JPH0880181A - 果実の種子抜き装置 - Google Patents

果実の種子抜き装置

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JPH0880181A
JPH0880181A JP25262694A JP25262694A JPH0880181A JP H0880181 A JPH0880181 A JP H0880181A JP 25262694 A JP25262694 A JP 25262694A JP 25262694 A JP25262694 A JP 25262694A JP H0880181 A JPH0880181 A JP H0880181A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 果実から種子を抜き取る。 【構成】 間欠回転する回転板3上の下部保持部材4
と、下動する上部保持部材25とにより果実を挟み、収
納筒22が上部保持部材25を貫通して果実内に侵入す
る。押出しカッター11が上動して、果実内の種子を押
し上げ、収納筒22内に押し込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は梅,桃、ぐみなどの果実
から種子を抜き取る種子抜き装置に関する。
【0002】
【従来の技術】果実を切断、分割あるいは破砕すること
なく、種子を抜き取ることは果実の元の形状を保つこと
ができ、その商品価値が増大する。特開平3−6757
4号公報には、この種子抜き装置が記載されている。図
12および図13はこの従来の種子抜き装置を示し、果
実100を1個ずつ上下から挟んで保持するカップ状の
保持皿110、120と、果実100の一側の側方に配
置された刃体130と、刃体130の反対側の側方に配
置された管状の吸引部材140とを備えている。刃体1
30は水平方向に移動して果実内に喰い込む。吸引部材
140は先端部に刃部150が形成されており、その水
平移動により果実100に切り込みを形成する。
【0003】かかる種子抜き装置は吸引部材140が進
出して、果実100内に侵入し、その刃部150が種子
105に達し、この状態で刃体130が果実100内に
侵入して、種子105を吸引部材140方向に幾分、押
し出すように作動する。吸引部材140は減圧ポンプ1
60に連結されており、その減圧による吸引力で種子1
05を吸引する。この吸引状態で、吸引部材140が果
実100内から退出することにより、種子105が果実
100から抜き取られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の種
子抜き装置では、保持皿110、120が1個ずつ果実
100を保持して種子の抜き取りを行うため、単位時間
内での処理量に限界があり、大量処理ができない問題が
あった。また、保持皿110、120が上下方向の運動
を行うのに対し、刃体130および吸引部材140が左
右方向の運動を行うため、作動方向が複雑で、これによ
り装置全体の構造が複雑となるばかりでなく、作動のた
めのスペースも広く必要となっていた。
【0005】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、単位時間当たりの処理量を増大でき、しかも構
造が簡単で、スペースの削減ができる新たな種子抜き装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、果実が載置される下部保持部材が等
間隔で配置され間欠回転駆動する回転板と、果実を圧壊
しない押圧力で果実を下部保持部材との間で挟み込む上
下動自在な上部保持部材と、前記下部保持部材を貫通す
るように上下動し、上動により種子全体が果実から抜け
出るように押し出す押出しカッターと、果実に上面から
切り込みを形成するための刃部を下端部に有し、果実か
ら押し出された種子が押し込まれる収納筒とを備えてい
ることを特徴とする。
【0007】また、請求項2の発明は、果実が載置され
る下部保持部材が等間隔で配置され間欠回転駆動する回
転板と、種子の通過穴を有し果実を圧壊しない押圧力で
果実を下部保持部材との間で挟み込む上下動自在な上部
保持部材と、前記下部保持部材を貫通するように上下動
し、上動により種子の一部を果実から押し出す押出しカ
ッターとを備えていることを特徴とする。
【0008】
【作用】請求項1の発明における回転板はそれぞれの下
部保持部材に果実がセットされた状態で間欠的に回転す
る。この回転で一の下部保持部材が上部保持部材との対
向位置に達したとき、上下の保持部材が果実を保持し、
この保持状態で、収納筒の刃部が果実に切り込む。そし
て押出しカッターが下部保持部材を貫通しながら上動
し、種子を収納筒に押し込む。その後、上下の保持部材
の保持状態で押出しカッターが果実内から退出すると共
に、収納筒も退出して種子の抜き取りが終了する。この
構成では回転板の回転に伴って種子の抜き取りが所定の
タイミングで行われるため、単位時間当りの処理量が増
大する。また、各部材が上下方向の運動を行うだけであ
り、構造が簡単となり、設置スペースも小さくなる。
【0009】請求項2の発明も、処理量が増大すると共
に、上下方向の運動のため構造が簡単となる。この発明
における押出しカッターは種子の一部を果実から押し出
すだけであり、果実には種子が付いたままとなってお
り、手作業で種子を果実から取り除く。従って、種子が
