JPH085971B2 - ディスクブレーキパッドの製造方法 - Google Patents

ディスクブレーキパッドの製造方法

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JPH085971B2
JPH085971B2 JP63165672A JP16567288A JPH085971B2 JP H085971 B2 JPH085971 B2 JP H085971B2 JP 63165672 A JP63165672 A JP 63165672A JP 16567288 A JP16567288 A JP 16567288A JP H085971 B2 JPH085971 B2 JP H085971B2
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保 林
達弥 今井
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は主に自動車、鉄道車輌および産業機械等のブ
レーキに使用する非アスベスト系摩擦材の製造方法に関
する。さらに詳しくは耐摩耗性に優れ、適度な摩擦係数
を有する非アスベスト系摩擦材の製造方法に関するもの
である。
[従来の技術] 従来、この種の摩擦材は、繊維基材としてアスベスト
が主に用いられていたが、最近は作業環境の改善、また
はアスベスト公害防止のため摩擦材の非アスベスト化が
進められている。
非アスベスト繊維基材としては、ガラス繊維、ロック
ウール、チタン酸カリウム繊維などの無機繊維や、麻、
木綿、フェノール繊維、アラミド繊維などの有機繊維お
よびスチール繊維、真ちゅう繊維などの金属繊維を適宜
組合せた繊維基材が検討されている。これらの繊維基材
の中でもスチール繊維を繊維成分とするセミメタリック
タイプの摩擦材が多用されている。
これらの摩擦材には、摩擦調整材としてカシュー樹脂
の硬化物(カシューダスト)、酸化ジルコニウムなどの
摩擦係数向上材が用いられ、また摩擦材の摩耗性を低く
するために、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化アンチモン
などの固体潤滑材が用いられている(例えば特開昭62−
106980号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、従来の摩擦調整材を用いた場合、耐摩
耗性を向上させることと、摩擦係数を増加させることは
相反するものであり、耐摩耗性を向上させるには、固体
潤滑材の量を増加させる必要があるが、その結果、摩擦
係数および耐フェード性が低下するという問題点があ
る。また逆に摩擦係数向上材を増加させた場合は、摩耗
性が増大するという問題点がある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は上記の問題点を解消し、摩擦係数が高く、耐
摩耗性に優れた摩擦材の製造方法を提供するものであ
る。
すなわち、粒状のカーボンおよび活性炭の少なくとも
1種をカシュー樹脂に均一に分散、硬化させた後、粉砕
して複合材とし、この複合材と非アスベスト繊維基材お
よび熱硬化性樹脂とを混合し、成形、加熱硬化させるこ
とを特徴とする摩擦材の製造方法である。
本発明で用いる粒状のカーボンおよび活性炭として
は、三菱化成工業(株)のカーボンブラック#30などの
カーボンや呉羽化学工業(株)のビーズ活性炭などの活
性炭が用いられ、本発明でいう粒状とは、粒子径が50μ
〜2000μの粒子をさし、粒子径が50μ以下であると耐摩
耗性が良好であるが、摩擦係数が低く、2000μ以上であ
ると偏析しやすいため成形性に問題がある。
本発明の複合材の製造方法は、例えばカシューナッツ
殻液にホルムアルデヒド成分を配合し、酸性またはアル
カリ性触媒にて、縮合反応させて得られた液状カシュー
樹脂に、粒状のカーボンを所定量配合し均一に混合した
後、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミ
ン、またはフルフラールなどのホルムアルデヒド源を添
加し、常温または加熱して、硬化させる。この硬化した
複合材を粉砕し、80μ〜3000μの粒子径の複合材を得
る。
