JPH0886793A - 近接視野顕微鏡およびそれに用いる光強度測定手段の製造方法 - Google Patents

近接視野顕微鏡およびそれに用いる光強度測定手段の製造方法

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JPH0886793A
JPH0886793A JP22206094A JP22206094A JPH0886793A JP H0886793 A JPH0886793 A JP H0886793A JP 22206094 A JP22206094 A JP 22206094A JP 22206094 A JP22206094 A JP 22206094A JP H0886793 A JPH0886793 A JP H0886793A
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Akamine Shinya
アカミネ シンヤ
Kenji Fukuzawa
健二 福澤
Hiroki Kuwano
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 S/N比を向上させ、さらに、原子間力を利
用した距離制御をS/N比の低減なしに実現できる近接
顕微鏡を提供することにある。 【構成】 被観測物体に対して、その波長程度で空間的
に減衰するエバネッセント光を照射する手段と、被観測
物体により変調されたエバネッセント光の光強度を測定
する光強度測定手段と、前記被観測物体と前記光強度測
定手段の相対的な位置関係を変化させる手段とを有し、
前記被観測物体と前記光強度測定手段との距離が前記エ
バネッセント光の中心波長λ以下である走査型近接視野
顕微鏡において、前記光強度測定手段が、pn接合ある
いはpin接合を含む半導体素子と、該pn接合あるい
はpin接合で生じる光電流を測定するための電極およ
び配線とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、近接視野顕微鏡に係わ
り、特に、汎用的で、かつ、解像度の高い近接視野顕微
鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の光顕微鏡において空間分解能は、
光の回折限界で制限され、一般に通常の光顕微鏡の空間
分解能は、おおよそ、(光の波長)/(レンズの開口
数)で与えられる波長のオーダであることはよく知られ
ている。
【0003】この限界を打破するものとして、近接視野
顕微鏡が知られている。
【0004】図19、図20は、従来の近接視野顕微鏡
の概略構成を示す模式図である。
【0005】図19、図20において、1は光源、2は
プリズム、3は被観測物体(試料)、4はエバネッセン
ト光、5は光検出器、10は走査機構、61,62は光
ピックアップ手段である。
【0006】光源1からの光7の中心波長をλとし、ま
た、図19および図20に示すように、光源1とプリズ
ム2とは、光源1からの光7がプリズム2の上面で全反
射するように配置する。
【0007】光源1とプリズム2との配置が、図19お
よび図20に示す配置である時に、同図中に模式的に示
すように、プリズム2の上面には、エバネッセント光4
と呼ばれるλ程度だけ光のしみ出しが生じる。
【0008】図19中に示したz軸と原点とを、プリズ
ム2の上面にとると、エバネッセント光4の強度は、下
記(1)式で表せる。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、しみ出しの長さqは、下記(2)
式で表せる。
【0011】
【数2】
【0012】ただし、n1およびn2は、それぞれ空気と
プリズムの屈折率であり、θは入射角である。
【0013】式(1)より、エバネッセント光4がプリ
ズム2の上面で急激に減衰することが理解できる。
【0014】例えば、n2=1.5、θ=45°のと
き、q=0.45λとなり、しみ出しの長さqは、波長
λのオーダである。
【0015】このエバネッセント光4が、被観測物体
(試料)3で変調され、この変調された光を、光ピック
アップ手段(61,62)でピックアップして光検出器
5で強度を測定し、さらに、走査機構10により光ピッ
クアップ手段(61,62)を走査して2次元的な光分
布を得る。
【0016】ここで、図19は、下記文献『I』に記載
されている、微小開口によりエバネッセント光4を結合
させてピックアップするタイプの近接視野顕微鏡であ
り、図20は、下記文献『II』に記載されている、微小
針によりエバネッセント光4を散乱させてピックアップ
するタイプの近接視野顕微鏡である。
【0017】『I』 Science,(1992),
vol.257,p189 『II』 Appl.Phys.Lett,(199
3),vol.62(5),p461 図19に示す光ピックアップ手段61は、その先端がλ
以下までに先鋭化してある光ファイバである。
【0018】また、図20に示す光ピックアップ手段6
2は、その先端がλ以下になるように先鋭化してある微
小針であり、その先端からエバネッセント光4を散乱す
る。
【0019】図19および図20に示す光ピックアップ
手段(61,62)を用いる近接視野顕微鏡において、
空間分解能は、いずれもファイバおよび針先端の曲率の
直径程度であり、回折限界の制限を受けない。
【0020】そのため、先端径を小さくすることによ
