JPH0871342A - 油煙除去回収用セラミックフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

油煙除去回収用セラミックフィルタ及びその製造方法

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JPH0871342A
JPH0871342A JP21643594A JP21643594A JPH0871342A JP H0871342 A JPH0871342 A JP H0871342A JP 21643594 A JP21643594 A JP 21643594A JP 21643594 A JP21643594 A JP 21643594A JP H0871342 A JPH0871342 A JP H0871342A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油煙の捕集効率及び油分の回収効率が高く、
極めて軽量であると共に、糸欠けを抑制できる油煙除去
回収用セラミックフィルタ及びその製造方法を提供す
る。 【構成】 混練したセラミック材料を押出機のノズルか
ら線状に押出し、この線状体10をノズルを回転させつ
つ平面上に載置すると共に、ノズルを直線的に移動させ
る。これにより、そのループ中心が相互にずれた複数個
のループが連鎖した形状の骨格構造が得られる。その
後、所定のサイズに切断する前に、その切断線に沿って
金型又はローラにより線状体10を圧縮して、線状体が
相互に密着した圧密部2を形成する。次いで、前記切断
線に沿って切断し、乾燥させた後、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は大型厨房のダクト等に設
けられ、ダクトを介して排出されるガス中から調理によ
り発生した油煙を除去し、油分を回収する油煙除去回収
用セラミックフィルタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市の大型ビルの低層階には、一般的
に、レストラン及び喫茶店等の飲食店が多く入居してお
り、この飲食店の厨房から発生する油煙はその一部が油
煙除去回収用フィルタにより除去される。そして、フィ
ルタにより除去しきれなかった油煙を含むガスはビル内
に張り巡らされたダクトを介して野外に排出される。
【0003】従って、フィルタの除去効率が不十分であ
ると、長期に亘って使用した場合に、ダクト内が油で汚
染され、一旦火災が発生すると、火炎がこのダクト内を
伝播して大火災を引き起す虞れがある。このため、フィ
ルタの油分除去効率が高いことが必要である。
【0004】また、調理の過程でフライパン等から火炎
が一時的に上がることはよくあることである。この場合
に、フィルタに油分が大量に付着しこの油分が着火し易
いものであると、火炎がフィルタ自体に伝播し、同様に
火災を引き起こす虞れがある。従って、このような火災
を引き起こさないためには、フィルタは先ず燃える物質
である油が堆積しにくいものであることが必要である。
【0005】更にまた、フィルタは、発生した火炎が確
実にフィルタ面にて阻止され、ダクト内に侵入しないよ
うな構造であることも必要である。
【0006】以上のことから、厨房用フィルタとして具
備すべき条件として、 厨房から発生する油煙を高効率で捕集すること、 捕集した油分はフィルタ表面に付着堆積させずにでき
るだけ早く高効率でドレーンに回収すること、 厨房内で火災が発生しても、その火炎がフィルタを通
り抜けてダクトへ伝播してしまわないように、火炎をフ
ィルタ部で阻止する機能があること、 の3点が考えられる。
【0007】また、一般的に、前述の捕集効率は60%
以上、回収効率は80%以上であることが必要とされて
いる。
【0008】このような要求に応えるフィルタとして、
本願出願人は油分の捕集率及び回収率をいずれも高めた
と共に、火炎が通過しにくい構造にした油煙除去回収用
セラミックフィルタを既に提案した(特開平2−160
013号公報)。
【0009】図12はこの油煙除去回収用セラミックフ
ィルタを示す。このフィルタはセラミックの線状体10
を平面上でループ状に成形しつつこのループ中心を相互
にずらせてループ列11を形成し、このループ列11を
前記平面に沿う方向及びそれに直交する方向に配置して
構成された骨格を有する。そして、この骨格の吸水率は
骨格の単位体積当たり5%以下に規制されている。
【0010】このように構成することにより、セラミッ