上記複合材における粒状カーボンおよび活性炭の単独
または混合物とカシュー樹脂との配合割合は、重量比で
80/20〜21/80が好ましい。また複合材の摩擦材に対する
配合割合は5〜25重量%の範囲が適当である。
本発明の非アスベスト繊維基材としては、例えば、ガ
ラス繊維、ロックウール、チタン酸カリウム繊維、カー
ボン繊維などの無機繊維や、麻、木綿、レーヨン、フェ
ノール繊維、アラミド繊維などの有機繊維およびスチー
ル繊維、銅繊維、真ちゅう繊維、亜鉛繊維などの金属繊
維の1種または2種以上の繊維が使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
フェノール変性メラミン樹脂、各種変性フェノール樹脂
の1種または2種以上の樹脂が使用できる。
本発明の摩擦材には、充填材として、ラバーダスト、
硫酸バリウム、珪藻土、アルミナ、ドロマイト、酸化ジ
ルコニウム、ケイ酸ジルコニウム、炭酸カルシウム、消
石灰などを必要に応じ適宜使用することができる。
つぎに本発明の摩擦材の製造方法は、以下の通りであ
る。
上記の方法により得られた複合材、非アスベスト繊維
基材、熱硬化性樹脂粉末および必要に応じて各種充填材
の所定配合量を、バンバリーミキサー、ヘンシェルミキ
サー、ニーダーあるいはV型ブレンダー等で十分均一に
混合する。この混合した材料を型内に充填し、押圧して
予備成形を行う。この予備成形品を加熱加圧し熱硬化性
樹脂を硬化させ、さらに熱処理を行って摩擦材を製造す
る。
[発明の作用および効果] 本発明の方法によって製造される摩擦材は、粒子径が
50〜2000μの粒状のカーボンおよび活性炭の少なくとも
1種をカシュー樹脂と複合化した粒子を含有しているた
め偏析することがなく、従来の粒状または粉末状の潤滑
材とカシューダストと混合使用した摩擦材や、粉末状の
潤滑材を溶融したカシューダストと均一に混合し、複合
化させた摩擦潤滑材を使用した摩擦材のように、使用時
摩擦材表面から粉末状の潤滑材が脱離し、脱離した潤滑
材が摩擦材の摩擦係数を低下させるということが起こら
ず摩擦係数を高いレベルで維持しながら、摩耗性の少な
い摩擦材を得ることができる。
[実施例1] 以下に本発明の実施例を示す。
実施例1〜3、比較例1〜4 表1の配合組成を均一に混合し、加熱硬化させた後粉
砕して、80μ〜3000μの複合材A〜Dを得る。
次に、V型ブレンダーにて表2に示す組成を均一に混
合して混合材料を得た。この混合材料を常温で面圧力30
0kg/cm2に調整した成形機にて20秒間予備成形する。そ
の後面圧力300kg/cm2、金型温度150℃に調整した成形機
を用いて7分間加熱成形をした。
さらに220℃で3時間30分加熱炉内で熱処理をし、放
冷後、所定の寸法に研摩して摩擦材を得た。
表2の各例の配合によって得た摩擦材について、フル
サイズダイナモメータ試験機にて、JASO−C427−83に準
拠し、 の条件下で制動前ロータ温度が100℃、200℃、300℃の
摩耗率を測定し、耐摩耗性の評価をした。
また同じくフルサイズダイナモメータ試験機にて、JA
SO−C406−82に準拠し、 キャリパ形式;PD54、イナーシャ;4.5kgfms2の条件下
で第2効力、100kg/h、0.6G時の摩擦係数を油圧20、4
0、60、80kgf/cm2毎に測定し、摩擦特性の評価をした。
これらの試験結果を表3に示した。
表3に示すように、カシュー樹脂とカーボンを複合化
して、摩擦材に配合することにより、別々に添加配合す
るものに比べ、摩擦係数を高く保持しながら、摩耗率が
小さい摩擦材が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子径が50〜2000μの粒状カーボンおよび
    活性炭の少なくとも1種をカシュー樹脂に均一に分散、
    硬化させた後、粉砕して複合材とし、該複合材と非アス
    ベスト繊維基材および熱硬化性樹脂とを混合し、成形、
    加熱硬化させ、しかも該粒状カーボンおよび活性炭の少
    なくとも1種とカシュー樹脂との配合割合は重量比で80
    /20〜21/80であることを特徴とするディスクブレーキパ
    ットの製造方法。
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