JPH085822A - カラーフィルターの製造法 - Google Patents

カラーフィルターの製造法

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JPH085822A
JPH085822A JP14315794A JP14315794A JPH085822A JP H085822 A JPH085822 A JP H085822A JP 14315794 A JP14315794 A JP 14315794A JP 14315794 A JP14315794 A JP 14315794A JP H085822 A JPH085822 A JP H085822A
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electrodeposition
color filter
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film
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JP14315794A
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Eiji Yoda
英二 依田
Yutaka Otsuki
裕 大月
Hiroyoshi Omika
広芳 大美賀
Norikatsu Ono
典克 小野
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Nippon Oil Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】被塗装物に着色層及び/又は遮光層を電着塗装
によって形成する工程を含むカラーフィルターの製造法
において、該電着塗装を行なう前に、液中で被塗装物に
超音波を照射する工程を行うカラーフィルターの製造
法。 【効果】 前記製造法は、従来電着法では困難であった
微細で複雑な画素配置を有するカラーフィルターを、ピ
ンホールや白抜け等の発生を防止して、且つ着色ムラ等
の欠陥のない良好な品質として容易に製造できる。特に
超音波照射を電着液中で行なうことにより、電着液中に
溶存する電着に伴って発生する水素や酸素の除去を容易
に行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置等のカラ
ー表示に使用されるカラーフィルターの電着法による製
造法に関し、より詳細には電着法では困難と言われてい
るモザイク状やトライアングル状といった複雑な画素配
置を有するカラーフィルターであっても欠陥無く製造で
きる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示装置等において導電層表
面にカラーフィルターを形成してカラー画像を表示する
ことが多くなっている。該カラーフィルターの製造法と
しては(1)染色法、(2)顔料分散(カラーレジス
ト)法、(3)印刷法、(4)電着法等が知られてい
る。方法(1)は異なる色相の着色層を設ける際に着色
画素パターンが染色されないように防染工程が必要であ
り工程が複雑になる、方法(2)では画素パターン形成
のための露光時に酸素遮断膜が必要であり工程が複雑と
なって高コスト化する、方法(3)では画素パターンの
精度や全体の平面性が悪い、方法(4)では当初はスト
ライプ状の画素配置以外の複雑な画素配置は製造が困難
であった、等の欠点を有している。
【0003】これらの中で、電着法は工程が比較的簡便
であり、生産性が高く、着色材料の利用効率も高い、等
から注目されている。電着法は、前述のように当初は複
雑な画素配置を有するカラーフィルターの製造はできな
かったが、この問題を克服する多くの製造法が提案され
ている(特開昭61−203403号公報、特開昭61
−279803号公報、特開平4−172304号公
報、特開平4−280201号公報、特開平4−287
002号公報、特開平4−326304号公報、特開平
4−363601号公報等)。
【0004】上記提案の電着法によるカラーフィルター
の製造法では、カラー表示の高精細化の要求に従い画素
配置のさらなる複雑化や微細化が検討されているが、着
色電着液の画素パターン内への充分な拡散や浸透が困難
になり画素内にピンホールや白抜け部分(無着色部分)
等の欠陥が多発し不良品が多くなり、製品の歩留まりを
