JPH0861496A - 自動変速機用油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機用油圧制御装置

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JPH0861496A
JPH0861496A JP19996394A JP19996394A JPH0861496A JP H0861496 A JPH0861496 A JP H0861496A JP 19996394 A JP19996394 A JP 19996394A JP 19996394 A JP19996394 A JP 19996394A JP H0861496 A JPH0861496 A JP H0861496A
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Masaru Suzuki
勝 鈴木
Akira Takagi
章 高木
Fukuo Kitagawa
福郎 北川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧弁の移動制御に高精度を要求することな
く、油圧弁の位置決め精度を向上させる自動変速機用油
圧制御装置を提供する。 【構成】 集積弁60のハウジング28内に、スプール
弁2、3、4、5、6、7、8およびカムシャフト1が
収容されている。各作動モードにおいて、ピン14、1
5、16、17、18、19、20が当接するカムシャ
フト1のカム凹凸にはフラット部1aが設けられてい
る。カムシャフト1が軸方向に移動する場合、このフラ
ット部1aによりスライド位置の僅かなずれによって当
接するピン14、15、16、17、18、19、20
が上下移動することを防止している。また、カムシャフ
ト1に設けられたマージン部1cは、カムシャフト1が
軸方向に全ストロークした場合、隣接するスプール弁に
対応するカム凹凸によりピン14、15、16、17、
18、19、20の先端部に大きな力が加わることを防
止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動変速機の変速機構
を油圧で変速制御する自動変速機用油圧制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用等に多く利用されている自
動変速機は、回転駆動力を負荷に応じスムーズに伝達す
るため、油圧弁により油圧を調節し摩擦係合装置を制御
して変速制御を行っている。変速制御は、乗員によりあ
る程度任意のギア位置を選択するセレクトレバーによる
手動操作と、エンジンのスロットル開度や車速などから
エンジン制御コンピュータにより適正なギア比になるよ
うに摩擦締結部を決定する自動制御とにより行われる。
ここで、摩擦締結部とは、摩擦締結要素のことである。
回動駆動力を負荷に応じスムーズに伝達するため、複数
の油圧弁、アキュムレータ、電磁弁等を用いた油圧回路
で自動変速機の個々の摩擦締結部の油圧を制御すること
により変速制御を実現している。このような構成では、
自動変速機内の摩擦締結部の数だけ油圧弁が必要になる
ため、装置が大型化して多くの部品を必要とするととも
に、装置が複雑で製造コストが高いという問題がある。
【0003】このような問題を解決するため、複数の油
圧弁を一箇所にまとめた集積弁により、装置の小型、軽
量、簡素化を図ることが考えられる。このものでは、エ
ンジン制御コンピュータのフェイルシステム等により、
電子制御の自動制御機能が故障しても乗員がセレクトレ
バーを操作することによって、前進や後退の選択や、あ
る程度、前進時の変速段の選択を行えるようになってい
る。
【0004】そして、この集積弁を構成する油圧弁にス
プール弁を用いるものでは、各圧油が供給される複数の
連通路のポート位置に合わせてスプール弁を移動させ、
摩擦締結部に加えられる油圧を切換える構造になってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する集積弁によると、油圧切換時、スプー
ル弁の移動制御に高精度が要求される。したがって、こ
の移動制御の精度が低い場合、目的の圧油が供給される
連通路のポートとスプール弁との位置にずれが生じ、ス
プール弁を介して摩擦締結部に加えられる油圧が十分に
得られないという問題がある。
【0006】本発明はこのような問題を解決するために
なされたもので、油圧弁の移動制御に高精度を要求する
ことなく、油圧弁の位置決め精度を向上させる自動変速
機用油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めの本発明による請求項1記載の自動変速機用油圧制御
装置は、自動変速機に設けられる複数の摩擦締結要素に
加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記複数の
摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより複数の
変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装置であ
