JPH0886858A - パルス式レーダ装置 - Google Patents

パルス式レーダ装置

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Publication number
JPH0886858A
JPH0886858A JP6220441A JP22044194A JPH0886858A JP H0886858 A JPH0886858 A JP H0886858A JP 6220441 A JP6220441 A JP 6220441A JP 22044194 A JP22044194 A JP 22044194A JP H0886858 A JPH0886858 A JP H0886858A
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JP
Japan
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signal
pulse
zero
frequency signal
cross point
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Application number
JP6220441A
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English (en)
Inventor
Toshiro Muramatsu
寿郎 村松
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射信号(受信波)の信号レベルの大小に影
響されることなく,さらに,信号波形の大小に影響され
ることなく,常に正確な距離の算出を行えるようにす
る。 【構成】 パルス状の高周波信号のパルス幅を特定の中
間周波数の1周期分の長さに制御するパルス幅制御手段
(パルス幅制御部106)と,パルス状の高周波信号が
検知対象物に反射されて戻ってきた反射信号を入力し,
特定の中間周波数を有する中間周波数信号に変換する信
号変換手段(信号処理部110)と,信号変換手段から
出力された中間周波数信号のゼロクロス点を検出するゼ
ロクロス点検出手段(信号処理部110)と,パルス状
の高周波信号を送信してからゼロクロス点が検出される
までの時間差を算出し,算出した時間差に基づいて検知
対象物までの距離を算出する距離算出手段(信号処理部
110)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,パルス状の高周波信
号を送信し,該パルス状の高周波信号が検知対象物によ
って反射されて戻ってきた反射信号を受信し,パルス状
の高周波信号を送信してから反射信号を受信するまでの
時間を検知することにより,該検知対象物までの距離を
測定するパルス式レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパルス式レーダ装置としては,例
えば,図8に示すような構成のものがある。このパルス
式レーダ装置は,高周波信号を発振する電圧制御発振器
(以下VCOと記述する)801と,VCO801の保
護および高周波信号の安定動作を行うためのアイソレー
タ802と,アイソレータ802から送出された高周波
信号を,後述する一次線路側に配設されたスイッチ80
5に伝搬すると共に二次線路側に配設されたミキサ80
8に伝搬する方向性結合器803と,方向性結合器80
3から送出された高周波信号を送信する送信アンテナ8
04と,方向性結合器803と送信アンテナ804との
間に配設され,一次線路のON/OFFを行うためのス
イッチ805と,スイッチ805のON/OFFを行っ
てパルス幅を制御をするパルス幅制御部806と,送信
アンテナ804から送信された高周波信号が検知対象物
によって反射された反射信号を受信するための受信アン
テナ807と,受信アンテナ807で受信した反射信号
をRF信号入力端に入力し,方向性結合器803から入
力した高周波信号をLO信号入力端に入力して,RF信
号とLO信号を混合してIF信号を出力するミキサ80
8と,ミキサ808から入力したIF信号のフィルタリ
ングおよび増幅を行う第一のフィルタ・増幅器809
と,第一のフィルタ・増幅器809から入力したIF信
号の包絡線を検波する検波器810と,包絡線検波後の
IF信号を入力し,フィルタリングおよび増幅を行う第
二のフィルタ・増幅器811と,第二のフィルタ・増幅
