JPH0884105A - 周波数ダイバーシチ通信方式 - Google Patents

周波数ダイバーシチ通信方式

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JPH0884105A
JPH0884105A JP22048994A JP22048994A JPH0884105A JP H0884105 A JPH0884105 A JP H0884105A JP 22048994 A JP22048994 A JP 22048994A JP 22048994 A JP22048994 A JP 22048994A JP H0884105 A JPH0884105 A JP H0884105A
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wave
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繁 冨里
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博 鈴木
Kazuhiko Fukawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 干渉キャンセラにおける演算量、回路規模を
低減し、処理時間を短縮する。周波数ダイバーシチ通信
方式をセルラ方式に適用する。 【構成】 受信電力測定比較回路の測定結果に基づいて
干渉波選択回路により干渉波を選択し、キャンセルする
必要のない干渉波についてはキャンセル動作を行わな
い。同一符号系列をある一定の距離以上離れた場所で繰
り返し利用する。セル間で同一の拡散コードを用いる。 【効果】 伝送特性が改善される。送受信機の消費電力
を低減できる。セル毎のコードの割当てが不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は周波数ホッピング伝送方
式の無線通信に利用する。本発明はスペクトラム拡散通
信方式に利用する。本発明は移動通信に利用する。特
に、干渉波除去技術に関する。
【0002】
【従来の技術】移動通信などの無線通信においては、フ
ェージングの変動を克服するためにダイバーシチ技術が
用いられる。周波数ダイバーシチ効果を得る技術とし
て、周波数ホッピング(FH:Frequency Hopping) 伝送
方式が知られている。このことは、例えば、M.K.Simon,
J.K.Omura,R.A.Scholtz,and B.K.Levitt,Spread Spectr
umCommunications,Computer Science Press,1985 の中
で述べられている。さらに周波数ホッピング伝送方式に
は、情報1シンボルで1回以上周波数ホッピングを行う
FFH(Fast FH) と、数シンボル以上の信号をもとにし
て形成されたバースト信号毎に周波数ホッピングを行う
SFH(Slow FH) がある。特に、FFHは1シンボル毎
の周波数ダイバーシチ効果により極めて安定した伝送路
を形成できる。
【0003】上記のFFH方式で、コヒーレントに受信
を行い、干渉キャンセラを適用する周波数ダイバーシチ
通信方式がある。この周波数ダイバーシチ通信方式は、
S.Tomisato,k.Fukawa,and H.Suzuki,"Coherent Hybrid
DS-FFH CDMA with adaptiveinterference cancelling f
or cellular mobile communications",Trans.IEICE,vo
l.E77-B No.5,pp.589-597,May.1994の中で示されてい
る。図8に周波数ダイバーシチ通信方式の送信機および
受信機のブロック構成図を示す。図9に周波数ダイバー
シチ通信方式の干渉キャンセラのブロック構成図を示
す。これらの動作は特願平5−197352号「周波数
ダイバーシチ伝送装置」において詳細に述べられている
が、以下に簡単に説明する。図8(a)に示す送信機は
符号化回路である符号器CODER、送信部に含まれる
直交変調器MODおよび帯域通過フィルタBPFT、キ
ャリア生成回路である送信用周波数シンセサイザLT、
および周波数制御回路FCONT−Tから構成されてい
る。ここでは変調方式はQPSKとする。送信機では、
送信データ信号をチップに分割し、分割したチップ毎に
周波数ホッピングしながら伝送する。
【0004】図8(b)の受信機は準同期検波回路であ
るミキサMIX、受信用周波数シンセサイザLR、周波
数制御回路FCONT−R、帯域通過フィルタBPF
R、およびIQ検波器IQDと、復調手段である復調回
路DEMODとからなる。受信機では、周波数の違う送
信チップをコヒーレント合成することにより復調を行
う。
【0005】図9に示す干渉キャンセラは非線形干渉キ
ャンセラと呼ばれるものである。シリアル・パラレル変
換回路、チャネル同定回路、符号化チップ信号生成回路
およびシンボル判定回路からなる。動作についてQPS
Kを例にして説明する。ただし、自分の信号が変調され
ている希望波1波と、他ユーザの信号のみが変調されて
いる干渉波がN波あるとし、希望波には自分の信号以外
に(M−1)の他のユーザの信号が多重化され、また、
N波の干渉波には、それぞれMのユーザが多重化されて
いるとする。このとき、他ユーザの信号の総数は(N+
1)M−1となる。QPSKでは、自分の信号の送信シ
ンボルパターンとしては4通り考えられ、他ユーザの信
号のシンボルパターンとしては4(N+1)M-1通り考えられ
る。本復調方式では、これらの4×4(N+1)M-1通りの送
信シンボルパターンの候補の中から、最も確からしいパ