ク製骨材から形成される骨格が、ループ列11をその成
形平面に沿う方向及びそれに直交する方向に略々規則正
しく配列して構成されるから、この骨格構造のフィルタ
は火炎が通り抜けにくいと共に、ガス流路が複雑で油煙
微粒子が骨格に衝突し易く、捕集率が高いという利点が
ある。
【0011】また、骨格の吸水率が骨格の単位体積当り
5%以下になるように、骨格のループ構造及びセラミッ
ク線状体の材質を規制するから、骨格に付着した油分の
堆積は少なく、油分は高回収率で骨格から離脱する。
【0012】従って、捕集率が著しく向上すると共に、
回収率も高く、火炎が通り抜けにくいフィルタが得られ
る。
【0013】しかしながら、上述したセラミックフィル
タは捕集率及び回収率といったフィルタ性能の面では従
前のフィルタに比較して著しい改善が達成されたもの
の、以下に示すような問題点がある。
【0014】即ち、油煙除去回収用フィルタは、通常、
2週間乃至1カ月程度使用した後、付着した汚れを洗剤
等で洗浄することにより再生し、多数回再使用される。
【0015】このため、フィルタの取り付け、取り外
し、輸送及び洗浄等のために、フィルタのハンドリング
の機会が多く、フィルタには軽量であることが要求され
る。
【0016】そこで、本願出願人は骨格の吸水率を骨格
の体積当たり5%以下に規制すると共に、骨格のカサ密
度を1.7g/cc以下に規制したフィルタを提案した
(特開平4−334510)。これにより、一応の軽量
化を図ることができた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特に厨
房等に使用される油煙除去回収用フィルタにおいては、
女性でも簡単に扱えることができるようにより一層の軽
量化が要望されている。フィルタの厚さを低減すればフ
ィルタの重量は軽くなるが、そうすると強度が低下し、
輸送中又はフィルタ洗浄時等において破損しやすくな
る。また、セラミックフィルタを軽量化するため、セラ
ミックの成分を調整することも考えられる。即ち、低密
度のセラミックで骨格を構成することにより、フィルタ
を軽量化することができる。しかし、一般的に、低密度
のセラミックほど吸水率が高く油分回収率が低くなるた
め、セラミック成分の調整による軽量化には限界があ
る。
【0018】また、従来のセラミックフィルタにおいて
は、所謂糸欠けが発生しやすく、セラミック骨材の破片
が調理部に落下することがある。このため、油煙除去回
収用セラミックフィルタには、糸欠けが発生しにくいこ
とも要望されている。
【0019】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、油煙の捕集効率及び油分の回収効率が高
く、極めて軽量であると共に、耐割れ性が高く、糸欠け
を抑制できる油煙除去回収用セラミックフィルタ及びそ
の製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明に係る油煙除去回
収用セラミックフィルタは、セラミックの線状体を平面
上でループ状に成形しつつこのループ中心を相互にずら
せてループ列を形成し、このループ列を前記平面に沿う
方法及びそれに直交する方向に配置して構成された骨格
を有し、ガス中の油煙を除去して油分を回収する油煙除
去回収用セラミックフィルタにおいて、前記線状体が前
記平面に直交する方向に圧縮されて相互に密着した圧密
部を有することを特徴とする。
【0021】本発明に係る油煙除去回収用セラミックフ
ィルタの製造方法は、セラミックの線状体を平面上でル
ープ状に成形しつつこのループ中心を相互にずらせてル
ープ列を形成し、このループ列を前記平面に沿う方法及
びそれに直交する方向に配置して骨格を構成する工程
と、この骨格の所定部分を圧縮して前記線状体を相互に
密着させる圧縮工程と、圧縮工程後の骨格を乾燥及び焼
成する工程とを有することを特徴とする。
【0022】
【作用】セラミックフィルタの破損は、輸送中又は洗浄
時等において加えられる衝撃によりフィルタの縁部にミ
クロクラックが発生し、このミクロクラックを起点とし
てクラックがセラミック骨材を伝播することにより発生
する。従って、ミクロクラックの発生を防止できれば、
フィルタ厚さを低減してもフィルタとして必要な強度を
維持することができ、軽量化が可能になる。
【0023】本発明に係る油煙除去回収用セラミックフ
ィルタにおいては、例えばその縁部の線状体が圧縮され
て相互に密着している。このようにフィルタ縁部におい
て線状体を相互に密着させることにより、フィルタ縁部
でのミクロクラックの発生を著しく低減することがで
