JPH0876955A - 選択事項表示システムおよび方法 - Google Patents

選択事項表示システムおよび方法

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JPH0876955A
JPH0876955A JP6208309A JP20830994A JPH0876955A JP H0876955 A JPH0876955 A JP H0876955A JP 6208309 A JP6208309 A JP 6208309A JP 20830994 A JP20830994 A JP 20830994A JP H0876955 A JPH0876955 A JP H0876955A
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JP6208309A
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Masahiro Matsuoka
雅裕 松岡
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Fujitsu Ltd
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    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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    • G06F9/06Arrangements for program control, e.g. control units using stored programs, i.e. using an internal store of processing equipment to receive or retain programs
    • G06F9/44Arrangements for executing specific programs
    • G06F9/455Emulation; Interpretation; Software simulation, e.g. virtualisation or emulation of application or operating system execution engines
    • G06F9/45504Abstract machines for programme code execution, e.g. Java virtual machine [JVM], interpreters, emulators
    • G06F9/45508Runtime interpretation or emulation, e g. emulator loops, bytecode interpretation
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
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    • G06F9/06Arrangements for program control, e.g. control units using stored programs, i.e. using an internal store of processing equipment to receive or retain programs
    • G06F9/44Arrangements for executing specific programs
    • G06F9/451Execution arrangements for user interfaces
    • G06F9/453Help systems

Abstract

(57)【要約】 【目的】 情報処理装置において操作性の高い選択事項
表示システムおよびその方法を提供する。さらに詳しく
は、多様な選択操作の種類に応じて適切な修正方法と表
示方法を自動的に提供し、ユーザによる選択操作の効率
を向上させる。 【構成】 個々の選択操作群A1 等について操作履歴収
集装置14が収集したユーザによる過去の選択操作の履
歴を、操作モデル学習装置16が確率モデルにより学習
して操作モデルB1 等を生成する。操作モデル翻訳装置
17は表示制約の下で操作モデルB1 等を翻訳して表示
方法の記述C1 等を生成し、選択操作機能提供装置13
が記述C1 等が指定する表示方法にしたがって、選択操
作群A1 等の選択事項を表示する。過去の選択操作の結
果を反映して表示された選択事項から、ユーザは最適な
操作量で次の選択を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は情報処理装置におけるユ
ーザインタフェースに係り、より詳しくは、電子化され
た作業におけるユーザの操作を支援するシステムおよび
その方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年発展しつつあるマルチメディア等に
見られるように、情報処理・通信の先端技術がますます
社会に浸透してきており、これに伴い一般ユーザが情報
処理端末を操作する機会が増えている。
【0003】ワークステーションやパーソナル・コンピ
ュータにおいてはマルチウィンドウによる作業が増えて
おり、ユーザは多様なメニューから希望する事項を選択
しながら作業を進める。例えば、ワードプロセッサ等に
おいて複数の漢字を変換候補として表示する漢字変換の
メニューもその一例である。このような電子化された作
業においては、情報処理装置とユーザの間のユーザイン
タフェースとしてより操作性の高いものが望まれてい
る。
【0004】情報処理端末におけるユーザインタフェー
スは、ユーザが選択する複数の選択事項(選択項目)を
メニューとして画面等に表示し、ユーザがそのうちの1
つを選ぶと自動的に選ばれた事項に対応する処理をプロ
セッサ等に指示する機能を持っている。このとき、選択
操作の操作性を高めるため、自動的に選択事項の順序等
を修正して表示する選択事項自動修正・表示が行われる
ことがある。
【0005】選択事項自動修正・表示により選択の作業
効率向上を目的とする従来技術には、その修正方法を大
別すると以下の3種類があり、表示方法には以下の2種
類がある。既存の技術は、これらの修正方法と表示方法
の組合せにより実現されている。
【0006】・修正方法 (a)最後に選択された事項を示す選択履歴を記録し
て、逐次履歴に応じて選択事項の順位を入れ替える。
【0007】(b)登録方式により選択された事項を取
りまとめ、まとめられた選択事項相互の順位は選択履歴
に応じて順位を決める。 (c)選択履歴による順位づけに加えて、各事項が最後
に選ばれた時刻を記憶し、一定時間の間に選択されない
場合はその事項を削除する。
【0008】・表示方法 (d)選択事項を単一方向に並べる。 (e)選択事項を幾つかの組に分けて各組毎に表示す
る。各組は逐次的に表示されるか、若しくは任意の組を
直接選択して表示させるようにする。
【0009】従来技術の多くは、修正方法(a)と表示
方法(d)の組合せによるものである。即ち、ユーザに
よる最新の選択結果にしたがって、複数の選択事項を単
一方向に並べる方式が採用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな従来の選択事項自動修正・表示方法には、次のよう
な問題がある。
【0011】メニューという一つの機能体と選択履歴を
学習する学習装置が一体になっているため、表示方法の
修正変更および学習装置の修正変更が難しい。また、学
習機能の独立性が低いために、一つの学習装置によって
同種の学習機能を必要とする異なる機能体に学習機能を
提供することが難しい。
【0012】また、学習結果自体が機能体の表現と直接
対応、即ちプログラムコードに埋め込まれているので柔
軟性がなく、表示方法において異なる制約の機能体を実
現する場合に無駄が生じる。
【0013】また、作業内容を制限して選択操作の支援
システムが構成されているため、システムが限定的かつ
閉鎖的であり、大きく異なる支援法が要求される状況下
で柔軟な支援を実現することが難しい。
【0014】さらに、作業内容と機能体および作業内容
と学習装置の分離が難しく、複数の異なる作業に対処す
るためには、それぞれの作業に対応して、学習機能を持
つ異なるシステムを個別に用意しなければならない。
【0015】本発明は、情報処理装置において操作性の
高い選択事項表示システムおよびその方法を提供するこ
とを目的とする。さらに詳しくは、各種の選択操作を必
要とする作業において、選択操作の種類やその作業量に
応じて、適切な修正方法と表示方法を自動的にユーザに
提供し、選択操作の効率化および信頼性の向上を図るこ
とを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、情報処理装置
を利用した作業中に選択事項を表示し、ユーザにより選
択された選択事項に対応して動作するシステムにおける
選択事項表示システムおよびその方法である。
【0017】図1は本発明の選択事項表示システムの原
理図である。図1の選択事項表示システムは、収集手段
1、学習手段2、翻訳手段3、表示手段4、格納手段
5、および管理手段6を備える。
【0018】収集手段1は、ユーザが選択した選択事項
を操作履歴として収集する。学習手段2は、収集手段2
から転送される操作履歴にもとづいて、ユーザによる選
択操作の特徴を表す操作モデルを生成する。
【0019】翻訳手段3は、学習手段2の生成する操作
モデルと選択事項の表示形式を指定する表示制約とから
表示方法の記述を生成する。表示手段4は、翻訳手段3
の生成する表示方法の記述にもとづいて、選択事項を表
示する。
【0020】格納手段5は、操作モデルと表示方法の記
述を記憶する。管理手段6は、情報処理装置における1
つの選択操作を特定して、その選択操作に対して使用す
る可能性のある確率モデルを学習手段2に提供し、また
その選択操作に対して使用する可能性のある表示順位の
評価方法と表示制約とを翻訳手段3に提供して、学習手
段2と翻訳手段3の動作を管理する。
【0021】また、学習手段2は、選択事項が選択され
る確率を記述する確率モデルを用いて操作モデルを生成
する。また、操作履歴にもとづいて、格納手段5に記憶
された操作モデルが表す選択事項が選択される確率を変
更し、操作モデルを更新する。
【0022】また、翻訳手段3は、操作モデルを評価し
て選択事項の表示順位を決定し、その表示順位と表示制
約とにもとづいて、漸近最適な表示方法の記述を生成す
る。また、操作モデルの更新や表示制約の変更に応じ
て、格納手段5に記憶された表示方法の記述を更新す
る。
【0023】図1の収集手段1、学習手段2、翻訳手段
3、表示手段4、管理手段6は、それぞれ図2に示す本
発明の実施例の構成における操作履歴収集装置14、操
作モデル学習装置16、操作モデル翻訳装置17、選択
操作機能提供装置13、学習カーネル動作管理装置18
に対応する。また、格納手段5はメモリ19とメモリ2
0に対応する。
【0024】
【作用】収集手段1が操作履歴として収集したユーザに
よる過去の選択結果が、学習手段により学習され、その
選択操作の特徴を表す操作モデルに反映される。
【0025】次に、翻訳手段3により操作モデルが評価
され、表示制約により指定される表示形式に適した表示
方法の記述が生成される。これにより、表示手段4は、
選択事項を指定された表示形式で、かつ、ユーザによる
過去の選択操作の特徴を反映した表示順位で表示する。
この表示順位は、過去においてその選択事項が選択され
た割合(経験的確率)を反映したものとなる。
【0026】情報処理装置において様々な選択操作があ
るときは、管理手段6が1つの選択操作を特定して、収
集手段1、学習手段2、翻訳手段3、表示手段4による
支援が行われる。したがって、1つのシステムにより多
様な選択操作を支援することができる。
【0027】また、管理手段6がその選択操作に対して
使用する可能性のある確率モデルを学習手段2に提供
し、その選択操作に対して使用する可能性のある表示順
位の評価方法と表示制約とを翻訳手段3に提供するの
で、学習手段2と翻訳手段3の動作は管理手段6により
統一して管理される。
【0028】操作モデルと表示方法の記述が格納手段5
に記憶されるので、学習手段2と翻訳手段3がそれらを
参照したり、更新したりすることができる。したがっ
て、常に最新の情報にもとづいた表示方法の記述が生成
される。
【0029】複数の選択事項を含むメニュー等を表示す
る表示手段4と学習機能を持つ学習手段2を分離して設
けたので、表示方法の修正変更および学習機能の修正変
更が容易になる。
【0030】また、学習手段2は複数の異なる選択操作
の機能体を支援し、学習機能を提供する。学習結果であ
る操作モデルは表示制約に束縛されないので、表示形式
の異なる選択操作に対しても同じ操作モデルを使用する
ことが可能である。
【0031】さらに、支援対象の選択操作、操作モデ
ル、および表示方法の記述の変更と更新が容易な開放的
なシステムであり、状況の変化に柔軟に対応することが
できる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例
