JPH0866920A - 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法 - Google Patents

熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法

Info

Publication number
JPH0866920A
JPH0866920A JP20563994A JP20563994A JPH0866920A JP H0866920 A JPH0866920 A JP H0866920A JP 20563994 A JP20563994 A JP 20563994A JP 20563994 A JP20563994 A JP 20563994A JP H0866920 A JPH0866920 A JP H0866920A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermoplastic polymer
fine particles
pigment
gas
dispersed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20563994A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Inada
修司 稲田
Kentaro Noguchi
健太郎 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TETRA INTERNATL KK
Original Assignee
TETRA INTERNATL KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TETRA INTERNATL KK filed Critical TETRA INTERNATL KK
Priority to JP20563994A priority Critical patent/JPH0866920A/ja
Publication of JPH0866920A publication Critical patent/JPH0866920A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】顔料を高濃度で含有するマスターバッチやマス
ターチップをつくったり、あるいは一旦液状体に分散含
有させたりすることなく、原料である溶融熱可塑性ポリ
マーに直接顔料微粒子を分散状態で混合して熱可塑性ポ
リマーを得ることのできる熱可塑性ポリマーの製法を提
供する。 【構成】気体キャリヤー中に顔料微粒子を分散含有さ
せ、これと、溶融熱可塑性ポリマーとを接触混合させ
て、顔料微粒子が分散した溶融熱可塑性ポリマーをつく
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、顔料を溶融熱可塑性
ポリマーに微粒子状態で分散含有させ繊維用熱可塑性ポ
リマーを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル,ポリアミド等の熱可塑性
ポリマーは、溶融紡糸法によって繊維として紡出される
だけでなく、フィルム,ボトル等、各種の形状に成形さ
れて広く利用されている。上記フィルムやボトルを成形
する際には、成形品の透明度を保つため特に顔料を添加
する必要はないが、繊維を得る場合には、通常、その着
色性を高めるために、酸化チタン等の顔料を添加して繊
維の艶消が行われる。
【0003】熱可塑性ポリマーに顔料等を添加する方法
としては、熱可塑性ポリマーの重合時に顔料等を添加
する、顔料等を粉末状もしくはチップ状のポリマーと
混合後溶融して高濃度で含有するマスターチップ(ある
いはマスターバッチ)を予め作っておき、紡糸時にベー
スポリマーにチップ状態または溶融状態でブレンドする
(特公平4−39488号公報等)、顔料等を液状媒
体に分散含有させて高濃度液体を予め作っておき、紡糸
時にブレンドする(特公平4−74448号公報等)、
等の方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の方法では、紡糸時以前の、熱可塑性溶融ポリマー供給
の段階で熱可塑性ポリマー中に顔料等を添加することに
なるため、単一の熱可塑性ポリマー供給源から分岐ライ
ンを設け、顔料を添加しないフィルム,ボトル等の生産