き、フィルタの強度が向上する。これにより、セラミッ
クフィルタの厚さを薄くすることができて、セラミック
フィルタの軽量化が達成できる。また、フィルタ縁部で
セラミック線状体同士が相互に密着しているため、糸欠
けが抑制される。
【0024】圧密部のカサ密度が他の部分のカサ密度の
1.1倍未満であると上述した効果がなく、3倍を超え
ると製造が困難になる。このため、圧密部のカサ密度は
他の部分のカサ密度の1.1乃至3倍であることが好ま
しい。
【0025】また、平板状に成形された骨格の一部を圧
縮して圧密部を形成する場合に、圧密部の厚さが圧縮さ
れていない部分の厚さの厚さの20%未満であると、製
造が困難になる。一方、密圧部の厚さが圧縮されていな
い部分の厚さの90%を超えると、上述したミクロクラ
ックの発生を抑える効果がない。このため、平板状に成
形された骨格の一部を圧縮して圧密部を形成する場合
は、圧密部の厚さは圧縮されていない部分の厚さの20
乃至90%とすることが好ましい。
【0026】更に、フィルタ面の全面積に対する圧密部
の面積が5%未満の場合は、上述の効果を十分に得るこ
とができず、40%を超えると圧損が大きくなり、ガス
が通過しにくくなってフィルタとしての機能が阻害され
る。このため、圧密部の面積はフィルタ面の全面積の5
乃至40%とすることが好ましい。
【0027】なお、セラミック骨材としては、強度、洗
浄性及び作業性の点から、下記成分を含有することが好
ましい。
【0028】SiO2 45〜90重量% Al23 1〜40重量% MgO 1〜30重量% K2O 0.1〜4重量% Na2O 0.1〜4重量% 鉄酸化物(但しFe23換算) 0.1〜2重量% 但し、SiO2、Al23及びMgOは必須成分である
が、K2O、Na2O及び鉄酸化物は選択的成分であり、
これらのK2O、Na2O及び鉄酸化物のうちの少なくと
も1種以上を含有することが好ましい。
【0029】また、本発明方法においては、セラミック
の線状体をループ状に成形して骨格を構成し、この骨格
を乾燥及び焼成する前に、所定部分を圧縮して前記線状
体を相互に密着させる。これにより、圧密部を容易に形
成することができ、耐割れ性が高く、軽量化が可能な油
煙除去回収用セラミックフィルタを製造することができ
る。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例について添付の図面を
参照して説明する。図1(a),(b)は本発明の実施
例に係る油煙除去回収用セラミックフィルタを示す模式
的平面図及び断面図である。なお、本実施例の油煙除去
回収用セラミックフィルタ1の骨格構造は、縁部に圧密
部が設けられていること以外は基本的には図12に示す
ものと同一であるので、この図12を参照して骨格構造
の製造方法について説明する。
【0031】先ず、混練されたセラミック材料を押出機
のノズルから線状に押出し、この線状体10をノズルを
旋回させつつ平面上に載置すると共に、ノズルを図12
の矢印で示す方向に直線的に移動させる。これにより、
そのループ中心が矢印方向の相互にずれた複数個のルー
プが連鎖した形状のループ列11が得られる。このよう
にして、一平面上に沿って複数個のループ列11をその
列方向を相互に平行にして配置した後、その上に別の複
数個のループ列11を同様にして積層配置する。この場
合に、上層のループ列は、下層のループ列に対して、そ
の各ループ中心が列方向に直交する方向にループの半径
分だけずれた位置になるように下層のループ列上に載置
していく。このようにして、ループ列11がその配置平
面に沿う方向及びそれに直交する方向(積層方向)に配
置されて所定の骨格形状が成形される。
【0032】本実施例の油煙除去回収用セラミックフィ
ルタにおいては、上述のようにしてセラミックの線状体
により骨格構造を形成した後、所定のフィルタサイズに
切断する前に、その切断線に沿って金型又はローラによ
り骨格構造の一部を圧縮(プレス)して線状体同士を相
互に密着させることにより、圧密部を形成する。その
後、前記切断線に沿って骨格構造を切断し、乾燥させた
後、焼成する。これにより、図1(a),(b)に示す
油煙除去回収用セラミックフィルタ1が完成する。な
お、原料となるセラミックは、SiO2含有量が45〜
90重量%、Al23含有量が1〜40重量%、MgO
含有量が1〜30重量%、K2O含有量が0.1〜4重
量%、Na2O含有量が0.1〜4重量%、鉄酸化物
(但しFe23換算)含有量が0.1〜2重量%である
ことが好ましい。
【0033】このフィルタ1の圧縮されていない部分3