器811から入力したIF信号に基づいて,検知対象物
までの距離を算出する信号処理部812とから構成され
る。
【0003】以上の構成において,その動作を説明す
る。VCO801から発振された高周波信号は,アイソ
レータ802を介して方向性結合器803に送られる。
方向性結合器803は入力した高周波信号をスイッチ8
05へ送出すると共にその一部をLO信号としてミキサ
808へ送る。
【0004】一方,パルス幅制御部806はあらかじめ
設定された所定のタイミングでスイッチ805のON/
OFFを制御する。ここで,スイッチ805のON/O
FFについて説明する。スイッチ805のONとは,信
号の通過を許す状態であり,スイッチ805のOFFと
は,信号の通過を許さない状態のことである。このスイ
ッチ805のON/OFFによって,方向性結合器80
3から送られた高周波信号はスイッチ805によって一
定のパルス幅を有したパルス状の高周波信号に変換さ
れ,送信アンテナ804から送信される。
【0005】なお,VCO801は,スイッチ805の
ON/OFF動作と連動して,スイッチ805がONの
場合に高周波信号を周波数f0で発振し,OFFの場合
に周波数f0をfIF分ずらした周波数f0+fIF(また
はf0−fIF)で発振する。したがって,送信アンテナ
804から送信されたパルス状の高周波信号は周波数f
0を有する。
【0006】送信アンテナ804より送信された高周波
信号は検知対象物によって反射され,反射された高周波
信号が反射信号として受信アンテナ807で受信され
る。受信アンテナ807は受信した反射信号(周波数f
O )をRF信号としてミキサ808のRF信号入力端に
出力する。一方,ミキサ808には,方向性結合器80
3から周波数f0+fIF(または,f0−fIF)の高周
波信号がLO信号としてLO信号入力端に入力されてい
る。したがって,ミキサ808は,周波数fO のRF信
号と周波数f0+fIF(または,f0−fIF)のLO信
号とを入力し,両信号の周波数差である周波数fIFをI
F信号として取り出し,第一のフィルタ・増幅器809
へ出力する。
【0007】第一のフィルタ・増幅器809はIF信号
をフィルタリングおよび増幅をして検波器810へ出力
する。つづいて,IF信号は検波器810で包絡線検波
を施され,第二のフィルタ・増幅器811でフィルタリ
ングおよび増幅された後,信号処理部812へ入力され
る。
【0008】信号処理部812は包絡線検波後のIF信
号に基づいて,検知対象物までの距離を算出する。ここ
で,図9を参照して,信号処理部812における検知対
象物までの距離の算出例を具体的に説明する。信号処理
部812は,先ず,包絡線検波後のIF信号とあらかじ
め設定されている所定のしきい値901とを比較し,パ
ルス状の高周波信号が送信アンテナ804から送信され
てから,IF信号が該しきい値901を越えるまでの時
間差Δt’を測定する。例えば,図9の包絡線の波形9
02の場合,波形902がしきい値901を越える値を
反射信号(受信波)の立ち上がり点903とし,パルス
状の高周波信号(送信波)の立ち上がり点904と反射
信号の立ち上がり点903との時間差Δt’を測定す
る。
【0009】ここで,図9に示すように,パルス状の高
周波信号が送信アンテナ804から送信されてから受信
アンテナ807で受信されるまでの時間差をΔtとした
場合,上記時間差Δt’は,受信アンテナ807で受信
してからIF信号がしきい値901を越えるまでの誤差
時間Δdを内包している。
【0010】したがって,Δt’=Δt+Δdの関係に
あり,従来技術では,Δt’≒Δtとして扱うことによ
り,検知対象物までの距離Rを以下の式によって算出す
る。 Δt=2R/C (ただし,Cは光速) Δt’=Δt+Δd Δt’≒Δt R≒Δt’×C/2
【0011】なお,時間差Δtの測定方法としては,反
射信号(受信波)の立ち上がり点903を用いて時間差
Δtを測定することに代えて,包絡線検波後の波形のピ
ーク点を求め,パルス状の高周波信号(送信波)の立ち
上がり点904と該ピーク点との時間差をΔtとして測
定する方法もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来のパルス式レーダ装置によれば,しきい値901を越
えた点を基準とした時間差Δt’を用いて距離の算出を
行っており,受信アンテナ807で受信してからIF信
号がしきい値901を越えるまでの誤差時間Δdを内包
しているため,正確な距離の算出が行えないという問題
点があった。