って、前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わ
る油圧を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、前記
複数の油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカム
と、自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え
手段と、手動操作により前記カムを駆動制御する手動切
換え手段とを備え、前記カムは、前記自動切換え手段ま
たは前記手動切換え手段の作動範囲において、前記複数
の油圧弁の切換えが変化しないカム面を有することを特
徴とする。
【0008】また、本発明による請求項2記載の自動変
速機用油圧制御装置は、自動変速機に設けられる複数の
摩擦締結要素に加わる油圧を切換え、前記複数の摩擦締
結要素の係合または解除を行うことにより複数の変速段
を切換え制御する自動変速機用油圧制御装置であって、
前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、前記複数の
油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカムと、自動
制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段と、
手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
とを備え、自動制御または手動操作によって前記複数の
油圧弁を選択的に切換えるためにカムがフルストローク
する範囲において、前記カムに一個の油圧弁が接触可能
なカム領域とこの油圧弁に隣接する油圧弁が接触可能な
カム領域との間には、隣接する前記両方の油圧弁が接触
しない領域を有することを特徴とする。
【0009】さらに、本発明による請求項3記載の自動
変速機用油圧制御装置は、自動変速機に設けられる複数
の摩擦締結要素に加わる油圧を切換え、前記複数の摩擦
締結要素の係合または解除を行うことにより複数の変速
段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装置であっ
て、前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる
油圧を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、前記複
数の油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカムと、
自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
と、手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え
手段とを備え、自動制御または手動操作によって前記カ
ムがストロークする範囲よりも大きいピッチで隣接する
前記油圧弁を配置することを特徴とする。
【0010】
【作用および発明の効果】本発明の請求項1記載の自動
変速機用油圧制御装置によると、各作動範囲において油
圧弁が当接するカムが油圧弁の切換えが変化しないカム
面を有することから、自動切換え手段または手動切換え
手段によりカムが駆動される場合、駆動位置の僅かなず
れによって油圧弁の位置に変動が生ずることを防止して
いる。
【0011】本発明の請求項2記載の自動変速機用油圧
制御装置によると、カムがフルストロークする範囲にお
いて、カムに一個の油圧弁が接触可能なカム領域とこの
油圧弁に隣接する油圧弁が接触可能なカム領域との間に
は、隣接する前記両方の油圧弁が接触しない領域を有す
ることから、自動切換え手段または手動切換え手段によ
りカムが駆動される場合、一個の油圧弁が接触可能なカ
ム領域を超えたカム面にこの一個の油圧弁が接触して
も、隣接する油圧弁が接触可能なカム領域によってこの
一個の油圧弁に大きな力が加わることを防止している。
これにより、自動切換え手段または手動切換え手段によ
って、カムの過剰な駆動による油圧弁の破損を防止する
効果がある。
【0012】本発明の請求項3記載の自動変速機用油圧
制御装置によると、カムがストロークする範囲よりも大
きいピッチで隣接する油圧弁を配置することから、自動
切換え手段または手動切換え手段によりカムが駆動され
る場合、隣接する油圧弁同士は、互いに隣接する相手側
の油圧弁が接触可能なカム領域に接触することがない。
これにより、自動切換え手段または手動切換え手段によ
って、カムの過剰な駆動による油圧弁の破損を防止する
効果がある。
【0013】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面に基づ
いて説明する。本発明の自動変速機用油圧制御装置を車
両用の自動変速機(以下「AT」という)に適用したシ
ステム構成を図3に示す。図3において、EVは電磁弁
を表し、MVは集積弁を表す。
【0014】車両用ATの動作は、周知のように自動ま
たは手動でトランスミッション300内のギヤ接続が切
り換えられ、トルクコンバータ200に接続された図示