の厚さはループ列11の積層数から決まる。また、圧密
部2の厚さは、圧縮されていない部分3のフィルタ厚さ
の20〜90%とする。更に、フィルタ面全体に対する
圧密部2の面積の割合は、5〜40%とする。
【0034】ループ状の骨格構造を有するフィルタはガ
ス中の油分の捕集率が高い。即ち、図12の紙面に垂直
の方向にガスが通過しようとすると、ガスは複雑な流路
を経てフィルタを通過する必要があり、しかもその骨格
の表面積は骨格が細径の骨材の線状物の固まりであるた
め、極めて大きい。このため、ガス中の油分微粒子はル
ープ状の骨格に衝突しやすく、従って油分が骨格に付着
してガス中から高効率で除去される。
【0035】本実施例に係る油煙除去回収用セラミック
フィルタは、その縁部においてセラミック線状体が相互
に密着しているため、ミクロクラックの発生を抑制する
ことができる。このため、フィルタ厚さを薄くしても必
要な強度を確保することができ、フィルタ重量を低減す
ることができる。また、本実施例においては、縁部に配
置されたセラミック線状体が相互に密着しているため、
耐割れ性が高く、糸欠けを防止することができる。更
に、本実施例に係るセラミックフィルタは、強度が高い
ため、装着時に金属ケースが不要であり、作業性が向上
するという利点もある。
【0036】なお、上述の方法では圧密部を形成した後
に骨格構造を切断したが、骨格構造を切断した後、金型
又はローラ等により縁部をプレスして圧密部を形成して
もよい。また、上述した金型又はローラによるプレス以
外の方法で圧密部を形成してもよい。
【0037】以下、本発明に係る油煙除去回収用セラミ
ックフィルタを実際に製造し、強度及び重量を調べた結
果を、従来例及び比較例と比較して説明する。
【0038】実施例として、図1(a),(b)に示す
セラミックフィルタ1を製造した。ループ状骨格(線状
体10)の線径は1.5mm、フィルタサイズは250
mm×500mmであり、フィルタ厚さは10mm、密
圧部2の幅Wは10mm、密圧部2の厚さTは5mmで
ある。
【0039】従来例として、図2(a),(b)に示す
セラミックフィルタを製造した。ループ状骨格の線径は
1.5mm、フィルタサイズは250mm×500mm
であり、フィルタ厚さは15mmである。
【0040】比較例として、図3(a),(b)に示す
セラミックフィルタを製造した。ループ状骨格の線径は
1.5mm、フィルタサイズは250mm×500mm
であり、フィルタ厚さは10mmである。
【0041】これらの実施例、従来例及び比較例につい
て、以下に示す方法により落下試験を行った。即ち、実
施例、従来例及び比較例のフィルタを500mm×50
0mmのステンレス製ケースに収納し、図4に示す通常
の包装形態で包装した。この包装箱には、フィルタが各
4枚づつ収納されている。そして、落下試験器により、
図中矢印Aで示す方向を下側にして落下させた。この場
合に、表1に示すように落下高さを順次替えて同一品を
落下させ、毎回開梱してフィルタの割れの有無を調べ
た。
【0042】落下テストの結果を、下記表1にまとめて
示す。但し、割れがない場合を○、割れがある場合を×
で示した。表1の位置の欄の数字は、落下時に最上位の
フィルタを1、その下のフィルタを2、更にその下のフ
ィルタを3、最も下側のフィルタを4で示した。また、
1箱当たりの重量も、表1に併せて示した。
【0043】
【表1】
【0044】この表1から明らかなように、実施例のフ
ィルタでは50cmの高さから落下させても割れが発生
しなかったのに対し、従来例及び比較例のフィルタでは
いずれも落下高さが50cmで割れが発生した。また、
実施例のフィルタは、従来例に比して大幅に軽量化する
ことができた。
【0045】次に、従来例のセラミックフィルタと本実
施例のセラミックフィルタとについて、落下試験を更に
実施した。実施例の結果を表2、従来例の結果を下記表
3に示す。但し、落下方向B,C,Dとは、図4に矢印
で示す方向である。また、評価点数は、落下高さ50c
m、70cm、90cm及び120cmにおける○印を
夫々1,2,3,4点とし、それらの合計点数である。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】この表2,3から明らかなように、実施例
のフィルタは従来例のフィルタよりも著しく軽量である
にも拘わらず、従来例と同等又はそれ以上の耐割れ性を
示した。
【0049】上述の実施例においては、フィルタの4辺
の縁部に段差状の圧密部が設けられている場合について