【0013】また,しきい値901を使用する方法によ
れば,包絡線検波後の波形がしきい値901を越えるま
での時間を測定する際,包絡線検波後の波形が信号レベ
ルの大小によってしきい値901を越える点が変動する
ため,時間差Δt’に誤差が生じ,正確な距離の算出が
行えなくなるという問題点があった。具体的には,図1
0に示すように,信号レベルの強さが大きい場合の波形
1001と,信号レベルの強さが小さい場合の波形10
02ではしきい値901を越える点が変動し,時間差Δ
t’に誤差が生じる。
【0014】また,ピーク点の位置を求めて,ピーク点
が現れるまでの時間を測定する方法もあるが,ピーク点
が波形の略中心位置に存在することを前提としているた
め,包絡線検波後の波形が飽和してピーク点の位置と波
形の中心位置とが大きくことなった場合には,誤差が生
じ正確な距離の算出が行えなくなるという問題点があっ
た。例えば,図10に示すような飽和波形1004で
は,ピーク点が波形の中心位置から大きくずれてしま
い,時間差Δtに誤差が生じる。
【0015】さらに,従来の方法では,図10に示すよ
うに,包絡線検波後の波形が訛ってしまった場合の波形
1003では,しきい値901を越える点およびピーク
点の両方とも変動するため,誤差が生じてしまうという
問題点もあった。
【0016】この発明は,このような従来の問題点に着
目してなされたもので,反射信号(受信波)の信号レベ
ルの大小に影響されることなく,さらに,信号波形の大
小に影響されることなく,常に正確な距離の算出が行え
ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明は,上記の目的
を達成するために,請求項1に係るパルス式レーダ装置
は,パルス状の高周波信号を送信し,該パルス状の高周
波信号が検知対象物によって反射されて戻ってきた反射
信号を受信し,パルス状の高周波信号を送信してから反
射信号を受信するまでの時間を検出することにより,該
検知対象物までの距離を測定するパルス式レーダ装置に
おいて,前記パルス状の高周波信号のパルス幅を特定の
中間周波数の1周期分の長さに制御するパルス幅制御手
段と,前記パルス状の高周波信号が検知対象物に反射さ
れて戻ってきた反射信号を入力し,前記特定の中間周波
数を有する中間周波数信号に変換する信号変換手段と,
前記信号変換手段から出力された中間周波数信号のゼロ
クロス点を検出するゼロクロス点検出手段と,前記パル
ス状の高周波信号を送信してから前記ゼロクロス点が検
出されるまでの時間差を算出し,前記算出した時間差に
基づいて,前記検知対象物までの距離を算出する距離算
出手段とを備えたものである。
【0018】また,請求項2に係るパルス式レーダ装置
は,前記ゼロクロス点検出手段が,一定間隔のサンプリ
ングパルスを用いて前記中間周波数信号をサンプリング
し,そのサンプリング値からゼロクロス点を検出するも
のである。
【0019】また,請求項3に係るパルス式レーダ装置
は,前記ゼロクロス点検出手段が,一定間隔の第1のサ
ンプリングパルスを用いて前記中間周波数信号をサンプ
リングすると共に,第1のサンプリングパルスによって
サンプリングした値が,あらかじめ設定したしきい値を
越えた時点から第1のサンプリングパルスより狭い間隔
の第2のサンプリングパルスを用いたサンプリングを開
始し,第2のサンプリングパルスによってサンプリング
した値からゼロクロス点を検出するものである。
【0020】また,請求項4に係るパルス式レーダ装置
は,前記信号変換手段から出力された中間周波数信号を
入力して,増幅および2値化を行って,さらに同期加算
を行う同期加算手段を備え,前記ゼロクロス点検出手段
が,前記同期加算手段によって同期加算を施された後の
中間周波数信号のゼロクロス点を検出するものである。
【0021】
【作用】この発明のパルス式レーダ装置(請求項1)
は,パルス幅制御手段によってパルス状の高周波信号の
パルス幅を特定の中間周波数の1周期分の長さに制御し
て送信する。次に,信号変換手段が,前記パルス状の高
周波信号が検知対象物に反射されて戻ってきた反射信号
を入力し,特定の中間周波数を有する中間周波数信号に
変換し,ゼロクロス点検出手段が,中間周波数信号のゼ
ロクロス点を検出し,距離算出手段が,パルス状の高周
波信号を送信してからゼロクロス点が検出されるまでの
時間差を算出し,算出した時間差に基づいて,検知対象
物までの距離を算出することにより,反射信号の信号レ
ベルの大小に影響されることなく,ピーク点の位置の変
動に影響されることなく,さらに,信号波形の大小に影