しないエンジンからの回転力が車両の後輪または前輪に
伝達される。集積弁60とその周辺装置全体は、トラン
スミッション300下部のAT内部の図示しないオイル
パン内部にあり、オイルパン内部の油圧制御装置400
の周囲は油圧回路のドレンになっている。
【0015】トランスミッション300内には、エンジ
ンの回転軸に直結して回転駆動される公知の油圧ポンプ
56が設けられており、各油圧装置からオイルパン等に
排出された駆動油を吸入ポート57より吸入し、ライン
圧制御弁64を介し各装置へ圧油を供給している。この
油圧ポンプ56からの圧油は、変動のある高ポンプ油圧
であり、電磁制御式圧力制御弁であるライン圧制御弁6
4により一定の高圧なライン圧に制御し各油圧機器へ供
給される。油圧制御装置400には2つの係合油圧制御
弁61、62が設けられており、トランスミッション3
00内にある後述する各摩擦締結部の係合時に必要な所
定の制御圧にライン圧制御弁64から供給される圧油の
ライン圧を任意に制御して集積弁60に圧油を供給して
いる。
【0016】集積弁60に供給されたライン圧または制
御圧の圧油は、図1に示す各スプール弁2、3、4、
5、6、7、8を介し、連通ポート39、40、41、
42、43、44、45よりトランスミッション300
内の摩擦締結部である多板クラッチ類C0、C1、C2
や多板ブレーキ類B0、B1、B2、B3に供給されて
いる。各摩擦締結部は、トランスミッション300内に
ある図示しないプラネタリギア等の各変速比を構成する
ギアに連結されており、これら摩擦締結部を係合または
解除することにより、変速比を切り換えて車両の変速制
御を行っている。
【0017】連結部11は、操作者が手動で前進、後
退、ニュートラル、パーキング等、車両の駆動状態を操
作するセレクトレバー500と機械的に接続されてい
る。ライン圧制御弁64から供給された圧油は、さらに
トルクコンバータ200のロックアップ(L/U)スリ
ップ制御を行うため、ロックアップ油圧制御弁65を介
しトルクコンバータ200に供給される。
【0018】次に集積弁60の構成について説明する。
図1および図2に示すように、ハウジング28のほぼ中
央に設けられた窪み58内に円柱状の例えばアルミニウ
ムを材料とするカムシャフト1が設けられており、この
カムシャフト1は軸受9、29に対し回転可能かつ軸方
向に往復動可能に支持されている。軸受9、29は、例
えば滑り軸受、玉軸受、コロ軸受や転がり軸受等を用い
るのが良好である。軸受9はハウジング28の一端に圧
入固定され、また軸受29はハウジング28の他端に取
付けられたサイドハジング30に圧入固定されている。
円柱状のカムシャフト1の主要部分の外周面には各スプ
ール弁2、3、4、5、6、7、8を駆動するカムとし
て凹凸が形成されている。このカムシャフト1の凹凸
は、後述するように、例えばスプール弁2とカムシャフ
ト1との間に位置しスプール弁2を押上げるピン14が
カムシャフト1の外周面と当接する位置において多少の
位置ずれを許容する形状に形成されている。
【0019】カムシャフト1の軸受9近傍の円周面にカ
ム面の反対側のスプール弁6、7、8側に、所定の円弧
幅で所定の軸方向長さのギア歯53が形成されている。
ギア歯53に対抗する位置にカムシャフト1の軸方向と
平行な回転軸を有するステップモータ12が固定されて
いる。ステップモータ12のシャフトには図示しない渦
巻き状のリターンスプリングの一端が固定され、他端は
ステップモータ12のハウジングに固定されている。こ
のリターンスプリングは、ステップモータ12の駆動制
御に異常が発生した場合、図3に示すAT用ECU70
がステップモータ12をフリーの状態にするため、リタ
ーンスプリングの復元力によりカムシャフト1をフェイ
ルセーフ位置、例えば4速モード位置にシフトする役割
を果たしている。
【0020】軸受9、29はカムシャフト1を回転自在
かつ軸方向に平行移動自在に支持する。カムシャフト1
の軸受9側の端部には、外部に設けられた図3に示すセ
レクトレバー500と図示しないリンクを介し機械的に
連結されている連結部11が設けられており、操作者が
セレクトレバー500を操作することにより、連結部1
1はセレクトレバー500に連動しカムシャフト1を軸
方向に駆動する。
【0021】カムシャフト1の円周面の一部には、モー
タのギア13中間のギア52を介してかみ合うギア53
を有し、ステップモータ12の回転駆動により、カム1
が回転する。この時にステップモータ12の回転を減速
するようなギア比で設定し、トルク増幅する減速機構を
設けることで、ステップモータ12の負荷を軽減し、ス
テップモータ12を小型化することが可能である。
【0022】図1および図2に示すように、油路を切り
換えるスプール弁2、3、4、5、6、7、8(以下
「スプール弁SP」と総称する)は、カムシャフト1の
軸に垂直な方向でカムシャフト1の両側に並んで配置さ
れている。スプール弁SPは、それぞれハウジング28
に設けられた円筒孔28a、28b、28c、28d、
28e、28f、28gを軸方向に摺動可能に挿入され
ている。
【0023】図4および図5に示すように、円柱状のカ
ムシャフト1の外周面には、カムシャフト1を挟んで対
向する2つのスプール弁に対応可能なカム凹凸がカムシ
