JPH0871351A - 圧力変動吸着分離法による空気分離方法及び装置 - Google Patents

圧力変動吸着分離法による空気分離方法及び装置

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JPH0871351A
JPH0871351A JP6207184A JP20718494A JPH0871351A JP H0871351 A JPH0871351 A JP H0871351A JP 6207184 A JP6207184 A JP 6207184A JP 20718494 A JP20718494 A JP 20718494A JP H0871351 A JPH0871351 A JP H0871351A
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JP
Japan
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adsorption
nitrogen
oxygen
air
cylinder
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JP6207184A
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English (en)
Inventor
Masahito Kawai
雅人 川井
Shin Hayashi
伸 林
Teruji Kaneko
輝二 金子
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Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Japan Oxygen Co Ltd
Nippon Sanso Corp
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Publication date
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  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品回収率を高く保ちながら酸素発生量を高
めることができるとともに、高純度の窒素も採取するこ
とができ、動力原単位の低減も図れる圧力変動吸着分離
法による空気分離方法及び装置を提供する。 【構成】 吸着工程を終了して再生工程に入る前の吸着
筒に窒素を導入して筒内のガスを排出する窒素洗浄工程
を行い、該窒素洗浄工程で排出されたガスを吸着工程に
入った吸着筒内に空気の導入に先立って又は空気と同時
に導入するとともに、再加圧工程では、吸着筒の出口側
からの酸素導入と入口側からの空気導入とを同時に行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力変動吸着分離法に
よる空気分離方法及び装置に関し、詳しくは、窒素を優
先的に吸着する吸着剤を用いた圧力変動(プレッシャー
スイング)吸着分離法により、空気中の酸素と窒素とを
分離する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気中
の酸素と窒素とを分離して酸素や窒素を製品として採取
する装置として、圧力変動吸着分離法(PSA法)によ
る空気分離装置(PSA装置)が広く知られている。主
に酸素を製品として採取する酸素PSA装置では、一般
に、窒素を優先的に吸着するゼオライトを吸着剤として
充填した複数の吸着筒を用いており、基本的には、各吸
着筒について、原料空気を導入して酸素と窒素とを分離
する吸着工程と、吸着剤に吸着した窒素を脱着して吸着
剤を再生する再生工程とを順次繰返すことにより、連続
的に濃縮酸素を発生するように構成されている。
【0003】このような酸素PSA装置においては、ゼ
オライトの窒素に対する高い選択吸着特性を利用して空
気から酸素を濃縮分離するものであるが、酸素とアルゴ
ンとがゼオライトに対して略同一の吸着特性を持つこと