を説明する。図2は一実施例の選択事項表示システムの
構成図である。図2の選択事項表示システム11は、学
習カーネル15と、ユーザの作業で使われる作業用ソフ
トウェアと学習カーネル15との間のインターフェース
である作業用ソフトウェア・学習カーネルインタフェー
ス12とから成る。
【0033】作業用ソフトウェア・学習カーネルインタ
フェース12は、作業においてユーザが直接操作する選
択操作機能提供装置13とユーザの選択操作の履歴(操
作履歴)を収集する操作履歴収集装置14を備える。
【0034】また、学習カーネル15は、ユーザの操作
履歴から作業における操作のモデルを学習によって獲得
する操作モデル学習装置16、学習結果の操作モデルを
もとに選択操作機能を記述する操作モデル翻訳装置1
7、操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置17
の動作条件などを調整する学習カーネル動作管理装置1
8、およびメモリ19、20を備える。
【0035】選択操作機能提供装置13は、ユーザが実
際に選択操作を行うための選択項目を表示して、選択さ
れた項目に対応する処理を図示しない処理装置等に指示
する。また、選択操作機能提供装置13は複数の作業用
ソフトウェアに選択操作機能を提供し、学習カーネル1
5からの表示変更指示、およびその変更内容を受けて、
適宜、表示方式、表示内容、選択結果の処理方法を変え
ることができる。そして、必要に応じて操作履歴収集装
置14から必要な履歴情報を入手する。
【0036】操作履歴収集装置14は、作業用ソフトウ
ェアの複数の機能体の各々について、学習カーネルで指
定された履歴の取り方によりユーザの操作を監視し、操
作履歴を収集して、適宜、学習カーネルに伝達する。こ
うして、作業用ソフトウェアの各機能体と学習カーネル
15との間の橋渡しを行う。また、選択操作機能提供装
置13からの要請に応じて操作履歴の情報(履歴情報)
を伝達する。
【0037】操作モデル学習装置16は、作業用ソフト
ウェアの機能体に対応するユーザの選択操作を表す各選
択操作群Am (m=1,2,・・・)に対して、操作モ
デルとなる情報構造を抽出する。操作モデル学習装置1
6は選択操作群に対応する操作モデルを推定し、操作モ
デルの検証に必要な操作履歴の収集法と収集規模を収集
要請により操作履歴収集装置14に対して指示する。
【0038】また、操作履歴収集装置14より送られた
履歴情報をもとに操作モデルを学習機能により推定し、
各選択操作群毎に独立した操作モデルBm (m=1,
2,・・・)をメモリ19に保持する。また、必要に応
じてこれらの操作モデルを変更、棄却することができ
る。
【0039】操作モデル翻訳装置17は、操作モデル学
習装置16により得られた各選択操作群のモデルを翻訳
して、作業用ソフトウェアの各種の機能体に関する表示
方法の制約(表示制約)下で、各選択操作群におけるユ
ーザの操作量が最適若しくは最適に漸近的に近づくよう
に、各選択操作群の表示形態、表示内容、選択結果の処
理法などの表示方法に関する記述を生成する。これらの
記述Cm (m=1,2,・・・)は選択操作機能提供装
置13が受理できる形で記述され、メモリ20に保持さ
れる。
【0040】学習カーネル動作管理装置18は、開発者
およびユーザが学習カーネル15にアクセスするための
対話機能を有し、学習カーネルの基本動作を記載した書
き換え可能なファイルである基本動作ファイルを保持し
ている。基本動作ファイルには、開発者やユーザが目的
とする選択操作において学習による支援作業を適切に実
行するため、学習対象となる作業用ソフトウェアの選択
操作群、学習アルゴリズム、機能体に対する学習結果の
記述法などが記述されている。
【0041】図2に示すように、主要な選択操作群とし
て選択操作群A1 、A2 、・・・がある場合、操作モデ
ル学習装置16は、これらの選択操作群に対して、学習
機能により推定した操作モデルB1 、B2 、・・・を保
持する。また、操作モデル翻訳装置17は、これらの操
作モデルに対して、表示制約を加えた選択操作群の記述
1 、C2 、・・・を保持する。
【0042】図3は、操作モデル翻訳装置17が記述C
1 、C2 、・・・の生成に用いる表示制約の例を示して
いる。図3(a)は、5つの選択項目X1 、X2
3 、X4 、X5 を単一方向に一列に並べて表示するメ
ニューの表示制約を示している。また、図3(b)は、
選択項目X1 、X2 、X3 、X4 、X5 を、左上から右
下に向かって順にピラミッド型に並べて表示する表示制
約を示している。この場合、表示される選択項目のボッ
クスの数は、X1 からX5 まで順に1、2、3、4、5
個となっている。
【0043】このように、同じ選択項目を有する選択操
作群であっても、その表示制約によって表示形態、表示
内容などが大きく異なってくる。また、例えば図3
(a)のメニュー表示において、選択操作時のカーソル
がどこにあるかによって、カーソルを移動させる作業量
が異なる。したがって、デフォルトのカーソル位置が決
まっている場合は、その位置も表示制約に含まれてく
る。
【0044】各選択操作群についてその選択項目を表示
する際に、操作モデル翻訳装置17が生成する記述
1 、C2 、・・・に基づく選択操作機能が提供される
ならば、作業の初期に提供された選択操作環境に比べ
て、選択操作に払うコストが小さくなることが期待でき
る。
【0045】選択事項表示システム11によれば、ユー
ザが使用する作業用ソフトウェアにおける選択操作に必
要となる作業量、すなわち選択操作のコストを最適な値
に近づけるように表示機能を管理し、必要があれば自動
修正を行う。次に、選択事項表示システム11の表示管
理と自動修正の動作について、図4から図9までを参照
しながら詳しく説明する。
【0046】選択事項表示システム11は、基本動作フ
ァイルの記述により支援対象の特定、変更、起動を行
う。そこで、まず基本動作ファイルの作成について説明
する。図4および図5は、選択事項表示システム11の
オペレータであるシステム管理者若しくはユーザからの
指示により行われる基本動作ファイルの準備動作のフロ
ーチャートである。オペレータとの対話により間接的に
基本動作ファイルを用意する場合は図4のフローに従
い、直接指定された基本動作ファイルを使用する場合は
図5のフローに従う。
【0047】図4において学習カーネル動作管理装置1
8は、まずオペレータからの基本動作ファイルの要求を
受け付ける(ステップS1)。次に、基本動作ファイル
がシステム内のライブラリ(不図示)に存在するかどう
かを調べ(ステップS2)、存在すればそれをライブラ
リからロードして(ステップS3)、基本動作ファイル
の指定を終了する。
【0048】基本動作ファイルがライブラリに存在しな
ければ、学習カーネル動作管理装置18は基本動作ファ
イル作成用の対話機能を起動し(ステップS4)、オペ
レータとの対話により、書式にしたがって基本動作ファ
イルを作成する(ステップS5)。
【0049】次に、ライブラリに登録するかどうかをオ
ペレータに尋ね(ステップS6)、返答がYESの場合
は作成された基本動作ファイルをライブラリに登録し
(ステップS7)、これをロードする(ステップS
8)。ステップS6で返答がNOの場合は作成された基
本動作ファイルを直接ロードする(ステップS8)。こ
うして、基本動作ファイルの指定を終了する。
【0050】図5において学習カーネル動作管理装置1
8は、まずあらかじめ決められた書式によりオペレータ
から直接指定された基本動作ファイルをロードし(ステ
ップS11)、ライブラリに登録するかどうかをオペレ
ータに尋ねる(ステップS12)。返答がYESの場合
は作成された基本動作ファイルをライブラリに登録して
(ステップS13)、基本動作ファイルの指定を終了す
る。ステップS6で返答がNOの場合はそのまま基本動
作ファイルの指定を終了する。
【0051】指定された基本動作ファイルは、学習カー
ネル動作管理装置18の対話機能を用いて対話的に修正
変更することが可能である。学習カーネル動作管理装置
18は幾つもの基本動作ファイルをライブラリに登録し
ておき、システム管理者若しくはユーザからの指定に応
じて、それらを自動的に利用できる。
【0052】次に、基本動作ファイルの内容について説
明する。基本動作ファイルにはシステムの動作に関する
初期設定が記述されている。初期設定としては、支援す
る複数の選択操作群、各選択操作群についての学習のた
めの確率モデル、各選択操作群の表示に関する表示制
約、操作モデル学習装置16が利用する学習モデル、操
作モデル翻訳装置17が選択項目の優先順位を決めるた
めに利用する評価関数、システム内の各装置の動作およ
び装置間の関係に関する動作制約などが登録されてい
る。
【0053】図6は、学習カーネル15内の各装置の起
動と一般的な動作を示すフローチャートである。図6に
おいて学習カーネル15は、まず学習カーネル動作管理
装置18が持っている基本動作ファイルを読み(ステッ
プS21)、学習機能を提供すべき選択操作群を特定す
る(ステップS22)。次に、基本動作ファイルに基づ
き、操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置17
を起動し(ステップS23、S24)、学習カーネル動
作管理装置18を待機させる(ステップS25)。
【0054】ここで、学習カーネル動作管理装置18か
ら発生する変更指示がない限り、操作モデル学習装置1
6と操作モデル翻訳装置17は、事前に指示された内容
で選択操作群の支援を開始し(ステップS26)、自律
的に支援を継続する(ステップS27)。
【0055】通常、動作変更の指示、変更指示の終了、
変更内容の提示が生じた場合、その変更内容等を受け
て、適当なタイミングで変更内容などを動作に反映させ
る。それ以外は各装置は待機状態となる。
【0056】選択操作群、操作モデル、選択操作群の記
述等の支援内容を、必要に応じてオペレータが変更した
い場合(ステップS28、YES)、学習カーネル動作
管理装置18の対話機能を通じて変更を行うことができ
る。このとき、学習カーネル動作管理装置18はオペレ
ータからの動作変更の要求を受け付け(ステップS3
0)、学習カーネル15の動作を変更する(ステップS
29)。
【0057】支援内容の変更の必要がない場合は(ステ
ップS28、NO)、オペレータは動作変更を要求しな
いので、学習カーネル15はそのまま選択操作群の支援
を継続する(ステップS27)。
【0058】図7は、図6のステップS29における学
習カーネル動作管理装置18による学習カーネル15の
動作変更を示すフローチャートである。図7において待
機状態の学習カーネル動作管理装置18は(ステップS
31)、動作変更の要求の有無をチェックしている(ス
テップS32)。オペレータからの動作変更の要求が無
ければ常に待機状態にあるが、動作変更の要求が入力さ
れると学習カーネル動作管理装置18の対話機能を起動
する(ステップS33)。
【0059】次に、オペレータにより指定される変更内
容を読み込み(ステップS34)、変更を指定された選
択操作群に対する支援を中断する(ステップS35)。
そして、読み込んだ変更内容にしたがって支援内容を修
正し(ステップS36)、必要があれば基本動作ファイ
ルを修正する(ステップS37)。
【0060】次に、支援対象の選択操作群が変更されて
いなければ、支援を中断した選択操作群に対する支援を
再度開始し(ステップS38)、新規の選択操作群が指
定されたときは新たにその支援を開始する(ステップS
39)。また、支援の打ち切りが指示されたときは支援
を中止する(ステップS40)。
【0061】このように、選択操作群に対する学習カー
ネル15による支援の打ち切り、再支援、新規支援の操
作が動的に可能である。それに伴う選択操作群に対する
操作モデルの変更、記述の変更もまた動的に可能であ
る。
【0062】操作モデル学習装置16が用いる学習アル
ゴリズムおよび操作モデル翻訳装置17が用いる記述生
成アルゴリズムに対する制約は、学習カーネル動作管理
装置18の基本動作ファイルにより指定される。
【0063】図8は、操作モデル学習装置16の動作を
示すフローチャートである。操作モデル学習装置16
は、学習カーネル動作管理装置18によって起動され、
基本動作ファイルを読み込み、対象の選択操作群に対す
る支援を開始する。
【0064】図8において操作モデル学習装置16は、
まず操作履歴収集装置14に対して、各選択操作群の操
作モデルを学習するのに必要な量および形式の操作履歴
の収集を指示する(ステップS41)。
【0065】操作履歴収集装置14は、操作モデル学習
装置16により指定された量および形式の履歴を各選択
操作群について収集して、操作モデル学習装置16に転
送する。
【0066】操作モデル学習装置16は、転送された操
作履歴を受け取り(ステップS42)、これまでの操作
モデルが適切かどうかを調べる(ステップS43)。適
切であればその操作モデルを保持し、指定された学習ア
ルゴリズムに基づき受け取った操作履歴を学習して、各
選択操作群に対する操作モデルの内容を更新する(ステ
ップS44)。
【0067】ステップS43でこれまでの操作モデルが
適切でないと判定したときは、その操作モデルを棄却す
る(ステップS46)。そして、学習結果をもとに新規
の操作モデルを推定し(ステップS47)、新規の操作
モデルを保持する(ステップS44)。
【0068】次に、操作モデル学習装置16は、操作モ