と、顔料を添加する繊維の紡糸とを同時に行うことがで
きず、多品種併産体制をとることができないという問題
がある。また、顔料等を添加する品種から顔料等を添加
しない品種への切り替えを行う場合に、そのロスが大き
いという問題もある。一方、上記の方法によれば、紡
糸直前に顔料等を添加することができるため、多品種併
産体制、あるいは少ロット切り替え生産に適合しやす
い。しかし、マスターチップを製造するためのコスト及
びマスターチップをベースポリマーに均一供給分散させ
る設備を必要とするため、小量生産には適するも大規模
生産には適さない。上記の方法では、顔料等を液状媒
体中に含有させるため、その液状媒体が、ベースとなる
熱可塑性ポリマーに対し異質なものとならないよう、そ
の種類が極めて限定される。また、液状媒体中に顔料等
を分散させる際、必然的に、顔料等の粉末の凝集が起こ
るため、一次粒子レベルで分散させることができず、紡
糸時に糸切れ等のトラブルが生じやすいという問題があ
る。
【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、顔料を高濃度で含有するマスターバッチやマ
スターチップをつくったり、あるいは一旦液状体に分散
含有させたりすることなく、原料である溶融熱可塑性ポ
リマーに直接顔料微粒子を分散状態で混合して熱可塑性
ポリマーを得ることのできる熱可塑性ポリマーの製法の
提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の熱可塑性ポリマーの製法は、気体キャリ
ヤー中に顔料微粒子を分散含有させ、これと、溶融熱可
塑性ポリマーとを接触混合させて、顔料微粒子が分散し
た溶融熱可塑性ポリマーをつくることを第1の要旨と
し、管路内に、顔料微粒子と溶融熱可塑性ポリマーの気
体キャリヤーとのらせん気流を形成し、上記管路の出口
に設けられた気体分離室に上記らせん気流を供給し気体
キャリヤーを分離して顔料微粒子が分散した溶融熱可塑
性ポリマーをつくることを第2の要旨とし、管路内に、
顔料微粒子の気体キャリヤーとのらせん気流を形成し、
上記管路の出口に設けられた気体分離室に、上記らせん
気流を供給するとともに、溶融熱可塑性ポリマーを供給
し、上記らせん気流を溶融熱可塑性ポリマーに噴射し、
上記ポリマーと顔料微粒子とを混合し顔料微粒子が分散
した溶融熱可塑性ポリマーをつくるとともに、気体キャ
リヤーの分離を行い、ついで顔料微粒子が分散した溶融
熱可塑性ポリマーを第3の要旨とする。
【0007】
【作用】すなわち、この発明の熱可塑性ポリマーの製法
は、従来、顔料を、熱可塑性ポリマー重合時に行うか、
粉末状,チップ状のポリマーにドライブレンドするか、
液状媒体に含有させるかしていたのに対し、顔料を、気
体を媒体(キャリヤー)として微粒子の分散状態とし、
これを溶融熱可塑性ポリマーに直接混合するようにして
いる。この方法によれば、供給する溶融熱可塑性ポリマ
ーの流量を変化させることなく、溶融熱可塑性ポリマー
の供給経路の最も下流側で顔料微粒子を添加しうるた
め、多品種併産体制、あるいは少ロット切り替え生産に
適している。しかも、顔料微粒子が分散状態で溶融熱可
塑性ポリマー中に混合されるため、溶融熱可塑性ポリマ
ー中においても互いに凝集することなく一次粒子の分散
状態を保つ。そのため、得られたペレットを用いて紡糸
する際、紡糸工程において糸切れ等のトラブルを生じる
ことがない。そして、上記顔料微粒子が気体を介して分
散されるため、顔料微粒子と溶融熱可塑性ポリマーの混
合時に脱気を行うだけで、上記気体を簡単に分離除去す
ることができ、溶融熱可塑性ポリマー中に異物が残留し
て組成を変えることがないという利点を有する。
【0008】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0009】まず、この発明に用いる溶融熱可塑性ポリ
マーとしては、ポリエステル,ポリアミド等の溶融物が
あげられ、なかでもポリエチレンテレフタレートおよび
これを主体とするポリエステルの溶融物が好適である。
そして、上記ポリエステルの共重合成分としては、イソ
フタル酸、フタル酸、アジピン酸、プロピレングリコー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の二官能性
化合物のほか、トリメリット酸、ホウ酸等の多官能性化
合物も繊維形成能を損なわない範囲で用いられている。
【0010】この発明に用いる顔料としては、各種の顔