ターンを推定し、シンボルを判定している。まず、シリ
アル・パラレル変換部では、準同期検波されたKチップ
の複素包絡線信号をスイッチSWを介してメモリCME
Mに蓄積する。スイッチSWは周波数制御回路FCON
T−Rの動作に同期してSWC端子により制御されてい
る。最尤推定回路MLSEでは、自分および他ユーザの
信号のシンボルパターン候補のある時点から次の時点へ
の遷移に対応したパスを形成し、そのパスの尤度の比較
によりシンボル判定を行う。パスの総数はシンボルパタ
ーン候補の総数である4×4(N+1)M-1となる。符号化チ
ップ信号生成部では、このパス情報に対応して、信号発
生器S−ISGから、自分および他ユーザの信号の総数
である(N+1)M系列のシンボル候補が出力される。
符号化器CODERでは、信号発生器S−ISGから出
力されたシンボル系列候補が送信側に対応して符号化さ
れ、符号化チップ信号候補が生成される。チャネル同定
部では、複素包絡線信号のキャリア成分推定値をCCO
NTで求める。推定値は複素係数である。また、推定の
初期にはトレーニング信号を用いる。この複素係数と符
号化チップ信号候補を複素乗算器CMULで複素乗算す
ることにより、自分および他ユーザの信号の複素包絡線
信号に対するレプリカをそれぞれ生成する。次に、これ
らの自分および他ユーザの信号のレプリカとCMEMに
蓄積されている複素包絡線信号との減算を行い推定誤差
を求める。この推定誤差はCMEMにある複素包絡線そ
れぞれに対して求めるので、チップ数Kに対してK個並
列に行われる。これにより、K個の推定誤差が求められ
る。この推定誤差はC−CONTに帰還され、キャリア
成分推定値のアップデートに用いられる。さらに、シン
ボル判定回路では、これらK個の推定誤差の二乗和を求
める。以上に述べた推定誤差の二乗和を求める動作は、
パスの総数である4×4(N+1)M-1通りすべてについて行
われる。最尤推定回路MLSEでは、4×4(N+1)M-1
りのパスの中で、推定誤差の二乗和が最小となるパスが
選択され、この選択されたパスに対応するシンボル候補
が最も確からしいと判定される。これにより送信シンボ
ルが決定される。このキャンセラでは、送信信号中に含
まれている既知のトレーニング信号に基づいて伝送路推
定を行っているが、希望波だけでなく干渉波についても
伝送路推定を行い干渉キャンセラを行うため、優れた干
渉キャンセル効果が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
周波数ダイバーシチ通信方式は周波数ダイバーシチ効果
と干渉キャンセルにより優れた伝送特性が得られるが、
移動通信のセルラ方式に適用する方法については具体的
に検討されていない。
【0007】移動通信方式のセルモデルを図10に示
す。この19セルモデルは、例えば、K.S.Gilhousen,I.
M.Jacobs,R.Padovani,A.J.Viterbi,L.A.Weaver,Jr.,and
C.E.Wheatley III,"On the capacity of a cellular C
DMA system,"IEEE Trans.Veh.Tech.,pp.303-312,May 19
91の中でも使われている。下り伝送(基地局から移動
機)を図10(a)に、上り伝送(移動機から基地局)
を図10(b)に示す。セルはすべて正六角形で表すこ
ととし、対象とする移動機を白で示している。また、こ
の移動機が属しているセルを灰色で示している。移動通
信セルラ方式では、同一チャネル干渉を回避するため、
同一の周波数を隣接セルで利用せず、距離を離して繰り
返し利用している。しかしながら、同一の周波数をすべ
てのセルで利用することができれば周波数利用効率を飛
躍的に改善することができる。図10のような19セル
モデルで同一の周波数をすべてのセルで利用することを
仮定した場合には、対象とする移動機が属している自セ
ル以外の18セル内の基地局または移動機の信号が干渉
となる。また、同一セル内で同一周波数に複数のユーザ
を多重化している場合(多重化数M≧1)には、対象と
する移動機が属している自セル内で多重化されている信
号も干渉となる。周波数ダイバーシチ通信方式で用いる
非線形干渉キャンセラで、これらの18セル内および自
セル内の同一周波数を用いるすべての干渉波をキャンセ
ルするように設定したとき、干渉キャンセラにおける演
算量が飛躍的に増大し、回路規模および処理時間が大き
くなる。このため、特に回路規模や消費電力の点で制約
の多い移動機では、ハードウェアの実現が困難で、周波
数ダイバーシチ通信方式をセルラ方式に適用することが
できなくなる。
【0008】本発明は、このような背景に行われたもの
であり、干渉キャンセラにおける演算量を低減すること
ができる周波数ダイバーシチ通信方式を提供することを
目的とする。本発明は、干渉キャンセラの回路規模を低
減することができる周波数ダイバーシチ通信方式を提供
することを目的とする。本発明は、干渉キャンセラの処
理時間を短縮することができる周波数ダイバーシチ通信
方式を提供することを目的とする。本発明は、周波数ダ
イバーシチ通信方式をセルラ方式に適用することができ
る移動通信方式を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレーニング
区間において受信電力の比較を行い、この結果に基づき
干渉キャンセラでキャンセルする干渉波の数を制限する
ことを特徴とする。従来の技術とはトレーニング区間で
受信電力測定比較回路により干渉波の受信電力の比較を
行い、干渉波選択回路により干渉キャンセラでキャンセ
ルする干渉波を選択する点が異なる。
【0010】すなわち、本発明の第一の観点は、トレー
ニング信号を含むシンボル系列の1シンボルをK個(K
