JPH0861962A - 低バイアス光ファイバジャイロスコープ用センサコイル - Google Patents

低バイアス光ファイバジャイロスコープ用センサコイル

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JPH0861962A
JPH0861962A JP18764594A JP18764594A JPH0861962A JP H0861962 A JPH0861962 A JP H0861962A JP 18764594 A JP18764594 A JP 18764594A JP 18764594 A JP18764594 A JP 18764594A JP H0861962 A JPH0861962 A JP H0861962A
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ジェー.ビリンスキー ドナルド
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デー.ワイルド ジョン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度等の環境変化の影響を受けない光ファイ
バジャイロスコープ用センサコイルを提供する。 【構成】 このコイルは、その熱膨張係数が上にあるガ
ラス光ファイバ巻線の熱膨張係数に近い、カーボン混合
材料または他の材料からなるスプール上に形成される。
前記巻線は接着剤でポット化される。さまざまなバイア
ス効果がコイルデザインにより取り組まれる。コイルポ
ット化材料の適正な選択ばかりでなく、スプールとファ
イバ巻線の熱膨張特性の厳密な整合が、さもなければ標
準的な金属製スプールによって加えられるだろう熱応力
で生じる、シュープと同様なバイアスを最小にする。ポ
ット化材料(特にその弾性率)の注意深い選択により、
振動誘導バイアス、コイル亀裂、hパラメータの劣化及
び温度勾配バイアス感度も最小になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光ファイバジャイロスコ
ープに関する。特に、本発明は、種々のバイアスエラー
の原因となる要因に取り組み、動的熱及び振動環境に対
するジャイロバイアス感度を最小にする、改良されたセ
ンサコイルデザインに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】光ファ
イバジャイロスコープは以下の主要構成要素からなる。
すなわち、(1)光源と、(2)ビームスプリッタ(光
ファイバ方向結合器または集積光学Y分岐のどちらか)
と、(3)光ファイバコイルと、(4)偏光器(及び時
には1つ以上の偏光消滅器)と、(5)検出器である。
光源からの光は、ビームスプリッタによって、検知コイ
ルを伝わる互いに逆方向に伝播する波に分離される。関
連エレクトロニクスは、コイルの両端から出る、2つの
干渉する逆伝播光ビームの間の位相関係を測定する。2
つのビームで生じる位相シフトの差は、計器が固定され
る台の回転速度の基準を提供する。環境要因は、互いに
反対方向に伝播するビーム間で測定された位相シフト差
に影響を与え、それによりバイアスまたはエラーを持ち
込むことがある。前記環境要因は、温度、振動(音響的
なものや機械的なもの)及び磁界のような変量を含む。
前記要因は時間と共に変化し、またコイルのいたるとこ
ろに一様でなく分布される。これらの環境要因は、各々
の逆伝播波がコイル中を進むにしたがって遭遇する、光
学的な光路の変化を引き起こす。前記2つの波により引
き起こされる位相シフトは等しくなく、回転誘導信号か
ら区別がつかない、正味の好ましくない位相シフトを生
じる。
【0003】環境要因から生じる感度の減少を達成する
ための1つのアプローチは、種々の対称型コイル巻線形