料が用いられる。なかでも酸化チタン(TiO2 ),カ
ーボンブラック等が好適である。また、本発明の方法に
おいて、熱可塑性ポリマーに対し0.01重量%以上の
顔料微粒子を添加するが、10〜50重量%、好ましく
は20〜30重量%の顔料微粒子を熱可塑性ポリマーに
分散させた上、適宜ベースの熱可塑性ポリマーにより希
釈し混合させて所定の濃度の顔料を分散、含有させるこ
ともできる。
【0011】さらに、上記顔料を一次粒子の微粒子とし
て分散させる気体としては、溶融熱可塑性ポリマーに不
活性な気体であって、通常、窒素ガスが用いられるが、
顔料微粒子の分散安定性を高めるために、小割合の界面
活性効果のある各種の有機系物質の蒸気を併用すること
もできる。有機系物質の蒸気等としては、炭化水素蒸気
(メタン等)、アミン蒸気(トリエタノールアミン
等)、アルコール蒸気(エチルアルコール等)、フェノ
ール蒸気(フェノール,m−クレゾール等)、エーテル
蒸気(エチルエーテル等)、ケトン蒸気(アセトン
等)、カルボン酸・カルボン酸塩蒸気(ステアリン酸ナ
トリウム等)、スルホン酸・スルホン酸塩蒸気(リグニ
ンスルホン酸ナトリウム等)、オレイン酸・オレイン酸
塩蒸気(オレイン酸等)、エステル蒸気(リン酸エステ
ル等)、有機珪素蒸気(シラノール等)、不活性ガス
(He,H2 ,N2等 )、四塩化炭素があげられる。こ
れらは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。ま
た、これらを圧縮したり、過熱蒸気にして圧縮気体とし
て用いてもよい。
【0012】この発明は、上記溶融熱可塑性ポリマー,
顔料微粒子および気体キャリヤーを用い、たとえば、つ
ぎのようにして熱可塑性ポリマーを製造する。
【0013】すなわち、まず、気体キャリヤーに顔料微
粒子を分散含有させる。これには、通常、従来公知の小
形対向式ジェットミルが用いられる。すなわち、顔料微
粒子は、市販状態では凝集しているため、この顔料の凝
集微粒子を、上記ジェットミルに供給すると同時に、こ
のミルに、窒素ガス等の不活性ガスを圧縮させた圧縮ガ
スを供給し、上記凝集微粒子を粉砕し、生成微粒子を窒
素ガスキャリヤー中に分散させる。
【0014】つぎに、上記のようにして得られた、顔料
微粒子が分散含有している気体を用い、つぎのようにし
て顔料微粒子の分散した溶融熱可塑性ポリマーをつく
り、これから繊維用熱可塑性ポリマーを製造する。
【0015】第1の方法は、図5〜7に示す、2流体ノ
ズル3aを用い、その2流体ノズル3aの一方の流路3
bに溶融状態の溶融熱可塑性ポリマーを供給すると同時
に、他方の流路3cに上記のようにして得られた顔料微
粒子分散含有気体キャリヤーを供給し、両者を接触混合
させ、太線矢印のように顔料微粒子が分散した溶融熱可
塑性ポリマーを形成し、ついで、これを溶融熱可塑性ポ
リマーの製造に用いられているような重合槽(反応槽)
に導入(噴出)させ、混合と気体キャリヤーの分離とを
行う。この場合、上記重合槽は、上部が密封されてお
り、気体キャリヤーの分離は、上記重合槽の上蓋から延
びている気体分離パイプを通じて行われる。この後は、
このようにして得られた溶融熱可塑性ポリマー(顔料微
粒子が分散している)をペレット化してもよいし、直接
繊維化してもよい。
【0016】第2の方法は、従来公知の、管路内に、気
体キャリヤーのらせん気流を形成する装置(例えばコア
ンダスパイラルフロー生成装置)を用い、管路内に、顔
料微粒子と溶融熱可塑性ポリマーの気体キャリヤーとの
らせん気流を形成する。そして、これを熱可塑性ポリマ
ー製造タンク等に接続し、上記らせん気流を製造タンク
内に噴射させ、混合と脱気を行い顔料微粒子が分散した
溶融熱可塑性ポリマーをつくる。この後は、これをペレ
ット化してもよいし、直接繊維化してもよい。
【0017】また、上記の第1の方法は、管路内に、気
体キャリヤーのらせん気流を形成する上記の装置のらせ
ん気流域に、顔料微粒子と溶融熱可塑性ポリマーを供給
して、顔料微粒子を分散した溶融熱可塑性ポリマーをつ
くり、これを気体分離室(たとえば脱気口付きの熱可塑
性ポリマー重合槽や2軸押出機等)に供給する。ここ
で、管路内にらせん気流を形成する気体キャリヤーとし
ては、溶融熱可塑性ポリマーに不活性な窒素ガス等を用
いることができる。
【0018】なお、上記の方法における圧縮気体として
は、液体窒素等の不活性液化ガス、ヘキサン等の炭
化水素や有機物の過熱蒸気、水またはアルコールの過
熱蒸気が用いられる。