低下させるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微細
で複雑な画素配置を有するカラーフィルターであっても
ピンホールや白抜け等の発生を防止し、着色ムラ等の欠
陥のない良好な品質を有する電着法によるカラーフィル
ターの製造法を提供することにある。
【0006】また本発明の他の目的は画素配置の自由度
が大きく、カラーフィルター画素間に間隙なく非透光性
層を配置でき、しかも大型化への対処も容易であり、か
つ大量生産が容易な、カラーフィルターの製造法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、被塗装
物に着色層及び/又は遮光層を電着塗装によって形成す
る工程を含むカラーフィルターの製造法において、該電
着塗装を行なう前に、液中で被塗装物に超音波を照射す
る工程を行うことを特徴とするカラーフィルターの製造
法が提供される。また本発明によれば、(A)電極表面
に形成された感光性被膜に露光量が少なくとも2段階に
異なる露光領域を形成する工程と、(B)該露光領域の
感光性被膜を現像して電極表面を露出させ、該露出され
た電極表面を液中に浸漬し、超音波を照射した後、電着
塗装により塗膜を形成する操作を、露光領域の露光量が
大きい順に又は露光量が小さい順に少なくとも1回行う
ことにより塗膜を形成する工程とを、含むことを特徴と
するカラーフィルターの製造法が提供される。
【0008】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。本発明の製造法では、被塗装物に着色層及び/又は
遮光層を電着塗装によって形成する工程を含むカラーフ
ィルターの製造法において、該電着塗装を行なう前に、
液中で被塗装物に超音波を照射する工程を行う。この際
超音波の照射は、カラーフィルターに設ける着色層及び
遮光層を形成する全ての電着塗装の前に必ずしも行なう
必要はないが、好ましくは全ての電着塗装の前に行なう
のが望ましい。
【0009】前記液としては、通常の電着塗装法プロセ
スで用いる着色電着液が最も好ましいが、通常の電着塗
装法に組み込まれる、電着塗装後の被塗装物に付随する
電着液を回収するプロセスにおいて用いる回収液を使用
することもできる。さらには、電着に悪影響を及ぼさ
ず、着色電着液と任意に混合しうる液体類を単独または
着色電着液と混合して使用することもできる。着色電着
液については後述する。
【0010】本発明において、被塗装物とは、カラーフ
ィルターが形成される、表面に電極を有する基板であ
る。該電極は通常、ITO(インジウム−錫酸化物)等
の透明導電膜から形成されているが、非線形素子(TF
T(薄膜トランジスター)、MIM(二端子素子)等)の
電極が形成されていてもよい。
【0011】本発明において使用する超音波とは、周波
数が可聴周波数領域を越えるものであればよく、その下
限は16kHz、好ましくは20kHz、さらに好まし
くは25kHzであり、上限は5GHz、好ましくは1
GHz、さらに好ましくは100MHzであることが望
ましい。周波数が16kHz未満ではピンホールや白抜
け等の発生を防止し、着色ムラ等の欠陥のない良好な品
質を有するカラーフィルターを製造するという本発明の
目的が充分に達成されないため好ましくなく、また5G
Hzを越えると特殊な装置等が必要となるため好ましく
ない。
【0012】超音波を照射する条件は、超音波の周波数
や出力、被塗装物の大きさ、画素の配置や大きさ、被塗
装物を浸漬する槽の形状とその大きさ、液量、温度や時
間等によって適宜設定しうるが、通常は以下の条件から
選定するのが好ましい。照射時の液温は特に制限はない
が、下限が10℃、好ましくは15℃;上限は40℃、
好ましくは35℃で行うのが望ましい。液温はその後の
電着塗装が行われる温度の±5℃の範囲で行うのが工程
管理上好ましい。もし液の温度上昇が著しい時は、適当
な冷却手段を講じて温度がこの範囲になるようにするの
が好ましい。
【0013】照射時間は特に制限はないが、下限が1
秒、好ましくは5秒であるのが望ましい。照射時間が1
秒未満の場合、ピンホールや白抜け等の発生を防止し、
着色ムラ等の欠陥のない良好な品質を有するカラーフィ
ルターを製造するという本発明の目的が充分に達成され
ないため好ましくない。上限については特に制限はない
が、300秒照射すれば前記本発明の目的は達成され、
それ以上照射しても工程上無駄であり、好ましくは20
0秒、さらに好ましくは90秒である。