ャフト1の円周を2分割するように形成されている。例
えばカムシャフト1を挟んで対向するスプール弁5、8
の場合、図5に示す範囲Dのカム凹凸がスプール弁5に
対応し、範囲Eのカム凹凸がスプール弁8に対応してい
る。
【0024】カムシャフト1の外周面に形成されるカム
凹凸には、各作動モードにおいてピン14、15、1
6、17、18、19、20が当接する部分にフラット
部1a、bが設けられている。ここで、フラット部と
は、カムシャフト1の径方向または軸方向において、カ
ムシャフト1の同一の半径で形成される一部分をいう。
図4に示すように、カムシャフト1のフラット部1aに
対応する一部分は同一半径に形成され、カムシャフト1
が軸方向に移動する場合、スライド位置の僅かなずれに
よって当接するピン14、15、16、17、18、1
9、20が上下移動することを防止している。
【0025】図5に示すように、カムシャフト1のフラ
ット部1bに対応する一部分は同一半径に形成され、カ
ムシャフト1が回転方向に回転する場合、回転位置の僅
かなずれによって当接するピン14、15、16、1
7、18、19、20が上下移動することを防止してい
る。このフラット部1a、bがカムシャフト1に設けら
れていることにより、カムシャフト1が回転方向または
軸方向に駆動され小さな範囲で移動しても、スプール弁
SPの位置が変化せず、カムシャフト1の位置決めに若
干のずれを許容している。したがって、カムシャフト1
の回転方向または軸方向の駆動停止位置を高精度に制御
する必要がない。
【0026】また、図4および図5に示すように、隣接
または対向するスプール弁のピンが当接する隣合うカム
凹凸の境界部分にはマージン部1c、dが設けられてい
る。図4に示すマージン部1cは、例えばスプール弁4
のピン16が当接するカム凹凸範囲Aとスプール弁4の
両側に位置するスプール弁3、5のそれぞれのピン1
5、17が当接するカム凹凸範囲B、Cとの境界部分に
設けられている。このマージン部1cに対応するカムシ
ャフト1の一部分は同一径に形成され、カムシャフト1
が軸方向に全ストロークしカム凹凸範囲Aとカム凹凸範
囲Bの境界部分、またはカム凹凸範囲Aとカム凹凸範囲
Cの境界部分にピン16が位置する場合、カム凹凸範囲
Bまたはカム凹凸範囲Cのカム凹凸によってピン14の
先端部に大きな力が加わることを防止している。
【0027】図5に示すマージン部1dは、例えばスプ
ール弁5のピン17が当接するカム凹凸範囲Dとカムシ
ャフト1を挟んでスプール弁5に対向するスプール弁8
のピン18が当接するカム凹凸範囲Eとの境界部分に設
けられている。マージン部1dに対応するカムシャフト
1の一部分は同一半径に形成され、カムシャフト1が回
転方向に全ストロークしカム凹凸範囲Dとカム凹凸範囲
Eの境界部分にピン17が位置する場合、カム凹凸範囲
Eのカム凹凸によってピン17の先端部に大きな力が加
わることを防止している。
【0028】さらに、カム凹凸の隅部は、ピン14、1
5、16、17、18、19、20の先端部の曲率半径
より大きな曲率半径に加工が施されていることから、カ
ム凹凸の隅部とピンの先端部とが1点で当接し、カム凹
凸に対するピンの追従がスムーズに行えるように考慮し
てある。図1に示すように、ハウジング28に設けられ
たライン圧ポート35、37には、それぞれライン圧連
通路46、51が接続されることから、ライン圧制御弁
64を介してライン圧ポート35、37に高圧油である
ライン圧が供給される。ライン圧連通路46はスプール
弁2、3、4、5が挿入されるハウジング28の円筒孔
28d、28c、28b、28aにそれぞれライン圧を
供給するように設けられており、ライン圧連通路51は
スプール弁6、7、8が挿入されるハウジング28の円
筒孔28g、28f、28eにそれぞれライン圧を供給
するように設けられている。
【0029】また、ハウジング28内には、圧力調整さ
れた係合油圧(または制御圧)が供給される圧力制御ポ
ート36、38が設けられ、この圧力制御ポート36、
38には、ライン圧連通路46、51と平行に設けられ
た制御圧連通路47、50が接続されている。制御圧連
通路47、50は、ライン圧連通路46、51と同様、
各スプール弁SPに連通可能である。圧力制御ポート3
6、38はサイドハウジング30内で互いに連通してい
ないため、係合油圧制御弁61を介して圧力制御ポート
36に供給される係合油圧は、制御圧連通路47に連通
可能なスプール弁2、3、4、5に供給され、係合油圧
制御弁62を介して圧力制御ポート38に供給される係
合油圧は、制御圧連通路50に連通可能なスプール弁
6、7、8に供給される。
【0030】さらに、ハウジング28内には、ハウジン
グ28の外部に設けられた図示しないドレンに連通する
ドレンポート54、55と接続されたドレン圧連通路4
8、49が制御圧連通路47、50と平行に設けられて
いる。次に、スプール弁5を例にしスプール弁SPの構
造を説明する。他のスプール弁はスプール弁5と同一の
構成である。
【0031】図6に示すように、スプール弁5は有底の
円筒形からなり、スプール弁5の外側面の周囲中央部付
近に形成される環状の溝5aと、スプール弁5の内部に
形成される円柱形状の内円筒部5cと、この内円筒部5