【0019】このようにして得られた熱可塑性ポリマー
は、従来公知品と同様、紡糸等の用途に広く用いられ
る。
【0020】
【発明の効果】以上のように、この発明の熱可塑性ポリ
マーの製法は、顔料を、気体を媒体(キャリヤー)とす
る微粒子の分散状態にし、これを溶融熱可塑性ポリマー
に直接混合する。この方法によれば、溶融熱可塑性ポリ
マーの流量を変化させることなく、溶融熱可塑性ポリマ
ーの供給経路の最も下流側で顔料微粒子を添加しうるた
め、多品種併産体制、あるいは少ロット切り替え生産に
適している。しかも、顔料微粒子が分散状態で溶融熱可
塑性ポリマー中に混合されるため、溶融熱可塑性ポリマ
ー中においても互いに凝集することなく一次粒子の分散
状態を保つ。そのため、紡糸工程において糸切れ等のト
ラブルを生じることがない。そして、上記顔料微粒子が
気体を介して分散されるため、顔料微粒子と溶融熱可塑
性ポリマーの混合時に脱気を行うだけで、上記気体を簡
単に分離除去することができ、溶融熱可塑性ポリマー中
に異物が残留して組成を変えることがないという利点を
有する。
【0021】つぎに、実施例について比較例と合わせて
説明する。
【0022】
【実施例,比較例】まず、実施例に先立ち、下記(A)
および(B)の方法により顔料微粒子を調製した。
【0023】(顔料微粒子の調製) (A) 繊維用の酸化チタン凝集粒子(アナターゼ形)
または顔料用のカーボンブラックの凝集粒子を、従来公
知の小型対向式ジェットミルに供給するとともに、この
ミルに、温度280℃,圧力10kg/cm2 の窒素圧縮ガ
スを供給し、上記凝集粒子を粉砕して、生成微粒子を窒
素ガスキャリヤー中に分散させた。ついで、これを従来
公知のバッグフィルターに供給し集塵して顔料微粒子を
得た。これらの微粒子を従来公知のレーザ回折式粒度測
定装置により乾式法で粒度を測定したところ、表1のと
おりであった。
【0024】
【表1】
【0025】(B) 上記(A)で用いた酸化チタン凝
集粒子を用い、これを従来公知のエジェクターに掛ける
に際し、圧縮ガスとして、温度280℃,圧力10kg/
cm2の窒素圧縮ガスを用い、上記凝集した酸化チタン粒
子を解砕し生成微粒子を窒素ガスキャリヤー中に分散さ
せた。つぎに、これから酸化チタン微粒子を取り出し、
上記(A)の方法と同様にして、その粒度を測定した。
その結果、D50=0.9μ、D90=0.9μ、D100
0.9μ(処理量1.2kg/h)であった。
【0026】つぎに、下記のようにしてポリエステルペ
レット等を製造した。
【0027】
【実施例1】DMT(ジメチルテレフタレート)80k
g、EG(エチレングリコール)51kgおよび酢酸カル
シウム80gの割合で常法に基づきエステル交換反応を
行い反応させた。得られた反応生成物を容量300リッ
トルのポリエステル試験重合槽に移し、リン酸トリメチ
ル62gと三酸化アンチモン24gを添加し常法により
重縮合を行いIV(極限粘度)0.63の溶融ポリエス
テルを得た。
【0028】また、小型対向式ジェットミルに、市販
の、凝集している酸化チタン微粒子を1.2kg/hの割
合で供給するとともに、温度280℃,圧力10kg/cm
2 の圧縮ガス(窒素)1.2kg/hの割合で供給し、窒
素ガスキャリヤー中に酸化チタン微粒子を分散含有させ
た。
【0029】つぎに、先に本文中において説明した2流
体ノズル3a(図5,図6,図7)の流路3bに溶融ポ
リエステル(240kg/h)を供給するとともに、流路
3cに酸化チタン微粒子(1.2kg/h)含有窒素ガス
キャリヤーを供給し、酸化チタン微粒子が分散したポリ
エステルを生成した。この場合、上記2流体ノズルに対
する原料の供給は、20分間行った。このようにして得
られた、酸化チタン微粒子が分散したポリエステル(8
0kg)を、前記ポリエステルの試験重合槽と同じ構造の
第2の試験重合槽(温度280℃,圧力20torr)に噴
射し、混合と脱気とを行った。この場合、上記試験重合
槽は気体分離室の作用をする。そして、上記試験重合槽
から溶融熱可塑性ポリマーをギアポンプで抜き出し、成
形ダイに送ってストランド状に押出し、ついで水冷し、
適宜寸法に切断して酸化チタン濃度0.5重量%、IV
0.63のポリエステルペレットを得た。この一連の製
造工程を図1に示す。図において、1は試験重合槽、2
は溶融熱可塑性ポリマー供給パイプ、3は送りポンプ、
4は気体分離室となる第2の試験重合槽、5は気体キャ
リヤーに分散した顔料微粒子供給パイプ、3aは2流体