響されることなく,検知対象物までの距離を算出する。
【0022】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項2)は,ゼロクロス点検出手段が,一定間隔のサン
プリングパルスを用いて中間周波数信号をサンプリング
し,そのサンプリング値からゼロクロス点を検出するこ
とにより,サンプリング間隔の1/2以下の精度でゼロ
クロス点の検出が行われる。
【0023】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項3)は,ゼロクロス点検出手段が,一定間隔の第1
のサンプリングパルスを用いて中間周波数信号をサンプ
リングすると共に,第1のサンプリングパルスによって
サンプリングした値が,あらかじめ設定したしきい値を
越えた時点から第1のサンプリングパルスより狭い間隔
の第2のサンプリングパルスを用いたサンプリングを開
始し,第2のサンプリングパルスによってサンプリング
した値からゼロクロス点を検出することにより,第2の
サンプリングパルスのサンプリング間隔の1/2以下の
精度でゼロクロス点の検出が行われる。
【0024】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項4)は,同期加算手段にって,中間周波数信号を増
幅および2値化して,さらに同期加算を行い,ゼロクロ
ス点検出手段が,同期加算手段によって同期加算を施さ
れた後の中間周波数信号のゼロクロス点を検出すること
により,S/N比の補償が向上する。
【0025】
【実施例】以下,この発明のパルス式レーダ装置につい
て,〔実施例1〕,〔実施例2〕,〔実施例3〕,〔実
施例4〕の順で図面を参照して詳細に説明する。
【0026】先ず,図1を参照して,本発明のパルス式
レーダ装置の概略構成について説明する。このパルス式
レーダ装置は,高周波信号を発振する電圧制御発振器
(以下VCOと記述する)101と,VCO101の保
護および高周波信号の安定動作を行うためのアイソレー
タ102と,アイソレータ102から送出された高周波
信号を,後述する一次線路側に配設されたスイッチ10
5に伝搬すると共に二次線路側に配設されたミキサ10
8に伝搬する方向性結合器103と,方向性結合器10
3から送出された高周波信号を送信する送信アンテナ1
04と,方向性結合器103と送信アンテナ104との
間に配設され,一次線路のON/OFFを行うためのス
イッチ105と,スイッチ105のON/OFFを行っ
てパルス幅を制御をするパルス幅制御部106と,送信
アンテナ104から送信された高周波信号が検知対象物
によって反射された反射信号を受信するための受信アン
テナ107と,受信アンテナ107で受信した反射信号
をRF信号入力端に入力し,方向性結合器103から入
力した高周波信号をLO信号入力端に入力して,RF信
号とLO信号を混合してIF信号を出力するミキサ10
8と,ミキサ108から入力したIF信号をフィルタリ
ングおよび増幅をするIF回路109と,IF回路10
9から入力した信号を数値演算を用いて測定した距離の
算出を行う信号処理部110とで構成されている。
【0027】なお,VCO101は,スイッチ105の
ON/OFF動作と連動して,スイッチ105がONの
場合に高周波信号を周波数f0で発振し,OFFの場合
に周波数f0をfIF分ずらした周波数f0+fIF(また
はf0−fIF)で発振する。したがって,送信アンテナ
104から送信されたパルス状の高周波信号は周波数f
0を有する。
【0028】また,パルス幅制御部106はパルス幅を
あらかじめ設定した中間周波数の1周期分とし,スイッ
チ105にON/OFFを行わせる。このときの中間周
波数は周波数fIFとする。
【0029】〔実施例1〕図1に示した構成において実
施例1のパルス式レーダ装置の動作を説明する。VCO
101から発振された高周波信号は,アイソレータ10
2を介して方向性結合器103に送られる。方向性結合
器103は入力した高周波信号をスイッチ105へ送出
すると共にその一部をLO信号としてミキサ108へ送
る。
【0030】一方,パルス幅制御部106はあらかじめ
設定された所定のタイミングでスイッチ105のON/
OFFを制御する。このとき,パルス幅に相当するスイ
ッチ105のON時間を中間周波数(周波数fIF)の1
周期分の長さとする。これによって,方向性結合器10
3から送られた高周波信号はスイッチ105によって中
間周波数(周波数fIF)の1周期分の長さのパルス幅を
