、マイクロプロセッサ30に要求される処理能力は
大きくなるが、例えば、今後ATMフォーラム等で規定
されるNNI(ATM−LANのハブ間のインタフェー
ス)に従って端末から各ATM−LANのハブを制御で
きるようになり、マルチベンダ性という観点からはより
望ましいATM−LANのハブを構成する事が可能にな
る。さらに、該ハブにおいて実行されるプログラムを端
末からロードするといった事を考える場合、ブロードキ
ャストセル上にプログラムをロードするプロトコルを記
述するよりも、セルの情報部をより多く該ロードされる
プログラムを構成するデータに割り当てる事ができ、よ
り効率的にプログラムをロードする事が可能になる。
【0086】図3に示した本実施例に係るATM−LA
Nのハブにおいては、回線インタフェース10−iのル
ーティングタグ付加部102及びルーティングタグ削除
部103との間でのセル転送において、セルの転送方向
と反対方向にフロー制御の為の破線で示した信号が設け
られている。このフロー制御の信号は、受信FIFOメ
モリ302及び送信FIFOメモリ303との間にも同
様に設けられている。この信号は、セルを転送する先に
新たにセルを保持する領域が残っている事を指示するた
めに設けられている。例えば、ルーティングタグ付加部
102からATMスイッチ20へのセル送出時、送信F
IFOメモリ303からATMスイッチ20へのセル送
出時には、ルーティングタグ付加部102や送信FIF
Oメモリ303がこの信号を参照し、ATMスイッチ2
0に新たにセルを保持する領域があるか否か判断し、新
たにセルを保持する領域がある場合に限り、セルを送出
するようにする。ATMスイッチ20からルーティング
タグ削除部103や受信FIFOメモリ302へのセル
の送出時も、同様に処理される。この信号の効果につい
ては、後に詳しく説明する。
【0087】以上、本実施例におけるルーティングタグ
付加部102及びルーティングタグ削除部103の動作
の詳細な説明を行った。なお、ここで説明した動作は、
以下に説明する共通バッファ型のコピー接続の可能なA
TMスイッチのみに適応するのではなく、例えば本発明
者が特開平5−167607にて開示したATMスイッ
チに代表される様な、一般的に議論されているコピー接
続の可能なATMスイッチに適用することが可能である
ことは言うまでもない。
【0088】図4に、ATMスイッチ20の詳細な構成
を示す。本実施例に係るハブに含まれるATMスイッチ
20は、各入力ポート#i対応に設けられ、該入力ポー
トから入力されるセルをATMスイッチ20内部のパラ
レル度にシリアル−パラレル変換(S/P変換)するシ
リアル−パラレル変換器201−0〜201−7と、該
シリアル−パラレル変換器201−0〜201−7のパ
ラレル出力を一旦保持する入力レジスタ202−0〜2
02−7と、セルを保持する領域を提供するRAM20
4と、該RAM204の使用状況を管理するためのアド
レス管理部203と、各出力ポート#i対応に設けら
れ、該RAM204の出力データを一旦保持する出力レ
ジスタ205−0〜205−7と、該出力レジスタ20
5−0〜205−7の出力を受け取り、パラレル−シリ
アル変換(P/S変換)を行って各出力ポート#iから
セルを送出するパラレル−シリアル変換器206−0〜
206−7とからなっている。なお、各入力ポートから
出力されるフロー制御信号、及び各出力ポートから入力
されるフロー制御信号(同図では破線で記述)は、それ
ぞれアドレス管理部203に接続されている。
【0089】次に、図4及び図5を参照しながら、本実
施例に係るATMスイッチ20の動作を説明する。図5
は、本実施例に係るATMスイッチ20の動作タイミン
グを示すタイミングチャートである。
【0090】本実施例に係るATMスイッチ20は、以
下の様に動作する。入力ポートもしくは出力ポートでの
セルの入出力に伴うATMスイッチ20の動作は、一つ
のセルを入出力可能な時間(これをセルスロットと呼
ぶ)毎に同じ動作が繰り返されている。図5に示すよう
に、ATMスイッチ20内では予め定められた個数の小
片にセルスロットを分割して入力されたセルの処理を進
める。この予め定められた個数の小片をサブセルスロッ
トと呼ぶ。本実施例のATMスイッチ20では、内部セ
ルが54バイト長と、3で割り切れる長さであるため、
セルスロットは3個のサブセルスロットに分割されてい
る。ここで、内部セルの長さを54バイト以外の値、例
えば64バイトのように4で割り切れる長さに設定した
場合、セルスロットを4個のサブセルスロットに分割し
ても、本発明の有効性になんら影響を及ばさないことに
注意が必要である。4個のサブスロットに分割する事
で、フロー制御信号の入出力タイミングを改善する事が
できる。
【0091】さらに、各サブセルスロットは前半部と後
半部に分けられている。各サブセルスロットの前半部で
RAM204に対して入力ポートから入力されたセルを
書き込み、後半部でRAM204からセルを読み出して
出力ポートへと転送する。各サブスロットの前半部と後
半部は、(入出力ポート数+1)に等しいタイムスロッ
トにさらに分割されている。
【0092】各入力ポート毎に存在するシリアル−パラ
レル変換器201−iは、サブセルスロット毎に入力さ
れる、セルの一部であるところのセル小片を取り込み、
パラレル形式へと変換する。本実施例では、セルスロッ
トが3個のサブセルスロットに分割されているので、セ
ル小片は一つの内部セルの1/3、即ち144ビットに
て構成されている。この為、シリアル−パラレル変換器
201−iは入力されたセルを144ビットパラレルの
形式に変換する。この144ビットパラレルの形式は、
以降入力レジスタ202−i、RAM204、出力レジ
スタ205−iを経由して、パラレル−シリアル変換器
206−iへの入力まで使用される。即ち、入力レジス
タ202−i、RAM204のデータバス、出力レジス
タ205−iはそれぞれ144ビット幅となっている。
パラレル−シリアル変換器206−iでは、サブセルス
ロット毎に、出力レジスタ205−iから144ビット
パラレルの形式のセル小片を受け取り、パラレル−シリ
アル変換を行い、所望のパラレル度へとセル小片を変換
して出力ポートから出力する。
【0093】本実施例に係るATMスイッチ20におい
ては、入力ポートからのセル入力と出力ポートからのセ
ル出力は、同位相で行われる様にタイミング設計がなさ
れている。即ち、セルスロットの開始時に入力ポートか
らセルの入力が開始され、それと同時に出力ポートから
セルの出力が開始される。この為、セルスロットの開始
を示す信号をATMスイッチ20の外部から与え、該信
号に同期してルーティングタグ付加部102やルーティ
ングタグ削除部103がATMスイッチ20とセルのや
りとりを行うようにしてもよい。
【0094】セルを構成する最初のセル小片#1が入力
ポートから入力され、シリアル−パラレル変換器201
−iに入力されると、該セル小片が144ビットパラレ
ル形式に変形される。144ビットパラレル形式に変形
されたセル小片は、次のサブセルスロットの先頭で、入
力レジスタ202−iへと転送される。次のサブセルス
ロットの前半に含まれるタイムスロットの内、入力ポー
ト数に等しい部分において、それぞれのタイムスロット
毎にそれぞれの入力ポートから入力されたセル小片が順
次RAM204へと書き込まれてゆく。セル小片#2,
#3も同様に、該セル小片が入力されたサブセルスロッ
トの次のサブセルスロットの前半部の各タイムスロット
で、RAM204に書き込まれる。
【0095】入力されたセルをRAM204へ書き込む
為には、それぞれのセルを該RAM204の何処に書き
込むか、即ち書き込みアドレスを決定する必要がある。
この為、セル小片#1に含まれるルーティングタグが、
シリアル−パラレル変換器201−iからアドレス管理
部203へと渡される。アドレス管理部203では、後
で述べる方法によりRAM204のアドレスを管理して
おり、各入力ポートからのセルそれぞれに対してRAM
204のアドレスを割り当てる。各セル小片#1〜#3
のRAM204への書き込み時のそれぞれのタイムスロ
ットでは、それぞれのセルに割り当てられたアドレスが
RAM203に向けて送出される。RAM203は、ア
ドレス管理部203によって送出されたアドレスに基づ
き、セルの書き込みを行う。この時、セルが入力されは
したが、RAM204のアドレスが割り当てられなかっ
た場合、該セルの受け取りに失敗する事になる。各入力
ポートのフロー制御線は、セルの受け取りを成功した
か、失敗したかを該セルの送出元へと通知する信号であ
る。アドレス管理部203は、アドレス割り当ての正否
に基づき、該フロー制御線を所望のレベル(例えば成功
=Hレベル、失敗=Lレベル)に駆動する。
【0096】一方、セルの読み出し時には、セルを読み
出すRAM204のアドレスをポート毎に決定する必要
がある。本実施例においては、サブセルスロット#3の
前半部で、アドレス管理部203がそれぞれの出力ポー
トから出力するセルを含むRAM203のアドレスを後
で述べる方法によって決定する。サブセルスロットにタ
イムスロットが(出力ポート数+1)だけ含まれてい
る。これらのサブセルスロットは、後ほど説明する方法
で一つの出力ポートのみに転送されるセル(これをP−
Pセルと呼ぶ)のアドレスをそれぞれの出力ポート毎に
計算する為に使用され、残りの一つのタイムスロットが
複数の出力ポートへと転送するセル(これをコピーセル
と呼ぶ)のアドレスを計算するために使用される。
【0097】アドレス管理部203は、サブセルスロッ
ト#3の後半部で、次のセルスロットにて出力されるセ
ルのセル小片#1をそれぞれの出力ポート毎に読み出す
べくRAM204にアドレスを与える。RAM204か
ら読み出されたセル小片#1は、出力レジスタ205−
iに転送される。ここで、P−Pセルとコピーセルの処
理法が一つの大きな技術的課題となるが、これについて
は後ほど詳しく説明する。
【0098】出力レジスタ205−iに転送されたセル
小片#1は、次のサブセルスロット(サブセルスロット
#1)の先頭でパラレル−シリアル変換器206−iへ
と転送され、パラレル−シリアル変換を受けて所望のパ
ラレル度へと変換された後、出力ポートから送出され
る。
【0099】以降、同様にアドレス管理部203は、サ
ブセルスロット#1、サブセルスロット#2の後半部
で、次のサブセルスロットにて送出するセル小片#2、
#3を出力ポート毎に読み出すべくRAM204にアド
レスを出力する。RAM204から読み出されたセル小
片は、それぞれ出力レジスタ205−iへと転送され、
パラレル−シリアル変換器206−iにてパラレル−シ
リアル変換を受けて所望のパラレル度へと変換された
後、出力ポートから出力される。
【0100】出力ポートから出力されたセルを受信する
バッファは、サブセルスロット#2の前半部が終了する
までに、該セルの受け取りが正常に行われたかを示すフ
ロー制御線を所望のレベル(例えば成功=Hレベル、失
敗=Lレベル)に駆動するものとしている。送出先で正
常にセルが受け取られた場合、該セルをRAM204か
ら削除する必要がある。この読み出しセル削除操作は、
サブセルスロット#2の後半部のタイムスロットにて行
われる。この操作の方法も、後ほど詳しく説明される。
【0101】ここで、シリアル/パラレル変換器−入力
レジスタ−RAM−出力レジスタ−パラレル/シリアル
変換器の間のデータ転送は、セルスロット中のどのタイ
ムスロットにて実行すればよいか、予め決まっているこ
とに注意が必要である。このため、これらのデータ転送
はセルスロットの開始時にリセットされるカウンタにて
制御することができる。ノイズその他の原因によりカウ
ンタが誤動作しても、セルスロット毎にリセットをかけ
ているので、次のセルスロットからはこのカウンタが再
度正常に動作可能という通信機器にとって望ましい特性
をデータ転送制御系に与えることができることに注意が
必要である。
【0102】図6に、アドレス管理部203の詳細な構
成を示す。同図に示されるように、アドレス管理部20
3は、空きアドレスキュー501、各出力ポートに対応
した出力ポートキュ−502−0〜502−7、コピー
用キュー503、ルーティングタグ解析部504、フロ
ー制御処理部505、書き込みアドレスレジスタ50
6、読み出しアドレスレジスタ507、及びフロー制御
レジスタ508からなっている。
【0103】RAM204のメモリ領域は、3ワード
(1ワード144ビット)をまとめて1エントリとし、
エントリ単位でセルに割り当てられる。この3ワードの
内、最も小さいアドレスにて該セル単位のエントリを識
別することにし、このアドレスをエントリアドレスと呼
ぶ。空きアドレスキュー501は、RAM204のエン
トリで、セルが保持されていないもののエントリアドレ
スを保持している。電源投入時、空きアドレスキュー5
01には、RAM204に含まれる全エントリのエント
リアドレスが予め書き込まれているものとする。
【0104】また、出力ポートキュー502−iには、
それぞれ対応する出力ポートにのみ送出されるセルを含
むRAM204のエントリのエントリアドレスが保持さ
れているものとし、コピー用キュー503には、二つ以
上の出力ポートに転送されるセルを含むエントリのエン
トリアドレスが保持されているものとする。これらのキ
ューは、電源投入時に空にする。
【0105】サブセルスロット#1の後半部で行われ
る、書き込みアドレス決定操作は次の様に行われる。ま
ず、サブセルスロット#1の後半部の含む9個(入力ポ
ート数+1)のタイムスロットの内、前の8個が、それ
ぞれ、入力ポートに割り当てられる。この割り当て法
は、本発明者らが特開平4−38036で開示した様
に、初めのセルスロットでは入力ポート#0,#1,
…,#7、次のセルスロットでは、入力ポート#1,#
2,…,#7,#0といった如く、セルスロット毎に入
力ポートにアドレスを割り当てる順序を順に変化させる
ようにしても良い。これにより、各入力ポート間の公平
性が確保される。
【0106】各タイムスロットでは、まず、ルーティン
グタグ解析部504が、該タイムスロットに割り当てら
れた入力ポートからのセルのルーティングタグを解析
し、該セルが空セルであるか、否かを判断する。
【0107】該セルが空セルである場合、そのタイムス
ロットでは何もしない。
【0108】一方、入力されたセルが空セルで無い場
合、ルーティングタグ解析部504は入力されたセルを
保持するエントリを確保すべく、空きアドレスキュー5
01からエントリアドレスを一つデキューしようとす
る。この時、空きアドレスキュー501が空であれば該
入力されたセルを保持する事ができない。空きアドレス
キュー501が空で無ければ、該入力されたセルを保持
する事が可能である。この空きアドレスキュー501が
空であるか否かの情報に従って、該タイムスロットに割
り当てられた入力ポートのフロー制御線を所望のレベル
に駆動する必要がある。これを行うため、空きアドレス
キュー501が空であるか否かの情報がフロー制御レジ
スタ508に転送される。フロー制御レジスタ508
は、それぞれの入力ポートに対応した1ビットのフリッ
プフロップからなっており、空きアドレスキュー501
から送られてきた、空であるか否かの情報がタイムスロ
ットに呼応して所望のフリップフロップにコピーされ
る。これらフリップフロップの出力が、フロー制御信号
の出力となる。
【0109】空きアドレスキュー501が空でない場
合、ルーティングタグ解析部504による空きアドレス
キュー501からのエントリアドレスのデューは成功す
る。これによりルーティングタグ解析部504は、タイ
ムスロットに呼応した入力ポートからのセルを保持すべ
きアドレスを得ることになる。この空きアドレスキュー
からデキューされたアドレスは、ルーティングタグ解析
部504に転送されると同時に、書き込みアドレスレジ
スタ506へと転送される。書き込みアドレスレジスタ
506は、入力ポート毎にエントリアドレスを記憶する
レジスタ群からなっており、転送されたエントリアドレ
スはタイムスロットに呼応したレジスタへと保持され
る。
【0110】次に、ルーティングタグ解析部504は、
タイムスロットに呼応した入力ポートからのルーティン
グタグを参照し、該ルーティングタグ中に1が一つ存在
するか、複数存在するか判断する。前述した様に、ルー
ティングタグの各ビットはそれぞれ出力ポートに対応し
ている。本実施例の場合、1となっているビットに対応
する出力ポートへ該セルを転送する事としているので、
該ルーティングタグ中に1が一つ存在するときは、該セ
ルを唯一の出力ポートへと転送し、複数個1が存在する
ときは、該セルを複数の出力ポートへと転送する事にな
る。唯一の出力ポートに転送するセルがP−Pセルで、
複数の出力ポートへと転送するセルがコピーセルであ
る。
【0111】ルーティングタグ解析部504は、タイム
スロットに呼応したルーティングタグの解析の結果、対
応するセルがP−Pセルである場合は、該セルが転送さ
れる出力ポートに対応する出力ポートキュー502−i
へ空きアドレスキュー501からデキューしたエントリ
アドレスをエンキューする。対応するセルがコピーセル
である場合は、エントリアドレスをコピー用キュー50
3にエンキューする。この時、同時に該ルーティングタ
グを該エントリアドレスと組にしてコピー用キュー50
3へとエントリする。
【0112】以上でセル入力に伴う書き込みアドレス決
定操作は終了する。書き込みアドレスレジスタ506に
保持された各入力ポートから入力されるセルに割り当て
られたエントリアドレスは、書き込みアドレス決定操作
に引き続くRAM204へのセル書き込み時に、以下の
様に操作されてRAM204のアドレスとしてRAM2
04へと与えられる。
【0113】サブセルスロット#2の前半で行われるセ
ル小片#1の書き込み期間、サブセルスロット#3の前
半で行われるセル小片#2の書き込み期間、次のセルス
ロットのサブセルスロット#1の前半で行われるセル小
片#3の書き込み期間は、それぞれ入力ポート数に等し
いタイムスロットに分割されている。それぞれのタイム
スロットは、各入力ポートに対応している。書き込みア
ドレスレジスタ506は、それぞれのタイムスロットに
おいて、呼応する入力ポートに対応したレジスタからエ
ントリアドレスを読み出し、サブセルスロット#2であ
れば該エントリアドレスをそのまま、サブセルスロット
#3であれば該エントリアドレスに1を加えた値を、サ
ブセルスロット#1であれば該エントリアドレスに2を
加えた値をそれぞれRAM204のアドレスへと出力す
る。この操作と、各入力ポートに対応したシリアル−パ
ラレル変換器201−i、入力レジスタ202−iにお
いて行われる操作とにより、エントリアドレスで指定さ
れるワード、エントリアドレス+1で指定されるワー
ド、エントリアドレス+2で指定されるワード、という
連続した3ワードに該エントリアドレスが割り当てられ
たセルが一つ書き込まれる事になる。
【0114】次に、サブセルスロット#3の前半部で行
われる読み出しアドレス決定操作について説明する。
【0115】読み出しアドレス決定操作が行われる期間
は、出力ポート数+1のタイムスロットに分割されてい
る。各タイムスロットにおいて、アドレス管理部203
は各出力ポートから出力するセルを含むRAMのエント
リアドレスを決定する操作を行う。上述したように、P
−Pセルとコピーセルをどの様に扱うかが大きな技術的
課題となる。常にコピーセルばかり優先して送出するこ
とにすると、P−Pセルが送出される機会が極端に減っ
てしまう、あるセルスロットでコピーセルのみ送出する
と、コピーセルを送出するポート数が少ないときに空き
セルを転送する出力ポートが増えてスループットが低下
する、といった問題点を解決する必要がある。本実施例
においては、以下のようにP−Pセルとコピーセルを扱
う事で上述の二つの問題点を解決している。
【0116】すなわち、各セルスロット毎に、読み出し
アドレス決定操作を行う順序を変化させる。例えば、あ
るセルスロットではまずコピーセルを送出する出力ポー
ト及び出力するセルを決定し、次に、コピーセルを送出
しない出力ポートについて、出力するP−Pセルを決定
する。一方、別のセルスロットではまず各出力ポートに
おいてP−Pセルを送出する出力ポート及び出力するセ
ルを決定し、次に、P−Pセルを送出しない出力ポート
について、コピーセルを送出するか否かを決定する。前
者のセルスロットをコピーセル優先セルスロット、後者
のセルスロットをP−Pセル優先セルスロットとそれぞ
れ呼ぶ。以上の様に、コピーセル優先セルスロットで
も、コピーセルが送出されない出力ポートにP−Pセル
を送出する機会を与えることで、空きセルを転送する出
力ポートの増加によりスループットが低下する事を防ぐ
事ができる。
【0117】コピーセル優先セルスロットとP−Pセル
優先セルスロットは、例えば、連続する9個のセルスロ
ットをP−Pセル優先セルスロットとし、次の一つをコ
ピーセル優先セルスロットとするといった事を繰り返す
方法により、その比率が予め定められる。この比率は、
ATMスイッチ20が内部レジスタを持ち、マイクロプ
ロセッサ301が該比率を該内部レジスタに設定すると
いう方法で変化させられるようにする。これにより、A
TMスイッチ20に入力されるコピーセルとP−Pセル
の比率に一致させてコピーセル優先セルスロットとP−
Pセル優先セルスロットを作成することが可能になり、
どちらかのセルによりATMスイッチ20のRAM20
4が満たされてしまう事を防ぐことが可能になる。
【0118】ここで、ATMスイッチ20が保持してい
るコピーセル数をカウントするカウンタをATMスイッ
チ20に持たせ、マイクロプロセッサ301が所定の周
期で該カウンタをポーリングし、該カウンタの値の変化
によってコピーセル優先セルスロットの比率を変化させ
る、といった制御を行う事としても良い。例えば、マイ
クロプロセッサ301の前回の該カウンタへのポーリン
グ時に比べ、カウンタ値が増加していたならコピーセル
優先セルスロットの比率を増やす、カウンタ値が減少し
ていたならコピーセル優先セルスロットの比率を減ら
す、といった制御を行う事が考えられる。これにより、
コピーセルとP−Pセルの比率の時間変化に応じた最適
な比率にP−Pセル優先スロットとコピーセル優先セル
スロットの比率を設定する事が可能になる。
【0119】さらにまた、本実施例に係るATM−LA
Nのハブにおいては、コピーセルはブロードキャストセ
ルを含み、該ブロードキャストセルはハブの制御情報を
含むので、コピーセルに対して最低限の帯域を与える事
が必要になる。本実施例に係るATMスイッチでは、コ
ピーセル優先セルスロットを予め準備しておくことと、
コピーセルスロットの全セルスロットに占める比率をブ
ロードキャストセルを転送するために必要な最低限の帯
域よりも小さくしない事で、コピーセルに対して最低限
の帯域を与える事が可能になる。
【0120】読み出しアドレス決定操作の詳細な動作を
説明する前に、読み出しアドレスレジスタ507の構成
について述べる。読み出しアドレスレジスタ507は、
各出力ポートに対応した読み出しアドレス決定操作の結
果得られる、それぞれの出力ポート毎に送出するセルを
保持しているエントリアドレス、及びコピーセルを保持
しているエントリアドレス及びコピーセルを該セルスロ
ットにおいて送出する出力ポートを保持するレジスタ群
からなっている。これらのレジスタには、読み出しアド
レス決定操作の途中で、以下述べるように順に必要な情
報が書き込まれる。
【0121】フロー制御処理部505は、使用済みポー
トレジスタ(図示せず)と呼ばれる各出力ポートに対応
したフリップフロップからなるレジスタを含んでいるも
のとする。該使用済みポートレジスタの各フリップフロ
ップは、読み出しアドレス決定操作が開始される前に一
旦全てリセットされる。
【0122】読み出しアドレス決定操作は、フロー制御
処理部505により実行される。フロー制御処理部50
5は、以下の様に動作することで各出力ポートから送出
するセルを保持しているRAM204のエントリアドレ
スを決定する。これらのエントリアドレスから始まる3
ワードを順次読み出す事で、セルが送出される。
【0123】まず、P−Pセル優先セルスロットにおけ
る、フロー制御処理部505の動作を説明する。
【0124】P−Pセル優先セルスロットにおいては、
読み出しアドレス決定操作が行われる期間のタイムスロ
ットが、以下の様に使用される。すなわち最初のタイム
スロットでは、出力ポートキュー502−0が参照さ
れ、出力ポート0向けのP−PセルがRAM204に存
在しているか否かが確認される。出力ポート0向けのP
−Pセルが存在しているならば、該出力ポートから該P
−Pセルを送出する事とし、出力ポート0に対応する使
用済みポートレジスタのフリップフロップをセットす
る。その後、該出力ポートキュー502−0の先頭のエ
ントリアドレスをコピーし、読み出しアドレスレジスタ
507中の対応するレジスタへと転送する。ここで、出
力ポートキュー502−0の先頭のエントリアドレス
は、該出力ポートキュー502−0から削除される訳で
は無いことに注意が必要である。先頭のエントリアドレ
スの削除は、読み出しセル削除操作を行う別の期間、即
ち次のセルスロットのサブセルスロット#2の後半部
分、にて行われる。出力ポート0向けのセルが存在して
いないならば、該出力ポートへはP−Pセルを送出しな
い事とする。
【0125】以下、次のタイムスロットでは、出力ポー