【0014】超音波は、通常使用される圧電振動子、電
歪振動子、磁歪振動子等により発生させることができ
る。振動子の構成様式としては、投げ込み式、押し込み
式、接着式やホーン式等が挙げられる。
【0015】超音波の照射方法としては、直接法、すな
わち前記振動子を直接液中に浸漬して超音波を発生させ
る方法や、間接法、すなわち被塗装物を浸漬する槽を別
の槽に入れ外側の槽に超音波を作用させる方法等を挙げ
ることができる。
【0016】超音波の発生のための出力は被塗装物の大
きさ、浸漬槽の形状とその大きさ、直接法か間接法か、
等によって適宜選定されるが、液1リットルあたり、下
限が1W、好ましくは5W、さらに好ましくは10W;
上限が2kW、好ましくは1kW、さらに好ましくは5
00Wである。出力範囲が液1リットルあたり1W未満
の場合、ピンホールや白抜け等の発生を防止し、着色ム
ラ等の欠陥のない良好な品質を有するカラーフィルター
を製造するという本発明の目的が充分に達成されないた
め好ましくない。出力範囲が液1リットルあたり2kW
を越えると、超音波により液温が著しく上昇したり、既
に電着塗装された塗膜が破壊されたりすることがあるた
め好ましくない。
【0017】本発明の製造法では、被塗装物に超音波を
照射した後、電着塗装を行うのであるが、電着液中で照
射を行った場合にはそのまま電着塗装を行えばよく、電
着液以外の液、例えば回収液中で照射を行った場合に
は、被塗装物を液から引き上げた後、電着液中に浸漬し
て電着を行えばよい。
【0018】前記電着塗装を行なう前に、液中で被塗装
物に超音波を照射する工程を行なう本発明の製造法の好
ましい態様としては、(A)電極表面に形成された感光
性被膜に露光量が少なくとも2段階に異なる露光領域を
形成する工程(以下(A)工程という)と、(B)該露
光領域の感光性被膜を現像して電極表面を露出させ、該
露出された電極表面を液中に浸漬し、超音波を照射した
後、電着塗装により塗膜を形成する操作を、露光領域の
露光量が大きい順に又は露光量が小さい順に少なくとも
1回行うことにより塗膜を形成する工程(以下(B)工
程という)を含むことを特徴とするカラーフィルターの
製造法(以下、「方法1」とする)が挙げられる。
【0019】方法1において、感光性被膜がポジ型感光
性樹脂組成物により形成される場合は、(B)工程は露
光領域の露光量が大きい順に繰り返され、感光性被膜が
ネガ型感光性樹脂組成物により形成される場合は、
(B)工程は露光領域の露光量が小さい順に繰り返され
る。すなわち、以下の2つの方法に分けることができ
る。
【0020】(A)電極表面に形成されたポジ型感光性
被膜に露光量が少なくとも2段階に異なる露光領域を形
成する工程と、(B)該露光領域の感光性被膜を現像し
て電極表面を露出させ、該露出された電極表面を液中に
浸漬し、超音波を照射した後、電着塗装により塗膜を形
成する操作を、露光領域の露光量が大きい順に少なくと
も1回行うことにより塗膜を形成する工程とを含むこと
を特徴とするカラーフィルターの製造法(以下、「方法
2」とする)。 (A)電極表面に形成されたネガ型感光性被膜に露光量
が少なくとも2段階に異なる露光領域を形成する工程
と、(B)該露光領域の感光性被膜を現像して電極表面
を露出させ、該露出された電極表面を液中に浸漬し、超
音波を照射した後、電着塗装により塗膜を形成する操作
を、露光領域の露光量が小さい順に少なくとも1回行う
ことにより塗膜を形成する工程とを含むことを特徴とす
るカラーフィルターの製造法(以下、「方法3」とす
る)。
【0021】前記方法1〜3において、(A)+(B)
の工程は複数回繰り返してもよい。その場合、(B)工
程終了後、次の(A)工程を行なう前に残存する感光性
被膜を除去してもよい。除去の方法としては現像、露光
・現像、等が挙げられる。また方法1〜3において、
(A)+(B)の工程を繰り返す場合、(B)行程の後
の(A)工程における感光性被膜は、既に塗膜を形成し
た領域以外の領域の感光性被膜である。
【0022】前記方法1〜3の(A)工程において、露
光量が少なくとも2段階に異なる露光領域を形成する方
法としては、マスクを介して必要箇所のみ露光する方法
や、2段階に光透過率が異なるパターンを有するマスク
を介して一回露光する方法等が挙げられる。3段階以上
に異なる露光領域を形成する方法としては特に限定され
ないが、例えば少なくとも3段階に光透過率が異なるパ
ターンを有するマスクを介して一回で露光する方法、2