有したパルス状の高周波信号に変換され,送信アンテナ
104から送信される。
【0031】なお,VCO101は,パルス幅制御部1
06によるスイッチ105のON/OFF制御に基づい
て,スイッチ105がONの場合に高周波信号を周波数
f0で発振し,OFFの場合に周波数f0をfIF分ずら
した周波数f0+fIF(またはf0−fIF)で発振す
る。したがって,送信アンテナ104から送信されたパ
ルス状の高周波信号は周波数f0を有する。
【0032】送信アンテナ104より送信された高周波
信号は検知対象物によって反射され,反射された高周波
信号が反射信号として受信アンテナ107で受信され
る。受信アンテナ107は受信した反射信号(周波数f
O )をRF信号としてミキサ108のRF信号入力端に
出力する。一方,ミキサ108には,方向性結合器10
3から周波数f0+fIF(または,f0−fIF)の高周
波信号がLO信号としてLO信号入力端に入力されてい
る。したがって,ミキサ108は,周波数fO のRF信
号と周波数f0+fIF(または,f0−fIF)のLO信
号とを入力し,両信号の周波数差である周波数fIFをI
F信号として取り出し,IF回路109に出力する。
【0033】IF回路109は,IF信号をフィルタリ
ングおよび増幅を行いIF信号波形を得て,信号処理部
110に出力する。
【0034】信号処理部110は,IF信号に基づい
て,検知対象物までの距離を算出する。ここで,図2を
参照して,信号処理部110における検知対象物までの
距離の算出例を具体的に説明する。信号処理部110
は,先ず,IF信号の波形201におけるゼロクロス点
202を測定する。ゼロクロス点202とは,IF信号
の波形201が中間周波数の1周期分を持っており,1
周期内で波形201が無信号時の基準レベルを通過する
点である。したがって,ゼロクロス点202を検出する
ことにより,IF信号の波形201の中心位置を特定す
ることができる。
【0035】信号処理部110はゼロクロス点202に
て特定したIF信号の波形201の中心位置と,パルス
状の高周波信号(送信波)の立ち上がり点203の時間
差Δt”を測定する。
【0036】次に,検知対象物までの距離Rを以下の式
によって算出する。なお,IF信号の波形201は中間
周波数の1周期分を持っており,かつ,中間周波数の値
がfIFであるため,波形201の1周期は1/fIFであ
る。よって,波形201の中心位置に相当するゼロクロ
ス点202は1/2波長に相当する1/2fIFとなる。
また,パルス状の高周波信号が送信アンテナ104から
送信されてから受信アンテナ107で受信されるまでの
時間差をΔtとする。 Δt=2R/C (ただし,Cは光速) Δt”=Δt+1/2fIF Δt”=2R/C+1/2fIF R=C(Δt”−1/2fIF)/2
【0037】このとき,IF信号の波形201の大小に
かかわらずIF信号の波形201の立ち上がり時間から
ゼロクロス点202の時間差は常に1/2fIFと一定で
あるため,時間差Δt”の値に変化はなく,測定の誤差
は発生しない。換言すれば,波形201の大小に影響さ
れることなく,常に安定した測定を行える。
【0038】ここで,ゼロクロス点202を検出する方
法の1例を説明する。図3は一般的なサンプリングによ
る方法である。あらかじめ設定したサンプリングパルス
301のタイミングでIF信号の波形201をサンプリ
ングする。これによって,波形201が検出されていな
いサンプリング点では,図示の如く,サンプリング値が
無信号時の基準レベルとなる。一方,波形201が検出
されたサンプリング点のサンプリング値は,波形201
のレベルに応じた正負の値となる。
【0039】このとき,IF信号の波形201のゼロク
ロス点202は,正の値を持ったサンプリング値302
と負の値を持ったサンプリング値303との間にある。
次に,信号処理部110はサンプリング値302とサン
プリング値303の絶対値を比較し,数値の小さいサン
プリング値を有するサンプリング点側にゼロクロス点2
02が偏っていると判断し,比較したサンプリング点間
の1/2の位置より数値の小さいサンプリング値を有す
るサンプリング点側の任意の点をゼロクロス点202と
して特定する。したがって,このときの波形201のゼ
ロクロス点202は,あらかじめ設定したサンプリング
間隔の1/2以下の精度で算出できることになる。
【0040】前述したように実施例1によれば,送信ア
ンテナ104から送信されるパルス状の高周波信号のパ
ルス幅を中間周波数(周波数fIF)の1周期分の長さと
