JPH0875140A - 微粉炭ミル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安全性の向上や設備コストの低減を図る。 【構成】 粉砕ローラ５を、ミル本体ケーシング１の外
部に取付けた空気シリンダ３８のロッド３９により直接
粉砕テーブル３へ押圧させ、粉砕力を発生させるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、微粉炭ミルに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、微粉炭焚ボイラには、燃料とな
る原炭を微粉砕するための微粉炭ミルが付設されてい
る。

【０００３】上記従来の微粉炭ミルを図３を用いて説明
する。

【０００４】円筒形のミル本体ケーシング１内下部に、
粉砕モータ２によって回転駆動される粉砕テーブル３
と、該粉砕テーブル３上面にリング状に形成された凹溝
４に対して押圧される３個１組の粉砕ローラ５（図では
２個のみ示している）とから成る粉砕部６を設ける。

【０００５】前記ミル本体ケーシング１外上方に、原炭
７を貯蔵するバンカ８と、該バンカ８内の原炭７を搬送
モータ９の駆動によって搬送するコンベア１０とから成
る給炭機１１を配設する。

【０００６】該給炭機１１出側に連結され垂直下方へ延
びる原炭入口管１２を、前記ミル本体ケーシング１の軸
心位置に貫挿し、ミル本体ケーシング１内上方に、逆円
錐状をした分級胴１３をミル本体ケーシング１と同心に
設け、該分級胴１３上部とミル本体ケーシング１との間
に形成された開口部１４に周方向へ複数枚の分級羽根１
５を設けると共に、前記原炭入口管１２の外周に分級胴
１３内の微粉炭１６をミル本体ケーシング１上方に設け
られた微粉炭送給室１７へ排出するための微粉炭出口管
１８を同心状に設け、分級胴１３の下部に、堆積した粗
粉炭１９の自重及び分級胴１３内外間の差圧によって開
閉自在な遮蔽板２０を設けて、分級機２１を構成する。

【０００７】尚、２２は前記ミル本体ケーシング１下部
に接続された、原炭７の乾燥及び粉砕された原炭７の搬
送用の熱風２３を吹込むための熱風ダクト、２４は前記
ミル本体ケーシング１上部の微粉炭送給室１７に接続さ
れた、図示しない微粉炭焚ボイラ等へ微粉炭１６を送出
するための微粉炭管、２５は遮蔽板２０が開いた時に、
粉砕テーブル３で粉砕された原炭７が分級胴１３内部へ
逆流するのを防止するための逆流防止部材である。

【０００８】上記微粉炭ミルでは、バンカ８内の原炭７
がコンベア１０により原炭入口管１２を経て、回転する
粉砕テーブル３上に連続的に落下され、粉砕ローラ５に
よって粉砕される。

【０００９】そして、粉砕された原炭７は、熱風ダクト
２２から吹込まれる熱風２３によって乾燥されると共
に、ミル本体ケーシング１内上方へと吹上げられる。

【００１０】ミル本体ケーシング１内上方では、粉砕さ
れた原炭７が分級胴１３上部の開口部１４を通って分級
胴１３内部へ入り、このとき開口部１４に設けられた分
級羽根１５により遠心力を与えられ、遠心力の強さによ
って、粗粉炭１９を遠心分離される。

【００１１】粗粉炭１９を遠心分離された微粉炭１６
は、その後、微粉炭出口管１８を通って微粉炭送給室１
７へ入り、微粉炭送給室１７から微粉炭管２４を介して
図示しない微粉炭焚ボイラ等へと送出される。

【００１２】一方、前記分級機２１で遠心分離された粗
粉炭１９は、分級胴１３下部に堆積され、粗粉炭１９が
ある程度堆積した時に、粗粉炭１９の自重によって遮蔽
板２０が開くことにより、再び粉砕テーブル３中央に落
下され、粉砕ローラ５によって再粉砕される。

【００１３】そして、遮蔽板２０は、粗粉炭１９が落下
した後、分級胴１３内外間の差圧（粉砕された原炭７の
旋回によって分級胴１３内部は圧力が低くなっている）
によって閉ざされ、以後、堆積した粗粉炭１９の自重と
分級胴１３内外間の差圧の作用によって間欠的な開閉が
繰返される。