り、光学顕微鏡の空間分解能の飛躍的な向上が可能であ
る。
【0021】現在のところ、前記文献『I』にも記載さ
れているように、λ/40以下の空間分解能が実現され
ている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
19、図20に示す従来の顕微鏡では、以下に示すよう
な問題点があった。
【0023】図19に示すタイプの近接視野顕微鏡で
は、エバネッセント光4を、光ピックアップ手段61を
構成する光ファイバに結合させ、エバネッセント光4を
伝搬光に変換する必要がある。
【0024】しかも、空間分解能を上げるために、光フ
ァイバの先端径をできるだけ小さくする必要があるが、
そうすると光ファイバの導波モードと大きく異なってし
まうため、光の結合効率が悪くなり、信号のS/N比を
向上させることが困難である。
【0025】また、空間分解能を向上させる別の方法と
しては、アルミニウム等の金属膜で光ファイバ表面をコ
ーティングした上で、光ファイバの先端の微小な領域に
開口を設ける方法がある。
【0026】この場合、開口の大きさで空間分解能が決
定されるため、開口径は100nm以下が望まれるが、
このような微小開口を安定して作成することは難しかっ
た。
【0027】また、図20に示すタイプの近接顕微鏡で
は、光ピックアップ手段62を構成する針先端径で空間
分解能が決定されるため、微小開口を設けなくても、1
00nm以下の空間分解能が可能であるというメリット
がある。
【0028】しかし、図20に示すタイプの近接顕微鏡
では、エバネッセント光4を散乱光という伝搬光に変換
する必要があり、この散乱光の一部は微小針に吸収され
るため、散乱光に変換されるものは一部でしかない。
【0029】また、散乱光を離れた検出器5で測定する
必要があるため、散乱光の一部しか検出できず、図19
に示すタイプの近接視野顕微鏡と同様、原理的に効率が
悪く、信号のS/N比を向上させることが困難であっ
た。
【0030】図19および図20に示すいずれのタイプ
の近接視野顕微鏡においても、数10nmの空間分解能
を得るために、数mW程度の光源を用いた場合におい
て、検出する信号レベルはpW程度で、S/N比の向上
が望まれていた。
【0031】また、式(1)から、光ピックアップ手段
(61,62)と、被観測物体(試料)3との距離を精
密に(λ以下)に制御する必要がある。
【0032】しかし、当該制御を行うものとして現在提
案されているものはトンネル電流を利用するものである
が、トンネル電流を利用して光ピックアップ手段(6
1,62)と、被観測物体(試料)3との距離を制御す
る場合には、被観測物体(試料)3として導電体でなけ
ればならず、光学的観察のニーズとして、誘電体あるい
は生体といった不導電体が多数を含める近接視野顕微鏡
の制御には不向きである。
【0033】そのため、光ピックアップ手段(61,6
2)と、被観測物体(試料)3との間に働く原子間力を
利用する試みが提案されている。
【0034】しかし、図19に示すタイプの近接視野顕
微鏡において、原子力による光ファイバのたわみ測定に
は、光ファイバを曲げなければならず、光ファイバの曲
げ損失が生じ、S/N比がさらに悪化してしまうため、
実用に至っていない。
【0035】図20に示すタイプの近接視野顕微鏡は、
形状的には片持ち梁型にできるため、現在、最もよく用
いられている「光てこ方式」等の光学的方法で、片持ち
梁のたわみを比較的容易に測定できる。
【0036】しかし、そのためには、たわみ測定用の測
定光の反射のために、片持ち梁を金属膜等でコーティン
グする必要があり、これにより、散乱光が吸収されてし
まい光検出器5に到達する散乱光が減少し、さらに信号
レベルが低下してしまうという問題点があった。
【0037】結局、図19および図20に示す、いずれ
のタイプの近接視野顕微鏡においても、信号号レベルが
低く、S/N比を向上させることが難しという問題点が
あった。
【0038】また、光ピックアップ手段(61,62)
と被観測物体(試料)3との距離を、原子間力で制御す
る方式をS/N比を低下させることなしに、図19およ
び図20に示すタイプの近接視野顕微鏡に適用すること
が難しいという問題点があった。
【0039】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、本発明の目的は、近接顕
微鏡において、S/N比を向上させ、さらに、原子間力
を利用した距離制御をS/N比の低減なしに実現できる
技術を提供することにある。
【0040】本発明の前記目的並びにその他の目的及び
新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面によって明
らかにする。
【0041】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記の通りである。
【0042】(1)被観測物体に対して、その波長程度
で空間的に減衰するエバネッセント光を照射する手段
と、被観測物体により変調されたエバネッセント光の光
強度を測定する光強度測定手段と、前記被観測物体と前
記光強度測定手段の相対的な位置関係を変化させる手段
とを有し、前記被観測物体と前記光強度測定手段との距
離が前記エバネッセント光の中心波長λ以下である走査
型近接視野顕微鏡において、前記光強度測定手段が、p
n接合あるいはpin接合を含む半導体素子と、該pn