デル翻訳装置17に対して操作モデルの更新または変更
を伝達し(ステップS45)、ステップS41以降の動
作を繰り返す。
【0069】図9は、操作モデル翻訳装置17の動作を
示すフローチャートである。図9において待機状態にあ
る操作モデル翻訳装置17は(ステップS51)、操作
モデル学習装置16からの更新または変更の要求(修正
伝達)を受けると(ステップS52)、操作モデルと表
示制約と評価関数とを読み込む(ステップS53、ステ
ップS54、ステップS55)。
【0070】次に、読み込んだ操作モデルと表示制約と
評価関数とにもとづき、選択操作群の漸近最適な表示方
法の記述を生成して(ステップS56)、その記述を保
持する(ステップS57)。こうして、選択操作群の記
述が更新される。
【0071】次に、選択操作機能提供装置13に選択操
作群の記述の更新を伝達して(ステップS58)、待機
状態に戻る(ステップS51)。選択操作機能提供装置
13は、操作モデル翻訳装置17からの更新の伝達(修
正伝達)を受けて、適当なタイミングで、操作モデル翻
訳装置17の生成した記述にもとづき、該当する選択操
作群における表示形式を実現する。
【0072】本実施例の選択事項表示システム11にお
いては、得られた表示形式を固定したものとして利用し
たり、システム内の図示しないメモリに格納しておいて
再利用することができる。
【0073】また、本実施例の選択事項表示システム1
1は主に支援の確かさを確率的に保証するものである。
また、操作モデル学習装置16の学習機能を基本として
構成されており、必要に応じて学習カーネル動作管理装
置18の対話機能を用いて、学習結果に対する補足、評
価、修正を行うことができる。必要な計算に用いられる
パラメータは、適当な精度でその表現が与えられるもの
とする。
【0074】次に、図10から図13までを参照しなが
ら、ユーザによる選択が過去の選択結果に依存しない完
全独立な操作を表現する操作モデルを例にとって、選択
事項表示システム11の動作を説明する。
【0075】この例は動作の基本となる典型例であり、
操作履歴の学習部分と選択操作群の記述部分の分離を明
確に示したものである。ここでは、記述における表示制
約を満たし、目的の選択操作群に対して、漸近最適な操
作量(コスト)が自動的に提供されることを示す。
【0076】完全独立な操作モデルの場合は、学習カー
ネル動作管理装置18およびシステム管理者若しくはユ
ーザによって、例えば次のように基本動作ファイルが記
述される。
【0077】選択事項表示システム11は選択操作群A
1 に対して学習機能を提供する。選択操作群A1 は事項
1 から事項XK までのK個の選択事項で成り立ってい
る。学習に使用する学習モデルは独立試行列に対する予
測のための確率的近似学習モデルとし、その近似精度ε
は0<ε<1であるものとする。
【0078】操作モデルは、選択操作群A1 におけるユ
ーザの選択操作によって生じる選択履歴がそれぞれ確率
P(X1 )、・・・、P(XK )で生じる確率モデルと
する。すなわち、各試行において完全独立が仮定された
多項分布であり、各要素の総和が1となるK次元の確率
ベクトルで表現される。
【0079】K個の選択事項は一次元方向に展開表示す
るという表示制約が課される。選択操作におけるユーザ
の支払うコストは選択項目の表示順位に対応する自然数
とする。選択操作機能提供装置13は初期状態におい
て、一次元方向に事項X1 を先頭として順に事項X2
事項X3 、・・・、事項XK までを表示し、ユーザに選
択操作機能を提供する。この表示方法は、選択操作の履
歴がC1 (ε,K)個収集される度に修正される。
【0080】選択事項表示システム11は上述の初期設
定で起動される。図10は、起動された操作モデル学習
装置16の動作を示すフローチャートである。
【0081】図10において操作モデル学習装置16
は、まず操作履歴収集装置14に対して操作履歴を収集
することを要求し、C1 (ε,K)個の長さを転送単位
とする操作履歴の転送を指示する(ステップS61)。
【0082】次にi=1とおき、初期の経験的確率ベク
トル 外1 (P(0) の山と記す)
【0083】
【外1】
【0084】を、
【0085】
【数1】
【0086】とおいて、操作モデルに対応する確率モデ
ルのインスタンスを生成し(ステップS62)、待機状
態となる(ステップS63)。そして、操作履歴収集装
置14からの呼出しを受けると(ステップS64、YE
S)、i番目の操作履歴{xn (i) }(i=1,2,・
・・)を受け取る(ステップS65)。ここで、xn
(i) は事項X1 〜XK のインデックス1〜Kのうちの任
意の1つを表し、i番目の操作履歴{xn (i) }はn=
1,2,・・・,C1 (ε,K)にそれぞれ対応するC
1 (ε,K)個のインデックスからなる。
【0087】次に、次式によりi番目の経験的確率ベク
トル 外2 (P(i) の山と記す)
【0088】
【外2】
【0089】を計算する(ステップS66)。
【0090】
【数2】
【0091】(2)式において、P(0) の山としては
(1)式を用い、{ }内の第2項のベクトルの要素
外3 (pj (i) の山と記す)は(3)式により算定さ
れる。
【0092】
【外3】
【0093】(3)式において、xn (i) =jのときは
σ(xn (i) ,j)=1であり、x n (i) ≠jのときは
σ(xn (i) ,j)=0である。(2)、(3)式から
分かるように、pj (i) の山はC1 (ε,K)個の操作
履歴{xn (i) }に含まれるインデックスjの割合を表
し、ベクトルP(i) の山のj番目の要素 外4 (e
j (i) の山と記す)は、pj (1) の山、・・・、
【0094】
【外4】
【0095】pj (i) の山の平均値を表している。した
がって、ベクトルP(i) の山のj番目の要素は、1番目
からi番目までの操作履歴が表す過去の操作において、
事項X j が選択された平均的な割合を表す。
【0096】i番目の経験的確率ベクトルP(i) の山の
計算が終了すると、操作モデル学習装置16はその結果
により操作モデルを更新し(ステップS67)、操作モ
デルの更新を操作モデル翻訳装置17に伝達する(ステ
ップS68)。そして、iをインクリメントし(ステッ
プS69)、待機状態となる(ステップS63)。
【0097】待機中に操作履歴収集装置14からの呼出
しがなく(ステップS64、NO)、学習カーネル動作
管理装置18からの呼出しを受けると(ステップS7
0、YES)、操作履歴の学習を停止して制御を学習カ
ーネル動作管理装置18に戻す。学習カーネル動作管理
装置18からの呼出しがなければ(ステップS70、N
O)、待機状態にとどまる(ステップS63)。
【0098】図11は、操作履歴収集装置14の動作を
示すフローチャートである。図11において操作履歴収
集装置14は、操作モデル学習装置16からの要請によ
り、履歴収集条件を読み込む(ステップS71)。ここ
では、選択操作群A 1 の操作履歴を収集してC1 (ε,
K)個単位で転送するという条件が読み込まれる。
【0099】次に、選択操作群A1 を監視してユーザの
操作履歴を記録する(ステップS72)。そして、操作
履歴{xn (i) }の長さがC1 (ε,K)になると(ス
テップS73、YES)、操作モデル学習装置16を呼
出し(ステップS74)、収集した操作履歴を転送する
(ステップS75)。このとき転送される操作履歴に
は、転送回数i(i=1,2,・・・)が刻印される。
【0100】操作履歴の長さがC1 (ε,K)に満たな
いときは(ステップS73、NO)、C1 (ε,K)に
なるまで操作履歴の記録を行う(ステップS72)。そ
して、操作モデル学習装置16から履歴収集条件の修正
要求がなければ(ステップS76、NO)、選択操作群
1 の操作履歴の収集を繰り返す(ステップS72)。
修正要求を受け取ると(ステップS76、YES)、操
作履歴の収集を停止して、制御を操作モデル学習装置1
6に戻す。
【0101】図12は、操作モデル翻訳装置17の動作
を示すフローチャートである。図12において待機状態
にある操作モデル翻訳装置17は(ステップS81)、
操作モデル学習装置16からの呼び出しを受けて(ステ
ップS82、YES)、新たな操作モデルを読み込む
(ステップS83)。
【0102】次に、表示制約と評価関数を読み込む(ス
テップS84、ステップS85)。ここで、表示制約は
選択事項を一方向に並べて表示するという一次元の制約
であり、評価関数は経験的確率ベクトルのj番目の要素
を事項Xj の表示順位に変換する関数である。
【0103】次に、読み込んだ表示制約と評価関数に従
い、選択操作群A1 の漸近最適な表示方法の記述を求め
る(ステップS86)。ここでは、経験的確率ベクトル
の要素の値の大きい順に、対応する事項が先頭から順に
並べて表示されるように表示順位を記述する。ただし、
先頭に近いほど選択操作のコストは低いものとする。
【0104】生成された記述は、例えば、{(事項
t1),(事項Xt2),・・・,(事項XtK)}のよう
になる。ここで、{t1,t2,・・・,tK}は
{1,・・・,K}の置換の1つである。また、et1
(i) の山≧et2 (i) の山≧・・・≧etK (i) の山であ
り、記述{(事項Xt1),(事項Xt2),・・・,(事
項XtK)}における各事項の順位は、i番目の経験的確
率ベクトルの各要素ej (i) の山の大きさの順位を反映
している。この記述は選択操作機能提示装置13が受理
できる形式となっている。
【0105】このようにして、選択操作群A1 の表示方
法の記述を更新して(ステップS87)、これを選択操
作機能提示装置13に伝達し(ステップS88)、待機
状態に戻る(ステップS81)。
【0106】操作モデル学習装置16からの呼び出しが
なく(ステップS82、NO)、学習カーネル動作管理
装置18からの呼び出しがあれば(ステップS89、Y
ES)、操作モデルの翻訳を停止して、制御を学習カー
ネル動作管理装置18に戻す。学習カーネル動作管理装
置18からの呼び出しがなければ(ステップS89、N
O)、待機状態にとどまる(ステップS81)。
【0107】図13は、選択操作機能提示装置13の動
作を示すフローチャートである。図13において選択操
作機能提示装置13は、まずオペレータからの選択事項
の提示要求に備えて、選択操作群A1 の表示方法の新た
な記述を操作モデル翻訳装置17から読み込み(ステッ
プS91)、待機状態となる(ステップS92)。
【0108】そして、オペレータから選択操作群A1
選択事項の表示を要求されると(ステップS93、YE
S)、読み込んだ表示方法の記述に従って選択事項を表
示して、オペレータに選択操作機能を提供し(ステップ
S94)、待機状態に戻る(ステップS92)。
【0109】また、選択操作群A1 の選択事項の表示要
求がなく(ステップS93、NO)、操作モデル翻訳装
置17から記述の修正要求があれば(ステップS95、
YES)、選択操作群A1 の更新された表示方法の記述
を操作モデル翻訳装置17から読み込み(ステップS9
6)、待機状態に戻る(ステップS92)。操作モデル
翻訳装置17からの修正要求がなければ(ステップS9
5、NO)、待機状態にとどまる(ステップS92)。
【0110】このように完全独立な操作モデルの場合
は、操作履歴がC1 (ε,K)個集まる毎に、操作モデ
ル、操作モデルにもとづく記述、および表示形式が更新
される。このとき、高々〔2/C1 (ε,K)ε2 〕ln
(2K/ε)回の更新の後に、選択事項表示システム1
1は選択操作群A1 に対して最適な平均操作量からの逸
脱がεK2 (K−1)を超えることのない選択操作機能
を、1−εの高い確率で提供することができる。ここ
で、lnは自然対数 loge を表すが、一般には底としてe
より小さな値を用いた対数であってもよい。この結論は
以下のようにして導かれる。
【0111】選択操作群A1 の確率構造が変化しないな
らば、履歴の収集と操作モデルの更新を続けて、漸近的
に最適な操作量を実現できる。この例では選択事項の表
示形式が一次元に限られているため、漸近最適な表示方
法の記述は経験的確率ベクトルの要素に応じた順位を表
現する単純なものである。
【0112】そこで、一次元方向に選択事項X1 、・・
・、XK を並べた場合の最適な平均操作量を求めてみ
る。選択操作に必要なコストを、表示された事項の先頭
から順に1、2、・・・、Kとする。また、簡単のため
事項X1 、・・・、XK が選択される確率P(X1 )、
・・・、P(XK )について、1>P(X1 )≧・・・
≧P(XK )>0が成り立つと仮定する。
【0113】このとき、τを{1,2,・・・,K}の
置換の1つとすると、任意の置換τに対して、 Σi=1 K 〔τ(i) P(Xi )−iP(Xi )〕≧0 …(4) が成り立つ。ただし、τ(i) は置換τにおけるi番目の
要素の値である。
【0114】(4)式は、任意の置換τについてΣi=1
K τ(i) P(Xi )の値がΣi=1 KiP(Xi )の値よ
り小さくならないことを示しており、一方向に選択事項
を並べる場合の最適な平均操作量がΣi=1 K iP
(Xi )であることを意味している。(4)式が成り立
つことは以下のようにして証明される。
【0115】まずK=1のときに(4)式が成り立つの
は自明である。K=2のとき、{1,2}から{1,
2}への置換は不変であるので、τとして{1,2}か