ノズル、6は脱気パイプ、7は顔料微粒子分散溶融熱可
塑性ポリマー供給パイプ、8は送出ポンプである。
【0030】なお、上記図1において、2流体ノズル3
aに代えて、従来公知の、管路内に、気体キャリヤーの
らせん気流を形成する装置を用い、管路内のらせん気流
域に、溶融ポリエステルと酸化チタン微粒子含有窒素ガ
スキャリヤーを供給して、第2の試験重合槽4内に供給
した。それ以外は、図1と同様にしてポリエステルペレ
ットを得た。このペレットは、図1のものと同様の特性
のものであった。
【0031】
【実施例2】実施例1で用いた同様のジェットミルを用
いて得た窒素ガスキャリヤー中に分散させた酸化チタン
微粒子(1.2kg/h)を、従来公知の、管路内に、気
体キャリヤーのらせん気流を形成する装置を用い、管路
内のらせん気流域に供給して、酸化チタン微粒子の気体
キャリヤーとのらせん気流を生成させた。そして、溶融
ポリエステル(実施例1と同様にして得られたもの80
kg)が内蔵された試験重合槽(温度280℃,圧力20
torr)に、上記らせん気流を、酸化チタン0.4kgに相
当する20分間噴射し、混合と気体分離とを行って、酸
化チタン微粒子が分散したポリエステルを得た。これ以
降は実施例1と同様にして酸化チタン濃度0.5%,I
V0.63のポリエステルペレットを得た。この一連の
工程を図2に示す。図2において、3dは管路内に、気
体キャリヤーのらせん気流を形成する装置、10は顔料
微粒子供給パイプ、11は圧縮気体供給パイプである。
それ以外の部分において、図1と同一または相当部分に
は同一符号を付している。
【0032】
【実施例3】実施例1で用いた同様のジェットミルを用
いて得た窒素ガスキャリヤー中に分散させた酸化チタン
微粒子(1.2kg/h)と、連続重合の重合仕上機から
分岐させた顔料微粒子を含まないIV0.63,温度2
80℃のポリエステル(240kg/h)を、従来公知
の、管路内に、気体キャリヤーのらせん気流を形成する
装置を用い、温度280℃に設定した管路内のらせん気
流域に供給して、酸化チタン微粒子とポリエステルの気
体キャリヤーとのらせん気流を生成させた。そして、実
施例1で用いた、気体分離室となる第2の試験重合槽に
代えて、2軸押出機12を用いた。この2軸押出機12
は、温度280℃、圧力20torrでスクリュー径65mm
の同方向回転式のものである。そして、供給口が密封さ
れ、脱気パイプ6が導出されている。この押出機の供給
口に、生成させた上記のらせん気流を噴出させた。そし
て、この押出機で混合と気体分離を行い、酸化チタン微
粒子が分散したポリエステルを得た。これ以降は実施例
1と同様にして酸化チタン濃度0.5%,IV0.63
のポリエステルペレットを得た。この一連の工程を図3
に示す。図3において、図1と同一または相当部分には
同一符号を付している。
【0033】
【実施例4】実施例1で用いたと同様のジェットミルを
用いて得た窒素ガスキャリヤー中に分散させた酸化チタ
ン微粒子(1.2kg/h)を、従来公知の、管路内に、
気体キャリヤーのらせん気流を形成する装置のらせん気
流域に供給して、管路内に、酸化チタン微粒子の気体キ
ャリヤーとのらせん気流を生成させた。そして、スクリ
ュー径65mmの同方向回転式の2軸押出機に、連続重合
の重合仕上機から分岐させた顔料微粒子等を含まないI
V0.63,温度280℃のポリエステルを240kg/
hの割合で供給して溶融押出を行いながら、上記押出機
の脱気口を温度280℃、圧力20torrに設定するとと
もに、脱気口の溶融ポリエステルに、生成させた上記の
らせん気流を噴射した。そして、この押出機で混合と気
体分散を行い、酸化チタン微粒子が分散したポリエステ
ルを得た。そして、これをペレット化するとともに、従
来公知の溶融紡糸方法によって得られた酸化チタン微粒
子が分散したポリエステルから直接ポリエステル繊維を
得た。この一連の工程を図4に示す。図4において、1
3は溶融熱可塑性ポリマー供給パイプである。それ以外
の部分は図2と同じであり、同一または相当部分には同
一符号を付している。なお、上記紡糸は、スピンドロー
試験紡糸機において、紡速1445m/分,巻取速度4
135m/分で75(d)/24(f)×8(本/錘)
で試験紡糸を行った。この紡糸は円滑に行われた。
【0034】
【実施例5】実施例4において、スクリュー径30mmの
同方向回転式押出機にし、同様のポリエステル6kg/h
にかえて酸化チタン微粒子20重量%をポリエステルに