接合あるいはpin接合で生じる光電流を測定するため
の電極および配線とを含むことを特徴とする。
【0043】(2)前記(1)の手段において、前記光
強度測定手段が、その先端の曲率半径がλ以下である突
起を含み、該突起の少なくとも一部と被測定物体(試
料)との距離がλ以下であることを特徴とする。
【0044】(3)前記(1)の手段において、前記光
強度測定手段に含まれるpn接合あるいはpin接合の
少なくとも一部と前記被測定物体(試料)との距離がλ
以下であることを特徴とする。
【0045】(4)前記(3)の手段において、前記光
強度測定手段が、その先端の曲率半径がλ以下である突
起を有し、該突起中にpn接合あるいはpin接合の一
部が含まれていることを特徴とする。
【0046】(5)前記(1)ないし(4)の手段にお
いて、前記光強度測定手段が、片持ち梁形状となってい
ることを特徴とする。
【0047】
【作用】前記(1)ないし(5)の手段によれば、エバ
ネッセント光をピックアップする光ピックアップ手段自
体を、光検出器とすることにより、エバネッセント光か
ら伝搬光への変換を不要とすることができる。
【0048】これにより、エバネッセント光を検出する
効率が向上し、信号のS/N比を向上させることが可能
となる。
【0049】また、光検出器を片持ち梁状の形状に作成
することにより、原子間力による制御が可能なため、像
のS/N比が向上できるとともに被観測物体(試料)と
して絶縁体も可能となり、さらに、光学的近接視野像と
原子間力による凹凸像が同時に測定可能となる。
【0050】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0051】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0052】[実施例1]図1は、本発明の一実施例
(実施例1)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す模
式図である。
【0053】図1において、1は光源、2はプリズム、
3は被観測物体(試料)、4はエバネッセント光、10
は走査機構、621はシリコン基板から作成したpn接
合を有するエバネッセント光検出器、21,22は電
極、27は導線、23はp領域、24はn領域、231
は高濃度のp領域、241は高濃度のn領域、25は電
流測定器、30は反射防止膜である。
【0054】本実施例1では、光源1として、出力が数
mWの可視域のレーザ光(波長λ)を用いた。
【0055】また、電極21,22は、アルミニウムで
形成し、電極21,22の下に、電極21,22とオー
ミックなコンタクトを取るため、pおよびnの高濃度領
域231,241を設けた。
【0056】ここで、p領域23は、予め、基板全体に
アクセプタとなる原子、例えば、ボロンをドープして形
成し、また、n領域24は、ドナーとなる原子、例え
ば、リンをドープして形成した。
【0057】一定の電圧が印加されたpn接合に光が入
射されると、pn接合には入射光の強度に応じた光電流
が流れるので、被観測物体(試料)3で変調されたエバ
ネッセント光4は、pn接合で光電流に変換され、電流
測定器25で当該光電流を測定することにより、エバネ
ッセント光4の光強度が測定される。
【0058】シリコン基板の反射率は比較的高く、垂直
に入射する光の反射率は35%程度である。
【0059】そのため、反射防止膜30として酸化シリ
コン膜を100nm程度設けて、その反射率を数%程度
までに低減させた。
【0060】反射防止膜30の材料としては、シリコン
に対しては屈折率が2程度の材料が適しており、酸化シ
リコンの他に、例えば、窒化シリコンが有効であるのは
いうまでもない。
【0061】走査機構10として、ピエゾ素子を組み合
わせたx、y、z軸方向に駆動可能な機構を用いた。
【0062】図2は、図1に示すピエゾ素子を組み合わ
せたx、y、z軸方向に駆動可能な走査機構10の一例
を示す模式図である。
【0063】図2において、16a,16b,16cは
ピエゾ素子、15は治具であり、図2に示す走査機構1
0は、3つのピエゾ素子16a,16b,16cを、
X,Y,Z方向に治具15により組み合わせたものであ
る。
【0064】ピエゾ素子16a,16b,16cは、印
加電圧によりnmの精度でエバネッセント光検出器62
1を走査させることが可能であり、ピエゾ素子16a,
16b,16cを用いる駆動機構10は、nm以下の精
度でエバネッセント光検出器621位置制御が可能であ
る。
【0065】本実施例1では、pn接合の先端と被観測
物体(試料)3との距離が、光源1の波長λより小さく
なるように走査機構10で制御することにより、十分な
エバネッセント光4が検出できる。
【0066】また、エバネッセント光4を伝搬光に変換
していないため、検出効率が高く、信号レベルとしては
nWのオーダとなり、従来報告されているものより2桁
程度大きい。
【0067】さらに、走査機構10により、xy面内
(紙面に鉛直な平面)で、エバネッセント光検出器62
1を走査することにより、被観測物体(試料)3の2次
元像を得た。
【0068】図3から図7は、本実施例1のエバネッセ
ント光検出器621の製造方法を説明するための図であ
る。
【0069】次に、前記エバネッセント光検出器621
の製造方法について、図3〜図7を参照して説明する。
【0070】図3に示すように、最初に厚さ数100μ