段階に光透過率が異なり特定のパターンを有するマスク
を介して露光し、該マスクを移動させ異なる露光量で再
度露光する操作を繰り返す方法、2段階に光透過率が異
なる特定のパターンを有するマスクを介して露光し、異
なるパターンを有する別のマスクを介して露光量を変え
て再度露光する操作を繰り返す方法等が挙げられる。
【0023】以上の製造法のうち、(A)+(B)の工
程を繰り返す場合の好適なより具体的な方法としては、
(A)電極表面に形成された感光性被膜に露光量が2段
階に異なる露光領域を形成する工程と、(B)該露光領
域の感光性被膜を現像して電極表面を露出させ、該露出
された電極表面を液中に浸漬し、超音波を照射した後、
電着塗装により塗膜を形成する操作を、露光領域の露光
量が大きい順に又は露光量が小さい順に1回行うことに
より塗膜を形成する工程と、(C)該電極表面の塗膜を
形成した領域以外の領域の感光性被膜に露光量が2段階
に異なる露光領域を形成する工程と、(D)該露光領域
の感光性被膜を現像して電極表面を露出させ、該露出さ
れた電極表面を液中に浸漬し、超音波を照射した後、電
着塗装により塗膜を形成する操作を、露光領域の露光量
が大きい順に又は露光量が小さい順に1回行うことによ
り塗膜を形成する工程と、(E)前記(C)及び(D)
の工程を必要回数行う工程とを、含むことを特徴とする
カラーフィルターの製造法(以下、「方法4」とす
る)、また(A)電極表面に形成された感光性被膜に露
光量が3段階に異なる露光領域を形成する工程と、
(B)該露光領域の感光性被膜を現像して電極表面を露
出させ、該露出された電極表面を液中に浸漬し、超音波
を照射した後、電着塗装により塗膜を形成する操作を、
露光領域の露光量が大きい順に又は露光量が小さい順に
2回行うことにより塗膜を形成する工程と、(C)該電
極表面の塗膜を形成した領域以外の領域の感光性被膜に
露光量が2段階に異なる露光領域を形成する工程と、
(D)該露光領域の感光性被膜を現像して電極表面を露
出させ、該露出された電極表面を液中に浸漬し、超音波
を照射した後、電着塗装により塗膜を形成する操作を、
露光領域の露光量が大きい順に又は露光量が小さい順に
1回行うことにより塗膜を形成する工程と、(E)前記
(C)及び(D)の工程を必要回数行う工程とを含むこ
とを特徴とするカラーフィルターの製造法(以下、「方
法5」とする)等が挙げられる。方法4及び方法5の
(E)行程における必要回数は特に制限はないが、0〜
2回、好ましくは2回が望ましい。
【0024】前記方法1〜5において、電極としてはI
TO(インジウム−錫酸化物)等の透明導電膜、非線形
素子(TFT(薄膜トランジスター)、MIM(二端子素
子)等)等が挙げられる。
【0025】前記感光性被膜を形成する方法は特に制限
はなく、通常公知の方法、例えば、浸漬法、ロールコー
ト法、スピンコート法、静電塗装法、電着法、転写(ド
ライフィルム)法等が使用される。感光性被膜を形成す
る樹脂組成物としては、キノンジアジド化合物、ジアゾ
メルドラム酸化合物やニトロベンジル基含有化合物等か
ら選ばれる化合物と、アルカリ水溶液に可溶性の樹脂と
からなる感光性樹脂組成物(例えば特公昭37−362
7号公報、特公昭43−28403号公報、特公昭45
−9610号公報、IEEE Trans. Elec. Dev.,ED-28,No.
11,1300(1981)等に記載される樹脂組成物等)、光によ
り酸を発生する化合物と、該発生酸により遊離のカルボ
ン酸基を放出する樹脂とからなる、いわゆる化学増幅型
感光性樹脂組成物(例えば特開昭59−45439号公
報、特開平2−309358号公報、有機合成化学協会
誌、49(5),437〜450(1991)等に記載され
る樹脂組成物等)、光により塩基を発生する化合物を含
有する感光性樹脂組成物(例えば特開平4−13434
8号公報等に記載される樹脂組成物等)、付加重合性不
飽和基を含有する化合物と、光重合開始剤とからなる感
光性樹脂組成物(例えば特公昭40−12104号公
報、特公昭46−42450号公報、特開昭51−58
106号公報、特開昭54−155292号公報、特開
昭61−123603号公報、特開昭60−22140
3号公報、特開平4−212161号公報等に記載され
る樹脂組成物等)等が挙げられる。もちろん市販の各種
感光性樹脂組成物を適宜選択して使用してもよい。これ
らの感光性樹脂組成物は、ポジ型またはネガ型に作用
し、本発明においてはこのいずれも使用できるが、感光