【００１４】上記粉砕ローラ５は、図４に示すように、
ローラブロック２６によって支持されており、ローラブ
ロック２６が支持軸２７を中心として下方へ回動するこ
とにより、粉砕ローラ５が粉砕テーブル３の凹溝４へ当
接されるようになっている。

【００１５】そして、ローラブロック２６には、上部に
押圧用片２８が突設されており、押圧用片２８をプラン
ジャ２９を介して、ミル本体ケーシング１の外部に設け
られた油圧シリンダ３０で押すことにより、粉砕ローラ
５を凹溝４へ圧接させて、粉砕力を得るようにしてい
る。

【００１６】尚、図中、３１は作動油を貯留する作動油
タンク、３２は３個の粉砕ローラ５に対しそれぞれ設け
られた各油圧シリンダ３０と作動油タンク３１との間を
接続する作動油流路、３３は各作動油流路３２の途中に
設けられた油圧ポンプ、３４は油圧ポンプ３３の出側に
設けられた作動油クーラ、３５は作動油クーラ３４の出
側に設けられたアキュムレータであり、以上によって油
圧ユニット３６が構成される。又、３７はプランジャ２
９へ供給されるシール空気である。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の微粉炭ミルには、油圧シリンダ３０を用いていたた
めに、以下のような問題があった。

【００１８】即ち、油圧シリンダ３０から作動油がミル
本体ケーシング１内へ漏れた場合、作動油に引火する危
険性があるため、油圧シリンダ３０をミル本体ケーシン
グ１の外部へ設け、プランジャ２９などのスペーサ部材
を介して間接的に押圧用片２８を操作させるようにする
と共に、プランジャ２９への微粉炭１６の侵入を防止す
るためにプランジャ２９へシール空気３７を供給するな
どしなければならなかった。

【００１９】又、作動油は非圧縮性流体なので、粉砕ロ
ーラ５の上下運動に伴う油圧シリンダ３０の衝撃力を緩
和させるために、アキュムレータ３５を設けなければな
らない。

【００２０】更に、作動油は劣化するため、定期的に交
換する必要がある。

【００２１】更に又、１基のボイラに設けられた複数本
のバーナのそれぞれに対して１台ずつ微粉炭ミルが接続
されているが、各微粉炭ミルごとに油圧ユニット３６が
必要となるので、設備コストが掛かる。

【００２２】本発明は、上述の実情に鑑み、油圧シリン
ダの持つ種々の欠点を解消し得るようにした微粉炭ミル
を提供することを目的とするものである。

【００２３】

【課題を解決するための手段】本発明は、粉砕テーブル
との間で粉砕力を発生させる粉砕ローラを、ミル本体ケ
ーシングの外部に取付けた空気シリンダのロッドを介し
て直接粉砕テーブルへ向け押圧可能としたことを特徴と
する微粉炭ミルにかかるものである。

【００２４】

【作用】本発明の作用は以下の通りである。

【００２５】粉砕ローラは、ミル本体ケーシングの外部
に取付けた空気シリンダのロッドを介して直接粉砕テー
ブルへ押圧され、粉砕力が発生される。

【００２６】このように、粉砕力付与のために、空気シ
リンダを用いたので、作動油に引火する危険性がなくな
って高い安全性を確保することができるようになり、よ
ってプランジャなどのスペーサ部材を用いなくとも、直
接、粉砕力を付与させることができる。

【００２７】又、空気は圧縮性流体なので、粉砕ローラ
の上下運動に伴う空気シリンダの衝撃を緩和させるため
に、特別にアキュムレータを設ける必要がなくなる。

【００２８】更に、圧縮空気は使い捨てであり劣化する
心配がないため、定期的に交換するなどメンテナンスの
必要がない。

【００２９】更に又、圧縮空気は、微粉炭ミルの急激な
起動などに対しても充分対応可能であり、いくらでも溜
めておくことができるので、１基のボイラに設けられた
複数本のバーナのそれぞれに対して１台ずつ接続された
微粉炭ミルの各粉砕ローラ全てについて同一の空気源で
まかなうことができ、設備コストを大幅に削減すること
ができる。