=2,3,…)のチップに分割し符号化された符号化チ
ップ信号を出力する符号化回路と、K種類の周波数のキ
ャリア信号を出力するキャリア生成回路と、前記符号化
チップ信号のK個のチップによりこのK種類のキャリア
信号をそれぞれ変調し1シンボルあたりK個のチップ変
調波を時系列的に送出する送信部とを備えた送信機と、
このチップ変調波に対するK個の複素包絡線信号を抽出
する準同期検波回路と、前記トレーニング信号によりチ
ャネル同定を行いそのチャネル同定結果にしたがってこ
の複素包絡線に含まれる干渉波成分を除去しシンボルを
判定する復調部とを備えた受信機とを備えた周波数ダイ
バーシチ通信方式である。
【0011】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記復調部は、トレーニング区間で希望波および複数の干
渉波のトレーニング信号によりこの希望波および複数の
干渉波の受信電力をそれぞれ測定しこの複数の干渉波相
互間の受信電力レベルおよび複数の干渉波の受信電力レ
ベルと希望波の受信電力レベルとを比較する受信電力測
定比較回路と、この受信電力測定比較回路により測定さ
れた干渉波相互間の受信電力レベルの高い一以上の干渉
波を選択してこれを除去すべき干渉波とする干渉波選択
回路とを備えるところにある。これにより、干渉キャン
セラにおける演算量、回路規模を低減し、処理時間を短
縮することができる。
【0012】本発明の第二の観点は、このダイバーシチ
通信方式を基地局および移動機に備えた移動通信方式で
ある。この移動通信方式は、例えば、多数の基地局が距
離間隔を設けて配置され一つの基地局が一つのセルを構
成する移動通信方式である。
【0013】ここで、本発明の特徴とするところは、前
記隣接するセルには前記トレーニング信号の異なるパタ
ーンが割当てられ、しかも、このトレーニング信号の同
一パターンが距離の離れたセルに繰り返し割当てられる
ところにある。
【0014】この移動通信方式において、前記基地局お
よび前記移動機には、前記受信電力測定比較回路により
測定された希望波の受信電力レベルにしたがって前記送
信機に送信電力制御信号を通信相手側に送信する手段を
備え、前記移動機および基地局には通信相手側から受信
されるこの送信電力制御信号にしたがって自己の送信電
力を制御する手段を備える構成とすることもできる。
【0015】この移動通信方式において、前記基地局お
よび前記移動機は、送信すべきデータのないバースト信
号のタイミングではトレーニング信号の送信タイミング
を含めて送信電力を低減させる手段を含み、前記移動機
および前記基地局は、バースト信号のタイミングにトレ
ーニング信号が到来しないときにそのバースト信号のタ
イミングの残り時間にわたり受信機の少なくとも一部回
路の電源を停止させる手段を含む構成とすることもでき
る。これにより、移動機における電池の消耗を低減させ
ることができる。
【0016】多数の基地局が距離間隔を設けて配置され
一つの基地局が一つのセルを構成する前記移動通信方式
において、この多数のセル間では前記符号化回路の符号
として同一の拡散コードを用いることができる。
【0017】ここで、拡散コードとは、例えば、スペク
トル拡散通信においては情報信号帯域幅よりビット速度
の速いディジタル符号系列により搬送波を変調する。こ
こで用いるディジタル符号系列を拡散コードという。拡
散コードとしては、例えば、PN符号が用いられる。
【0018】多数の基地局が距離間隔を設けて配置され
一つの基地局が一つのセルを構成する前記移動通信方式
において、前記基地局には、複数N個のアンテナを設
け、この複数N個のアンテナについて同一の情報を互い
にほぼ直交する拡散コードを用い、前記移動機の復調器
には、この複数N個のアンテナから送信されたチップ変
調波について合成しシンボル判定を行う手段を含む構成
とすることもできる。これにより、空間ダイバーシチを
併用しより伝送品質を向上させることができる。
【0019】ここで、直交とは、符号系列がk=1 to K Σhm,k * m,k =1k=1 to K Σhm,k * m',k=0 の正規直交条件を満たすものをいう。ただし、Kチップ
からなるM種類の符号系列があるときに、m番目(m=
1,2,…,M)の符号系列におけるk番目(k=1,
2,…,K)のチップをhm,k と表し、*は複素共役を
表す。また、m≠m’とする。
【0020】多数の基地局が距離間隔を設けて配置され
一つの基地局が一つのセルを構成する前記移動通信方式
において、隣接する基地局では、同一の情報を互いにほ
ぼ直交する拡散コードを用い、前記移動機の復調器に
は、この複数の基地局アンテナから送信されたチップ変
調波について合成しシンボル判定を行う手段を含む構成
とすることもできる。
【0021】また、多数の基地局が距離間隔を設けて配
置され一つの基地局が一つのセルを構成する前記移動通
信方式において、一つの移動機から送信されたチップ変
調波を複数の基地局で受信し合成してシンボル判定を行
う手段を含む構成とすることもできる。これにより、セ
ル間を移動する移動機において、切れ間のないセル切替
えを上り下りの両方の通信回線について行うことができ
る。
【0022】以上により、周波数ダイバーシチ通信方式
をセルラ方式に適用することができる。
【0023】
【作用】受信電力測定比較回路の測定結果に基づいて干
渉波選択回路により干渉波を選択しているため、キャン
セルする必要のない干渉波についてはキャンセル動作を
行わない。このため、干渉キャンセラでキャンセルする
干渉波の数が限定される。
【0024】同一のトレーニング信号系列を場所的に繰
り返し利用できる。希望波の受信電力に応じて送信電力
制御が行われるため、希望波の受信電力が一定化され
