JPH0887432A - 情報記録再生装置のデータ配置方法 - Google Patents

情報記録再生装置のデータ配置方法

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JPH0887432A
JPH0887432A JP6246756A JP24675694A JPH0887432A JP H0887432 A JPH0887432 A JP H0887432A JP 6246756 A JP6246756 A JP 6246756A JP 24675694 A JP24675694 A JP 24675694A JP H0887432 A JPH0887432 A JP H0887432A
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JP6246756A
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Toshimitsu Kaneko
敏充 金子
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、回転する情報記録媒体上にディジタ
ル信号を記録し、再生するものにおいて、関連してアク
セスされるファイルが複数に渡る場合に、アクセス時間
が短くなるようにファイルの配置位置を決めるにあた
り、少ない計算時間で平均アクセス時間の短いファイル
配置位置関係を見つけることができるようにすることを
目的としている。 【構成】グループ内の複数のファイルにおいて、ファイ
ル間のアクセスの確率の高いもの程、隣接するように、
遷移確率行列と定常確率ベクトルを元に、最適配置位置
を求め、ファイルそれぞれについてそれぞれの最適配置
位置に対応して記録媒体上に記録するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクや磁気ディ
スク等のようなディスク状のディジタル情報記録媒体上
に形成した螺旋状もしくは同心円状の記録トラックに情
報を記録する際の、ディジタル情報の物理的な配置方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクや磁気ディスク等の装置で
は、ディスク状のディジタル情報記録媒体上に螺旋状も
しくは同心円状に記録トラックを形成し、ここに情報を
記録する。そして、記録トラックの特定領域に管理領域
を確保し、この管理領域にファイル管理情報などを記録
し、情報の読出しにあたってはこの管理情報を読み取っ
てファイル名やファイル長、ファイル位置等を知り、読
出しを指令されたファイルについてそのファイル位置に
読み取り/書込み用のヘッドを移動させ、読み取る。一
方、ファイルの書き込みはヘッドにより記録トラックの
空き領域に対して行われ、保存しようとするファイルの
ファイル名、ファイル長等を含め上記管理情報は管理領
域に書き込まれる。
【0003】いずれにせよ、ファイルの記録は記録トラ
ック空き領域を順に埋めるように行われる。ディスク状
のディジタル情報記録媒体の場合、当該記録媒体を回転
駆動させることにより、ヘッドが記録トラック上をトレ
ースできるようにし、記録トラック間の移動はヘッドを
記録媒体の半径方向に移動させることにより行う。この
ようにヘッドを記録媒体の半径方向に移動させることを
シークと呼び、ヘッドはシークのみが可能である。ファ
イルの書込みや読出しにあたっては、記録トラックのト
レースは記録媒体の回転数が規定されているので使用す
るディスクドライブ装置の個体間の差はない。しかし、
シークはヘッドの移動走査であり、シーク速度は使用す
るディスクドライブ装置の個体間でそれぞれ異なる。そ
のため、ファイルのアクセス速度すなわち、記録媒体上
のファイルの読み取り/書込みに要する時間はヘッドの
シーク速度に依存することになる。
【0004】ところで、従来においては、ディスク状の
ディジタル情報記録媒体に記録してあったファイルの使
用形態は、例えば、ファイルが映画であればその映画を
再生して観賞することであり、ファイルが音楽であれば
その音楽を再生して流したりといったことであり、ファ
イルがアプリケーションプログラムであればそのアプリ
ケーションプログラムを読み込んで実施させるといった
範囲で、主として特定の一つのファイルに対するアクセ
スにとどまるものであった。
【0005】しかしながら、近年、情報のマルチメディ
ア化が押し進められており、近い将来、情報のマルチメ
ディア化により、従来一般に行われていたように一つの
ファイルを連続して流してみる(例えば、映画を見た
り、音楽を流したりといったこと)というアクセス方法
以外に、新たに幾つもの異なるファイルを同時にディス
プレイ上に再生してみたり、幾つもの異なるファイルの
間を次々に移動して再生していったりといった使用形態
が当然のことながら必要となり、ユーザにとってこのよ
うな使用形態が普通に行われるようになると予測され
る。
【0006】そして、以上のようなマルチメディアのフ
ァイルデータを記録しておく記録媒体としては、記録密
度、及びアクセスの容易さ、そして、コストの面から、
ディスク状の記録媒体(光ディスクや磁気ディスクな
ど)が主流となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、マルチ
メディアのファイルデータを記録しておく記録媒体とし
ては、記録密度、及びアクセスの容易さ、そして、コス
トの面から、ディスク状の記録媒体(光ディスクや磁気
ディスクなど)が主流となっている。
【0008】しかしながら、このようなディスク状の記
録媒体上にファイルのデータが記録されている場合に
は、異なるファイルをアクセスするたびに磁気ヘッド、
または光ヘッドの移動が必要になり、そのためにデータ
を読み出すことのできない時間が生じてしまう。
【0009】このような時間は、一般にアクセス時間と
呼ばれていて、平均のアクセス時間はディスク記録再生
装置の性能によってほぼ決まってしまう。ただし、この
場合の平均アクセス時間は読み出すディスク上のファイ
ルはランダムに選ばれることを仮定している。従来のよ
うなファイルを流して見るような場合には、連続したデ
ータが順次読み込まれて行くため、このアクセス時間は
始めの1回だけが問題となり、他の場合にはほとんど影
響を与えることはない。
【0010】しかし、幾つものファイルを連続してアク
セスするようになると、アクセス時間の影響が無視でき
なくなる。アクセス時間が長くなると、次に読み込まれ
るべきデータが読み込まれるまでに時間がかかってしま
い、その結果としてユーザが希望のファイルの再生まで
待たされることになる。また、動画など一定時間に一定
のデータが再生されなければならないファイルを再生す
るときには、実際の速度よりも遅い再生速度となってし
まったり、再生速度を守るために画質が犠牲になってし
まったりするといったことが生じる。
【0011】このような不都合をなくすためには、アク
セス時間の短いハードウエア(ドライブ装置)が必要で
あるが、このような装置は性能が良くなるとともにたい
へん高価なものになってしまう。
【0012】また、ファイルデータの配置を変更してデ
ィスク上のデータを整理し、その結果として平均アクセ
ス時間を短くするようなソフトウエアも市場には出てい
る。しかし、これらのソフトウエアは、同じファイルの
データが連続的に並ぶように再配置したり、空いている
無駄なスペースがなくなるように再配置したりするもの
である。これによれば、一つのファイルを読み出すのに
2度以上のアクセスを行うことはなくなるが、いくつか
のファイルを読み出すときには、それほどの効果は期待
できない。
【0013】いくつかのファイルを同時に利用する必要
がある時に、その利用する複数のファイルを読み出すた
めのアクセス時間を早くするには、長い距離に亙るシー
クの必要を避けるべく、連続してアクセス要求が生じ易
いファイル同士は記録媒体上の近い位置に配置し、あま
り連続してアクセス要求が生じないファイル同士は遠く
に配置することが必要である。このような配置方法を実
現できれば、同じ性能のハードを使った場合でも、無造
作にファイルを記録した場合に比べて実際のアクセス時
間の平均値をはるかに短くできる。
【0014】ただし、このようなファイルの配置を実行
するために、つぎのような手法が提案されている。一つ
は、ファイルの全ての配置方法(配置位置関係)につい
て平均アクセス時間を計算し、その中から最も良いファ
イル配置方法を選ぶと云う手法である。しかしこの場
合、可能なファイルの配置方法が多いことから莫大な計
算時間がかかってしまい、実用的ではないと云う問題が
ある。
【0015】また、もう一つは、文献“PLACEMENT OF R
ECRDS ON A SECONDARY STORAGE DEVICE TO MINIMIZE AC
CESS TIME,D.D.GROSSMAN AND H.F.SILVERMAN,JOURNAL O
F THE ACM 20,PP.429-439,1973”に示される手法であ
り、これはファイルを参照する確率がいつでも等しいと
いう仮定が成り立つ場合、すなわち現在参照しているフ
ァイルに独立で次に参照するファイルの確率が決まる場
合、及び現在参照しているファイルによって次に参照す
るファイルが一つに限定されてしまう場合の二つの場合
についての平均アクセス時間を最小とするファイル配置
法である。
【0016】しかし、現在参照しているファイルがどれ
であるかによって、次に参照される可能性のあるファイ
ルが変わってしまう場合には、このような仮定は成り立
たず、従ってこの文献によって示されているファイルの
配置方法では平均アクセス時間を最小にすると云う効果
が発揮されない問題がある。
【0017】そこで、この発明の目的とするところは、
このような問題を解決するため、少ない計算時間で、平
均アクセス時間を短くするファイルのディスク状記録媒
体上の配置を決定できるようにする実用的なデータ配置
方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はつぎのようにする。すなわち、螺旋状また
は同心円状に記録トラックを配した回転するディスク状
の記録媒体上にディジタル信号を記録し、再生できるよ
うにした情報記録再生装置において、第1には、記録媒
体上のファイルデータの配置位置関係を決定する際に、
複数のファイルを複数のブロックに分割し、各ブロック
内でのファイルの順序は維持したまま、ファイルからフ
ァイルへの生起確率の高いファイルの組を含むブロック
から順にそれらのブロックを結合させることにより最終
的にブロックが一つになったときのファイルの順序を記
録媒体上のファイル配置とし、この配置に従って記録媒
体上にファイルデータを記録することを特徴とする。
【0019】また、第2には、記録媒体上のファイルデ
ータの配置位置関係を決定する際に、ファイルからファ
イルへのアクセスの生起確率を用いて、一つのファイル
と一つのトラックからなる組に対し一意に定まる評価値
を算出し、この評価値を基にファイルの配置するトラッ
クを順次選択してファイルデータを記録することを特徴
とする。
【0020】さらに第3には、記録媒体上での配置位置
関係が決まっているファイルデータについて、再配置を
行う際に、複数のファイルの組に対して、元の配置にお
ける平均アクセス時間と、ファイルの配置を交換した後
の平均アクセス時間との差を求め、この差の値から前記
複数のファイルの配置位置を交換するか否かを決めると
共に、交換が決まったファイルの組は互いに配置位置を
交換して記録媒体上に配置することを特徴とする。
【0021】
【作用】第1の構成の場合、ファイルの記録媒体上の配
置決定にあたっては、まずファイルをいくつかのグルー
プ単位に分割し、各グループ内で一つ、または複数のフ
ァイルが順序を持って並んでいる複数のブロックに対
し、ファイル間のアクセス確率の高いファイルの組を含
むブロック同士を優先的に結合させ、この処理を繰り返
すことにより最終的に全てのファイルを含む一つのブロ
ックを作り、このブロックにおけるファイルの順序を記
録媒体上の配置とする。全てのグループにおけるファイ
ルの配置するべきトラックが決定した後、決定した配置
に従って記録媒体上にファイルデータを記録する、もし
くは配置するべきトラックが決定したファイルから順次
記録媒体上にファイルデータを記録する。 ァイルをい
くつかのグループ単位に分割し、各グループ内で一つ、
または複数のファイルが順序を持って並んでいる複数の
ブロックに対し、ファイル間のアクセス確率の高いファ
イルの組を含むブロック同士を優先的に結合させるいう
処理で済むので、本発明によれば、ファイルへの平均ア
クセス時間を短くするための記録媒体上のファイル配置
を短時間で決定することができる。このようにして決定
されたファイル配置に従って記録媒体上にファイルを配
置することにより、平均アクセス時間が短くなり、ファ
イルへのアクセスのためにかかる時間によってユーザを
待たせるということが少なくできる。
【0022】また、本発明のファイルのグループ化を行
った後ファイル配置を行えば、ファイル数の多い場合で
も短い時間、及び少ない記憶容量でファイルの配置方法
を決定できる。
【0023】また第2の構成では、ファイルからファイ
ルへのアクセスの生起確率を用いて、一つのファイルと
一つのトラックからなる組に対し、一意に定まる評価値
を算出し、この評価値を基にファイルの配置するトラッ
クを順次選択する。この評価値としては、一組のファイ
ルとトラックに対し、この組のファイルがこの組のトラ
ックに配置されたときに、最終的な全ファイルの配置に
対する平均アクセス時間がどの位になるかの予測値を用
いる。全てのファイルの配置するべきトラックが決定し
た後、決定した配置に従って記録媒体上にファイルデー
タを記録する、もしくは配置するべきトラックが決定し
たファイルから順次記録媒体上にファイルデータを記録
する。
【0024】本発明ではファイルからファイルへのアク
セスの生起確率を用いて、一つのファイルと一つのトラ
ックからなる組に対し一意に定まる評価値を算出し、こ
の評価値を基にファイルの配置するトラックを順次選択
すると云う手法を採用した結果、ファイルへの平均アク
セス時間を短くするための記録媒体上のファイル配置を
短時間で決定することができる。そして、このようにし
て決定されたファイル配置に従って記録媒体上にファイ
ルを配置することにより、平均アクセス時間が短くな
り、ファイルへのアクセスのためにかかる時間によって
ユーザを待たせるということが少なくできる。
【0025】また、本発明はファイルのグループ化を行
った後ファイル配置を行えば、ファイル数の多い場合で
も短い時間、及び少ない記憶容量でファイルの配置位置
を決定できる。
【0026】また、第3の構成の場合、配置位置関係が
既に与えられており、この配置位置関係を変更して新た
に記録媒体上のファイルデータの配置方法を決定するに
あたって、複数のファイルの組に対して、元の配置にお
ける平均アクセス時間から、複数のファイルの配置を交
換した後の平均アクセス時間を差し引いた差を求め、こ
の差が正である場合には前記複数のファイルを交換す
る。この操作を繰り返すことにより、平均アクセス時間
を改善することが可能となる。
【0027】本発明によれば、ファイルへの平均アクセ
ス時間を短くするための記録媒体上のファイル配置を短