態の使用を必要とした。前記コイルにおいては、巻線
は、該コイルの構造上の中心が最内層に位置すると同時
に該コイルの2つの端部が最外層に位置するように整え
られる。エヌ・フリゴ(N.Frigo) は、“Compensation o
f Linear Sources of Non-reciprocity in Sagnac Inte
rferometers ”, Fiber Optics and Laser SensorsI,P
roc. SPIE Vol.412, p.268 (1989)において、非相反性
を補償するための特定の巻線パターンの使用を提唱し
た。さらに、“光ファイバ検知コイル”と題するベドナ
ルツ(Bednarz) の米国特許第4,793,708 号は、2極また
は4極巻線によって形成された対称型光ファイバ検知コ
イルを教示している。前者の特許に開示されたコイル
は、従来のらせん型巻線に勝る高められた性能を示して
いる。
【0004】“4極巻線型光ファイバ検知コイル及びそ
の製造方法”と題するイバンセビク(Ivancevic) の米国
特許第4,856,900 号は、端部フランジに隣接するポップ
アップファイバセグメントの存在に起因するファイバ締
付と微小屈曲が、前記ポップアップセグメントを、接続
層間を上っていく同心的に巻かれるターン壁と置き換え
ることにより克服される、改良された4極巻線型コイル
を教示している。上述した両米国特許はここにおける譲
受人の所有権である。適切なコイル巻線技術は、光ファ
イバジャイロの出力中に見出されるバイアスエラーの一
部を最小にするが、前記バイアスの全部をなくすことが
できない。特に、ジャイロセンサコイルのデザインは、
ジャイロのランダムな歩み、バイアス安定性、温度感
度、バイアス温度勾配感度、バイアス振動感度、バイア
ス磁気感度、スケールファクタ温度感度、スケールファ
クタ直線性、及び入力軸温度感度に強い影響を与え得
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来技術の前
記及び追加の欠点及び不具合に取り組み、光ファイバジ
ャイロスコープ用センサコイルを提供する。このような
コイルは光ファイバを含む。このファイバは、複数の同
心的な円筒形の層に整えられる。各層はファイバの複数
のターンからなり、各ターンは予め決められた巻線パタ
ーンに整えられる。前記ターンは、予め決められた組成
のポット化材料でカプセル化される。本発明の上記及び
他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明からさらに明ら
かになるだろう。前記の説明は一組の図面を伴う。図面
中の数字は、説明文の数字に対応して本発明の種々の特
徴を指し、同じ数字はあまねく同じ特徴を指している。
【0006】
【実施例】図面を参照すると、図1は本発明によるセン
サコイル10の斜視図である。前述のように、センサコ
イル10は光ファイバジャイロスコープシステムの重要
な素子を提供する。使用時、センサコイル10は回転速
度が測定されるべき台に固定される。センサコイル10
は本発明によるコイルの特定の例である。センサコイル
10は、支持スプール14に巻かれる光ファイバ12か
らなり、共通の光源(図示しない)から発せられる互い
に逆方向に伝播するビーム対を受ける光ガイドとして役
立つ。図1の支持スプール12はフランジが見える。し
かしながら、フランジの存在は本発明では要求されな
い。
【0007】図2は、図1の線2−2でとられた、コイ
ル10すなわち本発明によるセンサコイルの特定の例の
断面図である。図に見られるように、円盤状支持部材1
6がスプール14内に圧入されている。支持部材16
は、センサコイル10を台に固定する締め金具を入れる
中心孔18を有する。環状段部20がスプール14の内