説明したが、図5(a),(b)に示すように、3辺に
のみ圧密部2が設けられていてもよく、図6(a),
(b)及び図7に夫々示すように縁部以外にもフィルタ
中央部にも、十字状又はX字状に圧密部2が設けられて
いてもよい。更に、図8に示すように、圧密部2が傾斜
面になるように圧縮されていてもよく、図9に示すよう
に厚さ方向の両側から圧縮されて圧密部2が形成されて
いてもよい。
【0050】更にまた、図10(a)に示すように縁部
7を予め厚くなるようにセラミック骨材を配置した後、
この縁部7をプレスして、図10(b)に示すように縁
部に圧密部2を有する平板状となるようにしてもよい。
【0051】次に、図11(a)にその平面図、図11
(b),(c)にその側面図を示す形状のセラミックフ
ィルタを製造した。セラミックの成分は、SiO2;6
0重量%、Al23;20重量%、MgO;15重量
%、K2O;1.0重量%、Na2O;1.0重量%、F
23;1.0重量%、その他;2.0重量%である。
また、フィルタの幅Wは250mm、長さLは500m
m、通常部(圧縮されていない部分)Bの厚さTは10
mmである。更に、図11中の各部の寸法を下記表4に
示すように設定した。これらのフィルタのカサ密度の比
(A/B)、圧密部及び通常部の面積、圧密部がフィル
タ全面積に占める割合{A/(A+B)}を表5に示
す。また、これらのフィルタに対し、製造の可否及び圧
力損失を調べ、前述と同様の落下試験を実施した。その
結果を、表5に併せて示す。なお、表5中、圧力損失の
単位は、mmAq at 1.0m/secである。
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】この表5から明らかなように、実施例であ
るNo.13,14,17〜19,21,24〜26,
28,29はいずれも良好な結果であるのに対し、圧密
部の厚さが通常部の厚さの20%未満であるNo11は
製造不可であり、圧密部T1の厚さが通常部Tの厚さの
90%を超えるNo15は落下試験により割れが多く発
生した。また、圧密部のカサ密度が通常部のカサ密度の
1.1倍未満であるNo20は落下試験の結果が悪いも
のであり、圧密部のカサ密度が通常部のカサ密度の3.
0倍を超えるNo12,16はいずれも製造不可であっ
た。更に、圧密部の面積がフィルタ全面積(A+B)の
5%未満であるNo23は落下試験の結果が悪いもので
あり、40%を超えるNo29は圧力損失が大きいもの
であった。
【0055】次に、下記表6に示す組成のセラミックに
より、セラミックフィルタを製造した。そして、これら
のセラミックフィルタの強度、洗浄性、作業性(軽量度
合い)及び油煙捕集性能を調べた。その結果を表7にま
とめて示す。
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】この表7から明らかなように、実施例であ
るNo32〜34,37,38,41,42,45〜4
9がいずれも良好な性能を示したのに対し、SiO2
有量が45重量%以下のNo31、Al23含有量が4
0重量%を超えるNo39及びMgO含有量が30重量
%を超える比較例No43はいずれも作業性が悪いもの
であった。また、K2O、Na2O及びFe23含有量が
過剰のNo50も、作業性が悪いものであった。更に、
SiO2含有量が90重量%を超えるNo35、Al2
3含有量が1重量%未満であるNo36、MgO含有量
が1重量%未満であるNo40はいずれも強度が不足す
るものであった。更にまた、K2O、Na2O及びFe2
3含有量がいずれも0.1重量%未満であるNo44
は、強度が低く、洗浄性も満足できるものではなかっ
た。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る油煙除
去回収用セラミックフィルタは、その縁部に圧密部が設
けられているので、耐割れ性が優れている。このため、
フィルタ厚さを低減し軽量化することが可能である。ま
た、本発明に係る油煙除去回収用セラミックフィルタ
は、糸欠けを抑制できると共に、油煙の捕集効率及び油
分の回収効率が高い。
【0060】また、本発明方法においては、セラミック
の線状体をループ状に成形し骨格を構成し、前記骨格の
所定部分を圧縮して前記線状体を相互に密着させた後、
焼成するから、耐割れ性が優れ、軽量の油煙除去回収用
セラミックフィルタを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は夫々本発明の実施例に係る油