る。
【0025】音声の有無に応じてバースト毎に送信電力
レベルを制御するため、音声のない部分では送信がOF
Fとなると共に受信機においても動作をOFFとするこ
とができる。
【0026】セル間で同一の拡散コードを用いることが
できる。基地局の複数本のアンテナから送信された信号
を移動機で合成するため、ダイバーシチ効果を得ること
ができる。
【0027】ソフトハンドオフにより、セル境界付近に
位置する移動機で複数の基地局からの信号を受信し合成
するため、ダイバーシチ効果が得られる。
【0028】ソフトハンドオフによりセル境界付近に位
置する1つの移動機からの信号を複数の基地局で受信し
合成するため、ダイバーシチ効果が得られる。
【0029】ここで、ソフトハンドオフとは、移動機が
いま所属している無線ゾーンから隣接する無線ゾーンに
移動するとき、その境界点で急激に次に管轄する基地局
に無線回線を切替えるのではなく、現在、管轄している
基地局と次に管轄する基地局とがオーバーラップ部分を
つくりながら円滑に無線回線を切替えることをいう。
【0030】
【実施例】
(第一実施例)本発明第一実施例の構成を図1を参照し
て説明する。図1は本発明第一実施例の送信機および受
信機のブロック構成図である。
【0031】本発明は、トレーニング信号を含むシンボ
ル系列の1シンボルをK個(K=2,3,…)のチップ
に分割し符号化された符号化チップ信号を出力する符号
化回路1と、K種類の周波数のキャリア信号を出力する
キャリア生成回路2と、前記符号化チップ信号のK個の
チップによりこのK種類のキャリア信号をそれぞれ変調
し1シンボルあたりK個のチップ変調波を時系列的に送
出する送信部3とを備えた送信機と、このチップ変調波
に対するK個の複素包絡線信号を抽出する準同期検波回
路4と、前記トレーニング信号によりチャネル同定を行
いそのチャネル同定結果にしたがってこの複素包絡線に
含まれる干渉波成分を除去しシンボルを判定する復調部
5とを備えた受信機とを備えた周波数ダイバーシチ通信
方式である。
【0032】ここで、本発明の特徴とするところは、復
調部5は、トレーニング区間で希望波および複数の干渉
波のトレーニング信号によりこの希望波および複数の干
渉波の受信電力をそれぞれ測定しこの複数の干渉波相互
間の受信電力レベルおよび複数の干渉波の受信電力レベ
ルと希望波の受信電力レベルとを比較する受信電力測定
比較回路6と、この受信電力測定比較回路6により測定
された干渉波相互間の受信電力レベルの高い一以上の干
渉波を選択してこれを除去すべき干渉波とする干渉波選
択回路7とを備えるところにある。
【0033】本実施例では、このダイバーシチ通信方式
を基地局および移動機に備えた移動通信方式に実施した
場合について説明する。多数の基地局が距離間隔を設け
て配置され一つの基地局が一つのセルを構成する。
【0034】本発明第一実施例では、受信される総数N
I 波の干渉波の中で受信電力の大きい方からNC 波(N
C <NI )のみキャンセルし、他の干渉波については、
熱雑音と同等に扱うこととする。例えば、移動機が図1
0(a)で示したような場所に位置するとき、平均的に
は灰色のセル内の基地局からの希望波、およびそれに隣
接する移動機に近い基地局からの干渉波はより強く受信
され、周囲にある遠い基地局からの干渉波の受信電力は
小さくなる。すなわち、干渉波の強さは様々であり、す
べての干渉波についてキャンセルを行う必要はない。こ
のため、これらの受信電力の小さい干渉波を熱雑音とみ
なし、受信電力の大きい干渉波のみキャンセルすればよ
い。例えば、各セルの同一周波数への多重化数Mを1と
すると、図10(b)のモデルではNI =18となる。
このとき図9に示した非線形キャンセラの最尤推定回路
MLSEで考慮する状態数は418となり、莫大な演算量
となる。これに対して、例えば、NC =3と設定する
と、状態数は43 となり、演算量を大幅に削減できる。
上記の説明は図10(a)の下り伝送路についてである
が、図10(b)の上り伝送路でも同様の考え方により
実施できる。
【0035】以上のことを実施するため、本発明第一実
施例の受信機の受信電力測定比較回路6では、受信電力
が相対的に大きい干渉波をトレーニング信号区間で選択
している。まず、トレーニング信号区間においては、受
信される希望波およびすべての干渉波のトレーニング信
号を用いて各々チャネル同定を行う。ただし、トレーニ
ング信号区間のシンボルパターンについては希望波だけ
でなく干渉波についてもすべて既知とする。この過程で
干渉波の各々の伝搬路変動に対応する複素重みベクトル
wk(i)が決定される。これらのベクトルの大きさを
干渉波毎に求め、大きさを比較することにより、干渉波
の受信電力の大きさを比較することができる。この結
果、トレーニング信号区間で受信電力の大きい干渉波を
選択することが可能となる。データ信号区間では、希望
波および選択された干渉波のトレーニング信号のみを用
いてチャネル同定を行い、干渉波キャンセルを行う。こ
れにより、演算量を抑えながら、効果的に干渉キャンセ
ルが行える。また、伝搬路の変動が遅いときには、ある
一定の数のバーストにおける比較結果を平均すれば、よ
り正確に干渉波の受信電力の比較を行うことができる。
【0036】トレーニング信号のパターンはトレーニン
グ信号区間のシンボル数がNS シンボルのとき2NS種類
ある。本発明第一実施例では、この中からパターンを選
択して使用する。選択方法としては、互いに直交または
擬似直交するようにパターンを選択すれば、希望波と干
渉波の伝送路推定を精度良く行える。また、トレーニン
グ信号については、例えば各セルに固定的パターンを割
当てれば、受信機で希望波だけでなく干渉波のトレーニ
ング信号パターンについても知ることが容易になる。