時間で決定することができ、しかも、すでに記録媒体上
に記録されているファイルを再配置するので、現在のフ
ァイル参照状況に合わせて、平均アクセス時間の短くな
るファイル配置を短時間に行える。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図を用いて詳細に
説明する。
【0029】(第1の実施例)図1は本発明の第1の実
施例に係る構成を表すブロック図である。図1におい
て、1は光ディスクであり、ディスク状のディジタル情
報記録媒体であって、同心円状(もしくは螺旋状)に記
録トラックが形成されている。
【0030】2はスピンドルモータ、3はモータ駆動回
路、4は光ヘッド、5はリニアモータ、6は回転制御回
路、7はヘッド位置決め制御回路、8は信号処理回路、
9はシステム制御回路、10は入出力端子、11はファ
イル配置最適化装置、12はデータ入力端子である。
【0031】これらのうち、スピンドルモータ2は光デ
ィスク1を回転駆動するためのモータであり、モータ駆
動回路3は基準周波数と再生クロックとの差がなくなる
ようにスピンドルモータ2への電力を調整して駆動制御
するための回路である。光ヘッド4は、光ディスク1の
読取り/書込みを行うヘッドであり、リニアモータ5
は、光ヘッド4を光ディスク1の半径方向に駆動移動走
査(シーク)するためのモータである。
【0032】回転制御回路6は、光ヘッド4により読み
出された光ディスク1上の信号から再生クロック信号を
生成し、基準周波数との差の信号を発生してモータ駆動
回路3に与える回路であり、また、ヘッド位置決め制御
回路7は、システム制御回路9からの命令に従って動作
し、光ヘッド4から送られてくる現在のアドレス情報と
システム制御回路9から与えられる所望のアドレス情報
との差から、光ヘッド4を駆動するためのリニアモータ
5の加速,定速走行,減速,停止といった駆動制御を行
うものである。
【0033】信号処理回路8は、メモリを内蔵し、入出
力端子10を介して入力されるデータをこのメモリに蓄
積して光ヘッド4に記録データの信号として渡し、ま
た、光ヘッド4より読出した信号をデータに変換して、
入出力端子10へと渡す機能の他、ファイルの配置最適
化記録時には入出力端子10から受けたマルチメディア
ファイルのデータをメモリに保持し、これをファイル配
置最適化装置11に渡すと共に、ファイル配置最適化装
置11によりファイル配置位置が決まったならば、その
決められたトラック位置に、該当のファイルを記録すべ
く光ヘッド4にファイルのデータを渡す機能を有する。
また、光ディスク1に記録された複数のファイルについ
てファイル配置最適化を行う場合には、光ディスク1か
ら光ヘッド4が読出したファイルのデータを前記メモリ
に保持し、これをファイル配置最適化装置11に渡すと
共に、ファイル配置最適化装置11によりファイル配置
位置が決まったならば、その決められたトラック位置
に、該当のファイルを記録すべく光ヘッド4にファイル
のデータを渡す機能を有する。
【0034】システム制御回路9は、本装置の制御の中
枢を担うものであり、光ディスク1に対して書き込み/
読出しされるファイルの位置決めをするために、アドレ
ス情報をヘッド位置決め制御回路7に与えると共に、信
号処理回路8にデータの入出力指令を与え、また、動作
モードに応じた指令を与えて信号処理回路8に所要の処
理を実施させるようにするものである。
【0035】また、システム制御回路9はファイル配置
最適化装置11によって決定された各ファイルの配置位
置対応のアドレスを順次受け、そのアドレスに光ヘッド
4を移動させるようヘッド位置決め制御回路7に命令を
送る機能を有する。
【0036】入出力端子10は、データの入出力用の端
子であり、当該ディスクドライブ装置を使用するホスト
側の装置と接続されてデータの入出力に利用される。ア
クセス確率データもこの入出力端子10を開始て入力さ
れる。
【0037】データ入力端子12はファイル配置最適化
のための必要なデータを手動入力するための端子であ
る。このデータとしては、ファイル間のアクセス確率で
あり、場合によっては遷移確率行列T、定常確率ベクト
ルsである。データ入力端子12にキーボードを接続し
てこのキーボードよりこれらデータを入力することがで
きる。
【0038】ファイル配置最適化装置11は、本発明装
置において重要な役割を果たす装置であり、ファイルの
グループ化やグループ内のファイルのブロック化を行っ
たり、ファイル間のアクセス確率のデータもしくは直接
与えられた遷移確率行列Tや定常確率ベクトルsを用い
て光ディスク1上に記録される各ファイルの最適配置位
置(アドレス)を決定するものである。
【0039】ファイル配置最適化装置11によって決定
された光ディスク1上に記録されるファイルのデータを
記録すべきアドレスは、逐次システム制御回路9に与え
られてヘッドの位置決めに使用され、また、その位置に
書き込まれるべき書き込みファイルの信号処理回路8か
らの読出し制御を行うべく、ファイルの信号処理回路8
に指令が渡されるようにしてある。
【0040】このような構成の本装置の動作を説明す
る。
【0041】光ディスク1は、モータ駆動回路3により
電力供給されて回転するスピンドルモータ2によって回
転駆動されている。回転制御回路6は、光ヘッド4によ
り読み出された光ディスク1上の信号から再生クロック
信号を生成し、基準周波数との差の信号をモータ駆動回
路3に送る。モータ駆動回路3は基準周波数と再生クロ
ックとの差がなくなるように電力調整してスピンドルモ
ータ2へ電力供給する。このようにして、光ディスク1
の回転は基準回転数に常に一致するように制御されてい
る。
【0042】一方、入出力端子10からはマルチメディ
アファイルのデータが信号処理回路8に送られ、このデ
ータは信号処理回路8内部のメモリに蓄えられる。この
とき、以下で説明するファイルのアクセス確率データも
一緒に入力され、上記メモリ内に記憶される。
【0043】ファイル配置最適化装置11は以下で詳細
を説明するファイル配置最適化を行うための装置であ
り、信号処理回路8から送られたマルチメディアファイ
ルの各ファイルをそのファイルのデータの大きさにより
所定のサイズを越えるものは、所定サイズに分割し、こ
れら分割したファイルも含めて、各ファイルのアクセス
確率データをもとに、光ディスク1上へのファイルの最
適な配置位置を求める。すなわち分割したファイルも含
めて、全てのファイルに対し、それぞれの記録されるべ
きアドレスを決定する。
【0044】入出力端子10からファイルのアクセス確
率データが入力されない場合には、データ入力端子12
からユーザがキーボード等の手段を用いて直接ファイル
のアクセス確率データをファイル配置最適化装置11に
入力することもできる。
【0045】ファイル配置最適化装置11によって決定
された各ファイルのデータ記録アドレスは、逐次システ
ム制御回路9に送られ、これを受けたシステム制御回路
9は所望のアドレスに光ヘッド4を移動させるようヘッ
ド位置決め制御回路7に命令を送る。ヘッド位置決め制
御回路7は、光ヘッド4から送られてくる現在のアドレ
ス情報とシステム制御回路9からの所望のアドレス情報
との差から、光ヘッド4を駆動するためのリニアモータ
5の加速,定速走行,減速,停止の制御を行う。
【0046】光ヘッド4が所望のアドレスにアクセス可
能な状態になったならば、そのアドレスに記録すべきフ
ァイルのデータが信号処理回路8内のメモリから読み出
され、記録される。
【0047】以上のようにしてヘッド4の移動、データ
の記録が繰り返され、入力された全てのファイルが光デ
ィスク1上に記録される。
【0048】これによって、マルチメディアファイル
は、関連する複数のファイルについて、アクセスされる
確率の高いもの同士程、近くに置かれるように、ファイ
ルの配置するべき位置が決められ、その決定した配置に
従って記録媒体上にファイルデータが記録される、もし
くは配置するべきトラックが決定したファイルから順次
記録媒体上にファイルデータが記録される結果、マルチ
メディアのソフトウェアを光ディスク1に記録してこれ
を用いる場合に、ファイルの読出しにあたって、光ヘッ
ド4が光ディスク1のトラック間を移動する距離が短く
て済み、アクセス時間が短くなって、効率の良いアクセ
スが可能なる。
【0049】次に、本実施例におけるファイル配置最適
化装置11が、どのようにして機能するかを説明する。
【0050】図2は、ファイル配置最適化装置11でフ
ァイル配置最適化がどの様にして行われるのかを表した
流れ図である。以下、この図に従って説明する。
【0051】ファイル配置最適化装置11ではまず、関
連のあるファイルをグルーピングし、つぎにグループ内
の各ファイルの分割を行う(ステップS1,S2)。こ
れは後に行うファイルの配置の計算の際に計算を簡略化
するために1トラック1ファイルとすることが必要なた
めである。
【0052】但し、ファイルのデータ量がトラックの記
憶容量Cよりも小さいファイルについては、ファイルの
分割は行われない。一方、ファイルのデータ量が1トラ
ック分の記憶容量t(以下、これをトラック容量と呼
ぶ)よりも大きいファイルは、ファイルを当該トラック
容量C毎に分割する。従って、ファイルの容量がbi
ットである場合には、このファイルはbi /C個に分割
されることになる。ただし、bi /Cの値を下まわらな
い最小の整数でなければならない。
【0053】ファイル配置最適化装置11にはファイル
のアクセス確率データが与えられているので、ファイル
配置最適化装置11はファイルの分割の後、この入力さ
れたファイルへのアクセス確率データから、遷移確率行
列Tを設定する(ステップS3)。
【0054】この“ファイルへのアクセス確率”は、光
ディスク1上に記録されたファイルをアクセスする際の
平均アクセス時間を決定する重要な要素である。実際、
平均アクセス時間は、ファイルへのアクセス確率と、フ
ァイルの配置によって決定される。
【0055】正確なファイルのアクセス確率は通常は知
ることができない。しかし、アクセスが生じる回数をカ
ウントし、あるファイルへのアクセスが生じた回数をフ
ァイル全体へのアクセスが生じた回数で割ることによ
り、近似的にそのファイルへのアクセス確率を知ること
ができる。また、ある程度アクセスが生じる確率が予想
できるような場合には、人手による入力操作によって、
ファイルへのアクセスが生じる確率の情報を与えるよう
にすることもできる。
【0056】このとき、マルチメディアファイルなどの
ように、ファイル同士に関連があり、それら関連のある
ファイル間を参照するような場合には、単にファイルへ
のアクセスが生じる確率を求めるよりも、現在アクセス
しているファイルがどれであるかという条件付きで、次
にアクセスされるファイルの確率を求める方がより正確
にファイルへのアクセス確率を表現できる。
【0057】本実施例におけるファイルのアクセス確率
も、これらの方法によって現在アクセスしているファイ
ルがどれであるかという条件付きのファイルのアクセス
確率を求めたものを用いる。グループ内の複数のファイ
ルのうち、例えば、今、あるファイルiを参照している
ときに、次に別のファイルjを参照する確率pijが与え
られているとすれば、確率pijを要素として遷移確率行
列Tが、
【0058】
【数1】 のように設定できる。ただし、ファイルが分割されてい
る場合には、単純にTを求めることはできない。ファイ
ルの分割がある場合には、分割によって得られた新たな
ファイル(以下、これを分割ファイルと呼ぶ)にアクセ
ス確率を割り振る。
【0059】この割り振り方法は、例えば、一つの独立
したある「ファイルi」がファイルi1,ファイルi
2,ファイルi3,…,ファイルini という具合に、
i個に分割されたとすると、第1の分割ファイルである
「ファイルi1」から第2の分割ファイルである「ファ
イルi2」へのアクセス確率は“1”、そして、第1の
分割ファイルである「ファイルi1」から隣接する第2
の分割ファイル「ファイルi2」以外のファイルへのア
クセス確率は“0”とする。
【0060】第2の分割ファイルである「ファイルi
2」については、「ファイルi2」からそれに隣接する
第3の分割ファイルである「ファイルi3」へのアクセ
ス確率は“1”で、隣接関係にないその他の分割ファイ
ルに対してのアクセス確率は“0”とする。
【0061】以下同様に割り振り、最終の分割ファイル
である「ファイルini 」だけは第1の分割ファイルで
ある「ファイルi1」へのアクセス確率を「ファイル
i」から「ファイルi」へのアクセス確率と等しくし、
隣接関係にない「ファイルi2」から「ファイルi
i 」までの各分割ファイルに対するアクセス確率は
“0”、更に全く別の他のファイル(つまり、ファイル
i以外の別のファイル)へのアクセス確率は「ファイル
i」からのアクセス確率と同じに設定する。
【0062】更に「ファイルi」以外の全く別の他の独
立ファイルから、上記ある独立ファイルである「ファイ
ルi」における上記分割ファイルのうち、先頭でない分
割ファイル「ファイルi2」より最終の分割ファイルで
ある「ファイルini 」までの各分割ファイルに対して
のアクセス確率は“0”とし、独立ファイルである「フ
ァイルi」における先頭の分割ファイルである「ファイ
ルi1」へのアクセス確率は独立ファイル「ファイル
i」へのアクセス確率と同じとする。
【0063】このようなアクセス確率の割り振り方法を
採用することにより、分割されたファイルのアクセス確
率は一意に定まる。
【0064】つぎに独立ファイル相互間のアクセス確率
を考えてみる。
【0065】図3はグループ内の複数ある独立ファイル
における独立ファイル相互間のアクセス確率を一例とし
て表に示したものであるが、この図3における如きアク
セス確率があったとして、独立ファイルから他の独立フ
ァイル中の各分割ファイルに対するアクセス確率は上記
の割振り方法によれば、図4の如きになる。但し、この
図ではアクセスする側が縦列に示したファイルであり、
アクセスを受ける側が横列に示したファイルとなるよう
にして記載してある。
【0066】すなわち、3個の分割ファイルi1〜i3
に分けられた独立ファイル1があったとしてこのファイ
ルに着目してみると、当該独立ファイル1のアクセス確
率は図4のように分割ファイルであるファイルi1から
ファイルi3までの各ファイルは、「ファイルi1」自
身間はアクセス確率“0”、「ファイルi1」と「ファ
イルi2」間も“0”、「ファイルi1」と「ファイル
i3」間は最初の分割ファイルと最終の分割ファイルの
関係にあり、この場合には、ある独立ファイルから自身
をアクセスするアクセス確率が適用され、独立ファイル
1の場合、図3からそれは“0.10”であり、これが
適用されるから、アクセス確率は“0.10”、「ファ
イルi1」から独立「ファイル2」をアクセスする確率
は図3からそれは“0.03”であり、これが適用され
るから、アクセス確率は“0.03”となり、「ファイ
ルi2」と「ファイルi1」間は隣接の分割ファイルの
関係にあるから確率は“1”、「ファイルi2」自身間
はアクセス確率“0”、隣接関係にはあるが逆行する場
合、例えば、「ファイルi3」から「ファイルi2」へ
のアクセスは“0”といった具合である。
【0067】従って、独立ファイル間で図3のようなア
クセス確率があった場合に、分割ファイルも含めてファ