ら{2,1}への置換を考える。このとき、 Σi=1 2 〔τ(i) P(Xi )−iP(Xi )〕 =P(X1 )−P(X2 )≧0 …(5) となり、(4)式が成り立つ。
【0116】また、K=nのとき、n個の要素のうちの
k番目とj番目の2個の要素についてのみ入れ換えが生
じる場合は、 Σi=1 n 〔τ(i) P(Xi )−iP(Xi )〕 =(k−j)(P(Xj )−P(Xk ))≧0 …(6) となり、やはり(4)式が成り立つ。
【0117】次に、K=nのとき(4)式が成り立つと
仮定して、K=n+1の場合を確かめてみる。τ(n)
{1,2,・・・, n}の任意の置換とし、τ(n+1)
{1,2,・・・, n+1}の任意の置換とすると、τ
(n) と{j,n+1}(1n)の互換を用いて、
任意のτ(n+1) を表現することができる。いま、 Σi=1 n 〔τ(n) (i) P(Xi )−iP(Xi )〕≧0 …(7) が成り立つので、 (τ(n) (1) −1)P(X1 )+(τ(n) (2) −2)P(X2 )+・・・+ (τ(n) (n) −n)P(X1 )+((n+1)−(n+1))P(Xn+1 ) ≧0 …(8) となる。任意のjを選んで、 (τ(n) (j) −j)P(Xj ) =((n+1)−j)P(Xj )+(τ(n) (j) −(n+1))P(Xj ) …(9) とおき、 ((n+1)−(n+1))P(Xn+1 ) =(τ(n) (j) −(n+1))P(Xn+1 ) +((n+1)−τ(n) (j) )P(Xn+1 ) …(10) と変形して、(8)式の左辺に代入すると、 (τ(n) (1) −1)P(X1 )+(τ(n) (2) −2)P(X2 )+・・・ +((n+1)−j)P(Xj )+・・・ +(τ(n) (j) −(n+1))P(Xn+1 ) +((n+1)−τ(n) (j) )(P(Xn+1 )−P(Xj )) ≧0 …(11) となる。(11)式より、 (τ(n) (1) −1)P(X1 )+(τ(n) (2) −2)P(X2 )+・・・ +((n+1)−j)P(Xj )+・・・ +(τ(n) (j) −(n+1))P(Xn+1 ) ≧((n+1)−τ(n) (j) )(P(Xj )−P(Xn+1 )) …(12) となる。(12)式の左辺は{1,2,・・・,n+
1}の任意のj(1n)をn+1と置き換えた置
換をτ(n+1) としたときの Σi=1 n+1 〔τ(n+1) (i) P(Xi )−iP(Xi )〕 …(13) に相当する。また、 1>P(X1 )≧P(X2 )≧・・・≧P(Xn+1 )>0 …(14) が成り立つので、(12)式の右辺は非負値である。
【0118】したがって、K=n+1の場合にも(4)
式が成り立ち、帰納法により任意のKについて(4)式
が成り立つことが証明された。次に、経験的確率ベクト
ルが目的とする分布に対してε近似である場合、経験的
確率ベクトルにもとづく順位付けによる表示方法を用い
た場合の平均操作量が、最適な平均操作量に比べて最悪
な場合でも高々εK2 (K−1)だけの逸脱で収まるこ
とを確かめる。
【0119】一般に、経験的確率ベクトル 外5 (P
の山と記す)のi番目の要素を 外
【0120】
【外5】
【0121】6 (pi の山と記す)とすると、Pの山
=(p1 の山,p2 の山,・・・,p
【0122】
【外6】
【0123】K の山)が確率ベクトルP=(p1
2 ,・・・,pK )に対してε近似であるとは、1
Kなるiについてmax(|pi −pi の山|)
εを満たすことである。
【0124】選択事項X1 〜XK の表示順位を経験的確
率ベクトルを用いて決定した場合、その順位に誤りが生
じる可能性がある。事項Xi と事項Xj の選択される確
率(頻度)pi とpj が|pi −pj |>2εである場
合は、経験的確率を用いる順位決定により、Xi とXj
の相互の順位に誤りは生じない。
【0125】しかし、もし|pi −pj 2εである
ならば、Xi とXj の相互の順位に誤りが生じる。また
このとき、Xi とXj を含めて、これらの間に存在する
事項間の任意の2つの頻度の差の絶対値は2ε以下であ
る。
【0126】再び簡単のため、事項X1 ,・・・,事項
K に対し、それぞれの選択確率p 1 ,・・・,pK
1 ≧・・・≧pK の関係を満たすものとする。このと
き、順位の入れ換えによる最適な平均操作量からの逸脱
Dは、 D=Σi=1 K (τ(i)-i)pi …(15) となる。τは任意の置換を表わしている。ここでの問題
は、経験的確率ベクトルを用いる順位決定によって生じ
る逸脱Dの上限を求めることである。
【0127】まず簡単な例を用いて考えてみる。τが隣
接する2つの順位j、j+1に関する互換であるとき、 D=((j+1)−j)pj +(j−(j+1))pi+1 =pj −pj+1 ≦2ε …(16) となる。1つ間を置いた2つの順位j、j+2に関する
互換の場合は、 D=2(pj −pj+2 )≦4ε …(17) となる。
【0128】一般に互換による逸脱の最大値は、X1
K の間に順位の取り違いが生じた場合に生じ、2ε
(K−1)である。以下、n個の事項に置ける順位の取
り違いによる逸脱の最大値は高々2εn(K−1)とな
る。また、順位の取り違いが何組生じるかを考えると高
々K/2組である。
【0129】したがって、経験的確率ベクトルを用いる
順位決定によって生じる逸脱Dの上限は、高々εK
2 (K−1)となる。続いて、経験的確率ベクトルが目
的の分布に対してε近似であることを、1−εの確率で
主張するために必要かつ十分な標本量を確かめる。
【0130】各事項の選択は独立であるので、十分に長
い操作履歴を入手して各事項について経験的確率を求め
れば、高い確度で、十分な精度の選択確率の近似となる
ことが大数の法則により保証されている。問題は、操作
履歴の十分な長さを具体的に求めることである。ここで
は、Hoeffding の不等式(D. Pollard, Convergenceof
Stochastic Processes, Springer-Verlag, 1984. )を
用いることにする。
【0131】Y1 ,Y2 ,・・・,Ym を独立な確率変
数とし、それらの平均は0で値域はa i i i
する。このときε>0に対して、Hoeffding の不等式 Prob{|Y1 +・・・+Ym |≧ε} ≦2exp {−2ε2 /Σi=1 m (bi −ai )} …(18) が成り立つ。
【0132】例えば、事項Xj について考えてみる。ま
ず、選択履歴の列x1 ,x2 ,・・・,xm から、事項
j の選択操作に関する独立変数列{Yi (j) }(1
i m)を作る。もし、i 番目の選択でXj が選択され
るならばYi (j) =1−P(Xj )、さもなければYi
(j) =−P(Xj )と置く。
【0133】この{Yi (j) }に対して(18)式を用
いると、 Prob {|(1/m)Σi=1 m σ(xi ,j)−P(Xj )|≧ε} ≦2exp (−2ε2 /m) …(19) となる。(19)式の右辺に対して、 2exp(−2ε2 /m)≦ε …(20) とおいて、mについて整理すると、 m≧(2/ε2 )ln(2/ε) …(21) となる。したがって、εの精度でP(Xj )を見積もる
ことを、1−ε以上の確率で成功させるには、少なくと
も(2/ε2 )ln(2/ε)個の操作履歴より経験的選
択確率(1/m)Σi=1 m σ(xi ,j)を算定しなけ
ればならない。
【0134】ここでは、1つの操作履歴をもとに、K個
の事項について同時にεの精度の選択確率を、1−ε以
上の確率で推定しなければならない。K1について
は、 (1−ε/K)K ≧1−ε …(22) が成り立つので、結局、操作履歴の個数は(2/ε2
ln(2K/ε)であればよいことが分かる。操作履歴は
1 (ε,K)個毎に転送されるので、必要な転送回数
は〔2/C1 (ε,K)ε2 〕ln(2K/ε)回とな
る。
【0135】次に、操作履歴を逐次的に収集する際に、
何個単位で収集すべきであるかを検討する。ここでは、
1 (ε,K)個という関数の形で収集単位を導入して
いる。このC1 (ε,K)の決め方として、例えば次の
2つの方法が考えられる。
【0136】1つは統計学におけるχ2 検定による方法
である。χ2 検定の過去の経験と理論によれば、1
Kなるiについてe i 5でK5ならば、Σ(ni
−e i 2 /ei の正確な分布に対してχ2 分布は良好
な近似を与えることが示される。
【0137】ここで、pi を事項Xi の選択頻度、mを
操作履歴の長さとすると、ei =mpi (1K)
とおくことができ、このときni はm個の操作履歴に事
項X i が実際に含まれている個数を表す。
【0138】良好なχ2 検定に必要な操作履歴の長さ
は、少なくともKmax(5/pi )個必要である。こ
こでの目的はε近似による順位決定を行うことであるか
ら、選択確率の最小値をεとみなし、C1 (ε,K)=
5K/ε個の収集単位を得る。
【0139】もう1つはK個の事項に対して一様分布を
想定する方法である。一様分布に従うK個の事項から任
意の事項を抽出し、重なりが生じるまでその抽出を続け
るとき、停止するまでの抽出回数の期待値が(K)1/2
となることが知られている。しかも、もし分布に偏りが
ある場合は、停止までの抽出回数の期待値は(K)1/ 2
より小さくなることも知られている。ここで、重なりが
生じるとは、過去に抽出された事項と同じ事項が再び抽
出されることを意味する。
【0140】操作履歴にはそれなりの偏りが生じること
が予想されるので、操作履歴の長さを(K)1/2 以上と
することは妥当であり、さらに分散を考えあわせて、C
1 (ε,K)=2(K)1/2 とする。
【0141】この方法では、χ2 検定による方法と異な
り、C1 (ε,K)から近似精度のパラメータεを排除
している。これは、支援の効果を得るまでの時間を短縮
するとともに、収集単位に統計的な意味を残すためであ
る。
【0142】次に、図14から図20までを参照しなが
ら、時間的に一様なマルコフモデルを操作モデルとした
ときの選択事項表示システム11の動作を説明する。こ
の場合は、学習カーネル動作管理装置18およびシステ
ム管理者若しくはユーザによって、例えば次のように基
本動作ファイルが記述される。
【0143】選択事項表示システム11は選択操作群A
1 に対して学習機能を提供し、選択操作群A1 は事項X
1 から事項XK までのK個の事項より成る。学習モデル
は時間的に一様なマルコフモデルに対する予測のための
確率的近似学習モデルとし、その近似精度は0<ε<1
とする。
【0144】選択操作群A1 におけるユーザの選択操作
によって生じる操作履歴において、それぞれの事項の選
択頻度が、事前に何が選択されていたかによって変わる
ものとし、操作モデルは、遷移確率行列{Pij}={P
(Xi |Xj )}(1i,jK)により表現される
ものとする。Pij=P(Xi |Xj )は、事項Xi から
事項Xj への遷移確率を表す。選択事項Xi からの他の
事項への遷移確率の総和Σj=1 K ijは1であり、Pij
>0(1i,jK)とする。
【0145】K個の選択事項は一次元方向に展開表示す
るという表示制約が課される。選択操作におけるユーザ
の支払うコストは選択項目の表示順位に対応する自然数
とする。選択操作機能提供装置13は初期状態におい
て、一次元方向に事項X1 を先頭として順に事項X2
事項X3 、・・・、事項XK までを表示し、ユーザに選
択操作機能を提供する。この表示方法は、選択操作の履
歴がC2 (ε,K)個収集される度に修正される。
【0146】前述した完全独立なモデルとの違いは、選
択履歴を生成する確率モデルの違いであり、この例で
は、時間的に一様なマルコフモデルでかつ既約である
(D. Freedman Markov Chain, Holden-Day, 1971. ) 選択事項表示システム11は上述の初期設定で起動され
る。
【0147】図14は、操作モデル学習装置16の動作
を示すフローチャートである。図14において操作モデ
ル学習装置16は、まず操作履歴収集装置14に対して
操作履歴を収集することを要求し、C2 (ε,K)個の
長さを転送単位とする操作履歴の転送を指示する(ステ
ップS101)。
【0148】次にi=1とおき、初期の経験的遷移確率
行列 外7 (Q(0) の山と記す)
【0149】
【外7】
【0150】を、
【0151】
【数3】
【0152】とおいて、操作モデルに対応する確率モデ
ルのインスタンスを生成し(ステップS102)、待機
状態となる(ステップS103)。そして、操作履歴収
集装置14からの呼出しを受けると(ステップS10
4、YES)、i番目の操作履歴{xn (i) }(i=
1,2,・・・)を受け取る(ステップS105)。x
n (i) は1〜Kの1つのインデックスを表し、操作履歴
{xn (i) }はn=1,2,・・・,C2 (ε,K)に
それぞれ対応するC2 (ε,K)個のインデックスから
なる。
【0153】次に、次式によりi番目の経験的遷移確率
行列 外8 (Q(i) の山と記す)
【0154】
【外8】
【0155】を計算する(ステップS106)。
【0156】
【数4】
【0157】(24)式の各行列要素 外9 (qjk
(i) の山と記す)は(25)、(26
【0158】
【外9】
【0159】)式により算定される。ただし、Nj (i)
