JPH087956Y2 - 盆栽用針金伸長器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は盆栽の幹或いは枝等に巻
き付け、後に盆栽から取り外したスパイラル状に屈曲し
た針金を伸長する盆栽用針金伸長器に関する。

【０００２】

【従来の技術】盆栽を栽培する際に、樹形を整えるため
に剪定が行なわれるが、それと同時に所謂針金かけが行
なわれる。針金かけは、盆栽の幹や枝等にそれに合った
太さの針金を巻き付け、針金を希望する形に折り曲げ幹
や枝の姿態を整えるものであるが、そのまま巻き付けて
おけば盆栽の成長により針金が幹や枝に喰い込み樹勢を
そこない或いは枯死する事態も生ずる。

【０００３】そこで希望する樹形か得られたとき或い
は、針金が幹に喰い込むような事態になったときは、針
金を取り外し新たに巻き付けることが行なわれるが、盆
栽から取り外した針金は幹や枝等の太さに応じ屈曲し、
かつ、スパイラル状となっており、それをそのまま再度
使用することは出来ない。スパイラル状の或いは屈曲し
た針金を再度使用する目的で木槌などでたたき延ばして
も真の直線状にはならなかった。そのために、再度の使
用で針金を枝等に巻き付けたとき巻き付けのピッチに不
整が生じ見た目が悪いという事態が生じた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記の点に鑑みて、本
考案は盆栽から巻きほどいたスパイラル状の短い針金を
直線状に伸長し再使用を可能とする盆栽用針金伸長器を
得ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】針金端部固定手段を有す
る基幹腕に、固定手段により適宜位置に固定することが
出来るよう設けたベース部材に、針金端部係止手段を有
する伸長腕を旋回動自在に軸支してなる。

【０００６】

【作用】盆栽から外したスパイラル状の、かつ、不定形
に屈曲した針金の一端を基幹腕に設けた針金端部固定手
段により固定し、他端を伸長腕に設けた針金端部係止手
段により伸長腕に固定する。そして、伸長腕と針金との
なす角が直角に近くなるような位置に、伸長腕を軸支し
たベース部材を固定し、基幹腕の先端を押さえると共
に、針金を伸長する方向に伸長腕を引くことにより針金
のスパイラル状の或いはその他形状の屈曲を伸長し、針
金を直線状のものとする。

【０００７】

【実施例】本考案盆栽用針金伸長器１の実施の一例を図
面と共に次に説明する。

【０００８】丸棒或いは角棒状の基幹腕２の一端に針金
端部固定手段３を設ける。針金端部固定手段３は、基幹
腕２の端部に設けた螺子棒４にワッシャ５，６を嵌合
し、蝶螺子７でそれらを締め付けるようにしたもので、
ワッシャ５，６間において伸長する針金８の端部を螺子
棒４に引掛け蝶螺子７によりワッシャ５を締め付け針金
８の一端を螺子棒４に固定する。螺子棒４の先端には把
手９を取り付ける。

【０００９】基幹腕２にはベース部材１０を摺動自在に
嵌合する。ベース部材１０にはベース部材１０を基幹腕
２に固定するベース固定部材１１を設ける。ベース固定
部材１１はつまみ１２を有する螺軸１３をベース部材１
０に螺合してなり、螺軸１３の頭部１４は、基幹腕２に
設けた長溝１５に嵌合し、螺軸１３を螺じ込んだとき頭
部１４が、長溝１５の最奥壁に当り基幹腕２とベース部
材１０とは固定される。

【００１０】螺軸１３には伸長腕１６を旋回動自在に軸
支する。伸長腕１６には、複数の小孔が針金端部係止手
段１７として適宜間隔を有して設けられている。伸長腕
１６の先端には、把手１８が設けられている。

【００１１】ベース部材１０には、支持台１９を設け
る。支持台１９はその頂部の球状体２０をベース部材１
０に固定した受け部材２１に嵌合し、支持台１９に対
し、基幹腕２を適宜の角度に設定可能としている。盆栽
用針金伸長器１が小型のものであるときは、支持台１８
は必ずしも設けなくても良い。

【００１２】本考案装置で、針金８を伸長するには、針
金８の一端を針金固定手段３により固定する。即ち、蝶
螺子７を緩めワッシャ５，６間において螺子棒４に針金
８の一端をからめ蝶螺子７を締め付けることにより針金
８の一端は基幹腕２の先端に固定される。針金８の他端
は、伸長腕１６の針金端部係止手段１７たる小孔に挿通
し適宜折り返すなどして端部を伸長腕１６に固定する。

【００１３】このとき針金８と伸長腕１６となす角が９
０°であるようにベース部材１０の位置を調節する。そ
の位置の調節はベース固定部材１１の螺軸１３のつまみ
１２を回すことにより螺軸１３の頭部１４と長溝１５の
奥壁との当接を解くことによりベース部材１０と基幹腕
２との固定をなくし、ベース部材１０を前記した如く針
金８と伸長腕１６とが直交する位置に移し、つまみ１２
を回してベース部材１０を基幹腕２に固定する。そし
て、基幹腕２の把手９と伸長腕１６の把手９とを持ち、
支持台１９を適宜の支持物体上に置き伸長腕１６を針金
８を伸長する方向に旋回する。これにより針金８は伸長
されスパイラル状その他の屈曲が直線状に修正される。

【００１４】上記ベース部材１０の移動は、最も少ない
力で針金８を伸長しようとするためと、針金８の長さの
変化に対応するためのものである。

【００１５】

【考案の効果】本考案盆栽用針金伸長器は、針金端部固
定手段を有する基幹腕に、固定手段により適宜位置に固
定することが出来るよう設けたベース部材に、針金端部
係止手段を有する伸長腕を旋回動自在に軸支してなるも
のであるため、盆栽の幹或いは枝等に巻き付けてあった
スパイラル状その他雑多な屈曲をした針金を針金端部固
定手段と針金端部係止手段とに固定し、伸長腕或いは基
幹腕を旋回させるだけで容易に針金の伸長が出来、直線
状の針金を得ることが出来る。

【００１６】また、ベース部材を移動することにより、
伸長腕の支点を移動出来るから、常に針金の長さに応じ
て最適の支点位置を選択出来、最少の力で伸長処理する
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案盆栽用針金伸長器の側面図である。

【図２】図１のII−II線断面図である。

【符号の説明】

１ 盆栽用針金伸長器 ２ 基幹腕 ３ 針金端部固定手段 ８ 針金 １０ ベース部材 １１ ベース固定部材 １３ 螺軸 １６ 針金端部係止手段

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 針金端部固定手段を有する基幹腕に、固
   定手段により適宜位置に固定することが出来るよう設け
   たベース部材に、針金端部係止手段を有する伸長腕を旋
   回動自在に軸支してなる盆栽用針金伸長器。