し,また,IF信号の波形201をサンプリングして,
ゼロクロス点202を算出することにより,パルス状の
高周波信号(送信波)の立ち上がり点203とゼロクロ
ス点202までの時間差Δt”を正確にもとめることが
できた。したがって,反射信号204の信号レベルの大
小に影響されることなく,ピーク点の位置の変動に影響
されることなく,さらに,信号波形の大小に影響される
ことなく,常に正確な距離の算出を行うことができた。
【0041】〔実施例2〕実施例2のパルス式レーダ装
置は,実施例1における信号処理部でサンプリングを使
用したが,さらに,サブサンプリングを用いて実施例1
に比べてより精度の向上を図ったものである。なお,実
施例2の構成および動作は,基本的に実施例1と同様で
あるので,ここでは異なる部分のみ説明する。
【0042】図4を参照して,実施例2における信号処
理部110の動作を具体的に説明する。実施例2におけ
る信号処理部110はサンプリングパルス301とサブ
サンプリングパルス401の2つを使ってサンプリング
値403を検出する。信号処理部110はサンプリング
パルス301によってサンプリングを行い,サンプリン
グ値があらかじめ設定したしきい値402を越えた時点
でサブサンプリングパルス401を発振し,IF信号の
波形201をさらに細かくサンプリングする。
【0043】信号処理部110においてゼロクロス点2
02を特定する方法は実施例1と同様であるため,ここ
では実施例2の効果のみ説明する。信号処理部110は
サンプリング値403に基づいてゼロクロス点202を
特定する。したがって,このときの波形201のゼロク
ロス点202はサブサンプリングパルス401のタイミ
ングの1/2以下の精度で算出できる。
【0044】実施例2はサブサンプリングパルス402
にてサンプリング値403の検出を行いゼロクロス点2
02を算出するので,ゼロクロス点202を精度良く特
定でき,検知対象物までの距離をさらに精度良く算出す
ることができる。
【0045】〔実施例3〕実施例3のパルス式レーダ装
置は,実施例1あるいは実施例2で示した方法でサンプ
リング値を求め,さらに数値的な演算を施してゼロクロ
ス点を決定するものである。なお,実施例3の構成およ
び動作は,基本的に実施例1と同様であるので,ここで
は異なる部分のみ説明する。
【0046】実施例3の信号処理部110は,サンプリ
ング値を求めた後,所定の演算を行い,最終的なゼロク
ロス点を決定する。
【0047】実施例3によれば,数値的な演算を施して
ゼロクロス点を決定するので,実施例1および実施例2
よりもゼロクロス点を精度良く特定でき,検知対象物ま
での距離をさらに精度良く算出することができる。
【0048】〔実施例4〕実施例4のパルス式レーダ装
置は,実施例1および実施例2において,IF信号の波
形に同期加算を施して,S/N比の精度を向上させるも
のである。なお,実施例4の構成および動作は,基本的
に実施例1と同様であるので,ここでは異なる部分のみ
説明する。
【0049】図5を参照して,実施例4の動作を説明す
る。図において,IF回路109から入力した信号を増
幅するリッミタアンプ501と,リッミタアンプ501
から入力した信号に雑音も含めて2値化するコンパレー
タ502と,コンパレータ502から入力した信号をサ
ンプリングパルス301のタイミングで同期加算をおこ
なう同期加算装置503があらたに追加された部分であ
る。
【0050】コンパレータ502は,リッミタアンプ5
01から入力したIF信号の波形を含んだ信号内の雑音
を0もしくは1に2値化し,同期加算装置503へ出力
する。
【0051】図6を参照して,同期加算装置503の動
作を具体的に説明する。同期加算装置503はコンパレ
ータ502から入力した信号をサンプリングパルス30
1のタイミングでサンプリング値を求め,同期加算を行
う。
【0052】同期加算されたサンプリング値において,
同期加算されたサンプリング値がIF信号の波形を含ま
ない雑音だけの信号である場合,加算回数nに対して加
算値はn/2となる。また,同期加算されたサンプリン
グ値がIF信号波形を含んでいる信号である場合,信号
の大きさに応じて加算回数nに対して加算値はn/2か
らずれる。この同期加算処理によってIF信号とIF信
号に含まれる雑音との分離能力が向上し,IF信号内に
ある雑音の除去ができ,雑音に埋もれた微弱な信号でも
検出することができる。また,同期加算処理された信号
は同期加算処理をしていないIF信号に比べ大幅にS/
N比の補償を行うことが出来る。