トキュー502−1を、さらにその次のタイムスロット
では出力ポートキュー502−2を、という如く連続す
るタイムスロットで順次出力ポートキュー502−iを
参照し、該出力ポートキュー502−iが空でなければ
使用済みポートレジスタの対応するビットをセットし、
該出力ポートキュー502−iからエントリアドレスを
デキューし、読み出しアドレスレジスタ507中の対応
するレジスタへと転送する。以上の操作が、P−Pセル
に関する、出力ポート毎に送出するセルの保持されたエ
ントリアドレスを決定する操作に対応する。
【0126】以上の操作を順に行うと、読み出しアドレ
ス決定操作が行われる期間のタイムスロットが出力ポー
ト数分、消費される。読み出しアドレス決定操作が行わ
れる期間の最後のタイムスロットでは、出力ポートキュ
ー502−iの代わりに、コピー用キュー503が参照
され、該コピー用キュー503が空でなければ、以下の
操作を行う。
【0127】まず、コピー用キュー503の先頭のエン
トリアドレスとルーティングタグの組がコピーされる。
ここでも、該コピーされたエントリアドレスとルーティ
ングタグの組がコピー用キュー503から削除される訳
では無いことに注意が必要である。このエントリアドレ
ストルーティングタグの組の削除は、次のセルスロット
のサブセルスロット#2における読み出しセル削除操作
が行われる期間にて実行される。
【0128】次に、該タイムスロットの前のタイムスロ
ットにて行われたP−Pセルを出力するか否かの判断の
結果と、前記コピーしたルーティングタグを比較し、該
コピー用キュー503の先頭のエントリアドレスに保持
されたコピーセルを出力するポートを決定する操作を行
う。P−Pセルを出力するか否かの判断結果は、使用済
みポートレジスタに反映されており、対応するビットが
リセットのままであればコピーセルを送出する事が可能
である。また、該コピーセルを送出すべき出力ポート
は、前記コピー用キュー503からコピーしてきたルー
ティングタグで1が立っているビットにより指示されて
いる。よって、該ルーティングタグの対応するビットが
1である出力ポートの内、使用済みポートレジスタの対
応するフリップフロップがリセットされたままである出
力ポートに、該コピー用キュー503の先頭のエントリ
アドレスに保持されたコピーセルを出力する様決定する
事ができる。
【0129】図7に、上で説明したコピーセルの出力ポ
ート決定操作の動作例を示す。同図には、P−Pセルを
出力ポート1、3、4、7へと送出する事が使用済みポ
ートレジスタにて表示されている時に、コピー用キュー
から取り出したルーティングタグにより、対応するセル
が出力ポート0、1、2、3、6へと転送すべきである
事が指示された場合について示してある。明らかな様
に、出力ポート0、2、6に該コピーセルを送出する様
決定する事ができる。このコピーセルを送出する出力ポ
ートを示す情報は、上記コピーセルのエントリアドレス
と共に読み出しアドレスレジスタへと転送され、一旦保
持される。
【0130】以上の様にフロー制御処理部505が動作
することで、P−Pセルをコピーセルに優先して送出す
る事が可能になる。また、P−Pセルが存在していない
出力ポートに、コピーセルを送出する事も可能である。
【0131】一方、コピーセル優先セルスロットにおけ
る、フロー制御処理部505の動作は以下の通りであ
る。
【0132】コピーセル優先セルスロットにおいては、
読み出しアドレス決定操作が行われる期間のタイムスロ
ットが、以下の様に使用される。すなわち、最初のタイ
ムスロットではコピー用キュー503が参照され、コピ
ーセルがRAM204に存在しているか否かが確認され
る。コピーセルがRAM204に存在しているならば、
該コピー用キュー503の先頭のエントリアドレスとル
ーティングタグがコピーされる。これらはコピー用キュ
ー503から削除されていない事に注意が必要である。
次に、コピーセルの持つルーティングタグで1が立って
いるビットに対応する出力ポートへと該コピーセルを送
出する事とし、該コピーセルのルーティングタグをフロ
ー制御処理部505の使用済みポートレジスタにコピー
する。その後、これらコピーされたエントリアドレスと
ルーティングタグの組が、読み出しアドレスレジスタ5
07に転送され、所望のレジスタに保持される。
【0133】次のタイムスロットでは、出力ポート0向
けのP−Pセルが送出されるか否かが判断される。ま
ず、使用済みポートレジスタが参照され、出力ポート0
にコピーセルが送出されようとしていないか確認する。
コピーセルが送出されようとしている場合、このタイム
スロットでは以降何もしない。コピーセルが送出されよ
うとしていない場合、出力ポート0に対応する出力ポー
トキュー502−0が参照され、出力ポート0向けのP
−PセルがRAM204に存在しているか否かが確認さ
れる。出力ポート0向けのセルが存在していなければ、
このタイムスロットでは以降何もしない。出力ポート0
向けのセルが存在していれば、該出力ポートからP−P
セルを送出する事とし、出力ポート0に対応する使用済
みポートレジスタのフリップフロップをセットする。そ
の後、該出力ポートキュー502−0の先頭のエントリ
アドレスをコピーし、読み出しアドレスレジスタ507
中の対応するレジスタへと転送する。この時、該コピー
されたエントリアドレスが出力ポートキュー502−0
から削除されない事に注意が必要である。
【0134】以下、次のタイムスロットでは出力ポート
1に対して、さらにその次のタイムスロットでは出力ポ
ート2を、という如く連続するタイムスロットで順次出
力ポートiについてP−Pセルを送出するか否かを決定
してゆく。
【0135】以上の様にフロー制御処理部505が動作
することで、コピーセルをP−Pセルに優先して送出す
る事が可能になる。また、コピーセルを送出しない出力
ポートにP−Pセルを送出する事も可能である。
【0136】以上でセル出力に伴い実行される読み出し
アドレス決定操作は終了する。読み出しアドレスレジス
タ507に保持された各出力ポートから出力されるセル
に割り当てられたP−Pセルに関するエントリアドレ
ス、及びコピーセルに関するエントリアドレスと該コピ
ーセルを送出する出力ポートの情報は、読み出しアドレ
ス決定操作に引き続く、RAM204からのセル読み出
し時に、以下のように操作されてRAM204のアドレ
スとしてRAM204へと与えられる。
【0137】サブセルスロット#3の後半で行われるセ
ル小片#1の読み出し期間、サブセルスロット#1の後
半で行われるセル小片#2の読み出し期間、サブセルス
ロット#2の後半で行われるセル小片#3の読み出し期
間は、それぞれ出力ポート数に1を加えた値に等しいタ
イムスロットに分割されている。その先頭のタイムスロ
ットは、コピーセルの処理の為に使用される。残ったタ
イムスロットは、それぞれ出力ポートi向けのP−Pセ
ルを送出するために使用される。読み出しアドレスレジ
スタ507は、それぞれのタイムスロットにおいて、対
応する、コピーセルのエントリアドレスを保持したレジ
スタ、もしくは出力ポートに対応したレジスタからエン
トリアドレスを読み出し、サブセルスロット#3であれ
ば該エントリアドレスをそのまま、サブセルスロット#
1であれば該エントリアドレスに1を加えた値を、サブ
セルスロット#3であれば該エントリアドレスに2を加
えた値を、RAM204のアドレスへと出力する。
【0138】また、RAM204からのセル読み出し期
間において、RAM204から読み出されたデータは以
下のようにして出力レジスタ205−iへと転送され
る。
【0139】コピーセル処理用のタイムスロットにおい
ては、RAM204から読み出されるデータが、所望の
出力ポートへと転送される様、アドレス管理部203の
読み出しアドレスレジスタ507が含む、読み出しアド
レス決定期間にて作成された、コピーセルを送出する出
力ポートを示す情報の各ビットが、それぞれ対応する出
力レジスタ205−iへと渡される。該出力ポートを示
す情報が1である場合、対応した出力レジスタ205−
iは、RAM204からのデータを取り込む。これによ
って、RAM204から読み出されたセルを所望の複数
の出力ポートへと転送することが可能になる。
【0140】一方、P−Pセル処理用のタイムスロット
においては、RAM204から読み出されるデータが、
該タイムスロットに割り当てられた出力ポートに対応す
る出力レジスタ205−iにて取り込まれる。ここで、
前のコピーセル処理用のタイムスロットにおいて、コピ
ーセルを取り込んだ出力レジスタは、P−Pセル処理用
のタイムスロットではRAM204からのデータを取り
込まないように制御されることが必要である事に注意が
必要である。
【0141】上の様に、それぞれのセルの読み出し期間
においてアドレス管理部がRAM204にアドレスを与
え、かつ出力レジスタ205−iがRAM204から読
み出されたデータを取り込む事で、エントリアドレスで
指定されるワード、エントリアドレス+1で指定される
ワード、エントリアドレス+2で指定されるワードとい
う連続した3ワードがサブセルスロット毎に順次読み出
され、所望の出力ポートへと転送される事になる。それ
ぞれのサブセルスロットの後半部で出力レジスタ205
−iに保持されたデータは、次のサブセルスロットの開
始時にパラシリ変換器206−iへと転送され、該パラ
シリ変換器206−iで所望のシリアル度にパラレル−
シリアル変換され、出力される。
【0142】本実施例に係るATMスイッチ20におい
ては、フロー制御が行える事が一つの大きな特徴となっ
ている。フロー制御を行うため、該ATMスイッチ20
がセルを出力する先のセルバッファは、サブセルスロッ
ト#2の前半が終了するまでに、該セルスロットにて出
力されているセルを確実に受け取ることができるか否か
を該ATMスイッチ20に通知することとしている。該
ATMスイッチ20は、この通知された信号を以下の様
に処理することで、確実に受け取られたセルのみを該A
TMスイッチ20のバッファから削除する様にし、もっ
てフロー制御を実現している。この操作は読み出しセル
削除操作と呼ばれ、サブセルスロット#2の後半部で行
われる。
【0143】サブセルスロット#2の後半部で行われる
読み出しセル削除操作は、読み出しアドレス決定操作と
同様、アドレス管理部203のフロー制御処理部505
にて実行される。
【0144】読み出しセル削除操作の行われる期間は、
出力ポート数に1を加えた値に等しい値のタイムスロッ
トに分割されている。これらのタイムスロットは、最初
のタイムスロットがコピーセルに、それに続くタイムス
ロットがそれぞれの出力ポートに送出されるP−Pセル
に、それぞれ割り当てられている。
【0145】フロー制御処理部505は、それぞれの出
力ポートから与えられる、該出力ポートから該セルスロ
ットにて送出しているセルを確実に受信できたか否かを
示すフロー制御信号を参照し、以下の様に各タイムスロ
ットにて動作する。
【0146】まず、コピーセルに割り当てられた、最初
のタイムスロットでの動作について説明する。フロー制
御処理部505は、読み出しアドレスレジスタ507に
含まれる、コピーセルを送出すると決定した出力ポート
を示す情報を参照する。次に、コピーセルを送出すると
決定した出力ポートから与えられた、フロー制御信号を
参照する。これらの二つの情報を比較し、該コピーセル
が該セルスロットでの送出で確実に受け取られた出力ポ
ートを知る。その後、コピー用キュー503の先頭に保
持されたルーティングタグのビットの内、該セルが確実
に受け取られた出力ポートのビットを1から0に書き換
える。これにより、該コピーセルを受け取る必要のある
出力ポートで、未だ該コピーセルを受け取っていない出
力ポートを、コピー用キュー503に保持されたルーテ
ィングタグにて把握する事が可能になり、今まで説明し
た動作を繰り返すことで、確実に所望の出力ポート群へ
と該コピーセルを送出する事が可能になる。
【0147】図8に、コピーセルのルーティングタグの
更新の例を示す。同図では、ルーティングタグ0、1、
2、3、6へと転送すべきである事が指示されているコ
ピーセルが出力ポート0、2、6へと送出された図7に
示した例において、出力ポート0と出力ポート2へ送出
したコピーセルは送出先で受信できたが、出力ポート6
へ送出したコピーセルは送出先で受信できなかった時に
ついて例示している。この例でのフロー制御入力は、出
力ポート1、3、4、5、7へはP−Pセルが送出され
ており、これらのP−Pセルについても、送出先で出力
ポート1、2、4、5では受信でき、出力ポート7では
受信できなかった場合について示してある。
【0148】上に述べた方法に従うと、コピーセル送出
前に”11110010”であったコピー用キュー50
3の先頭のルーティングタグが、出力ポート0と出力ポ
ート2へのセル送出の成功により、”0101001
0”と書き換えられる。続くサブセルスロットでの読み
出しアドレス決定操作では、該コピー用キュー503の
先頭のコピーセルは、そのルーティングタグが”010
10010”として処理される。なお、実際に出力ポー
トから出力されるコピーセルはRAM204に保持され
たものであり、上の様にルーティングタグが変化したも
のが出力される訳では無いことに注意が必要である。こ
のルーティングタグの書き換えは、コピー用キュー50
3の先頭でのみ行われる。
【0149】ルーティングタグの書き換えの結果、全て
のビットが0になったならば該コピーセルはRAM20
4から削除される必要がある。これは以下の様に行われ
る。コピー用キュー503の先頭のルーティングタグと
エントリアドレスが該キューからデキューされて削除さ
れる。この時デキューされたエントリアドレスは、空き
アドレスキュー501にエンキューされる。
【0150】一方、各出力ポートに割り当てられた読み
出しセル削除操作期間中のタイムスロットでは、以下の
操作が行われる。すなわち、各出力ポートに割り当てら
れたタイムスロットにおいて、フロー制御処理部505
は、読み出しアドレスレジスタ507に含まれる、コピ
ーセルを送出すると決定した出力ポートを示す情報の
内、該タイムスロットに割り当てられた出力ポートに関
する情報を参照し、コピーセルが送出されたか否かを知
る。コピーセルが送出された場合は、該タイムスロット
において、以降何も行わない。
【0151】コピーセルが送出されなかった場合は、次
に、使用済みポートレジスタを参照し、該タイムスロッ
トに割り当てられた出力ポートにセルが送出されたか否
かを知る。もし、該セルスロットにおいて、対応する出
力ポートにセルが送出されていないなら、該タイムスロ
ットにおいて、以降何も行わない。
【0152】既にコピーセルについては、該出力ポート
に送出されていない事を確認しているので、もし、セル
が送出されているとすれば、それはP−Pセルである。
もし、セルが送出されているならば、該出力ポートから
入力されたフロー制御信号を参照し、該出力ポートから
出力されたP−Pセルが送出先で受け取られたか、否か
を知る。
【0153】送出先で受け取られたならば、該P−Pセ
ルを削除する必要がある。これを実行するため、該出力
ポートに対応する出力ポートキュー502−iの先頭の
エントリアドレスをデキューし、該エントリアドレスを
出力ポートキュー502−iから削除する。次に、デキ
ューしたエントリアドレスを、空きアドレスキュー50
1にエンキューする。
【0154】以上で本実施例に係るATMスイッチ20
の詳細な動作の説明を終わる。なお、コピーセルのスル
ープットを上げるため、読み出しセル削除操作における
コピーセルの扱いにおいて、例えば、コピー用キュー5
03上でのルーティングタグ書き換えの結果、ルーティ
ングタグ中に1が一つとなったら、即ちP−Pセルと同
一のルーティングタグとなったら、次の読み出しアドレ
ス決定操作において該コピーセルをP−Pセルと見な
し、出力ポートキュ502−i中のセルに優先して送出
するといった事を行っても良い。さらにまた、出力ポー
トキュー502−iの他に、上の様に一旦コピー用キュ
ーに入力された後でP−Pセルと見なされるセルの含ま
れるエントリアドレスを保持するキューを各出力ポート
対応に持つことにしても良い。この様な事を行うと、コ
ピーセルのスループットは向上するが、ATMスイッチ
20の複雑度が増し、ATMスイッチ20のコストが増
大する。上の事を行うか、否かは、該ATMスイッチ2
0の適用されるシステムの性格、により決定されるべき
事項である。該ATMスイッチ20が、少々のコスト増
はあっても、コピーセルのスループットを増大させたい
性格を持つATM−LANに適用される場合、上述の技
術を適用するべきである。
【0155】また、アドレス管理部203に含まれる空
きアドレスキュー501、出力ポートキュー502−
i、コピー用キュー503の実際の実現形態は、汎用の
FIFOチップでも良いし、これらを一つのメモリ空間
上に実現するべく、リンクドリストにて構成する事にし
ても良い。リンクドリストにて構成する場合、米国特許
第5083269号にて本発明者が開示した技術を用い
る事で、リンクドリストのポインタ処理のスループット
を向上させる事が可能であることは言うまでもない。
【0156】なお、ここで説明した本実施例に係るAT
Mスイッチ20にて扱うセル、内部セルの長さは54バ
イトとしたが、例えば64バイトとしても構わない。こ
の場合、ルーティングタグの長さをより長く取ることが
可能になり、より大規模なコピー機能付きATMスイッ
チを実現できることになる。内部セルの長さをより長く
した場合は、本実施例に係るATMスイッチ20の動作
としては、サブセルスロットの数を変化させて設計すれ
ば良い。タイミング設計において、本発明を実施する場
合に要求される事項は、書き込みアドレス決定操作、読
み出しアドレス決定操作、読み出しセル削除操作を実行
するためセルスロットが3個以上のサブセルスロットに
分割されることと、サブセルスロット中に少なくとも
(入力ポート数+出力ポート数+1)のタイムスロット
が確保できることの2点である事は明らかである。
【0157】以上述べた本実施例に係るATMスイッチ
20には、フロー制御機能がある。この為、図2に示す
ようにATMスイッチ20をATM−LANのハブに適
用した場合、ノード制御機能30の受信FIFOメモリ
302の長さを短くし、もってATM−LANのハブ全
体のハードウェア量を削減する事が可能になる。マイク
ロプロセッサ301におけるブロードキャストセル受信
操作は、該マイクロプロセッサ301のプログラム実行
時間に依存しており、一般的にATMスイッチでのセル
転送速度より遅い。
【0158】本発明のATM−LANシステムでは、マ
イクロプロセッサ301の計算能力を削減してハブのコ
ストを削減することを考えているので、ブロードキャス
トセル受信操作では、比較的多量のバッファが必要にな
る。例えば、電源投入直後の構成認識フェーズでは、ブ
ロードキャストチャネルにほぼ同時に該ATM−LAN
を構成するノード数に等しい全端末同報のブロードキャ
ストセルが送出される場合があり、受信FIFOメモリ
302にアドレスフィルタ機能を持たせるとすれば、該
受信FIFOメモリ302の長さとしてノード数に等し
いセルを一旦保持できるように設定しないと、ブロード
キャストセルが廃棄され、構成認識に必要な時間が増大
する等の望ましくない結果を及ぼす。本発明のATMス
イッチ20を該ATM−LANに適用すると、受信FI
FOメモリ302の長さが短くても、フロー制御により
ノード制御機能30へのブロードキャストセルをATM
スイッチ20内のRAM204に保持できるようにな
り、受信FIFO302の長さを削減する事が可能にな
る。
【0159】ここで、本発明のATMスイッチ20がい
わゆる共通バッファ型スイッチになっている事に注意が
必要である。ATMスイッチ20が共通バッファスイッ
チであるので、全ての出力ポートにおいてセルを保持す
るメモリ領域がRAM204という共通領域になる。こ
の結果、ATMスイッチ20自身に必要なメモリ量も削
減する事が可能になる。ATMスイッチ20が共通バッ
ファであることと、受信FIFOメモリ302からAT
Mスイッチ20に向けてフロー制御がかけられることに
より、ハブ全体で必要となるセルバッファ用のメモリ領
域を最小化することが可能になる。
【0160】さらに、本実施例に係るATMスイッチ2
0は、コピー接続の可能なATMスイッチである為、該
ATMスイッチの適用により本発明のATM−LANシ
ステムにおいて、各端末が自由にコピーコネクションを
設定できることにも注意が必要である。このコピーコネ
クションは、例えば、全ての端末が送出したセルを一旦
マージし、そのセル流を全ての端末にコピーして渡す事
で、全ての端末が同一の順序でセルを受信できるとい
う、分散アルゴリズムを各端末の上で実現するために好
適なコネクションを実現する為に使用する事が可能にな
る。この結果、上述のアルゴリズムによるブロードキャ
ストチャネルは必要なく、ブロードキャストチャネル実
現のアルゴリズムとして、コネクション設定プロセスの
乗った端末からルートまでの間の物理リンク等に故障が
発生した時に全ATM−LANが動作しなくならず、ま
た、各ハブの生存確認をコネクション設定プロセスの乗
った端末からのポーリングにて実現できるという、ブロ
ードキャストチャネルによるルーティングタグテーブル
設定という本発明のATM−LANが持つ特徴に好適な
アルゴリズムを選択できるようになる。
【0161】次に、第2の発明について詳細に説明す
る。
【0162】図9に、本発明の第2の実施例を示す。同
図では、本実施例に係るATM−LAN上でコネクショ
ンレスサービスを提供する場合について示してある。
【0163】本実施例では、本発明によるATM−LA
N(ATM−LAN#1、#2)を二つ、上位のATM
通信網2001を経由して接続している。ATM−LA
N#1は、ハブ#1−1011〜#1−1014から構
成され、端末#1−1021〜#1−1024が収容さ
れている。一方、ATM−LAN#2は、ハブ#2−1
011〜#2−1014から構成され、端末#2−10
21〜#2−1024が収容されている。なお、同図に
示した本実施例に係るATM−LANにおいても、ブロ
ードキャストチャネル3が存在しているが、図が煩雑に
なるのを防ぐため、同図には示していない。
【0164】それぞれのATM−LANのコネクション
設定プロセス#1−10211,#2−10211は、
それぞれ、端末#1−1021,#2−1021上に乗
せられている。これらのプロセスは、上位のATM通信
網2001のQ.93B終端部20011と、コネクシ
ョン2003、2004にて接続され、上位のATM通
信網2001から/への呼設定要求を該Q.93B終端
部20011とやりとりしている。
【0165】それぞれのATM−LANには、一つずつ
のCLSFプロセス#1−10241、#2−1024
1が存在している。これらのCLSFプロセスがATM
−LAN上でコネクションレスサービスを提供する。こ
れらのCLSFプロセスは、ATM−LANに端末#1
−1024、#2−1024上に実装されている。コネ
クション設定プロセスからCLSFプロセスを独立させ
る事で、ATM−LANの管理者は、該ATM−LAN
内で提供されるCLSFサービスのスループットを自由
に設定する事が可能になる。より高いスループットを得
る為には、より早いワークステーションに該CLSFプ
ロセスを配備し直す、ATM−LANに配備するCLS
Fプロセスを複数個にする等のことを行えば良い。
【0166】それぞれのCLSFプロセスは、ATMコ
ネクションによってコネクションレスサービスを要求す
る端末と接続され、相互にコネクションレスサービスの
メッセージの送受信を行っている。例えば、ATM−L
AN#1であれば端末#1−1022がコネクション2
005で、端末#1−1023がコネクション2006
で、それぞれCLSFプロセス#1−10241に接続
されている。また、ATM−LAN#2であれば、端末
#2−1022がコネクション2003で、端末#1−
1023がコネクション2004で、それぞれCLSF
プロセス#1−10241に接続されている。さらに、
それぞれのCLSFプロセス#1−10241、#2−
10241は上位のATM通信網2001を経由するA
TMコネクション2002により接続され、ATM−L
AN間のコネクションレスサービスのメッセージの送受
を行っている。
【0167】コネクションレスサービスのメッセージに
は、宛先アドレスとして、レイヤ3アドレスが付加され
ている。このレイヤ3アドレスは、例えば、ITU−T
にて標準化されているE.164アドレスでも良いし、
TCP/IPにて使用されているIPアドレスでも構わ
ない。コネクションレスサービスを受ける端末には、こ
のレイヤ3アドレスを少なくとも一つ割り当てられてい
るものとしている。上位のATM通信網からの着呼に対
応するため、本発明に係るATM−LANではそれぞれ
のATM−LANに存在するコネクション設定プロセス
#1−10211、#2−10211がそれぞれの端末
に割り当てられたレイヤ3アドレスとそれぞれの端末が
製造時から持っているノード番号との対応関係を保持し
ており、本実施例に係るATM−LANでは、このコネ
クション設定プロセスが保持しているレイヤ3アドレス
とノード番号との対応関係を用いてコネクションレスサ
ービスのメッセージのルーティングが行われる。