押し込まれる収納筒が不要となり、構造がさらに簡単と
なる。
【0010】
【実施例】図1ないし図3は本発明の一実施例の全体構
成を示す。基台1から回転軸2が上方に延び、この回転
軸2に円板形状の回転板3が取り付けられている。この
回転板3の8等分位置にはプラスチックにより成形され
た下部保持部材4が配置されている。回転板3の回転軸
2は基台1内に設けられたモータ5にゼネバ機構を介し
て連結されており、モータ5の駆動により360°/8
の回転角度毎に間欠的に回転する。この間欠回転により
下部保持部材4が同一円周上を順次、移動する。
【0011】各下部保持部材4には梅、桃などの果実が
落とし込み状態でセットされる凹部6が形成されてい
る。また、各下部保持部材4と対応した回転板3の下面
には押し上げ部材7が取り付けられている。押し上げ部
材7は回転板3に取り付けられる筒状ブラケット8に上
下動自在に挿入された押出しロッド9と、この押出しロ
ッド9が押し下げられるように付勢するばね10とを有
しており、押出しロッド9の上端部には果実内から種子
を押し出す押出しカッター11が一体的に形成されてい
る。押出しカッター11は十字形状に成形されており、
押出しロッド9の上動で下部保持部材4を貫通して果実
内に侵入する。このため下部保持部材4の凹部6の底面
には、図4に示すように、押出しカッター11と同形状
の貫通スリット12が形成されている。かかる押出しロ
ッド9の上動は回転板3の回転で押出しステーション1
3に位置したときに行われる。
【0012】この押出しステーション13は図2に示す
ように、後述する押下げ機構20の真下に位置するよう
に基台1上に配置されている。また押出しステーション
13はリンク14を介して、押出し用シリンダ15に連
結されており、押出し用シリンダ15の作動により、上
動して押出しロッド9を突き上げる。
【0013】基台1の所定位置には支持ポスト16が立
設されると共に、この支持ポスト16に支持プレート1
7が掛け渡され、この支持プレート17に押下げ機構2
0が取り付けられている。押下げ機構20は支持プレー
ト17に立設状に取り付けられた押下げ用シリンダ18
の駆動により、全体が上下動する。
【0014】この押下げ機構20は図1に示すように、
押下げ用シリンダ18のピストンロッド18aに連結さ
れたアッパープレート21と、このアッパープレート2
1から垂下する収納筒22と、支持プレート17に上下
動自在に取り付けられると共にアッパープレート21を
取り付けるガイドロッド23と、このガイドロッド23
の下端部に掛け渡し状に取り付けられたロアプレート2
4と、ロアプレート24の下面に設けられた上部保持部
材25とを備えている。上部保持部材25は回転板3上
の下部保持部材4との間で果実を挟み込むものであり、
このため果実が部分的に入り込む貫通穴26が形成され
ている。収納筒22は、この上部保持部材4の貫通穴2
6と同軸上に設けられている。この収納筒22は果実か
ら抜き出された種子を内部に収納する。22aは収納筒
22の上部に形成された放出穴であり、ここから収納筒
22内の種子が放出される。また、収納筒22の下端部
には果実内に切り込むリング状の切刃27が一体的に形
成されている。この切刃27は上部保持部材25の貫通
穴26を貫通して果実の果肉内に切り込むように作動す
る。
【0015】ガイドロッド23におけるアッパープレー
ト21及びロアプレート24の間には圧力制御ばね28
が巻回されている。圧力制御ばね28は上部保持部材2
5が果実を圧壊しない程度の圧力で果実を押圧するよう
に作用するものである。29は支持プレート17を挟む
上下位置となるようにガイドロッド23に取り付けられ
たストッパであり、ガイドロッド23の上下方向の移動
量を規制する。
【0016】図5は上部保持部材25の底面を示し、中
央には収納筒22の切刃27が貫通する貫通穴26が開
口されている。この貫通穴26の内側の6等分位置には
逃げ溝25bが連通状態で形成されている。一般に梅な
どの果実が楕円形となっており、種子はこの楕円形に沿
った位置となっている。上の逃げ溝25bは、その長軸
方向で安定するように位置決めするものである。すなわ
ち同図に示すように、楕円状の果実Aの長軸方向の両端
部を一対の対向した逃げ溝25bに合わせることによ
り、種子Bが同方向に位置する。この状態で種子を抜き
取ることにより種子に付着する果肉が最も少なくなっ
て、歩留りが向上するためである。本実施例ではかかる
逃げ溝25bを6等分位置に配置しており、これにより
果実がずれてセットされた場合でも、いずれかの逃げ溝
25bが図5に示すように対応することができる。
【0017】図6は、下部保持部材4を貫通するように
上下動する押出しカッター11を示す。この押出しカッ
ター11は刃部11aが十字状に配置されており、各刃
部11aが果実内の種子を押し上げる。この刃部11a
の鉛直線に対する角度αは90゜以下の鋭角に設定され
ており、これにより果肉内への切り込みを円滑に行うこ
とができる。図7は刃部11aに対する種子Bの位置を
示す。楕円状の種子Bはその長軸および短軸が刃部11
aと一致しない交差状態となるようにセットされるのが
良好である。刃部11aと一致した場合、種子Bが割れ
易いためである。なお、押出しカッター11としては、
その刃部がY字状に配置されたものであっても、同様に
作用することができる。
【0018】次に本実施例の作動を説明する。間欠的に
回転する回転板3における下部保持部材4に図8に示す