【0053】なお,前述した実施例1〜実施例4では,
ミキサ108のLO信号およびRF信号の入力を方向性
結合器103および受信アンテナ107を介して行う構
成例を示したが,図7(a)〜(d)に示すような構成
を用いても良いのは勿論である。以下,図7(a)〜
(d)の構成について説明する。
【0054】図7(a)は,方向性結合器103に代え
てサーキュレータ701を配設したものである。図7
(b)は,方向性結合器103に代えて局部発振器70
2を配設し,局部発振器702からLO信号を入力する
ようにしたものである。図7(c)は,送信アンテナ1
04および受信アンテナ107に代えて送受信アンテナ
704を配置し,送受信を一つのアンテナで行うように
し,さらにサーキュレータ703によって送信時および
受信時の信号の経路を切り換えるようにしたものであ
る。図7(d)は,図7(c)の構成においてさらに方
向性結合器103に代えてサーキュレータ701を配置
したものである。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように,この発明のパルス
式レーダ装置(請求項1)は,パルス幅制御手段によっ
てパルス状の高周波信号のパルス幅を特定の中間周波数
の1周期分の長さに制御し,次に,信号変換手段が,前
記パルス状の高周波信号が検知対象物に反射されて戻っ
てきた反射信号を入力し,特定の中間周波数を有する中
間周波数信号に変換し,ゼロクロス点検出手段が,中間
周波数信号のゼロクロス点を検出し,距離算出手段が,
パルス状の高周波信号を送信してからゼロクロス点が検
出されるまでの時間差を算出し,算出した時間差に基づ
いて,検知対象物までの距離を算出するため,反射信号
(受信波)の信号レベルの大小に影響されることなく,
さらに,信号波形の大小に影響されることなく,常に正
確な距離の算出を行うことができる。
【0056】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項2)は,ゼロクロス点検出手段が,一定間隔のサン
プリングパルスを用いて中間周波数信号をサンプリング
し,そのサンプリング値からゼロクロス点を検出するた
め,反射信号(受信波)の信号レベルの大小に影響され
ることなく,ピーク点の位置の変動に影響されることな
く,さらに,信号波形の大小に影響されることなく,常
に正確な距離の算出を行うことができると共に,サンプ
リング間隔の1/2以下の精度でゼロクロス点の検出を
行うことができる。
【0057】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項3)は,ゼロクロス点検出手段が,一定間隔の第1
のサンプリングパルスを用いて中間周波数信号をサンプ
リングすると共に,第1のサンプリングパルスによって
サンプリングした値が,あらかじめ設定したしきい値を
越えた時点から第1のサンプリングパルスより狭い間隔
の第2のサンプリングパルスを用いたサンプリングを開
始し,第2のサンプリングパルスによってサンプリング
した値からゼロクロス点を検出するため,反射信号(受
信波)の信号レベルの大小に影響されることなく,ピー
ク点の位置の変動に影響されることなく,さらに,信号
波形の大小に影響されることなく,常に正確な距離の算
出を行うことができると共に,第2のサンプリングパル
スのサンプリング間隔の1/2以下の精度でゼロクロス
点の検出を行うことができ,距離の測定精度の向上を図
ることができる。
【0058】また,この発明のパルス式レーダ装置(請
求項4)は,同期加算手段にって,中間周波数信号を増
幅および2値化して,さらに同期加算を行い,ゼロクロ
ス点検出手段が,同期加算手段によって同期加算を施さ
れた後の中間周波数信号のゼロクロス点を検出するた
め,反射信号(受信波)の信号レベルの大小に影響され
ることなく,ピーク点の位置の変動に影響されることな
く,さらに,信号波形の大小に影響されることなく,常
に正確な距離の算出を行うことができると共に,S/N
比の補償を向上させて雑音に埋もれた微弱な信号でも検
出可能とし,距離の測定精度の向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明(実施例1〜実施例3)のパルス式レ
ーダ装置の概略構成図である。
【図2】実施例1の信号処理部における検知対象物まで
の距離の算出例を示す説明図である。
【図3】実施例1においてサンプリングによってゼロク
ロス点を検出する方法を示す説明図である。
【図4】実施例2の信号処理部における検知対象物まで