性被膜が何度か露光しても溶解しうるポジ型が好まし
い。
【0026】このようにして形成される感光性被膜の膜
厚は特に制限されず、カラーフィルターに要求される性
能等に応じて適宜選択できるが、乾燥時に通常0.3〜
20μm、好ましくは1〜10μm程度であればよい。
該膜厚の調整は、用いる感光性被膜の形成方法や感光性
樹脂組成物によって適宜選定される。例えば感光性被膜
をスピンコート法で形成する場合には、スピンコーター
の回転数や回転時間、塗布温度、感光性樹脂組成物の粘
度等から容易に決定することができる。
【0027】前記方法1〜5において露光は、通常紫外
線を多量に発生できる装置を用いて行うことができ、高
圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ等を光
源として用いることができ、必要によっては紫外線以外
の他の放射線を使用してもよい。露光条件は、用いる感
光性被膜、露光装置、フォトマスク等に応じて適宜選択
できる。
【0028】なお、用いる感光性被膜の性能によって
は、特開平4−280201号公報、特開平4−287
002号公報、特開平4−324802号公報等に記載
される光透過率が多段階に異なるパターンを有するフォ
トマスクを介しての露光や特開平4−361202号公
報、特開平4−362601号公報等に記載される従来
と同様のフォトマスクを用い、フォトマスクまたは感光
性被膜を適宜移動して多段階露光等を行えば、前述の
(C)工程での露光領域の形成を省略することができ、
全体の工程をより簡略化することもできる。
【0029】露光後の感光性被膜を現像する条件は、除
去すべき部分の露光量、使用する感光性被膜の現像液に
対する溶解性、現像液の種類や濃度、さらには現像温
度、現像時間によって変わりうるものであり、感光性被
膜に適した条件を適宜選択すればよい。
【0030】現像液としては、酸性水溶液やアルカリ性
水溶液、さらに各種の有機溶媒等を挙げることができ、
例えば、酸性の現像液としては、酸性物質を溶解した水
溶液等を使用することができる。該酸性物質としては、
酢酸、プロピオン酸、乳酸、クエン酸、蓚酸、マロン
酸、こはく酸等の有機酸や、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸
等の無機酸を挙げることができ、例えば乳酸水溶液を現
像液に使用する場合、乳酸濃度は通常0.01〜50重
量%、好ましくは0.05〜25重量%、温度は通常1
0〜70℃、好ましくは15〜50℃、現像時間は通常
2〜600秒、好ましくは20〜300秒等の範囲から
適宜選択すれば良い。またアルカリ性の現像液として
は、塩基性物質を溶解した水溶液等を使用することがで
きる。該塩基性物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、テ
トラアルキルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等を挙げることができ、例えば炭
酸ナトリウム水溶液を現像液に使用する場合、炭酸ナト
リウム濃度は通常0.01〜25重量%、好ましくは
0.05〜20重量%、温度は通常10〜70℃、好ま
しくは15〜50℃、現像時間は通常2〜600秒、好
ましくは20〜300秒等の範囲から適宜選択すればよ
い。
【0031】更にまた、感光性被膜の現像液として有機
溶媒を使用してもよく、例えばアルコール類、グリコー
ルエーテル類、ケトン類、塩素化炭化水素類等を使用す
ることもできる。またこれらの現像液には濡れ性改良や
消泡のために界面活性剤や消泡剤等を添加してもよい。
これらの現像液の中でも毒性や作業環境性等の点で水溶
液系の現像液を使用するのが好ましい。
【0032】電着塗装に用いる着色電着液および電着塗
装については、例えば特開昭61−203403号公
報、特開昭63−210901号公報、特開平4−31
22号公報、特開平4−280201号公報、特開平4
−287002号公報、特開平4−328801号公
報、特開平4−326305号公報等の公知の電着液、
電着塗装等を用いることができる。より具体的には、着
色電着液は、例えば樹脂成分としてカチオン性又はアニ
オン性の樹脂を使用し、着色成分として染料及び/又は
顔料を加え、更に酸性又は塩基性物質を使用して水に溶
解及び/又は分散させた塗料等を用いることができる。
更にまた着色電着液における樹脂の溶解及び/又は分散
を容易ならしめるため、浴安定性の向上のため又は平滑