側表面に形成され、支持部材の位置を維持するための当
接部として作用する。回転速度センサ用の従来のアルミ
ニウム等からなるスプールと対照的に、スプール14
(支持部材16を含む)はカーボン混合材料または同様
の加工熱特性を有する他の材料で作られている。前記材
料は、商標“P−25”、“P−55”または“P−1
05”等の下にアモコ社(Amoco Corporation) のような
供給元から市販されているもののような織カーボンファ
イバを含む。スプール14は、例えばフェノール材料か
らなる接合基質により多数のファイバ層チューブまたは
シートに作られたファイバで形成される。スプール14
は、例えばそれらからの一部の切断を含む多くの既知の
加工方法によって前記チューブまたはシートから形成し
ても良い。かけがえとして、織ファイバは、予め決めら
れた方向とある色合い及びそれのまわりの接合材料の色
合いのついた形状に整えることができる。他の方法は、
切り刻んだファイバが移送成形材料に混合され、移送型
枠に移送または圧入される移送成形を用いる。ファイバ
は、好適には、接合基質材料内で直角に方向づけられ、
スプールの回転軸22に対して長手方向かつ円周方向に
アライメントされる。ファイバをそのように整えること
により、スプール14は、温度に従って長手方向かつ半
径方向に対称的に膨張するだろう。
【0008】発明者は、光ファイバジャイロスコープの
バイアス非相反性の理論的モデルを明らかにした。特
に、発明者は、動的熱環境におけるジャイロバイアスエ
ラーが熱応力に起因し得ることを見出した。この効果
は、"Thermally Induced Non-Reciprocity in the Fibe
r Optic Interferometer", D.M.Shupe, Applied Optic
s,Vol. 19, p.654(1980)に発表されている標準的な温度
シュープ効果と極めて類似している。この熱応力誘導バ
イアスエラーの駆動源の1つは、ガラス光ファイバと金
属製スプール間に存在する熱的不整合である。すなわ
ち、前記バイアスエラーは、部分的に、金属製スプール
の熱膨張(大きいほうの膨張)とガラス光ファイバの熱
膨張(小さいほうの膨張)の不整合によりコイル巻線に
加えられる熱応力から生じる。他の駆動源は、(下記に
説明される)コイルポット化材料の膨張/収縮による熱
応力である。標準的な温度−シュープ効果と熱応力で引
き起こされるシュープ効果の違いは、コイルが定常温度
勾配にさらされている時に明らかに顕著になる。標準的
なシュープ効果によるバイアスエラーは、温度勾配が時
間と共に一定になりしだいなくなるが、熱応力効果によ
るバイアスエラーは、コイルの温度が変化している間は
ゼロにならず、その効果は、温度勾配が定常状態に達し
た後までも残る。これらの効果を対比すると、標準的な
シュープ効果は、主に、コイルを横切る温度勾配の変化
率の関数になるが、熱応力で引き起こされるシュープ効
果は、主に、コイルの平均温度の変化率の関数となる。
【0009】本発明では、スプール14のカーボン混合
材料の注意深い選択の結果として、その熱膨張係数をガ
ラス光ファイバ12の巻線の熱膨張係数と厳密に整合さ
せることにより、光ファイバの熱応力を最小にすること
ができる。これは、光ファイバが従来アルミニウム製ス
プールに巻かれていた先行技術によるセンサコイルのデ
ザインと対照的である。下記に説明されるように、コイ
ルポット化材料の注意深い選択も同様に光ファイバの熱
応力を減らすことができる。
【0010】図3は、従来技術によって作られたコイル
に関する温度変化率(温度時間導関数)対ジャイロバイ
アスエラーのグラフである。データはインチ厚のアルミ
ニウムで作られたセンサコイルから取られた。約200
mの185ミクロン幅の光ファイバがそれの上に対称的
パターンに巻かれた。発明者が明らかにしたモデルで予