mのシリコン(半導体)基板33が用意される。
【0071】このシリコン基板33は、その主面の面方
位は(100)となっている。
【0072】前記シリコン基板33の主面には、厚さ数
μmのボロン(アクセプタ)をドープしたp型の半導体
層32が形成され、その後、前記半導体層32上には厚
さ数μmのエピタキシャル層からなるp型層23が形成
される。
【0073】また、前記シリコン基板33の裏面(下
面)には、スパッタリング法によって厚さ数μmの酸化
シリコン膜34が設けられる。
【0074】つぎに、図4に示すように、常用のホトリ
ソグラフィによって前記p型層23の一端側にドナーと
なるリンをドープしたn領域24が形成され、p型層2
3との間にpn接合を形成する。
【0075】pn接合の位置は、ドープ後のアニーリン
グ条件で調節する。
【0076】pn接合の位置は、シリコンの可視域での
吸収係数αが概ね5μm~1であるため、レーザ光源1か
らのレーザビームに暴露される側から深さ数μm以下が
望ましい。
【0077】つぎに、前記p型層23およびn領域24
の上面には常用のホトリソグラフィによって選択的に絶
縁膜25が形成するとともに、前記p型層23およびn
領域24の表層部には部分的にp+ 型高不純物濃度領域
231およびn+ 型高不純物濃度領域241がオーミッ
クコンタクト領域として形成される。
【0078】前記p+ 型高不純物濃度領域231および
n+ 型高不純物濃度領域241は、前記p型層23およ
びn領域24より高濃度となるように、それぞれ、アク
セプタとなる原子(たとえば、ボロン)、ドナーとなる
原子(たとえば、リン)を多量にドープした。
【0079】つぎに、前記露出したp+ 型高不純物濃度
領域231およびn+ 型高不純物濃度領域241上に
は、それぞれアルミニウムからなる電極21および電極
22が形成される。
【0080】つぎに、図5に示すように、p型層23と
n領域24が重なり合った右端部分が所望の形状に(図
中では一定の長さaだけ)エッチング除去され、また、
前記シリコン基板33の主面側、すなわち、電極21お
よび電極22が設けられた表面側は、ポリイミドがコー
ティングされてポリイミド層35が形成される。
【0081】つぎに、前記シリコン基板33の裏面の酸
化シリコン膜34は、図5に示すように、両端側を長さ
b,cを除いてエッチング除去される。
【0082】前記酸化シリコン膜34の残存部分cは、
前記エッチング長さaよりも短い(a>c)。
【0083】つぎに、図6に示すように、前記酸化シリ
コン膜34をマスクとしてシリコン基板33を異方性エ
ッチングするとともに、残存するシリコン基板33をマ
スクとして半導体層32をエッチング除去する。
【0084】また、前記ポリイミド層35および酸化シ
リコン膜34もエッチング除去する。
【0085】前記ポリイミド層35は、前記シリコン基
板33をエッチングする際、上部構造を保護するための
ものである。
【0086】前記酸化シリコン膜34のエッチングは標
準的なドライエッチングで行った。
【0087】また、前記シリコン基板33のエッチング
は、アルカリ系のエッチング液、たとえば、エチレンジ
アミン・パイロカテコール水溶液を用いた。
【0088】このエッチング液によれば、ボロンをドー
プした半導体層32がエッチストップ層となる。
【0089】また、結晶の面方位によって異方的にエッ
チングがなされる、エッチングされないシリコン基板3
3が一部残留し、その後の半導体層32のエッチングの
際のマスクとして働く。
【0090】この結果、図7に示すような、長さ数10
0nm,厚さ数nmのエバネッセント光検出器621が
形成される。
【0091】このエバネッセント光検出器621は、残
留するシリコン基板33を有する側が、片持ち梁形状の
固定側となり、前記走査機構10に取り付けられる。
【0092】また、この取り付けに際しては、電極21
や電極22を有する面側が、被観測物体(試料)3に体
面するように取り付けられる。
【0093】このようなエバネッセント光検出器621
の製造方法によれば、微細でかつ高精度なエバネッセン
ト光検出器621を製造することができる。
【0094】[実施例2]図8は、本発明の他の実施例
(実施例2)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す模
式図である。
【0095】本実施例2の近接視野顕微鏡は、エバネッ
セント光検出器621の構造が前記実施例1に記載され
ている近接視野顕微鏡のエバネッセント光検出器621
と相違しているが、その他の構成は前記実施例1と同じ
である。
【0096】エバネッセント光4を検出するpn接合の
大きさが小さい程空間分解能が向上する。
【0097】そのため、本実施例2では、前記実施例1
のエバネッセント光検出器621の先端部を針状に加工
したエバネッセント光検出器621を用いるようにした
ものである。
【0098】また、プローブが針状になっていること
は、被観測物体(試料)3が溝など凹凸の大きな試料の
場合でも観測でき、汎用性という点で有利なことはいう
までもない。
【0099】このエバネッセント光検出器621の製作
方法としては、面方位が、(100)であるようなシリ
コン基板で、予めp型半導体とされた基板を用意する。
【0100】始めに、この基板に、下記文献『III』に
記載されている方法で、三角錐状の突起を形成する。
【0101】『III』 Appl.Phys.Let