から、分離濃縮された酸素はアルゴンを含むため、その
最高濃度は概ね95%であった。
【0004】一方、酸素を使用する上で酸素濃度に制約
がある場合、例えば、金属の切断に酸素を用いる場合
は、99.5%程度の酸素濃度がないと、切断スピード
や切断面の滑らかさの点で問題がある。また、病院等で
用いられる医療用の酸素は、薬事法で99.5%以上の
酸素濃度が必要と指定されている。しかし、電気炉を用
いた製鋼,パルプの漂白,排水処理等、工業的規模で大
量に酸素を消費する多くの用途では95%以下の酸素濃
度で十分であり、酸素PSA法の適用範囲は極めて広い
といえる。このようなことから、酸素濃度が90%前後
で良く、しかも大量の酸素を消費するユーザーに対し
て、より安価な酸素を供給するために、PSA装置には
様々な改良が加えられてきた。
【0005】PSA装置の性能を向上させるための着目
ポイントとしては、装置の小型化のために使用する吸着
剤の剤当たり製品発生量を大きくすること、動力原単位
を下げるために製品回収率を高くすること、の2点が重
要である。特に、大型のPSA装置では、電力原単位を
下げることが製品ガスの生産コストを下げる上で有効で
あり、製品回収率を高めるための様々な工夫が成されて
きている。
【0006】例えば、特公平3−53965号公報に記
載の方法では、窒素を優先的に吸着する吸着剤を用いた
酸素PSA装置において、加圧下での吸着工程を終了し
た吸着筒内に窒素を導入し、筒内に存在する幾分酸素が
濃縮されたガスを排出する窒素洗浄を行い、この窒素洗
浄により吸着筒から排出された酸素濃縮ガスを原料ガス
として再使用することにより、製品酸素の回収率を高め
るようにしている。
【0007】ところが、この方法では、高い酸素回収率
を得ることはできるが、洗浄用窒素を加圧供給するため
の窒素圧縮機が間欠的な運転になるため、動力的に無駄
があり、さらに、窒素洗浄により発生した酸素濃縮ガス
を原料空気圧縮機の吐出側に送入しているため、前記窒
素圧縮機の吐出圧を高くしなければならず大きい動力を
必要とするなどの問題があり、また、再生工程後の吸着
筒内を製品酸素により吸着操作圧力まで高めるための製
品加圧工程がサイクルタイムの1/3より短いため、短
時間で多量の酸素を吸着筒へ逆戻ししなければならず、
これにより、酸素を発生している吸着筒内の圧力が変化
して性能低下を生じたり、酸素による吸着剤の吹上げを
生じたりするなどの問題もあった。
【0008】また、特開昭51−51419号公報に記
載された方法においても、上記同様の洗浄工程を行うこ
とにより製品回収率の向上を図っている。しかし、実施
例に記載されている2筒式のプロセスにおいては、吸着
筒自体は簡略化されているが、製品吐出が間欠的である
ため、酸素貯槽や窒素貯槽を設けなければならず、装置
構成としては複雑なものとなっている。また、真空ポン
プや洗浄用窒素圧縮機(ポンプ)のいずれもが間欠運転
となるため、動力的なロスが大きいという問題がある。
【0009】しかしながら、窒素を優先的に吸着する吸
着剤を用いたPSA装置においては、吸着工程を終了し
た吸着筒に窒素を導入して窒素洗浄を行うことにより、
該吸着筒内に存在する酸素が濃縮されているガスを導出
し、これを原料ガスとして回収する方法は、製品回収率
を向上させるための方法として優れた方法であるといえ
る。このような窒素洗浄工程を組み込んだPSA装置で
は、基本的に、「吸着」「窒素洗浄」「再生」「再加
圧」の4工程を行うことが必須となる。
【0010】また、一般的に、PSA装置としては、製
品が常にいずれかの吸着筒から発生していること、真空
ポンプ,空気送風機、窒素送風機等がいずれの時点でも
有効に稼働していること、吸着筒の数がなるべく少ない
こと、さらに、吸着工程開始時の弁切替時点で既に筒内
が吸着工程を実施すべき圧力になっており、弁の切替操
作あるいは酸素の導出等によって筒内の圧力が大きく変
動しないこと、などを満足することが実用装置として望
まれる。
【0011】そこで本発明は、製品回収率を高く保ちな
がら酸素発生量を高めることができるとともに、高純度
の窒素も採取することができ、動力原単位の低減も図れ