cと溝5aとを連通するように形成される穴部5bとを
有している。そして、スプール弁5が円筒孔28a内を
スライドしたとき、スライド位置によってこの穴部5b
が円筒孔28aに連通するそれぞれのライン圧連通路4
6、制御圧連通路47、ドレン圧連通路48と連通する
ようなっている。同様に、他のスプール弁2、3、4、
6、7、8に形成される図示しない穴部は各円筒孔28
b、28c、28d、28e、28f、28gに連通す
るライン圧連通路46および51、制御圧連通路47お
よび50、ドレン圧連通路48および49と連通してい
る。スプール弁5内に形成された内円筒部5cはその一
端が開口しており、ポートケース32に設けられた連通
ポート42に連通している。同様に、他のスプール弁
2、3、4、6、7、8内に形成された内円筒部2c、
3c、4c、6c、7c、8cはポートケース31、3
2に設けられた連通ポート39、40、41、43、4
4、45にそれぞれ連通している。
【0032】そしてカムシャフト1と各スプール弁SP
の未開口側底部の端面(図6に示すスプール弁5では5
dで表されている)との間に、カムシャフト1の軸の垂
直方向に摺動可能にピン14、15、16、17、1
8、19、20がハウジング28に嵌挿され、カムシャ
フト1のカムの動きを各スプール弁SPに伝えている。
カムシャフト1の動きに従って、スプール弁SPが各円
筒孔28a、28b、28c、28d、29e、28
f、28g内をスムーズにスライドするように、ピン1
4、15、16、17、18、19、20が当たるスプ
ール弁SPの各未開口側に圧力抜きの小穴2e、3e、
4e、5e、6e、7e、8eが設けられている。これ
はスプール弁SPの内部の油をスプール弁未開口側底部
の下方に逃がすことにより、スプール弁SPの内部の油
圧による圧力と、スプール弁未開口側底部の面に働く油
圧をバランスさせ、スプール弁SPを駆動するための力
が低減されるように作用させるためのものである。
【0033】スプール弁SPは全て、スプリング21、
22、23、24、25、26、27によってピン1
4、15、16、17、18、19、20とともにカム
シャフト1側に押付けられ、ポートケース31、32に
よって外部に飛出さないように円筒孔28a、28b、
28c、28d、28e、28f、28gに封止されて
いる。
【0034】次に各スプール弁SPの移動位置に対する
各圧油の流れについて説明する。各スプール弁SPがカ
ムシャフト1の駆動により円筒孔28a、28b、28
c、28d、28e、28f、28gを移動する際、各
円筒孔28a、28b、28c、28d、29e、28
f、28gに開口するライン圧連通路46またはライン
圧連通路51の位置と対向する位置に各スプール弁SP
の溝および穴が位置決めされると、ライン圧連通路46
またはライン圧連通路51に供給されるライン圧の圧油
が各スプール弁SPの溝および穴を経由してスプール弁
SPの内円筒部に供給され、さらに連通ポート39、4
0、41、42、43、44、45を経由して各摩擦締
結部にライン圧の圧油が供給される。
【0035】また、ライン圧の圧油と同様に、圧力制御
ポート36、38から圧力調整された係合油圧(または
制御圧)の圧油が各スプール弁SPに供給され、さらに
スプール弁SPを介し各摩擦締結部へこの圧油が供給さ
れる構成になっている。係合油圧制御弁61から圧力制
御ポート36に供給された係合油圧は、前述のようにス
プール弁2、3、4、5に供給される。同様に、係合油
圧制御弁62から圧力制御ポート38に供給された係合
油圧は、スプール弁6、7、8に供給される。その結
果、係合油圧制御弁62から供給された係合油圧は多板
ブレーキB1、B0、B2に供給され、係合油圧制御弁
61から供給された係合油圧は多板ブレーキB3および
多板クラッチC0、C2、C1に供給されることにな
る。
【0036】スプール弁SPの溝がドレン圧連通路4
8、49と連通する位置に位置決めされると、このスプ
ール弁SPに連通する摩擦締結部内の圧油がドレンポー
ト54、55よりハウジング28の外部に排出される。
図3に示すように、トランスミッション300に連結し
ている連通ポート39、40、41、42、43、4
4、45の内、トランスミッション300に設置されて
いる多板クラッチC0、多板ブレーキB0にそれぞれ連
通するポート40、44は、これらポートが同時に作動
操作されると内部的な構造からトランスミッション30
0が駆動不能となり、損傷を与えてしまう恐れがあるの
で、同時に結合されるのを防ぐため二重結合防止弁63
が介在している。その他の連通ポートは周知のトランス
ミッションに見られるような、他の多板クラッチ、ブレ
ーキ類は連通ポートからの油圧で係合または解除されト
ランスミッション300内の変速のために複数のギアの
連結状態を切り換え、ATとしての変速制御がなされ
る。なおブレーキ類は実質的にクラッチと同類の摩擦要
素であり、クラッチの片側をトランスミッションのボデ
ィに固定した構造となっているものがブレーキである。
【0037】図1に示すカムシャフト1の周方向の位置
は、図7に示すAT用ECU70からの指示によって制
御され、ステップモータ12がカムシャフト1を回転さ
せて、カムシャフト1の円周面に設けられたカムにより