の距離の算出例を示す説明図である。
【図5】実施例4のパルス式レーダ装置の概略構成図で
ある。
【図6】実施例4の同期加算装置の動作を具体的に示す
説明図である。
【図7】この発明の他の構成例を示す説明図である。
【図8】従来のパルス式レーダ装置の概略構成を示す説
明図である。
【図9】従来の信号処理部における検知対象物までの距
離の算出例を示す説明図である。
【図10】従来の問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
101 電圧制御発振器 102 アイソ
レータ 103 方向性結合器 104 送信ア
ンテナ 105 スイッチ 106 パルス
幅制御部 107 受信アンテナ 108 ミキサ 109 IF回路 110 信号処
理部 201 IF信号の波形 202 ゼロク
ロス点 301 サンプリングパルス 401 サブサ
ンプリングパルス 501 リッミタアンプ 502 コンパ
レータ 503 同期加算装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス状の高周波信号を送信し,該パル
    ス状の高周波信号が検知対象物によって反射されて戻っ
    てきた反射信号を受信し,パルス状の高周波信号を送信
    してから反射信号を受信するまでの時間を検出すること
    により,該検知対象物までの距離を測定するパルス式レ
    ーダ装置において,前記パルス状の高周波信号のパルス
    幅を特定の中間周波数の1周期分の長さに制御するパル
    ス幅制御手段と,前記パルス状の高周波信号が検知対象
    物に反射されて戻ってきた反射信号を入力し,前記特定
    の中間周波数を有する中間周波数信号に変換する信号変
    換手段と,前記信号変換手段から出力された中間周波数
    信号のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出手段
    と,前記パルス状の高周波信号を送信してから前記ゼロ
    クロス点が検出されるまでの時間差を算出し,前記算出
    した時間差に基づいて,前記検知対象物までの距離を算
    出する距離算出手段とを備えたことを特徴とするパルス
    式レーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記ゼロクロス点検出手段は,一定間隔
    のサンプリングパルスを用いて前記中間周波数信号をサ
    ンプリングし,そのサンプリング値からゼロクロス点を
    検出することを特徴とする請求項1記載のパルス式レー
    ダ装置。
  3. 【請求項3】 前記ゼロクロス点検出手段は,一定間隔
    の第1のサンプリングパルスを用いて前記中間周波数信
    号をサンプリングすると共に,第1のサンプリングパル
    スによってサンプリングした値が,あらかじめ設定した
    しきい値を越えた時点から第1のサンプリングパルスよ
    り狭い間隔の第2のサンプリングパルスを用いたサンプ
    リングを開始し,第2のサンプリングパルスによってサ
    ンプリングした値からゼロクロス点を検出することを特
    徴とする請求項1記載のパルス式レーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記信号変換手段から出力された中間周
    波数信号を入力して,増幅および2値化を行って,さら
    に同期加算を行う同期加算手段を備え,前記ゼロクロス
    点検出手段は,前記同期加算手段によって同期加算を施
    された後の中間周波数信号のゼロクロス点を検出するこ
    とを特徴とする請求項1,2または3記載のパルス式レ
    ーダ装置。
JP6220441A 1994-09-14 1994-09-14 パルス式レーダ装置 Pending JPH0886858A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007267385A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd パルスシェーピング技法を用いたカオス信号送信装置
JP2017096779A (ja) * 2015-11-25 2017-06-01 株式会社日本ジー・アイ・ティー Uwb計測システム

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