【0037】本発明第一実施例で、トレーニング信号区
間における演算量をさらに削減するためには、受信電力
測定比較回路6において、比較を行う干渉波について隣
接セルからの干渉波に限定することが考えられる。すな
わち、伝搬路推定を行うトレーニング信号のシンボルパ
ターンの種類を限定する。これにより、干渉キャンセラ
の演算量がさらに削減されることとなる。例えば、図1
0に示したセルモデルでは、各々のセルで隣接セルの数
は6となる。トレーニング信号区間における伝送路推定
をこの隣接セルからの信号に限定すれば、最尤推定回路
での状態数は46 となり、演算量を削減できる。
【0038】(第二実施例)トレーニング信号区間での
伝送路推定を精度良く行うためには、希望波および干渉
波のすべてのトレーニング信号がトレーニング信号区間
で互いに直交していることが望ましい。トレーニング信
号区間のシンボル数がNS シンボルのとき2NS種類ある
が、互いに直交するようなシンボルパターンは最大でN
S 個しか取れない。セルラ方式に適用するときには、受
信される干渉波の数が多いため、すべての干渉波に互い
に直交するシンボルパターンを割り当てるためには、ト
レーニング信号区間のシンボル数を多くしなければなら
ないという欠点が生じる。そこで、本発明第二実施例で
は、短いトレーニング信号でも正確なレベル比較を可能
とするため、トレーニング信号のシンボルパターンを繰
り返し利用している。本発明第一実施例のセルモデルで
は、隣接セル数は6セルである。このため、例えば、ト
レーニング信号のシンボルパターンを自セルも含めて7
セル単位で繰り返せば、7種類のトレーニング信号で本
発明を実施できる。トレーニング信号パターン1からパ
ターン7の繰り返しの様子を図2に示す。図2はトレー
ニング信号パターンの繰り返し状況を示す図である。
【0039】また、トレーニング信号パターンの割当て
法としては、上記のように固定的に割当てるのではな
く、直交性を基準として、各セルでの呼の発生に応じて
適応的に割り当てる方法も考えられる。例えば、1つの
セルで呼が発生し、あるパターンのトレーニング信号を
割り当てたときには、そのセルの周辺のセルでは、割り
当てたトレーニング信号パターンと直交性が悪いパター
ンについては割り当ての優先順位を下げるようにする。
【0040】この動作を各セルで繰り返し行えば、隣接
セル間では直交し、干渉波が届かないような遠いセル間
では直交性がよくないパターンも利用するように割り当
てられる。この手法では、トレーニング信号パターンの
割り当てが適応的に行われるため、あらかじめセル毎に
割り当てを行うという手間を省くことができる。
【0041】(第三実施例)移動通信では、地形や遮蔽
物の影響を受け、受信電力の短区間中央値変動は対数正
規分布となり、その変動の標準偏差は市街地で6〜7d
Bといわれている。このことは、例えば、進士昌明,
「移動通信」,丸善,1989の中で示されている。本
発明では干渉キャンセルしない干渉波については熱雑音
と同等に扱うことにより処理しているため、対数正規変
動により希望波の受信電力が大きく落ち込んだときに
は、これらのキャンセルしない干渉波の影響が相対的に
大きくなり、伝送特性の劣化を招くこととなる。そこで
本発明第三実施例では、送信電力の大きさを希望波の受
信電力が常に一定となるように制御することにより、伝
送特性の劣化を防いでいる。本発明第三実施例の送信機
および受信機のブロック構成を図3に示す。図3(a)
の送信機は符号化回路1、送信回路3およびキャリア生
成回路2からなる。また、図3(b)の受信機は準同期
検波回路4および復調部5とそれに含まれる受信電力測
定比較回路6からなる。図3(b)に示したチャネル同
定回路10では希望波および干渉波についてチャネル同
定を行っている。希望波のチャネル同定の過程で複素重
みベクトルwk(i)が決定するが、このベクトルの大
きさにより希望波の受信電力の大きさを知ることが可能
である。受信電力測定比較回路6はこの測定結果に基づ
き、送信電力の大きさを変化させる送信電力制御信号を
送信する。送信側では、この送信電力制御信号に基づ
き、送信電力の上げ下げを行う。本発明では、トレーニ
ング信号については、希望波と干渉波で直交するように
設定しているため、希望波の受信電力をバースト単位で
正確に測定できる。上述した方法はトレーニング信号と
データ信号からなるバースト単位で送信電力制御を行う
方法であるが、もちろん、複数のバーストにおける結果
を平均し、平均した受信電力に基づいて制御を行うこと
も可能である。また、上記の説明では送信電力制御につ
いては希望波の受信電力を一定としていたが、希望波と
干渉波の電力比が常に一定となるように制御する方法も
考えられる。また、実用的には送信電力がある一定以上
大きくならないように制御することも必要である。
【0042】また、移動通信の伝搬では、受信電力の大
きさは伝搬距離の3〜4乗に反比例することがわかって
いる。このことは、例えば、進士昌明,「移動通信」,
丸善,1989の中で示されている。このため、送信電
力を制御しないときには、基地局から離れた移動機と通
信を行うと、受信電力が小さくなり、伝送特性が劣化す
る。そこで、この距離に応じた電力の減衰に対しても送
信電力を制御すれば伝送特性の劣化が防げる。この制御
については上記の対数正規変動と同様に実施でき、ま
た、対数正規変動と同時に制御することも可能である。
【0043】(第四実施例)音声を伝送するとき、すべ
ての時間が有音ではなく、無音の区間が多く発生してい
る。一般的に送信信号における有音区間の割合は平均的
には35〜40%といわれている。本発明第四実施例で
は、このような無音区間での送信電力を“0”または十