塗膜を得る等のために有機溶媒等を添加してもよい。
【0033】前記有機溶媒としては、前記樹脂等を分散
又は溶解しうるものであればよく、各種のグリコールエ
ーテル類、例えば、エチレングリコールモノブチルエー
テル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチ
レングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
フェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等;ケ
トン類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン
等;エーテル類、例えば、ジブチルエーテル、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等;アルコール類、例えば、メ
トキシブタノール、ジアセトンアルコール、ブタノー
ル、イソプロパノール等;炭化水素類、例えば、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン等;エステル類、例えば、酢酸
エチル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2
−メトキシプロピル、酢酸ベンジル、酢酸フェノキシエ
チル、安息香酸エチル等;酸アミド類、例えば、ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド等を挙げることができ、使用に際して
は単独若しくは混合物として用いることができる。
【0034】前記着色電着液の樹脂成分として用いるカ
チオン性の樹脂としては、例えばアクリル樹脂、エポキ
シ樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリアミ
ド樹脂等に、アミノ基および/またはアンモニウム基、
スルホニウム基等を導入した樹脂で、蟻酸、酢酸、プロ
ピオン酸、乳酸等の酸あるいは酸性物質で水に可溶化又
は分散される樹脂等を挙げることができる。
【0035】また、前記着色電着液の樹脂成分として用
いるアニオン性の樹脂としては、例えばアクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、マレイン化油樹脂、ポリブタジエン
樹脂、エポキシ樹脂等にカルボキシル基等を導入した樹
脂で、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエ
タノールアミン、アンモニア等の塩基性物質で水に可溶
化又は分散される樹脂等を挙げることができる。更にま
た、着色電着液の造膜成分は感光性を有するものであっ
てもよく、前述の感光性被膜の形成に使用される樹脂組
成物の中で電着に適するものを用いることもでき、光重
合開始剤を併用してもよい。更には、着色電着液の樹脂
成分には、熱硬化性の強い電着樹脂組成物、例えばアク
リル樹脂とメラミン樹脂とを混合したものを用いても良
い。
【0036】着色電着液の色相は、目的に応じ適宜選択
することができる。前記着色電着液に使用する染料及び
/又は顔料は、目的とする色相に応じ選択されるが、得
られる塗膜の透明性、着色電着液の安定性、電着特性、
塗膜の耐久性等について問題の生じないものを選択する
ことが望ましく、この点から染料としては油溶性あるい
は分散性染料が好ましい。具体的には例えばアゾ系、ア
ントラキノン系、ベンゾジフラン系、縮合メチン系等が
挙げられる。また顔料としては、例えばアゾレーキ系、
アントラキノン系、キナクリドン系、フタロシアニン
系、イソインドリノン系、チオインジゴ系等の有機顔
料、黄鉛、酸化鉄、クロムバーミリオン、クロムグリー
ン、群青、紺青、コバルトブルー、コバルトグリーン、
エメラルドグリーン、チタンホワイト、カーボンブラッ
ク等の無機顔料が適している。また、目的とする色相に
応じ、前記染料及び/又は顔料を、その特性を損なわな
い限りにおいて、2種類以上混合して用いることもでき
る。なお、染料及び/又は顔料については適宜「COL
OUR INDEX」等を参照すればよい。本発明にお
いて所定色相の調製は、上記顔料を用いて得ることがで
きる。
【0037】該染料及び/又は顔料の使用割合は、目
的、色相、使用する染料及び/又は顔料の種類、乾燥時
の膜厚等により適宜選択され、好ましくは着色電着液全
体に対して、0.1〜15重量%、特に好ましくは0.