言したように、シュープ効果バイアスは温度時間導関数
に対して主に直線的になっている。この曲線の勾配は発
明者により“シュープ係数”と呼ばれ、温度勾配に対す
るコイル及びジャイロバイアス感度の直線的示度にな
る。従来技術によって作られたコイルのシュープ係数
は、図3では0.22(度/時間)/(℃/時間)と大
きくなっている。アルミニウム製スプールに巻かれた多
数のコイルは0.1と0.4の間のシュープ係数を有す
ることが測定された。対照的に、カーボン組成スプール
に巻かれたポット化コイルは、シュープ係数の相当な減
少を示している。図3は、本発明によって作られたコイ
ルに関する温度変化率対ジャイロバイアスエラーのグラ
フである。このデータは、カーボン組成スプールに巻か
れ、UV硬化接着剤でポット化された165ミクロンフ
ァイバからなる長さ約200mのセンサコイルから取ら
れた。このコイルのシュープ係数は従来技術のコイルの
係数より次数が約1低い大きさになっている。
【0011】発明者のモデルで予言された温度変化率に
対するバイアスの直線的な依存性に加えて、発明者は、
従来技術によって作られたコイルでは相当な二次効果も
観測することができ、この二次効果は温度変化の関数で
あることを経験的に見出した。図5は、時間対光ファイ
バジャイロスコープの出力バイアスと、時間対ジャイロ
スコープ温度のグラフを示す。これらの2つのグラフ
は、ジャイロスコープの出力バイアスと温度の関係を示
している。これらのデータは従来技術によって0.06
インチ厚のアルミニウムで作られたスプールを有するセ
ンサコイルから取られた。約1000mの185ミクロ
ンファイバがその上に対称的パターンに巻かれた。コイ
ル温度の変化(すなわち温度特性)は曲線24で示され
る。実線すなわち曲線22は温度特性の時間導関数のプ
ロットである。このグラフからわかるように、領域26
及び28では、温度変化率に対するバイアスの直線的な
依存性からのかなりの離脱が測定された。発明者は、こ
れらのかなりの離脱は二次的な熱応力で引き起こされる
シュープ効果に起因するものと考える。本発明によって
作られたコイルでは、温度時間導関数はさほど観測され
なかった。本発明の他の特徴はさらなるバイアス源に取
り組んでいる。図6は、ジャイロの光ガイドを形成する
光ファイバ12の層状巻線の代表的な部分の拡大断面図
である。
【0012】図6に見られるように、光ファイバ12の
巻線は接着剤30の基質内にポット化されている。一般
に、前記接着剤30の存在はジャイロについて多くの有
用な利点を提供する。これらはコイル巻線の精密度の促
進を含む。すなわち、ポット化接着剤30は1層ずつ注
いで硬化させることができ、その結果後続の層の巻線に
対して平坦な表面が提供されるだろう。このような巻線
状況は、“不足ターン”のような巻線欠陥の存在をでき
るだけ少なくするファイバ間の間隔、層あたりのターン
数及びコイルあたりの層数のような必須要因を含む、結
果的に生じるコイル構造の制御を増強する。ターンすな
わち巻線がポット化接着剤の基質に埋め込まれたコイル
を作るために、種々の製造方法を用いることができる。
前記の方法は、例えば、注射器型ディスペンサによる接
着剤の注入及び硬化を含む。前記の方法は、平坦な表面
が後続の層の巻線に提供されることを保証する。急速に
硬化させることが可能なUV硬化接着剤が前記の方法に
最適である。
【0013】他の製造方法は、乾式コイル巻線に後工程
で粘着性が非常に低い接着剤を真空注入することを含
む。他の湿式巻線技術は、コイルを巻きながら注入され
る熱硬化接着剤を用いる。この接着剤は巻いている間は
(液状で)硬化しないままになっている。そして、完成
した(巻き終わった)コイルは熱硬化される。コイルの
ポット化は上記に確認した利点を提供することがわかっ
ているが、発明者は、ポット化材料基質のデザインと用