イル間アクセスの確率を纏めると、図4の如きの関係に
一義的に定まる。
【0068】遷移確率行列Tが設定されると、ファイル
配置最適化装置11はつぎにこのTからそれぞれのファ
イルの定常確率を表す定常確率ベクトルsを計算する
(図2のステップS4)。sはつぎの式で求めることが
できる。
【0069】 s =(s1 2 … sn t …(2) ここで、t は転置行列を表している。具体的には、定常
確率ベクトルsの要素を未知数として、 Ts = s …(3) 及び
【0070】
【数2】 からなる方程式を解くことによって定常確率ベクトルs
は容易に求められる。
【0071】例えば、ファイルの分割後に図5のような
Tが得られとき、式(3),(4)の方程式を解くこと
により、同じく図5のsが得られる。但し、行列が非エ
ルゴード的である場合にはこのような手法により、sを
求めることはできない。従って、このようなときにはT
と共に、sも予め与えられる必要がある。その場合、例
えば、入出力端子10またはデータ入力端子12よりこ
れらを与えるようにすれば良い。
【0072】なお、図5においては表の外側の数字1〜
10は横欄および縦欄とも1から10までのファイルを
示しており、表中の数字は遷移確率行列Tである。ま
た、図5におけるsは定常確率ベクトルであり、縦欄に
示したファイルの定常確率ベクトルの値はsの各欄に記
載されている。
【0073】遷移確率行列Tおよび定常確率ベクトルs
が計算された(あるいは与えられた)ならば、ファイル
配置最適化装置11はつぎにファイルのトラックへの配
置を決定する(図2のステップS5)。そして、記録ト
ラックへのファイルの配置位置が決まったならば、この
決定された位置にファイルを配置すべく制御出力を出
し、システム制御回路9に与える。
【0074】ここで記録トラックへのファイルの配置位
置決定方法について説明する。
【0075】図6は、ファイル配置最適化装置11にお
いて配置を決定する際の処理の流れを表したものであ
る。図に従って説明する。はじめに、全てのファイルを
1つづつブロックにする(図6のステップS11)。そ
して、つぎにそのブロック分けされたn2 個のファイル
について自己同士の組み合わせを含め、全ての組み合わ
せを求め、各組(i,j)について、si ij+sj
ijの大きい順に並べ(ソート)、リストを作成する(図
6のステップS12)。
【0076】図5の例では分割ファイルも含めてファイ
ル総数は10である。そして、自己同士の組み合わせを
含め2ファイルの組み合わせ全てを考え、n=10とし
て、n2 個すなわち100個のファイルの組(i,j)
をsi ij+sj ijの大きい順に並べる。このとき、
k番目のファイルの組をord(k)=(i,j)と表
すことにする。
【0077】次に、一つまたは複数のファイルからなる
ブロックを考える。つまり、分割される程の容量を持た
ない独立した1つのファイルのブロックと、容量が大き
く、従って独立した1つのファイルを規定の容量分単位
で分割した個々の分割ファイルのブロックである。初め
はそれぞれのファイルが単独でブロックとなる。従っ
て、ファイル数がnであればn個のブロックができる。
そして、これらのブロックを上位のord(k)=
(i,j)の順に結合させて行くと、最後には一つのフ
ロックになり、各ファイルの配置が決まる(図6のステ
ップS13〜S16)。
【0078】すなわち、この結合にあたっては、ブロッ
ク内のファイルの順序は変えずに二つのブロックを結合
させるようにする。また、k=1,2,3,…の順にo
rd(k)の二つのファイルの含まれているブロックを
結合させていく。二つのブロックの結合のさせ方は2通
りあるが(どちらのブロックが右側にくるかで2通りあ
る)、そのうちのどちらを選ぶかは、ord(k)=
(i,j)の二つのファイルのアクセス方向として、i
-->jとj -->iのうち、どちらの方のアクセス確率が
高いかにより決める。
【0079】たとえば、i,jの二つのファイルのアク
セス方向として、i -->jの方向の確率の方が高けれ
ば、ファイルiからjへのアクセス時間の短い方の結合
方法を選択する。もしもどちらの結合方法も同じアクセ
ス時間を与えるならば、逆のjからiのアクセス時間の
短くなる結合方法を選択する。この場合も同じアクセス
時間を与えるようならば、どちらを選択してもかまわな
い。
【0080】例として、図7で表される7個のファイル
間の遷移確率行列Tを基にファイルの配置を決定してみ
ることとする。この場合、トラックkに配置されたファ
イルiからトラックmに配置されたファイルjへのアク
セス時間が、定数cに対して
【0081】
【数3】 で表されるものとして、配置を決める。はじめはそれぞ
れ一つのファイルを含む7つのブロック[1],
[2],[3],[4],[5],[6],[7]を構
成する、自己同士の組を含め、2つのブロックのペアを
全て示すと7つのブロック[1]〜[7]ではそれぞれ
のペアの遷移確率行列Tは図7の表中の値の如きとな
る。
【0082】そして、これをもとにして各ブロックの遷
移確率行列Tに対する定常確率を求めると図8で示され
るベクトルsが求められる。つまり、s1 〜s7 は、そ
れぞれブロック[1]〜[7]のベクトルである。
【0083】あらゆる二つのファイルの組(i,j)を
想定し、それらをsi ij+sj ij の大きいもの順
に並べると、図9に示される如き順番になる。ここで最
大の大きさを示しているord(1)はord(1)=
(1,6)であるから、この(1,6)に従い、[1]
と[6]の二つのブロックを結合させる。
【0084】二つのブロックの結合のさせ方には
“[1][6]”と、“[6][1]”とがある。左か
ら右へトラック番号が増加するように表現するものとす
ると、s116<s6 61であるからファイル6からフ
ァイル1へのアクセス時間の短い配置である[6]
[1]の結合を選択し、二つのブロックを新たなブロッ
ク[6][1]を[6],[1]の順番に結合した
[6,1]の内容を含むブロックにする。これで最初の
結合が終わる。
【0085】次に二番目に大きいものについて結合を決
める。二番目に大きいものはord(2)であり、これ
はord(2)=(6,7)であるから、(6,7)よ
りファイル6の含まれているブロック[6,1]とブロ
ック[7]を結合させることになる。そして、s6 67
>s7 76の関係にあるから、ファイル6からファイル
7へのアクセス時間の短い結合である[6,1][7]
の順番での結合、すなわち、[6],[1],[7]の
順番に結合した[6,1,7]の内容を含むブロックに
する。
【0086】次に三番目に大きいものについて結合を決
める。三番目に大きいものはord(3)=(1,4)
であるから、ファイル1の含まれているブロック[6,
1,7]とファイル4の含まれているブロック[4]と
を結合する。s1 14>s441よりファイル1からフ
ァイル4へのアクセス時間の短い結合[6,1,7]--
> [6,1,7][4]--> [6,1,7,4]を行
う。
【0087】つぎはord(4)の結合である。これは
ord(4)=(3,7)であるから、ファイル3の含
まれるブロック[3]とファイル7の含まれるブロック
[6,1,7,4]を結合する。s3 37<s7 73
り、ファイル7からファイル3へのアクセスを優先し、
[6,1,7,4][3]--> [6,1,7,4,3]
と結合する。
【0088】次にord(5)=(6,4)であるが、
ファイル6とファイル4はすでに同じブロック[6,
1,7,4,3]に含まれているので、ここで何も行わ
ず次のord(6)に関する手続きを行う。
【0089】このような操作を繰り返すことにより、最
後にはord(11)のファイル(3,5)に関するブ
ロックの結合を行い、一つのブロック[2,6,1,
7,4,3,5]ができあがる。この順にファイルを光
ディスク1の記録トラックに配置することにより平均ア
クセス時間の短いファイルの配置が行える(図2のステ
ップS6)。
【0090】以上、第1の実施例のデータ配置方法を用
いれば、ディスク状の記録媒体上にファイルデータを配
置する際に、ファイルからファイルへのアクセス生起確
率に応じて全体の平均アクセス時間が短くなるファイル
データ配置を、全ての配置方法についての平均アクセス
時間を計算するといった手間をかけることなく、比較的
短時間で発見し、配置できる。
【0091】以上、第1の実施例は、書換可能、もしく
は一度だけ書き込み可能なディスク状の回転する記録媒
体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号を記録
し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み出し、
信号処理を加えることにより再生することのできる情報
記録再生装置において、記録媒体上のファイルデータの
配置方法を決定する際に、複数のファイルを複数のブロ
ックに分類し、各ブロック内でのファイルの順序は維持
したまま、ファイル間の参照確率の高いファイルの組を
含むブロックから順にそれらのブロックを結合させ、こ
れを繰り返すことにより最終的にブロックが一つになっ
たときのファイルの順序を記録媒体上のファイル配置と
し、この配置に従って記録媒体上にファイルデータを記
録する、もしくは配置するべきトラックが決定したファ
イルから順次記録媒体上にファイルデータを記録するよ
うにしたデータ配置方法である。
【0092】要するに、この実施例におけるファイルの
記録媒体上の配置決定方法では、まずファイルをいくつ
かのグループ単位に分割し、各グループ内で一つ、また
は複数のファイルが順序を持って並んでいる複数のブロ
ックに対し、ファイル間のアクセス確率の高いファイル
の組を含むブロック同士を優先的に結合させ、この処理
を繰り返すことにより最終的に全てのファイルを含む一
つのブロックを作り、このブロックにおけるファイルの
順序を記録媒体上の配置とすることを特徴としている。
【0093】アクセスされる確率の高いもの同士程、近
くに置かれるように、全てのグループにおけるファイル
の配置するべきトラックを決定した後、その決定した配
置に従って記録媒体上にファイルデータを記録する、も
しくは配置するべきトラックが決定したファイルから順
次記録媒体上にファイルデータを記録する。
【0094】このように、アクセスされる確率の高いも
の同士程、近くに配置するように位置を決定するように
した結果、本発明によれば、ファイルへの平均アクセス
時間を短くするための記録媒体上のファイル配置を短時
間で決定することができるようになる。しかも、このよ
うにして決定されたファイル配置に従って記録媒体上に
ファイルを配置することにより、平均アクセス時間が短
くなり、ファイルへのアクセスのためにかかる時間によ
ってユーザを待たせるということが少なくできる。
【0095】また、本実施例は、関係するファイルにつ
いてのグループ化を行った後、ファイル配置を行えば、
ファイル数の多い場合でも短い時間、及び少ない記憶容
量でファイルの配置方法を決定できる。
【0096】故に、本実施例によるデータ配置方法を用
いれば、ディスク状の記録媒体上にファイルデータを配
置する際に、ファイルからファイルへのアクセス生起確
率に応じて全体の平均アクセス時間が短くなるファイル
データ配置を、全ての配置方法についての平均アクセス
時間を計算するといった手間をかけることなく、比較的
短時間で発見し、配置できる。
【0097】記録トラックへのファイルの最適位置記録
により、アクセス時間を短縮する別実施例を説明する。
以下の実施例では一つのファイルを一つの記録トラック
に記録すると共に、ファイルの配置最適化の問題を高速
な解法が存在する問題に変換し、高速解法を実行して短
時間に平均アクセス時間を短くするファイル配置を見付
け出し、配置する。また、ファイル数が多いときに、さ
らにファイル配置を高速に見つけだすために、ファイル
をグループ化し、グループごとの配置を高速解法を用い
て見付け出し、配置する。
【0098】(第2の実施例)ファイルの配置最適化の
問題を高速な解法が存在する問題に変換し、高速解法を
実行して配置を決定する基本例を第2の実施例として説
明する。装置の構成は基本的には図1のブロックと変わ
りはない。ここではファイル配置最適化装置11の機能
を、ファイルの配置最適化の問題を高速な解法が存在す
る問題に変換し、高速解法を実行して位置決定すること
ができる構成とした点が異なる。
【0099】ファイル配置最適化装置11の処理内容を
中心に説明する。ここで、遷移確率行列Tおよび、それ
ぞれのファイルの定常確率を表す定常確率ベクトルsを
求めるまでの手順は第1の実施例と同じである。
【0100】第2の実施例では得られたT,sから、平
均アクセス時間を最小にするファイル配置を2次計画法
の問題に変換して解く。2次計画法の問題に置き換える
と云うことは、具体的には、
【0101】
【数4】 のもとで、目的関数
【0102】
【数5】 を最小にするxijを求めよ、という問題にすることであ
る。
【0103】ここで、上記xijはその値が“1”のとき
「ファイルi」が「トラックj」に記録されることを意
味し、“0”のときはそうではないことを意味してい
る。また、f(j,m)は「トラックj」から「トラッ
クm」へのアクセス時間を示しており、これは実測によ
って求められる。もちろん、何らかの近似式を用いて、
より簡単に表現することもできる。
【0104】このような問題の変換が行われたとき、
[数4]の(10)式に示す条件を除くと、目的関数が
凸2次関数である場合には2次計画法における様々な高
速解法が適用可能である。
【0105】例えば、Wolfeの改良単体法、The
ilとVan de Pannの方法、Hidreth
とD′Espoの方法、Houthakkerの方法な
ど(INTRODUCTION TO NONLINE
AR OPTIMIZATION,DAVID A.W
ISMER AND R.CHATTERGY,NOR
TH−HOLLAND,PP.245−263)及びL
emkeの相補掃き出し法(非線形計画法,今野浩,山
下浩著,日科技連,PP.302−306)が適用でき
る。これらの方法により、最適解が得られる。ただし、
(10)式の制約条件を除いているため、解のxijの値
が0<xij<1となることがある。
【0106】このようなときには、xijの値の大きなも
のから優先的に制約式[数5]が成り立つ限り“1”を
与え、残りは“0”を与えることにより、(10)式の
条件を満足させる近似解を得ることができる。
【0107】また、目的関数が凸2次関数でない場合に
は、上記のような高速解法の結果得られる解は、大域的
最適解ではなく局所最適解に過ぎない。このようなとき
には、得られた解を配置方法の候補とし、複数の候補の
中から目的関数の値の小さなものを選択する。候補を複
数挙げる方法としては、例えば相補掃き出し法を用いた
場合には、初めのピボット選択を行うときに複数のピボ
ット位置を選択できることを利用して、異なるピボット
位置の選択を行うことにより、結果として複数の局所最
適解を得ることができる。
【0108】以上の方法によって得られた変数xijの値
が“1”か“0”かによってファイルがどのトラックに
配置されるべきかが明らかになる。例えば、要素がxij
からなる行列
【0109】
【数6】 が得られる。「トラック1」に配置するファイルは行列