5〜10重量%程度が適している。
【0038】前記着色電着液の調製は、樹脂、染料及び
/又は顔料、酸性物質又は塩基性物質および必要により
有機溶剤や、染料あるいは顔料の分散助剤、塗膜の平滑
性をよくするレベリング剤、粘度調整剤、消泡剤等の各
種助剤類等を混合し、一般的に使用されるサンドミル、
ロールミル、アトライター等の分散機を用いて充分に分
散させ、その後、水で所定の濃度、好ましくは固形分含
量約4〜25重量%、特に好ましくは6〜20重量%に
希釈して電着に適するようにする方法等により行なうこ
とができる。このようにして得られる着色電着液は、露
出した導電層上に電着塗装することによって塗膜を形成
させる。
【0039】該塗膜の膜厚は特に制限されず、カラーフ
ィルターに要求される性能に応じて適宜選択できるが、
乾燥時に通常0.3〜5μm、好ましくは0.5〜3μ
m程度であればよい。
【0040】前記電着塗装の条件は、使用する着色電着
液の種類、目的とする塗膜の膜厚等に応じて適宜選択さ
れるが、電圧は通常5〜500V、好ましくは10〜3
00Vの直流であるのが好ましく、電着時間は通常3〜
300秒、好ましくは5〜200秒、液温は通常10〜
35℃、好ましくは15〜30℃であるのが望ましい。
この際、所望の膜厚を得る電着時間が経過したところで
通電を停止し、基板を浴から取り出し、余剰に付着した
浴液を水等でよく洗浄し乾燥することにより塗膜を形成
することができる。
【0041】該乾燥条件は、後工程の条件等により適宜
選択できるが、通常は塗膜表面の水分が乾燥し得る条件
であれば良く、例えば150℃以下、好ましくは60℃
〜120℃で、通常0.5分〜1時間、好ましくは5〜
30分程度乾燥させるのが望ましい。
【0042】このようにして目的とするカラーフィルタ
ーを製造することができるが、更に加熱・硬化又は光硬
化等を行い、耐候性や耐薬品性等を向上させることもで
きる。該加熱・硬化を行う際の条件としては、例えば温
度を通常100〜280℃、好ましくは150〜250
℃とし、5分〜2時間、好ましくは15分間〜1時間の
条件にて行うことができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の製造法では、電着法では従来困
難であった微細で複雑な画素配置を有するカラーフィル
ターを、ピンホールや白抜け等の発生を防止して、且つ
着色ムラ等の欠陥のない良好な品質として容易に製造で
きる。また本発明の製造法では、画素配置の自由度が大
きく、カラーフィルター画素間に間隙なく非透光性層を
配置でき、しかも大型化への対処も容易であり、かつカ
ラーフィルターの大量生産が容易である。
【0044】特に本発明の超音波の照射は電着液中で行
なうことにより、電着液中に溶存する電着に伴って発生
する水素や酸素の除去を容易に行うことができるという
効果がある。またボジ型レジストの露光、現像によって
形成される透明電極が露出された微細な画素内への電着
液の濡れ性が向上することによって、ピンホールや白抜
け等の発生が防止できるという効果もある。とりわけ、
LCDのような微細な画素(20〜500μm)内に電
着する必要がある場合に、超音波の照射が有効である。
【0045】
【実施例】以下実施例及び比較例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0046】
【合成例1】 着色電着液(Y−1、Y−2、Y−3及びY−4)の調
製 アクリル樹脂(東亜合成化学(株)製、商品名「アロン
S−4030」)をトリエチルアミンでpHが約8とな
るまで中和し、これに脱イオン水を加えた樹脂水溶液
(S)を調製した。次に、樹脂水溶液(S)に、撹拌下
でカーボンブラック、アゾ金属塩赤顔料、フタロシアニ
ングリーン、フタロシアニンブルーをそれぞれ加え、黒
色、赤色、緑色及び青色の顔料分散液を各々作成した。
さらにこれとは別に、前記アクリル樹脂にメラミン樹脂
(商品名「M−66B」、住友化学(株)製)を混合し
た後、トリエチルアミンでpHが約8となるまで中和
し、これに脱イオン水を加えた樹脂水溶液(T)を作成
した。
【0047】前記各色の顔料分散液に対して、樹脂水溶
液(T)を加えることにより、表1に示す組成の着色電
着液(Y−1、Y−2、Y−3及びY−4)を得た。
尚、得られた着色電着液は、熱硬化性であり、かつアニ
オン型の電着性を有するものであった。
【0048】
【表1】
【0049】
【実施例1】膜厚100nmのITO(インジウム−錫
酸化物)膜を表面に有する1.0mmのパイレックスガ
ラス基板(以下、原板1という)に、ポジ型フォトレジ
スト(東京応化工業(株)製、商品名「OFPR−80
0」)をスピンコーターで塗布し、80℃で10分間乾
燥し、膜厚2.5μmのポジ型感光性被膜を形成した。
次いで左右20μm、上下30μm幅の光不透過部分で
囲まれた50μm×100μmの大きさの光透過部分を