いられるポット化接着剤のタイプを上手に使ってジャイ
ロの性能をかなり向上させることができることを見出し
た。特に、下記に論証するように、コイルをカプセル化
するポット化接着剤30を注意深く選択すれば、振動で
引き起こされるバイアスエラーに対するセンサコイル1
0の感度をかなり減らすことができる。
【0014】発明者は、ポット化されたセンサコイルの
ジャイロ振動感度はポット化接着剤の注意深い選択によ
り最小にすることができることを見出した。ポット化さ
れたセンサコイルの振動感度は、回転速度信号から区別
できない非相反性位相エラーを出力中に持ち込むコイル
内の過程から生じる。バイアス振動感度は、偏光弾性効
果による振動動的歪みによりほぼもたらされるファイバ
長及び屈折率の変化から次々に生じる、互いに逆方向に
伝播する波の非相反性位相シフトによって引き起こされ
る。このバイアスエラーは、性質が前述のシュープバイ
アスエラーと類似しており、主な相違点は、環境外乱が
温度変化よりむしろ振動歪みであることである。共振周
波数が計器性能帯域幅から非常にはずれ(かつノイズフ
ァクタが無視でき)る場合、正弦波的な振動掃引に対す
るジャイロ出力のオープンループ応答は振動周波数の一
次関数になることが実験的に観測された。
【0015】これは、振動方向がコイル入力軸に対して
平行(軸方向振動)かまたは垂直(横方向振動)のどち
らかの場合確かなことである。発明者は、光ファイバジ
ャイロバイアス振動感度は振動周波数の一次関数である
ことを見出した。さらに、発明者は、横方向振動の下で
は、ジャイロ出力は、ほぼ正弦波の(すなわちアジマス
角のSINのように変化する)アジマス依存性を示すこ
とを見出した。振動依存の結果は重大である。たとえ
“DC整流化”と呼ばれる直流のDCバイアス効果が観
測されなくても、電子的な構成要素の飽和が、クローズ
ドループエレクトロニクスにおいて一定の振動周波数の
回転速度が観測されないようにすることがある。これは
明らかなDC整流化と明示できる。また、角速度ノイズ
はシテムレベルの疑似円錐化ばかりでなく振動からも生
じ得る。発明者は、上述の振動関連問題は、ファイバ巻
線で経験される振動動的応力が最小になるようにポット
化接着剤からなる基質とファイバ巻線を整えることによ
り最小にするかまたはなくすことができることを見出し
た。ファイバコアにおける高い応力と歪みは動的増幅に
より生じる。発明者は、さらに、この有害な動的増幅効
果は不十分な弾性硬度のポット化接着剤の使用にまでた
どることができることを見出した。
【0016】したがって、本発明は、第一に、スプー
ル、巻線、粘性のポット化媒体及びコイル取付台を含む
動的システムのデザインがジャイロの動作帯域幅外の固
有共振周波数を持っているという条件によって、振動で
引き起こされるバイアスエラーの問題に取り組む。第二
に、振動誘導バイアスの効果は、ファイバの振動応力及
び歪みを減らすためにファイバで動的負荷を相当分担す
ることができるポット化材料の使用により減らすことも
できる。発明者は、振動誘導バイアスエラーは、比較的
高いヤング率を有するポット化接着剤(すなわち“硬
い”材料)を用いることにより減らすことができること
を見出した。図7は、2つのポット化されたセンサコイ
ルに関する振動誘導ACバイアス振幅と軸方向振動周波
数の関係のグラフである。このグラフにおいて、曲線3
2は、300p.s.i.以下のヤング率で特徴づけら
れる接着剤でポット化されたファイバ巻線を有するセン
サコイルを用いるジャイロによるデータ出力中のバイア
スエラーの関係を示す。図に見られるように、軸方向振
動周波数とACバイアス効果の関係は、振動周波数が0
乃至1000Hzまで掃引した時、実質的に直線状にな
って10.0度/秒に達している。
【0017】曲線32は、100,000p.s.i.