る圧力変動吸着分離法による空気分離方法及び装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明の圧力変動吸着分離法による空気分離方法
は、窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した複数の吸
着筒を用い、該吸着筒内に空気を導入して前記吸着剤に
窒素を吸着させ、酸素を分離導出する吸着工程と、吸着
筒内を減圧して前記吸着工程で吸着剤に吸着した窒素を
脱着させて導出する再生工程と、該再生工程後の吸着筒
内を吸着圧力に加圧する再加圧工程とに順次切換えて空
気中の酸素と窒素とを分離する圧力変動吸着分離法によ
る空気分離方法において、前記吸着工程を終了して再生
工程に入る前の吸着筒に窒素を導入して筒内のガスを排
出する窒素洗浄工程を行い、該窒素洗浄工程で排出され
たガスを吸着工程に入った吸着筒内に空気の導入に先立
って又は空気と同時に導入するとともに、前記再加圧工
程では、吸着筒の出口側からの酸素導入と入口側からの
空気導入とを同時に行うことを特徴としている。
【0013】また、本発明方法は、前記吸着工程におい
て、前記窒素洗浄工程で排出されたガスを導入して酸素
と窒素とを分離する時間と、空気を導入して酸素と窒素
とを分離する時間との比が、1:0.5〜4.0である
こと、さらに、前記再加圧工程において、導入される酸
素と空気とによる筒内の圧力上昇の比が、1:0.5〜
3であることを特徴としている。
【0014】本発明の圧力変動吸着分離法による空気分
離装置は、窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填した複
数の吸着筒と、該吸着筒の入口側に接続した空気配管及
び該空気配管を介して吸着筒内に原料となる空気を供給
する送風機と、吸着筒で分離した酸素を導出する吸着筒
の出口側に接続した酸素配管と、吸着筒の入口側に接続
した窒素配管及び該窒素配管を介して吸着筒内を減圧
し、吸着剤に吸着した窒素を脱着して導出する真空ポン
プと、該真空ポンプの吐出側と前記送風機の吸入側とを
接続する洗浄用配管と、吸着筒の出口側と他の吸着筒の
入口側とを接続する回収配管と、前記酸素配管から分岐
して吸着筒の出口側に接続した加圧用配管とを備えたこ
とを特徴としている。
【0015】
【実施例】以下、本発明を、図面に示す一実施例に基づ
いてさらに詳細に説明する。まず、図1は、PSA装置
の一例を示すものであって、吸着剤として窒素を優先的
に吸着するゼオライトを充填した3基の吸着筒A,B,
Cを備えた3筒式のPSA装置を示している。
【0016】このPSA装置は、前記3基の吸着筒A,
B,Cと、原料である空気を所定圧力に昇圧して前記吸
着筒に供給する第1送風機1と、前記吸着筒内を真空排
気する真空ポンプ2と、前記吸着筒に洗浄用窒素及び加
圧用空気を供給する第2送風機3とを有するもので、各
吸着筒の入口側には、前記第1送風機1の吐出側に接続
する空気配管11,21,31と、前記真空ポンプ2の
吸入側に接続する窒素配管12,22,32と、前記第
2送風機3の吐出側に接続する入口側回収配管13,2
3,33とが設けられ、また、各吸着筒の出口側には、
分離した酸素を導出する酸素配管14,24,34と、
前記第2送風機3の吸入側に接続する出口側回収配管1
5,25,35と、前記酸素配管14,24,34が合
流する酸素主管4から分岐した加圧用配管16,26,
36とが設けられている。また、真空ポンプ2の吐出側
に設けられたドレンセパレーター5と前記第1送風機1
の吸入側との間には、洗浄用配管6が設けられている。
【0017】これらの各配管及び第1送風機1の空気吸
入管7,第2送風機3の空気吸入管8には、それぞれ所
定のタイミングで切換え開閉される切換弁(各配管の符
号に「v」を付して示す。)が設けられ、また、酸素主
管4の製品酸素導出部、加圧用配管の主管部9及び製品
窒素導出管10には、それぞれ流量調節弁4v,9v,
10vが設けられている。
【0018】上記PSA装置は、上記多数の切換弁を所
定の順序で開閉して連続的に酸素及び窒素を発生するも
