JPH0866446A - 椅子式マッサージ機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、マッサージ機におけるマッサージユ
ニットの移動操作を容易にすることを目的とする。 【構成】座部２および背もたれ部３を有する椅子本体１
の前記背もたれ部３の表皮９の表面に沿って移動自在な
マッサージユニット１０が配設された体椅子式マッサー
ジ機において、前記背もたれ部３の表皮９の面とマッサ
ージユニット１０との間に滑板２３（滑り摩擦係数の小
さい部材）を介在させたマッサージ機。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、背もたれ部にその表
面上に沿って移動自在なマッサージユニットが設けられ
た椅子式マッサージ機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、椅子の背もたれ部に、その表面部
つまり背もたれ部の枠体を覆った布あるいは合成皮革等
からなる表皮の表面に沿って、同様に布あるいは合成皮
革によって覆ったマッサージユニットを移動自在に設
け、マッサージ中にこのマッサージユニットを所望の被
施療部位置に移動して位置決めしてマッサージを行うよ
うにしたものは広く知られている。

【０００３】しかし、これら背もたれ部およびマッサー
ジユニットを被覆している布あるいは合成皮革は、滑り
摩擦係数が大きいため摩擦抵抗が大きく、マッサージユ
ニットの背もたれ部上でのスムーズな移動が阻害されて
いた。加えて背もたれ部は曲面形状であるため、この曲
面形状が摩擦抵抗は一層大きくする要因となっていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のように従来の椅
子式マッサージ機においては、背もたれ部の枠体および
マッサージユニットに、これらを被覆する表皮に滑り摩
擦係数の大きい布あるいは合成皮革が使用されているた
めおよびこれに加えて背もたれ部が曲面形状のため、マ
ッサージ中にマッサージユニットを所望の被施療部位置
に移動させる際、両者間の摩擦抵抗が大きく移動させに
くいという問題があった。また、長期にわたる使用にお
いては、表皮等がすり切れて破損してしまうという問題
があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記従来の
問題を解決するものであり、座部および背もたれ部を有
する椅子本体の前記背もたれ部の表面部に沿って移動自
在なマッサージユニットが配設された椅子式マッサージ
器において、前記背もたれ部の表面部とマッサージユニ
ットとの間に滑り摩擦係数の小さい部材を介在させた椅
子式マッサージ機とした。

【０００６】

【作用】この発明は、上記のように構成したので、マッ
サージユニットを背もたれ部の上面部に沿って移動させ
る際、両者の間に設けた滑り摩擦抵抗の小さい部材によ
って両者間の滑り摩擦抵抗を低減でき、マッサージユニ
ットをスムーズに移動できる。

【０００７】

【実施例】つぎに、この発明の実施例を椅子式エアーマ
ッサージ機に用いた場合について図１ないし図５に基づ
いて説明する。

【０００８】図１において、１は椅子本体で、この椅子
本体１はほぼ水平に設けられた座部２、この座部２の後
側に配置され前記座部２に対して所定の角度傾斜して設
けられた背もたれ部３および前記座部２の両側に位置し
て設けられた肘掛部４とから構成されている。また、前
記座部２の前方には脚受部２ａが設けられている。そし
て、前記背もたれ部３は、枠体３ａとこの枠体３ａを覆
う布あるいは合成皮革等からなる表皮とから構成される
とともに後述するマッサージユニット１０を縦方向（図
１において上下方向）に移動自在に取り付けるための長
孔３ｂが２条形成されている。

【０００９】そして、前記座部２には気密性を有すると
ともに軟質の材質からなり、圧搾空気の給排気に伴い膨
縮する細長かつ偏平状に形成された腿部および尻部をマ
ッサージするための腿尻用袋体５が、その長手方向を座
部２の横方向（図において左右方向）に向けて配設され
ている。