【0168】以下、同図と図10を参照しながら、端末
がコネクションレスサービスの提供をうける事が可能に
なるまでの本実施例に係るATM−LANの動作を説明
する。図10には、この場合にATM−LAN中でやり
とりされるメッセージのシーケンスが示されている。
【0169】各端末は、コネクションレスサービスを受
けたいと考えると自ATM−LAN中のCLSFプロセ
スを検索し、該CLSFプロセスに向けてコネクション
を設定する。その後、該CLSFプロセスに自分に割り
当てられたレイヤ3アドレスを登録する、といった一連
の処理を行う事で、コネクションレスサービスの提供を
受ける事ができるようになる。例えば、端末#2−10
22がコネクションレスサービスを受けたいと考えた場
合、端末#2−1024に設けられたCLSFプロセス
#2−10241を検索して、ATMコネクション20
03を設定し、CLSFプロセス#2−10241に自
分に割り当てられたレイヤ3アドレスを登録する。
【0170】最初にCLSFプロセスを検索するため
に、まず端末#2−1022はコネクションレスサーバ
検索メッセージ(M101)をブロードキャストチャネ
ル3に送出する。該コネクションレスサーバ検索メッセ
ージは、特願平5−932231にて開示したサービス
検索メッセージの1種として実現されていても良い。
【0171】端末#2−1022が送出したコネクショ
ンレスサーバ検索メッセージは、全ハブ、及び全端末に
ブロードキャストチャネル3を経由して転送される。端
末#2−1024は、該コネクションレスサーバ検索メ
ッセージを受け取ると、該端末上で実行されているプロ
セスの内、ブロードキャストチャネル3を用いて通信を
行うプロセス全てに該メッセージを渡す。CLSFプロ
セス#2−10241以外のプロセスで、該メッセージ
を受け取ったプロセスは、該メッセージを無視する。
【0172】ここで、例えば、全てのワークステーショ
ンのCLSFプロセスのプロセス番号が予め一つに定め
られているならば、宛先フィールドの下位2オクテット
に該予め定められたプロセス番号を記述しておくという
事を行う事もできる。この場合、該端末#2−1024
のオペレーティングシステムにて該メッセージがルーテ
ィングされるため、必要の無いプロセスに該メッセージ
を転送可能であるという利点はあるが、一方でプロセス
番号に固定的に使用できない番号が発生し、プロセス番
号空間の使用効率が低下する、という問題点がある。こ
こで、プロセス番号の代わりに、TCP/IPプロトコ
ルで言う所のウエルノウンポート、即ちサービス毎に予
め定められた番号を使用する事にしても、不要なプロセ
スに該コネクションレスサービス検索メッセージを転送
しないという効果が得られるが、サービスのバージョン
番号による検索ができなくなるという問題点もある。ま
た、該端末#2−1024のオペレーティングシステム
が受け取ったメッセージのメッセージ内容フィールドを
読みとり、該メッセージの種別に従ってCLSFプロセ
ス#2−10241にのみ転送するといった事を行って
も、不要なプロセスに該コネクションレスサービス検索
メッセージを転送しないという効果が得られるが、これ
についてはオペレーティングシステム構築時に予め定め
られたサービスしか提供できず、サービス種別の拡張性
に欠けるという問題点がある。
【0173】CLSFプロセス#2−10241は、該
コネクションレスサーバ検索メッセージを受け取ると、
該検索メッセージに対応する応答メッセージであるとこ
ろのコネクションレスサーバ検索応答メッセージ(M1
02)を作成し、ブロードキャストチャネル3へ転送す
る。外応答メッセージは、特願平5−932231にて
開示されたサービス検索応答メッセージの1種として実
現されていても良い。該応答メッセージの宛先には、該
応答メッセージを作成したプロセスのノード番号、プロ
セス番号が記載されており、不要のプロセスに該応答メ
ッセージを渡すといった無駄は行う必要がない。また、
該検索メッセージを受け取ってから、該応答メッセージ
を送出するまでの時間を、例えばCLSFプロセス#2
−10241が収容している端末数であるとか、過去一
定期間中に処理したメッセージ数であるとかいった、該
CLSFプロセスの負荷を表す統計量に比例させて大き
くしても構わない。検索メッセージを受け取ってから、
応答メッセージを送出するまでの時間を変化させた場合
の効果については、後ほど詳しく説明する。
【0174】ブロードキャストチャネル3から該応答メ
ッセージを受け取る事で、端末#2−1022は、CL
SFプロセス#2−10241のATM−LAN中での
存在位置(例えば、本実施例においては、端末#2−1
024上に実装されているという事)を知る事ができ
る。
【0175】次に、端末#2−1022は、ATMコネ
クション2003を設定するため、特願平5−1203
51にて開示した様に、コネクション設定要求メッセー
ジ(M103)を作成してブロードキャストチャネル3
上へと送出する。コネクション設定プロセス#2−10
211は、特願平5−120351で開示したプロトコ
ルに従って、該コネクション設定要求メッセージにより
ATMコネクション2003を設定する。なお、ここ
で、各端末において、コネクションレスサービスを受け
るプロセスが複数ある場合、それぞれのプロセスがCL
SFプロセス#2−10241とのコネクションを持つ
事にしても良いし、あるいは一つの特別なプロセスがC
LSFプロセス#2−10241とのコネクションを持
つことにしても良い。前者の方式をとった場合、ATM
−LANの各ハブのルーティングタグテーブルの消費量
は大きいが、端末内部でのコネクションレスメッセージ
のルーティングは容易になる性質があり、後者の場合
は、これと反対の性質がある。どちらを選択するかは、
CLSFプロセス#2−10241が提供するコネクシ
ョンレスサービスの性質によって決められるべき事項で
ある。
【0176】コネクション設定要求メッセージに係る一
連の処理を終了し、端末#2−1022とCLSFプロ
セス#2−10241との間のATMコネクション20
03を設定しおわると、コネクション設定プロセス#2
−10211は、特願平5−120351で開示したプ
ロトコルに従って、コネクション設定終了メッセージ
(M104)をブロードキャストチャネル3を通じて端
末#2−1022へと転送する。
【0177】端末#2−1022は、該コネクション設
定終了メッセージを受け取った事でCLSFプロセス#
2−10241との通信路が確立された事を知る。
【0178】次に、端末#2−1022は、CLSFプ
ロセス#2−10241に対して自分のレイヤ3アドレ
スの登録を行う。
【0179】前述した様に、本実施例においてはレイヤ
3アドレスとノード番号の対応表がコネクション設定プ
ロセス#2−10211に保持されている事としてい
る。この為、端末#2−1022は、自分のレイヤ3ア
ドレス登録の前に、自分に割り当てられたレイヤ3アド
レスをコネクション設定プロセス#2−10211に問
い合わせる必要がある。これは、以下の様にして行われ
る。
【0180】端末#2−1022は、自分のレイヤ3ア
ドレスの通知を受けるべくレイヤ3アドレス参照要求メ
ッセージを作成し、ブロードキャストチャネル3へと送
出する。レイヤ3アドレス参照要求メッセージの構成は
以下の通りである。
【0181】宛先フィールドには、コネクション設定プ
ロセス#2−10211のノード番号、プロセス番号が
含まれている。このコネクション設定プロセスのノード
番号、プロセス番号は、特願平5−120351に開示
した如く、ブロードキャストチャネル3上で提供されて
いる、コネクション設定プロセスを検索するサービスを
用いる事で知る事ができる。
【0182】差出元フィールドには端末#2−1022
のノード番号、及び、該端末上でコネクションレスサー
ビスを受けようとしているプロセスのプロセス番号が含
まれている。これらの情報は端末#2−1022上で容
易に得る事ができる。
【0183】メッセージ種別フィールドには、特願平5
−120351に示されている様にレイヤ3アドレス参
照要求メッセージを表す値が書き込まれている。この実
際の値は本発明の有効性に関係しないので、ここでは特
に限定せずに説明を進める。
【0184】メッセージ番号フィールドは、メッセージ
抜けを検出するため、特願平5−120351にて開示
された方法で使用される。
【0185】メッセージ内容フィールドには、有意情報
は何も記述されていない。差出元アドレスのノード番号
が、レイヤ3アドレスを知りたい端末のノード番号であ
ると認識される。
【0186】ブロードキャストチャネル3を通じて、レ
イヤ3アドレス参照要求メッセージを受け取ると、コネ
クション設定プロセス#2−10211は、該メッセー
ジにより指定された端末について、自分が保持している
ノード番号とレイヤ3アドレスの対応表を参照し、該端
末に割り当てられたレイヤ3アドレスを知る。その後、
コネクション設定プロセス#2−10211は、該指定
された端末のノード番号と、割り当てられたレイヤ3ア
ドレスとをメッセージ内容フィールドに含む、レイヤ3
アドレス参照応答メッセージ(M106)を作成し、ブ
ロードキャストチャネル3へと送出する。レイヤ3アド
レス参照応答メッセージの構成は以下の通りである。
【0187】宛先フィールドには、端末#2−1022
のノード番号、プロセス番号が含まれている。このノー
ド番号、プロセス番号は、前述のレイヤ3アドレス参照
要求メッセージの差出元アドレスを参照する事で知る事
ができる。
【0188】差出元フィールドにはコネクション設定プ
ロセス#2−10211のノード番号、プロセス番号が
含まれている。これらの情報は端末#2−1021上で
容易に得る事ができる。
【0189】メッセージ種別フィールドには、特願平5
−120351に示されている様に、レイヤ3アドレス
参照要求メッセージを表す値に”1000 0000”
を加えた値が書き込まれている。
【0190】メッセージ番号フィールドは、メッセージ
抜けを検出するため、特願平5−120351にて開示
された方法で使用される。
【0191】メッセージ内容フィールドには、レイヤ3
アドレスを知りたい端末(ここの例では端末#2−10
22)のノード番号と、該ノード番号によって、ノード
番号とレイヤ3アドレスの対応表を引いた結果知る事の
できたレイヤ3アドレスが書かれている。
【0192】ここで、このフィールドに含まれるレイヤ
3アドレスは、E.164アドレスであっても良いし、
またIPアドレスであっても良い。より望ましくは、A
TMフォーラムと呼ばれるATM−LANの業界標準を
策定している団体にて考えられている、これら複数種類
のレイヤ3アドレスを同一のフォーマットで記述可能な
フォーマットである事である。また、コネクション設定
プロセス#2−10211に、問い合わせのあったノー
ド番号に対応するレイヤ3アドレスが登録されていない
可能性もある。これを示すために、メッセージ内容フィ
ールドの中の1ビットを使用する事にしてもよい。
【0193】さらに、一つの端末に複数のレイヤ3アド
レスが割り当てられている場合、このレイヤ3アドレス
検索応答メッセージを、割り当てられているレイヤ3ア
ドレスの個数に等しい個数、メッセージ番号フィールド
を同一の値にして作成し、ブロードキャストチャネル3
に送出する様にしても良い。端末#2−1022は、同
一のレイヤ3アドレス検索要求メッセージに対応するレ
イヤ3アドレス検索応答メッセージを複数受け取ると、
レイヤ3アドレスを知ろうとした端末に複数のレイヤ3
アドレスが付加されているものとして以下の処理を行
う。
【0194】また、端末#2−1022がコネクション
設定プロセス#2−10211よりレイヤ3アドレスの
通知を受けるのは、上に述べた様な、ブロードキャスト
チャネル3上のメッセージであっても良いし、また、端
末#2−1022がコネクション設定プロセス#2−1
0211とのコネクション設定を要求し、該要求に従っ
て設定されたコネクションを経由して行う事にしても良
い。
【0195】以上により、端末#2−1022が、新た
にコネクションレスサービスを受けようとしている端末
のレイヤ3アドレスを知る事ができた事になる。
【0196】なお、端末#2−1022が予め自分に割
り当てられたレイヤ3アドレスを持っている場合があ
る。この場合にはレイヤ3アドレス参照要求メッセージ
(M105)を送出することなく、次のフェーズへと移
行する事が可能である。
【0197】また、特願平5−120351に開示した
コネクション設定プロトコルに従うと、コネクション設
定要求メッセージ(M103)から起動されるコネクシ
ョン設定プロセス#2−10211の動作の中で、コネ
クション設定通知メッセージを用いて、CLSFプロセ
ス#2−10241に対してコネクション2003が設
定された事を通知する事が行われる。該コネクション設
定通知メッセージ中には、端末#2−1022のノード
番号が含まれているので、レイヤ3アドレス参照要求メ
ッセージ中に該端末#2−1022のノード番号を含め
る事にすれば、CLSFプロセス#2−10241が端
末#2−1022のレイヤ3アドレスをコネクション設
定プロセス#2−10211に問い合わせる、といった
プロトコルとすることも可能である。しかしながら、こ
の方法には、プロトコルが複雑になること、また端末#
2−1022のレイヤ3アドレスがコネクション設定プ
ロセス#2−10211に登録されていなかった場合に
その事を通知する為に新たな情報要素がコネクション設
定通知確認メッセージに必要になること、といった問題
点がある。
【0198】端末#2−1022は、自分に割り当てら
れたレイヤ3アドレスを獲得すると、次にコネクション
設定要求(M103)によって設定されたATMコネク
ション2003を通じてCLSFプロセス#2−102
41と通信を行い、レイヤ3アドレスの登録を行う(M
107)。この登録のプロトコルは、種々考えられる
が、望ましくは上記ATMフォーラムにて規定される、
UNI上でのアドレス登録プロトコルに準じた形式であ
る事である。既に端末#2−1022とCLSFプロセ
ス#2−10241の間にATMコネクションが設定さ
れているので、AALプロトコルを適用することで、可
変長のメッセージが扱える様になっていることに注意が
必要である。このレイヤ3アドレス登録作業は、ATM
レイヤの動作に必要な作業ではなく、ネットワークレイ
ヤの動作に必要な作業であるので、ATMレイヤのコネ
クションを使って行われても構わない。勿論、ブロード
キャストチャネル3上にこのプロトコルを実行するため
のメッセージを定義することも可能である。
【0199】CLSFプロセス#2−10241は、端
末#2−1022との間のATMコネクション2003
に、上記レイヤ3アドレス登録プロトコルにて端末#2
−1022から通知されたレイヤ3アドレスが割り当て
られているとみなし、外部から受け取ったコネクション
レスサービスのメッセージの宛先アドレスと、登録され
たレイヤ3アドレスが一致するATMコネクションに、
該コネクションレスサービスのメッセージを送出する事
になる。
【0200】以上で端末が新たにコネクションレスサー
ビスを受け始める時に本実施例のATM−LAN上で実
行される処理の説明を終わる。以上の動作を行う事で、
一つのATM−LAN中でのコネクションレスサービス
を各端末に提供することが可能になる。
【0201】複数のATM−LANを渡るコネクション
レスサービスを端末に提供するためには、上位のATM
通信網2001を経由したCLSFプロセス間のATM
コネクション2002を設定する必要がある。本実施例
では、このコネクションはATM−LANの管理者が予
め設定しているものとする。また、一つのATM−LA
N中に複数のCLSFプロセスが存在する場合、これら
のCLSFプロセス間を接続するコネクションも必要に
なるが、このコネクションもATM−LANの管理者
が、予め設定しているものとする。
【0202】図11に、CLSFプロセス#2−102
41の構成を示す。CLSFプロセスは、全て端末#2
−1024上のプロセスとして構成されているものとし
ている。CLSFプロセスは、ルーティングプロセス1
02411とアダプテーションプロセス102413及
び制御プロセス102414から構成されている。
【0203】制御プロセス102414は、ブロードキ
ャストチャネル3と接続され、ブロードキャストチャネ
ル上のメッセージにて指定されるコネクション設定に呼
応して、アダプテーションプロセス102413や、A
TMレイヤ処理を行うハードウェア(図示せず)の設定
を行う。図9に示された例では、ブロードキャストチャ
ネル3上のメッセージにより、端末#2−1022との
間のコネクション2003や、端末#2−1023との
間のコネクション2004の設定が通知されるので、こ
れらのコネクション設定通知に呼応して、アダプテーシ
ョンプロセス102413が、コネクション2003、
2004との間で情報の授受が行える様、該アダプテー
ションプロセスを設定したり、ハードウェアを設定した
りする。
【0204】さらに、新たに端末からコネクションが設
定された場合、最初に該端末のレイヤ3アドレスを登録
するプロトコルが実行されるが、このプロトコルを実行
するのも制御プロセス102414である。制御プロセ
ス102414は、端末からコネクションが設定される
と、まず該コネクションからのアダプテーションプロセ
ス102413を経由したメッセージ授受を自分が行う
様にアダプテーションプロセス102413を設定す
る。次に、端末からのアドレス登録が行われるのを待
ち、アドレス登録が行われると、該コネクションとレイ
ヤ3アドレスの対応関係をルーティングプロセス102
411中のコネクションレスルーティングテーブル10
2412に登録する。なお、コネクションレスルーティ
ングテーブル102412中でのコネクションの識別子
は、例えばATMレイヤにおけるコネクション識別子、
即ちVPI/VCIであっても良い。
【0205】また、制御プロセス102414は、コネ
クションレスサーバ検索メッセージを受信すると、該メ
ッセージの応答メッセージであるコネクションレスサー
バ検索応答メッセージを送出する。ここで、上で述べた
様に、ルーティングプロセス102411の動作状況を
監視し、自分が受け付けているコネクションレスサービ
スのメッセージ数が多い場合、即ちルーティングプロセ
ス102411にかかっている負荷が大きい場合に、コ
ネクションレスサーバ検索応答メッセージの送出を遅ら
せても良い。コネクションレスサービスのスループット
を上げる目的で、CLSFプロセスが複数個、一つのA
TM−LAN中に存在している場合、コネクションレス
サーバ検索メッセージを送出した端末は、CLSFプロ
セスの個数に等しい個数のコネクションレスサーバ検索
応答メッセージを受信する事になる。上で述べた様に、
制御プロセス102414がコネクションレスサーバ検
索応答メッセージの送出を、ルーティングプロセス10
2411の負荷に比例して遅らせる事で、該コネクショ
ンレスサーバ検索メッセージを送出した端末は、負荷の
軽い順にコネクションレスサーバ検索応答メッセージを
受け取る事が可能になる。この為、負荷の軽いCLSF
プロセスを選んでコネクション設定を行う事が可能にな
る。最も早くコネクションレスサーバ検索応答メッセー
ジを返してきたCLSFプロセスを選択し、そのCLS
FプロセスへのATMコネクションの設定をコネクショ
ン設定プロセスに依頼すれば良い。
【0206】なお、ルーティングプロセス102411
の負荷は、一定時間中に処理したメッセージ数の他、ア
ダプテーションプロセス102413に接続されている
コネクション数、一定時間中にルーティグプロセスに割
り当てられたCPU時間、等の指標が考えられる。ま
た、これらの指標の組み合わせにて負荷を規定すること
も可能である。どの指標を用いてルーティングプロセス
102411の負荷を定義するかは、ATM−LANシ
ステムの性質によって決定すべき事項である。
【0207】また、本実施例において仮定しているブロ
ードキャストチャネル実現アルゴリズム、即ちハブに入
力されたブロードキャストセルは入力されたポート以外
のポートで、ブロードキャスト木が設定されているもの
に送出するというアルゴリズムでは、それぞれの端末に
到着するブロードキャストセルの順番が変化する。この
為、コネクションレスサービスを受けようとする端末が
受信するコネクションレスサーバ検索応答メッセージの
順番が、正確にそれらを送出したCLSFプロセスの負
荷の順番に対応しない事も考えられる。正確に、最も負
荷の小さなCLSFプロセスへのコネクション設定を行
うためには、例えば、以下の様な方法が考えられる。負
荷の差によって生じさせる、コネクションレスサーバ検
索応答メッセージ送出までの待ち時間を、例えば3種類
準備する。即ち、負荷が軽い時はta、負荷が普通の時
はtb、負荷が重いときはtc待つ様にする。ここで、t
b−taや、tc−tbにて定義される、それぞれの負
荷における待ち時間の差を、あるメッセージをブロード
キャストチャネルに送出してからATM−LAN全体に
転送されるまでに必要な時間の最大に設定する様にする
と、負荷の異なるCLSFからのメッセージの到着順序
が逆転する事はなくなる。
【0208】また、コネクションレスサーバ検索応答メ
ッセージをATM−LAN全体にブロードキャストする
為に、別途コピーコネクションを設定する事も考えられ
る。このコピーコネクションは、まず、全端末から送出
されたメッセージをATM−LAN中の一点に集め、こ
こでメッセージ間の全順序を規定し、集めたメッセージ
を順次全端末へと転送する、といったコネクションであ
る。このコネクションは、第1の発明によるATMスイ
ッチを用いることでATM−LAN中に設定することが
可能になる。このようにメッセージを一旦集めてコピー
して配布する事で、全端末が受け取るメッセージの到着
順序が変化する事はなくなる。この為、上述のそれぞれ
の負荷における待ち時間の差を小さな値とする事が可能
になる。つまり、この待ち時間の差は、ATM−LAN
全体にメッセージが配られるまでの最大時間ではなく、
メッセージを集める点までの遅延時間の最大にて規定す
れば良くなる。しかしながら、この様なコネクションを
設定すると、各ハブのルーティグタグテーブルの消費量
が大きくなるという問題点がある。どちらを選択する
か、は、ATM−LANシステムにて提供するサービス
の性質によって決定されるべき事項である。
【0209】アダプテーションプロセス102413
は、それぞれのATMコネクションから入力されるセル
を、予め定められたアダプテーションプロトコルに従っ
てメッセージへと組み上げ、ルーティングプロセス10
2411もしくは制御プロセス102414へと転送す
る。さらに、ルーティングプロセス102411もしく
は制御プロセス102414から受け取ったメッセージ
を、予め定められたアダプテーションプロトコルに従っ
てセルへと分解し、該メッセージを受け取った時に指定
されたコネクションへと送出する。アダプテーションの
プロトコルは、例えば、ITU−T標準に規定されてい
るAAL4プロトコルでも、AAL5プロトコルでも、
また、新たにユーザが定義した、ルーティングプロセス
102411が処理するプロトコルに適したプロトコル
も構わない。
【0210】ルーティングプロセス102411は、ア
ダプテーションプロセスから受け取ったメッセージの宛
先アドレスを参照し、コネクションレスルーティングテ
ーブル102412を参照して該メッセージを送出する
コネクションを決定し、該決定したコネクションを表す
識別子と該メッセージを組にしてアダプテーションプロ
セスへと転送する。これにより、コネクションレスサー
ビスのメッセージのルーティングが実現できる。
【0211】ここで、コネクションレスルーティングテ
ーブル中に登録されていない宛先を含むメッセージは、
例えば別のCLSFプロセスへのコネクション(図11
に示した例では、ATMコネクション2002)へと転
送するようにしても良い。また、コネクションレスサー
ビスのメッセージが一時期に多数到着する等で、ルーテ
ィングプロセス102411でのメッセージのルーティ
ングが追いつかなくなった場合、他の端末やCLSFプ
ロセスに向けてフロー制御の為のメッセージを送出する
事にしても良い。これらはルーティングプロセス102
411にて扱うプロトコル毎に詳細な仕様が定められて
おり、この定められた仕様に従ってメッセージのルーテ
ィングを実行するのが望ましい。
【0212】なお、ここで述べた様にATMレイヤの上
にコネクションレスサービスを実装すると、以下の様な
問題が発生する事が知られている。
【0213】ATMレイヤにおいて輻輳が発生し、セル
廃棄が発生する様になると、そのセル廃棄によってアダ
プテーションプロセス102413でメッセージの廃棄
が発生する。このメッセージの廃棄は、ユーザが実際に
送出したコネクションレスサービスのメッセージ、これ
をデータメッセージと呼ぶ、である場合の他に、ルーテ
ィングプロセス102411でのメッセージの輻輳を通
知する等、コネクションレスサービスの品質を確保する
ために必要なメッセージ、これを制御メッセージと呼
ぶ、である場合がある。データメッセージの廃棄と制御
メッセージの廃棄は、ATMレイヤでこれらのメッセー
ジを区別せずに廃棄する場合、ほぼ均等に発生する。こ
のため、例えばATMレイヤの輻輳をルーティングプロ