のであり、各吸着筒A,B,Cを、それぞれ吸着工程、
洗浄工程、再生工程、再加圧工程に順次切換え、これを
繰り返して行うことにより、空気中の酸素と窒素とを分
離して酸素及び窒素を製品として発生させる。
【0019】各吸着筒A,B,C内には、入口側に乾燥
剤が、出口側に窒素を優先的に吸着する吸着剤が充填さ
れている。乾燥剤としては、シリカゲル,活性アルミ
ナ,ゼオライト等が用いられ、吸着剤としては、ゼオラ
イト、例えばモレキュラシーブス5A,10X,13X
やモルデナイト等が用いられる。
【0020】次に、上記PSA装置を使用した本発明方
法の一実施例を説明する。各吸着筒A,B,Cは、表1
に示す6段階の順序で各工程に切換えられるもので、吸
着筒A,B,Cが、それぞれ吸着工程,洗浄工程,再生
工程,再加圧工程を行って1回のサイクルとなる。
【0021】
【表1】
【0022】まず、第1段階は、吸着筒A(以下、A筒
という)が再加圧工程を終了して吸着工程の前段の回収
ガス分離操作に入った段階、吸着筒B(以下、B筒とい
う)が吸着工程を終了して洗浄工程に入った段階、吸着
筒C(以下、C筒という)が再生工程の後段のパージ操
作に入った段階であり、A筒の出口側から酸素が導出さ
れ、C筒の入口側から窒素が導出されている状態であ
る。
【0023】このとき、各部のガスの流れは、図2に太
線で示す状態になっており、A筒では、切換弁13v及
び切換弁14vが開、B筒では切換弁21v及び切換弁
25vが開、C筒では切換弁32v及び切換弁36vが
開であり、また、洗浄用配管6の切換弁6v及び各流量
調節弁4v,9v,10vも開となっており、他の切換
弁は全て閉じられている。
【0024】すなわち、A筒で分離した酸素は、酸素配
管14,酸素主管4を経て採取されるとともに、その一
部が、流量調節弁9vで流量を調節されて加圧用配管の
主管部9に分岐し、加圧用配管36を通ってC筒の出口
側から導入される。C筒は、再生工程の前段のパージ操
作を行っており、筒内に存在する窒素が出口側から導入
される前記酸素により押出され、窒素配管32を介して
真空ポンプ2に吸入され、ドレンセパレーター5,製品
窒素導出管10を経て採取される。
【0025】上記窒素の一部は、第1送風機1で吸入さ
れることによりドレンセパレーター5部分から洗浄用配
管6に分岐し、第1送風機1で所定圧力、例えば500
mmAq(約800Torr)に昇圧された後、空気配
管21を通ってB筒に導入される。この窒素は、B筒内
に存在する空気あるいは空気より若干酸素濃度の高いガ
スを押出し、B筒から出口側回収配管25に回収ガスと
して排出する。
【0026】上記出口側回収配管25に排出された回収
ガスは、第2送風機3からA筒の入口側回収配管13を
通ってA筒内に導入され、回収ガス中の窒素が吸着剤に
吸着して酸素と分離し、分離した酸素が前述のように酸
素配管14を通って導出される。
【0027】なお、この工程において、第2送風機3で
回収ガスを吸入すると同時に空気を吸入することも可能
であり、回収ガスと空気とを同時にA筒内に導入するよ
うにしてもよい。
【0028】第2段階は、A筒が吸着工程後段の空気分
離操作に入った段階、B筒が洗浄工程を終了して再生工
程前段の排気操作に入った段階、C筒が再生工程を終了
して再加圧工程に入った段階であり、A筒の出口側から
酸素が導出され、B筒の入口側から窒素が導出されてい
る状態である。
【0029】このとき、各部のガスの流れは、図3に太
線で示す状態になっており、A筒では、切換弁11v及
び切換弁14vが開、B筒では切換弁22vのみが開、
C筒では切換弁33v及び切換弁36vが開であり、第
1送風機1の空気吸入管7及び第2送風機3の空気吸入
管8の切換弁7v,8vが開になる。各流量調節弁4
v,9v,10vは開状態を継続しており、他の切換弁
は全て閉じられた状態になる。
【0030】すなわち、A筒には、空気吸入管7から吸
入されて第1送風機1で昇圧された原料空気が空気配管
11を介して導入されており、乾燥剤により水分を除去
された後、窒素や炭酸ガスが吸着剤に吸着することによ
り分離した酸素が酸素配管14,酸素主管4を経て採取