【００１０】また、前記背もたれ部３の座部２の近傍に
は腰部をマッサージするための腰用袋体６ａ、６ｂが配
設され、この腰用袋体６ａ、６ｂの上方には背中部をマ
ッサージする背中用袋体７ａ、７ｂが配設されている。
また、前記背もたれ部３の中央部には前記各袋体５ない
し７ｂと同様な材質からなる細長かつ偏平状に形成され
背筋をマッサージするための背筋用袋体８がその長手方
向を背もたれ部３の縦方向（図において上下方向）に一
致させて配設されている。

【００１１】なお、前記各袋体５ないし８は、あらかじ
め配置位置が決められた図示しない内袋に収納しこの内
袋を前記椅子本体１の座部２と背もたれ部３に配置し、
この内袋は背もたれ部３の枠体３ａを覆う前記表皮９で
覆われ、内袋および各袋体５ないし８は外部からは見え
ないようになっている。

【００１２】つぎに、前記背もたれ部３にその表皮９の
表皮面から露出するとともにこの表皮の面上を摺動自在
に移動するように配設され、肩および首をマッサージす
るマッサージユニット１０について図２ないし図４に基
づいて説明する。

【００１３】このマッサージユニット１０は、図３に示
すように前記背もたれ部３に身体を位置させたときに、
この身体が位置する方向に向かって両側端部を互いに対
向する方向に湾曲つまり折曲して形成した傾斜状の袋体
受部１２ａを有する受板１２、この受板１２の袋体受部
１２ａが形成されている側の面に配置される一対の袋体
１３、この袋体１３の上部に配置して設けられるととも
に押圧突起１４が設けられた一対の押圧板１５およびこ
れらを被覆した布あるいは構成皮革等からなる被覆体１
１から構成されている。

【００１４】そして、前記受板１２には図示しないが中
央部に一対のねじ孔が設けられているとともに裏面つま
り前記背もたれ部３側と対向する面１２ｂの中央部に
は、図２および図３から明らかなように先端部にねじ１
６ａが形成された４個の取付軸１６が設けられている。

【００１５】また、前記一対の袋体１３は前記各袋体５
ないし９と同様に気密性を有するとともに軟質の材料か
らなる偏平形状に形成されるとともに、この袋体１３と
同一材料からなり図示しないが一対の取付孔が設けられ
た帯状の接続体１３ａによって結合つまり接続されてい
る。

【００１６】つぎに、１８は取付板でこの取付板１８
は、その両側（図において左右両側）にその端縁を前記
受板１２側に折り曲げて形成した軸受部２０が形成さ
れ、前記受板１２に取り付けられたとき前記端縁先端部
は受板１２の上に配置された前記接続体１３ａとによっ
て後述する押圧板１５の軸２１を抜け止めしつつ回動自
在に保持するようになっている。また、この取付板１８
にはその中央部に図示しないが一対の取付孔が設けられ
ている。

【００１７】前記押圧板１５は略方形状に形成されると
ともに、前記押圧突起１４が形成されている端部と反対
側の端部には方形状の貫通孔２１ａを形成してその端縁
側の辺を軸２１とし、この軸２１を前記軸受部２０に回
動自在に係合させることにより、押圧板１５を取付板１
８に対して回動自在としている。

【００１８】ここで、前記袋体１３と押圧板１５の前記
受板１２への取り付け方および袋体１３と押圧板１５が
取付けられた受板１２の前記背もたれ部３の枠体３ａへ
の取り付け方について説明する。まず、前記受板１２の
上に袋体１３の接続体１３ａを図示しない一対の取付孔
を同じく図示しない受板１２の一対のねじ孔に対応させ
て載置し、ついで、前記取付板１８を図示しない一対の
取付孔を前記受板１２および接続体１３ａの取付孔およ
びねじ孔に対応させて前記接続体１３ａの上に載置し、
前記受板１２と前記取付板１８の端縁先端部とで接続体
１３ａを挾持する。なお、前記取付板１８を前記接続体
１３ａの上に載置する際に、押圧板１５の軸２１を取付
板１８の軸受部２０に係合するように前記取付板１８の
端縁先端部を貫通孔２１に挿入して前記押圧板１５を前
記袋体１３の上に載置する。そしてこの状態で前記取付
板１８を図３に示すように前記受板１２にねじ２２によ
って取り付けることにより、袋体１３および押圧板１５
は受板１２に取付けられる。このとき押圧板１５は軸受
部２０に回動自在に係合する軸２１を介して取付板１８
に対して回動自在に保持されることになる。そして、袋
体１３および押圧板１５が取付板１２に取付けられた状
態で、これら全体を覆うようにして被覆体１１を取り付
けることによりマッサージユニット１０が組み立てられ
る。