Xの第1列のうち、要素“1”を持つ行によって決ま
る。例えば、第i行が“1”であれば「ファイルi」を
配置する。「トラック2」に配置するファイルは行列x
の第2列のうちから、要素が“1”である行を探せば良
い。
【0110】以下同様に「トラック3」から「トラック
n」までに配置すべきファイルを探すことができる。各
トラックにどのファイルが配置されるかは、以上のよう
にファイル順ではなく、トラック順になるようにファイ
ル配置最適化装置11からシステム制御回路9に指令が
送られることにより、光ヘッド4の移動距離を少なく
し、また実際のファイル位置最適化配置の処理に要する
時間も短くすることができる。
【0111】このような処理を図2で説明した第1の実
施例のステップS4〜S6の処理に代えて実施すること
により、光ヘッド4の移動距離を少なくし、また実際の
ファイル位置最適化配置の処理に要する時間も短くする
ことができる。なお、参考までに第2の実施例にかかる
ファイル位置最適化配置の処理手順を大まかに説明して
おく。
【0112】ファイル配置最適化装置11ではまず、関
連のあるファイルをグルーピングし、つぎにグループ内
の各ファイルの分割を行う(図11のステップS2
1)。これは後に行うファイルの配置の計算の際に計算
を簡略化するために1トラック1ファイルとすることが
必要なためである。
【0113】但し、ファイルのデータ量がトラックの記
憶容量Cよりも小さいファイルについては、ファイルの
分割は行われない。一方、ファイルのデータ量が1トラ
ック分の記憶容量t(以下、これをトラック容量と呼
ぶ)よりも大きいファイルは、ファイルを当該トラック
容量C毎に分割する。従って、ファイルの容量がbi
ットである場合には、このファイルはbi /C個に分割
されることになる。ただし、bi /Cの値を下まわらな
い最小の整数でなければならない。
【0114】ファイル配置最適化装置11にはファイル
のアクセス確率データが与えられているので、当該ファ
イル配置最適化装置11はファイルの分割の後、この入
力されたファイルへのアクセス確率データから、遷移確
率行列Tを設定する(図11のステップS22)。
【0115】この“ファイルへのアクセス確率”は、光
ディスク1上に記録されたファイルをアクセスする際の
平均アクセス時間を決定する重要な要素である。実際、
平均アクセス時間は、ファイルへのアクセス確率と、フ
ァイルの配置によって決定される。
【0116】この“ファイルへのアクセス確率”は、光
ディスク1上に記録されたファイルをアクセスする際の
平均アクセス時間を決定する重要な要素である。実際、
平均アクセス時間は、ファイルへのアクセス確率と、フ
ァイルの配置によって決定される。
【0117】正確なファイルのアクセス確率は通常は知
ることができない。しかし、アクセスが生じる回数をカ
ウントし、あるファイルへのアクセスが生じた回数をフ
ァイル全体へのアクセスが生じた回数で割ることによ
り、近似的にそのファイルへのアクセス確率を知ること
ができる。また、ある程度アクセスが生じる確率が予想
できるような場合には、人手による入力操作によって、
ファイルへのアクセスが生じる確率の情報を与えるよう
にすることもできる。
【0118】このとき、マルチメディアファイルなどの
ように、ファイル同士に関連があり、それら関連のある
ファイル間を参照するような場合には、単にファイルへ
のアクセスが生じる確率を求めるよりも、現在アクセス
しているファイルがどれであるかという条件付きで、次
にアクセスされるファイルの確率を求める方がより正確
にファイルへのアクセス確率を表現できる。
【0119】本実施例におけるファイルのアクセス確率
も、これらの方法によって現在アクセスしているファイ
ルがどれであるかという条件付きのファイルのアクセス
確率を求めたものを用いる。これは既に第1実施例で詳
述した。
【0120】遷移確率行列Tが設定されると、ファイル
配置最適化装置11はつぎにこのTからそれぞれのファ
イルの定常確率を表す定常確率ベクトルsを計算する
(図11のステップS23)。これも図2のステップS
4と同じであり、既に第1実施例で詳述した。
【0121】そして、Tとsを用いて、上述のように配
置最適化を2次計画の問題に変換する(図11のステッ
プS24)。そして、この問題を2次計画法の高速解法
を用い、これも上述のようにして解く(図11のステッ
プS25)。
【0122】これにより、各ファイルの配置位置関係が
決まるのでこの順番にファイルを配置する(図11のス
テップS26)。そして、この順番に従って信号処理回
路8に光ディスク1に対してのファイルの書き込み処理
を行わせる。
【0123】以上第2の実施例では、ファイルの遷移確
率行列から平均アクセス時間を最小にするファイル配置
を求める問題を、2次計画法の高速解法の存在する別な
問題に変換して解を求めることにより、短時間で最適な
ファイルの配置方法を見つけることができるようにな
る。
【0124】(第3の実施例)別の例を第3の実施例と
して説明する。
【0125】第2の実施例では全てのファイルのデータ
は入出力端子10から入力されていた。しかし、ファイ
ルが既に光ディスク1にある場合に、これを最適配置す
ることも必要である。そこで第3の実施例では、光ディ
スク1上にすでに記録されているファイルデータを平均
アクセス時間が短くなるように再配置する方法について
説明する。なお、ここでの考え方は第1の実施例に対し
ても適用できる。
【0126】第3の実施例においては、図10の如き装
置構成を用いる。ファイル配置最適化装置11に第2の
実施例で用いたような2次計画法の手法を用いているこ
とを除けば、基本的には第1の実施例で説明した図1の
構成のものと同じであり、同一物には同一記号を付して
その説明は省略する。新たに加わったものは、13の集
計演算部であり、この集計演算部13はユーザ使用状況
保存メモリと、確率演算部とを有している。ユーザ使用
状況保存メモリはどのファイルが何回アクセスされたか
その回数を保持するもので、ファイル対応にそのファイ
ルのアクセス回数を保持する。その情報は信号処理回路
8から得る。確率演算部はこのユーザ使用状況保存メモ
リに保持された情報を用いてファイル毎のアクセス確率
を求め、信号処理回路8に渡す。
【0127】従って、信号処理回路8にはファイルのア
クセス毎にどのファイルがアクセスされたかを示す信号
を発生して集計演算部13に出力し、また、集計演算部
13から得られたそのファイルのアクセス確率の情報
を、そのファイルのデータ部内におけるファイルアクセ
ス確率データ部21に格納して光ディスク1に書き戻す
機能を持たせてある。
【0128】また、ファイル配置最適化装置11の処理
手法は第2の実施例で説明したものを用いる。そして、
ファイル配置最適化装置11にはホスト装置等からファ
イル配置最適化指令を受けてファイル配置最適化を実施
する際には、信号処理回路8を介して与えられる読み込
んだファイルのデータ部内のファイルアクセス確率デー
タ部21に格納してあるアクセス確率の情報を利用して
ファイル配置位置最適化を行う機能を持たせる。
【0129】このような構成において、光ディスク1の
ファイルアクセス(読み込みのためのアクセス)が行わ
れる毎に、信号処理回路8が出力するアクセスファイル
対応のアクセス情報を集計演算部13に出力する。集計
演算部13ではこれを内部のユーザ使用状況保存メモリ
にファイル対応にカウントし、そのカウント値を元に確
率演算部でファイルアクセス確率を演算して信号処理回
路8に渡す。確率演算部での演算内容は、全てのファイ
ルの総読み出し回数に対するそのアクセスされたファイ
ルのファイルの読み出し回数の比によって計算される。
【0130】信号処理回路8はファイルの読み込みアク
セス毎に、集計演算部13から得られたそのファイルの
アクセス確率の情報を、そのファイルのデータ部内のフ
ァイルアクセス確率データ部21に格納して光ディスク
1に書き戻すこのようにして普段からファイルのアクセ
ス確率の情報が求められ、ファイルに更新記録させてあ
る。
【0131】ファイル配置位置最適化を行う場合には、
ファイルデータは光ディスク1から光ヘッド4によって
読み込まれ、信号処理回路8内のメモリに記憶される。
この際、ファイルのアクセス確率データも、ともに光デ
ィスク1から読み込まれる。
【0132】図12はデータフォーマットの一例で、第
3の実施例を実現する場合にはデータ部内に上述のファ
イルのアクセス確率データ部21を持たせた構成とす
る。ファイルのアクセス確率データは上述のように、普
段から光ディスク1に記録されているファイルが読み出
されるたびに更新されており、その内容は全てのファイ
ルの総読み出し回数に対する一つのファイルの読み出し
回数の比によって計算されている。
【0133】従って、ユーザが光ディスク1上のファイ
ルを読み出すたびに、ユーザの特徴に適した確率に近づ
いていく。この確率データを利用してファイル配置最適
化装置11は第2の実施例で説明した手法により、ファ
イルの最適配置位置を求め、その情報を信号処理回路8
に渡す。信号処理回路8ではこれを元にしてファイルの
配置位置を指定の順序で指定のトラック上に書き直す。
このようなファイル配置位置最適化処理が施され、光デ
ィスク1に書き直される結果、光ディスク1上にあった
元の各ファイルは最適な配置になる。
【0134】以上、第3の実施例によれば、既にディス
ク状記録媒体上に記録されたファイルに、本発明におけ
る2次計画法を適用して高速解法により最適配置を求め
る手法で得た配置になるように、再書き込みすること
で、常に平均アクセス時間が短くなるようにファイルを
配置できる。
【0135】(第4の実施例)次に、第2、第3の実施
例において、ファイル数nが大きいときに、計算時間を
減らす方法について説明する。今まで述べてきた第2、
第3の実施例は、最適なファイル配置を全ての配置方法
を比較して見つけ出す方法よりは格段に計算時間を少な
くすることが可能であるが、それでもファイル数nが大
きいときには計算に多くの時間が費やされ、実用的では
なくなってしまう懸念が残る。また、多くの記憶容量を
使うため、装置のコストアップの心配もある。
【0136】本発明ではまた、ファイルの集まりをグル
ープ化し、一つのグループを一つのファイルと看做して
ファイル配置の最適化を行うことも可能である。図13
は、本実施例の処理の流れ図を表わしている。図を参照
して実施例を説明する。
【0137】ファイル配置最適化を行うにあたって、フ
ァイル配置最適化装置11はまず初めに、ファイルのグ
ループ化を行う(図13のステップS31)。グループ
化の仕方によって配置後の平均アクセス時間がどれだけ
短くできるかが変わってくるため、グループ化の方法は
慎重に選ぶ必要がある。しかし、どの様なグループ化を
行っても、配置の計算時間、計算時の記憶容量は節約す
ることが可能である。本発明にはいかなるグループ化の
手法も適用可能であるが、本実施例では、単純なファイ
ル記録時間順のグループ化について説明する。
【0138】すなわち、本発明を実現するためにファイ
ル配置最適化装置11ではまず、図13のステップS3
1での処理にあたって、ファイルを記録時間順に並べる
ことから始める。ファイルの記録時間はファイルのデー
タとともに光ディスク1上に記録しており、これはファ
イルデータ読み込み時に一緒に読み込まれる。ファイル
の記録時間の昇順、もしくは降順にファイルを同一のグ
ループに振り分けていき、同一のグループに振り分けら
れたファイルの総ファイル長が一定の上限に達したとこ
ろで、次のファイルからは次のグループに振り分けてゆ
く。
【0139】このようにグループ化することにより、簡
単に同じ容量を持つグループをつくることができる。総
ファイル長の上限limit は、全てのファイルの容量の和
をbtotal 、所望のグループ数をgとすると、 limit =btotal /g の計算値を下回らない最小の整数とすることで、容易に
求めることが可能である。
【0140】ファイルのグループ化はグループが一つの
ファイルとして扱われることから、関係のあるファイル
同士が同じグループに属することが望ましい。ファイル
を、そのファイルが生成された順番に並べると、生成さ
れた時間が近いものは関連したファイルであることが多
いという性質のため、関係したファイルがかたまって並
んでいることが多い。従って、記録時間順に並んだファ
イルを順番に同一のグループに振り分けてゆく本実施例
の方法は、同一のグループに含まれるファイルは生成さ
れた時間が近いものばかりになるので、比較的関連のあ
るものが多くなる。
【0141】従って、このようにグループ化されたグル
ープを一つのファイルと看做して配置の最適化を行う
と、比較的平均アクセス時間の短いファイル配置を行う
ことができる。以上が第4の実施例でのファイルのグル
ープ化の処理の詳細である。
【0142】ファイルのグループ化が終わると次に遷移
確率行列Tを求める(図13のステップS32)。
【0143】ファイルのグループを一つのファイルと看
做したときには、遷移確率行列Tの再編成が必要である
が、新たな遷移確率行列Tg はグループ内のファイルか
ら他のグループ内のファイルへのアクセス確率を加える
操作のみで容易に求めることができる。
【0144】グループ毎の遷移確率行列Tg が求まった
後の配置の最適化の方法は、第2の実施例と同様の処理
を行う。すなわち、遷移確率行列T(ここではTg )か
ら、定常確率ベクトルsを求め(図13のステップS3
3)、最適化を2次計画の問題に変換する(図13のス
テップS34)。そして、この変換された問題を2次計
画法の高速解法を用いて解く(図13のステップS3
5)。グループ内のファイルをさらにグループ化する必
要があれば、それらについてS31〜S36の処理を繰
り返す。ここで、S31〜S35の処理は、図11のS
23からS26の処理に該当する。
【0145】こうしてファイルの配置方法が決まった後
は、その情報を信号処理回路8に渡すことで、信号処理
回路8ではこれを元にしてグループ単位で配置位置が指
定の順序になるようにトラック上に書き直す。これによ
り、複数のファイルはグループ毎に最適な配置位置を以
て光ディスク1上に記録される。
【0146】ところで、このようなグループ化を使った
ファイルの最適配置方法は、階層的に行うこともでき
る。すなわち、上述の実施例においては、グループ毎の
配置は決定されたものの、グループ内でのファイルの配
置については何等決定されておらず、ランダムに配置す
る、または記録時間順に配置すると云ったことも可能で
あるが、一方ではまたグループ内のファイルの配置最適
化を行うと云うことも容易にできる。
【0147】その方法としては、グループ外のファイル
を全て無視し、グループ内のファイルだけからなる遷移
確率行列Tgiを生成すること以外は、全て上述した説明
と同じ処理を行う。グループ内のファイルだけからなる
遷移確率行列Tgiは、遷移確率行列Tの要素のうち、グ
ループに含まれているファイルからグループに含まれて
いるファイルへのアクセス確率を表わしている要素だけ
を抜き出して構成することができる。
【0148】また、このとき一つのグループに属するフ
ァイルの数が多すぎる場合には、一つのグループに属す
るファイルをさらにグループ化し、この小さいグループ
ごとの配置最適化を行うといったことも可能である。こ
の方法についても、グループ外のファイルを無視するこ
とにより、上述の説明から明かである。このような階層