分小さくし、同一チャネルで同時に送信しているユーザ
数を等価的に減少させている。本発明第四実施例の送信
機および受信機のブロック構成を図4に示す。本発明第
四実施例の送信機では、無音区間と判定された部分で
は、送信をOFFとする。これにより同時に通信を行っ
ているユーザ数が減ったことと等価となる。例えば、有
音区間が50%とすると、平均的には同一チャネルで同
時に送信しているユーザ数が1/2になることと等価で
ある。本発明では、復調手段で干渉キャンセルを行って
いるが、同時に同一チャネルを利用するユーザ数が減る
ことは、キャンセルすべき干渉波数が減ることとなり、
伝送特性が改善され、またキャンセル時の処理量を減少
できる。また、本発明第一実施例で示したように、キャ
ンセル数を限定するときには、キャンセルせずに熱雑音
とみなす干渉波の数が減り、この結果、伝送特性が向上
する。例えば、図10に示したセルモデルで多重化数M
=1としたときには、干渉波数N1 =18となる。この
ときキャンセル数NC =3とすると、熱雑音とみなす干
渉波の数は15となる。これに対して、無音区間を50
%とすれば、平均的には同時に存在する干渉波の数はN
1 =9となり、NC =3とすれば熱雑音とみなす干渉波
数は6となる。この結果、熱雑音とみなす干渉波数が半
分以下となり、大幅に伝送特性が向上する。
【0044】また、本発明第四実施例の受信機では、本
発明第三実施例と同様にトレーニング信号区間で希望波
の受信電力を測定する。このとき希望波の受信電力が
“0”とみなせるときには、無音区間であると判定し、
以後のデータ区間での復調動作を停止する。このため、
無音区間では復調動作を行うのはトレーニング区間のみ
であるため、消費電力の低減が図れる。
【0045】(第五実施例)図9に示した非線形キャン
セラでは、、希望波と干渉波の伝搬路が互いに独立であ
るときには、拡散コードが同一でもキャンセルすること
ができる。そこで、本発明第五実施例では、符号化回路
1で用いる符号として、すべてのセルで同一の符号を利
用することとしている。従来の干渉キャンセルを用いな
いCDMA方式では、各セル内およびセル間で各ユーザ
の信号が直交するように拡散コードの割り当てを行って
きたが、本発明ではこれが不要となる。ただし、セル内
の下り伝送路で、複数ユーザの信号を同一チャネルに多
重化するとき、すなわち多重化数M>1のときには、こ
れら多重化した信号の伝搬路がすべて等しくなる。この
ため、セル内で同一チャネルに多重化された信号を同一
コードで符号化したとき、非線形キャンセラでは多重化
された信号を分離できない。このときには、互いに直交
する拡散コードを用いて信号を多重化すれば、非線形キ
ャンセラで伝搬路が等しいときでも多重化された信号を
分離することが可能となる。
【0046】(第六実施例)移動通信では、フェージン
グ条件での伝送特性の改善のため、受信アンテナを複数
本用いる空間ダイバーシチを行っている。しかしなが
ら、移動機、特に携帯電話機の小型化のためにはアンテ
ナは1本であることが望ましい。そこで本発明第六実施
例では基地局からの下り伝送においては複数本の送信ア
ンテナを用いて送信する送信ダイバーシチを行うことと
する。これにより、移動機では、1本のアンテナでダイ
バーシチ効果を得ることができる。本発明第六実施例の
全体構成を図5に示す。本発明第六実施例の送信機のブ
ロック構成を図6に示す。図5ではアンテナを2本とし
ている。図6に示すように、基地局の符号化回路1では
同一のシンボル系列を異なる拡散符号を用いて符号化す
る。このときの符号については互いに直交していること
が望ましい。これらの符号化チップ信号を別々に変調
し、別々のアンテナで送信する。受信機ではこれらの2
つのアンテナからの信号について伝送路推定を行い、通
常の受信アンテナによるダイバーシチと同様に合成す
る。このとき、送信用の2本のアンテナを空間的に離す
ことにより伝搬路をほぼ独立にすることができるため、
受信機では2つの信号を合成することによりダイバーシ
チ効果が得られる。
【0047】送信ダイバーシチを行ったとき、送信電力
を一定とすると、送信アンテナをL本使用したときに
は、アンテナ1本当たりの送信電力はアンテナが1本の
ときと比較して1/Lとなる。このため受信時のCN比
が劣化する。しかしながら、本発明では、同一周波数を
すべてのセルで繰り返し利用するため、同一チャネル干
渉による特性劣化が支配的であり、CN比の劣化による
伝送特性への影響は少ない。一方、移動機からの上り伝
送では、基地局に複数本の受信アンテナを設置すること
によりダイバーシチ効果を得ることとする。以上のこと
により、移動機のアンテナを1本にすることができる。
【0048】(第七実施例)本発明第七実施例では、ソ
フトハンドオフを行うことにより伝送特性の向上を図っ
ている。下り伝送路でのソフトハンドオフの様子を図7
に示す。移動機が自分が属しているセルの基地局に比較
的近いときには、図7(a)に示すように移動機は自セ
ルの基地局と通信を行う。この移動機が移動し、自セル
の境界付近に位置するようになったときには、図7
(b)に示すように移動していくセルの基地局からも、
希望信号を送ってもらうこととする。さらに、その移動
機が自セルからもう一方のセルに移動したときには、図
7(c)に示すように移動機が移動したセルの基地局と
のみ通信する。通常、図7(b)に示すようなセル境界
付近に移動機が位置するときには、他のセルからの干渉
波が強くなるため伝送特性が劣化するが、複数の基地局
と通信を行うことにより、このようなダイバーシチ効果
が得られ、伝送特性が改善される。第七実施例の受信機
では、移動機が現在属している自セルと、自セルの周辺
の基地局からの信号について、その受信電力を比較して
いる。この比較についてはすべての周辺基地局の信号系