【００１９】このようにして組み立てられたマッサージ
ユニット１０は、図２および図３に示すように前記受板
１２に設けた一対の取付軸１６に、滑り摩擦計数の小さ
い部材としての滑板２３をそれに形成した孔２３ａ介し
て取り付けた後、この取付軸１６を長孔９ａを形成した
前記表皮９によって覆われた背もたれ部３の枠体３ａに
形成された前記長孔３ｂ（前記長孔９ａと対応して形成
されている）に挿通して、座金１７ａを介してナット１
７を締結することにより枠体３ａつまり背もたれ部３に
取付けられることになり、この状態では前記マッサージ
ユニット１０は背もたれ部３の表皮９上を前記滑板２３
を介して図１および図２において上下方向にスライド自
在となっている。そして、マッサージユニット１０は前
記滑板２３によって表皮９上を滑らかにかつ容易に移動
させることができる。なお、前記滑板２３は薄い金属
板、合成樹脂板、合成樹脂からなるシート等が用いられ
ておいるが、背もたれ部３つまり表皮９は身体を受け易
いように上下左右に湾曲した湾曲面となっていことか
ら、移動に伴って変形可能でかつ弾性を有する材料が好
ましく、この点からは合成樹脂シートあるいは薄い金属
板が滑板２３としては適しているいえる。

【００２０】なお、前記各袋体５ないし１３には図示し
ないがこの種椅子式エアーマッサージ機においては周知
である圧搾空気を給排気するための給排気口が設けられ
ており、この給排気口には図示しない給排気管が接続さ
れている。

【００２１】また、前記椅子本体１の内部には、図示し
ないが周知の圧搾空気を供給する例えばコンプレッサー
等からなる圧搾空気供給手段、この圧搾空気供給手段か
ら供給される圧搾空気を前記給排気管を介して前記各袋
体５ないし１３に供給する例えばロータリー弁等からな
る分配器、前記袋体５ないし１３に所定の順序で圧搾空
気を供給するように前記圧搾空気供給手段および前記分
配器を制御する制御装置が設けられている。

【００２２】なお、図１において、２４は前記肘掛部４
の側壁に設けられた電源スイッチあり、２５は肘掛部４
の側壁に設けられたリモートコントロール装置２６を収
納する収納部である。また、２７は前記リモートコント
ロール装置２６からの入力信号を前記制御装置等に送信
するためのコードである。

【００２３】そして、前記マッサージユニット１０の袋
体１３に圧搾空気が供給されると、袋体１３は図４に示
すように膨脹する。この袋体１３の膨脹に伴って前記押
圧板１５は軸２１を回動中心として、その押圧突起１４
が互いに接近する方向つまり首肩部を挟み込む方向に移
動し、圧搾空気が排気されると逆に離反する方向に移動
する。つまり圧搾空気の給排気の繰り返しに伴って袋体
１３は膨縮を繰り返すが、この繰り返される袋体１３の
膨縮に伴って押圧板１５は図４の矢印方向に接近離反を
繰り返すよう動作し被施療部のマッサージがなされる。