=0のときは、qjk (i) =0(1K)とする。
(26)式において、xn (i) =jのときはσ(xn
(i) ,j)=1であり、xn (i) ≠jのときはσ(xn
(i) ,j)=0である。また、(25)式において、x
n (i) =jかつxn+1 (i) =kのときはσ(xn (i)
n+1 (i) ,jk)=1であり、xn (i) ≠jまたはx
n+1 (i) ≠kのときはσ(xn (i) n+1 (i ) ,jk)
=0である。
【0160】次に、現在までの操作履歴全体に対する経
験的遷移確率行列(マルコフ行列)外10 (R(i)
山と記す)を次式により計算する(ステップS10
7)。
【0161】
【外10】
【0162】
【数5】
【0163】(27)式において、R(0) の山はQ(0)
の山と同じく零行列とする。(26)式から分かるよう
にNj (i) は、〔C2 (ε,K)−1〕個の連続する操
作履歴の組xn (i) 、xn+1 (i) のうち、最初の操作履
歴xn (i) がjに一致している組の数を表す。
【0164】また、(25)式から分かるようにqjk
(i) の山は、最初の操作履歴xn (i)がjに一致し、か
つ、次の操作履歴xn+1 (i) がkに一致している組の数
のNj (i) に対する割合を表す。言い換えると、qjk
(i) の山は、1つ前の選択事項がXj であったときに、
続いて事項Xk が選択された割合を表す。
【0165】また、(27)式から分かるようにマルコ
フ行列R(i) の山のj行k列の要素外11 (rj,k
(i) の山と記す)は、qjk (1) の山、・・・、qjk (i)
の山
【0166】
【外11】
【0167】の平均値を表している。したがって、マル
コフ行列R(i) の山のj行k列の要素は、1番目からi
番目までの操作履歴が表す過去の操作において、1つ前
の選択事項がXj であったときに、続いて事項Xk が選
択された平均的な割合を表す。
【0168】i番目のマルコフ行列R(i) の山の計算が
終了すると、操作モデル学習装置16はその結果により
操作モデルを更新し(ステップS108)、操作モデル
の更新を操作モデル翻訳装置17に伝達する(ステップ
S109)。そして、iをインクリメントし(ステップ
S110)、待機状態となる(ステップS103)。
【0169】待機中に操作履歴収集装置14からの呼出
しがなく(ステップS104、NO)、学習カーネル動
作管理装置18からの呼出しを受けると(ステップS1
11、YES)、操作履歴の学習を停止して制御を学習
カーネル動作管理装置18に戻す。学習カーネル動作管
理装置18からの呼出しがなければ(ステップS11
1、NO)、待機状態にとどまる(ステップS10
3)。
【0170】図15は、操作履歴収集装置14の動作を
示すフローチャートである。図15の各ステップS12
1、S122、S123、S124、S125、S12
6の動作は、基本的に図11の対応する各ステップS7
1、S72、S73、S74、S75、S76の動作と
同様である。
【0171】ただし、ステップS121において、操作
履歴はC2 (ε,K)個単位で転送し、C2 (ε,K)
個の操作履歴内においては時間的な不整合がなく、時間
の経過順に操作履歴xn (i) が並べられるものとする。
【0172】また、ステップS122においては、毎回
収集する選択操作群A1 の操作履歴、すなわちどの事項
が選択されたかという選択結果を、選択操作機能提供装
置13に転送する。
【0173】また、ステップS123においては、操作
履歴{xn (i) }の長さがC2 (ε,K)になったかど
うかを判定する。図16は、操作モデル翻訳装置17の
動作を示すフローチャートである。
【0174】図16において待機状態にある操作モデル
翻訳装置17は(ステップS131)、操作モデル学習
装置16からの呼び出しを受けて(ステップS132、
YES)、新たな操作モデルを読み込む(ステップS1
33)。
【0175】次に、表示制約と評価関数を読み込む(ス
テップS134、ステップS135)。ここで、表示制
約は選択事項を一方向に並べて表示するという一次元の
制約であり、評価関数はマルコフ行列R(i) の山の各行
のh列目の要素を事項Xh の表示順位に変換する関数で
ある。
【0176】次に、読み込んだ表示制約と評価関数に従
い、選択操作群A1 の漸近最適な表示方法の記述を求め
る(ステップS136)。ここでは、マルコフ行列R
(i) の山の各行を用いて選択事項の表示順位を決定す
る。
【0177】具体的には、R(i) の山の各行において、
1列目からK列目までのK個の要素の値の大きい順に、
対応する事項が先頭から順に並べて表示されるように表
示順位を記述する。ただし、先頭に近いほど選択操作の
コストは低いものとする。R (i) の山の各行は、前回に
選択された事項Xj に対応している。
【0178】生成された記述は、マルコフ行列R(i)
山に対応して、例えば、図17に示すような表形式の記
述になる。図17のj番目の行(j=1,・・・,K)
は、前回の選択操作において事項Xj が選ばれたときの
次の表示画面における各事項の表示順位を表し、{(事
項Xtj1 ),(事項Xtj2 ),・・・,(事項
tjK)}のようになる。ここで、{tj1,tj2,
・・・,tjK}は{1,・・・,K}の置換の1つで
ある。
【0179】また、rj,tj1 (i) の山≧rj,tj2 (i)
山≧・・・≧rj,tjK (i) の山であり、図17の記述の
第j行{(事項Xtj1 ),(事項Xtj2 ),・・・,
(事項XtjK )}における各事項の順位は、1番目から
i番目までの操作履歴全体に対する経験的遷移確率行列
の第j行の各要素rj,h (i) の山の大きさの順位を反映
している。
【0180】このようにして、選択操作群A1 の表示方
法の記述を更新して(ステップS137)、これを選択
操作機能提示装置13に伝達し(ステップS138)、
待機状態に戻る(ステップS131)。
【0181】操作モデル学習装置16からの呼び出しが
なく(ステップS132、NO)、学習カーネル動作管
理装置18からの呼び出しがあれば(ステップS13
9、YES)、操作モデルの翻訳を停止して、制御を学
習カーネル動作管理装置18に戻す。学習カーネル動作
管理装置18からの呼び出しがなければ(ステップS1
39、NO)、待機状態にとどまる(ステップS13
1)。
【0182】図18は、選択操作機能提供装置13の動
作を示すフローチャートである。図18において選択操
作機能提示装置13は、まずオペレータからの選択事項
の提示要求に備えて、選択操作群A1 の表示方法の新た
な記述を操作モデル翻訳装置17から読み込み(ステッ
プS141)、待機状態となる(ステップS142)。
このとき、操作履歴収集装置14から送られてくる前回
の選択結果の情報を保存する。
【0183】そして、オペレータから選択操作群A1
選択事項の表示を要求されると(ステップS143、Y
ES)、選択操作群A1 において前回選ばれた事項の情
報を取り出す(ステップS144)。
【0184】次に、選択操作群A1 の表示方法の記述に
アクセスし(ステップS145)、前回選ばれた事項X
j のインデックスjに対応して、第j行に記述された順
位による表示方法を選択する(ステップS146)。
【0185】そして、選択した表示方法に従って選択事
項を新しい表示順位で表示して、オペレータに選択操作
機能を提供し(ステップS147)、待機状態に戻る
(ステップS142)。
【0186】また、選択操作群A1 の選択事項の表示要
求がなく(ステップS143、NO)、操作モデル翻訳
装置17から記述の修正要求があれば(ステップS14
8、YES)、選択操作群A1 の更新された表示方法の
記述を操作モデル翻訳装置17から読み込み(ステップ
S149)、待機状態に戻る(ステップS142)。操
作モデル翻訳装置17からの修正要求がなければ(ステ
ップS148、NO)、待機状態にとどまる(ステップ
S142)。
【0187】次に、図19および図20を参照しなが
ら、時間的に一様なマルコフモデルによる選択事項の表
示の一例について説明する。図19(a)は3つの事項
1 、X2 、X3 の前回の表示を示しており、図19
(b)は選択事項表示システム11により修正された表
示を示している。図19(a)および図19(b)にお
いて、ユーザによる選択操作のコストは上から順に1、
2、3であるものとする。これらの値に表示された各項
目の経験的遷移確率を乗じてそれらの和をとると、その
表示における操作コストの期待値が得られる。
【0188】このとき、操作モデル学習装置16は図1
4のフローに従い、図19(a)の前回の表示において
ユーザにより選択された事項X2 のインデックス2を含
むi番目の操作履歴を受け取る(ステップS105)。
そして、今までに得られている操作履歴からマルコフ行
列R(i) の山を修正するか否かを調べ、修正が必要であ
ればR(i) の山を修正し、必要がなければR(i) の山を
そのまま保持する(ステップS106、S107、S1
08)。
【0189】図20は、こうして得られたマルコフ行列
(i) の山の一例を示している。図20において、j行
h列の数値は前回の選択結果が事項Xj であったときに
事項Xh が次回に選択される確率を表す。この確率は現
在までの全操作履歴をもとに算定されている。操作モデ
ル学習装置16は、図20のマルコフ行列R(i) の山を
操作モデル翻訳装置17に伝える(ステップS10
9)。
【0190】操作モデル翻訳装置17は図16のフロー
に従い、受け取ったマルコフ行列R (i) の山と表示制約
にもとづき、表示方法の記述を生成する(ステップS1
36、S137)。図19の場合の表示制約は、選択操
作におけるカーソルの移動方向が上下方向であり、上か
ら1項目下へ移動する毎に1単位のコストを要するとい
う制約を含んでいる。
【0191】図21は、図20のマルコフ行列から生成
された記述を示している。この翻訳結果は、例えば前回
の選択結果が事項X1 の場合は、図20のマルコフ行列
の1行目の各確率の大きさに従って上から事項X3 、事
項X2 、事項X1 の順に表示することを表している。同
様に、前回の選択結果が事項X2 の場合は上から事項X
1 、事項X3 、事項X2 の順であり、前回の選択結果が
事項X3 の場合は上から事項X2 、事項X3 、事項X1
の順であることを表す。
【0192】操作モデル翻訳装置17は、図21の表示
方法の記述を選択操作機能提供装置13に伝える(ステ
ップS138)。選択操作機能提供装置13は図18の
フローに従い、操作履歴収集装置14から送られた前回
の選択結果である事項X2 のインデックス2を用いて、
受け取った表示方法の記述にアクセスする(ステップS
145)。
【0193】そして、図21の表示方法の記述の2行目
から{事項X1 ,事項X3 ,事項X 2 }という表示順位
を得て(ステップS146)、これに従い図19(b)
に示すように選択事項を表示する(ステップS14
7)。
【0194】図20の2行目の各事項の選択確率を用い
て、図19(b)の表示における操作コストの期待値を
求めてみると、 1×0.5+2×0.3+3×0.2=1.7 …(28) となる。一方、同じ選択確率を用いて、図19(a)の
表示における操作コストの期待値を求めてみると、 1×0.5+2×0.2+3×0.3=1.8 …(29) となる。したがって、図19(b)のように表示を修正
することにより操作コストの削減が期待できる。
【0195】時間的に一様なマルコフモデルの場合は、
操作履歴がC2 (ε,K)個集まる毎に、操作モデル、
操作モデルにもとづく記述、および表示形式が更新され
る。このとき、高々〔8K/C2 (ε,K)ε2 〕〔ln
(2K/ε)〕2 回の更新の後に、選択事項表示システ
ム11は選択操作群A1 に対して最適な平均操作量から
の逸脱がεK2 (K−1)を超えることのない選択操作
機能を、1−εの高い確率で提供することができる。も
ちろん、操作履歴を収集し続けて更新を続けるならば、
漸近的に最適な操作量を実現できる。この結論は以下の
ようにして導かれる。
【0196】事前にどの事項が選ばれたのかを知ること
ができれば、経験的遷移行列R(i)の山の1つの行を経
験的確率ベクトルとして取り出せるので、その時点にお
いて完全独立なモデルと同様の問題となる。各事項から
の経験的遷移確率を要素とする経験的確率ベクトルが目
的の分布にε近似であれば、これらによって表示順位を
求め、図17のような表示方法の記述を生成して選択事
項の表示を行い、最適な平均操作量に漸近する選択操作
機能を提供することができる。
【0197】経験的遷移確率行列が目的の分布を表す確
率行列にε近似となるために、最終的に必要となる履歴
の長さを算定してみる。このとき、満たされるべき条件
は次の2つである。
【0198】(I)少なくとも各事項について、各経験
的遷移確率がε近似となるための十分な標本量N=O
((1/ε2 )ln(1/ε))を、各遷移事例について
集めなければならない。
【0199】(II)各経験的確率ベクトルがε近似でな
ければならない。すなわち、操作履歴は各事項について
少なくともN個以上の遷移事例が集められるくらいに長
くなければならない。
【0200】まず、このモデルに固有の条件(II)につ
いて考える。時間的に一様で既約なマルコフモデルを考
えているので、経験的遷移確率行列R(i) の山の各行j
(1K)においてΣh=1 K jh (i) の山=1なら