セス102411に通知してメッセージ送出を抑制すべ
く制御メッセージを出したとしても、この制御がうまく
かからなくなる危険性がある。この結果として、グッド
プットとして良く知られている通信品質、即ちレイヤ4
でのメッセージのスループット、が非常に悪化するとい
う問題点がある。
【0214】グッドプットの悪化を避けるためには、ル
ーティングプロセス102411での制御メッセージに
よるデータメッセージの送出抑制の制御を効率良くかけ
る必要がある。このために、アダプテーションプロセス
102413が以下の様に制御メッセージを扱う事とし
ても良い。
【0215】その第1の方法は以下の通りである。
【0216】セルのヘッダ部分に規定されているGFC
フィールドに、ルーティングプロセス102411の負
荷を表す値を、アダプテーションプロセス102413
が埋め込んで送出する。それぞれのCLSFプロセス
は、受け取ったセルのGFCフィールドを参照し、メッ
セージ送出を抑制する。
【0217】この場合、セル廃棄が発生してメッセージ
廃棄が発生するとしても、GFCフィールドによりメッ
セージ送出の抑制が行える可能性が高くなる。一つのメ
ッセージ起源のセルが全て廃棄される確率が比較的低い
のがその理由である。しかしながら、GFCフィールド
は4ビットと短く、メッセージ送出抑制の為に良く行わ
れる、いわゆるウインド制御を行うには不足しており、
単純な制御しか行うことができないという問題点と、例
えば公衆網といった上位のATM通信網におけるNN
I、即ち交換機−交換機間のインタフェースにはGFC
が無く、ハブ間のインタフェースにまでITU−T標準
で言うところのUNIセルを適用する、本実施例に係る
ATM−LANの様なATM通信網でなければこの制御
がかからないという問題はあるが、アダプテーションプ
ロセス102413のプロトコルとして特殊なものを使
う必要が無く、またATMセルの廃棄優先度による優先
制御機能をハブが持っている必要も無いという利点もあ
る。
【0218】また、その第2の方法は以下の通りであ
る。
【0219】ハブがコネクション単位の優先制御機能を
持っている場合、制御メッセージを転送するコネクショ
ンと、データメッセージを流すコネクションとを区別
し、制御メッセージを流すコネクションの優先順位を高
く、データメッセージを流すコネクションの優先順位を
低く、それぞれ設定する。
【0220】この方法は、第1の方法に比べて、制御メ
ッセージを転送するコネクションを設定するため、より
複雑なフロー制御プロトコルを実行する事ができるとい
う利点があるが、一方で、コネクションを分けて転送す
るため、送出元でのデータメッセージと制御メッセージ
の到着順序が、受信先で異なる可能性があるという問題
がある。データメッセージと制御メッセージの間の到着
順序に従って処理を行うプロトコルには適用できない。
【0221】最後に、その第3の方法は以下の通りであ
る。
【0222】ハブがセルのヘッダのCLP(セル廃棄優
先度)ビットを参照して選択的にセルを廃棄できる機能
を持っていれば、アダプテーションプロセス10241
3は、制御メッセージのCLPを0(オフ)、即ち廃棄
されにくい優先度に、データメッセージのCLPを1
(オン)、即ち廃棄されやすい優先度にそれぞれ設定し
て送出する。
【0223】この方法では、ハブにて発生したATMレ
イヤの輻輳が直ちに該ハブ上のメッセージに反映される
ため、最も効率良く上位レイヤでの輻輳制御を行う事が
できるが、一方でセルのプッシュアウトという非常に複
雑な処理を各ハブが実行する必要があるという問題点が
ある。各ハブにてセルのプッシュアウトを実現するため
には、図12に示すように本発明者らが特開平4−10
0451で開示したごとく、回線インタフェース10−
iからATMスイッチ20へのセル転送経路にプッシュ
アウトを実現したセルバッファ40−iを挿入するとい
った事が考えられる。第1の発明によるATMスイッチ
20を使用したハブの場合、ATMレイヤのフロー制御
を行っているので、セル廃棄が発生するならば必ず回線
インタフェース10−iの出口、もしくはプッシュアウ
トを実現したセルバッファ40−iである、という性質
を持つ。この為、図12に示した構成を持つハブには、
セル廃棄優先度の高いセルがセルバッファ40−i中に
存在するにも関わらず、セルバッファ40−iに到着し
たセル廃棄優先度の低いセルが廃棄されるといった事が
なく、セル廃棄優先度に関する制御が正確に行えるとい
う利点がある。
【0224】以上で、本発明によるCLSFプロセスを
コネクション設定プロセスから独立させる手法に関する
説明を終わる。なお、ここではATMインタフェースを
持つ端末をCLSFプロセスにATMコネクションにて
接続する事を説明したが、CLSFプロセスに接続した
い端末は必ずATMインタフェースを持っている訳では
ない。例えば、イーサネットインタフェースのみ持つ端
末も、CLSFプロセスに接続する必要がある。イーサ
ネットインタフェースのみ持つ端末をCLSFプロセス
に接続するのは、以下のように行うのが望ましい。
【0225】現在のワークステーションは必ず、一つは
イーサネットインタフェースを持っている。CLSFプ
ロセスを実装する端末として、この様なイーサネットイ
ンタフェースを持つワークステーションを選択する。
【0226】イーサネットインタフェースのみ持つ端末
は、CLSFプロセスの実装されたワークステーション
とイーサネットにより接続される。イーサネットインタ
フェースのみ持つ端末の送出するメッセージをATM−
LAN上に送出する、もしくはATM−LAN上のメッ
セージをイーサネットインタフェースのみ持つ端末に転
送する為に、CLSFプロセスのアダプテーションプロ
セス102413をATMインタフェースのみではな
く、イーサネットインタフェースからもメッセージの授
受を行えるように構成する。
【0227】以上の構成により、新たにATM−LAN
を導入するユーザであっても、該ユーザが既に敷設して
いるイーサネットの同軸ケーブルを活用しながら、AT
M−LANによる通信を使用する事が可能になる。
【0228】次に、第3の発明について詳細に説明す
る。
【0229】図13に、本発明の第3の実施例を示す。
本実施例のATM−LANでは、ハブのインタフェース
点を複数の端末で共有するため、光スターカップラを用
いた分配器6を用いた構成を示している。
【0230】分配器6は、二つの1:n光スターカプラ
601,602から構成される。第1の光スターカプラ
601は、ハブ1−4から入力された光信号をそれぞれ
等しい光パワーに分割し、端末2−5〜2−7へと導く
働きを持つ。また、第2の光スターカプラ602は、端
末2−5〜2−7の送出した光信号を一つのポートに合
流してハブ1−4へと転送する働きを持つ。
【0231】良く知られているように、n入力n出力の
光スターカプラは、それぞれの入力ポートから入力され
た光信号をn等分してn個の出力ポートへと配する機能
を有する。1:n光スターカプラは、これらの入力ポー
トもしくは出力ポートのいくつかを使用しないことで実
現する事が可能である。良く知られているように、光信
号を転送する光導波路は強い双方向性を持つ。即ち、あ
るポートに光信号を入射するとそのポートは入力ポート
となり、対向するポートが出力ポートとなる。一方、そ
の対向するポートから光信号を入射すると、そのポート
が入力ポートとなり、先ほど入力ポートと見なしたポー
トが出力ポートとなる。この強い双方向性の為、1:n
光スターカプラ601,602は、同一種類の部品をそ
れに入力する光信号の方向を変化させて使用する事で実
現する事ができる。また、単一の1:n光スターカプラ
を用いても同様の機能が実現可能であるが、その場合に
は光スターカプラに光ファイバを接続する為のコネクタ
等での光の反射が問題となり、光ノイズレベルが上がる
という問題点がある。
【0232】ハブ1−4は、端末2−5〜2−7へと転
送する情報を後ほど詳しく説明する形式で光信号に変換
し、分配器6の1:n光スターカプラ601に入力す
る。光スターカプラ601に入力された光信号はn等分
され、それぞれの端末2−5〜2−7へと出力される。
各端末2−5〜2−7は、受け取った光信号からハブ1
−4の送出した情報を復調する。
【0233】一方、各端末2−5〜2−7は、ハブ1−
4へと転送する情報を後ほど詳しく説明する形式で光信
号に変換し、分配器6の光スターカプラ602に入力す
る。光スターカプラ602は、それぞれの端末から与え
られる光信号を合流させ、ハブ1−4へと出力する。ハ
ブ1−4は、受け取った光信号から端末2−5〜2−7
の送出した情報を復調する。
【0234】1:n光スターカプラによる情報伝送は、
電波による情報伝送と同様の性質を持つ。即ち、一つの
情報送出元から送出された情報が複数の情報受信先で同
時に受信可能であるが、同時に複数の情報送出元が情報
を送出すると、それらの情報は失われてしまう、という
性質がある。この為、本発明者が特願平5−34963
4にて開示した無線チャネルのATM化手法がこの構成
でも同様に使用する事が可能になる。ただし、図13に
示した構成の場合、上りリンクと下りリンクの伝送路が
明確に分割されているので、上り、下りの光周波数を異
なるものに設定する必要がないという利点がある。
【0235】図14に、分配器6上での情報伝送構造を
示す。
【0236】特願平5−349634にて開示した無線
チャネルの構造と同様、下りリンクは、オーバーヘッド
603−iが周期的に現れる現状の光伝送システムと同
様の情報伝送構造を持つ。このオーバーヘッド603−
iには、少なくともフレーム同期をとるために必要なフ
レーム同期パタンが含まれる。その他、若干の制御情報
を乗せる必要がある場合もあるが、この制御情報につい
ては後ほど詳しく説明する。
【0237】二つのオーバーヘッドの間のペイロード部
分に、ハブ1−4が端末2−5〜2−7に転送したい情
報を挿入する。ここで示す実施例では、オーバーヘッド
603−1,603−2の間に、ITU−T標準に定め
られたセルがn個挟まれた形式となっている。下りリン
クに情報を送出するのはハブ1−4のみであり、端末2
−5〜2−7にはこの形式の情報がこのまま渡される。
各端末は、受け取った光信号から電気のビット列を再生
し、該再生した電気のビット列からビット同期をとり、
該ビット同期の結果得られるクロックにて該ビット列を
参照して、オーバーヘッド中に含まれるビット同期パタ
ンを検索してフレーム同期をとり、フレーム同期確立後
はオーバーヘッド部分とペイロード部分に分離し、ペイ
ロード部分のセルを取り出す、といった良く知られた方
法にてセルを取り出し、ハブ1−4から転送された情報
を受け取る。
【0238】一方、上りリンクは複数の端末2−5〜2
−7に向けてセルを送出するので、1:n光スターカプ
ラ602においてセル衝突が発生する事がある。このセ
ル衝突の確率を低めるため、上りリンクにはセルが一つ
入るスロットが定義されている。各端末2−iは、下り
リンクにてオーバーヘッドの到着を参照し、該オーバー
ヘッドの到着と到着の間をm等分し、上りリンクのスロ
ットを定義する。上りリンクにセルを送出する時は、こ
のスロット中にセルを送出する。各端末2−iと1:n
光スターカプラ602の間の距離は一定ではないので、
各スロット間にガードタイムが設けられている。各端末
2−iは送出したい情報がある場合、オーバーヘッドの
到着間を分割して作成したスロットのうちの一つを自由
に選んで該情報をセル化して送出する。
【0239】ここで、同一のスロットに複数の端末がセ
ルを送出しなければ、送出されたセルは1:n光カップ
ラを通じてハブ1−4に渡される。ハブ1−4は、受け
取ったセルのビット同期を取り、ビット同期にて作成し
たクロックにて該セルをサンプルする事で、端末2−i
から転送された情報を受け取る。
【0240】ところで、各端末2−iと分配器6との間
の距離が一定ではないため、各端末2−iから送出され
るセルをハブ1−4で受信するタイミングが一定しな
い。つまり、ハブ1−4で受信される上りリンク上の光
信号は、下りリンク上の光信号とは異なり、連続してビ
ットが転送される形式のものではない。よって、ハブ1
−4でのビット同期はセル毎に取る必要がある。セル毎
にビット同期を取るため、上りリンクのセルのヘッダ部
分の先頭にプリアンブルと呼ばれるビット同期をとるた
めの情報が付属している。ハブ1−4では、プリアンブ
ルを参照してセルの先頭を認識し、ビットの参照タイミ
ングを決定してセルを取り込む。このプリアンブルの参
照により、ビット同期と同時に該セルに関するセル同期
も確立することに注意が必要である。
【0241】同一のスロットに複数の端末がセルを送出
した場合、そのスロットにてセル衝突が発生する。セル
衝突発生時には、ハブ1−4では正常にセルを受け取る
事ができない。本実施例に係るATM−LANにおいて
は、このとき衝突を起こしたセルは廃棄することにする
事で、セル衝突の発生を許容する所に大きな特徴があ
る。
【0242】なお、上りリンクにおけるガードタイムの
長さは、分配器6と各端末2−i間の距離、光ファイバ
中の光信号の速度、下りリンクでのフレーム周期、上り
リンクでのスロット数、セルの長さ、及び端末からのセ
ル送出の速度から以下の様にして計算する事ができる。
【0243】良く知られている様に、光ファイバ中では
光信号は約5μsかかって1km伝送してゆく。例え
ば、分配器6と各端末2−iの間の距離として0mから
25mまでの範囲を許容するとすれば、光スターカプラ
601から各端末2−iを経由して光スターカプラ60
2に至る距離の差が最大50mとなるので、ガードタイ
ムとして少なくとも250nsは必要になる。ところ
で、端末から送出される光信号のビットレートを15
5.52Mbpsとし、1フレームの長さを125μs
とすれば、1フレーム中に19440ビット存在する事
になる。上りリンクにおいて、1フレーム中にセルを4
0個含める事にすれば、一つのガードタイムとセルの組
み合わせに486ビット割り当てられる事になる。する
と、ガードタイムとして62ビット割り当てる事ができ
る。155.52Mbpsの転送レートで62ビットは
約390nsに相当するので、分配器6から端末までの
距離として最大25mまで許容する場合に必要なガード
タイムを確保できる事になる。
【0244】これらのパラメータの具体値が本発明の効
果を損ねる事はないが、424ビットのセルの伝送の為
に必要なガートダイムが62ビットと、上りリンクで複
数端末の送出するセルを合流するために約13%という
比較的小さな値のオーバーヘッドで済むという望ましい
性質があるので、以降の説明ではATM−LANシステ
ムが上に述べた具体的数値にて構成されているものとす
る。このようにパラメタを決定した場合、上りリンクで
のセルを転送する速度は最大135.68Mbpsとな
る。
【0245】なお、ガードタイムの長さを決める際、分
配器6からハブ1−4までの距離を考慮する必要が無い
ことに注意が必要である。分配器6からハブ1−4まで
の距離は、光ファイバ、分配器6中での光信号の減衰率
と、ハブ1−4や端末2−iにて使用されているE/O
(電気−光変換器)、O/E(光−電気変換器)モジュ
ールの光信号送出パワー、光信号受信感度にて決定され
る。この為、図14に示した伝送構造では、ハブ1−4
から端末2−iまでの距離は比較的長く取る事が可能で
あるという利点がある。
【0246】さらに、下りリンクのフレームのペイロー
ド部分に含まれるセル数nは、下りリンクでの情報伝送
速度、オーバーヘッドの長さ、及びフレーム長といった
パラメータによって決定されるが、後ほど詳しく説明す
る様に整数個のセルを含む様にフレームを構成するのが
望ましい。ここでは、上りリンクと同様155.25M
bpsの伝送速度で、125μsの長さの1フレーム中
に40個のセルを含むものとして説明を進める。つま
り、オーバーヘッド603−iが2480ビットから構
成されているものとする。なお、以下に述べる制御方式
では、端末2−iの消費電力を小さく設定する目的で、
分配器6への情報送出速度を小さくする場合、上りリン
クの1フレーム中に含まれるセル数mが、下りリンクの
1フレーム中に含まれるセル数nより小さくなるような
システムを考える事も可能である事に注意が必要であ
る。
【0247】なお、セル衝突の発生を許容する事にする
と、光−電気変換に関して以下の問題点が生じる。即
ち、セル衝突が発生すると、該スロットでの光信号の強
度が他のスロットの光信号強度より大きくなり、O/E
変換器の構成によっては内部の電気増幅器が飽和してし
まい、該電気増幅器が扱える信号の上限周波数が低下し
てしまうという問題点である。電気増幅器の飽和状態
が、次のセルスロットまで続くとすると、たとえセル衝
突が起きていなくても、次のセルスロットで到着するセ
ルを正常に取り込むことができない。
【0248】しかしながら、この問題点については、以
下の様にして緩和する事が可能である。
【0249】電気増幅器の飽和は、該電気増幅器を構成
するトランジスタに過剰な電荷が蓄積されてしまう事に
よって発生する。このため、該過剰な電荷を基準電位に
逃がす回路を該電気増幅器に付加することで迅速に解消
する事ができる。この過剰電荷を逃がす回路が動作する
のに必要な時間を見込んで、ガードタイムをその時間分
長くとれば、あるセルスロットでセル衝突が発生して電
気増幅器の飽和が発生していたとしても、次のセルスロ
ットでは該飽和状態から必ず脱し、次のセルスロットで
正常にセルを取り込む事ができる様にシステムを構成す
る事が可能である。
【0250】以上で、図13に示した本実施例に係るA
TM−LANにおける1:n光スターカプラを用いた分
配器6を通じたハブ1−4と端末2−iとの間の情報転
送の原理説明を終わる。分配器6の構成要素は、二つの
1:n光スターカプラのみであるので、この分配器6は
図2に示したハブよりも低コストで実現することができ
る。この結果、分配器6を使用することで多数の端末を
ATM−LANに収容する際のコストを最小化すること
ができる。勿論、分配器6を用いて端末を収容した場
合、これらの端末がハブ1−4に転送可能となる平均ビ
ットレートは上りリンク上のビットレートの端末数分の
1となるが、例えばこれらの端末がユーザの手元にあ
り、主にエディタによるファイルの参照と更新に使用さ
れているならば、上りリンクに送出できる情報量が小さ
くなることには問題がない。例えば、サーバクライアン
トモデルによる分散処理を行う事を考えた時のサーバと
なる端末といったものは、より多くの情報をハブに送出
することが考えられるが、こういった種類の端末はハブ
1−4に直接収容すれば良い。
【0251】特願平5−932231にて開示したAT
M−LANは、ブロードキャストチャネル3上のブロー
ドキャストセルにて内部にATMコネクションを設定し
てゆく事を大きな特徴としている。ハブ1−4は、隣接
ノード番号の獲得以外は何も能動的に動作しなければな
らない機能を持たず、単にブロードキャストセルに従っ
てその動作を決定するのみである。一方、分配器6はハ
ブ1−4から渡されたセルをコピーして端末2−5、2
−6、2−7へと転送するようになっているので、分配
器6を含むATM−LANシステムを考えたとしても、
特願平5−932231にて開示したプロトコルに従っ
て、ATM−LAN上にATMコネクションを設定する
事ができる。次に、分配器6を経由するコネクションの
設定方法について詳細に説明する。
【0252】特願平5−932231にて開示したプロ
トコルに従うと、ハブ1−4は電源が投入されると、隣
接しているハブもしくは端末のノード番号を確保すべ
く、全てのポートに向けて隣接ノード番号要求メッセー
ジを送出する。このメッセージの宛先アドレスは隣接ノ
ード分岐であり、該ハブに隣接したノードもしくは端末
は、このメッセージを受け取ると、自分のノード番号を
含む隣接ノード番号要求応答メッセージを作成して、該
隣接ノード番号要求メッセージが入力されたポートに向
かって送出する。分配器6の接続されたポートにおいて
は、ハブ1−4が送出した隣接ノード番号要求メッセー
ジは端末2−5〜2−7へと転送される。端末2−5〜
2−7は、隣接ノード番号要求メッセージを受け取る
と、自分のノード番号を含む隣接ノード番号要求応答メ
ッセージを作成し、ハブ1−4へと送り返す。分配器6
上の情報伝送構造が下りリンク上に規定されたフレーム
構造から定義されるセル単位であるので、分配器6に接
続されている端末がブロードキャストセルを送出するこ
とは、端末側で下りリンクに関するフレーム同期がとれ
た段階から可能である。ハブ1−4が電源投入直後から
下りリンクに上述のフレーム構造を送出することで、端
末側では電源投入直後から自動的にフレーム同期確立の
為の動作を行うことができ、自動的にセル送出可である
状態に移行する事ができる。
【0253】結局、ハブ1−4は分配器6の接続された
ポートに隣接ノード番号要求メッセージを送出すると、
分配器6の先に接続された、電源の投入された端末の個
数に等しい数の隣接ノード番号要求応答メッセージを受
け取ることになる。これにより、ハブ1−4は一つのポ
ートに複数の端末が分配器6を通じて接続されている事
を知る。
【0254】ある端末から構成吸い上げ要求メッセージ
をブロードキャストチャネル3を経由して受け取ると、
各ハブは自分が持っている構成情報を基に構成吸い上げ
要求応答メッセージを作成し、構成吸い上げ要求メッセ
ージを送出した端末へとブロードキャストチャネル3を
経由して送り返す。この構成吸い上げ要求応答メッセー
ジは各ハブの各ポート毎に作成され、ハブでのポート番
号、隣接ハブもしくは隣接端末のノード番号、及びその
ポートの構成を示す情報が含まれている。ブロードキャ
ストチャネル3上ではブロードキャストセルのみが扱わ
れる事としており、分配器6にて複数端末に接続された
ポートにおいて、複数隣接端末のノード番号を一つの構
成吸い上げ要求応答メッセージに含める事はできない。
【0255】そこで、分配器6にて複数端末に接続され
たポートの場合、各隣接端末毎に構成吸い上げ要求応答
メッセージを作成して、ブロードキャストチャネル3に
送出する事にする。構成吸い上げ要求メッセージを送出
した端末は、同一ハブの同一ポートに関する構成吸い上
げ要求応答メッセージを複数受け取る事で、同一ハブの
同一ポートに複数の端末が接続されていることを認識す
る。以上により、ある端末により実行される構成認識に
おいて、分配器6がシステムに及ぼす効果、即ちハブの
一つのポートに複数の端末を接続することを正しく認識
する事が可能になる。なお、分配器6は単に光スターカ
プラのみで構成されており、外部から制御する制御項目
を持たない。この為、ブロードキャストセルの送受信を
行う機能も必要ない。
【0256】分配器6に接続されている端末の一つがコ
ネクション設定を要求する場合、直接ハブに接続される
端末と同様、コネクション設定要求メッセージをブロー
ドキャストチャネル3に送出する。この時、コネクショ
ン設定を要求する端末は、コネクション設定サービスの
検索を行って、コネクション設定プロセスのATM−L
AN中の位置、即ちコネクション設定プロセスを提供し
ている端末のノード番号を知っているものとする。
【0257】分配器6に向けて送出されたコネクション
設定要求メッセージは、ハブ1−4に転送され、以降ブ
ロードキャストチャネル3に乗せられて、コネクション
設定プロセスへと転送される。コネクション設定プロセ
スでは、該コネクション設定要求メッセージに含まれる
発側端末と着側端末のノード番号と、自分が持っている
ATM−LANの構成に関するデータベースとを突き合
わせ、ATM−LAN中のどの経路に要求されたコネク
ションを設定するか、そのコネクション用に要求されて
いる帯域が余っているかを確認する。この時、分配器6
とハブ1−4との間の経路についても、他の経路と同様
に帯域の管理を行い、該経路上に設定されているコネク
ション帯域の総和と、新たに設定されようとしているコ
ネクションの帯域の和が該経路上の全帯域を越えるよう
であれば、該コネクションを設定できる余裕がないと見
なして、該コネクションの設定を拒絶する。この場合、
下りリンク側は与えられたトラフィックが全ての端末に
分配器6により分配され、一方、上りリンク側は全ての
端末の送出したトラフィックが分配器6により合流され
るため、分配器6と各端末との間のリンクについて帯域
管理を行う必要はない。
【0258】例えば、 M.DePrycker,W.Verbiest,D.Me
stdaghがISS92の会議録、pp.380-384の“ ATM PAS
SIVE NETWORKS:PREPARING THE ACCESS NETWORK FOR BIS
DN”と題された論文で開示した様な、今まで知られてい
る光スターカップラを用いた通信網の場合、光スターカ
ップラ上にコネクションを設定する為に、上で述べた帯
域を管理しているのではなく、光スターカップラ上で定
義されたスロットをコネクションを要求した端末に割り
当てる事を行っている。これは、いわゆる回線交換、S
TMである。本発明によるATM−LANの場合、分配
器6とハブ1−4の間のスロットを端末に割り当てるこ
とはせず、ATM通信網で行われる呼受け付け制御とし
ての帯域管理のみを行う事が大きな特徴となっている。
このように、呼受け付け制御のみでコネクション設定を
すませる事で、端末が要求するコネクションの帯域の範
囲が、例えば1kbpsから10Gbpsまでといった