分散させ、そして、同様のポリエステル234kg/hと
静止型ミキサーで混合して、酸化チタン微粒子が分散し
たポリエステルとする以外全く同様に行って、ポリエス
テルペレットを得た。
【0035】
【実施例6】実施例2において、実施例1のジェットミ
ルで調製した窒素ガスキャリヤー中に分散させた酸化チ
タン微粒子に代えて、先の顔料微粒子の調製(B)で得
られた酸化チタン微粒子を用いた。それ以外は、実施例
2と同様にしてポリエステルペレットを得た。この一連
の工程は図2のとおりである。
【0036】
【実施例7】実施例2おいて、ポリエステルに代えて6
−ナイロンを用いるとともに、酸化チタン微粒子に代え
て、先の顔料微粒子の調整(A)で調整したカーボンブ
ラックの微粒子1.2重量%を用いた。それ以外は実施
例4と同様にしてナイロンペレットを得た。この一連の
工程は図4のとおりである。
【0037】
【実施例8】実施例2において管路内に生成させた酸化
チタン微粒子の気体キャリヤーとのらせん気流に代え
て、管状加熱管(内径4mm,全長800mm,内部温度1
90℃)を用いて得られた、ヘキサン蒸気に分散した酸
化チタン微粒子を従来公知の、管路内に、気体キャリヤ
ーのらせん気流を形成する装置のらせん気流域に供給し
た。この場合、ヘキサン蒸気に分散した酸化チタン微粒
子は、凝集した酸化チタン微粒子を30重量%の割合で
含有したヘキサンスラリー4kg/h(酸化チタン凝集粒
子と溶剤であるヘキサンとが混合してスラリー状になっ
たもの)を管状加熱管の一端から供給し、その内部にお
いて、ヘキサンを気化させ、他端からヘキサン蒸気に分
散した酸化チタン微粒子を得ることにより製造されたも
のである。それ以外は、実施例2と同様にしてポリエス
テルペレットを得た。
【0038】
【実施例9】実施例8においてヘキサン蒸気をメタノー
ル蒸気にかえる以外全く同様にしてポリエステルペレッ
トを得た。
【0039】
【比較例】実施例2において用いた酸化チタン微粒子に
代えて、市販の凝集酸化チタン微粒子を用いた。それ以
外は、実施例2と全く同様にしてポリエステルペレット
を得た。
【0040】以上のようにして得られた実施例,比較例
品を下記のようにして性能評価した。
【0041】(性能試験1)実施例と比較例とで得られ
たポリエステルペレット等を東洋精機(株)製ラボプラ
ストミルにかけ、厚み300μのシートを押出成形し
た。そして、これを繊維用として評価するため、このシ
ートを押出方向に3倍の1軸延伸を行って延伸試料を調
製し、このシートの押出成形の際に冷却ロールに接して
いない面の表面粗さを測定し、1mm2 当たりの延伸シー
ト表面の凹凸レベルを評価し、その結果を表2に示し
た。
【0042】
【表2】
【0043】上記の表から明らかなように、比較例品
は、実施例品に較べて、大きな凸部がみられ表面粗さが
悪いことがわかる。
【0044】なお、繊度3デニールのポリエステルフィ
ラメントの直径は17.5μとなる。前記表2の延伸試
料の体積は、面積と厚さから108 μm3 となり、裏表
を考慮して体積1cm3 に換算すると、前記の表2の凸部
の個数は2万倍となる。しかし、通常、原着ペレット
は、50倍程度に希釈して用いられるため、これを考慮
すれば400倍程度になる。したがって、比較例の原着
ペレットでは、延伸後の繊維の表面に6μの凸部が生成
することが予想される。繊度3デニールのポリエステル
フィラメント(横断面の直径17.5μ)の表面の6μ
の凸部は、繊維の延伸工程と繊維の品質上の支障になる
ことが予想される。これに対して、実施例品では、その
ような恐れは殆どない。
【0045】(性能試験2)実施例2と比較例のポリエ
ステルペレットを直径30mmのスクリューを有する試験
紡糸機にかけ、紡速6000m/分の割合で150
(d)/48(f)の高速紡糸試験を行った。その結
果、実施例2の原着ペレットの場合には、何ら支障なく
紡糸出来たが、比較例の場合は、150(d)/48
(f)を巻き取ることはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の工程説明図である。
【図2】他の実施例の工程説明図である。
【図3】さらに他の実施例の工程説明図である。
【図4】さらに他の実施例の工程説明図である。
【図5】この発明の実施例に用いる2流体ノズルの断面
図である。
【図6】他の2流体ノズルの断面図である。