煙除去回収用セラミックフィルタを示す模式的平面図及
び断面図である。
【図2】(a),(b)は夫々従来例のセラミックフィ
ルタを示す模式的平面図及び断面図である。
【図3】(a),(b)は夫々比較例のセラミックフィ
ルタを示す模式的平面図及び断面図である。
【図4】落下試験において使用した包装箱を示す斜視図
である。
【図5】(a),(b)は本発明の他のセラミックフィ
ルタを示す模式的平面図及び断面図である。
【図6】(a),(b)は本発明の更に他のセラミック
フィルタを示す模式的平面図及び断面図である。
【図7】本発明の更に他のセラミックフィルタを示す模
式的平面図である。
【図8】本発明の更に他のセラミックフィルタを示す模
式的断面図である。
【図9】本発明の更に他のセラミックフィルタを示す模
式的断面図である。
【図10】(a),(b)は本発明の更に他のセラミッ
クフィルタにおける圧密部形成方法を模式的平面図であ
る。
【図11】(a)落下試験及び圧力損失等の測定に使用
したセラミックフィルタを示す平面図、(b),(c)
は同じくその側面図である。
【図12】従来の油煙除去回収用セラミックフィルタを
示す平面図である。
【符号の説明】
1;セラミックフィルタ 2;圧密部 3;圧縮されていない部分 10;線状体 11;ループ列

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックの線状体を平面上でループ状
    に成形しつつこのループ中心を相互にずらせてループ列
    を形成し、このループ列を前記平面に沿う方法及びそれ
    に直交する方向に配置して構成された骨格を有し、ガス
    中の油煙を除去して油分を回収する油煙除去回収用セラ
    ミックフィルタにおいて、前記線状体が前記平面に直交
    する方向に圧縮されて相互に密着した圧密部を有するこ
    とを特徴とする油煙除去回収用セラミックフィルタ。
  2. 【請求項2】 前記圧密部は、縁部に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の油煙除去回収用セラミ
    ックフィルタ。
  3. 【請求項3】 前記圧密部のカサ密度が圧縮されていな
    い部分のカサ密度の1.1乃至3.0倍であることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の油煙除去回収用セラミ
    ックフィルタ。
  4. 【請求項4】 前記圧密部分の厚さが圧縮されていない
    部分の厚さの20乃至90%であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1項に記載の油煙除去回収用セ
    ラミックフィルタ。
  5. 【請求項5】 前記圧密部の面積がフィルタ面の全面積
    の5乃至40%を占めていることを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれか1項に記載の油煙除去回収用セラミッ
    クフィルタ。
  6. 【請求項6】 前記骨格を形成するセラミック骨材は、
    45乃至90重量%のSiO2、1乃至40重量%のA
    23及び1乃至30重量%のMgOを含有すると共
    に、0.1乃至4重量%のK2O、0.1乃至4重量%
    のNa2O及び0.1乃至2重量%の鉄酸化物(但しF
    23換算)からなる群から選択された少なくとも1種
    を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    1項に記載の油煙除去回収用セラミックフィルタ。
  7. 【請求項7】 セラミックの線状体を平面上でループ状
    に成形しつつこのループ中心を相互にずらせてループ列
    を形成し、このループ列を前記平面に沿う方法及びそれ
    に直交する方向に配置して骨格を構成する工程と、この
    骨格の所定部分を圧縮して前記線状体を相互に密着させ
    る圧縮工程と、圧縮工程後の骨格を乾燥及び焼成する工
    程とを有することを特徴とする油煙除去回収用セラミッ
    クフィルタの製造方法。
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KR101427665B1 (ko) * 2012-05-25 2014-08-07 (주)이앤지필터텍 집진필터 제작방법

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