JPH0872712A - セミトレーラ運搬用の鉄道貨車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単純構造で作業に特別な人員を必要とせず、
セミトレーラを持上げによって積載できるセミトレーラ
運搬用の鉄道貨車を提供する。 【構成】 鉄道貨車１は、長手側ばり２、３の間に配置
されるバスケット４を備える。バスケット４は２つの側
壁４ａ、後縁４ｂ、及び底部４ｃを備える。各側壁４ａ
には、バスケット４の吊り下げを可能にする持上げつま
み５と長手側ばり２，３の上にバスケット４を支持する
支持手段とが設けられる。バスケット４は、貨車１の横
手止めばり１４と回動基部１５との間に配置される。バ
スケット４の持上げつまみ５は、持上げつまみ５の両側
に配置されたストッパ７、９によって、長手側ばり２、
３の上で位置決めされる。支持手段と長手側ばり２，３
との少なくとも一方に、係止及び位置決め要素が設けら
れる。セミトレーラはバスケット４の底部４ｃに担持さ
れ、バスケット４と共に持上げられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、貨車の長手側ばりの間
の表面の少なくとも一部が欠落したセミトレーラ運搬用
の鉄道貨車に関する。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】道路／
鉄道複合運搬作業において、セミトレーラの運搬用にい
わゆるバスケットを備えた鉄道貨車を使用することは知
られている。従来、バスケットを備えた２種類の鉄道貨
車が公知である。１つの種類によれば、バスケットは貨
車の固定部分であり、したがってトレーラは持上げられ
てバスケット内に配置される。しかしながら、セミトレ
ーラ及び幾つかの形式のトレーラは、クレーンによって
持上げることができない。何故なら下回り構造がその目
的で構成されておらず、セミトレーラ及び積荷の総重量
に耐えられないからである。

【０００３】もう１つの種類の鉄道貨車は、軸の周りで
回転するバスケットを備える。バスケットは、貨車の１
つの長手側ばりと共に貨車の側方に回転できる。その位
置で、トレーラ又はセミトレーラは直接バスケット内に
移動される。この種の鉄道貨車が有する欠点は、バスケ
ット及び油圧空気圧作動装置が当該分野において特異に
精巧な構造を有するので、積込み作業に対し有能な人員
が必要なことである。また、開閉作業は時間を消費する
ものである。本発明の目的は、単純構造で作業に特別な
人員を必要とせず、しかもセミトレーラを持上げによっ
て積載できるセミトレーラ運搬用の鉄道貨車を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するために、本発明は、貨車の長手側ばり間の表面の少
なくとも一部が欠落したセミトレーラ運搬用鉄道貨車に
おいて、長手側ばりの間の貨車の表面の欠落部分にバス
ケットが配置され、バスケットは、セミトレーラを担持
する底部と２つの側壁とを備え、側壁に、貨車の長手側
ばりの上にバスケットを支持する支持手段と持上げつま
みとが設けられ、支持手段と貨車の長手側ばりとの少な
くとも一方に係止及び位置決め要素が設けられることを
特徴とする鉄道貨車を提供する。

【０００５】バスケットは貨車から持上げることができ
る。セミトレーラを連結したトラックは、地面に置かれ
たバスケットにセミトレーラを押し込むことができる。
そこでセミトレーラの車輪が回転に対し固定され、セミ
トレーラがトラックから切り離される。その後、バスケ
ット及びセミトレーラをクレーンによって持上げ、貨車
に載せることができる。

【０００６】好適な実施例によれば、バスケットの少な
くとも一側にて長手側ばりの間に横手止めばりを設ける
ことができる。また、バスケットは後縁を備えることが
できる。支持手段は、バスケットの側壁の、外側へ曲げ
られた上方延長部からなってもよい。他の実施例によれ
ば、支持手段は持上げつまみ自体であってもよい。さら
に他の実施例によれば、支持手段は、バスケットの側壁
の、長手側ばりに固定されたフックに支持される延長部
からなってもよい。

【０００７】本発明に係る鉄道貨車は、それ自体は持上
げが不可能なセミトレーラを積載かつ運搬することがで
きる。実際この種のトレーラは、現在欧州で使用されて
いるセミトレーラの９０〜９５％を占める。また、本発
明に係る鉄道貨車の構成は極めて簡単で、製造、使用及
び維持に関する要件は、一般に欧州における鉄道業界に
許容される水準にある。本発明のさらなる詳細及び利点
を、例として添付図面を参照して説明する。

【０００８】

【実施例】図１及び図２は、本発明の実施例による鉄道
貨車１を示す。長手方向へ延びる側ばり（長手側ばり）
２、３の間に、バスケット４が配置される。バスケット
４は２つの側壁４ａ、後縁４ｂ、及び底部４ｃを備え
る。各側壁４ａには、バスケット４の吊り下げを可能に
する持上げつまみ５が設けられる。バスケット４は、貨
車１の横手方向へ延びる止めばり（横手止めばり）１４
と回動基部１５との間に配置される。バスケット４の持
上げつまみ５は、持上げつまみ５の両側に配置されたス
トッパ７、９によって、長手側ばり２、３の上で位置決
めされる。

【０００９】持上げつまみ５及び位置決め／係止要素の
詳細は、図３〜図６に示される。図３の実施例によれ
ば、持上げつまみ５はバスケット４の側壁４ａの延長部
６に配置される。図３に示すように、延長部６は外側に
曲げられて、バスケット４を長手側ばり２の上に保持す
る。延長部６及び持上げつまみ５は、ストッパ７によっ
て長手方向に位置決めされる。図４では、持上げつまみ
５はそれ自体がバスケット４の支持手段を構成する。持
上げつまみ５は、長手側ばり２の上に直接に載せられ、
ストッパ９によって長手方向に位置決めされる。バスケ
ット４の全体の中心配置は、長手側ばり２に固定された
位置決めブロック８によって保持される。