ば、そのi=∞に対応する極限分布は、
【0201】
【数6】
【0202】となる。したがって、観測時間が十分に長
い場合は、各事項から始まる遷移が見出される頻度が互
いに等しいと仮定することは合理的である。事項Xj
ら始まる遷移事例は操作履歴の中に1/Kの確率で見い
出されると考える。ここでは、事項X j から事項Xh
の遷移事例Xj h (1K)を、1−δ2 の確率
で少なくともN個集めなければならない。
【0203】これを達成するには、Coupon Collector P
roblem(G.M.Benedek and A.Itai,Learnability with r
espect to fixed distributions, Theo. Comp. Sci., 8
6(1991), pp.377-389.)によれば、NKln(NK/δ
2 )個の遷移事例を集めればよい。こうして、1−δ2
の確率でε近似の経験的遷移確率行列を獲得する機会が
あることが分かった。次に、1−δ1 の確率で各遷移確
率の推定が同時にε近似でなければならない。
【0204】
【数7】
【0205】が成り立つので、各事項から始まる遷移事
例の総数Nは、Hoeffding の不等式を用いて(2/
ε2 )ln(K2 /δ1 )以上でなければならないことが
分かる。推定の確度に対する要請は、 (1−δ1 )(1−δ2 )≧1−ε …(32) であるから、δ1 =ε/2,δ2 =ε/2とすると、 (32)式の左辺=(1−ε/2)2 ≧1−ε =(32)式の右辺 …(33) となり、(32)式を満足する。
【0206】以上のことから、(8K/ε2 )〔ln(2
K/ε)〕2 個の遷移事例を操作履歴から収集して経験
的遷移確率行列R(i) の山を計算すれば、1−εの確率
で一般の遷移確率行列に対してε近似となる。操作履歴
はC2 (ε,K)個毎に転送されるので、必要な転送回
数は〔8K/C2 (ε,K)ε2 〕〔ln(2K/ε)〕
2 回となる。
【0207】再び、操作履歴を逐次的に収集する際に何
個単位で収集すべきであるかを、次の2つの方法により
検討する。ここでは、C2 (ε,K)個という関数の形
で収集単位を導入している。
【0208】χ2 検定の過去の経験と理論によれば、各
選択事項Xj において良好なχ2 検定に必要な操作履歴
の長さとして、この場合少なくともK2 maxh (5/
jh)は必要である。ここで、pjhは事項Xj が選ばれ
たときの次に事項Xh が選ばれる頻度である。ここでの
目的は、ε近似によって、各事項が事前に選ばれたとき
に次に何が選ばれるのか、その蓋然性における順位決定
を行うことである。したがって、選択頻度pjhの最小値
をεとみなし、C2 (ε,K)=5K2 /ε個の収集単
位を得る。
【0209】また、K2 個の遷移が存在するので、1つ
の遷移と他の遷移は独立であると考えて、各遷移に対し
て一様分布を想定することもできる。このとき、遷移事
例の抽出を重なりが生じるまで続けるとすると、停止す
るまでの抽出回数の期待値はKとなる。もし、遷移の分
布に偏りがある場合は、停止までの抽出回数の期待値は
Kよりも小さくなる。
【0210】操作履歴にはそれなりの偏りが生じること
が予想されるので、操作履歴の長さをK以上とすること
は妥当であり、さらに分散を考え併せて、C2 (ε,
K)=2Kとする。
【0211】選択操作の履歴が完全独立な事象例とみな
し得る場合、学習カーネル動作管理装置18においてそ
の処理を記載すれば、確率モデルを変更して、マルコフ
モデルから完全独立なモデルへ移行することができる。
【0212】図14から図21までの実施例では、前回
の選択結果によって次に選択される事項の確率を予測す
る1次マルコフモデルを操作モデルとして採用したが、
本発明はこれに限られるものではなく、前々回の選択結
果まで考慮に入れて次の選択確率を予測する2次マルコ
フモデル等、任意の次数の多重マルコフモデルを採用す
ることができる。
【0213】また、上述の実施例では時間的に一様なマ
ルコフモデルを用いたが、選択事項表示システム11
は、選択確率が時間に依存する非定常な選択操作を含む
任意の選択操作を支援することができる。非定常なモデ
ルとしては、マルコフモデルの上位モデルである自己回
帰(Autoregression)モデルや自己回帰移動平均(Auto
regressive Moving Average)モデルなどがある。
【0214】図22は非定常な操作モデルの一例を示
し、図23は図22のモデルにおける最適な表示方法の
一例を示している。図22のフェーズT1においては、
選択事項X1 〜X15のうちX1 〜X5 のみが選択対象と
なり、事項X3 の選択確率が最も高く、次いで事項X2
とX4 、事項X1 とX5 の順になっている。フェーズT
2においては、選択事項X1 〜X15のうちX6 〜X14
みが選択対象となり、事項X10の選択確率が最も高く、
次いで事項X9 とX11、事項X8 とX12、事項X7 とX
13、事項X6 とX14の順になっている。
【0215】このとき、表示制約を図3(a)と同様に
一次元方向とすると、フェーズT1における最適な選択
事項の表示は、例えば図23(a)のようになる。フェ
ーズT1においては事項X6 〜X15の選択確率は0なの
で、これらを表示する必要はない。選択操作のコストは
右へ行くほど大きくなる。
【0216】また、フェーズT2における最適な選択事
項の表示は、例えば図23(b)のようになる。フェー
ズT2においては事項X1 〜X5 、X15の選択確率は0
なので、これらを表示する必要はない。
【0217】このように、選択確率が時間に依存して変
化する場合でも、対応して時間的に変化する操作モデル
を採用すれば、その選択操作を支援することができる。
続いて、図24から図27までを参照しながら、選択事
項表示システム11による複数の選択操作群にまたがる
支援方法を説明する。ここでは、特に新規支援要請、支
援中止要請等の処理手順について説明する。
【0218】支援対象である各選択操作群の操作モデル
は、完全独立なモデルと同様の表示項目数に応じた多項
分布であり、具体的には経験的確率ベクトルで表現され
ているものとする。このとき、新規に支援を受けるもの
を含む各選択操作群に対して、図10から図13に示し
たのと同じ方法が適用されるなら、漸近最適な操作量が
保証される。
【0219】図24は、学習カーネル動作管理装置18
による支援の変更動作を示すフローチャートである。図
24において、起動された学習カーネル動作管理装置1
8は常時待機の体制をとる(ステップS151)。
【0220】このとき、操作モデル学習装置16と操作
モデル翻訳装置17が起動され、基本動作ファイルの選
択操作群の集合(リスト)Lに記載された選択操作群
{A1,・・・,As }の支援を開始する。
【0221】次に、オペレータから新規の選択操作群
{As+1 ,・・・,As+t }の支援要請を受け取ると
(ステップS152、YES)、基本動作ファイルにそ
れらに関する情報を追加する(ステップS153)。そ
して、操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置1
7を呼び出して(ステップS154、S155)、追加
要求を伝える(ステップS156)。ここで、選択操作
群{As+1 ,・・・,As+ t }の支援開始を指示し(ス
テップS157)、待機状態に戻る(ステップS15
1)。
【0222】操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳
装置17は、学習カーネル動作管理装置18からの追加
要求に応じて、選択操作群{As+1 ,・・・,As+t
の支援を開始する。
【0223】また、オペレータから選択操作群{Ai
・・・,Ai+k }に対する支援中止の要請を受け取ると
(ステップS158、YES)、基本動作ファイルから
それらの情報を削除する(ステップS159)。そし
て、操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置17
を呼び出して(ステップS160、S161)、削除要
求を伝える(ステップS162)。ここで、選択操作群
{Ai ,・・・,Ai+k}の支援中止を指示し(ステッ
プS163)、待機状態に戻る(ステップS151)。
【0224】操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳
装置17は、学習カーネル動作管理装置18からの削除
要求に応じて、選択操作群{Ai ,・・・,Ai+k }の
支援を中止する。
【0225】また、オペレータから選択操作群{Ap
q }に対する支援内容の修正要請を受け取ると(ステ
ップS164、YES)、基本動作ファイルのそれらに
関する情報を修正する(ステップS165)。そして、
操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置17を呼
び出して(ステップS166、S167)、修正要求を
伝える(ステップS168)。ここで、選択操作群{A
p ,Aq }の修正された内容での支援を指示し(ステッ
プS169)、待機状態に戻る(ステップS151)。
【0226】操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳
装置17は、学習カーネル動作管理装置18からの修正
要求に応じて、修正された内容で選択操作群{Ap ,A
q }の支援を再開する。Ap ′、Aq ′は、それぞれ支
援内容の修正を受けた選択操作群Ap 、Aq を表す。
【0227】オペレータから新規支援、支援中止、支援
修正のいずれの要請もない場合は(ステップS152、
NO、ステップS158、NO、ステップS164、N
O)、待機状態にとどまる(ステップS151)。
【0228】図25は、図24のステップS153にお
ける支援対象の追加動作のフローチャートである。図2
5において、学習カーネル動作管理装置18はオペレー
タからの要請に応じて対話機能を立ち上げ(ステップS
171)、新規の選択操作群{As+1 ,・・・,
s+t }の選択事項や表示制約など、必要な情報を受け
取る(ステップS172)。
【0229】次に、選択操作群{As+1 ,・・・,A
s+t }とそれらの操作モデル、表示方法の記述等を記載
した追加の基本動作ファイルを生成する(ステップS1
73)。このとき、新規の選択操作群のうち、過去に基
本動作ファイルに登録されたことのあるものについて
は、その情報をシステム内のメモリから取り出して追加
の基本動作ファイルを生成する。
【0230】そして、現在の基本動作ファイルに追加の
基本動作ファイルをマージして、新規の基本動作ファイ
ルとする(ステップS174)。新規の基本動作ファイ
ルには、選択操作群{A1 ,・・・,AS ,As+1 ,・
・・,As+t }の動作記述が記載される。
【0231】図26は、図24のステップS159にお
ける支援対象の削除動作のフローチャートである。図2
6において、学習カーネル動作管理装置18はオペレー
タからの要請に応じて対話機能を立ち上げる(ステップ
S181)。そして、基本動作ファイルの選択操作群
{Ai ,・・・,Ai+k }の支援状態を休止と記述し
て、操作モデル学習装置16と操作モデル翻訳装置17
にこれらの支援休止を要求する。また、選択操作機能提
供装置13に対しては、現在得られている表示方法の固
定を伝達する。
【0232】次に、これらの選択操作群およびその操作
モデル、表示方法の記述等の情報を基本動作ファイルか
ら削除して(ステップS182)、基本動作ファイルを
更新する(ステップS183)。削除した情報はシステ
ム内のメモリに格納しておく。
【0233】更新された基本動作ファイルには、選択操
作群{A1 ,・・・,Ai-1 ,Ai+ k+1 ,・・・,
s }の動作記述が記載される。学習カーネル動作管理
装置18からの削除要求に応じて、操作モデル学習装置
16は選択操作群{Ai ,・・・,Ai+k }の操作モデ
ルを消去し、操作モデル翻訳装置17はそれらの表示方
法の記述を消去する。操作履歴収集装置14はそれらの
選択操作群に関する操作履歴の収集経路を断ち、選択操
作機能提供装置13は、作業用ソフトウェアに対してこ
れまでに得られた表示方法若しくは初期の表示方法を伝
達し、選択操作群{Ai ,・・・,Ai+k }に関する伝
達経路を切る。
【0234】図27は、図24のステップS165にお
ける支援内容の修正動作のフローチャートである。図2
7において、学習カーネル動作管理装置18はオペレー
タからの要請に応じて対話機能を立ち上げる(ステップ
S191)。そして、基本動作ファイルの選択操作群
{Ap ,Aq }の支援状態を休止と記述して、操作モデ
ル学習装置16と操作モデル翻訳装置17にこれらの支
援休止を要求する。
【0235】学習カーネル動作管理装置18からの支援
休止要求に応じて、操作モデル学習装置16と操作モデ
ル翻訳装置17はこれらの選択操作群の支援を停止す
る。次に、学習カーネル動作管理装置18はこれらの選
択操作群の操作モデル、表示方法の記述等の情報の修正
内容を受け取り(ステップS192)、基本動作ファイ
ルの該当部分を修正内容と置き換えて(ステップS19
3)、基本動作ファイルを更新する(ステップS19
4)。
【0236】更新された基本動作ファイルには、選択操
作群{A1 ,・・・,Ap ′,・・・,Aq ′,・・