列が既知で、かつ、互いに直交するように設定すれば、
第一実施例と同様に行うことができる。すなわち、本発
明の復調手段では、自局の信号だけでなく、他局の信号
についても伝送路推定を行う機能があるため、精度よく
比較を行うことができる。この比較の結果、自局の信号
と周辺局の信号の受信電力の差がある一定範囲であれ
ば、図7(b)に示すように2局と通信することとす
る。このソフトハンドオフを行う受信電力の差の範囲に
ついては、セル内でどの程度の割合でソフトハンドオフ
を行うかによって決定される。受信電力の差の範囲を広
くすれば、ソフトハンドオフを行う面積が増え、逆に受
信電力の差の範囲を狭くすれば、ソフトハンドオフを行
う面積が減る。2つの基地局からは同一のシンボル系列
が伝送される。ただし、異なる拡散コードで符号化され
ている。2つの基地局は十分離れているので、伝送路は
独立とみなせる。移動機の受信機ではこれらの2つの信
号を合成することによりダイバーシチ効果を得ている。
【0049】上り伝送路でも同様の考え方でソフトハン
ドオフが行える。このときには移動機の信号を2つ以上
の基地局で受信し、この2つ以上の基地局で受信された
信号を合成することによりダイバーシチ効果が得られ
る。ただし、このような上り伝送路では、2つまたはそ
れ以上の基地局を総括する制御局20が必要となり、こ
の制御局20で移動機からの受信信号の受信電力の比較
と受信信号の合成が行われる。
【0050】本発明の周波数ダイバーシチ通信方式で
は、1キャリア当たりの多重化数Mが多くないため、移
動機がセル間を移動したときに、必ずしもソフトハンド
オフ用にチャネルが空いているとは限らない。そこで、
ソフトハンドオフを行うとき、移動機が移動するセルの
同一周波数のチャネルにおいて、直交コードを用いて多
重化することにより、ソフトハンドオフチャネルを確保
する方法が考えられる。直交コードは、kチップの信号
ではk個生成することができる。そこで、通常のセル内
での利用では、多重化数Mはチップ数Kに対して、M<
Kの関係にあるように値を設定し、(K−M)チャネル
分をソフトハンドオフに使用することとする。
【0051】また、ソフトハンドオフチャネルを確保す
る手段として、1つの移動機が複数の受信機を持つこと
が考えられる。即ち、移動機が移動していくセルにおい
て、同一周波数のチャネルが確保できないときでも、周
波数の違うチャネルであれば確保できることがある。こ
のため、受信機を複数個持ち、周波数の違うチャネルを
同時に受信すればソフトハンドオフを行うことができ
る。
【0052】ソフトハンドオフを行うときには、移動機
は2つまたはそれ以上の基地局と送受信を行うため、1
ユーザが2チャネル分またはそれ以上を利用することと
なる。このためソフトハンドオフを行っているユーザに
対する送信電力が増加する。この送信電力の増加は結果
的にソフトハンドオフを行っていない他のユーザに対す
る干渉電力の増加となり、このため他のユーザの伝送特
性が劣化する。そこで、ソフトハンドオフを行うときに
は送信電力を低減すれば、他のユーザに与える影響も低
減できる。送信電力を低減したとき、伝送特性が劣化す
るが、ソフトハンドオフによるダイバーシチ効果により
伝送特性が向上するため、トータル的に伝送特性を向上
させるように送信電力低減量を設定することは可能であ
る。以上説明した方法により、他のユーザに与える影響
の小さいソフトハンドオフが実現できる。
【0053】(その他)以上の各実施例において説明し
た各発明方法は、全て、またはそれらの一部を組み合わ
せて実施することもできる。
【0054】すなわち、本発明第一〜第六実施例によれ
ば、トレーニング信号として、同一符号系列をある一定
の距離以上離れた場所で繰り返し利用するため、少ない
種類のトレーニング符号系列で移動通信セルラ方式を構
成することが可能となる。このため、短いトレーニング
信号でも隣接セル間で直交させることができる。
【0055】送信電力制御により希望波の受信電力が一
定化され、干渉波の影響を低減することができる。この
結果、伝送特性が改善される。
【0056】音声の有無に応じて送信電力レベルを制御
することにより、希望波に対する干渉波の電力が平均的
に低減され、伝送特性が改善される。また、送信機の消
費電力を低減できる。また、送信OFF時に復調をOF
Fすることにより、受信機の消費電力も低減できる。セ
ル間で同一の拡散コードを用いることにより、セル毎の
コードの割当てが不要となる。
【0057】送信ダイバーシチを用いることにより、移
動機のアンテナを1本にすることができ、移動機の小型
化を行える。
【0058】ソフトハンドオフを行うことによりダイバ
ーシチ効果が得られるため、セル境界付近の移動機に対
する伝送特性が改善する。
【0059】以上により、周波数利用効率および伝送特
性の優れた周波数ダイバーシチ通信方式を具体的に構成
することができ、また、この方式で用いる携帯機器の実
現が容易になる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
干渉キャンセラにおける演算量および回路規模を低減す
ることができる。干渉キャンセラの処理時間を短縮する
ことができる。周波数ダイバーシチ通信方式をセルラ方
式に適用することができる移動通信方式を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の送信機および受信機のブロ
ック構成図。
【図2】トレーニング信号パターンの繰り返し状況を示
す図。
【図3】本発明第三実施例の送信機および受信機のブロ
ック構成図。
【図4】本発明第四実施例の送信機および受信機のブロ
ック構成図。
【図5】本発明第六実施例の全体構成図。