化は、グループに属するファイルの数が1つになるまで
繰り返し行うことができる。計算時間の許される範囲
で、階層化を行うと良い。
【0149】以上、第4の実施例によれば、ファイル数
の多いときには、ファイルをグループ化してからグルー
プ毎の配置を上述の方法により決定することにより、フ
ァイル数が多いときでも短時間で、しかも少ない記憶容
量で平均アクセス時間の短くなるファイル配置方法を見
つけることができるようになる。
【0150】(第5の実施例)次に第5の実施例を説明
する。この第5の実施例では、光ディスク1の記録容量
の無駄をなくすための処理について説明する。
【0151】第2、第3、第4の実施例では、一つのト
ラックに一つのファイルしか記録することができないた
め、ファイルの大きさとトラックの容量が一致する場合
以外はトラックに空き容量が生じていた。
【0152】図14は光ディスク上に螺旋状にデータを
記録する際に生じる空き領域の例である。「ファイル
1」から「ファイル5」までの5本のファイルを記録す
る際に、ファイルの容量に対するトラック容量との差か
らセクタ単位の空き領域31が生じている。すなわち、
1トラックは所定数のセクタに区分されており、1ファ
イルのデータはそのデータ容量に対応するセクタ数分を
記録に使用することになる。しかし、1トラックは1フ
ァイルが占有することになり、ファイルのデータ容量が
1トラックの構成セクタ全てを使用しない限り、残りは
空きセクタとなり、上記実施例の記録位置割り当て手法
では、他のファイルの記録に利用できない。これは大変
無駄である。そこで、このような無駄をなくすために、
次のような処理を行う。
【0153】本実施例では、ファイル配置最適化装置1
1において、ファイルの配置が決定された後、トラック
の空き容量がなくなるようにファイルを詰めて記録する
処理を行う。これは最適配置位置を決定した後に、トラ
ックの空き容量がなくなるようにファイルを詰めた場合
のトラックおよびセクタ位置を求め、その情報を信号処
理回路8に渡す。信号処理回路8ではこれを元にしてフ
ァイルの配置位置を指定の順序で指定のトラック上に書
き直す。
【0154】そのため、ファイルの容量がトラックの容
量よりもiセクタ分小さい場合には、次のトラックに配
置すべきファイルをiセクタ分、前に詰めて記録され
る。また、次のトラックに記録されるべきファイルがト
ラック容量よりもjセクタ分小さいとすると、今度はi
+jセクタ分前につめて記録される。このような操作を
繰り返すことにより、無駄な空き容量をなくすことがで
きる。
【0155】これにより、図14のような配置状態で、
トラック毎に空きセクタ31が散在していたものが、上
述の如き空き容量がなくなるようにファイルをつめて記
録するようにした結果、図15のように隣接ファイルは
隣接セクタから詰めて記録されるので、少なくとも同一
グループに属するファイルについては、その記録に供さ
れたトラック内に空きセクタが無くなる。
【0156】この処理により、一つの光ディスク上によ
り多くのファイルが記録できるようになるが、反面、同
心円状にデータを記録する光ディスクの場合において
は、一つのファイルが二つのトラックにまたがるケース
が生じてしまうために、アクセス時間が長くなることも
ある。
【0157】一方、螺旋状にデータを記録する光ディス
クにおいては、ファイルの分割処理によって分割されて
しまったファイルが、次々に隣接セクタから記録されて
ゆくことになるので、再び元のファイルのように連続し
たかたちとほぼ同じになるから、空きセクタで分断され
ることなく連続再生できるようになり、従って、アクセ
ス時間を減らすことができる。
【0158】以上、第5の実施例によれば、ファイル間
の空き領域の分ファイルを詰めて記録するようにしたこ
とにより、記録媒体の容量を無駄なく使うことが可能に
なる。
【0159】第2ないし第5の実施例は、書換可能、も
しくは一度だけ書き込み可能なディスク上の回転する記
録媒体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号を
記録し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み出
し、信号処理を加えることにより再生することのできる
情報記録再生装置において、記録媒体上のファイルデー
タの配置方法を決定する際に、任意の2つのファイルi
からファイルjへのアクセス遷移確率Pijをij要素と
する遷移確率行列Tを生成し、上記行列Tから、ファイ
ルiがアクセスされる定常確率Si をi要素とする定常
確率ベクトルSを計算し、F(j,m)をトラックjか
らトラックmへのアクセス時間とし、Xijはファイルi
がトラックjに記録されるとき1でそうでないとき0で
あるとしたとき、制約条件、
【0160】
【数7】 を準最小化する複数のX行列X=(Xij)を解として求
め、この解を配置方法の候補とし、この候補の中から選
択された配置方法に従ってファイルデータを記録媒体上
のどこに記録するかを決定するようにしたデータ配置方
法である。
【0161】また、上記制約条件および上記目的関数に
おいて、添字i,j,kまたはmが、複数のファイルか
らなるファイル群を表現するように、各行列および各ベ
クトルを変換する手段を具備し、上記ファイル群の単位
で記録媒体上のファイルデータの配置を決定するように
した。
【0162】すなわち、ここではファイルの配置最適化
の問題を高速な解法が存在する問題に変換し、高速解法
を実行して短時間に平均アクセス時間を短くするファイ
ル配置を見つけだし、配置するようにした。また、ファ
イル数が多いときに、さらにファイル配置を高速に見つ
け出すために、ファイルをグループ化し、グループごと
の配置を高速解法を用いて見つけ出し、配置するように
した。
【0163】従って、これらの実施例によれば、ファイ
ルへの平均アクセス時間を短くするための記録媒体上の
ファイル配置を短時間で決定することができる。そし
て、このようにして決定されたファイル配置に従って記
録媒体上にファイルを配置することにより、平均アクセ
ス時間が短くなり、ファイルへのアクセスのためにかか
る時間によってユーザを待たせるということが少なくで
きる。
【0164】また、既に記録媒体上に記録されているフ
ァイルをこの実施例の手法により再配置すれば、現在の
ファイル参照状況に合わせて、平均アクセス時間の短く
なるファイル配置を短時間に行える。
【0165】また、本実施例は関連するファイルのグル
ープ化を行った後、ファイル最適化配置を行うようにす
れば、ファイル数の多い場合でも短い時間、及び少ない
記憶容量でファイルの配置方法を決定できる。
【0166】さらに、トラック容量とファイル容量の差
のために生じた記録媒体上の空き領域の分だけ次のトラ
ックのファイルを詰めて記録することにより、記録媒体
の容量をむだなく利用し、しかも連続的に再生を行える
ようになる。
【0167】従って、第2の実施例では、ファイルの遷
移確率行列から平均アクセス時間を最小にするファイル
配置を求める問題を、高速解法の存在する別な問題に変
換して解を求めることにより、短時間で最適なファイル
の配置方法を見つけることができるようになる。また、
第3の実施例のように、既にディスク状記録媒体上に記
録されたファイルに本発明を適用すれば、常に平均アク
セス時間が短くなるように配置できる。
【0168】また、第4の実施例では、ファイル数の多
いときには、ファイルをグループ化してからグループ毎
の配置を上述の方法により決定することにより、ファイ
ル数が多いときでも短時間で、しかも少ない記憶容量で
平均アクセス時間の短くなるファイル配置方法を見つけ
ることができるようになる。
【0169】さらに、第5の実施例では、ファイル間の
空き領域の分ファイルを詰めて記録することにより、記
録媒体の容量を無駄なく使うことが可能になる。
【0170】つぎに別の実施例として、第6の実施例を
説明する。
【0171】(第6の実施例)第6の実施例において
は、図16の如き装置構成を用いる。ファイル配置最適
化装置11aに詳細を後述する手法を用いていることを
除けば、基本的には第1の実施例で説明した図1の構成
のものと同じであり、同一物には同一記号を付してその
説明は省略する。
【0172】本発明の主要部分を説明すると、ファイル
配置最適化装置11aではまず、関連のあるファイルを
グルーピングし、つぎにグループ内の各ファイルの分割
を行う(図17のステップS41)。これは後に行うフ
ァイルの配置の計算の際に計算を簡略化するために1ト
ラック1ファイルとすることが必要なためである。
【0173】但し、ファイルのデータ量がトラックの記
憶容量Cよりも小さいファイルについては、ファイルの
分割は行われない。一方、ファイルのデータ量が1トラ
ック分の記憶容量t(以下、これをトラック容量と呼
ぶ)よりも大きいファイルは、ファイルを当該トラック
容量C毎に分割する。従って、ファイルの容量がbi
ットである場合には、このファイルはbi /C個に分割
されることになる。ただし、bi /Cの値を下まわらな
い最小の整数でなければならない。
【0174】ファイル配置最適化装置11にはファイル
のアクセス確率データが与えられているので、当該ファ
イル配置最適化装置11aはファイルの分割の後、この
入力されたファイルへのアクセス確率データから、遷移
確率行列Tを設定する(図11のステップS42)。
【0175】この“ファイルへのアクセス確率”は、光
ディスク1上に記録されたファイルをアクセスする際の
平均アクセス時間を決定する重要な要素である。実際、
平均アクセス時間は、ファイルへのアクセス確率と、フ
ァイルの配置によって決定される。
【0176】この“ファイルへのアクセス確率”は、光
ディスク1上に記録されたファイルをアクセスする際の
平均アクセス時間を決定する重要な要素である。実際、
平均アクセス時間は、ファイルへのアクセス確率と、フ
ァイルの配置によって決定される。
【0177】正確なファイルのアクセス確率は通常は知
ることができない。しかし、アクセスが生じる回数をカ
ウントし、あるファイルへのアクセスが生じた回数をフ
ァイル全体のアクセス発生回数で割ることにより、近似
的にそのファイルへのアクセス確率を知ることができ
る。また、ある程度アクセスが生じる確率が予想できる
ような場合には、人手による入力操作によって、ファイ
ルへのアクセスが生じる確率の情報を与えるようにする
こともできる。
【0178】このとき、マルチメディアファイルなどの
ように、ファイル同士に関連があり、それら関連のある
ファイル間を参照するような場合には、単にファイルへ
のアクセスが生じる確率を求めるよりも、現在アクセス
しているファイルがどれであるかという条件付きで、次
にアクセスされるファイルの確率を求める方がより正確
にファイルへのアクセス確率を表現できる。
【0179】本実施例におけるファイルのアクセス確率
も、これらの方法によって現在アクセスしているファイ
ルがどれであるかという条件付きのファイルのアクセス
確率を求めたものを用いる。これは既に第1実施例で詳
述した。すなわち、第1の実施例における(3)式およ
び(4)式の2つの方程式から定常確率ベクトルsを求
める段階までの過程と、全く同様の処理を経て遷移確率
行列Tと定常確率ベクトルsを得る。また、行列が非エ
ルゴード的である場合に、遷移確率行列Tと定常確率ベ
クトルsは予め与えるようする必要があることも同じで
ある。
【0180】遷移確率行列Tが設定されると、ファイル
配置最適化装置11aはつぎにこのTからそれぞれのフ
ァイルの定常確率を表す定常確率ベクトルsを計算する
(図17のステップS43)。これも図2のステップS
4と同じであり、既に第1実施例で詳述した。
【0181】そして、Tとsを用い、rを“1”として
(図17のステップS44)、図17のステップS45
以下の処理を行う。ステップS45以下の処理は次のよ
うなものである。
【0182】第6の実施例では、n個のファイルについ
てn本のトラックへの配置を決定するために、
【0183】
【数8】 を導入する。
【0184】ここで変数Xijは、独立の「ファイルi」
が記録媒体の記録トラックにおけるj番目のトラックj
に配置されるとき“1”の値をとり、そうでなければ
“0”の値をとる。そして、「一つのファイルは一つの
トラックにしか配置されない」、また、「一つのトラッ
クにも一つのファイルしか配置されない」ものとする
と、
【0185】
【数9】 でなければならない。また、「トラックj」から「トラ
ックm」へ光ヘッド4がシークするのにかかる時間をf
(j,m)として表すと、平均アクセス時間は
【0186】
【数10】 となる。
【0187】しかしながら、一般に上記[数10]に示
した式によって表される平均アクセス時間は、全てのフ
ァイルの配置が決定されないと計算することができな
い。そこで、本実施例では、次のように配置を決める変
数Xijの値を決める。
【0188】すなわち、本発明では、一つの「ファイル
i」が「トラックj」に配置されたときに、最終的に決
まる平均アクセス時間がどの位になるかの予測値を算出
し、この予測値が小さいファイル,トラックの組み合わ
せを選択していくことにより、最終的に平均アクセス時
間の短くなる配置を見つけようとするものである。
【0189】この場合、はじめに、「ファイルi」を
「トラックj」に配置することを考える。このとき、X
ij=1となるので、 Δ(1) (i,j)=Si p ijf(i,j) は平均アクセス時間として確実に加算される。それ以外
のファイルはどこに配置されるかはわからないので、
【0190】
【数11】 を「トラックj」に配置された「ファイルi」と、「そ
の他のファイル」との間のアクセス時間の期待値として
用いる。すなわち、「ファイルi」を「トラックj」に
配置することにより、平均アクセス時間へ加算されるア
クセス時間はΔ(1) (i,j)+δ(1) ave (i,j)
であると予測する。
【0191】本発明方式では、ファイルのトラックへの
配置として、はじめに全てのi,jについてΔ
(1) (i,j)+δ(1) ave (i,j)を計算し(図1
7のS45)、この値を最小にするi,jの組を見つ
け、「ファイルi」を「トラックj」に配置するよう決
定することを初めに行う(図17のS46)。「ファイ
ルi」を「トラックj」に配置することは、変数Xij
値を Xij=1 , Xkj=0 , (1≦kn≦ki,k≠i) Xim=0 , (1≦m≦n, m≠i) と決めることと等しい。
【0192】以上で一つ目のファイルの配置を決定する
方法を説明したが、より一般的には1≦r≦n−1のr
に対して、r−1個分のファイルの配置が既に決定して
おり、r個目のファイル配置を決定する手順を示せば十
分である。既に配置が決定しているr−1個のファイル
の集合をSf とし、
【0193】
【数12】 はトラックa(k)に配置されるように決定されている
ものとする。また、
【0194】
【数13】 に対するa(k)集合をSt と表わすものとする。この
とき、ファイルiをトラックjに配置することにより、
【0195】
【数14】 は平均アクセス時間として確実に加算される。また、フ
ァイルiと配置が未決定のファイルとの間のアクセス時
間は
【0196】
【数15】 と予測することとする。
【0197】すなわち、r番目に「ファイルi」を「ト