【図7】さらに他の2流体ノズルの断面図ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 302 // C08L 67:00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体キャリヤー中に顔料微粒子を分散含
    有させ、これと、溶融熱可塑性ポリマーとを接触混合さ
    せて、顔料微粒子が分散した溶融熱可塑性ポリマーをつ
    くることを特徴とする熱可塑性ポリマーの製法。
  2. 【請求項2】 管路内に、顔料微粒子と溶融熱可塑性ポ
    リマーの気体キャリヤーとのらせん気流を形成し、上記
    管路の出口に設けられた気体分離室に上記らせん気流を
    供給し気体キャリヤーを分離して顔料微粒子が分散した
    溶融熱可塑性ポリマーをつくることを特徴とする熱可塑
    性ポリマーの製法。
  3. 【請求項3】 管路内に、顔料微粒子の気体キャリヤー
    とのらせん気流を形成し、上記管路の出口に設けられた
    気体分離室に、上記らせん気流を供給するとともに、溶
    融熱可塑性ポリマーを供給し、上記らせん気流を溶融熱
    可塑性ポリマーに噴射し、上記ポリマーと顔料微粒子と
    を混合し顔料微粒子が分散した溶融熱可塑性ポリマーを
    つくるとともに、気体キャリヤーの分離を行い、ついで
    顔料微粒子が分散した溶融熱可塑性ポリマーをつくるこ
    とを特徴とする熱可塑性ポリマーの製法。
  4. 【請求項4】 管路内に、らせん気流を形成させる気体
    キャリヤーが、溶融熱可塑性ポリマーに不活性な気体で
    ある請求項2または3記載の熱可塑性ポリマーの製法。
  5. 【請求項5】 顔料凝集粒子と圧縮気体をジェットミル
    またはエジェクターに供給し気体キャリヤー中に顔料微
    粒子を分散含有させる請求項1記載の熱可塑性ポリマー
    の製法。
  6. 【請求項6】 顔料凝集粒子と圧縮気体をジェットミル
    またはエジェクターに供給して気体キャリヤー中に顔料
    微粒子を分散含有させ、これから管路内に送入するとと
    もに、上記管路内に、顔料微粒子の気体キャリヤーとの
    らせん気流を形成させる請求項2または3記載の熱可塑
    性ポリマーの製法。
  7. 【請求項7】 気体分離室が、溶融熱可塑性ポリマーを
    重縮合する減圧下の反応槽である請求項2または3記載
    の熱可塑性ポリマーの製法。
  8. 【請求項8】 気体分離室が、押出機の供給口または脱
    気口である請求項2または3記載の熱可塑性ポリマーの
    製法。
  9. 【請求項9】 気体分離室が、溶融したポリエチレンテ
    レフタレートの重縮合を行う減圧下の反応槽である請求
    項2または3記載の熱可塑性ポリマーの製法。
  10. 【請求項10】 圧縮気体が、不活性液化ガスまたは炭
    化水素等の有機物、もしくは水,アルコールの過熱蒸気
    である請求項5または6記載の熱可塑性ポリマーの製
    法。
  11. 【請求項11】 溶融熱可塑性ポリマーが、溶融ポリエ
    ステルであり、顔料微粒子が酸化チタンである請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリマーの製法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3のいずれか1項で得られ
    た熱可塑性ポリマーを溶融紡糸して繊維化することを特
    徴とする熱可塑性ポリマー繊維の製法。
JP20563994A 1994-08-30 1994-08-30 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法 Pending JPH0866920A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20563994A JPH0866920A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20563994A JPH0866920A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0866920A true JPH0866920A (ja) 1996-03-12

Family

ID=16510228