【００３０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。

【００３１】図１・図２は、本発明の一実施例である。

【００３２】尚、微粉炭ミル自体の構造は、図３と同様
であるため、必要に応じて図３を参照する。

【００３３】又、図中、１はミル本体ケーシング、３は
ミル本体ケーシング１内部に回転自在に設けられた粉砕
テーブル、４は粉砕テーブル３上面にリング状に設けら
れた凹溝、５は凹溝４に押圧される粉砕ローラ、２３は
ミル本体ケーシング１内部に吹込まれる熱風、２６は粉
砕ローラ５を支持するローラブロック、２７はローラブ
ロック２６を上下動可能に支持する支持軸、２８はロー
ラブロック２６の上部に突設された押圧用片である。

【００３４】本発明では、ミル本体ケーシング１の外部
に空気シリンダ３８を取付け、空気シリンダ３８のロッ
ド３９をミル本体ケーシング１内部へ嵌挿して直接押圧
用片２８を押し得るようにする。

【００３５】１基のボイラには複数本のバーナが取付け
られ、各バーナにはそれぞれ微粉炭ミルが１台ずつ設け
られているが、全ての微粉炭ミルに対して共用可能な空
気槽４０を設け、該空気槽４０に主及び予備の空気圧縮
機４１，４２を各１台接続するようにする。

【００３６】各微粉炭ミルに３個設けられた粉砕ローラ
５のそれぞれに対応する空気シリンダ３８のヘッド側に
小径の空気チャンバ部４３を形成し、前記空気槽４０
と、空気チャンバ部４３との間に、それぞれ空気供給流
路４４を接続する。

【００３７】又、前記空気チャンバ部４３に空気排出流
路４５を接続し、空気チャンバ部４３の圧力を検出する
圧力検出器４６からの制御信号４７により、空気供給流
路４４及び空気排出流路４５の途中に設けた高圧圧力調
節弁４８，４９を開閉し得るようにする。

【００３８】更に、空気シリンダ３８のロッド３９側の
室５０に、シール空気供給流路５１を接続すると共に、
空気排出流路５２を接続し、室５０とミル本体ケーシン
グ１内部の差圧を検出する差圧検出器５３からの制御信
号５４により、空気排出流路５２の途中に設けられた低
圧圧力調節弁５５を開閉し得るようにする。

【００３９】尚、５６は空気チャンバ部４３と連通する
空気シリンダ３８のヘッド側の室、５７は空気シリンダ
３８のピストン、５８はピストン５７の有効ストローク
範囲に設けられた含油軸受などの摺動部材、５９は空気
シリンダ３８のロッド３９側に取付けられたシール、６
０はシール空気である。

【００４０】次に、作動について説明する。

【００４１】微粉炭ミルで原炭を微粉砕し搬送する過程
については図３と同様なので説明を省略する。

【００４２】本発明では、空気圧縮機４１を作動して空
気槽４０に圧縮空気を溜めておく。すると、空気槽４０
内の圧縮空気は、空気供給流路４４を介して、１基のボ
イラに設けられた全ての微粉炭ミルの空気シリンダ３８
における空気チャンバ部４３へ供給され、ピストン５７
を押して、ロッド３９を突出動させ、押圧用片２８を押
して、粉砕ローラ５に粉砕力を付与させる。

【００４３】空気チャンバ部４３内の圧力は、圧力検出
器４６によって検出され、検出された圧力が下限値より
も低い時は、圧力検出器４６は、制御信号４７を発生し
て高圧圧力調節弁４８を開かせ、空気供給流路４４から
空気チャンバ部４３内へ圧縮空気を供給させることによ
り、圧力を高めるようにし、検出された圧力が上限値よ
りも高い時には、圧力検出器４６は、制御信号４７を発
生して高圧圧力調節弁４９を開かせ、空気チャンバ部４
３内の圧縮空気を空気排出流路４５から外部へ排出させ
ることにより、圧力を下げさせるようにする。