ラックj」に配置したことにより、Δ(r) (i,j)+
δ(r) ave (i,j)だけ、平均アクセス時間が増加す
ると予測する。
【0198】
【数16】 Δ(r) (i,j)+δ(r) ave (i,j)を計算し(図
17のS45)、この値を最小にするiとjの組を見つ
け(図17のS46)、「ファイルi」を「トラック
j」に配置する(図17のS49)。
【0199】以上の操作をr=1,2,…,n−1につ
いて順次行う(明らかにn番目の配置は何等の計算の必
要もなく、残りのファイルを残りのトラックに配置する
ように一意に決定することができる)ことにより、n個
のファイルについてのn本のトラックへの配置が全て決
定する。
【0200】ファイルの配置位置が決定されたならば、
その情報をシステム制御回路9に与え、システム制御回
路9は光ディスク1に対するその配置位置にファイルを
配置すべく、システムを制御する結果、ファイルが最適
配置位置に記録されることになる(S49での処理)。
【0201】ここで具体例を示して見る。例えば、第1
の実施例で説明した図5によって表わされる遷移確率行
列Tと、このTに対応する定常確率ベクトルsについ
て、
【0202】
【数17】 とする場合について、ファイル配置を求めたいとする
(但し、cは定数)。このf(j,m)はトラックが螺
旋状で、しかも移動するトラック数に比例した時間がか
かることを仮定している。本実施例の手法により変数X
ijの値を決めると、X62,X76,X84,X37,X48,X
13,X29,X92,X10,1,X5,10の順でXij=1となる
i,jが決まる。この時の平均アクセス時間は3.65
×cである。
【0203】以上の方法によって得られた変数xijの値
が“1”か“0”かによって、ファイルがどのトラック
に配置されるべきかが明らかになる。例えば、要素がx
ijからなる行列
【0204】
【数18】 が得られたとする。「トラック1」に配置するファイル
は行列Xの第1列のうち、要素“1”を持つ行によって
決まる。例えば、第i行が“1”であれば「ファイル
i」を配置する。「トラック2」に配置するファイルは
行列xの第2列のうちから、要素が“1”である行を探
せば良い。以下同様に、「トラック3」から「トラック
n」までに配置すべきファイルを探すことができる。
【0205】図5に示されたT,sの例について言え
ば、Xij=1となっているi,jの値から、「ファイル
1」は「トラック3」へ、「ファイル2」は「トラック
9」へ、…、「ファイル10」は「トラック1」へ配置
される。
【0206】各トラックにどのファイルが配置されるか
は、以上のようにファイル順ではなく、トラック順にフ
ァイル配置最適化装置11aからシステム制御回路9に
配置情報が送られることにより、光ヘッドの移動距離を
少なくし、また実際の配置にかかる時間も短くすること
ができる。
【0207】このように第6の実施例は、書換可能、若
しくは一度だけ書き込み可能なディスク状の回転する記
録媒体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号を
記録し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み出
し、信号処理を加えることにより再生することのできる
情報記録再生装置において、記録媒体上のファイルデー
タの配置方法を決定する際に、ファイルからファイルへ
のアクセスの生起確率を用いて、一つのファイルと一つ
のトラックからなる組に対し一意に定まる評価値を算出
し、この評価値を基にファイルの配置するトラックを順
次選択し、全てのファイルの配置するべきトラックが決
定した後、決定した配置に従って記録媒体上にファイル
データを記録する、もしくは配置するべきトラックが決
定したファイルから順次記録媒体上にファイルデータを
記録するデータ配置方法を採用したものであり、特に記
録媒体上のファイルデータの配置方法を決定する際に、
配置選択の基準として用いる評価値として、一つのファ
イルと一つのトラックからなる組に対し、このファイル
と、すでにどのトラックに配置されるかが決まっている
ファイルとの間のアクセスによって生じるアクセス時間
の平均値と、まだどのトラックに配置されるかが決まっ
ていないファイルとの間のアクセスによって生じるアク
セス時間の平均の予測平均値を用いるようにしたもので
ある。
【0208】従って、この実施例によれば、ファイルへ
の平均アクセス時間を短くするための記録媒体上のファ
イル配置を短時間で決定することができる。また、本実
施例のようにして決定されたファイル配置に従って記録
媒体上にファイルを配置することにより、平均アクセス
時間が短くなり、ファイルへのアクセスのためにかかる
時間によってユーザを待たせるということが少なくで
き、使い勝手が飛躍的に向上する。そして、すでに記録
媒体上に記録されているファイルを本発明により再配置
すれば、現在のファイル参照状況に合わせて、平均アク
セス時間の短くなるファイル配置を短時間に行える。
【0209】(第7の実施例)ファイル配置最適化装置
11aに適用する別のファイル配置最適化処理方法につ
いて説明する。図18は本実施例におけるファイル配置
最適化装置11aの動作を表した流れ図である。
【0210】本実施例のファイル配置最適化装置11a
の動作を説明すると、はじめにファイルの分割を行い
(図18のS51)、ファイルの情報から遷移確率行列
Tを設定する(S52)。そして、Tから定常確率ベク
トルsを求める(S53)。ここまでの手順は第1の実
施例のS4までの内容と同じである。
【0211】遷移確率行列T、及び定常確率ベクトルs
は第1の実施例と同様の手順で計算され、従って、第6
の実施例のS44までの内容とも同じであるが、第6の
実施例と本実施例との相違点は、ファイルを配置するト
ラックを順次決めていく際に用いられる平均アクセス時
間の予測の基準である。初めに、一つ目のファイルを配
置するトラックを決める手続きについて説明する。
【0212】「ファイルi」を「トラックj」に配置す
ることを考える。このとき、第1の実施例と同様に平均
アクセス時間には前述のΔ(1) (i,j)=Si p ij
(i,j)なる式によって表わされる該Δ(1) (i,
j)の値だけ確実に加算される。一方、「ファイルi」
と「他のファイル」との間のアクセスにより生じる平均
アクセス時間の期待値の最大値を予測する。
【0213】k≠i,m≠jとなるk,mについてSi
ikf(j,m)+Sk kif(m,j)の値を降順に
並べ、それらをc(1) 1 ,c(1) 2 ,…,c(1) n で表
す。もちろん、c(1) 1 ≧c(1) 2 ≧・…≧c(1) n
なっている。このとき、「ファイルi」と「他のファイ
ル」との間のアクセスにより生じる平均アクセス時間の
期待値の最大値を
【0214】
【数19】 で予測する。すなわち、「ファイルi」を「トラック
j」に配置することにより、「ファイルi」と「その他
のファイル」との間のアクセスにより生じるアクセス時
間の期待値はΔ(1) (i,j)+δ(1) max (i,j)
と予測する。この値の最小値を与えるi,jの組を見付
け出し、「ファイルi」を「トラックj」に配置する。
これは最終的な配置により決まる平均アクセス時間の最
大値が最小になるよう、配置を決定して行なうとするも
のである。
【0215】次に一般の場合としてr個のファイル(但
し、rは1≦r≦n−1の範囲の数)に対して、r−1
個のファイルの配置がすでに決定しており、r個目のフ
ァイル配置を決定する手順を示す。
【0216】第6の実施例と同様に、既に配置が決定し
ているr−1個のファイルの集合をSf とし、
【0217】
【数20】 はトラックa(k)に配置されるように決定されている
ものとする。また、
【0218】
【数21】 に対するa(k)の集合をSt と表すものとする。
【0219】このとき、「ファイルi」を「トラック
j」に配置することにより、確実になるアクセス時間の
期待値は[数0010]で与えられるΔ(r) (i,j)
である。
【0220】
【数22】 となるk,mについてSi ikf(j,m)+Sk ki
f(m,j)の値を降順に並べ、それらをc(1) 1 ,c
(1) 2 ,…,c(1) n で表わす。
【0221】「ファイルi」と「配置が未決定のファイ
ル」との間のアクセスによって生じるアクセス時間の期
待値の最大値の予測値は、
【0222】
【数23】 とする。従って、r個目のファイルの配置では、Δ(r)
(i,j)+δ(r) max(i,j)を最小とするi,j
の組を見つけ、「ファイルi」を「トラックj」に配置
する。第6の実施例と同様に、以上の操作をr=1,
2,…,n−1について順次行うことにより、n個のフ
ァイルのn本のトラックへの配置が全て決定する。以上
の手順を示したのが、図18のフローチャートのS54
からS58である。
【0223】図5に示される遷移確率行列Tと上述の
[数17]において示された式で表わされるf(j,
m)について、本実施例の方法によりファイルの配置を
決定すると、X62,X76,X84,X17,X33,X42,X
98,X10,9,X21,X5,10の順でXij=1となるi,j
が決まる。
【0224】この結果、「ファイル1」は「トラック
7」へ、「ファイル2」は「トラック1」へ、…、「フ
ァイル10」は「トラック9」へ配置される。この時の
平均アクセス時間は3.03×cである。
【0225】また、予測値δmax (i,j)の代わり
に、「ファイルi」と配置が未決定の「ファイル」との
間のアクセスによって生じるアクセス時間の期待値の最
小値の予測値(小さい値を持つc(r) k のn−r個の
和)を使って配置を求めることも可能である。
【0226】ファイルの配置位置が決定されたならば、
その情報をシステム制御回路9に与え、システム制御回
路9は光ディスク1に対するその配置位置にファイルを
配置すべく、システムを制御する結果、ファイルが最適
配置位置に記録される(図18のステップS59)。
【0227】このように第7の実施例は、書換可能、若
しくは一度だけ書き込み可能なディスク状の回転する記
録媒体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号を
記録し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み出
し、信号処理を加えることにより再生することのできる
情報記録再生装置において、記録媒体上のファイルデー
タの配置方法を決定する際に、ファイルからファイルへ
のアクセスの生起確率を用いて、一つのファイルと一つ
のトラックからなる組に対し一意に定まる評価値を算出
し、この評価値を基にファイルの配置するトラックを順
次選択し、全てのファイルの配置するべきトラックが決
定した後、決定した配置に従って記録媒体上にファイル
データを記録する、もしくは配置するべきトラックが決
定したファイルから順次記録媒体上にファイルデータを
記録するデータ配置方法を採用したものであり、特に記
録媒体上のファイルデータの配置方法を決定する際に、
配置選択の基準として用いる評価値として、一つのファ
イルと一つのトラックからなる組に対し、このファイル
と、すでにどのトラックに配置されるかが決まっている
ファイルとの間のアクセスによって生じるアクセス時間
の平均値と、まだどのトラックに配置されるかが決まっ
ていないファイルとの間のアクセスによって生じるアク
セス時間の予測最大値、もしくは予測最小値との和を用
いるようにしたものである。
【0228】従って、この実施例によれば、ファイルへ
の平均アクセス時間を短くするための記録媒体上のファ
イル配置を短時間で決定することができる。また、本実
施例のようにして決定されたファイル配置に従って記録
媒体上にファイルを配置することにより、平均アクセス
時間が短くなり、ファイルへのアクセスのためにかかる
時間によってユーザを待たせるということが少なくで
き、使い勝手が飛躍的に向上する。そして、すでに記録
媒体上に記録されているファイルを本発明により再配置
すれば、現在のファイル参照状況に合わせて、平均アク
セス時間の短くなるファイル配置を短時間に行える。
【0229】(第8の実施例)第6,第7の実施例にお
いて説明したファイルの配置方法によって計算される配
置とした場合での平均アクセス時間よりも良い配置が求
められることは期待できないが、より少ない計算で配置
を求める方法を第8の実施例として説明する。
【0230】図19は本実施例におけるファイル配置最
適化装置11aの動作を表した流れ図である。本実施例
におけるファイル配置最適化装置11aの動作を説明す
ると、はじめにファイルの分割を行い(図19のS6
1)、ファイルの情報から遷移確率行列Tを設定する
(S62)。そして、Tから定常確率ベクトルsを求め
る(S63)。ここまでの手順は第1の実施例のS4ま
での内容と同じであり、従って、第6、第7の実施例で
の処理内容ともここまでは同じである。
【0231】これらが求まるとつぎにステップS64を
経てS65の処理に入る。
【0232】S65以降の処理は平均アクセス時間の短
くなるファイル,トラックの組を見付けるものであり、
本発明では、一つの「ファイルi」が「トラックj」に
配置されたときに、最終的に決まる平均アクセス時間が
どの位になるかの予測値を算出し、この予測値が小さい
ファイル,トラックの組み合わせを選択していくことに
より、最終的に平均アクセス時間の短くなる配置を見つ
けるが、それにあたって、Δ(r) (i,j)を求める
(図19の65)。ここまでは第6、第7の実施例と同
じである。つぎの処理が異なる。第6の実施例では、最
小のΔ(r) (i,j)を与えるi,jに対して+δ(r)
ave (i,j)を計算し(図17のS45)、この値を
最小にするiとjの組を見つけ(図17のS46)、
「ファイルi」を「トラックj」に配置する(図17の
S49)。また、第7の実施例ではδave の代りにδ
max を用いる。しかし、これらはいずれも予測値であ
り、実際には遷移のファイルとまだ配置が決まっていな
いファイルとの間のアクセスによって生じるアクセス時
間を正確に求めることはできない。
【0233】そこで、第8の実施例では確実に計算でき
るる範囲でアクセス時間の期待値を求め、これを小さく
するようファイルを配置していく。
【0234】本実施例においてはファイル配置最適化装
置11aはつぎのように処理する。初めに一つ目のファ
イルの配置を決める際、ファイルiをトラックjに配置
することにより確実に計算できるファイル間のアクセス
時間は「ファイルi」から「ファイルi」自身へのアク
セス時間だけである。これはすなわち[数007]で示
されるΔ(1) (i,j)である。
【0235】一つ目のファイル配置では、この値以外に
確実に計算できるものはないので、Δ(1) (i,j)を
目安として、この値を最小にするi,jの組を見つけ、
ファイルiをトラックjに配置する。このとき、第6,
第7の実施例と異なり、δ(1) ave (i,j)やδ(1)
max (i,j)を計算しないので、少ない計算時間で実
行することが可能である。
【0236】r個目のファイルの配置(但し、rは1≦
r≦n−1)では、r番目に配置が決定する「ファイル
i」と、既に配置が決まっている
【0237】
【数24】 との間のアクセスによって生じるアクセス時間の期待値
だけが確実に計算できる。この期待値は[数14]での