如く広くなったとしても、呼受け付け制御としては単な
る加算のみを実行すれば良く、コネクション設定のオー
バーヘッドが小さくなると共に、分配器6を接続するポ
ートのハードウェア量も削減する事が可能になる。すな
わち、今までの光スターカップラを用いた通信網をAT
M通信網に接続する場合、光スターカップラを用いた通
信網がいわゆる回線交換網であるので、接続点にAAL
1といったCBR(固定ビットレート)を処理するため
のアダプテーションプロトコルが必要になり、ハードウ
ェア量が増大するが、本発明によればこのような問題が
緩和される。
【0259】コネクションを設定する経路上に要求され
た帯域を越える残余があれば、コネクション設定プロセ
スは、該要求されたコネクションを設定する。これは、
コネクションの経路上の各ハブにノード設定要求メッセ
ージを送出し、各ハブの持つルーティングタグテーブル
を順次設定する事によって行われる。この時、コネクシ
ョンが設定される経路上に分配器6も存在しているが、
分配器6には何も制御項目が無く、ノード設定要求メッ
セージを分配器6に転送する必要が無いことに注意が必
要である。
【0260】コネクション設定が終了すると、コネクシ
ョン設定プロセスはコネクション設定を要求した端末に
向けてコネクション設定終了メッセージをブロードキャ
ストチャネル3を通じて送出する。ハブ1−4に到着し
たコネクション設定終了メッセージは、ハブ1−4から
分配器6に向けて送出される。分配器6は、接続されて
いる端末2−5〜2−7全てに該コネクション設定終了
メッセージを分配する。端末2−5〜2−7は、それぞ
れ受け取るブロードキャストセルに関して自分に付加さ
れたノード番号でアドレスフィルタリングを行ってお
り、該コネクション設定終了メッセージは所望の端末、
即ちコネクション設定を要求した端末に受信される。
【0261】以上で分配器6にて接続された端末からコ
ネクション設定を要求する際に起こる一連の処理につい
ての説明を終わる。この説明から明らかな様に、本実施
例に係るATM−LANの最大の特徴である、ブロード
キャストチャネル3が分配器6の持つ物理的性質により
自動的に該分配器6上でも実現されているため、特願平
5−932231にて開示したブロードキャストチャネ
ル上のプロトコルが、分配器6を含むATM−LANで
あっても適用可能であることに注意が必要である。以上
の説明から、分配器6に接続された端末へコネクション
が設定された事を通知することや、分配器6に接続され
た端末からのサービス検索といった、その他のブロード
キャストチャネル3上で定義されたサービスについて
も、コネクション設定要求と同様に提供可能である事は
当業者には明らかである。
【0262】次に、分配器6を接続する為に必要になる
ハブ1−4の機能、及び端末2−iの機能について説明
する。
【0263】図15は、分配器6を接続するためにハブ
1−4に必要になる、光スターカプラインタフェース6
0の構成と、該光スターカプラインタフェース60とA
TMスイッチ20との接続を示した図である。
【0264】同図に示すように、光スターカプラインタ
フェース60はATMスイッチ20から与えられたセル
を下りリンクに送出するために、ルーティングタグ削除
部601、HEC生成部602、フレーム作成部603
およびE/O変換器604を持ち、上りリンクから受け
取ったセルをATMスイッチ20に転送するために、O
/E変換器605、PLL606、HECチェック部6
07およびルーティングタグ付加部608を持ってい
る。
【0265】図16は、分配器6に接続するために端末
2−iに必要になるATMインタフェース70の構成を
示した図である。
【0266】同図に示すように、ATMインタフェース
70は、下りリンクからのセルを受信するために、O/
E変換器701、フレーム同期部702、HECチェッ
ク部703、アドレスフィルタ704および受信FIF
Oメモリ705を持ち、上りリンクにセルを送出するた
めに、送信FIFOメモリ706、HEC計算部70
7、タイミング調整部708およびE/O変換器709
を持っている。
【0267】以下、光スターカプラインタフェース60
とATMインタフェース70の動作を説明する。
【0268】光スターカプラインタフェース60に電源
が投入されると、フレーム作成部603が図14に示し
た下りリンクの情報伝送構造のうち、オーバーヘッド6
03−i部分を作成し、E/O変換器604へと送出す
る。また、フレーム作成部603はHEC作成部602
から受け取るセルを下りリンクのペイロード部分に順次
挿入するという機能も持っている。即ち、フレーム作成
部603は、図14に示した下りリンクでの情報転送構
造を作成するという役割を持つ。ここで、この情報転送
構造は、本実施例に係るATM−LAN全体が同期して
いる網同期クロックに従属して作成されるものとする。
光スターカプラインタフェース60の電源投入時に、分
配器60にて接続されている端末にまだATMコネクシ
ョンが設定されていないと仮定すれば、HEC作成部6
02からは有意情報を持っていない空セル、もしくは他
の端末、もしくはATM−LAN中のハブの作成したブ
ロードキャストセルが渡されている事になる。フレーム
作成部603は、これらの空セルもしくはブロードキャ
ストセルを下りリンクのペイロード部分に挿入してE/
O変換器604へと送出する事になる。
【0269】E/O変換器604は、フレーム作成部6
03から受け取った電気信号を光信号に変換して下りリ
ンクへと送出する。
【0270】フレーム作成部603により作成され、E
/O変換器604により電気−光変換を受けた光信号
は、分配器6を経由して各端末に分配される。それぞれ
の端末のATMインタフェース70は、電源が投入され
ると、まず以下の動作を行う。すなわち、下りリンクか
ら入力される光信号は、O/E変換器701にて光−電
気変換を受けた後、フレーム同期部702に与えられ
る。さらに、O/E変換器701では、受け取った光信
号から抽出されるビットクロックが出力され、フレーム
同期部702、HECチェック部703、アドレスフィ
ルタ704、受信FIFOメモリ705の入力側、送信
FIFOメモリ706の出力側、HEC計算部707、
タイミング調整部708がそれぞれO/E変換器701
から出力されるビットクロックから作られるタイミング
信号により動作する。O/E変換器701から出力され
るビットクロックは、光スターカプラインタフェース6
0のフレーム作成部603が動作するクロックに従属し
ており、この結果としてATMインタフェース70が網
同期クロックに従属して動作するようになる事に注意が
必要である。
【0271】フレーム同期部702は、O/E変換器7
01から受け取ったビット列から、フレーム同期パタン
を検索するといった良く知られた方法でフレーム同期を
確立する操作を行う。フレーム同期が確立すると、オー
バーヘッド部分とペイロード部分の区別が付くようにな
るので、上りリンクでのスロットが定義できる様にな
る。フレーム同期が確立すると、フレーム同期部702
は、上りリンクでのスロットを定義するタイミング信号
である上りリンクスロット定義信号をタイミング調整部
708に出力する。なお、フレーム同期が確立するとフ
レーム同期部702は上りリンクスロット定義信号を送
出すると共に、ペイロード部分のセルを順次HECチェ
ック部703へと渡す。HECチェック部703以降の
動作については、後ほど詳細に説明する。
【0272】フレーム同期部702においてフレーム同
期が確立すると、端末2−iからのセル送出が可能にな
る。端末2−iでは、上りリンクに向けてセルを送出す
る際、以下の様に動作する。
【0273】まず、端末2−iは外部に送出したい情報
をセル化する。このセル化された情報は、プロセッサの
システムバスを経由して送信FIFOメモリ706へと
書き込まれる。ここで書き込まれるセルの形式は、53
バイトセルのVPI部分に後ほど述べるプリアンブルパ
タンを、またVCI部分にVPを示す識別子の一部とV
Cを示す識別子の一部を書き込んだものである。PTI
/CLPビットはITU−T標準に準拠し、所望の値に
設定する。セルの情報部には転送したい情報を含ませ
る。
【0274】タイミング調整部708は、フレーム同期
部702でのフレーム同期確立を受け、図14に示した
スロットの開始に合わせて、送信FIFOメモリ706
をポーリングする。送信FIFOメモリ706にセルが
保持されていたならば、該保持されている先頭のセル
を、HEC計算部707を経由して読み出し、一つのス
ロットに乗せる。なお、ここでのHEC演算はヘッダ部
分全てではなく、VPIフィールドを除いた部分に対し
て行われるものとする。スロットに乗せられたセルはE
/O変換器709にて光信号となり、分配器6を経由し
てハブ1−4へと転送される。
【0275】ハブ1−4の光スターカプラインタフェー
ス60では、分配器6から受信した光信号をO/E変換
器605によって電気信号へと変換し、PLL606へ
と送出する。このO/E変換器605の受ける光信号
は、同一スロット中に複数の端末がセルを送出すること
による光パワーの変化がある。この為、このO/E変換
器605は前述した電気増幅器の飽和を防ぐ回路を含ん
でいる事が望ましい。
【0276】PLL606では、O/E変換器605か
ら受け取った電気信号のセルの先頭に付けられたプリア
ンブルから、該セルをサンプルする為に必要なクロック
を再生し、HECチェック部607へと渡すと同時に、
O/E変換器605から受け取った電気信号もHECチ
ェック部607へと渡す。
【0277】HECチェック部607では、受け取った
電気信号をPLL606で再生されたクロックによって
サンプルし、セルを再生する。その後、端末2−iから
ハブ4の間で起こったビット誤りを検出するため、該セ
ルのヘッダ部分のHECのチェックを行う。ここでのH
ECチェックは、端末側の動作に合わせて、VCIフィ
ールドとPTI/CLPに対してのみ行われるものとす
る。PLL606が非同期に動作しているため、プリア
ンブルパタンを全て再生することは困難であり、HEC
チェック部607がプリアンブルパタンを全て受け取れ
るとは限らないのが、HECチェックを行うヘッダ部分
からVPIフィールドを除く理由である。HECチェッ
クによりヘッダ部分に誤りの発見されたセルは、訂正可
能な誤りであればヘッダ部分が訂正され、ルーティング
タグ付加部608へと送出される。訂正不可能な誤りで
あれば、該セルは廃棄されても良い。誤りの発見されな
かったセルは、ルーティングタグ付加部608へと送出
される。
【0278】ルーティングタグ付加部608では、該セ
ルのヘッダを参照し、該セルがブロードキャストセルで
あるか、ユーザセルであるか、またブロードキャストセ
ルであるならば、そのセルは隣接ノード分岐のブロード
キャストセルであるか、自分のノード制御部30に向か
う全端末同報のブロードキャストセルであるか、自分の
ノード制御部30には不要の全端末同報のブロードキャ
ストセルであるかを判断し、それぞれに前述のルーティ
ングタグを付加してATMスイッチ20へと渡す。
【0279】ここで、本実施例における上りリンク上の
セルにおいては、ITU−Tにて標準化されているNN
IセルのVPI部分をプリアンブルとして使用すること
にしており、該セルが属するコネクションの識別にはV
CI部分のみが使用可能である事に注意が必要である。
ブロードキャストセルとユーザセルの識別は、ブロード
キャストセルはVCI部分が全て1、それ以外のVCI
値ならばユーザセルといった形式で行う。さらに、上り
リンク上でVC交換とVP交換をサポートするため、V
CIフィールドの予め定められた数のビットがVCの識
別子、残りがVPの識別子といった形で使用されている
ものとする。
【0280】ATMスイッチ20には、光スターカプラ
インタフェース60の他に回線インタフェース10が接
続される事もある。また、ATMスイッチ20はコピー
接続の可能なATMスイッチである。これらのことか
ら、光スターカプラインタフェース60のルーティング
タグ付加部608では、以下の様にヘッダ部分を処理し
てATMスイッチ20に送出する必要がある。
【0281】1)ブロードキャストセル:VPI部分に
オール“1”を挿入 2)ユーザセル:VPI部分にコピーコネクション識別
子を書き込み、VCIのVP識別子部分に0を書き込む この処理により、分配器6の上りリンクから受信したセ
ルをATMスイッチ20を経由して回線インタフェース
10へと転送しても、該セルを該回線インタフェース1
0にて正常に処理する事が可能となる。
【0282】さらに、分配器6の上りチャネル上のブロ
ードキャストセルは、該ブロードキャストセルを送出し
た端末以外の端末に戻す必要があることにも注意が必要
である。これを実現するため、光スターカプラインタフ
ェースのルーティングタグ付加部608は、以下のよう
に受信したセルにルーティングタグを付加する。
【0283】1)ユーザセル:自分の持つルーティング
タグテーブルの、VCIフィールドで示されるVCもし
くはVPに割り当てられたエントリ中のルーティングタ
グを付加 2)ブロードキャストセル: 2−1)隣接ノード分岐のブロードキャストセル:ノー
ド制御部30に転送するルーティングタグを付加 2−2)全端末同報のブロードキャストセル: A)宛先フィールドが自分のノード番号:ノード制御部
30に転送するルーティングタグを付加 B)宛先フィールドが自分のノード番号以外:ノード制
御部30の接続されたポート以外のブロードキャストチ
ャネルの設定された全ポート、および自分自身に転送す
るルーティングタグを付加 全端末同報のブロードキャストセルであって、宛先フィ
ールドが自分のノード番号以外であるものに対して付加
されるルーティングタグが、回線インタフェース10の
ルーティングタグ付加部102において付加されるルー
ティングタグと異なっている事に注意が必要である。こ
の条件を満たすブロードキャストセルに回線インタフェ
ース10で付加されるルーティングタグは、ノード制御
部30と当該回線インタフェース10が接続されたポー
ト以外のブロードキャストチャネルの設定された全ポー
トに送出するルーティングタグである。もし、回線イン
タフェース10において、光スターカプラインタフェー
スのブロードキャストに上のルーティングタグを付加す
ると、該ブロードキャストセルが自分自身に戻ってくる
事になり、これが対向するハブへと転送される事にな
る。この結果、対向するハブでも同じ事が発生し、同じ
ブロードキャストセルがハブ間で無限に授受され、結果
として同じブロードキャストセルが無限にATM−LA
N全体に転送される、という望ましくない結果となる。
光スターカプラインタフェースにおける上記ルーティン
グタグは、ある端末の送出したブロードキャストセルを
同一の分配器6に接続された全端末に転送する為に付加
されている。端末はブロードキャスト木のリーフであ
り、ブロードキャストセルを再度送出する必要がないの
で、上記ルーティングタグを付加しても、同一のブロー
ドキャストセルが無限に発生するという望ましくない状
況は発生しない。
【0284】一方、ATMスイッチ20から下りリンク
に送出するセルを受け取ると、ルーティングタグ削除部
601は該セルのルーティングタグを削除すると共に、
コピーコネクション識別子を基に自らが内蔵するテーブ
ルを参照して該セルが下りリンクに送出される時のVP
I/VCIを獲得し、該VPI/VCIに該セルのVP
I/VCIフィールドを書き換えるという回線インタフ
ェース10のルーティングタグ削除部103と同じ動作
を行い、該セルをHEC作成部602へと渡す。
【0285】HEC作成部602では、該セルのヘッダ
部分の値からHEC値を計算し、フレーム作成部603
へと渡す。
【0286】フレーム作成部603では、前述したよう
に受け取ったセルを順次ペイロード部分に挿入し、E/
O変換器604に渡す。E/O変換器604では、前述
したように受け取った電気信号を光信号に変換して分配
器6へと送出する。
【0287】分配器6を経由して端末2−iに受信され
た光信号は、前述したようにO/E変換器701にて電
気信号に変換され、フレーム同期部702に渡される。
フレーム同期部702では、前述したように受け取った
電気信号からフレーム同期を確立する動作を行ってい
る。
【0288】例えば、STM−1といったフレーム構造
上のATMインタフェースとは異なり、本実施例におけ
る下りリンクの分配器6上での情報伝送構造において
は、オーバーヘッド603−iの間にセルが整数個含ま
れる事にしているので、フレーム同期部702において
フレーム同期が確立すると同時に、セルの先頭も認識す
ることが可能になる。STM−1といったフレーム構造
上のATMインタフェースで必要な、いわゆるセル同期
といった機能は不要である。しかしながら、ハブ1−4
からATMインタフェース70への転送中にビット誤り
が発生する可能性があるので、本実施例においてはHE
Cチェック部703においてセルのヘッダ部分のHEC
のチェックを行い、該セルのヘッダ部分にビット誤りが
無いことを確認していることとしている。
【0289】フレーム同期部702は、フレーム同期確
立中はペイロード部分のセルを順次HECチェック部7
03に渡している。HECチェック部703は、受け取
ったセルのヘッダ部分についてHECチェックを行う。
誤りが検出されないセルはアドレスフィルタ704へと
渡される。訂正可能な誤りが検出されたセルは、誤りが
訂正され、アドレスフィルタ704へと渡される。訂正
不可能な誤りが検出されたセルは、HECチェック部7
03によって廃棄される。
【0290】アドレスフィルタ704では、まずヘッダ
部分を参照し、該セルがユーザセルであるか、ブロード
キャストセルであるかを識別する。ユーザセルであれ
ば、該セルのVPI/VCIを参照し、該VPI/VC
Iにて識別されるコネクションが該端末に設定されてい
るか否かを判断する。該VPI/VCIにて識別される
コネクションが該端末に設定されているならば、該セル
を受信FIFOメモリ705に入力し、設定されていな
いならば、該セルを廃棄する。
【0291】一方、受け取ったセルがブロードキャスト
セルであるならば、まずアドレスフィルタ704は情報
部についてBIP−8による誤り検出を行い、誤りの発
見されたセルは廃棄する。
【0292】BIP−8による誤り検出にて誤りが検出
されなかったブロードキャストセルは、次に宛先フィー
ルドと送出元フィールドが参照される。これらのフィー
ルドの値により、以下のように該セルが処理される。
【0293】1)隣接ノード分岐のブロードキャストセ
ル:受信FIFOメモリ705に入力 2)全端末同報のブロードキャストセル: 2−1)宛先フィールドに自分のノード番号が書かれて
いる:受信FIFOメモリ705に入力 2−2)宛先フィールドで全端末同報が指定されてい
る: A)送出元フィールドに自分のノード番号がかかれてい
る:廃棄 B)送出元フィールドの値が自分のノード番号以外:受
信FIFOメモリ705に入力。
【0294】ここで、全端末同報のブロードキャストセ
ルについて、分配器6に接続された端末には、自分の送
出した全端末同報のブロードキャストセルが受信されて
しまう事に注意が必要である。この為、受け取ったブロ
ードキャストセルで、自分が送出したブロードキャスト
セルであると認識されるものを廃棄する必要がある。な
お、宛先フィールド及び送出元フィールドの両方に自分
のノード番号が書かれていると、上のアルゴリズムによ
れば受信FIFOメモリ705に取り込まれる事になる
が、この様なブロードキャストセルを用いて自分の接続
されているハブが正常に動作しているか否かを確認可能
である事に注意が必要である。
【0295】以上で、本実施例に係るATM−LANの
ハブの光スターカプラインタフェース60と、端末のA
TMインタフェース70の詳細な動作の説明を終わる。
【0296】なお、光スターカプラインタフェース60
中のPLL606の構成は、端末から送出されるセルが
網同期用クロックに従属しているので、以下に述べるよ
うな可変ディレイを用いた回路に置き換え可能である事
に注意が必要である。
【0297】図17に、PLLを使用する代わりに可変
ディレイを用て受信セルのサンプルを行うクロックを作
成する場合の構成を示す。O/E変換器605より入力
されるビットパタンと、該ハブ1−4が動作している1
55.52MHzのクロックとの位相比較を行い、該ビ
ットパタンを正常にサンプル可能な位置まで155.5
2MHzのクロックを可変ディレイ6061により遅延
させる構成となっている。ATM−LAN全体に網同期
が確立している前提では、ハブの動作クロックである1
55.52MHzと、分配器6を経由して接続されてい
る端末が上りリンクに向けて送出するデータの持つ周波
数とは、ほぼ一致している。よって、単にハブの動作ク
ロックの位相を制御するだけで、上りリンクから受け取
ったセルをサンプル可能なクロックを得る事ができる。
【0298】ハブ動作クロックである155.52MH
zは、一旦可変ディレイ6061に入力される。可変デ
ィレイ6061のクロック出力は、O/E変換器605
より与えられるビットパタンをサンプルするフリップフ
ロップ6064のクロック入力端子と、位相比較器60
62の一方の入力に与えられる。位相比較器6062の
他方の入力には、O/E変換器605からのビットパタ
ンが与えられる。
【0299】位相比較器6062は、これら二つの入力
の位相を比較し、両入力の位相差に相当したアナログ信
号をサンプル&ホールド回路6063に出力する。位相
比較器6062から出力されるアナログ信号は、その変
化範囲を例えば0V〜1Vとして、二つの入力の位相差
が180°に近ければ0Vに近く、この位相差が0°に
近ければ1Vに近くなるような信号とする。位相比較器
6062は、同図に示されている通り、入力された二つ
の信号の積をとるアナログ乗算器と、アナログ乗算器の
出力に付加されたローパスフィルタとから構成されてい
ても良い。アナログ乗算器で二つの入力の積をとると、
位相差に比例した低周波の信号と入力された二つの信号
の周波数の2倍の周波数の信号を得ることができるの
で、低周波の信号をローパスフィルタで選択し、位相差
に比例した低周波の信号を上述した様な変化範囲の信号
に変換して出力する事で、所望のアナログ信号を出力す
ることができる。
【0300】サンプル&ホールド回路6063は、プリ
アンブル検出回路6065からの指示に従い、サンプル
状態とホールド状態の間を遷移する。サンプル状態時に
は、与えられたアナログ信号の電位をスルーして出力す
る。一方、ホールド状態時にはサンプル状態時に与えら
れていたアナログ信号の電位を保持して出力する。初期
状態では、サンプル状態であるとする。この結果、O/
E変換器605から与えられたビットパタンと、ハブ動
作クロックとの間の位相差に従った信号であるところの
ディレイ量信号が可変ディレイ6061に与えられる。
【0301】ディレイ量信号が可変ディレイ6061に
与えられると、該信号に反比例したディレイがハブ動作
クロックに与えられる。この結果として、可変ディレイ
6061、位相比較器6062、およびサンプル&ホー
ルド回路6063によってクローズドループが構成さ
れ、O/E変換器605から与えられたビットパタンと
ハブ動作クロックの位相が一致する様に動作することに
なる。そこで、フリップフロップ6064により可変デ
ィレイの出力クロックの立ち下がりでO/E変換器60
5からのビットパタンをサンプルすると、O/E変換器
605からのビットパタンを正常にサンプルできること
になる。
【0302】図18に、可変ディレイ6061の構成例
を示す。ここで採用した可変ディレイ6061の回路
は、4つのMOSトランジスタ(以下単にトランジスタ
と略記)60613〜60616による可変ディレイ回
路と、該可変ディレイ回路に対してディレイ量を指定す
るバイアスを与える二つのトランジスタ60611、6
0612とからなるバイアス回路とにより構成される。
トランジスタ60611と、60613の組、及びトラ
ンジスタ60612と60614の組は、カレントミラ
ーとなっている。可変ディレイ回路からの出力は波形整
形器60618に入力され、外部に出力される。なお、
波形整形器60618の入力容量、可変ディレイ回路か
ら波形整形器60618までの配線に付く容量等の浮遊
容量を破線で示し、60617と符号を付けている。
【0303】外部からディレイ量信号として電位が与え
られると、nチャネルMOSトランジスタ60612
に、該電位に比例した電流が流れる。その結果、pチャ
ネルMOSトランジスタ60611にnチャネルMOS
トランジスタ60612に流れた電流と同じ電流が流れ
る。その結果、pチャネルMOSトランジスタ6061
1のゲートと電源電位の間に、流れた電流に比例した電
圧が生じる。この電圧はpチャネルMOSトランジスタ
60613のゲートに同一の電圧を与える事になり、結
果としてpチャネルMOSトランジスタ60613にp
チャネルMOSトランジスタ60611に流れている電
流と等しい電流が流れる様になる。結局、外部からディ
レイ量信号として与えられた電位に比例した電流がトラ
ンジスタ60613に流れる。また、トランジスタ60
614には外部からのディレイ量信号が与えられている
ので、やはり外部からディレイ量信号として与えられた
電位に比例した電流がnチャネルのトランジスタ606