【００４４】このようにすることにより、高圧圧力調節
弁４８からの漏れにより、空気チャンバ部４３内の圧力
が異常に高くなることが防止される。

【００４５】尚、粉砕ローラ５の上下動のような急激な
運動による圧力変動に対しては、圧力検出器４６は機能
しないようになっている。

【００４６】又、空気チャンバ部４３は、粉砕ローラ５
の上下動のような急激な運動による圧力変動を小さくす
るためのアキュムレータとしても機能する。

【００４７】一方、空気シリンダ３８のロッド３９側の
室５０では、シール空気供給流路５１を介してシール空
気６０が常時供給されており、該シール空気６０がシー
ル５９を介してミル本体ケーシング１内部へ噴出される
ことにより、微粉炭が空気シリンダ３８へ侵入すること
が防止されている。

【００４８】この際、空気シリンダ３８のヘッド側の室
５６内の圧縮空気がロッド３９側の室５０へ漏れること
が考えられるので、差圧検出器５３により、ミル本体ケ
ーシング１内部と室５０との差圧を検出し、差圧が一定
値を越えたときに、差圧検出器５３が制御信号５４を発
生して、低圧圧力調節弁５５を開き、室５０内の圧縮空
気を空気排出流路５２を介して外部へ排出させ、室５０
内の圧力を調節させる。

【００４９】又、ピストン５７の有効ストローク範囲に
含油軸受などの摺動部材５８を設けることにより、ピス
トン５７の円滑な動きが保持される。

【００５０】本発明によれば、粉砕力の付与のために、
空気シリンダ３８を用いたので、作動油に引火する危険
性がなくなり高い安全性を確保することができ、よって
プランジャなどのスペーサ部材を用いなくとも、直接、
ロッド３９で粉砕力を付与させることができる。

【００５１】又、空気は圧縮性流体なので、粉砕ローラ
５の上下運動に伴う空気シリンダ３８の衝撃力を緩和さ
せるために、特別にアキュムレータを設ける必要がな
く、或いは、必要に応じて、空気シリンダ３８のヘッド
側に空気チャンバ部４３を設ける程度で済むようにな
る。

【００５２】更に、圧縮空気は使い捨てであり劣化する
心配がないため、定期的に交換するなどメンテナンスの
必要がない。

【００５３】更に又、圧縮空気は、微粉炭ミルの急激な
起動などに対しても充分対応可能であり、いくらでも溜
めておくことができるので、１基のボイラに設けられた
複数本のバーナのそれぞれに対して１台ずつ接続された
微粉炭ミルの各粉砕ローラ５全てについて同一の空気槽
４０でまかなうことができ、設備コストを大幅に削減す
ることができる。

【００５４】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々変更を加え得ることは勿論である。

【００５５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の微粉炭ミ
ルによれば、粉砕力の付与に空気シリンダを用いたの
で、以下のような優れた効果を奏し得る。

【００５６】作動油に引火する危険性がなくなって高い
安全性を確保することができるようになり、よってプラ
ンジャなどのスペーサ部材を用いなくとも、直接、粉砕
力を付与させることができる。

【００５７】空気は圧縮性流体なので、粉砕ローラの上
下運動に伴う空気シリンダの衝撃を緩和させるために、
特別にアキュムレータを設ける必要がなくなる。

【００５８】圧縮空気は使い捨てであり劣化する心配が
ないため、定期的に交換するなどメンテナンスの必要を
なくすことができる。

【００５９】圧縮空気は、微粉炭ミルの急激な起動など
に対しても充分対応可能であり、いくらでも溜めておく
ことができるので、１基のボイラに設けられた複数本の
バーナのそれぞれに対して１台ずつ接続された微粉炭ミ
ルの各粉砕ローラ全てについて同一の空気源でまかなう
ことができ、設備コストを大幅に削減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の部分拡大側方断面図であ
る。

【図２】図１を部分的に拡大した詳細説明図である。

【図３】一般的な微粉炭ミルの側方断面図である。

【図４】従来例を示す図３の部分拡大図である。

【符号の説明】

１ ミル本体ケーシング ３ 粉砕テーブル ５ 粉砕ローラ ３８ 空気シリンダ ３９ ロッド

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 粉砕テーブルとの間で粉砕力を発生させ
   る粉砕ローラを、ミル本体ケーシングの外部に取付けた
   空気シリンダのロッドを介して直接粉砕テーブルへ向け
   押圧可能としたことを特徴とする微粉炭ミル。