式において示されているΔ(r) (i,j)となる。
【0238】r=1のときの配置と同じく、確実に計算
できるΔ(r) (i,j)をSf ,St に含まれない全て
のi,jについて計算し、最小の値を与えるi,jの組
を見つけ、「ファイルi」を「トラックj」に配置する
よう変数Xijの値を決定する。但し、ファイルの集合S
f 、及びトラックの集合St を第6、第7の実施例と同
様に定義している。
【0239】この結果、r=1のときと同様、δ(r)
ave (i,j)やδ(r) max (i,j)を計算しないの
で、第6,第7の実施例よりも少ない計算時間で配置を
決定することができる。全ての変数Xijの値が決定した
後の手続きは第6の実施例と同様である。
【0240】(第9の実施例)本実施例では第8の実施
例よりもさらに少ない計算時間でファイルの配置を決定
する方法について説明する。ただし、第6,第7の実施
例で説明した方法で決めた配置よりも平均アクセス時間
を短くするファイル配置が得られることは期待できない
が、短い時間で配置を決定できるため、有用な方法であ
る。
【0241】本実施例のファイル配置最適化装置11a
の動作を図20に示す。はじめにファイルの分割を行い
(S71)、ファイルの情報から遷移確率行列Tを設定
する(S72)。そして、Tから定常確率ベクトルsを
求める(S73)。ここまでの手順は第1の実施例のS
4までの内容と同じである。
【0242】つぎにΔ(r) (i,j)、δ
(r) ave (i,j),δ(r) max (i,j)を計算する
(S74)。
【0243】第6〜第8の実施例で説明したファイル配
置の決定方法においては、一つのファイルを配置するト
ラックを決めるたびにΔ(r) (i,j)、δ
(r) ave (i,j)またはδ(r) max (i,j)を計算
する必要があった。このような手間をなくすため、本実
施例のファイル配置最適化装置11aでは、はじめに第
6の実施例において示した式 Xij=1 , Xkj=0 , (1≦kn≦ki,k≠i) Xim=0 , (1≦m≦n, m≠i) や、[数11]で表わされるΔ(r) (i,j)+δ(r)
ave (i,j)を、全てのi,jについて計算してお
く。これがステップS74での処理である。
【0244】次にi,jの組をΔ(r) (i,j)+δ
(r) ave (i,j)の値の小さいものから順に見て行
き、変数Xijの値が定まっていないi,jの組が見つか
ったら[数009]で示されているようにXijとその他
いくつかの変数の値を定める(S75,S76)。引き
続いてi,jの組をΔ(r) (i,j)+δ
(r) ave (i,j)の値の小さい順に見て行き、値の決
まっていない変数を見つけたら同様の操作を繰り返す
(S77,S76)。
【0245】このようにして全ての変数Xijの値が定ま
ったときに、全てのファイルの配置されるべきトラック
が決定する。ファイルの配置されるべきトラックが決定
されたならば、その位置にファイルをファイルを配置す
る(S78)。
【0246】本実施例の配置決定方法では、Δ
(r) (i,j)、及びδ(r) ave (i,j)の値だけを
計算するので、第1、第2と、第6〜8の実施例の配置
決定方法よりも少ない計算時間で配置を求めることがで
きる。
【0247】(第10の実施例)本実施例では、ファイ
ルの配置が決まっているときに、その配置を変更するこ
とにより、より平均アクセス時間の短いファイルの配置
にする手法を説明する。この手法は、例えば、すでにデ
ィスク上にファイルが配置されているときに、その配置
を元にしてよりアクセス時間の短いファイル配置に変更
する場合に有効である。本発明はまた、第6〜9の実施
例で説明した配置方法の後処理としても用いることがで
きる。すなわち、ファイルの配置を決定した後に、さら
により平均アクセス時間の短くなるファイル配置に改良
しようとするときにも有効である。
【0248】図21は本実施例の処理の流れ図である。
種々説明した本発明の各実施例と同様にして、Tとsが
求められる(S81)。つぎに、与えられた配置からX
を求める(S82)。
【0249】ここでは予めファイルの配置は決まってお
り、「ファイルi」は「トラックa(i)」に配置する
ことになっているものとする。このときd(i,i′)
【0250】
【数25】 と定義する。d(i,i′)は元の配置の平均アクセス
時間と、「ファイルi」と「ファイルi′」の配置を入
れ換えた配置の平均アクセス時間との差と等しい。従っ
て、d(i,i′)が正の値をとるならば、「ファイル
i」と「ファイルi′」の配置を取り替えることによ
り、平均アクセス時間の短縮が計れることは明かであ
る。
【0251】全てのi及びi′(≠i)についてd
(i,i′)を計算し、d(i,i′)>0となるiと
i′の組が見つかったなら「ファイルi」と「ファイル
i′」の配置を交換する。この操作を全てのiとi′に
ついてd(i,i′)≦0となるまで繰り返すことによ
り、平均アクセス時間を短くするファイル配置に改良し
ていくことができる(S83〜S86)。
【0252】計算時間をある一定の範囲内に納めたいと
きには、計算時間があるしきい値を越えるまで交換を繰
り返しても良い。また、d(i,i′)の値が0に近い
場合には、平均アクセス時間の改善は小さなものになる
ので、しきい値をもうけてこのしきい値を越えるd
(i,i′)が見つかったときだけ「ファイルi」と
「ファイルi′」の交換を行うようにしても良い。
【0253】例として、図5で与えられる遷移確率行列
Tおよび[数17]において示した式により与えられる
(j,m)について、第6の実施例で決定したファイル
の配置を改善する場合について考える。
【0254】今、X13,X29,X37,X48,X5,10,X
62,X76,X84,X92,X10,1に1が与えられている配
置方法に本実施例によるファイル配置の改善方法を適用
すると、d(i,i′)>0となるi,i′の組が、
(1,5),(1,3),(1,8),(1,5),
(1,10),(2,4)の順で見つかり、これらのフ
ァイルの位置の交換を順次行っていくと最終的にX11
28,X3,10,X49,X54,X65,X76,X87,X92
10,3が“1”となる(但し、(i,i′)を探す順番
によって結果は異なる)。
【0255】この配置の平均アクセス時間は2.13×
cで、これは本実施例による改善方法を適用する前の
3.65×cより大幅に改善されている。また、同様に
第7の実施例で決定したファイル配置ではX17,X21
33,X42,X5,10,X65,X76,X84,X98,X10,9
が“1”となっていたが、本実施例による配置改善方法
を適用すると、d(i,i′)>0となるi,i′の組
が(1,5),(2,3)と見つかる。
【0256】これらのファイル配置を交換すると
1,10,X23,X31,X42,X57,X65,X76,X84
98,X10,9となり、平均アクセス時間も3.03×c
から2.07×cに改善され、ここでも大きな改善効果
が得られる。
【0257】このような配置が決定されたならば、光デ
ィスク1上の該当ファイルをこの配置関係に書き替える
(S85)。
【0258】このように第10の実施例は、書換可能、
若しくは一度だけ書き込み可能なディスク状の回転する
記録媒体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号
を記録し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み
出し、信号処理を加えることにより再生することのでき
る情報記録再生装置に用いるファイルデータの再配置方
法であって、記録媒体上の既記録ファイルデータの最適
再配置方法であり、予め配置方法が与えられており、こ
の配置方法を変更して新たに記録媒体上のファイルデー
タの配置方法を決定する際に、二つのファイルの組に対
して、元の配置における平均アクセス時間と、二つのフ
ァイルの配置を交換した後の平均アクセス時間との差を
求め、この差の値から二つのファイルを交換するか否か
の判定を行い、交換するように判定されたファイルの組
は交換して記録媒体上に配置するようにしたものであ
る。
【0259】従って、この実施例によれば、すでに記録
媒体上に記録されているファイルを本発明により再配置
すれば、現在のファイル参照状況に合わせて、平均アク
セス時間の短くなるファイル配置を短時間に行える。そ
して、ファイルへの平均アクセス時間を短くするための
記録媒体上のファイル配置最適化が成されている既存の
記録ファイルについて、本実施例のようにして再配置す
れば、現在のファイル参照状況に合わせて、一層平均ア
クセス時間の短くなるファイル配置を行うことができ
る。
【0260】(第11の実施例)次に、ファイル数nが
大きいときに、計算時間を減らす方法について説明す
る。いままで述べてきた第6ないし第10の実施例は、
最適なファイル配置を全ての配置方法を比較して見付け
出す方法よりは格段に計算時間を少なくすることが可能
であるが、それでもファイル数nが大きいときには計算
に多くの時間が費やされ、実用的ではなくなってしま
う。また、多くの記憶容量を使うため、装置が高価にな
ってしまう。
【0261】本発明ではまた、ファイルの集まりをグル
ープ化し、一つのグループを一つのファイルとみなして
ファイル配置の最適化を行うことも可能であることを特
徴としている。
【0262】まずはじめに、ファイルのグループ化を行
う。グループ化の仕方によって配置後の平均アクセス時
間がどれだけ短くできるかが変わってくるため、グルー
プ化の方法は慎重に選ぶ必要がある。しかし、どの様な
グループ化を行っても、配置の計算時間、計算時の記憶
容量は調節することが可能である。本発明にはいかなる
グループ化の手法も適用可能であるが、本実施例では、
単純なファイル記録時間順のグループ化について説明す
る。
【0263】まず、ファイルを記録時間順に並べること
から始める。ファイルの記録時間はファイルのデータと
ともに光ディスク1上に記録しており、これはファイル
データ読み込み時に一緒に読み込まれる。ファイルの記
録時間の昇順、もしくは降順にファイルを同一のグルー
プに振り分けていき、同一のグループに振り分けられた
ファイルの総ファイル長が一定の上限に達したところ
で、次のファイルからは次のグループに振り分けてゆ
く。このようにグループ化することにより、簡単に同じ
容量を持つグループをつくることができる。総ファイル
長の上限limit は、全てのファイルの容量の和をb
total 、所望のグループ数をgとすると、
【0264】
【数26】 として容易に求めることが可能である。
【0265】ファイルのグループ化はグループが一つの
ファイルとして扱われることから、関係のあるファイル
同士が同じグループに属することが望ましい。ファイル
を、そのファイルが生成された順番に並べると、生成さ
れた時間が近いものは関連したファイルであることが多
いと云う性質のため、関係したファイルが固まって並ん
でいることが多い。従って、記録時間順に並んだファイ
ルを順番に同一のグループに振り分けてゆく本実施例の
方法は、同一のグループに含まれるファイルは生成され
た時間が近いものばかりになるので、比較的関連のある
ものが多くなる。従って、このようにグループ化された
グループを一つのファイルと看做して配置の最適化を行
うと、比較的平均アクセス時間の短いファイル配置を行
うことができるようになる。
【0266】ファイルをグループ化したときは、遷移確
率行列Tの再編成を行う必要がある。そこで「ファイル
1」,「ファイル2」,…,「ファイルz」をグループ
として纏める場合を例にとってこのことを説明する。こ
れらz個のファイルのグループを新たなファイルと考え
て「ファイルg」と表すことにする。新たな遷移確率行
列Tg を特定にするには、pgk,z+1≦k≦nおよび
ig,z+1≦i≦nを決めれば十分である。これらの
値は元の遷移確率行列TおよびTに対する定常確率ベク
トルsから以下のように計算することができる。
【0267】
【数27】例えば、図22で表される遷移確率行列Tと
対応する定常確率ベクトルsが与えられているとき、フ
ァイル1とファイル2をグループ化してファイルgと看
做すものとする。このとき、[数27]において示した
式の如く計算を行えば図23に示されるような新しい遷
移確率行列Tg が得られる。
【0268】グループ毎の遷移確率行列Tg が求まった
後のファイルの配置の方法は、すべて述べた実施例から
明かであり、これらのいずれの方法も適用可能である。
配置方法が決まった後は、その配置に従ってグループ毎
に光ディスク1上にファイルを記録する。
【0269】このようなグループ化を使ったファイルの
最適配置方法は、階層的に行うこともできる。すなわ
ち、上述の実施例においては、グループごとの配置は決
定されたものの、グループ内でのファイルの配置につい
ては何等決定されておらず、ランダムに配置する、また
は記録時間順に配置するといったことも可能であるが、
一方ではまたグループ内のファイルの配置最適化を行う
ということも容易にできる。その方法については、グル
ープ外のファイルを全て無視し、グループ内のファイル
だけからなる遷移確率行列Tgiを生成すること以外は、
全て上述した説明と同じ処理を行う。グループ内のファ
イルだけからなる遷移確率行列Tgiは、遷移確率行列T
の要素のうち、グループに含まれているファイルからグ
ループに含まれているファイルへのアクセス確率を表し
ている要素だけを抜き出して構成することができる。
【0270】また、このとき一つのグループに属するフ
ァイルの数が多すぎる場合には、一つのグループに属す
るファイルをさらにグループ化し、この小さいグループ
ごとの配置最適化を行うといったことも可能である。こ
の方法についても、グループ外のファイルを無視するこ
とにより、上述の説明から明らかである。このような階
層化は、グループに属するファイルの数が1つになるま
で繰り返し行うことができる。
【0271】このように第11の実施例は、書換可能、
若しくは一度だけ書き込み可能なディスク状の回転する
記録媒体上に螺旋状もしくは同心円状にディジタル信号
を記録し、またこの記録媒体上のディジタル信号を読み
出し、信号処理を加えることにより再生することのでき
る情報記録再生装置において、アクセス確率の高いファ
イル順に一つのグループに振り分けてゆき、そのグルー
プ内の総ファイル長が規定の上限に達すると別の次のグ
ループにファイルを振り分けてグループ化し、複数のフ
ァイルをまとめて一つのファイル集合としたファイル形
態とし、ファイルからファイルへのアクセスの生起確率
をファイル集合間のアクセス生起確率に修正し、ファイ
ル集合毎の記録媒体上の配置の決定は、上記アクセスの
生起確率を用いて、一つのファイルと一つのトラックか
らなる組に対し一意に定まる評価値を算出し、この評価
値を基にファイルの配置するトラックを順次選択し、全
てのファイルの配置するべきトラックが決定した後、決
定した配置に従って記録媒体上にファイルデータを記録
する、もしくは配置するべきトラックが決定したファイ
ルから順次記録媒体上にファイルデータを記録するよう
にしたものである。
【0272】複数のファイルをまとめて一つのファイル
集合としてファイル集合間の配置位置を上述のように決
定する結果、ファイル数が大きい時に、計算時間を少な