14に流れる事になる。
【0304】ところで、pチャネルMOSトランジスタ
60615とnチャネルMOSトランジスタ60616
は、CMOS論理回路のNOTゲートとなっている。こ
れらのゲートに与えられる電圧が閾値電圧より低けれ
ば、pチャネルMOSトランジスタ60615がON、
nチャネルMOSトランジスタ60616がOFFとな
る。一方、これらのゲートに与えられる電圧が閾値電圧
より高ければ、pチャネルMOSトランジスタ6061
5がOFF、nチャネルMOSトランジスタ60616
がONとなる。この結果、入力レベルと逆のレベルの電
圧が浮遊容量60617にかかる。
【0305】しかし、浮遊容量60617に電荷を蓄積
する経路ではpチャネルMOSトランジスタ60613
が該経路に流れる電流をディレイ量信号に比例した電流
に制限しており、また浮遊容量60617に蓄積された
電荷を吸い出す経路ではnチャネルMOSトランジスタ
60614が該経路に流れる電流をディレイ量に比例し
た電流に制限している。よって、クロック入力から出力
までのディレイがディレイ量として与えられる電圧に反
比例するように制御される。
【0306】トランジスタ60613〜60616によ
り構成される可変ディレイ回路の出力は、波形整形器6
0618にて、ディジタルのクロック信号として十分な
立ち上がり、立ち下がり時間を持つ波形に整形されて出
力される。
【0307】図19に、本発明による分配器6によって
複数端末を収容したATM−LANでの上りリンクにお
けるセルの形式を示す。前述した分配器6と端末の距
離、伝送速度、ガードタイムのパラメータによると、連
続するスロット間でのセル到着間隔の最小値は、15
5.52Mbpsのビット換算で約20ビットある。こ
の20ビットの期間はどのような位相でサンプルしたと
しても、論理値0をフリップフロップ6064にてサン
プルする事ができる。セルの到着前には、プリアンブル
検出回路6065はサンプル&ホールド回路6063を
サンプル状態に制御している。セルが到着し始めると、
まず先頭のプリアンブルパタン(ここでは16進数で表
現してAA5という値をプリアンブルとして持つものと
する)により前述の可変ディレイ6061、位相比較器
6062、サンプル&ホールド回路6063のループが
動作し始め、フリップフロップ6064に与えられるク
ロックの位相が到着したセルのビットパタンに合わせら
れ、フリップフロップ6064でのサンプルが正常に行
われる様になる。
【0308】フリップフロップ6064の出力は、プリ
アンブル検出回路6065に与えられている。プリアン
ブル検出回路6065では、プリアンブルパタンの最後
の6ビットパタンから、”100101”というパタン
を検索している。このパタンをプリアンブル終了パタン
と呼ぶ。このパタンを検出すると、プリアンブル検出回
路6065はサンプル&ホールド回路6063をホール
ド状態に移行させ、以降のVCIフィールド、情報部フ
ィールドをHECチェック部607へと送出する。情報
部フィールドを最後まで送出すると、プリアンブル検出
部6065はサンプル&ホールド回路6063を再びサ
ンプル状態へと移行させ、次のセル到着に備える。セル
のVCI及び情報部には、0や1が続くようなビットパ
タンが現れる事があるので、この部分では前述の可変デ
ィレイ6061、位相比較器6062、サンプル&ホー
ルド回路6063のループが動作する事は保証できな
い。この為、サンプル&ホールド回路6063によって
ディレイ量信号をプリアンブル以降のVCIフィール
ド、情報部フィールドを受信している間保持してやる必
要がある。
【0309】なお、前述のプリアンブル終了パタン検出
後、プリアンブル検出部6065がサンプル&ホールド
回路6063をホールド状態のまま維持している時間は
予め定められた時間でかまわない。これはセルが固定長
であることによる。この為、図17に示したディレイ回
路は、例えばあるスロットにおいてセル衝突が発生した
結果、プリアンブル終了パタンを誤って検出した場合な
どにも、プリアンブル検出回路6065がサンプル&ホ
ールド回路6063を無限にホールド状態に保持するこ
とがないという、望ましい性質を持つことに注意が必要
である。このプリアンブル終了パタン誤検出の確率は、
少なくとも20ビットの0が続いた後、6ビット後にプ
リアンブル終了パタンが発生する、という上りリンク上
でのセルフォーマットを使ってプリアンブル検出回路6
065がプリアンブル終了パタンを検出する事にして
も、低下させる事が可能である。
【0310】本発明による分配器6によって複数端末を
収容したATM−LANでは、特願平5−349634
で開示した移動端末を収容するための無線による上りリ
ンクと同様、複数の端末が同じスロットにセルを送出す
ると、該送出されたセルが廃棄されてしまう。この為、
特願平5−349634では下りリンクのフレームの開
始から上りリンクのスロットに番号を付け、移動端末の
ノード番号を例えば4で割った余りと、該スロット番号
を4で割った余りが一致した場合に、該移動端末に上り
リンクにセルを送出する権利を持たせ、もって同一スロ
ットにセルを送出する可能性のある移動端末数を削減し
て、該スロットでのセル衝突の確率を低下させる、とい
った手法を開示している。本実施例に係る分配器6にて
複数端末を収容したATM−LANであっても、分配器
6上で定義された情報伝送構造が特願平5−34963
4で開示した無線チャネルと同様であるため、同じよう
にノード番号とスロット番号を用いて、それぞれのスロ
ットにセルを送出する可能性のある端末数を削減し、も
って該セルスロットでのセル衝突の確率を低下させるよ
うできる事に注意が必要である。このような制御を実現
するためには、ATMインタフェース70のタイミング
調整部708が上りリンクのスロット番号をカウント
し、かつ自分に付けられたノード番号を参照すること
で、自分に割り当てられたスロットを認識し、自分に割
り当てられたスロットでのみセルを送出する様動作すれ
ば良い。
【0311】無線チャネルで接続される移動端末は、い
つ該無線チャネルから抜けるか、予測がつかない。この
為、移動端末が上りリンクに送出するセルの衝突確率を
低下させるために使用する情報は、ノード番号とかスロ
ット番号の様に、常に移動端末で獲得できる情報を使う
事が移動時の情報処理の複雑さを緩和する観点から望ま
しい。一方、分配器6で接続される端末は、無線チャネ
ルで接続される端末と異なり、一旦接続されるとなかな
か分配器6から外されないという性質を持つ。この性質
により、以下の様に単にノード番号とスロット番号を用
いる他にも、ハブ1−4から若干の情報を受け取り、該
受け取った情報も用いてスロットにアクセスしても、大
きく制御系の複雑度を上げることがない。よって、以下
に述べるような前述のセル送出制御アルゴリズムよりも
セル衝突の確率を低下させることができ、さらに各端末
が必要ならば分配器6上の上りチャネル上のほぼ全ての
帯域を使うことも可能という、非常に望ましい特徴を持
ったセル送出制御アルゴリズムをATMインタフェース
70のタイミング調整部708に実行させても構わな
い。なお、以下に述べるセル送出制御アルゴリズムは、
移動端末の移動時の情報処理の複雑さを問題にしなけれ
ば、特願平5−349634にて開示した無線チャネル
であっても実行可能である事に注意が必要である。
【0312】分配器6上における上述の上りチャネルで
は、フレーム中にセルが一つ入力可能なスロットが計4
0個、割り当てられている。これらのスロットはハブ1
−4でのハード処理は全て同一であるが、端末2−iが
該スロットを使うための規約として、以下の規約を設け
る事にする(図20)。
【0313】1)フレーム開始からの先頭の4スロット
は、ブロードキャストセルを主に転送することを目的と
した制御優先スロットとし、それらに先頭から順に0,
1,2,3,…,7と番号を付ける。
【0314】2)残りのスロットは、ユーザセルを主に
転送することを目的としたデータ優先スロットとし、そ
れらに先頭から順に0,1,2,…,16,1,7,
0,1,,2,…,16,17と番号を付ける。
【0315】3)各端末は、制御優先スロットに対して
セルを送出する時は、自分の持つノード番号を4で割っ
た余りと、該制御優先スロットに付加した番号が一致す
るものについてのみセルを送出する。
【0316】4)各端末に電源が投入されると、各端末
は、分配器6の接続されたハブのノード制御部30に対
して、もしくはコネクション設定プロセスに対して、デ
ータ優先スロット番号要求メッセージをブロードキャス
トチャネル3を通じて送出する。なお、この際、該メッ
セージは上記制御優先スロットに送出される事が望まし
い。ノード制御部30もしくはコネクション設定プロセ
スは、一つの分配器6に接続された端末に、該データ優
先スロット番号要求メッセージを受け取った順に0,
1,2,…,17と番号を付け、該番号をデータ優先ス
ロット番号応答メッセージに含めて、ブロードキャスト
チャネル3を通じて、要求元の端末に転送する。(分配
器6に接続される最大の端末数は18であるとしてい
る) 5)各端末のタイミング調整部は、上記データ優先スロ
ット番号応答メッセージに含まれた番号(これを送出ス
ロット番号と呼ぶ)を保持している。送信FIFOメモ
リ706に送出するべきユーザセルが保持されている
時、該保持されているユーザセルの個数が予め定められ
た個数より少ない場合は、データ優先スロットで送出ス
ロット番号に等しいもののみにおいてユーザセルを送出
する。送信FIFOメモリ706に保持されているユー
ザセルの個数が予め定められた個数より多い場合は、任
意のスロットにユーザセルを送出する。
【0317】上述のアルゴリズムは、無線チャネルの上
りリンクでセル衝突確率を低下させる為に導入したアル
ゴリズムに比べ、たまたまノード番号の下位2ビットが
一致する端末が同一の分配器6に接続された場合でも、
少なくともデータ優先スロットにおけるセル衝突は避け
ることが可能であり、セル衝突確率をより低下させる事
ができる。また、送信FIFOメモリ706に保持され
たユーザセルの数が予め定められた個数より多い場合、
他の端末に割り当てられたスロットにセルを送出する事
を禁止していないので、一つの端末が上りリンクの最大
帯域近くまで帯域を使用する事も可能である。端末がユ
ーザセルを送出するときには、コネクション設定が行わ
れ、分配器6とハブ1−4との間の物理リンク上で帯域
割り当てが行われているので、一つの端末が上りリンク
の最大帯域近くまで帯域を使用する場合は、他の端末が
ユーザセルを送出する事は、正常動作時にはない。この
ため、一つの端末が上りリンクの最大帯域近くまで帯域
を使用したとしても、セル衝突が増加する結果を招く事
はない。
【0318】なお、ハブ1−4での制御優先スロットな
らびにデータ優先スロット上のセルの処理はまったく同
一であるので、それぞれの端末は制御優先スロットに対
してユーザセルを送出する事にしても良い。ただし、制
御優先スロットで他の端末に割り当てられたスロットに
セルを送出する事は禁止する。これは、制御優先スロッ
トは、上述のデータ優先スロット番号要求メッセージと
いった制御の為に必要な情報を主に転送することを目的
に設けられていることによる。同様に、データ優先スロ
ットに対してブロードキャストセルを送出しても良い。
ただし、データ優先スロットでは、他の端末が自分に割
り当てられたスロットに対してセルを送出してくる可能
性があるので、該ブロードキャストセルが正常にハブに
届く確率は低下する事に注意が必要である。
【0319】また、制御優先スロットの割り当てはノー
ド番号が基本となっているので、たまたまノード番号の
下位2ビットの一致する端末が分配器6に接続されてい
ると、何らかの要求メッセージの上りリンク上での衝突
が起こり得る。衝突が発生すると、送出した要求メッセ
ージに対して応答メッセージをいつまでも受けることが
できなくなる。この問題に対応する為、要求メッセージ
送出後、応答メッセージを受け取るまでにタイマを設
け、該タイマのタイムアウトにより再度要求メッセージ
を送出する事が考えられるが、このタイマのタイムアウ
ト時間をそれぞれの端末でメッセージ送出毎に乱数を発
生させて変化させるようにすれば、同一の端末による同
一の衝突が無限に発生して、いつまでも要求メッセージ
が正常にハブ1−4に転送されない、といった望ましく
ない状況を回避する事ができる。
【0320】さらに、上で述べた制御優先スロット、デ
ータ優先スロットの個数は、特に上で述べた値に限られ
るものでは無く、任意の比率に決定する事が可能である
ことに注意が必要である。ただし、一つの分配器6に接
続された端末間では同一の数値とする必要があることは
言うまでもない。
【0321】端末2−iがスロットを使うための前述の
規約では、送信FIFOメモリ706に保持されている
ユーザセルの個数が予め定められた個数より多い場合
は、任意のスロットにユーザセルを送出する事にしてい
たが、自分に割り当てられていないスロットにセルを送
出する場合、CACにて割り当てられた帯域を使用する
様な確率でセルを送出するか否かを決定するようにして
も良い。これは、例えば各端末が乱数発生器を持ち、そ
れぞれのスロットで乱数を発生させ、該発生させた乱数
を用いて、例えば該乱数がCACにて割り当てられた帯
域から導出された値よりも小さい場合にセルを送出する
ように構成することで、容易に実現が可能である。これ
によって、確かに端末に割り当てらられた帯域にて該端
末がセルを送出するように制御することができ、よりセ
ル衝突の確率を小さくする事ができる。
【0322】上に述べたアルゴリズムをタイミング調整
部708が実行したとしても、あるスロットでのセル衝
突の確率を0にすることはできない。一方で、例えば端
末が生存しているか否かをハブ1−4のノード制御部3
0から確認するといった如く、正常に端末が動作してい
るならばセル衝突が発生する確率を0にする必要のある
メッセージも存在している。この様なメッセージを転送
するためには、以下のようにハブ1−4と端末2−iが
動作すれば良い。即ち、特願平5−349634にて開
示した様に、ある種のブロードキャストセルが下りリン
クから到着したならば、上りリンクでのセルを、該下り
リンクでこの様な種類のメッセージの現れたスロットの
番号に付けられた番号に例えば1を加えた番号を持つス
ロットを該下りリンクでのある種のブロードキャストセ
ルの宛先である端末専用に予約する、という様に動作す
れば良い。図21には、一例としてハブ1−4のノード
制御部30が端末の生存確認を生存確認要求メッセージ
にて行う場合が示されている。分配器6を経由して送出
された生存確認要求メッセージが、例えばオーバーヘッ
ドから二つめのセルに現れたとする。この場合、上りリ
ンクの番号2のスロットが該生存確認要求メッセージの
宛先端末に割り当てられる。他の端末は、正常動作時は
該スロットにセルを送出しない事にする。この制御は、
制御優先スロットとデータ優先スロットに関する上述の
制御よりも優先されて実行されなければならない事は言
うまでもない。
【0323】以上、光スターカプラを用いた分配器によ
りハブの一つのインタフェース点に複数の端末を収容す
る場合の、本実施例に係るATM−LANの動作、及び
システム構成について、詳細に説明した。なお、以上の
説明から明らかな様に、ここで述べた動作は、特に1:
nの光スターカプラ二つにより構成される分配器のみで
実現可能な訳ではなく、図22に示すように、n:nの
光スターカプラ一つにより構成されてもかまわない。こ
の場合、上りリンクと下りリンクを区別する必要が生じ
るが、これについては、下りリンクと上りリンクの光波
長を変える、例えば、下りリンクには高速化に有利な波
長1.55μmの光を使い、上りリンクにはレーザ光発
生素子の値段の安価な波長1.3μmの光を使うといっ
た方法が考えられる。また、光スターカプラの持つ強い
双方向性を用い、同じ波長の光に対する光スターカプラ
における伝送方向によっても、上りリンクと下りリンク
を定義する事が可能である。
【0324】また、上に述べた上りリンクにおけるガー
ドタイムの長さを決める際の実際のパラメータにおい
て、光ファイバ中の光信号の速度は上りリンクでの情報
転送速度によらずほぼ一定である事に注意が必要であ
る。このため、分配器6と各端末2−i間の伝送路の距
離を0mから25mの範囲で固定したとすると、例えば
上りリンクの情報転送速度を620Mbpsに変えた時
には、ビット数で数えた必要となるガードタイムの長さ
は4倍になる。一方、セルの長さは固定であるので、上
で述べたように一つのセルにガードタイムを設ける、即
ち上りリンクのスロットに1セルを割り当てる形式で
は、上りリンクの使用効率が低下する事になる。上りリ
ンクの使用効率を低下させないためには、一つのスロッ
トに一つを越える数のセル、例えば4個のセルを含める
様にすれば良い。各端末は、送信FIFOメモリ706
に3セル以下しか保持されていない場合、該スロットの
前から順に送信FIFOメモリ706に保持されたセル
を送出し、残った部分は空セルを送出するか、もしくは
何も送出しない事にしても良い。
【0325】今まで説明してきた、第3の発明の実施例
では上りリンクのガードタイムを分配器6と端末2−i
との間の伝送路の距離として仮定した長さの範囲でそれ
ぞれの端末が送出したセルが衝突しない様に設定する事
で、例えば1フロア内といった比較的狭い範囲のATM
−LANに対して分配器6を適用し、もって端末の収容
コストを削減する事を考えていた。しかしながら、第3
の発明は特にこのような状況のみに適用される訳ではな
く、以下説明する様なより広い範囲に広がった端末に対
しても適用可能である。このようなシステム例として、
CATV網を取り上げ、以下に第4の発明の詳細な説明
を行う。
【0326】図23に、第4の発明を適用するCATV
網の構成を示す。
【0327】同図に示すように、このCATV網は公衆
網に接続されたバックボーン網としてATM交換機によ
って構成されるATM網を用い、それぞれの加入者エリ
アに対して図13ないしは図22に示した光スターカプ
ラによる分配器によって加入者宅を収容する様になって
いる。ATM通信網の適用により、現状CATV網で行
われているビデオ分配サービスの他に、加入者宅からの
公衆網への呼設定、公衆網からの呼着信サービスが受け
られる事が大きな特徴となっている。また、トラフィッ
ク量の多いビジネスユーザをATM交換機に直収するこ
とで、該ビジネスユーザに対してもCATV網業者がサ
ービスを提供可能になる。
【0328】また、ATM交換機にビデオサーバを接続
し、それぞれの加入者が任意の時間に該ビデオサーバに
CATV網を経由してアクセスすることで、いわゆるビ
デオオンデマンドサービスも提供することができるよう
になっている。
【0329】さらに、各加入者エリアに移動端末による
無線アクセスを提供するべく、無線ゾーン基地局を配し
ても構わない。該無線ゾーン基地局は、ATM交換機に
直収されているものとする。ここでの無線ゾーンは、例
えば特願平5−349634に示した様なATM多重形
式のものとすることで、バックボーン網への移動端末収
容についてシームレス化を図る事ができる。なお、前述
した様に光スターカプラによる分配器6または7と、電
波による無線チャネルとは基本的に同じシステム的性質
を持っているので、以降説明する光スターカップラによ
る分配器のCATV網への適用における情報伝送構造
は、フェージング対策等のATM技術で言うところの物
理レイヤのPMDサブレイヤの機能の拡充により、その
まま無線ゾーンにおける情報伝送構造に応用する事が可
能である事に注意が必要である。
【0330】図24に、加入者宅に入るCATV用端末
A0の一例を示す。このCATV用端末A0は、CAT
Vインタフェース90と、マイクロプロセッサA01、
及びマイクロプロセッサシステムバスに接続されたFA
X、電話、コードレス電話等の通常の家庭用通信機器
や、ビデオ分配サービス等を受ける為のCRTディスプ
レイやスピーカ、並びにCATV用端末A0を制御する
ためのリモコン等からなっている。
【0331】マイクロプロセッサA01は、CATVイ
ンタフェース90を経由して入力される情報をそれぞれ
所望の機器に転送したり、それぞれの機器から外部に向
けて送出される情報を一旦受け取ってCATVインタフ
ェース90に転送する処理を行う。この時、必要であれ
ば画像や音声の符号化/復号化を行う。さらにマイクロ
プロセッサA01は、リモコンからの加入者の指示を受
け、それぞれの機器の制御も行う。なお、ブロードキャ
ストチャネル3上のメッセージにおいて、これらマイク
ロプロセッサのシステムバスに接続された機器を区別す
るために、宛先アドレス中のプロセス番号を使用するこ
とにしても良い。これにより、機器を区別したコネクシ
ョン設定要求をマイクロプロセッサA01がCATV網
に向けてブロードキャストチャネル3を経由して送出す
る事が可能になる。
【0332】第4の発明は、CATV網の光スターカプ
ラによる加入者収容網のみならず、例えば、同軸ケーブ
ルを用いた加入者収容網にも同様に適用可能である。図
25に、第4の発明を適用する同軸ケーブルを用いた加
入者収容網を含むCATV網の構成を示す。加入者宅へ
のトラフィックが、いわゆるATM−MUXを経由して
同軸ケーブルにより各加入者宅に分配されている。
【0333】図26に示すように同軸ケーブル上では、
下りリンクと上りリンクがそれぞれ中心周波数f1とf
2の下に変調を受け、例えばそれぞれ200MHzと1
00MHzの帯域をもって周波数多重されているものと
する。変復調方式によって、これらの帯域で転送できる
ビットレートは変化するが、ここでは上りリンクと下り
リンクに同一の変復調方式が適用されているものとし、
上りリンクは下りリンクの1/2の伝送レートを持って
いるものとする。また、図27に示す様に、今まで説明
してきたのと同様、下りリンクは周期的に現れるフレー
ム同期確立用のオーバーヘッドの間にセルが整数個含ま
れている構成にて情報が伝送されるものとする。上りリ
ンクは下りリンクの半分の伝送容量であるので、下りリ
ンク上で定義されたフレームが下りリンクの1フレーム
中に含まれているセル数の半分の個数のスロットに分割
されている。
【0334】なお、光スターカプラによる加入者収容網
や、同軸ケーブルによる加入者収容網、または電波等に
より、加入者宅の端末からトラフィックが一旦集線され
る場所、例えばATM交換機、ATM−MUX、無線ゾ
ーン基地局を一括してヘッドエンドと呼ぶ。
【0335】上に述べた様なシステムは、基本的には空
間的に端末が広く分布することで、第3の発明が適用さ
れるシステムの持つ性質と同様の性質を持っている。分
配器において、下りリンクのトラフィックは全ての加入
者宅に等しく分配されるので、本発明の一実施例による
ATM−LANの最大の特徴であるブロードキャストチ
ャネルを自然に提供することが可能であるが、一方で上
りリンクのトラフィックは、同時に複数加入者がセルを
送出すると衝突を起こして正常にヘッドエンドで受信す
ることができないといった性質を踏襲している。このた
め、今まで説明してきた第3の発明による端末収容法に
おける、各種制御手法、特にブロードキャストチャネル
によるコネクション設定等や、特願平5−349634
にて開示した公衆網との呼設定、呼着信を必要とする加
入者宅までQ.93Bコネクションを設定するといった
ことは、第4の発明の適用されるシステムにもまったく
同様に導入する事が可能である。ただし、加入者宅の端
末はいつ電源を切られるか分からず、また、ある加入者
宅の端末の電源が切られたからといって、コネクション
設定サービスが途切れる事は許されない。よって、第4
の発明の適用されたCATV網の場合、今まで説明して
きた本発明の一実施例によるATM−LANとは異な
り、コネクション設定プロセスをヘッドエンド上で実現
しておく必要がある。特願平5−349634にて指摘
した様に、本発明の一実施例によるATM−LANの制
御の枠組みの場合、ブロードキャストチャネル3が繋が
っており、また各端末、各ヘッドエンドにブロードキャ
ストチャネル3上でルーティングに使用されるノード番
号が規定されてさえいれば、コネクション設定プロセス
は端末にも網側にも実装可能である。また、一般的に一
つの加入者収容網に収容される端末の数は比較的少なく
(例えば16台から256台)、ブロードキャストチャ
ネル3を基本とした制御が適用可能な範囲である。
【0336】CATV網の加入者収容網と、1フロアと
いった狭い範囲に閉じたATM−LANとの大きな違い
は、ヘッドエンドと端末の間の伝送路の距離である。即
ち、CATV網の加入者収容網では、各加入者宅からA
TM交換機までの光ファイバの長さ、各加入者宅からA
TM多重化部までの同軸ケーブルの長さ、もしくは加入
者エリアにおける無線ゾーン中の移動端末から無線ゾー
ン基地局までの距離といった、収容しようとしている端
末とヘッドエンドとの間の伝送路の距離が、いままで説
明してきた本発明の一実施例によるATM−LANシス
テムの場合と比べて非常に大きくなる。例えば、1フロ
ア内に限定した場合、端末とヘッドエンドの間の伝送路
の距離として最大25m程度を仮定すれば良かったもの
が、CATVの加入者エリアに適用しようとすると例え
ば半径5km程度を仮定する必要がある。下りリンクは
唯一のヘッドエンドから複数の端末に情報を伝送するだ
けであるので、同一の情報伝送構造が使用可能である。