t.(1990),vol.57(3),p316 この方法は、アルカリ溶液、例えば、水酸化カリウム水
溶液あるいはエチレンジアミン・パイロカテコール水溶
液に対して、シリコンが面方位により溶解速度が異なる
ことを利用した方法である。
【0102】この方法によると、先端の曲率半径が、1
00nm以下の三角錐状のシリコンの針が安定して形成
可能である。
【0103】針状の突起物を構成する方法としては、そ
の他種々の方法が提案されているが、前記した方法以外
の方法で形成することも可能であることはいうまでもな
い。
【0104】その後は、前記実施例1で述べた方法と同
様な方法で、針の先端を含む部分にpn接合を形成し
た。
【0105】また、被観測物体(試料)3の近接視野像
も同様な方法で得ることができた。
【0106】[実施例3]図9は、本発明の他の実施例
(実施例3)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す模
式図である。
【0107】本実施例3では、空間分解能のさらなる向
上を図って、前記実施例2で説明したエバネッセント光
検出器621を作成した後、例えば、アルミニウム等の
金属膜26をコーティングして、エバネッセント光検出
器621を作成したものである。
【0108】可視域の光のアルミニウムに対する侵入の
深さが10nm程度なので、コーティング層は数10n
m以下とした。
【0109】図10は、図9におけるエバネッセント光
検出器621の先端部を拡大して示す図である。
【0110】本実施例3のエバネッセント光検出器62
1は、前記実施例2に示すエバネッセント光検出器62
1を作成し、金属膜26をコーティングした後、先端の
み金属26を除去しエバネッセント光4に暴露される部
分の径aを100nm以下とした。
【0111】空間分解能は、この暴露される先端のpn
接合分の大きさ程度となるため、この径aを小さくすれ
ばするほど、空間分解能を向上させることができる。
【0112】また、金属膜26の除去は、エバネッセン
ト光検出器621の先端を平坦な物体に軽く押し当てる
ことで作成した。
【0113】この除去の方法としては、その他の方法、
例えば、集束イオンビームで選択的にエッチングする方
法が有効であることはいうまでもない。
【0114】また、被観測物体(試料)3の近接視野像
も同様な方法で得ることができた。
【0115】[実施例4]図11は、本発明の他の実施
例(実施例4)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図である。
【0116】本実施例4の近接視野顕微鏡は、エバネッ
セント光検出器621の構造が前記実施例1に記載され
ている近接視野顕微鏡のエバネッセント光検出器621
と相違しているが、その他の構成は前記実施例1と同じ
である。
【0117】本実施例4では、エバネッセント光検出器
621に針状の突起50が設けられており、そして、プ
ローブが針状になっているため、被観測物体(試料)3
が溝等の凹凸の大きな試料の場合でも観測でき、汎用性
という点で有利である。
【0118】針状の突起50の作成方法としては、前記
文献『III』に記載されている方法で、三角錐状の突起
を形成する。
【0119】この方法は、アルカリ溶液、例えば、水酸
化カリウム水溶液あるいはエチレンジアミン・パイロカ
テコール水溶液に対して、シリコンが面方位により溶解
速度が異なることを利用した方法である。
【0120】この方法によると、先端の曲率半径が、1
00nm以下の三角錐状のシリコンの針が安定して形成
可能である。
【0121】突起の高さは数μm以下で、シリコンの可
視域での吸収係数αは概ね5μm~1であり、可視光はシ
リコンを数μm程度透過するため、突起50内部に散乱
した光もpn接合に到達できる。
【0122】針状の突起物を構成する方法としては、そ
の他種々の方法が提案されているが、前記した方法以外
の方法で、例えば、下記文献『IV』に記載されている方
法等により形成することも可能である。
【0123】『IV』 J.Vac.Sci.(199
0),vol.A8(4),p3386 被観測物体(試料)3で変調されたエバネッセント光4
は、pn接合で光電流に変換され、図1に示す電流測定
器25で当該光電流を測定することにより、エバネッセ
ント光4の光強度が測定できる。
【0124】本実施例4では、図20に示す従来の微小
針によりエバネッセント光4を散乱させるピックアップ
するタイプの近接視野顕微鏡に比べ、突起先端からの散
乱光のうちより多くの量をエバネッセント光検出器であ
るpn接合で検出することが可能である。
【0125】これは、本実施例4では、図12に示すよ
うに突起先端から見たpn接合の立体角が、図21に示
すように従来の微小針によりエバネッセント光4を散乱
させるピックアップするタイプの近接視野顕微鏡の立体
角に比べ、数倍の大きさを有しているためである。
【0126】これにより、数倍程度の光量の増加が見込
まれ、信号レベル増加させることができる。
【0127】また、走査機構10としては、前記図2に
示すピエゾ素子を組み合わせたx、y、z軸方向に駆動
可能な機構を用いた。
【0128】ピエゾ素子を用いた駆動機構は、nm以下
の精度で位置制御が可能であり、pn接合の先端と被観
測物体(試料)との距離が、光源1の波長λより小さく
なるように走査機構10を制御した。