ピン14、15、16、17、18、19、20を介し
てスプール弁SPの位置を制御し、それによりスプール
弁SPに設けられた溝がライン圧連通路46、51、制
御圧連通路47、50、ドレン圧連通路48、49と通
じ所定の油圧が各連通ポート39、40、41、42、
43、44、45に伝えられる。
【0038】図7に示すように、AT用ECU70は、
加速に際し変速段を下段にシフトするためのキックダウ
ン信号やセレクトレバー500がどのポジションにある
のかを示すセレクトレバー信号等と、エンジンの駆動を
制御するエンジン(E/G)用ECU72からの信号に
よって、E/G用ECU72とデータを交換しながらス
テップモータ12を駆動するモータ位置信号を出力し、
同時に各油圧制御信号を前述の係合油圧制御弁61、6
2、ライン圧制御弁64、ロックアップ油圧制御弁65
に出力する。この時E/G用ECU72とAT用ECU
70とが交換するデータは、ラジエータの水温、スロッ
トル開度、クランクシャフトのクランク角、車速、ター
ビン回転数等である。この他、カムシャフト1が連結部
11を介しセレクトトレバー500に連結しているの
で、セレクトレバー信号もAT用ECU70に入力され
ている。
【0039】図8は、セレクトレバー500の各レンジ
および各変速レンジにおいて各スプール弁SPが、ライ
ン圧制御弁に連通するライン圧ポートPS 、ドレンポー
トD r 、係合油圧制御弁61に連通する制御圧ポートP
C1、係合油圧制御弁62に連通する制御圧ポートPC2
いずれのポートに接続されるかを示した図である。カム
シャフト1は連結部11によってセレクトレバー500
と連結しているので、運転者による手動操作でセレクト
レバー500の位置選択が行われると、カムシャフト1
はシャフト軸方向に移動し、カムシャフト1の軸方向の
凹凸でカムシャフト1に接するピン14、15、16、
17、18、19、20を動かし各スプール弁SPを制
御する。また、AT用ECU70の指令によりステップ
モータ12を回転させ、カムシャフト1の円周方向のカ
ム凹凸で各スプール弁SPの周方向位置を制御する。
【0040】図10はスプール弁5および8についてD
レンジ位置にあるカムシャフト1の軸方向断面図を示し
ており、変速段が第4速の位置にある状態である。スプ
ール弁5および8にそれぞれ接しているピン17および
18は、他端がいずれもカムシャフト1の最大径の位置
に接しているのでスプール弁5および8を最大に押し上
げている。従って、スプール弁5および8はライン圧ポ
ート35、37(PS)と連通する位置に位置決めさ
れ、スプール弁5および8に連通する多板クラッチC1
および多板ブレーキB2にライン圧の圧油が供給され
る。
【0041】この状態から、AT用ECU70の指令に
よるステップモータ12の回転に応じ、3速(3rd)、
2速(2nd)、1速(1st)と、カムシャフト1は45
°間隔で回転し、その回転に応じピン17および18は
カムシャフト1の外周面に沿って移動する。図10に示
した図の場合には、スプール弁5および8は3rdと4 th
において同一の位置であるが、2ndの変速段ではピン1
8がカムシャフト1の中間径位置に移動し、スプール弁
8は制御圧ポート38fに連通する位置に移動され、連
通ポート44を介し多板ブレーキB2へ制御圧の圧油が
供給される。1 stの変速段においても同様に、図9に示
すポート状態になる。
【0042】カムシャフト1は、連結部11を通じてセ
レクトレバー500と連結しているので、運転者による
手動操作でセレクトレバー500の位置選択が行われる
と、カムシャフト1はシャフト軸方向に移動し、カムシ
ャフト1の軸方向のカム凹凸でカムシャフト1に接する
ピン14、15、16、17、18、19、20を動か
し各スプール弁を制御する。またセレクトレバー500
の選択位置に応じたセレクトレバー信号がAT用ECU
70に入力される。したがって、カムシャフト1のカム
面には、軸方向と円周方向の両方向にカム凹凸が形成さ
れ、このカム凹凸の形状は図8に示される油圧連通モー
ドで決まるスプール弁位置となるよう設計されている。
なおこのようにして制御されるATの各クラッチ類、ブ
レーキ類の動作状態は図9に示すような構成となる。
【0043】セレクトレバー500を順に、2(前進第
2速)、D(前進自動変速段)、N(ニュートラル)、
R(バック)、P(パーキング)にシフトした場合、カ
ムシャフト1は予め定められた距離だけ軸方向に移動す
る。すると、回転移動の場合と同様にしてスプール弁5
および8は、図8に示す圧力分配が行われる。他の変速
段および他のレンジおよび他のスプール弁においても同
様の作動を示す。
【0044】次にDレンジ位置における変速動作につい
て説明する。他のレンジにおいても基本的な作動は同様
である。カムシャフト1は手動のDレンジの位置におい
て、カム面のカム凹凸によりピンを介しスプール弁SP
を図8のDレンジの欄で示す連通ポートで決まる連通モ
ードにする。そしてカムシャフト1に対するAT用EC
U70の指示が、車速の4段階の内の1速モード(図8
の1st)であると、図8、図9に示すように、多板クラ
ッチC0は、図1のライン圧ポート(図8のPS )35
からライン圧連通路46、スプール弁3の溝、連通ポー