【図6】本発明第六実施例の送信機のブロック構成図。
【図7】下り伝送路でのソフトハンドオフの様子を示す
図。
【図8】周波数ダイバーシチ通信方式の送信機および受
信機のブロック構成図。
【図9】周波数ダイバーシチ通信方式の干渉キャンセラ
のブロック構成図。
【図10】移動通信方式のセルモデルを示す図。
【符号の説明】
1 符号化回路 2 キャリア生成回路 3、31 、32 送信部 4 準同期検波回路 5 復調部 6 受信電力測定比較回路 7 干渉波選択回路 10 チャネル同定回路 20 制御局

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレーニング信号を含むシンボル系列の
    1シンボルをK個(K=2,3,…)のチップに分割し
    符号化された符号化チップ信号を出力する符号化回路
    と、K種類の周波数のキャリア信号を出力するキャリア
    生成回路と、前記符号化チップ信号のK個のチップによ
    りこのK種類のキャリア信号をそれぞれ変調し1シンボ
    ルあたりK個のチップ変調波を時系列的に送出する送信
    部とを備えた送信機と、 このチップ変調波に対するK個の複素包絡線信号を抽出
    する準同期検波回路と、前記トレーニング信号によりチ
    ャネル同定を行いそのチャネル同定結果にしたがってこ
    の複素包絡線に含まれる干渉波成分を除去しシンボルを
    判定する復調部とを備えた受信機とを備えた周波数ダイ
    バーシチ通信方式において、 前記復調部は、トレーニング区間で希望波および複数の
    干渉波のトレーニング信号によりこの希望波および複数
    の干渉波の受信電力をそれぞれ測定しこの複数の干渉波
    相互間の受信電力レベルおよび複数の干渉波の受信電力
    レベルと希望波の受信電力レベルとを比較する受信電力
    測定比較回路と、 この受信電力測定比較回路により測定された干渉波相互
    間の受信電力レベルの高い一以上の干渉波を選択しこれ
    を除去すべき干渉波とする干渉波選択回路とを備えたこ
    とを特徴とする周波数ダイバーシチ通信方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のダイバーシチ通信方式を
    基地局および移動機に備えた移動通信方式。
  3. 【請求項3】 多数の基地局が距離間隔を設けて配置さ
    れ一つの基地局が一つのセルを構成する請求項2記載の
    移動通信方式において、 前記隣接するセルには前記トレーニング信号の異なるパ
    ターンが割当てられ、しかも、このトレーニング信号の
    同一パターンが距離の離れたセルに繰り返し割当てられ
    ることを特徴とする移動通信方式。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の移動通信方式において、 前記基地局および前記移動機には、前記受信電力測定比
    較回路により測定された希望波の受信電力レベルにした
    がって前記送信機に送信電力制御信号を通信相手側に送
    信する手段を備え、前記移動機および基地局には通信相
    手側から受信されるこの送信電力制御信号にしたがって
    自己の送信電力を制御する手段を備えたことを特徴とす
    る移動通信方式。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の移動通信方式において、 前記基地局および前記移動機は、送信すべきデータのな
    いバースト信号のタイミングではトレーニング信号の送
    信タイミングを含めて送信電力を低減させる手段を含
    み、前記移動機および前記基地局は、バースト信号のタ
    イミングにトレーニング信号が到来しないときにそのバ
    ースト信号のタイミングの残り時間にわたり受信機の少
    なくとも一部回路の電源を停止させる手段を含むことを
    特徴とする移動通信方式。
  6. 【請求項6】 多数の基地局が距離間隔を設けて配置さ
    れ一つの基地局が一つのセルを構成する請求項2記載の
    移動通信方式において、 この多数のセル間では前記符号化回路の符号として同一
    の拡散コードを用いることを特徴とする移動通信方式。
  7. 【請求項7】 多数の基地局が距離間隔を設けて配置さ
    れ一つの基地局が一つのセルを構成する請求項2記載の
    移動通信方式において、 前記基地局には、複数N個のアンテナを設け、この複数
    N個のアンテナについて同一の情報を互いにほぼ直交す
    る拡散コードを用い、 前記移動機の復調器には、この複数N個のアンテナから
    送信されたチップ変調波について合成しシンボル判定を
    行う手段を含むことを特徴とする移動通信方式。
  8. 【請求項8】 多数の基地局が距離間隔を設けて配置さ
    れ一つの基地局が一つのセルを構成する請求項2記載の
    移動通信方式において、 隣接する基地局では、同一の情報を互いにほぼ直交する
    拡散コードを用い、 前記移動機の復調器には、この複数の基地局アンテナか
    ら送信されたチップ変調波について合成しシンボル判定
    を行う手段を含むことを特徴とする移動通信方式。
  9. 【請求項9】 多数の基地局が距離間隔を設けて配置さ
    れ一つの基地局が一つのセルを構成する請求項2記載の
    移動通信方式において、 一つの移動機から送信されたチップ変調波を複数の基地
    局で受信し合成してシンボル判定を行う手段を含むこと
    を特徴とする移動通信方式。
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