【0129】これにより、十分な強度のエバネッセント
光4を検出できた。
【0130】さらに、走査機構10により、xy面内
(紙面に鉛直な平面)で、エバネッセント光検出器62
1を走査することにより、被観測物体(試料)3の2次
元像を得た。
【0131】[実施例5]図13は、本発明の他の実施
例(実施例5)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図であり、突起先端部の拡大図である。
【0132】本実施例5では、空間分解能のさらなる向
上を図って、前記実施例4で説明したエバネッセント光
検出器621の突起50上に厚さ数10nmの金属膜を
塗布したものである。
【0133】本実施例5では、金属膜としてとして金を
用いており、可視域の光に対して、金の散乱効率は、シ
リコンの散乱効率の約4倍であるため、散乱効率を向上
させることができる。
【0134】本実施例5では、金を膜状に塗布したが、
先端に金粒子を塗布すれば空間分解能が向上することは
いうまでもない。
【0135】[実施例6]図14は、本発明の他の実施
例(実施例6)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図である。
【0136】本実施例6では、前記実施例1に、光検出
器621と被観測物体(試料)3との間に働く原子間力
を測定する手段を付加したものである。
【0137】図14において、621はエバネッセント
光検出器、28は半導体レーザ、29はエバネッセント
光検出器621から反射したレーザスポットの位置を検
出するための手段であり、本実施例では、2分割フォト
ダイオードを用いた。
【0138】本実施例6では、前記文献『IV』に記載さ
れている「光てこ」法にしたがい、原子間力によるエバ
ネッセント光検出器621のたわみを測定している。
【0139】本実施例6では、半導体レーザ28と、エ
バネッセント光検出器621から反射したレーザスポッ
トの位置を検出するための手段29により、エバネッセ
ント光検出器621と被観測物体(試料)3との距離の
変化を検出し、走査機構10で制御しながら近接視野像
を得た。
【0140】この「光てこ」法では、nm以下の精度
で、エバネッセント光検出器621と被観測物体(試
料)3との距離の変化を検出し、さらに、走査機構10
のピエゾ駆動はnm以下でその距離を制御できるので、
本実施例6では、より安定した近接視野像を得ることが
できた。
【0141】また、エバネッセント光検出器621と被
観測物体(試料)3との距離をd、エバネッセント光検
出器621のバネ定数をKとすると、エバネッセント光
検出器621と被観測物体(試料)3との間に働く原子
間力Fは、F=Kdとなり、変化の観測値により被観測
物体(試料)3の原子間力像を、近接視野像と同時に得
ることができた。
【0142】[実施例7]図15は、本発明の他の実施
例(実施例7)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図である。
【0143】本実施例7では、前記実施例4に、エバネ
ッセント光検出器621と被観測物体(試料)3との間
に働く原子間力を測定する手段を付加したものである。
【0144】図15において、621はエバネッセント
光検出器、28は半導体レーザ、29はエバネッセント
光検出器621から反射したレーザスポットの位置を検
出するための手段であり、本実施例7では、2分割フォ
トダイオードを用いた。
【0145】本実施例7でも、前記文献『IV』に記載さ
れている「光てこ」法にしたがい、原子間力によるエバ
ネッセント光検出器621のたわみを測定しており、前
記実施例6と同様に、半導体レーザ28と、エバネッセ
ント光検出器621から反射したレーザスポットの位置
を検出するための手段29により、エバネッセント光検
出器621と被観測物体(試料)3との距離の変化を検
出し、走査機構10で制御しながらより安定した近接視
野像を得ることができた。
【0146】また、同じく、被観測物体(試料)3の原
子間力像を、近接視野像と同時に得ることができた。
【0147】[実施例8]図16は、本発明の他の実施
例(実施例8)である近接視野顕微鏡の概略構成示す模
式図である。
【0148】本実施例8では、光源1として、白色光源
を用いるようにしたものであり、そのため、例えば、干
渉フィルターあるいは回折格子等の、白色光のうち所望
の波長を選別する手段11が設けられている。
【0149】これ以外は、前記実施例1と同様である。
【0150】波長を変えながら被観測物体(試料)3の
近接視野像を得ることにより、被観測物体(試料)3の
高空間分解能なスペクトロスコピーが可能であった。
【0151】[実施例9]図17は、本発明の他の実施
例(実施例9)である近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図であり、同図は、エバネッセント光検出器621
の先端部の拡大図であり、被観測物体(試料)3側から
見た平面図を表している。
【0152】図17において、2401、2402、2
403はn領域を示しており、それぞれpn接合の表面
からの深さが異なっている。
【0153】これらは、n領域を作成する際に、所望の
部分だけ暴露するようにマスキングした上でイオン注入
のドーピング条件を変えることで作成できる。
【0154】また、2411、2412、2413は電