を越えるヤング率の材料の接着基質でポット化されたセ
ンサコイルを有するジャイロに関するバイアスエラーと
軸方向振動周波数の関係を示す。この曲線からわかるよ
うに、ポット化材料の硬度を増加させることにより劇的
かつ実質的な性能向上が得られる。曲線30で示される
ように低ヤング率の材料に関するバイアスエラーと比較
した場合、振動周波数が0からほぼ2000Hzまで掃
引した時の軸方向振動から生じるACバイアスは、比較
的無視できる。同様の結果が、横方向振動に対するAC
バイアスに関して得られた。このように、前記データ
は、ポット化材料の硬度を増加させることによって、振
動で課される機械的応力はポット化材料で大部分分担さ
れ、したがって光ファイバから多少除去されることを確
認する。大きなヤング率のポット化材料を用いた場合、
振動に対するジャイロ出力の感度がかなり減るのが観察
できる。
【0018】高いヤング率の材料でファイバコイル巻線
をポット化して振動によるバイアス効果を最小にする利
点が明らかになったが、発明者は、さらに、ポット化材
料の硬度は多数の要因を考慮して加減しなければならな
いことを確認した。ポット化材料の硬度が増すと、コイ
ルは、(最小応力)硬化温度Tc よりかなり上かまたは
かなり下の温度の変化に応じてより大きな熱応力にさら
されるようになる。センサコイルの過度の前記熱応力
は、コイル亀裂、hパラメータ(偏向交差結合)劣化及
び大きなバイアス温度勾配感度の問題を生じ得る。コイ
ル亀裂及び劣化したhパラメータ性能は200メートル
のポット化されたコイルデザインにおいて観察された。
上述のように、熱応力はポット化材料のヤング率の関数
なので、コイル亀裂、hパラメータ及び温度勾配感度の
問題は全てポット化材料の選択により影響を受ける。熱
応力σはαE(T−Tc )に比例する。ここで、αは接
着剤及び光ファイバの熱膨張係数の差であり、Eは接着
剤の弾性率であり、T−Tc は接着剤の硬化温度Tc
らの温度偏位である。デザイン要件に関して述べると、
コイルポット化材料として用いるのに最適の接着剤は、
熱応力σが最小にされるかまたは予知された最大温度偏
位T−Tc にわたってできるだけ小さくされると共に、
Eが振動誘導バイアス硬化を最小にするためにできるだ
け大きく維持されるものにすべきである。
【0019】図8は、種々のポット化接着剤の適合性を
評価するためのデータを示す表である。図に見られるよ
うに、ノーランドの商標“NOA 83 H”で市販さ
れている接着剤は、200,000p.s.i.という
比較的高い弾性率Eを持ち、優秀な振動性能で予言的に
特徴づけられるが、前記ポット化材料を用いるセンサコ
イルは多少亀裂が見られた。この接着剤は、160℃の
温度偏位にわたって3840p.s.i.の最大熱応力
σを加える。一方、ミネソタ マイニング アンド マ
ニファクチャリング社の“SCOTCH CAST 2
35”は約40,000p.s.i.という弾性率を持
ち、1200p.s.i.の最大熱応力を加えるが、
“NOA 65”(Norland 65)は約20,
000p.s.i.という弾性率を持ち、80℃の温度
偏位にわたって320p.s.i.の最大熱応力を加え
る。発明者は、1,000及び20,000p.s.
i.間のヤング率を持つ接着剤はバイアス振動必要条件
と低い熱応力を共に満たすのに十分なことを見出した。
【0020】このように、本発明の教示は、動的熱環境
及び振動環境に起因するバイアス感度の最小化に関して
実質的に改善されたセンサコイルを提供することがわか
る。本発明の教示を用いることにより、従来技術では以
前認識されていなかったか取り組まれていなかった環境
的原因のバイアスエラーに実質的にさらされないジャイ
ロ性能を得ることができる。本発明は目下好適な実施例
に関して説明されたが、それに限らない。むしろ、本発
明は、付随の特許請求の範囲で定義される限りにおいて
のみ制限され、それの全ての同等物をその範囲内に含
む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバジャイロスコープ用セ
ンサコイルの斜視図である。
【図2】図1の線2−2でとられる本発明のセンサコイ
ルの断面図である。
【図3】従来技術、すなわちアルミニウム製スプールの
乾式巻き、により作られたコイルの温度変化率(すなわ
ち温度時間−導関数)対ジャイロバイアスのグラフであ
る。この曲線の傾斜は“シュープ(Shupe) 係数”と呼ば
れ、温度変化率(℃/時間)当たりのバイアス変化(度
/時間)の単位を有する。
【図4】本発明にしたがって作られたコイル、すなわち
カーボン組成スプールにポット化されたコイルの温度変
化率対ジャイロバイアスのグラフである。
【図5】従来技術(アルミニウム製スプール)にしたが
って作られたコイルに関する、時間対光ファイバジャイ
ロスコープの出力バイアス、及び時間対ジャイロスコー
プ温度のグラフを示す。
【図6】本発明にしたがって層にされたセンサコイル巻
線の代表的な部分の拡大断面図である。
【図7】2つのポット化されたセンサコイルに関する、