一方、上りリンクにおいてはヘッドエンドと端末の距離
の差をガードタイムで保護しようとすると、その長さが
40倍必要になる。このガードタイムの長さは、例えば
155.52Mbpsの信号を光ファイバで転送した場
合で考えて約10μsとなり、前述の様にセル一つを含
む事のできる一つのスロットにガードタイムを付加する
事を考えると、許容できない伝送効率の悪化を生じさせ
てしまう。
【0337】この伝送効率の悪化を防ぐための一つの方
策は、一つのスロットに複数セルを含ませることである
が、この方法によると端末が超低速から超高速までのコ
ネクションを使用する場合に上りリンクの使用効率が低
下してしまうという問題がある。そこで、第4の発明で
はCATVの加入者収容網において、端末と必要な位置
との間の伝送路の距離を測定し、それに基づいて端末側
でのセル送出タイミングを該距離に比例して変化させ、
もってガードタイムとして必要な時間を収容端末とヘッ
ドエンドの距離の差から距離測定の精度まで縮めるとい
う方法をとることとしている。
【0338】図28に、CATV加入者網にて行われる
距離測定の第1の方法を示す。この方法は、端末が上り
リンクに送出した情報を自分で受信できない場合の距離
測定手法である。この方法は、例えば特願平5−349
634に示した様な下りリンクに割り当てられた周波数
のみ受信可能な移動端末や、図12に示した1:n光ス
ターカプラを二つ使用した分配器や、図22に示した
n:n光スターカプラを用いた分配器に下りリンクに割
り当てられた波長の光のみ受信可能である端末をつない
だ場合や、図25に示した同軸ケーブルを用いた加入者
収容網に下りリンクに割り当てられた周波数のみ受信可
能な端末を接続した場合、等に適用する事ができる。
【0339】距離測定を実現するため、上りリンクのフ
レームのうちの一部を距離測定フレームとする。距離測
定フレームにおいては、一つの端末が自分とヘッドエン
ドとの間の距離を測定する事ができる。距離測定結果
は、下りリンクのフレームのオーバーヘッド部分もしく
はブロードキャストチャネル3上のメッセージで通知さ
れる。距離測定の行われない上りリンクのフレームをユ
ーザデータフレームと呼ぶ。このユーザデータフレーム
では、ブロードキャストセルやユーザセルの送出が今ま
で説明してきたプロトコルに従って実行される。
【0340】新たに加入者収容網に参加した端末は、下
りリンクからビットパタンを受け取り、該ビットパタン
からフレーム同期を確立し、オーバーヘッドを参照して
いる。オーバーヘッド部分には、該オーバーヘッドの終
了から上りリンクで開始されるフレームの次のフレーム
が距離測定フレームであるかユーザデータフレームであ
るかを指示するビットが存在している。それぞれの端末
は、オーバーヘッド部分の該ビットにて次のフレームが
距離測定フレームであるかユーザフレームであるかを知
る。
【0341】上りリンクのフレームが距離測定フレーム
である場合、距離測定を行いたい端末がブロードキャス
トチャネル3上に定義されたメッセージである遅れ時間
測定メッセージを下りリンクのオーバーヘッド終了に合
わせて送出する。該メッセージには、該メッセージを送
出した端末のノード番号が付加されている。
【0342】距離測定メッセージを送出した端末が唯一
であった場合、該距離測定メッセージは正常にヘッドエ
ンドに到着する。ヘッドエンドでのセル受信は前述した
ようにそれぞれの端末との距離が異なっているので、基
本的に該セルに付加されたプリアンブルにてビット同期
とセル同期をとるように構成されている。このため、距
離測定フレーム期間中に該距離測定メッセージが到着し
終われば、ヘッドエンドは、該距離測定メッセージを正
常に受信する事ができる。
【0343】ヘッドエンドでは、現在送出しているフレ
ームの一つ前のフレームに距離測定指示を付加して送出
したならば、自分が送出している下りリンクのフレーム
におけるオーバーヘッド部分送出終了から、上りリンク
から遅れ測定メッセージが受信できるまでの時間を計測
している。この時間は、若干の誤差はあるものの、ヘッ
ドエンドから端末までの情報伝送にかかる遅延時間と、
端末からヘッドエンドまでの情報伝送にかかる遅延時間
を加えたものになる。
【0344】オーバーヘッド部分に保守用にとられたタ
イムスロットがあることを仮定すれば、ヘッドエンドが
測定した上記ヘッドエンドから端末を経由してヘッドエ
ンドまで至る情報伝送にかかる時間は、該保守用タイム
スロットにて該遅れ測定メッセージを送出した端末のノ
ード番号と、遅れ時間を組にしたメッセージを端末に向
けて送出することで端末に通知する事ができる。また、
ブロードキャストチャネル3上に遅れ時間測定結果通知
メッセージを定義し、該遅れ時間測定結果通知メッセー
ジにて前記遅れ時間測定メッセージを送出した端末へと
遅れ時間を通知する事も可能である。
【0345】遅れ時間測定メッセージを送出した端末
は、ヘッドエンドから遅れ時間の測定結果を受け取るま
で、上りリンクにセルを送出しない。遅れ時間測定メッ
セージを送出してから、予め定められた時間中にヘッド
エンドからの遅れ時間測定結果を受け取れなかった場合
は、再度、距離測定フレームの出現を待って遅れ時間測
定メッセージを送出する。この時、同時に複数の端末が
遅れ時間測定メッセージを送出している可能性があるの
で、それぞれの端末が乱数を発生させ、該乱数の値だけ
距離測定フレームを見送ってから遅れ時間測定メッセー
ジを送出するようなプロトコルとしてもよい。
【0346】ヘッドエンドから遅れ時間の測定結果を受
け取ると、端末は通知された遅れ時間にと等しい時間、
上りリンクでのフレーム上りリンクスロットの開始タイ
ミングを早めて、セルの送出を開始することにより、端
末とヘッドエンド間の伝送路の遅延を補償する。すなわ
ち、端末にはこのような伝送路遅延補償機能が備えられ
ている。端末で受信している下りリンクでのフレーム周
期が一定周期であるので、受信している下りリンクでの
フレームの終了から終了までの間で定義される上りリン
クのフレームを通知された時間だけ早めて開始すること
が可能である事は当業者には明らかである。
【0347】このように、それぞれの端末がヘッドエン
ド−該端末−ヘッドエンドの情報伝送遅延時間に等しい
時間だけ早めてセル送出を開始すると、ヘッドエンドで
受信される上りリンクのフレームの開始は、ヘッドエン
ド−端末間の距離の差が相殺され、丁度ヘッドエンドが
オーバーヘッドを送出し終わる点に一致することにな
る。この結果、上りリンクのスロットの前に付けられる
ガードタイムは、距離測定の精度に等しい長さだけ付け
れば良くなり、第3の発明をCATV網の加入者収容網
といった、空間的に広い範囲に広がった端末を収容する
為に適用する事が可能になる。
【0348】なお、伝送路の周囲温度が変化する等の理
由により、ヘッドエンド−端末−ヘッドエンド間の情報
伝送にかかる遅延時間は、若干ではあるが変化する。こ
の変化に追従するため、各端末は比較的長い時間間隔、
例えば10分間隔で距離測定を再度行う様にしても良
い。
【0349】図29に、図28に示した情報伝送構造に
て情報をやりとりするために必要となるヘッドエンド側
の機能構成を示す。同図には、同軸ケーブルによる加入
者収容網を収容するための同軸ケーブルインタフェース
80の構成が示されている。なお、ATM技術でいうと
ころの物理レイヤのPMDサブレイヤに当たる部分、図
29においては共用器805、受信回路806、および
送信回路804を所望の物理媒体に対応するもの置き換
えると、例えば光ファイバに対応する様に該機能構成を
変形する事ができるし、また無線チャネルの基地局にも
対応でする様に変形する事ができる事は言うまでもな
い。
【0350】同軸ケーブルに向けて転送する必要のある
セルは、ATMスイッチ20を経由して、ルーティング
タグ削除部801へと渡される。このルーティングタグ
削除部801の動作は、前述の光スターカプラインタフ
ェース60中のルーティングタグ削除部601の動作と
同じである。ルーティングタグ削除部801にてATM
スイッチ20でのルーティングタグが削除され、VPI
/VCIフィールドの書き換えられたセルは、次にHE
C演算部802に渡され、HECフィールドに所望の値
が書き込まれた後、フレーム作成部803へと渡され
る。
【0351】フレーム作成部803は、周期的にオーバ
ーヘッドを送信回路804に向けて送出すると同時に、
該オーバーヘッド中の1ビットを操作して、上りリンク
のフレームを距離測定フレームとユーザフレームに振り
分けている。さらに、オーバーヘッドとオーバーヘッド
の間にHEC演算部802から受け取るセルを挿入し、
送信回路804へと転送している。
【0352】送信回路804では、受け取ったビット列
を、中心周波数f1にて変調し、共用器805を通じて
同軸ケーブルへと転送する。
【0353】共用器805は、中心周波数f1、帯域幅
200MHzの第1のパッシブバンドパスフィルタ、お
よび中心周波数f2、帯域幅100MHzの第2のパッ
シブバンドパスフィルタとから構成されている。下りリ
ンクの中心周波数f1の信号は、第1のパッシブフィル
タを経由して同軸ケーブルへと送出される。
【0354】一方、上りリンクの信号は、共用器805
の、第2のパッシブフィルタを通じて受信回路806に
渡される。受信回路806では、受け取った信号からビ
ットパタンを再生し、PLL807に渡す。
【0355】PLL807は、受け取った信号からプリ
アンブルを検出し、該信号をサンプル可能なクロックを
抽出すると共に、該抽出クロックと共に、受け取った信
号をサンプルした結果のビットパタンをHECチェック
部808に渡す。PLL807の動作は、光スターカプ
ラインタフェース60のPLL606と同様である。
【0356】HECチェック部808によりHECチェ
ックの終わったセルは、遅れ測定部809を通じてルー
ティングタグ付加部810に渡される。ルーティングタ
グ付加部810では、入力されたセルに、ATMスイッ
チ20で必要となるルーティングタグを付加してATM
スイッチ20に送出する。HECチェック部808、及
び、ルーティングタグ付加部810の動作は、光スター
カプラ60のHECチェック部607、ルーティングタ
グ付加部608の動作と同様である。
【0357】図15に示した光スターカプラインタフェ
ース60と、同軸ケーブルインタフェース80の違い
は、後者が遅れ測定メッセージに対応できるように構成
されている点にある。フレーム作成部803は例えば1
28フレームに1回といった定められた間隔で、もしく
はCATV網の管理部ヘッドエンドのOAM機能(図示
せず)を通じて指定した時に、オーバヘッド中の予め定
められたビットを予め定められた値とすることで、距離
測定フレームを定義すると同時に、距離測定フレームの
開始を遅れ測定部809に指示する。遅れ測定部809
は、距離測定フレームの開始が指示されると、自らの持
つタイマの動作を開始して遅れ測定メッセージの到着を
待つ。
【0358】遅れ測定メッセージが到着すると、遅れ測
定部809は前記タイマを停止させる。タイマの保持し
ている値が測定結果である。遅れ測定部809は、この
測定結果と遅れ測定メッセージ中の送出元フィールド中
のノードIDをフレーム作成部803に渡す。フレーム
作成部803は、渡された情報をオーバヘッド部分の予
め定められたビットを用いるか、自分の作成するブロー
ドキャストキャストと空セルを置き換えるかして、測定
結果を所望の端末に向けて転送する。
【0359】なお、距離測定の第1の方法を実行する端
末側の機能、即ち図23のCATVインタフェース80
としては、例えば図16に示したATMインタフェース
70において、物理レイヤのPMDサブレイヤを伝送媒
体に応じて入れ替え、フレーム同期部702が受信した
オーバヘッド中の指示に従って距離測定フレームの開始
をタイミング調整部に通知すると共に、タイミング調整
部が該指示に従って遅れ測定メッセージを送出する機能
を持ち、かつタイミング調整部70がヘッドエンドから
の距離測定結果通知に従って、上りリンクでのフレーム
開始を早める機能を持てば十分であることは同業者には
明らかである。
【0360】以上で、第3の発明をCATV網に適用す
る場合に必要となる距離測定の第1の方法の説明を終わ
る。次に、第3の発明をCATV網に適用する場合に必
要になる、距離測定の第2の方法について詳細に説明す
る。
【0361】ここで説明する距離測定の第2の方法は、
例えば図21に示したn:n光スターカプラを用いた分
配器7を用いたシステムで、下りリンクと上りリンクの
光波長が異なっており、端末が自分の出したメッセージ
を容易に受信可能である様なシステムに対して適用する
事ができる。この方式の場合、端末側に必要な光受信機
の個数が増えてコスト高になるという欠点はあるが、同
一距離測定フレームにおいて複数個の端末が距離測定を
行える可能性があり、距離測定のオーバーヘッドが第1
の方法に比べて小さくできるという利点がある。
【0362】図30に、距離測定の第2の方法の動作を
示す。この図では、下りリンクに使用する光波長を1.
55μm、上りリンクに使用する光波長を1.3μmと
している。各端末は、1.55μmの光受光器の他に、
1.3μmの光受光器も持つ事にしている。
【0363】第1の方法と同様、上りリンク上に下りリ
ンク上のフレームを基準にしてフレームが定義され、該
上りリンク上のフレームが下りリンク上のオーバーヘッ
ド中の1ビットによってユーザデータフレームと距離測
定フレームに振り分けられている。
【0364】新たに加入者網に接続された端末は、ユー
ザデータフレームに対して情報を送出する前に、距離測
定フレームに対して遅れ測定メッセージを送出する。各
端末は、遅れ測定メッセージを送出した後、1.3μm
の光受光器から自分の送出した遅れ測定メッセージが受
信されるまでの間の時間を測定している。
【0365】端末が測定しているこの時間は、端末から
分配器7を経由して端末へと至るパスに情報を転送する
為に必要となる時間となる。そこで、ユーザフレームの
開始を下りリンクのオーバーヘッドの到着から該計測さ
れた時間だけ早めると、分配器7と各端末との間の距離
が相殺され、全ての端末のセルを上記距離測定の誤差分
だけのガードタイムを設けるだけで上りリンクに正常に
合流させる事が可能になる。
【0366】この距離測定も、第1の距離測定の方法と
同様、時間的な遅延時間の変化を補償するため、予め定
められた時間間隔で各端末が実行する事にしても良い。
【0367】ここで、端末が遅れ測定メッセージを送信
してから、予め定められた時間だけ待っても自分の送信
した遅れ測定メッセージを受信できなかった場合、他の
端末と遅れ測定メッセージが衝突したものと見なし、次
の距離測定フレームにおいて遅れ測定メッセージを再送
出する事にしても良い。この時、下りリンクでオーバー
ヘッドの受信を終了してから、遅れ測定メッセージを送
出するまでの遅れ時間を、各端末で乱数を発生させ、該
乱数に従って変更する事にすると、同一の端末間での遅
れ測定メッセージの衝突を避けることができるようにな
ると同時に、同一の距離測定フレームにて複数の端末が
同時に距離測定を実行する事が可能になる。ここでの遅
れ測定メッセージの上りリンクでのアクセスは、いわゆ
るピュアアロハになる事に注意が必要である。これは、
距離測定が終了するまでは上りリンクに対してスロット
を定義することはできないのが理由である。良く知られ
ているように、ピュアアロハのスループットは約0.1
8である。最適な距離測定フレームのユーザデータフレ
ームに対する比率は、該加入者網に接続される最大の端
末数と、必要とされる距離測定の頻度及び該ピュアアロ
ハのスループットから計算可能である。
【0368】図31に、第2の距離測定の方法を実行す
るために加入者宅の端末A0に必要な機能構成を示す。
同図には、図23中のCATVインタフェース90の構
成を示してある。同図に示すように、CATVインタフ
ェース90は、光分波器901、第1のO/E変換器9
02、フレーム同期部903、HECチェック部90
4、アドレスフィルタ905、受信FIFOメモリ90
6、送信FIFOメモリ907、HEC計算部908、
タイミング調整部909、光ファイバ長補正部910、
E/O変換器911、第2のO/E変換器912、PL
L913、HECチェック部914、遅れ測定メッセー
ジ抽出部915、遅れ計測部916よりなっている。
【0369】CATVインタフェース90の下りリンク
によりヘッドエンドから与えられる情報を受信する経路
は、以下のように動作する。
【0370】n:n光スターカプラにより構成された分
配器7より与えられる光信号は、光分波器901によ
り、波長1.55μmの下りリンクの光信号と波長1.
3μmの上りリンクの光信号に分解される。下りリンク
の光信号は、波長1.55μmに対応した第1のO/E
変換器902によって電気信号に変換され、フレーム同
期部903によってフレーム同期が確立されてペイロー
ド部分のセルが抜き出される。その後、フレーム同期部
903にて抜き出されたセルに対して、HECチェック
部904にて該セルのHECチェックが行われ、アドレ
スフィルタ905にて該端末に必要なセルが抽出され、
受信FIFOメモリ906に一旦保持される。マイクロ
プロセッサA01は、該受信FIFOメモリ906を一
定周期でポーリングしており、該受信FIFOメモリ9
06にセルが保持されていたなら該セルをデキューし、
必要な処理を加える。第1のO/E変換器902、フレ
ーム同期部903、HECチェック部904、アドレス
フィルタ905、受信FIFOメモリ906の動作は、
フレーム同期部903が上りフレームのタイミング定義
を行うのみではなく、距離測定フレームとユーザデータ
フレームの振り分けを行う点を除いて、図15に示した
ATMインタフェースのO/E変換器701、フレーム
同期部702、HECチェック部703、アドレスフィ
ルタ704、受信FIFOメモリ705の動作と同じで
良い。
【0371】一方、上りリンクへ情報を送出する経路は
以下の様に動作する。
【0372】ユーザデータフレームにセルを送出する前
に、上で述べた距離測定を行う必要がある。これは以下
の様に行われる。タイミング調整部909は、フレーム
同期部903から与えられる距離測定フレームとユーザ
データフレームの振り分けに関する情報を参照し、距離
測定フレームの出現を待つ。距離測定フレームが現れた
なら、マイクロプロセッサA01が予め作成し、送信F
IFOメモリ907に他のセルと区別して保持されてい
る遅れ測定メッセージをHEC計算部909を経由して
読み出すか、もしくは自らが遅れ測定メッセージを作成
し、距離測定フレームの開始から予め定められた時間だ
け待って、光ファイバ長補正部910に該遅れ測定メッ
セージを送出する。それと同時に、遅れ計測部916の
持っているタイマをスタートさせる。
【0373】光ファイバ長補正部910は、距離測定の
結果、該CATVインタフェースで固定的に付加しなけ
ればならない遅れを作成する目的で付けられているが、
距離測定前にはここでの遅延量は0とし、該遅れ測定メ
ッセージをE/O変換器911へと送出する。E/O変
換器911は、該受け取った遅れ測定メッセージを上り
リンクに割り当てられた1.3μmの波長を持つ光信号
に変換し、n:n光スターカプラによりなる分配器7へ
と送出する。
【0374】分配器7では、受け取った光信号をn個の
出力ポートへと均一に分配する。その結果、該端末が送
出した遅れ測定メッセージはn:n光スターカプラによ
り折り返され、光分波器901へと入力される。
【0375】光分波器901は、該受け取った遅れ測定
メッセージを該メッセージの波長に従って第2のO/E
変換器912へと転送する。第2のO/E変換器912
は、該メッセージを電気信号に変換し、PLL913を
通じてHECチェック部914へと渡す。HECチェッ
ク部914は、PLL913にて該メッセージから抽出
されたクロックを基に該メッセージをサンプリングし、
該メッセージのHECチェックを行い、正しければ該メ
ッセージを遅れ測定メッセージ抽出部915へと渡す。
第2のO/E変換器912、PLL913、HECチェ
ック部914の動作は、図14に示したATM−LAN
のハブ側の光スターカプラインタフェース60中のO/
E変換器605、PLL606、HECチェック部60
7の動作と同じである。該メッセージは端末の動作クロ
ックにて作成されているので、PLL913を端末の動
作クロックの遅延量を制御する図16に示した構成で実
現することができる事も同じである。
【0376】上述した第2のO/E変換器912、PL
L913、HECチェック部914は距離測定フレーム
送出時のみではなく、ユーザデータフレーム送出時にも
動作している。また、距離測定フレーム中には複数の端
末が同一フレーム中に遅れ測定メッセージを送出する。
この為、遅れ測定メッセージ抽出部915は、HECチ
ェック部914から与えられたセルの内、自分が送出し
た遅れ測定メッセージを検索している。自分が送出した
遅れ測定メッセージが抽出できたならば、遅れ計測部9
16中のタイマをストップする。
【0377】タイミング調整部909がスタートしてか
ら、遅れ計測メッセージ抽出部915がストップするま
でにタイマに累算された時間が、即ち端末から分配器7
を経由して端末までの遅延時間に相当する。以降のセル
送出時には、光ファイバ長補正部910はタイミング調
整部909からセルを受け取ると、遅れ計測部916中
のタイマの値を読み取り、該タイマの値に従った遅延量
の後にE/O変換器911へとセルを送出する。これに
よりユーザデータフレームにおいて、分配器7に各端末
から到着するセルについて、それぞれの端末と分配器7
の間の距離の差を補正して、分配器7においてセルを合
流させる事ができるようになる。
【0378】ユーザデータフレームにおけるセル送出
は、以下の様に行われる。
【0379】マイクロプロセッサA01は、上りリンク
に送出したい情報をセル化し、送信FIFOメモリ90
7に渡す。タイミング調整部909は、送信FIFOメ
モリ907にセルが保持されていれば、該セルをHEC
計算部908を経由して読み出す。HEC計算部908
は通過しているセルのヘッダ部分を参照し、HECフィ
ールドの値を計算して、その値を該フィールドに埋め込
む。
【0380】タイミング調整部909は、タイミング調
整部909を経由してセルを受け取ると、下りリンクの
オーバーヘッドの終了から定義された上りリンクのフレ
ーム中の任意のスロット、もしくは前述したアルゴリズ
ムに従って該端末に割り当てられたスロットに受け取っ
たセルを挿入し、光ファイバ長補正部910に渡す。光
ファイバ長補正部910は、前述したように遅れ計測部
916の含むタイマの値に従った時間の後、受け取った
セルをE/O変換器911に渡す。E/O変換器911
は、受け取ったセルを光信号に変換し、分配器7へと送
出する。分配器7では、受け取った光信号を全てのポー
トに均一に分配しており、その内のヘッドエンドに向か
った光信号から、ヘッドエンドがE/O変換器911か
ら送出された情報を再生する。
【0381】ヘッドエンド側の分配器7とのインタフェ
ース部分の構成は、例えば図14に示したATM−LA
Nのハブの光スターカプラインタフェース60と、E/
O変換器604が下りリンクの波長1.55μmにて電
気−光変換を行うこと、及びO/E変換器605が上り
リンクの波長1.3μmにて光−電気変換を行うことを
除き、同一で構わない。
【0382】以上で、第3の発明をCATV網の加入者
収容網に適用する場合に必要になる機能についての詳細
な説明を終わる。なお、端末とヘッドエンドの距離の差
により、ヘッドエンド側で端末からの光信号にレベルの
差が生じ、ヘッドエンド側で光−電気変換を行いにくく
なるという問題点があるが、この問題に関しては距離測
定の結果を光出力強度にフィードバックし、なるべくヘ
ッドエンドでの光強度に端末間での差が発生しないよう
に制御することで対応することも可能である。
【0383】なお、第3の発明、及び第4の発明におけ
る光スターカプラによるATM交換の原理から、上りリ
ンク上に仮想フレームを定義する事ができ、仮想フレー
ム中のスロットに番号を付け、この番号を元に上りリン
クのそれぞれのスロットで複数の端末のアクセス制御が
可能であるという事実を使用すると、以下のような上り
リンクでの衝突のまったく起きないアクセスプロトコル
を実行する事も可能である。無線チャネルと光ファイバ
のシステム的性質が同一であることから、このプロトコ
ルを特願平5−349634に示した無線チャネルにも
適用可の卯であることは言うまでもない。
【0384】図32に、ここで採用されるアクセスプロ
トコルを実行するために、アクセス網のヘッドエンドの
光スターカプラインタフェース60もしくは同軸ケーブ
ルインタフェース80に追加する機能構成を示す。
【0385】送信許可テーブル3201は、光スターカ
プラもしくは同軸によるアクセス網に接続される個々の
端末について、それぞれの端末に送信を許可する帯域を
示す情報を保持している。
【0386】同図に示すように、該送信許可テーブル3
201は上りリンクの仮想フレーム中のデータ優先スロ
ットの如くに主に端末が実際に他人に送信したい情報を
担ったセルを乗せるセルスロットのスロット数aに、該
上りリンクでのセル長(ここでは53バイト)のバイト
数を掛けた数のワードを持っている。各ワードは、光ス
ターカプラもしくは同軸によるアクセス網に接続される