ト40を介してライン圧を受けて作動状態となる。多板
クラッチC1は同様に、圧力制御ポート(図8のPC1
36から制御圧連通路47、スプール弁5の溝、連通ポ
ート42を介し制御圧を受け、車速等の状態によって制
御圧が係合油圧制御弁61、62で調節され係合状態が
制御される。また、多板クラッチC2および多板ブレー
キB0はドレンポート54、55を通じてドレンポート
48(図8のDr )に接続され、多板ブレーキB1、B
2、B3もすべてドレンポート48に接続される。
【0045】そして1速モード状態からAT用ECU7
0が2速モード(図8の2nd)の指示状態になったとす
ると、AT用ECU70からの指示によってステップモ
ータ12がカムシャフト1を2速モード位置に回転さ
せ、各スプール弁SPの位置を変化させる。その結果、
図8のDレンジの2ndの欄に示すように、多板クラッチ
C1はライン圧ポート35(図8のPS )に接続され、
多板ブレーキB2は制御圧ポート38(図8のPc2)に
接続され、他のクラッチ、ブレーキは1速モードと同じ
状態が保持される。これらのモードによって決まる油圧
でトランスミッション300内のクラッチ類、ブレーキ
類が作動し1速モードと異なる変速比である2速モード
のトルク状態となる。このように制御状態が決められて
ATとしての機能を果たす。他のレンジ位置でも、また
シフトダウン操作でも同様な動作で制御される。
【0046】手動でセレクトレバー500を切り換える
と、セレクトレバー500に連動した連結部11によっ
てカムシャフト1がスライドさせられて各スプール弁S
Pの位置を切り換え、図8の各レンジで指定するような
油圧連通モードにする。その状態で同時にAT用ECU
70による制御でステップモータ12によりカムシャフ
ト1が回転駆動されて車速に対応した油圧連通モードに
なり、自動制御が続行される。
【0047】本実施例によると、各作動モードにおいて
ピン14、15、16、17、18、19、20が当接
するカムシャフト1のカム面にフラット部1a、bが設
けられていることから、カムシャフト1が軸方向または
回転方向に移動する場合、移動位置の僅かなずれによっ
て当接するピン14、15、16、17、18、19、
20が上下移動することを防止している。これにより、
カムシャフト1の軸方向および回転方向の駆動制御にお
いて、駆動停止位置の精度を低くできる効果があり、カ
ムシャフト1の組付位置調整等の組立て工数を削減する
効果がある。
【0048】また、本実施例によると、隣接または対向
するスプール弁のピンが当接するカムシャフト1の隣合
うそれぞれのカム凹凸範囲の境界部分にはマージン部1
c、dが設けられていることから、カムシャフト1が軸
方向または回転方向に全ストロークしカム凹凸範囲を超
えたカム面にピンが位置しても隣接するスプール弁に対
応するカム凹凸によってピンの先端部に大きな力が加わ
ることを防止している。これにより、カムシャフト1の
軸方向および回転方向の駆動制御において、カムシャフ
ト1の過剰な移動によるピンの破損を防止する効果があ
る。
【0049】以上説明した本発明の実施例では、図1に
示すように、カムシャフト1の両側にスプール弁SPを
配置したので、集積弁60はコンパクトな略平板状に構
成されている。配置に上下の制約はないのでオイルパン
内での配置も容易となる。本発明では、平板状に限ら
ず、例えば、カムシャフト軸を中心として屈曲させるよ
うにしてもよい。また本発明では、スプール弁列をカム
シャフトの片側に一列に配置させ細長くした棒形状でも
もちろん構わない。これらの場合では、他の装置、特に
AT本体のトランスミッションの形状に合わせて設置余
裕の少ないオイルパン内部などの周辺にコンパクトに搭
載することができる。
【0050】また本発明の実施例では、カムシャフト1
に対するECU変速とマニュアル変速の割当は回転方向
にECU変速、軸方向にマニュアル変速を割り当ててい
る。これは、回転方向にカム面のカム凹凸変化の頻度が
少なくなるためカムシャフト1を鋳造、成形等の加工が
容易になり製作上極めて有利になるからである。本発明
では、被駆動体であるカムシャフトの軸方向の直線運動
によって自動制御を行い、回転運動によって手動制御を
行なうことは可能である。この場合、駆動手段であるス
テップモータはカムシャフトに連動する配置となり、ス
テップモータの位置には歯車でセレクトレバーに機械的
に接続されることになる。また本発明では、カムシャフ
トは図示した寸法に限らず、径を大きくして略円筒ドラ
ムカムシャフトとしても構わない。またスプール弁の形
状も、上述の機能を持つ油圧弁であれば円柱に限らず、
どのような形状の弁であってもよい。なお一般的にスプ
ール弁の個数や油圧連通モードは、トランスミッション
の構造に依存して変わり、また多板ブレーキや多板クラ
ッチの数や質によって設定条件も変化する。
【0051】また本発明の実施例では、カムシャフト1
により各スプール弁SPを駆動したが、本発明では、自
動、手動の機構を備えた油圧制御方式ならばどのように
制御弁であるスプール弁を駆動してもよく、同様な効果
を得ることができる。また本発明の実施例では軸方向の
駆動はセレクトレバー500による手動操作によってな