・,As }の動作記述が記載される。次に、図28から
図34までを参照しながら、図1の各装置をマルチプロ
セス機能を持つワークステーションにより実現した例に
ついて説明する。
【0237】図28は、学習カーネル動作管理装置1
8、操作履歴収集装置14、選択操作機能提供装置1
3、操作モデル学習装置16、操作モデル翻訳装置17
にそれぞれ対応する学習カーネル動作管理プロセス2
1、操作履歴収集プロセス22、選択操作機能提供プロ
セス23、操作モデル学習プロセス24、操作モデル翻
訳プロセス25を1つのワークステーション上に生成し
た例を示している。
【0238】プロセス間の通信経路はプロセスが存在し
ているシステムの通信プロトコルを用いて生成する。学
習カーネル動作管理プロセス21は、各プロセスの動作
を選択事項表示システム11として協調させるために主
となるプロセスの役割を果たす。
【0239】通信経路を伝播する通信文は、図28の各
プロセスや支援対象となる複数の作業用ソフトウェアの
間で送受信され、各プロセスの動作を規定する台本(ス
クリプト)となる。
【0240】図28の各プロセス等をPerlなどのスクリ
プト言語で構成すれば、通信文の処理のために専用の受
理器(オートマン)を構成する手間を省くことができ、
また、OS(オペレーティング・システム)に縛られる
こともなくなる。UNIX上のPerlでは、標準的な通信
プロトコルであるTCP/IPがサポートされており、
容易にプロセス間通信を実現できる。作業用ソフトウェ
アとしては、例えばドロー系の作図ソフトウェアを想定
しており、ポインティング・デバイスとグラフィック・
ユーザ・インタフェース(GUI)が用いられる。
【0241】図28においては、学習カーネル動作管理
プロセス21が他のプロセス22、23、24、25を
立ち上げる。これらのプロセス21、22、23、2
4、25は、それぞれの動作設定にもとづき図29に示
す手順でプロセス間の通信チャネルを生成し、通信経路
を確保する。
【0242】各プロセスは選択事項表示システム11に
おいて決められた通信文を送付・受理できるような通信
・解釈ルーチンをコミュニケータとして持つ。受理でき
る通信文や受理した通信文に対する動作などのコミュニ
ケータの能力は、プロセスの機能に応じて異なる。
【0243】コミュニケータの通信チャネルは、例えば
ソケットにより構成される。通信チャネルの生成方法と
しては、ソケットを直接生成して結合する方法の他に、
各プロセスのコミュニケータがそれぞれ通信用のプロセ
スを生成する方法があり、この場合は通信用のプロセス
を介して間接的に通信が行われる。間接的な通信は、通
信の安全管理の面で優れている。
【0244】図29(a)に示すように、プロセス乙が
自己の通信チャネルを生成してプロセス甲に通信の開始
を要求すると、図29(b)に示すように、プロセス甲
が自己の通信チャネルを生成する。こうして、図29
(c)に示すように、プロセス甲とプロセス乙の間にプ
ロセス間の通信経路が成立する。ここで、プロセス甲、
プロセス乙は、それぞれ図18のプロセス21、22、
23、24、25のいずれかを指す。
【0245】図30は、図29の手順により選択事項表
示システム11内に設定される通信経路を示している。
設定された各通信経路上では双方向に通信が行われ、各
通信経路により接続される2つのプロセスのどちらの通
信チャネルも等価である。また、各通信経路の容量はそ
の役割に応じて変化し、容量に応じてその通信経路に属
する通信チャネルの対の数も変わる。
【0246】無駄のない選択事項表示システム11を構
成した場合は、受理できる通信文の種類や長さなどの各
コミュニケータの能力の差が生じる。例えば、学習カー
ネル動作管理プロセス21の通信経路と選択操作機能提
供プロセス23の通信経路が、すべての面で同等の能力
を持つ必要はない。学習カーネル動作管理プロセス21
の通信経路はより静的であり、選択操作機能提供プロセ
ス23の通信経路はより動的である。選択操作機能提供
プロセス23の通信経路が動的なのは、作業用ソフトウ
ェアに情報をすばやく送ったり、操作モデル翻訳プロセ
ス25から支援内容を頻繁に受け取るためである。
【0247】図31は、選択操作機能提供プロセス23
と作業用ソフトウェアの接続方法を示している。作業用
ソフトウェア26には、プロセスと同様に通信・解釈の
ためのコミュニケータが備えられている。
【0248】選択操作機能提供プロセス23との通信に
関与する作業用ソフトウェア26のコミュニケータは、
作業用ソフトウェア26の内部の状態を観測するほか
に、内部の状態の変更を行う。しかし、作業用ソフトウ
ェア26のすべてのレベルで状態変数がコミュニケータ
に開放されているわけではなく、GUIの表示関連オブ
ジェクト(GUI表示オブジェクト)の中でユーザが学
習機能の支援を必要とするものに限られる。
【0249】図31(a)に示すように、まず操作モデ
ル翻訳プロセス25との間に既に通信経路を持つ選択操
作機能提供プロセス23が通信チャネルを生成して、作
業用ソフトウェア26に通信の開始を要求する。する
と、図31(b)に示すように、作業用ソフトウェア2
6が通信チャネルを生成して、図31(c)に示すよう
に、選択操作機能提供プロセス23と作業用ソフトウェ
ア26の間に通信経路が成立する。
【0250】図32は、操作履歴収集プロセス22と作
業用ソフトウェアの接続方法を示している。操作履歴収
集プロセス22との通信に関与する作業用ソフトウェア
26のコミュニケータが、操作履歴収集プロセス22に
開放しているオブジェクトはGUIの選択操作に関する
事象を管理するためのもの(GUI選択事象オブジェク
ト)である。
【0251】図32(a)に示すように、まず操作モデ
ル学習プロセス24との間に既に通信経路を持つ操作履
歴収集プロセス22が通信チャネルを生成して、作業用
ソフトウェア26に通信の開始を要求する。すると、図
32(b)に示すように、作業用ソフトウェア26が通
信チャネルを生成して、図32(c)に示すように、操
作履歴収集プロセス22と作業用ソフトウェア26の間
に通信経路が成立する。
【0252】図33は、図29のプロセス甲とプロセス
乙の間における通信経路の形成処理を示すフローチャー
トである。イベント待ちとなっているプロセス乙は(ス
テップS211)、通信の必要が生じたときにまず自己
の通信チャネルを生成して(ステップS212)、プロ
セス甲を呼び出し(ステップS213)、プロセス甲か
らの応答を待つ(ステップS214)。
【0253】イベント待ちであったプロセス甲は(ステ
ップS201)、プロセス乙からの呼び出しを確認する
と(ステップS202)、自己の通信チャネルを生成し
(ステップS203)、自己の通信チャネルと通信相手
であるプロセス乙の通信チャネルを繋いで呼び出しに応
答する(ステップS204)。
【0254】次に、通信チャネルを通信制御オブジェク
トに登録して(ステップS205)、再びイベント待ち
となる(ステップS206)。プロセス乙は、プロセス
甲からの応答を受信して、通信経路の成立を確認すると
(ステップS215)、通信チャネルを通信制御オブジ
ェクトに登録して(ステップS216)、再びイベント
待ちとなる(ステップS217)。
【0255】図34は、このようにして形成された通信
経路により行われる選択操作機能提供プロセス23と作
業用ソフトウェア26の間の通信の一例を示している。
最初にイベント待ちとなっている選択操作機能提供プロ
セス23は(ステップS221)、操作モデル翻訳プロ
セス25から支援対象の新しい表示動作を記した台本を
受け取ると、作業用ソフトウェア26との通信を行う通
信チャネルを指定する(ステップS222)。
【0256】次に、作業用ソフトウェア26のコミュニ
ケータとの間で通信経路を確認し(ステップS22
3)、作業用ソフトウェア26がサポートしているメニ
ューの表示方法や操作方法の台本である通信文を送る
(ステップS224)。ここでは、一例として図21の
記述に対応する表示順位を記したメニューリストとメニ
ュー動作が送られる。
【0257】イベント待ちとなっている作業用ソフトウ
ェア26のコミュニケータは、選択操作機能提供プロセ
ス23からの呼び出しを確認すると(ステップS23
2)、送信された通信文を受信し(ステップS23
3)、通信文の内容を確認して(ステップS234)、
選択操作機能提供プロセス23のコミュニケータに通信
文の受信完了を知らせる(ステップS235)。
【0258】次に、通信文の内容を解釈してGUI表示
オブジェクトが受理できる形式の台本を用意して、GU
I表示オブジェクトに渡し(ステップS236)、イベ
ント待ちとなる(ステップS237)。
【0259】GUI表示オブジェクトに渡される台本に
は、他の作業用ソフトウェアとの間の通信を制御し、学
習カーネル15との通信を円滑に行うために必要な通信
経路制御ルーチンが明記されている。これはシステムの
信頼性を高めるためのプログラムであり、多数のプロセ
スが協調して処理が行われるときに有効である。
【0260】選択操作機能提供プロセス23は作業用ソ
フトウェア26から受信完了を知らされて、作業用ソフ
トウェア26による通信文の受信を確認すると(ステッ
プS225)、イベント待ちとなる(ステップS22
6)。
【0261】以上の実施例のシステム構成においては、
操作モデルとそれに対する表示方法の記述を分離するこ
とにより、学習カーネル15の抽象性が高められてい
る。これにより、同一の操作モデルを持つ異なる表示形
態の選択操作群、例えば一つのソフトウェア内の異なる
メニューや、複数の異なるソフトウェアのメニュー、ま
たはフロントエンドプロセッサの漢字変換の次候補表示
などに対して、学習カーネル15は同一の学習機能を一
括して提供することができる。異なる表示方法や表示制
約については、それらを記述したファイルを用意して選
択操作群毎に管理すればよい。
【0262】また、学習カーネル15を形成することに
より、異なる操作モデルをも管理し、それらに学習機能
を提供できるため、ある選択操作群の操作モデルに変化
が生じた場合、この学習機能により柔軟に対処できる。
根本的な操作モデルの変更には対話機能などを用いた
り、予め操作モデルの族を決めて探索学習することで対
応できる。
【0263】学習カーネル15の階層性によって、支援
対象、操作モデル、表示方法の記述の管理および再利用
がシステム内で容易に実現され、各個別あるいは組み合
わせての利用など柔軟な運用が可能である。特に、学習
により推定された操作モデルとその表示方法の記述によ
る選択操作機能をシステムの管理から外して、単独の機
能体として作業に提供することもできる。
【0264】また、ユーザは、学習カーネル動作管理装
置18により提供される対話機能によって、支援対象を
自分の意図に合わせて決定できる。作業においては、複
数の異なる選択操作群の操作効率を最適にすることを一
つの学習カーネル15に要求するだけで、適切な支援が
保証される。
【0265】また、ユーザは作業に必要と思われる新し
い操作モデルを新規に登録し、そのモデルに従って動的
に学習機能を変更させることができる。以上の実施例で
は、支援対象をユーザによる選択操作として説明した
が、適切な確率モデルによる学習方法が確立されるなら
ば、より複雑な操作が一貫した手法により記述可能とな
る。このとき、図2の選択事項表示システム11は、選
択操作に限られない最適な操作量を実現するためのプラ
ットフォームとなる。
【0266】具体的には、計算機上のオペレーティング
・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアの動
作に対して学習機能を提供し、操作モデルと操作方法の
記述により確率的に記述した内容をユーザによる操作に
反映させて、作業の効率を上げることができる。
【0267】例えば、計算機とユーザが協調して行う作
業において、オペレーティング・システムおよびアプリ
ケーション・ソフトウェアにより行われる動的なライブ
ラリの管理にも本発明を適用することができる。
【0268】複数のライブラリを動的にメモリにロード
する際に、あらかじめ関連するライブラリをまとめてロ
ードしたり、さらにライブラリの階層をあらかじめ予測
して、ロードする順番を決めておけば、オペレーティン
グ・システム等による動的なライブラリ管理に必要なメ
モリ、CPU等の計算機資源の量が漸近的に最適となる
ようなライブラリ管理システムを構成できる。そして、
オペレーティング・システム等のすばやい応答を適応的
に実現することができる。
【0269】また、本発明はビデオライブラリにおい
て、最新のトピックに適応したアクセスを行い、ビデオ
の数を加減する在庫管理にも適用できる。
【0270】
【発明の効果】本発明によれば、情報処理装置を利用し
た作業における操作性の向上が実現される。より具体的
には、次のような効果を得ることができる。
【0271】メニュー等の1つの機能体から学習機能が
分離され、表示方法の修正変更および学習機能の修正変
更が容易になる。また、学習機能の独立性が高まり、1
つの学習機能によって、同種の学習機能を必要とする異
なる機能体に学習機能が提供される。
【0272】また、学習結果そのものは、抽象度の高い
記述により機能体の表現と対応しているので、表現方法
において異なる制約の機能体を実現する場合に、一元的
かつ効率的な取扱いが可能になる。
【0273】また、作業内容は、支援対象、操作モデ