くすることができる他、ファイル集合はアクセスの確率
の高い順に集合に組み入れたことで、アクセス時間の短
縮効果も維持できる。
【0273】以上第6ないし第11の実施例はファイル
からファイルへのアクセスの生起確率を用いて、一つの
ファイルと一つのトラックからなる組に対し一意に定ま
る評価値を算出し、この評価値を基にファイルの配置す
るトラックを順次選択することを特徴とする。この評価
値としては、一組のファイルとトラックに対し、この組
のファイルがこの組のトラックに配置されたときに、最
終的な全ファイルの配置に対する平均アクセス時間がど
の位になるかの予測値を用いる。全てのファイルの配置
するべきトラックが決定した後、決定した配置に従って
記録媒体上にファイルデータを記録する、もしくは配置
するべきトラックが決定したファイルから順次記録媒体
上にファイルデータを記録するものである。
【0274】また、予め何らかの配置方法が与えられて
おり、この配置方法を変更して新たに記録媒体上のファ
イルデータの配置方法を決定する場合には、二つのファ
イルの組に対して、元の配置における平均アクセス時間
から、二つのファイルの配置を交換した後の平均アクセ
ス時間を差し引いた差を求め、この差が正である場合に
は二つのファイルを交換するようにしたものである。そ
して、この操作を繰り返すことにより、平均アクセス時
間を改善するものである。
【0275】また、ファイル数が大のときには、ファイ
ルをまとめてグループ化し、グループ毎の配置を行うよ
うにするものである。そしてこのようにすることによ
り、計算時間を節約するものである。
【0276】従って、第6ないし第11の実施例によれ
ば、ファイルへの平均アクセス時間を短くするための記
録媒体上のファイル配置を短時間で決定することができ
る。このようにして決定されたファイル配置に従って記
録媒体上にファイルを配置することにより、平均アクセ
ス時間が短くなり、ファイルへのアクセスのためにかか
る時間によってユーザを待たせるということが少なくで
きる。すでに記録媒体上に記録されているファイルを本
発明により再配置すれば、現在のファイル参照状況に合
わせて、平均アクセス時間の短くなるファイル配置を短
時間に行える。
【0277】また、本発明のファイルのグループ化を行
った後ファイル配置を行えば、ファイル数の多い場合で
も短い時間、及び少ない記憶容量でファイルの配置を決
定できる。
【0278】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、種々変形して実施可能である。
【0279】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明は、グル
ープ内の複数のファイルにおいて、ファイル間のアクセ
スの確率の高いもの程、隣接するように、遷移確率行列
と定常確率ベクトルを元に、最適配置位置を求め、ファ
イルそれぞれについてそれぞれの最適配置位置に対応し
て記録媒体上に記録するようにしたものである。本発明
によるデータ配置方法を用いれば、ディスク状の記録媒
体上にファイルデータを配置する際に、ファイルからフ
ァイルへのアクセス生起確率に応じて全体の平均アクセ
ス時間が短くなるファイルデータ配置を、全ての配置方
法についての平均アクセス時間を計算するといった手間
をかけることなく、比較的短時間で発見し、配置でき
る。
【0280】また、本発明によるデータ配置方法を用い
れば、ディスク状の記録媒体上にファイルデータを配置
する際に、ファイルからファイルへのアクセス生起確率
に応じて全体の平均アクセス時間が短くなるファイルデ
ータ配置を、全ての配置関係についての平均アクセス時
間を計算するといった手間をかけることなく、短時間で
決定することができ、ファイルデータの最適な配置を容
易に実現できる。
【0281】また、すでに配置されているファイルデー
タに関しても、簡単なファイルデータの配置の交換操作
を繰り返すことにより、平均アクセス時間の短いファイ
ルデータ配置に改善することができる。
【0282】また、ファイル数が多い場合にも、ファイ
ルをグループ化して本発明のデータ配置方法を実行する
ことにより、少ない計算時間で平均アクセス時間の短い
配置方法を見つけることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例に係る情報記録再生装置の構成を
表すブロック図。
【図2】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例におけるファイル配置最適化装置
の処理方法の例を示す流れ図。
【図3】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例におけるファイルの分割前の遷移
確率行列Tの例を示す図。
【図4】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例におけるファイルの分割後の遷移
確率行列Tの例を示す図。
【図5】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例における遷移確率行列Tと対応す
る定常確率ベクトルsの例を示す図。
【図6】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例におけるファイル配置決定処理の
例を示す流れ図。
【図7】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例において説明に使用する遷移確率
行列Tの例。
【図8】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例において説明に使用する定常確率
ベクトルsの例。
【図9】本発明の実施例を説明するための図であって、
本発明の第1の実施例において説明に使用するアクセス
確率の高い順に並べたファイルの組の例。
【図10】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第3の実施例に適用する情報記録再生装置
の構成を表すブロック図。
【図11】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第2の実施例におけるファイル配置最適化
装置の処理方法を示す流れ図。
【図12】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第3の実施例に使用するファイルのデータ
フォーマットの例を示す図。
【図13】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第4の実施例におけるファイルのブロック
化処理を含むファイル配置最適化装置の処理方法を示す
流れ図。
【図14】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第5の実施例が改良対象とした記録媒体上
の空き領域状態例を説明するための図。
【図15】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第5の実施例におけるファイル間の空き容
量をなくす処理を行った後の記録媒体上のファイル記録
状態例を示す図。
【図16】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第6の実施例に係る情報記録再生装置の構
成を表すブロック図。
【図17】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第6の実施例におけるファイル配置最適化
装置の処理方法例を示す流れ図。
【図18】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第7の実施例におけるファイル配置最適化
装置の処理方法例を示す流れ図。
【図19】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第8の実施例におけるファイル配置最適化
装置の処理例を示す流れ図。
【図20】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第9の実施例におけるファイル配置最適化
装置の処理例を示す流れ図。
【図21】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第10の実施例におけるファイル配置の改
善処理方法を示す流れ図。
【図22】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第11の実施例におけるファイルのグルー
プ化処理に伴う遷移確率行列の再編成前の遷移確率行列
の例を示す図。
【図23】本発明の実施例を説明するための図であっ
て、本発明の第11の実施例におけるファイルのグルー
プ化処理に伴う遷移確率行列の再編成後の遷移確率行列
の例を示す図。
【符号の説明】
1…光ディスク 2…スピンドルモータ 3…モータ駆動回路 4…光ヘッド 5…リニアモータ 6…回転制御回路 7…ヘッド位置決め制御回路 8…信号処理回路 9…システム制御回路 10…入出力端子 11,11a…ファイル配置最適化装置 12…データ入力端子 21…ファイルのアクセス確率データ 31…トラック容量とファイル容量との差によって生じ
る空き領域。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋状または同心円状に記録トラックを
    配した回転するディスク状の記録媒体上にディジタル信
    号を記録し、再生できるようにした情報記録再生装置に
    おいて、 記録媒体上のファイルデータの配置位置関係を決定する
    際に、複数のファイルを複数のブロックに分割し、各ブ
    ロック内でのファイルの順序は維持したまま、ファイル
    からファイルへの生起確率の高いファイルの組を含むブ
    ロックから順にそれらのブロックを結合させることによ
    り最終的にブロックが一つになったときのファイルの順
    序を記録媒体上のファイル配置とし、この配置に従って
    記録媒体上にファイルデータを記録することを特徴とす
    る情報記録再生装置のデータ配置方法。
  2. 【請求項2】 螺旋状または同心円状に記録トラックを
    配した回転するディスク状の記録媒体上にディジタル信
    号を記録し、再生できるようにした情報記録再生装置に
    おいて、 記録媒体上のファイルデータの配置位置関係を決定する
    際に、ファイルからファイルへのアクセスの生起確率を
    用いて、一つのファイルと一つのトラックからなる組に
    対し一意に定まる評価値を算出し、この評価値を基にフ
    ァイルの配置するトラックを順次選択してファイルデー
    タを記録することを特徴とする情報記録再生装置のデー
    タ配置方法。
  3. 【請求項3】 記録媒体上へのファイルの記録は、ファ
    イルの全ての配置が決定した後に行うことを特徴とする
    請求項1または2いずれか記載の情報記録再生装置のデ
    ータ配置方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体上へのファイルの記録は、配置
    が決定したファイルから順次記録媒体上に記録すること
    を特徴とする請求項1または2いずれか記載の情報記録
    再生装置のデータ配置方法。
  5. 【請求項5】 螺旋状または同心円状に記録トラックを
    配した回転するディスク状の記録媒体上にディジタル信
    号を記録し、再生できるようにした情報記録再生装置に
    おいて、 記録媒体上での配置位置関係が決まっているファイルデ
    ータについて、再配置を行う際に、複数のファイルの組
    に対して、元の配置における平均アクセス時間と、ファ
    イルの配置を交換した後の平均アクセス時間との差を求
    め、この差の値から前記複数のファイルの配置位置を交
    換するか否かを決めると共に、交換が決まったファイル
    の組は互いに配置位置を交換して記録媒体上に配置する
    ことを特徴とする情報記録再生装置のデータ配置方法。
  6. 【請求項6】 記録媒体上のファイルデータの配置位置
    関係を決定する際に、配置選択の基準として用いる評価
    値として、一つのファイルと一つのトラックからなる組
    に対し、このファイルと、すでにどのトラックに配置さ
    れるかが決まっているファイルとの間のアクセスによっ
    て生じるアクセス時間の平均値と、まだどのトラックに
    配置されるかが決まっていないファイルとの間のアクセ
    スによって生じるアクセス時間の平均の予測平均値、も
    しくは予測最大値、もしくは予測最小値との和を用いる
    請求項2記載の情報記録再生装置のデータ配置方法。
  7. 【請求項7】 記録媒体上のファイルデータの配置位置
    関係を決定する際に、配置選択の基準として用いる評価
    値として、一つのファイルと一つのトラックの組に対
    し、このファイルと、すでに特定のトラックへの配置が
    決まっているファイルとの間のアクセスによって生じる
    アクセス時間の平均値を用いることを特徴とする請求項
    2記載の情報記録再生装置のデータ配置方法。
  8. 【請求項8】 記録媒体上のファイルデータの配置位置
    関係を決定する際に、配置選択の基準として用いる評価
    値として、一つのファイルと一つのトラックからなる組
    に対し、このファイルと、配置されるトラックが未決定
    の他のファイルとの間のアクセスによって生じるアクセ
    ス時間の平均の予測平均値、または予測最大値、または
    予測最小値を用い、この評価値を全てのファイルの配置
    に先立ち計算し、この値の小さいファイルとトラックの
    組から順に配置することを特徴とする請求項2記載の情
    報記録再生装置のデータ配置方法。
  9. 【請求項9】 記録媒体上のファイルデータの配置位置
    関係を決定する際に、複数のファイルをまとめて一つの
    ファイル集合とし、ファイルからファイルへのアクセス
    の生起確率をファイル集合間のアクセス生起確率に修正
    し、ファイル集合ごとの記録媒体上の配置を決定するこ
    とを特徴とする請求項2記載の情報記録再生装置のデー
    タ配置方法。
  10. 【請求項10】 予めファイルデータの配置が与えられ
    ており、この配置を変更することにより新たな配置位置
    関係を決定する際に、複数のファイルをまとめて一つの
    ファイル集合とし、ファイルからファイルへのアクセス
    の生起確率をファイル集合間のアクセス生起確率に修正
    し、ファイル集合毎の記録媒体上の配置を決定すること
    を特徴とする請求項3記載の情報記録再生装置のデータ
    配置方法。
  11. 【請求項11】 請求項3によるデータ配置を前処理と
    して行うことにより決定されたデータ配置を初めのデー
    タ配置として用いることを特徴とする請求項3記載の情
    報記録再生装置のデータ配置方法。
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