されているが、もちろん自動側即ちステップモータ12
によって駆動される回転方向への駆動に適用する構成で
も効果が同じである。
【0052】また本発明の実施例では、カムとカムシャ
フト1とを一体に形成したが、本発明では、外周面をカ
ム形状としたカムリングをシャフトに嵌め込んで図1に
示すカムシャフト構造としてもよく、その場合、ポート
数変更やポート組み合わせ変更などに対応しやすくな
る。例えば図示はしないが、各スプール弁のあるハウジ
ングの円筒孔の周囲を1ブロックとして、カムシャフト
軸方向に積み重ねるような構成にすることで変更は容易
となる。従って、そのような構成は、集積弁が、油圧弁
とそのハウジングを1ブロック単位として、該1ブロッ
ク単位を必要ポート数だけ積層したことを特徴とするこ
とになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による自動変速機用油圧制御
装置の集積弁を示す断面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】自動変速機装置のシステム構成を示すブロック
図である。
【図4】カムシャフトの一部分を示す平面図である。
【図5】図10の断面位置におけるカムシャフトの断面
形状を示す断面図である。
【図6】スプール弁とその周囲の構成を示す断面図であ
る。
【図7】信号線の入出力状態を示すブロック図である。
【図8】集積弁の油圧連通モードを示す説明図である。
【図9】トランスミッションの多板クラッチ、多板ブレ
ーキの動作状態図である。
【図10】図1のX−X線断面図である。
【符号の説明】
1 カムシャフト(カム) 1a、b フラット部(油圧弁の切換えが変化しな
いカム面) 1c、d マージン部(油圧弁が接触しない領域) 2、3、4、5、6、7、8スプール弁(油圧弁) 12 ステップモ−タ(自動切換え手段) 14、15、16、17、18、19、20ピン 28 ハウジング 39、40、41、42、43、44、45連通ポート 46、51 ライン圧連通路 47、50 制御圧連通路 48、49 ドレン圧連通路 61、62 係合油圧制御弁 64 ライン圧制御弁 500 セレクトレバー(手動切換え手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を複数の油圧弁で切換え制御し、前記
    複数の摩擦締結要素の係合または解除を行うことにより
    複数の変速段を切換え制御する自動変速機用油圧制御装
    置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカ
    ムと、 自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
    と、 手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
    とを備え、 前記カムは、前記自動切換え手段または前記手動切換え
    手段の作動範囲において、前記複数の油圧弁の切換えが
    変化しないカム面を有することを特徴とする自動変速機
    用油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を切換え、前記複数の摩擦締結要素の
    係合または解除を行うことにより複数の変速段を切換え
    制御する自動変速機用油圧制御装置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカ
    ムと、 自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
    と、 手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
    とを備え、 自動制御または手動操作によって前記複数の油圧弁を選
    択的に切換えるためにカムがフルストロークする範囲に
    おいて、前記カムに一個の油圧弁が接触可能なカム領域
    とこの油圧弁に隣接する油圧弁が接触可能なカム領域と
    の間には、隣接する前記両方の油圧弁が接触しない領域
    を有することを特徴とする自動変速機用油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 自動変速機に設けられる複数の摩擦締結
    要素に加わる油圧を切換え、前記複数の摩擦締結要素の
    係合または解除を行うことにより複数の変速段を切換え
    制御する自動変速機用油圧制御装置であって、 前記複数の摩擦締結要素の各摩擦締結要素に加わる油圧
    を切換える複数の油圧弁を有する集積弁と、 前記複数の油圧弁を直接的、かつ同時に切換え可能なカ
    ムと、 自動制御により前記カムを駆動制御する自動切換え手段
    と、 手動操作により前記カムを駆動制御する手動切換え手段
    とを備え、 自動制御または手動操作によって前記カムがストローク
    する範囲よりも大きいピッチで隣接する前記油圧弁を配
    置することを特徴とする自動変速機用油圧制御装置。
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