極を示しており、その下にこれまでの実施例同様に高濃
度n領域を設けているが、図17では省略している。
【0155】光源1としては、白色光源を用いた。
【0156】これ以外は、前記実施例1と同様である
が、検出光の波長により侵入の深さが異なる。
【0157】即ち、エバネッセント光検出器621の表
面での光強度をI0とする時、表面からの深さがsのと
きの光強度Iは、
【0158】
【数3】
【0159】ここで、
【0160】
【数4】
【0161】ただし、nは屈折率、kは消衰係数であ
る。
【0162】式(3)からpn接合の深さを変えること
により、n領域2401、2402、2403は、異な
る波長感度を持たせることができる。
【0163】これにエバネッセント光検出器621を構
成するシリコンそのものの検出感度を較正すれば、被観
測物体(試料)3の波長依存性を知ることができる。
【0164】[実施例10]図18は、本発明の他の実
施例(実施例10)で近接視野顕微鏡の概略構成を示す
模式図であり、同図は、エバネッセント光検出器621
の先端の拡大図であり、被観測物体(試料)3側から見
た平面図を表している。
【0165】図18において、2401、2402、2
403はn領域を示しており、それぞれpn接合の表面
からの深さが異なっている。
【0166】これらは、n領域を作成する際に、所望の
部分だけ暴露するようにマスキングした上でイオン注入
のドーピング条件を変えることで作成できる。
【0167】また、2411、2412、2413は電
極を示しており、その下にこれまでの実施例同様に高濃
度n領域を設けているが、図18では省略している。
【0168】光源1としては、白色光源を用いた。
【0169】これ以外は、前記実施例4と同様である
が、検出光の波長により侵入の深さが異なる。
【0170】前記実施例9で説明したように、検出光の
波長により侵入の深さが異なり、pn接合の深さを変え
ることにより、n領域2401、2402、2403
は、異なる波長感度を持たせることができる。
【0171】これにエバネッセント光検出器621を構
成するシリコンそのものの検出感度を較正すれば、被観
測物体(試料)3の波長依存性を知ることができる。
【0172】なお、前記各実施例において、pn接合の
大きさを半径λ以下になるようにすれば、空間分解能が
さらに向上することはいうまでもない。
【0173】方法としては、例えば、pn接合に集束イ
オンビームによりイオンを注入し化学組成あるいは結晶
構造を変化させることにより所望の大きさを実現でき
る。
【0174】さらに、前記各実施例では、pn接合の場
合について説明したが、pn接合に絶縁層を挟み、pi
n構造とした方が感度向上のため有利であることは言う
までもない。
【0175】以上、本発明を実施例に基づき具体的に説
明したが、本発明は、前記実施例に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ること
は言うまでもない。
【0176】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。
【0177】(1)エバネッセント光から伝搬光への変
換が必要ないため、光を検出する効率が向上し、信号の
S/N比を向上させることが可能となる。
【0178】(2)エバネッセント光を散乱させる針と
光検出手段が近接しているため、散乱された光を検出す
る効率が向上し、信号のS/N比を向上させることが可
能となる。
【0179】(3)原子間力による制御が可能なため、
像のS/N比が向上できるとともに、被観測物体(試
料)として絶縁物も可能であり、また、光学的近接視野
像と原子間力による凹凸像が同時に測定することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例(実施例1)である近接視
野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図2】 図1に示すピエゾ素子を組み合わせたx、
y、z軸方向に駆動可能な走査機構10の一例を示す模
式図である。
【図3】 本実施例1のエバネッセント光検出器621
の製造方法を説明するための図である。
【図4】 本実施例1のエバネッセント光検出器621
の製造方法を説明するための図である。
【図5】 本実施例1のエバネッセント光検出器621
の製造方法を説明するための図である。
【図6】 本実施例1のエバネッセント光検出器621
の製造方法を説明するための図である。
【図7】 本実施例1のエバネッセント光検出器621
の製造方法を説明するための図である。
【図8】 本発明の他の実施例(実施例2)である近接
視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図9】 本発明の他の実施例(実施例3)である近接
視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図10】 図9におけるエバネッセント光検出器62
1の先端部を拡大して示す図である。
【図11】 本発明の他の実施例(実施例4)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図12】 本実施例4における、突起先端から見たp
n接合の立体角を示す図である。
【図13】 本発明の他の実施例(実施例5)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図であり、突起先端