されるとともに、その一部が、流量調節弁9vで流量を
調節されて加圧用配管の主管部9に分岐し、加圧用配管
36を通ってC筒の出口側から導入される。再加圧工程
中のC筒には、前記出口側からの酸素の導入と同時に、
空気吸入管8から吸入されて第2送風機3で昇圧された
空気が入口側回収配管33を介して導入されており、こ
の空気と前記酸素とによりC筒内が所定圧力、通常は吸
着圧力まで加圧される。このとき、C筒への空気導入量
によっては、第2送風機3で昇圧した空気を、図3に破
線で示すように、吸着工程にあるA筒に導入するように
してもよい。
【0031】また、洗浄工程を終えて再生工程に入った
B筒では、再生工程前段の排気操作が行われており、筒
内が真空ポンプ2により排気されて減圧され、洗浄工程
で筒内に導入された窒素及び吸着剤から吸着した窒素が
窒素配管22を介して導出され、ドレンセパレーター
5,製品窒素導出管10を経て採取される。
【0032】第3段階は、吸着工程を終了したA筒が第
1段階におけるB筒と同じ洗浄工程に、再生工程前段の
排気操作を終了したB筒が第1段階におけるC筒と同じ
再生工程後段のパージ操作に、再加圧工程を終了したC
筒が第1段階におけるA筒と同じ吸着工程前段の回収ガ
ス分離操作に入る。以下、第4〜第6段階では、A筒
は、再生工程前段の排気操作、再生工程後段のパージ操
作、再加圧工程を順次行い。B筒は、再加圧工程、吸着
工程前段の回収ガス分離操作、吸着工程後段の空気分離
操作を順次行い。C筒は、吸着工程後段の空気分離操
作、洗浄工程、再生工程前段の排気操作を順次行う。
【0033】上記各段階を繰り返し行うことにより、空
気中の酸素と窒素とを分離して両者をそれぞれ連続的に
採取することができ、窒素による洗浄工程と、酸素及び
空気による再加圧工程とを行うことにより、製品収率を
向上させることができる。さらに、洗浄用の窒素ガスを
送風機の吸入側から導入するとともに、各送風機や真空
ポンプを連続的に効率よく稼働させておくことができる
ので、動力費の低減も図れる。
【0034】上記各段階の時間は、通常は、吸着工程に
ある吸着筒での窒素の吸着能力により決定されるもの
で、該吸着筒から導出する酸素が製品品位を保っている
時間だけ行われ、一般的には、吸着工程が60〜120
秒程度である。また、吸着工程における回収ガス分離操
作と空気分離操作との時間配分は、洗浄工程にある吸着
筒から回収するガスを他の吸着工程にある吸着筒に導入
するのに十分な回収ガス分離操作時間をとることが好ま
しく、一般的には、「回収ガス分離操作時間」:「空気
分離操作時間」を1:0.5〜4の範囲にすることが好
ましい。
【0035】すなわち、図4に示すように、吸着工程を
終了したB筒内の吸着相は、その大部分が窒素分
(N2 )であるが、出口側には比較的濃縮された酸素分
(O2 )が残留している。この酸素濃縮領域は、筒の長
さと径との関係によっても異なるが、通常は、筒の全長
に対して1/5程度である。ここで、主として酸素を製
品として採取する場合の回収操作は、図5に示すよう
に、B筒出口側の酸素濃度の高い部分だけを洗浄用窒素
で押出して吸着工程中のA筒に回収し、その後、A筒に
空気を導入してこの部分が筒出口に達するまで、すなわ
ち図4におけるB筒と同じようになるまで吸着工程を行
うようにする。この吸着工程における筒内流速は、略一
定であることが望ましいため、流速を一定とすれば、回
収ガス分離操作時間と空気分離操作時間との時間配分の
比は、最大で1:4になる。
【0036】また、主として窒素を製品として採取する
場合は、図6に示すように、B筒内の出口側から2/3
程度の位置まで残留する酸素分を洗浄工程で窒素により
完全に排出することが窒素純度を上げるためには望まし
い。したがって、洗浄工程の時間、即ち回収ガス分離操
作時間を長くしてB筒内が略完全に窒素に置き換った時
点で再生工程、即ち窒素採取操作に入ることが望まし
く、一方、吸着工程にあるA筒では、窒素分が出口から
流出する前に吸着工程を終了することが望ましいため、
このときの回収ガス分離操作時間と空気分離操作時間と
の時間配分の比は、筒内流速を一定とすれば、1:0.