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20563994A Pending JPH0866920A (ja) 1994-08-30 1994-08-30 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0866920A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093860A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Inoac Corp 流体混合機構

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093860A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Inoac Corp 流体混合機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4167503A (en) Liquid colorant/additive carrier for use in compounding polymers
US5308892A (en) Process for the preparation of polyester-masterbatch containing finely divided additives
AU750850B2 (en) Pigmented polyamide shaped article incorporating free polyester additive
WO2008008600A2 (en) Fiber comprising polyetherimide and method for making the same
JP2009532528A (ja) 高分子量ポリ(α−オレフィン)溶液およびそれから作製される物品
US5281379A (en) Processes for manufacturing thermoplastic resin compositions
CN107641196B (zh) 一种消光聚酯及低光泽度弹性复合纤维
JP6952529B2 (ja) 熱可塑性複合樹脂、該樹脂を用いた3dプリンタ用フィラメント及びそれらの製造方法
US20120292808A1 (en) Process for producing shaped articles of poly(trimethylene arylate)/polystyrene
JPS6125804B2 (ja)
JPH026613A (ja) ポリスチレンを含む伝導性フィラメント,その製造方法,多フィラメント系及びカーペット
CN112500611B (zh) 一种生物降解塑料袋及其制备方法
JPH0866920A (ja) 熱可塑性ポリマーおよび熱可塑性ポリマー繊維の製法
CN114921868B (zh) 一种纳米生物炭改性熔体直纺超细旦聚酯纤维的制备方法
US3925301A (en) Process for the continuous production of carbon black-synthetic resin concentrates
AU643070B2 (en) Addition of additives to polymeric materials
US3275591A (en) Pigmentation of polypropylene filaments and fibers
JP5565971B2 (ja) ポリ乳酸樹脂とポリエチレンテレフタレート樹脂からなるポリマーアロイおよびその製造方法
JP2007254905A (ja) 難燃性再生原着ポリエステル繊維
US3681280A (en) Process for the preparation of pigmented polyolefin fibers
US3275590A (en) Dispersing carbon black in terephthalate polyesters by sand grinding
CN111040140A (zh) 锑基聚酯复合材料的制备方法
JPS6239208A (ja) 原着ポリエステルマスタ−ポリマ−の製造法
JPH0347710A (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び成形物の製造方法
JPH0949118A (ja) カーペット用ポリエステル長繊維の製造方法