部の拡大図である。
【図14】 本発明の他の実施例(実施例6)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図15】 本発明の他の実施例(実施例7)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図16】 本発明の他の実施例(実施例8)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図17】 本発明の他の実施例(実施例9)である近
接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図18】 本発明の他の実施例(実施例10)である
近接視野顕微鏡の概略構成を示す模式図である。
【図19】 従来の近接視野顕微鏡の概略構成を示す模
式図である。
【図20】 従来の近接視野顕微鏡の概略構成を示す模
式図である。
【図21】 従来の近接視野顕微鏡における立体角を示
す図である。
【符号の説明】
1…光源、2…プリズム、3…被観測物体(試料)、4
…エバネッセント光、10…走査機構、11…白色色の
うち所望の波長を選択する手段、21,22…電極、2
6,51…金属膜、27…導線、23…p領域、24…
n領域、231…高濃度のp領域、241…高濃度のn
領域、25…電流測定器、30…反射防止膜、50…針
状の突起、61,62…光ピックアップ手段、621…
シリコン基板から作成したpn接合を有するエバネッセ
ント光検出器、2401,2402,2403…n領
域、2411,2412,2413…電極。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被観測物体に対して、その波長程度で空間
    的に減衰するエバネッセント光を照射する手段と、被観
    測物体により変調されたエバネッセント光の光強度を測
    定する光強度測定手段と、前記被観測物体と前記光強度
    測定手段の相対的な位置関係を変化させる手段とを有
    し、前記被観測物体と前記光強度測定手段との距離が前
    記エバネッセント光の中心波長λ以下である走査型近接
    視野顕微鏡において、 前記光強度測定手段が、pn接合あるいはpin接合を
    含む半導体素子と、該pn接合あるいはpin接合で生
    じる光電流を測定するための電極および配線とを含むこ
    とを特徴とする近接視野顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された近接視野顕微鏡にお
    いて、 前記光強度測定手段が、その先端の曲率半径がλ以下で
    ある突起を含み、該突起の少なくとも一部と被測定物体
    との距離がλ以下であることを特徴とする近接視野顕微
    鏡。
  3. 【請求項3】請求項2に記載された近接視野顕微鏡にお
    いて、 前記突起に金属膜が塗布されていることを特徴とする近
    接視野顕微鏡。
  4. 【請求項4】請求項1に記載された近接視野顕微鏡にお
    いて、 前記光強度測定手段に含まれるpn接合あるいはpin
    接合の少なくとも一部と前記被測定物体との距離がλ以
    下であることを特徴とする近接視野顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項4に記載された近接視野顕微鏡にお
    いて、 前記光強度測定手段が、その先端の曲率半径がλ以下で
    ある突起を有し、該突起中にpn接合あるいはpin接
    合の一部が含まれていることを特徴とする近接視野顕微
    鏡。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれか1項に
    記載された近接視野顕微鏡において、 前記光強度測定手段が、片持ち梁形状となっていること
    を特徴とする近接視野顕微鏡。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれか1項に
    記載された近接視野顕微鏡において、 pn接合を構成するn領域が複数の分離された領域をな
    し、かつ、分離された領域で互いにpn接合の深さが異
    なることを特徴とする近接視野顕微鏡。
  8. 【請求項8】請求項1に記載された近接視野顕微鏡の光
    強度測定手段の製造方法であって、 半導体基板の主面に第1導電型決定不純物をドーピング
    して第1導電型層を形成する工程と、前記第1導電型層
    上にエピタキシャル成長による第1導電型からなるエピ
    タキシャル層を形成する工程と、前記エピタキシャル層
    の表層部分に第2導電型決定不純物を拡散させて第2導
    電型領域を形成してpn接合を形成する工程と、前記第
    2導電型領域およびエピタキシャル層上にそれぞれ電極
    を形成する工程と、前記半導体基板の裏面に選択的に絶
    縁膜を形成した後前記絶縁膜をエッチングマスクとして
    前記半導体基板および第1導電型層をエッチング除去し
    て片持ち梁形状の光強度測定手段を形成する工程とを有
    することを特徴とする光強度測定手段の製造方法。
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