5になる。
【0037】また、空気分離操作時間が短いと、収率は
高くなるが、外部からの空気の取込み量が減少するの
で、剤当たりの製品発生量が低下し、逆に空気分離操作
時間が長過ぎると、回収操作を十分に行うことができ
ず、製品回収率が期待するほど上昇しないという不都合
を生じる。
【0038】また、再加圧工程において出口側から導入
する酸素と入口側から導入する空気との比率は、それぞ
れの圧力上昇の比が酸素:空気=1:0.5〜3の範囲
になるように設定することが好ましい。この再加圧時の
圧力配分の調整は、例えば、次のようにして行うことが
できる。まず、運転開始時に、酸素加圧のみとして、そ
の加圧量を加圧用配管の流量調節弁9vで調整する。例
えば、250Torrから800Torr(500mm
Aq)まで加圧する場合、再加圧工程の所定時間内に
(800−250)/2+250=525Torrまで
酸素で加圧できるように流量調節弁9vを調整し、次い
で空気吸入管8の切換弁8vを開きながら空気を吸入し
て加圧を行い、切換弁8vの開く速度を弁開度調節機構
等で調節し、加圧終了圧力が所定時間内に800Tor
rになるように設定する。
【0039】ここで空気の導入量が少ないと再加圧のた
めの酸素を短時間に多量に必要とするため、吸着工程に
ある吸着筒の圧力変動を引き起こすおそれがあり、空気
の導入量が多いと過大な流量で空気が流入し、窒素分が
吸着筒を吹き抜けて製品の回収率を低下させるという不
都合を生じることがある。
【0040】なお、上記工程において、再生工程後段の
酸素によるパージ操作は、吸着剤に吸着している窒素を
置換脱着するのに有効であるが、工程としては必須のも
のではなく省略することも可能である。
【0041】また、装置構成において、第2送風機3を
省略することも可能である。すなわち、洗浄工程で排出
された回収ガスを吸着工程にある吸着筒に導入するため
には、洗浄工程にある吸着筒と吸着工程にある吸着筒と
を直列に連結した形にすればよいため、圧力損失が小さ
ければ、中間の第2送風機3が無くても回収ガスを吸着
工程にある吸着筒に導入することが可能であり、圧力損
失が大きい場合でも、第1送風機1で通常の2倍の圧力
損失分を賄うことができればよい。このとき、再加圧工
程における吸着筒への空気の導入は、排気操作による筒
内の負圧を利用して行うことができる。この構成は、送
風機を一つ省略できるので、費用的効果は大きい。
【0042】さらに、上記操作により、空気中の酸素と
窒素とを分離してそれぞれを製品として採取することが
可能であるが、高濃度の窒素を得る目的の場合は、窒素
による洗浄を多くすればよい。また、酸素あるいは窒素
のいずれか一方のみを必要とする場合は、他方のガスは
排ガスとして排出すればよい。
【0043】次に、酸素採取を主目的とした場合と高純
度の窒素を得ることを主目的とした場合とにおける実験
結果を示す。比較例として、前記特公平3−53965
号記載の方法による結果を示す。
【0044】酸素採取を主目的とした場合 実験結果 比較例 実験例 吸着剤1トンあたりの 酸素発生量 50Nm3 /h 53Nm3 /h 酸素回収率 90% 90% 酸素濃度 90% 90% 窒素濃度 97.5% 97.5% 必要動力 45kW 40kW (必要動力は酸素量100Nm3 /h規模を想定した計算値)
【0045】高純度の窒素を得ることを主目的とした場
実験結果 比較例 実験例 吸着剤1トンあたりの 酸素発生量 48Nm3 /h 51Nm3 /h 酸素回収率 90% 90% 酸素濃度 90% 90% 吸着剤1トンあたりの 窒素発生量 208Nm3 /h 221Nm3 /h 窒素回収率 98% 98% 窒素濃度 99.5% 99.5% 必要動力 45kW 40kW (必要動力は酸素量100Nm3 /h規模を想定した計算値) なお、本実施例では、最も好ましい形態として3筒式の