【００１０】図５の実施例では、位置決めピン１０ａ及
び持上げつまみ５の穴１０ｂが、バスケット４の係止及
び位置決めに使用される。図６に示す他の実施例では、
バスケット４の側壁４ａの延長部１２を支持するフック
１１が長手側ばり２に設けられる。位置決め／係止要素
は、バスケット４の側壁４ａに配置された案内板１３で
ある。

【００１１】本発明に係る鉄道貨車は以下のようにして
使用できる。図７（ａ）に示すように、バスケット４は
クレーンによって貨車１から持上げられ、地上に降ろさ
れる。セミトレーラ１７を備えたトラック１６は、図７
（ｂ）に示すように、セミトレーラ１７の車輪がバスケ
ット４の後縁４ｂに到達するまで後退される。

【００１２】図７（ｂ）に示すように、この位置でセミ
トレーラ１７は脚部１８によって係留され、トラック１
６から切り離される。次に、フックを備えたケーブル１
９が持上げつまみ５に連結され、バスケット４がセミト
レーラ１７と共にクレーンによって持上げられる（図７
（ｃ））。その後、図７（ｄ）に示すように、バスケッ
ト４及びセミトレーラ１７は、バスケット４が貨車１の
開口部にしっかりと着座されるまで再び降ろされる。セ
ミトレーラ１７のさらなる位置調整は、貨車１の回動基
部１５によって行うことができる。

【００１３】図７に各段階のシーケンスで示すように、
鉄道貨車へのセミトレーラの積込作業は本発明によって
迅速かつ簡単に行えるようになる。持上げ及び降ろしは
普通のクレーンによって実施でき、バスケットは位置決
め／係止要素によって長手側ばり及びバスケットの側壁
上で自動的に位置決めされる。ここに説明した実施例は
単に例として示したものであり、特許請求の範囲によっ
て規定される保護範囲を限定するものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバスケットを備えた鉄道貨車の側
面図である。

【図２】図１の貨車の平面図である。

【図３】鉄道貨車の側ばり及びバスケットの一部の断面
図で、支持手段を示す。

【図４】側部支持手段の他の実施例の図である。

【図５】側部支持手段のさらに他の実施例の図である。

【図６】側部支持手段のもう１つの実施例の図である。

【図７】（ａ）〜（ｄ）セミトレーラを貨車に積込む各
段階を示す図である。

【符号の説明】

１…鉄道貨車 ２，３…長手側ばり ４…バスケット ４ａ…側壁 ４ｂ…後縁 ４ｃ…底部 ５…持上げつまみ ６，１２…延長部 ７，９…ストッパ １４…横手止めばり １５…回動基部 １７…セミトレーラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 サンドウ アルブレシュツ ルーマニア国，2900 アラド，エシュテー エル．シュテヤルルイ ６．ベーイ．ハー ５ アペー．12 (72)発明者 ロシフ ナジェー ルーマニア国，2900 アラド，エシュテー エル．トウドール ブラディミレシュツ 16−26．ベーイ．ベー．エシュツェー. ア．アペー．８ (72)発明者 バシレ ネツェアエブ ルーマニア国，2900 アラド，アレーア シャトウルン １，ベーイ．ア23 エシュ ツェー．ベー アペー．２ (72)発明者 ギョルジュ バヤイ ハンガリー国，2083 ソリーマール，パル カーニュ ウッツァ 19

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貨車の長手側ばり間の表面の少なくとも
   一部が欠落したセミトレーラ運搬用鉄道貨車において、 長手側ばり（２，３）の間の貨車（１）の表面の欠落部
   分にバスケット（４）が配置され、該バスケット（４）
   は、セミトレーラ（１７）を担持する底部（４ｃ）と２
   つの側壁（４ａ）とを備え、該側壁（４ａ）に、貨車
   （１）の長手側ばり（２，３）の上にバスケット（４）
   を支持する支持手段と持上げつまみ（５）とが設けら
   れ、該支持手段と貨車（１）の長手側ばり（２，３）と
   の少なくとも一方に係止及び位置決め要素が設けられる
   ことを特徴とする鉄道貨車。
2. 【請求項２】 前記バスケット（４）が後縁（４ｂ）を
   備えることを特徴とする請求項１に記載の鉄道貨車。
3. 【請求項３】 前記バスケット（４）の少なくとも一側
   にて前記長手側ばり（２，３）の間に横手止めばり（１
   ４）が設けられることを特徴とする請求項１又は２に記
   載の鉄道貨車。
4. 【請求項４】 前記支持手段が前記バスケット（４）の
   前記側壁（４ａ）の上方延長部（６）からなり、該上方
   延長部（６）が外側へ曲げられていることを特徴とする
   請求項１〜３のいずれか１つに記載の鉄道貨車。
5. 【請求項５】 前記支持手段が前記持上げつまみ（５）
   自体であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１
   つに記載の鉄道貨車。
6. 【請求項６】 前記支持手段が前記バスケット（４）の
   前記側壁（４ａ）の延長部（１２）からなり、該延長部
   （１２）が前記長手側ばり（２，３）に固定されたフッ
   ク（１４）に支持されることを特徴とする請求項１〜３
   のいずれか１つに記載の鉄道貨車。