ル、および表示方法の記述により階層的に把握され、必
要に応じてそれらの変更や新規登録が可能であり、開放
的なシステムにより支援されるので、大きく異なった支
援方法が要求される状況下でも柔軟な支援が容易に実現
される。
【0274】また、作業内容と機能体、および、作業内
容と学習機能の分離が可能であり、複数の異なる作業に
対して1つのシステムにより学習機能を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例の構成図である。
【図3】表示制約の例を示す図である。
【図4】基本動作ファイルの準備動作を示すフローチャ
ート(その1)である。
【図5】基本動作ファイルの準備動作を示すフローチャ
ート(その2)である。
【図6】学習カーネルの起動と一般動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】学習カーネルの動作変更を示すフローチャート
である。
【図8】操作モデル学習装置の動作を示すフローチャー
ト(その1)である。
【図9】操作モデル翻訳装置の動作を示すフローチャー
ト(その1)である。
【図10】操作モデル学習装置の動作を示すフローチャ
ート(その2)である。
【図11】操作履歴収集装置の動作を示すフローチャー
ト(その1)である。
【図12】操作モデル翻訳装置の動作を示すフローチャ
ート(その2)である。
【図13】選択操作機能提供装置の動作を示すフローチ
ャート(その1)である。
【図14】操作モデル学習装置の動作を示すフローチャ
ート(その3)である。
【図15】操作履歴収集装置の動作を示すフローチャー
ト(その2)である。
【図16】操作モデル翻訳装置の動作を示すフローチャ
ート(その3)である。
【図17】表示方法の記述の一例を示す図(その1)で
ある。
【図18】選択操作機能提供装置の動作を示すフローチ
ャート(その2)である。
【図19】マルコフモデルにおけるメニュー表示例を示
す図である。
【図20】経験的遷移確率行列の一例を示す図である。
【図21】表示方法の記述の一例を示す図(その2)で
ある。
【図22】非定常な操作モデルの一例を示す図である。
【図23】非定常な操作モデルにおけるメニュー表示例
を示す図である。
【図24】学習カーネル動作管理装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図25】支援対象の追加の動作を示すフローチャート
である。
【図26】支援対象の削除の動作を示すフローチャート
である。
【図27】支援内容の修正の動作を示すフローチャート
である。
【図28】本発明のプロセスによる実施例を示す図であ
る。
【図29】通信経路の形成方法を示す図である。
【図30】選択事項表示システムの通信経路を示す図で
ある。
【図31】選択操作機能提供プロセスと作業用ソフトウ
ェアの接続方法を示す図である。
【図32】操作履歴収集プロセスと作業用ソフトウェア
の接続方法を示す図である。
【図33】通信経路の形成処理を示すフローチャートで
ある。
【図34】通信文の内容と送受信の一例を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1 収集手段 2 学習手段 3 翻訳手段 4 表示手段 5 格納手段 6 管理手段 11 選択事項表示システム 12 作業用ソフトウェア・学習カーネルインタフェー
ス 13 選択操作機能提供装置 14 操作履歴収集装置 15 学習カーネル 16 操作モデル学習装置 17 操作モデル翻訳装置 18 学習カーネル動作管理装置 19、20 メモリ 21 学習カーネル動作管理プロセス 22 操作履歴収集プロセス 23 選択操作機能提供プロセス 24 操作モデル学習プロセス 25 操作モデル翻訳プロセス 26 作業用ソフトウェア A1 ,A2 ,Am ,As ,As+1 ,As+t ,Ai-1 ,A
i ,Ai+k ,Ai+k+1,Ap ,Aq ,Ap ′,Aq
選択操作群 B1 ,B2 ,Bm 操作モデル C1 ,C2 ,Cm 表示方法の記述 X1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 ,X6 ,X7 ,X8 ,X
9 ,X10,X11,X12,X13,X14,X15,Xt11 ,X
t12 ,Xt1K ,Xt21 ,Xt22 ,Xt2K ,XtK 1 ,X
tK2 ,XtKK 選択事項

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報処理装置を利用した作業中に選択事
    項を表示し、ユーザにより選択された選択事項に対応し
    て動作するシステムにおいて、 前記ユーザが選択した選択事項を操作履歴として収集す
    る収集手段と、 前記収集手段から転送される前記操作履歴にもとづい
    て、前記ユーザによる選択操作の特徴を表す操作モデル
    を生成する学習手段と、 前記学習手段の生成する前記操作モデルと前記選択事項
    の表示形式を指定する表示制約とから表示方法の記述を
    生成する翻訳手段と、 前記翻訳手段の生成する前記表示方法の記述にもとづい
    て、前記選択事項を表示する表示手段とを備えることを
    特徴とする選択事項表示システム。
  2. 【請求項2】 前記学習手段は前記操作履歴を学習し
    て、前記選択事項が選択される確率を表し、かつ、前記
    表示制約に束縛されない前記操作モデルを生成すること
    を特徴とする請求項1記載の選択事項表示システム。
  3. 【請求項3】 前記学習手段は、過去に選択された複数
    の前記選択事項に含まれるある選択事項の割合を、該あ
    る選択事項が選択される確率とする確率モデルを用い
    て、前記操作モデルを生成することを特徴とする請求項
    2記載の選択事項表示システム。
  4. 【請求項4】 前記学習手段は、過去に選択された複数
    の前記選択事項において、連続して選択された2つの前
    記選択事項の組のうち最初の選択事項が第1の選択事項
    である前記組の数に対して、最初の選択事項が前記第1
    の選択事項であり、かつ、次の選択事項が第2の選択事
    項である割合を求め、該割合を前記第1の選択事項の次
    に前記第2の選択事項が選択される確率とする確率モデ
    ルを用いて、前記操作モデルを生成することを特徴とす
    る請求項2記載の選択事項表示システム。
  5. 【請求項5】 前記学習手段は、時間に依存して変化す
    る非定常な確率モデルを用いて前記操作モデルを生成す
    ることを特徴とする請求項2記載の選択事項表示システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記学習手段は、前記選択事項が選択さ
    れる確率を記述する確率モデルを適当に選ぶことによ
    り、前記ユーザによる選択操作の特徴に適した前記操作
    モデルを生成することを特徴とする請求項2記載の選択
    事項表示システム。
  7. 【請求項7】 前記操作モデルを記憶する格納手段をさ
    らに備え、 前記学習手段は前記操作履歴にもとづいて、前記格納手
    段に記憶された前記操作モデルが表す前記選択事項が選
    択される確率を変更して、前記操作モデルを更新するこ
    とを特徴とする請求項1記載の選択事項表示システム。
  8. 【請求項8】 前記表示手段は、複数のグループの前記
    選択事項を表示し、 前記学習手段は、前記複数のグループのうちの1つのグ
    ループと、前記収集手段による前記操作履歴の収集方法
    と、収集された該操作履歴の転送方法とを指定し、 前記収集手段は、前記学習手段により指定された前記1
    つのグループから前記ユーザが選択した選択事項を、前
    記学習手段により指定された前記収集方法により前記操
    作履歴として収集し、前記学習手段により指定された前
    記転送方法により前記操作履歴を前記学習手段に転送す
    ることを特徴とする請求項1記載の選択事項表示システ
    ム。
  9. 【請求項9】 前記翻訳手段は、前記操作モデルを評価
    して前記選択事項の表示順位を決定し、該表示順位と前
    記表示制約とにもとづいて、漸近最適な前記表示方法の
    記述を生成し、 前記表示手段は、前記漸近最適な表示方法の記述により
    指定される表示形式と動作にしたがって前記選択事項を
    表示することを特徴とする請求項1記載の選択事項表示
    システム。
  10. 【請求項10】 前記表示方法の記述を記憶する格納手
    段をさらに備え、 前記翻訳手段は、前記操作モデルの更新や前記表示制約
    の変更に応じて、前記格納手段に記憶された前記表示方
    法の記述を更新することを特徴とする請求項1記載の選
    択事項表示システム。
  11. 【請求項11】 前記表示手段は、前記翻訳手段による
    前記表示方法の記述の更新に応じて、前記選択事項の表
    示形式を動的に変更することを特徴とする請求項1記載
    の選択事項表示システム。
  12. 【請求項12】 前記情報処理装置における1つの選択
    操作を特定して、該特定された選択操作に対して使用す
    る可能性のある確率モデルを前記学習手段に提供し、該
    特定された選択操作に対して使用する可能性のある表示
    順位の評価方法と前記表示制約とを前記翻訳手段に提供
    して、前記学習手段と前記翻訳手段の動作を管理する管
    理手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の
    選択事項表示システム。
  13. 【請求項13】 前記管理手段は、前記特定された選択
    操作と前記確率モデルと前記評価方法と前記表示制約の
    うち、少なくとも1つを記述する基本動作ファイルを用
    いて、前記学習手段と前記翻訳手段の動作を一括して管
    理することを特徴とする請求項12記載の選択事項表示
    システム。
  14. 【請求項14】 前記管理手段は、ユーザまたはシステ
    ム管理者との対話により、前記基本動作ファイルを適応
    的に作成することを特徴とする請求項13記載の選択事
    項表示システム。
  15. 【請求項15】 情報処理装置を利用した作業における
    ユーザによる操作の結果を操作履歴として収集する収集
    手段と、 前記収集手段から転送される前記操作履歴にもとづい
    て、前記ユーザによる操作の特徴を表す操作モデルを生
    成する学習手段と、 前記学習手段の生成する前記操作モデルから操作方法の
    記述を生成する翻訳手段と、 前記翻訳手段の生成する前記操作方法の記述にもとづい
    て、前記ユーザに操作方法を提供する提供手段とを備え
    ることを特徴とするシステム。
  16. 【請求項16】 前記作業で使用するライブラリをロー
    ドして実行する処理手段をさらに備え、 前記収集手段は、前記ユーザによる操作により前記処理
    手段が前記ライブラリをロードした順位を前記操作履歴
    として収集し、 前記提供手段は、前記ユーザによる操作に適した操作方
    法を提供することを特徴とする請求項15記載のシステ
    ム。
  17. 【請求項17】 過去に選択された複数の前記選択事項
    において、連続して選択された2つの前記選択事項の組
    のうち最初の選択事項が第1の選択事項である前記組の
    数に対して、最初の選択事項が前記第1の選択事項であ
    り、かつ、次の選択事項が第2の選択事項である割合を
    求め、該割合にもとづいて前記第1の選択事項が選択さ
    れたときの前記第2の選択事項の表示順位を決める翻訳
    手段と、 前記翻訳手段が決めた表示順位にしたがって、前記第2
    の選択事項を表示する表示手段とを備えることを特徴と
    する選択事項表示システム。
  18. 【請求項18】 ユーザが選択した選択事項を操作履歴
    として収集し、 収集した前記操作履歴にもとづいて、前記ユーザによる
    選択操作の特徴を表す操作モデルを生成し、 生成した前記操作モデルと前記選択事項の表示形式を指
    定する表示制約とから表示方法の記述を生成し、 生成した前記表示方法の記述にもとづいて、前記選択事
    項を表示することを特徴とする選択事項表示方法。
  19. 【請求項19】 過去に選択された複数の前記選択事項
    に含まれるある選択事項の割合を、該ある選択事項が選
    択される確率とする確率モデルを用いて、前記操作モデ
    ルを生成することを特徴とする請求項18記載の選択事
    項表示方法。
  20. 【請求項20】 過去に選択された複数の前記選択事項
    において、連続して選択された2つの前記選択事項の組
    のうち最初の選択事項が第1の選択事項である前記組の
    数に対して、最初の選択事項が前記第1の選択事項であ
    り、かつ、次の選択事項が第2の選択事項である割合を
    求め、 該割合を前記第1の選択事項の次に前記第2の選択事項
    が選択される確率とする確率モデルを用いて、前記操作
    モデルを生成することを特徴とする請求項18記載の選
    択事項表示方法。
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