PSA装置を例示したが、3筒式以外でも実施可能であ
る。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高収率で製品酸素、製品窒素を得ることができるととも
に、動力費の低減も図ることができ、酸素及び/又は窒
素を大量に消費するユーザーに対して、より安価な酸素
や窒素を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のPSA装置の一実施例を示す系統図
である。
【図2】 ガスの流れの説明図である。
【図3】 ガスの流れの説明図である。
【図4】 回収操作の説明図である。
【図5】 回収操作の説明図である。
【図6】 回収操作の説明図である。
【符号の説明】
A,B,C…吸着筒、1…第1送風機、2…真空ポン
プ、3…第2送風機、6…洗浄用配管、7,8…空気吸
入管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填し
    た複数の吸着筒を用い、該吸着筒内に空気を導入して前
    記吸着剤に窒素を吸着させ、酸素を分離導出する吸着工
    程と、吸着筒内を減圧して前記吸着工程で吸着剤に吸着
    した窒素を脱着させて導出する再生工程と、該再生工程
    後の吸着筒内を吸着圧力に加圧する再加圧工程とに順次
    切換えて空気中の酸素と窒素とを分離する圧力変動吸着
    分離法による空気分離方法において、前記吸着工程を終
    了して再生工程に入る前の吸着筒に窒素を導入して筒内
    のガスを排出する窒素洗浄工程を行い、該窒素洗浄工程
    で排出されたガスを吸着工程に入った吸着筒内に空気の
    導入に先立って又は空気と同時に導入するとともに、前
    記再加圧工程では、吸着筒の出口側からの酸素導入と入
    口側からの空気導入とを同時に行うことを特徴とする圧
    力変動吸着分離法による空気分離方法。
  2. 【請求項2】 前記吸着工程において、前記窒素洗浄工
    程で排出されたガスを導入して酸素と窒素とを分離する
    時間と、空気を導入して酸素と窒素とを分離する時間と
    の比が、1:0.5〜4.0であることを特徴とする請
    求項1記載の圧力変動吸着分離法による空気分離方法。
  3. 【請求項3】 前記再加圧工程において、導入される酸
    素と空気とによる筒内の圧力上昇の比が、1:0.5〜
    3であることを特徴とする請求項1記載の圧力変動吸着
    分離法による空気分離方法。
  4. 【請求項4】 窒素を優先的に吸着する吸着剤を充填し
    た複数の吸着筒と、該吸着筒の入口側に接続した空気配
    管及び該空気配管を介して吸着筒内に原料となる空気を
    供給する送風機と、吸着筒で分離した酸素を導出する吸
    着筒の出口側に接続した酸素配管と、吸着筒の入口側に
    接続した窒素配管及び該窒素配管を介して吸着筒内を減
    圧し、吸着剤に吸着した窒素を脱着して導出する真空ポ
    ンプと、該真空ポンプの吐出側と前記送風機の吸入側と
    を接続する洗浄用配管と、吸着筒の出口側と他の吸着筒
    の入口側とを接続する回収配管と、前記酸素配管から分
    岐して吸着筒の出口側に接続した加圧用配管とを備えた
    ことを特徴とする圧力変動吸着分離法による空気分離装
    置。
JP6207184A 1994-08-31 1994-08-31 圧力変動吸着分離法による空気分離方法及び装置 Pending JPH0871351A (ja)

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