軸方向振動周波数とACバイアスの関係のグラフであ
る。
【図8】本発明によるセンサコイルポット化材料の適切
性を判断するための数値表である。
【符号の説明】
10 センサコイル 12 光ファイバ 14 支持スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドナルド ジェー.ビリンスキー アメリカ合衆国,91324 カリフォルニア, ノースリッヂ,マルデン ストリート 19135 (72)発明者 サミュエル エヌ.フェーシュト アメリカ合衆国,91604 カリフォルニア, スタディオ シティ,ブエイナ パーク ドライヴ 3749 (72)発明者 グレン マービン スラビアン アメリカ合衆国,91304 カリフォルニア, ウエスト ヒルズ,ジョナサン ストリー ト 23106 (72)発明者 ジョン デー.ワイルド アメリカ合衆国,91367 カリフォルニア, ウッドランド ヒルズ,シー−214,ヴィ クトリー ブーレバード 22110 (72)発明者 ポール アンソニー ヒンマン アメリカ合衆国,90731 カリフォルニア, サン ペドロ,デニソン アヴェニュー 2616

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)光ファイバと、 b)前記ファイバは複数の同心的な円筒形の層に整えら
    れ、 c)前記各層は前記ファイバの複数のターンからなり、 d)前記各ターンは予め決められた巻線パターンに整え
    られ、 e)前記各ターンは、予め決められた組成のポット化材
    料でカプセル化され、 f)前記ポット化材料はその弾性率に従って選択され
    る、の組み合わせからなることを特徴とする光ファイバ
    ジャイロスコープ用センサコイル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセンサコイルにおいて、
    さらに、 a)前記ファイバの各ターンは内部スプールに巻かれ、 b)前記スプールはカーボン混合材料で作られているこ
    とを特徴とするセンサコイル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセンサコイルにおいて、
    前記スプールは、さらに、 a)内部が中空のほぼ円筒状の本体と、 b)前記本体の内部は環状段部を有し、 c)前記段部に接し、前記コイルを台に固定するための
    円盤状支持部材を含むセンサコイル。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のセンサコイルにおいて、
    前記カーボン混合材料は接合基質に埋まったカーボンフ
    ァイバからなるセンサコイル。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のセンサコイルにおいて、
    前記ファイバは前記接合基質内で実質的に直角に方向づ
    けられるセンサコイル。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のセンサコイルにおいて、
    前記ファイバは、実質的に円筒状の本体の回転軸に対し
    て実質的に長手方向かつ円周方向に方向づけられるセン
    サコイル。
  7. 【請求項7】 請求項4記載のセンサコイルにおいて、
    前記接合基質はフェノール材料からなるセンサコイル。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のセンサコイルにおいて、
    “P−25”ファイバからなるセンサコイル。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のセンサコイルにおいて、
    “P−55”ファイバからなるセンサコイル。
  10. 【請求項10】 請求項7記載のセンサコイルにおい
    て、“P−105”ファイバからなるセンサコイル。
  11. 【請求項11】 請求項1記載のセンサコイルにおい
    て、前記ポット化材料は、ジャイロ出力の振動誘導バイ
    アスが予め決められた範囲内に含まれるような弾性率で
    特徴づけられるセンサコイル。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のセンサコイルにおい
    て、前記ポット化材料は、コイル亀裂、hパラメータ劣
    化及びバイアス温度勾配感度が予め決められた範囲内に
    含まれるような弾性率で特徴づけられるセンサコイル。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のセンサコイルにおい
    て、前記ポット化材料の弾性率は1,000p.s.
    i.と20,000p.s.i.の間にあるセンサコイ
    ル。
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