【００２４】なお、マッサージの動作モードとしては、
全身マッサージ、上半身マッサージ、下半身マッサー
ジ、あるいは、首肩部、背中部、腰部等のみを単独にマ
ッサージする等各種の動作モードがあり、これらの動作
モードから所望の動作モードをリモートコントロール装
置２６から入力することにより所望のマッサージがなさ
れるようになっている。

【００２５】つぎに、上記の椅子式エアーマッサージ機
の動作について説明する。

【００２６】まず、椅子本体１の座部２に腰掛け電源ス
イッチ２４を入れた後、リモートコントロール装置２６
から前記各種の動作モードの中から所望の動作モードを
選択して入力すると、圧搾空気供給手段が駆動され、こ
の圧搾空気供給手段から供給される圧搾空気が選択され
たマッサージの動作モードにしたがって制御される分配
器によって各袋体５ないし１３に供給され、各袋体が膨
縮し身体の各部分を押圧しマッサージが行われる。

【００２７】そして、選択された動作モードにマッサー
ジユニット１０つまり首肩部のマッサージ動作が含まれ
ている場合は、前記マッサージユニット１０の袋体１３
に対して圧搾空気の給排気がなされる首肩部のマッサー
ジがなされる。

【００２８】そして、マッサージ中にマッサージ部位つ
まり被施療部を変えたいときは、前記マッサージユニッ
ト１０の両端部（図１における左右両端部）を両手で掴
み所望の部位に移動させることになるが、この移動は滑
板２３によってマッサージユニット１０が滑り易くなっ
ているため、僅かな力で移動させることができる。

【００２９】また、滑板２３によってマッサージユニッ
ト１０が容易に滑るため背もたれ部部３の表皮９および
マッサージユニットの被覆体１１がすり切れる等して損
傷することない。

【００３０】なお、上記実施例においては、取付板１２
と滑板２３を別体として形成しているが、これは図５に
示すように、取付板１２と滑板２３とを一体化して取付
板３０として、この取付板３０を摩擦係数の小さな合成
樹脂により形成し、その周囲部に環状の溝３１を形成し
この溝３１に被覆体３２の外周縁３２ａを嵌め込み接着
剤により固定するようにしてもよい。

【００３１】また、上記実施例ではエアー式のマッサー
ジ機の場合について説明したが、エアー式のものに限定
されるものではなく、例えば振動式のマッサージ機のマ
ッサージユニットにも適用できることはいうまでもな
い。

【００３２】

【発明の効果】この発明は、上記のように構成したの
で、マッサージユニットを背もたれ部の表皮の上面にに
沿って移動させる際、両者の間に滑り摩擦係数の小さい
部材を介在させたため両者間の滑り摩擦抵抗を低減し
て、マッサージ中においてもマッサージユニットをスム
ーズに移動できる。また、背もたれ部の表皮およびマッ
サージユニットの被覆体のすり切れ等による損傷を防止
できるという効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例としての椅子式エアーマッサー
ジ機の斜視図。

【図２】上記実施例の図１のＸ−Ｘで断面したマッサー
ジユニットの一部断面図。

【図３】上記実施例の図１のＹ−Ｙで断面したマッサー
ジユニットの一部断面図。

【図４】上記実施例の図１のＹ−Ｙで断面し袋体が膨脹
した状態を示すマッサージユニットの一部断面図。

【図５】上記実施例のマッサージユニットの他の実施例
を示す断面図。

【符号の説明】

１ 椅子本体 ２ 座部 ３ 背もたれ部 ９ 背もたれ部の表皮 １０ マッサージユニット ２３ 滑板（滑り摩擦係数の小さな部材）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】座部および背もたれ部を有する椅子本体の
   前記背もたれ部の表面部に沿って移動自在なマッサージ
   ユニットが配設された椅子式マッサージ機において、前
   記背もたれ部の表皮の表面とマッサージユニットとの間
   に滑り摩擦係数の小さい部材を介在させたことを特徴と
   する椅子式マッサージ機。