ように、果実Aを1個ずつセットする。このセットは果
実の尖部が上方に位置するように行う。回転板3の回転
で下部保持部材4が押下げ機構20の真下に達したと
き、押下げ用シリンダ18の作動により押下げ機構20
の全体が下降する。これに上部保持部材25が果実Aに
当接して、下部保持部材4との間で果実Aを挟み込み、
固定する。また、上部保持部材25と共に、収納筒22
も下降して果実Aに臨む。
【0019】さらに押下げ用シリンダ18が作動するこ
とにより収納筒22だけが下降し、その先端の刃体27
が、上部保持部材25の貫通穴26を通って果実Aに喰
い込む。このとき、上部保持部材25は圧力制御ばね2
8により果実Aを圧壊しない状態で果実Aを押圧してい
る。一方、収納筒22の下降は上側のストッパ29が支
持プレート17に当接した時点で停止し、これにより図
9に示すように、刃体27が種子Bの近傍に位置する。
【0020】この状態で押出し用シリンダ15が駆動
し、リンク14及び押出しステーション13を介して、
押出しロッド9が上動し、同ロッド9先端の押出しカッ
ター11が下部保持部材4の貫通スリット12を貫通し
て果実A内に喰い込む。この押出しカッター11は、さ
らに上動して種子Bを押し上げる。これにより種子Bは
果肉が部分的に付着した状態で収納筒22内に押し込ま
れる。そして、上部保持部材25及び下部保持部材4が
果実Aを挟み込んだ状態で、押出しカッター11がばね
10のばね力で下降する。これに続いて、押下げ用シリ
ンダ18が反対方向に駆動して、押下げ機構20全体に
上昇方向の力が作用する。これにより図10に示すよう
に、まず収納筒22が上昇して果実から離れ、次に上部
保持部材25が果実Aから離れて元の位置に復帰し、1
サイクルが終了する。
【0021】その後、回転板3が間欠的に回転して、次
段の下部保持部材4に対して、同様な作動を行い、以
下、順次、同様な作動を繰り返す。なお、種子抜きの続
行により、収納筒22内に種子Bが蓄積されるが、これ
は放出穴22aから順次、放出されるため種子が詰まる
ことがない。
【0022】以上のような本実施例は、回転板3の回転
に伴って種子の抜き取りが行われるため、単位時間当り
の処理量が増大する。また、いずれの部材も上下方向の
移動によって種子の抜き取りを行うため、作動方向が同
一であり、構造が簡単で、制御も容易となる。
【0023】本発明では上記構成から収納筒22を省略
して種子抜き装置としても良い。この場合、収納筒22
が貫通する上部保持部材25の貫通穴26を種子の貫通
穴として用いると共に、下部保持部材4を貫通する押出
しカッター11の上昇量を、種子の一部が果実から押し
出されるように調整する。図11はこの場合の種抜きを
示し、果実に切り込みを形成した収納筒22の退出後に
種子Bは果肉が部分的に付着した状態で果実Aから押し
出されて上部保持部材25の貫通穴26に進入する。そ
して、その後、上部保持部材25が上昇することによ
り、種子Bが部分的に押し出された状態の果実Aが下部
保持部材4上に残存し、これを取り上げ手作業で種子B
を抜き取ることにより種子Bの除去が行われる。このよ
うな構成では、収納筒22が不要となるため、さらに簡
単な構造とすることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の種子抜き装置は回転板の間欠回
転に伴なって種子を自動的に抜き取るため、処理量が増
大し、大量に処理することができる。また、全ての部材
が上下方向の移動を行うだけであるため、構造が簡単と
なり、制御も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体正面図
【図2】一実施例の全体側面図
【図3】一実施例の全体斜視図
【図4】下部保持部材の斜視図
【図5】上部保持部材の底面図
【図6】押出しカッターの正面断面図
【図7】押出しカッターと種子との関係を示す平面図
【図8】作動を示す断面図
【図9】作動を示す断面図
【図10】作動を示す断面図
【図11】別の実施例の作動を示す断面図
【図12】従来装置の断面図
【図13】従来装置の作動を示す断面図
【符号の説明】
3 回転板 4 下部保持部材 11 押出しカッター 22 収納筒 25 上部保持部材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 果実が載置される下部保持部材が等間隔
    で配置され間欠回転駆動する回転板と、 果実を圧壊しない押圧力で果実を下部保持部材との間で
    挟み込む上下動自在な上部保持部材と、 前記下部保持部材を貫通するように上下動し、上動によ
    り種子全体が果実から抜け出るように押し出す押出しカ
    ッターと、 果実に上面から切り込みを形成するための刃部を下端部
    に有し、果実から押し出された種子が押し込まれる収納
    筒とを備えた果実の種子抜き装置。
  2. 【請求項2】 果実が載置される下部保持部材が等間隔
    で配置され間欠回転駆動する回転板と、 種子の通過穴を有し果実を圧壊しない押圧力で果実を下
    部保持部材との間で挟み込む上下動自在な上部保持部材
    と、 前記下部保持部材を貫通するように上下動し、上動によ
    り種子の一部を果実から押し出す押出しカッターとを備
    えた果実の種子抜き装置。
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