最大端末数と同数のビットからなる。
【0387】送信許可テーブルの最初のワードの全ビッ
トの値は1である。これを基本通信能力用送信許可と呼
ぶ。該基本通信能力用送信許可の目的は、各端末に対し
て最小の通信帯域を割り当てる事にある。この通信帯域
により、例えばここで説明したATM−LANの大きな
特徴をなすブロードキャストチャネル上の制御セルであ
るとか、Q.2931プロトコルといった呼設定を行う
為のプロトコルを実行する。
【0388】残りのワードに、各端末に呼設定の結果新
たに割り当てられた帯域、拡張通信能力に関する送出許
可が設定されている。それぞれの端末に、割り当てた上
りリンクの帯域に比例する個数のワードの該端末に対応
するビットに1を設定する事で、各端末に割り当てられ
た帯域が設定されている。
【0389】送信許可テーブル3201には、スロット
数aにセル長を掛けただけのワードが存在している。こ
のワードは、それぞれ後ほど説明するアルゴリズムに従
って上りリンクのセルスロットに割り当てられ、それぞ
れ割り当てられたセルスロットにて発生する端末に対す
る送信許可を表している。上りリンクの一つの仮想フレ
ームの長さが、125μsという一般的な長さである場
合、この1ワード一つが丁度64kbpsの帯域に相当
することになる。よって、各端末に割り当てられたビッ
トで1の立っているものの数を制御すれば、64kbp
sの倍数でそれぞれの端末に送信許可が与えられる事に
なる。図32の例において、例えば拡張通信能力用送信
許可に関して、端末2に割り当てられたビットに1が立
っているワードは合計で13個あるので、64kbps
×13の帯域が拡張通信能力として該端末に割り当てら
れている事になる。また、例えば一つの端末に100M
bpsの帯域を割り当てるならば、該端末に割り当てら
れたビットを約1500個、1に設定する。なお、図3
2の例において送信許可テーブルの一つのワードに複数
個の1が設定可能である事が、ここで述べているアクセ
スプロトコルの最大の利点を生み出しているが、この事
に関しては後ほど説明する。
【0390】この送出許可の情報は、下りリンクのセル
のGFCフィールドを用いて端末に転送される。端末に
は、アクセス網に接続された時に後ほど述べる方法によ
って端末番号が付けられている。セル送出を許可する端
末に付与された端末番号を送信許可情報として、下りリ
ンクのセルのGFCフィールドに含ませ送出する。
【0391】送出許可の情報がGFCに含まれるセル
は、図33に示すように下りリンクのフレームの先頭か
らaセル、即ち上りリンクの仮想フレーム中のデータ優
先スロットの個数に等しい個数に現れる。下りリンクの
フレーム中に含まれる残りのセルには、送出許可は含ま
れない。端末に対して割り当てる端末番号を1からとす
ると、GFC=0000によって送出許可無しを指定す
る事ができる。また、GFCは4ビットである事から、
合計で15端末までアクセス網に接続することが可能に
なる。これ以上の個数の端末をアクセス網に接続する場
合は、下りリンクのセルのVPIフィールドのビットの
内、いくつかを端末に割り当てられる前記端末番号を転
送するように割り当てても良いし、下りリンクのセルの
先頭に端末番号を転送するための特別なフィールドを設
ける事にしても良い。
【0392】各端末は、自分に割り当てられた前記端末
番号と、前記GFCフィールドにて転送されてきた送信
許可情報とを比較し、一致したならば送出許可を得たも
のとして、上りリンクのスロットにセルを送出する。こ
の送出するスロットは、以下の様に決定される。即ち、
該一致したセルの、下りリンクでのフレーム位置と等し
いフレーム位置の上りリンクのセルスロットにセルを送
出する。これは、下りリンクと上りリンクのスロットに
図32に示すようにスロット番号を付けた時、ある端末
に割り当てられた前記番号とGFCフィールドにて転送
されてきた送信許可情報が一致したセルが出現したセル
スロットに付加されたスロット番号と、等しいスロット
番号を持つ上りリンクのセルスロットにセルを送出す
る、と言い換える事もできる。ただし、このアクセスプ
ロトコルをCATV網に適用した場合、距離測定の結
果、上りリンクの仮想フレームの開始は早められている
事があるので、下りリンクに現れた送出許可情報によっ
て上りリンクにセルを送出できるのは、該送出許可情報
を得た時に上りリンクに存在した仮想フレームの次の仮
想フレームになる。端末は一つの仮想フレーム中に出現
する送出許可情報を含むセル数に長さが等しい、スロッ
ト番号を保持できるFIFOメモリを持ち、該FIFO
メモリに自分に対する送出許可を含むセルが出現した上
りリンクのスロット番号を保持しておき、次の仮想フレ
ームで該FIFOメモリからスロット番号をデキュー
し、上りリンク上で、デキューした番号と等しい番号を
持つスロットにてセルを送出する。
【0393】上述のように、下りリンクの一つのフレー
ムにおいて送信許可情報を転送するセルスロットの個数
を上りリンクの一つの仮想フレームに含まれるセルスロ
ットの個数に一致させ、それらのセルスロット番号の比
較を行って端末から上りリンクにセルを送出する事で、
各端末が前記送信許可情報に従ってセルを送出する事に
なる。この結果として、上りリンク上の任意のセルスロ
ットにおいて、複数の端末が同時にセルを送出するのを
防ぐ事、即ち上りリンク上でのセル衝突を回避する事が
可能になる。
【0394】送信許可テーブル3201の各ワードは、
下りリンクで、送出許可を含むセルを送出する度に順に
読み出され、許可無検出部3202へと転送される。こ
れによって、送信許可テーブルの各ワードは下りリンク
の53フレームに1回順に読み出され、許可無検出部3
202に転送される事になる。
【0395】許可無検出部3202は、読み出されたワ
ードに1が立っていなければ、即ちそのワードで送出許
可がどの端末にも与えられていなければ、該ワードを廃
棄する。どこかの端末に送出許可が与えられていれば、
該ワードをスロット割当FIFOメモリ3203へと転
送する。スロット割当FIFOメモリ3203は、受け
取ったワードを一旦保持する。
【0396】保持レジスタ3204には、スロット割当
FIFOメモリ3203から読み出されたワードが保持
される。GFC作成部3205は、保持レジスタ320
4に保持された該ワードを参照し、1の立っているビッ
トに対応して順にアクセス網に接続された端末に送出許
可を与えてゆく。即ち、GFC部に送出許可を含むセル
を送出するタイミングで保持レジスタ3204を参照
し、1が立っているビットに対応する端末で、今までに
送出許可を与えていない端末に付加された端末番号をG
FC付加部3206に送付する。GFC付加部3206
は、GFC作成部3205から与えられた端末番号を自
分を通過しているセルのGFC部に埋め込み、物理レイ
ヤ機能を実現する機能要素へと送出する。これによっ
て、アクセス網の下りリンクに送信許可情報が送出され
る。
【0397】保持レジスタ3204の保持しているワー
ドで、1が立っているビットに対応する端末全てに送信
許可を与えたなら、GFC作成部3205は、スロット
割当FIFOメモリ3203に対して、次のワードを保
持レジスタ3204に転送するよう読出要求を出す。ス
ロット割当FIFOメモリ3203は、該読み出し要求
に呼応して自分の保持しているワードを一つ、保持レジ
スタ3204に渡す。新たに渡されたワードを参照し、
GFC作成部3205が再度各端末に送信許可を与えて
ゆく。なお、スロット割当FIFOメモリ3203が空
の時は、どの端末に対しても送信許可が与えられないこ
とは言うまでもない。
【0398】上述のように、送信許可テーブル3201
からのワードの読み出しと、GFC作成部3205での
端末への送信許可付与を行うと、送信許可テーブルの各
ワードに含まれる1の立っている個数をただ一つに限定
する必要がないことに注意が必要である。これによっ
て、送信許可テーブルに対して設定するデータを、それ
ぞれの端末に割り当てられた帯域に比例した個数の1を
例えばアドレスの若いワードから順に、例えば150M
bps与える時は約1500個設定するだけで作成可能
である、というデータの作成の手間が非常に小さいアル
ゴリズムを採用する事が可能になる。この様な計算の簡
単なアルゴリズムで帯域割り当てが可能な為、ここで説
明しているアクセス制御方式は、今までに知られている
ATM通信網と同様、それぞれのコネクションを帯域の
みで管理すれば良く、マルチレートのコネクションを多
数扱う端末をアクセス網に接続する場合でも、比較的能
力の小さなプロセッサによって簡単に帯域割り当てが可
能であるという特徴を持つ。よって、本発明の一実施例
によるATM−LANの大きな特徴、即ちハブのプロセ
ッサに要求される計算能力を削減してコスト削減を行う
という特徴に合致したアクセスプロトコルとなってい
る。ここで、送信許可テーブルに送信許可テーブルの全
ワードで1の立っているビットの数を53×a個以下と
し、かつスロット割当FIFOメモリ3203の長さを
53×aワードとすれば、スロット割当FIFOメモリ
3203がオーバーフローしない事は明らかである。
【0399】この事実は、送信許可テーブル3201の
各ワードで1を立てるビットを一つに限定する制御をか
けてはならない、という限定を加えるものでないことに
注意が必要である。勿論、各ワードで1を立てるビット
を一つにする様に送信許可テーブル3201への書き込
み情報を作成することも可能である。この場合、それぞ
れの端末から上りリンクへのセル送出タイミングを厳密
に決定している事になり、上りリンク上の各端末のトラ
フィック特性を厳密に制御可能である利点はあるが、一
方でより複雑なアルゴリズムにて送信許可テーブル32
01への書き込み情報を作成することになり、コネクシ
ョン設定にかかる時間が増大する、ネットワーク側に必
要となるプロセッシング能力が増大する、といった問題
を生じる。
【0400】ここで、送信許可を与える単位を端末毎に
定義している事に注意が必要である。ある端末が複数の
コネクションを使用している場合、端末に与えられた帯
域をコネクションに対して再分割するのは端末が実行す
る事になる。なお、送信許可を端末毎ではなく、コネク
ション毎に割り当てるようにシステムを構築しても良い
が、この方式には、送信許可テーブルのワードの長さを
例えば4096といったアクセス網内部で使用可能なコ
ネクションの総数分に設定する必要がある、下りリンク
で端末に転送される送出許可情報が端末に割り当てられ
た端末番号ではなく、コネクション識別子になり、下り
リンクで転送しなければならないオーバーヘッドが増大
するといった欠点があり、望ましくない。
【0401】上で述べたアクセスプロトコルを実行する
ためには、端末がアクセス網に接続された時に、該端末
に上述の端末番号を付与する必要がある。この為に、図
33に示すように、上りリンク上に仮想フレームのセル
スロットのうちの一つを制御優先スロットとし、この上
で端末に対して端末番号を付加する以下の様なプロトコ
ルを実行する事としても良い。即ち、端末がアクセス網
に接続された時に、最初に端末番号要求メッセージをブ
ロードキャストセルとして、該制御優先スロットに送出
する。該端末番号要求メッセージを受け取ると、アクセ
ス網のヘッドエンドの光スターカプラインタフェース6
0もしくは同軸ケーブルインタフェース80、もしくは
図29に現れた加入者エリアコネクション設定部にて、
該端末番号要求メッセージを受け取った順に端末に番号
を付け、該付与した番号を端末番号応答メッセージとし
て下りリンクに乗せる。この時、このプロトコルを実行
するために必要になる最初の端末識別子として、ここで
述べているATM−LAN及びATM化されたCATV
網に特有の、ノード番号を使用可能である事は言うまで
もない。これによって、CATV網に接続しているPC
を加入者が自分のオフィスに持ち込み、そこのATM−
LANに接続するといった可搬性を端末に付与すること
ができる。
【0402】ところで、第3の発明及び第4の発明にお
ける光スターカプラにて接続される端末にて、Q.29
31(Q.93Bの正式なITU−Tでの名称)として
知られている上位のATM通信網にて提供される呼設定
プロトコルにてコネクションを設定する場合、メタシグ
ナリングと呼ばれる、今後標準化が行われるプロトコル
にて、個々の端末それぞれにシグナリングVCを設定す
る必要がある。この場合、光スターカプラ上で、個々の
端末それぞれのシグナリングVCに、それぞれ異なった
VCI値を割り当てる必要がある。ヘッドエンドもしく
は上位のATM通信網のQ.2931終端プロセスは、
呼設定に係るメッセージを特定の端末に転送するか、も
しくは受信したメッセージの送出元の端末を識別する為
に該VCI値を使用する事になる。メタシグナリングの
プロトコルを動作させるためのメッセージを転送するセ
ルスロットとして、上りリンクの仮想フレーム中の予め
定められた位置を予約する事も可能であるし、また、上
述の端末毎に下りリンクのセルのVPIフィールドを用
いて上りリンクにセルを送出する端末もしくはコネクシ
ョンを指定するプロトコルの中に、メタシグナリングを
転送するように指示する値を予め予約しておいても良
い。
【0403】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると次
の効果が得られる。
【0404】第1の発明によれば、ATM−LANのハ
ブがコピー接続の可能なATMスイッチを含み、該AT
Mスイッチにてブロードキャストセルを必要なポートに
コピーして転送するようにルーティングタグを付加する
ことにより、ATM−LANのハブのハードウェア量を
削減することが可能になる。さらに、該ATMスイッチ
をコピー接続の可能な共通バッファ型のATMスイッチ
とすれば、ブロードキャストセルとユーザセルを保持す
る空間を唯一のメモリ空間に取ることができ、よりAT
M−LANのハブのハードウェア量を削減することが可
能になる。
【0405】第2の発明によれば、端末がCLSFプロ
セスを検索してコネクションレスサービスの提供を受け
るようにしたことにより、ATM−LANにて提供する
コネクションレスサービスのスループットをCLSFプ
ロセスを実装する端末数にて制御可能という望ましい性
質を持つATM−LANシステムを実現することができ
る。
【0406】第3の発明によれば、光スターカプラのみ
で実現された簡易な分配器により複数の端末をATM−
LANに収容することができるので、端末を収容するた
めに必要なコストを最小にすることができる。
【0407】第4の発明によれば、光スターカプラまた
は同軸ケーブルといった伝送路を用いた加入者網を持つ
CATV網の完全ATM化が可能になるので、ATM公
衆網などのATM通信網とのインタワーキングの容易な
CATV網を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るATM−LANシステムの概略
構成を示す図
【図2】 第1の発明の一実施例に係るATM−LAN
におけるハブの構成を示す図
【図3】 ATM−LANシステム中のセルのフォーマ
ットを示す図
【図4】 コピー接続の可能な共通バッファ型ATMス
イッチの構成を示す図
【図5】 コピー接続の可能な共通バッファ型ATMス
イッチの動作を示すタイミングチャート
【図6】 コピー接続の可能な共通バッファ型ATMス
イッチのアドレス管理部の構成を示す図
【図7】 コピーセル出力ポート決定手順を説明する図
【図8】 ルーティングタグ更新手順を説明する図
【図9】 第2の発明の一実施例に係るATM−LAN
システムを示す図
【図10】 同実施例に係るATM−LANシステムに
おける端末がコネクションレスサービスを受けるまでに
実行する手順を示す図
【図11】 同実施例におけるCLSFプロセスの構成
を示す図
【図12】 CLPによりセル廃棄を行うATM−LA
Nのハブの構成を示す図
【図13】 第3の発明の一実施例に係るATM−LA
Nシステムの構成を示す図
【図14】 第3の発明における情報伝送構造を説明す
る図
【図15】 第3の発明における光スターカプラインタ
フェースの構成を示す図
【図16】 第3の発明におけるATMインタフェース
の構成を示す図
【図17】 可変ディレイによる上りリンクのセルサン
プルクロック作成方法を示す図
【図18】 可変ディレイの構成を示す図
【図19】 プリアンブルパタンを持つセルのビットパ
タンを示す図
【図20】 上りリンクにおける端末のアクセスプロト
コルを説明する図
【図21】 下りリンクのメッセージによる上りリンク
スロット予約を説明する図
【図22】 第3の発明の他の実施例に係るATM−L
ANシステムの構成を示す図
【図23】 第4の発明が適用されるCATV網の構成
を示す図
【図24】 CATV網の加入者端末の構成を示す図
【図25】 第4の発明が適用されるATM−LANシ
ステムの構成を示す図
【図26】 同軸ケーブルでの帯域割り当てを説明する
【図27】同軸ケーブル上での情報転送構造を示す図
【図28】 第1の距離測定法を説明する図
【図29】 第1の距離測定法を実現するヘッドエンド
の機能構成を説明する図
【図30】 第2の距離測定法を説明する図
【図31】 第2の距離測定法を実現する端末のCAT
Vインタフェースの構成を示す図
【図32】 上りリンクでの衝突の起きないアクセスプ
ロトコルを実行するための構成を示す図
【図33】 送出許可情報がGFCに含まれるセルの構
造を示す図
【符号の説明】
10…回線INF 20…ATMスイッチ 30…ノード制御部 40…CLP機能付き
セルバッファ 60…光スターカプラINF 70…ATMインタフ
ェース 80…同軸ケーブルINF 90…CATVインタ
フェース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04Q 3/00 9466−5K H04L 11/20 H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の端末を複数のハブを介して接続し、
    前記端末間で同期転送モードによりセルを伝送して通信
    を行うATM−LANシステムにおいて、 前記複数の端末の少なくとも一つに設けられ、バーチャ
    ルパスまたはバーチャルチャネルのリンクを設定するた
    めのリンク設定要求及び該リンクを連結するためのリン
    ク連結要求を送出する要求送出手段と、 前記複数のハブ及び前記複数の端末を接続し、前記要求
    送出手段から送出された前記リンク設定要求およびリン
    ク連結要求を含むメッセージを前記複数のハブに対して
    転送するブロードキャストチャネルと、 前記複数のハブのそれぞれに設けられ、前記ブロードキ
    ャストチャネルから転送された前記リンク設定要求およ
    びリンク連結要求を受けて前記リンクの設定及び連結を
    行うリンク設定/連結手段とを具備し、 前記ハブは、 前記セルを入力する複数の入力ポートと前記セルを出力
    する複数の出力ポートおよび任意の入力ポートに入力し
    たセルを任意の二つ以上の出力ポートへコピーして出力
    する機能を有するATMスイッチと、 前記ブロードキャストチャネル上のメッセージの宛先情
    報に従って、予め定められたルーティングタグ群の一つ
    から選択したルーティングタグを該メッセージに付加し
    て前記ATMスイッチの所定の入力ポートへ入力される
    手段とを有することを特徴とするATM−LANシステ
    ム。
  2. 【請求項2】セルを入力する複数の入力ポートとセルを
    出力する複数の出力ポートおよび記憶手段を有し、各入
    力ポートから入力されたセルを該記憶手段の所定のアド
    レスに一旦書き込み、該記憶手段の所定のアドレスから
    各出力ポートへ出力するセルを読み出すATMスイッチ
    において、 (a) 前記複数の入力ポートからそれぞれ入力されるセル
    を書き込むアドレスを決定するための前記入力ポートの
    数と同数の書き込みアドレス決定タイムスロット群と、 (b) 前記複数の出力ポートのうち任意の二つ以上の出力
    ポートへ転送されるセルを読み出すアドレスを決定する
    ための一つのコピーセル出力ポート決定タイムスロット
    と、 (c) 前記コピーセル出力ポート決定タイムスロットに続
    いて前記複数の出力ポートから出力されるセルを読み出
    すアドレスを決定するための前記出力ポートの数と同数
    の読み出しアドレス決定タイムスロット群とを用いて前
    記記憶手段の書き込みアドレスおよび読み出しアドレス
    を管理するアドレス管理手段を有することを特徴とする
    ATMスイッチ。
  3. 【請求項3】複数の端末を複数のハブを介して接続し、
    前記端末間の通信を非同期転送モードにより行うATM
    −LANシステムにおいて、 前記複数の端末の少なくとも一つに設けられ、バーチャ
    ルパスまたはバーチャルチャネルのリンクを設定するた
    めのリンク設定要求及び該リンクを連結するためのリン
    ク連結要求を送出する要求送出手段と、 前記複数のハブ及び前記複数の端末を接続し、前記要求
    送出手段から送出された前記リンク設定要求およびリン
    ク連結要求を含むメッセージを前記複数のハブに対して
    転送するブロードキャストチャネルと、 前記複数のハブのそれぞれに設けられ、前記ブロードキ
    ャストチャネルから転送された前記リンク設定要求およ
    びリンク連結要求を受けて前記リンクの設定及び連結を
    行うリンク設定/連結手段と、 前記複数の端末の少なくとも一つに設けられたコネクシ
    ョンレスサービスを提供するための処理を行うコネクシ
    ョンレスサービス処理手段と、 前記複数の端末のうちの前記コネクションレスサービス
    処理手段を有しない端末に設けられ、該端末が前記コネ
    クションレスサービスを要求する際に前記コネクション
    レスサービス処理手段を有する端末に向かうコネクショ
    ンの設定を前記要求送出手段に依頼するコネクション設
    定依頼手段とを具備することを特徴とするATM−LA
    Nシステム。
  4. 【請求項4】前記コネクションレスサービス処理手段
    は、前記コネクションレスサービスの制御メッセージを
    転送するセルのヘッダ部のセル廃棄優先度ビットをオフ
    に、該コネクションレスサービスのデータメッセージを
    転送するセルのヘッダ部のセル廃棄優先度ビットをオン
    にそれぞれ設定するアダプテーション手段を有すること
    を特徴とする請求項3に記載のATM−LANシステ
    ム。
  5. 【請求項5】複数の端末を複数のハブを介して接続し、
    前記端末間の通信を非同期転送モードにより行うATM
    −LANシステムにおいて、 前記複数の端末の少なくとも一つに設けられ、バーチャ
    ルパスまたはバーチャルチャネルのリンクを設定するた
    めのリンク設定要求及び該リンクを連結するためのリン
    ク連結要求を送出する要求送出手段と、 前記複数のハブ及び前記複数の端末を接続し、前記要求
    送出手段から送出された前記リンク設定要求およびリン
    ク連結要求を含むメッセージを前記複数のハブに対して
    転送するブロードキャストチャネルと、 前記複数のハブのそれぞれに設けられ、前記ブロードキ
    ャストチャネルから転送された前記リンク設定要求およ
    びリンク連結要求を受けて前記リンクの設定及び連結を
    行うリンク設定/連結手段と、 前記ハブの各々のポートと前記複数の端末のうちの二つ
    以上の端末との間に接続された光スターカプラとを具備
    することを特徴とするATM−LANシステム。
  6. 【請求項6】複数の端末を光スターカプラもしくは同軸
    ケーブルからなる分配手段を含む伝送路を介してヘッド
    エンドに接続し、該ヘッドエンドと前記複数の端末との
    間の通信を非同期転送モードによりセルの形で行うCA
    TV網であって、 前記ヘッドエンドに設けられ、該ヘッドエンドから前記
    端末への情報を伝送する下りリンクに予め定められた間
    隔でオーバーヘッドを送出することにより該下りリンク
    上にフレームを定義し、該オーバーヘッドに囲まれたペ
    イロード部分に前記セルを挿入するとともに、遅れ時間
    測定メッセージを送出するフレームを該該オーバーヘッ
    ドにより指定する下りリンク情報送出手段と、 前記端末に設けられ、前記下りリンク上で定義されたフ
    レームを予め定められた個数に分割して上りリンクスロ
    ットとして設定する上りリンクスロット設定手段と、 前記端末から送出される遅れ時間測定メッセージによる
    時間測定の結果に基づいて前記上りリンクスロット設定
    手段により設定される上りリンクスロットの開始時間を
    早めることにより、前記伝送路による遅延を補償する伝
    送路遅延補償手段とを具備することを特徴とするCAT
    V網。
JP14022394A 1994-06-22 1994-06-22 Atm−lanシステム、atmスイッチ及びcatv網 Pending JPH088931A (ja)

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