基本とする繰り返しパターンを有するマスクを、該塗膜
上に密着し、超高圧水銀ランプを有するUV露光装置
((株)オーク製作所製、商品名「JL−3300」)
を使用して70mJ/cm2の紫外線を照射した。続いて
濃度2.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキ
シド水溶液で現像し、マスクの光透過部分のみに相当す
るポジ型感光性被膜を選択的に除去してITO膜面を露
出させ、水洗後乾燥した。
【0050】次に25℃に保った合成例1で調製した着
色電着液(Y−2)に原板1を浸漬し、(Y−2)1リ
ットル当たり28kHzの超音波を出力40Wで30秒
間照射(大岳製作所製、超音波分散機)後、原板1を陽
極とし、(Y−2)を入れたステンレススチール製ビー
カーを陰極として、直流電圧40Vを25℃で10秒間
印加し、電着した。原板1をイオン交換水で洗浄した
後、140℃で10分間乾燥・硬化させ、着色塗膜の膜
厚を測定したところ、2.2μmであった。原板1を顕
微鏡下で100倍に拡大して観察したところ、原板1の
マスクの光透過部分に相当する部分にピンホールや白抜
け部分は全く認められず、完全に赤に着色されていた。
【0051】
【比較例1】実施例1において、超音波を照射しない他
は全く同様に行った。得られた原板を実施例1と同様に
顕微鏡で観察したところ、多数のピンホールおよび白抜
け部分が観察された。
【0052】
【実施例2】膜厚100nmのITO(インジウム−錫
酸化物)膜を表面に有する厚さ1.1mmの商品名「コ
ーニング7059ガラス」(コーニング社製)(以下、
原板2という)に、ポジ型フォトレジスト(東京応化工
業(株)製、商品名「OFPR−800」)をスピンコ
ート法により、乾燥後の膜厚が3μmとなるように塗布
した。次いで図1に示す光透過率0%と100%の2段
階に異なる所定の遮光パターンを有するマスクを介して
超高圧水銀灯光を70mJ/cm2照射した。次に濃度
2.4重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
水溶液で現像したところ、図1に示すマスクの光透過率
100%の部分1に対応する露光部分のポジ型フォトレ
ジストが選択的に除去され、ITO膜面が露出された。
水洗、乾燥後、25℃に保った合成例1で調製した黒色
電着液(Y−1)に原板2を浸漬したステンレススチー
ル製ビーカーを超音波洗浄器(本田電子(株)製)に入
れ、(Y−1)1リットル当たり100kHzの超音波
を出力100Wで30秒間照射後、原板2を陽極とし、
(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカーを陰
極として、直流電圧25Vを25℃で60秒間印加し、
電着して黒色塗膜層を形成した。原板2をステンレスス
チール製ビーカーから引き上げイオン交換水で洗浄後乾
燥(80℃、5分間)した。
【0053】次いで図2に示す光透過率0%と100%
の2段階に異なるパターンを有するマスクを用いて70
mJ/cm2の露光を行い、濃度3.4重量%のテトラ
メチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したとこ
ろ、黒色塗膜層に変化は認められず、図2に示すマスク
の光透過率100%の部分3に対応する露光部分に相当
するITO膜が露出された。水洗、乾燥後、原板2を浸
漬した着色電着液(Y−2)を(Y−1)の場合と同様
にして超音波を照射してから、原板2を陽極とし、(Y
−2)を入れたステンレススチール製ビーカーを陰極と
して、直流電圧25Vを25℃で60秒間印加し、電着
した。原板2をステンレススチール製ビーカーから引き
上げイオン交換水で洗浄後乾燥し、110℃10分間熱
処理した。これにより赤色モザイク状画素パターンが得
られた。顕微鏡観察したところ、ピンホール等の欠陥は
全く認められなかった。
【0054】次いで原板2全面に200mJ/cm2
紫外線を照射した後、界面活性剤(花王株式会社製、商
品名「ペレックスNBL」)5重量%を含有する2重量
%水酸化ナトリウム水溶液で現像し、塗布した着色塗膜
部分以外にある残存フォトレジストを除去し、水洗・乾
燥後、再度商品名「OFPRー800」を膜厚が3μm
となるようにスピンコートした。フォトレジストが再塗
布された原板2の赤モザイク状パターンに隣接するよう
(図3に示す位置)に図2のマスクを移動させ、モザイ
ク状パターン5(光透過率100%)に対応する部分を
露光(70mJ/cm2)した。次に濃度2.4重量%
のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像
したところ、黒色及び赤色の塗膜層に変化は認められず
露光部分5に相当するITO膜が露出された。水洗、乾
燥後、原板2を浸漬した着色電着液(Y−3)を、(Y
−1)の場合と同様にして超音波を照射してから、原板
2を陽極とし、(Y−3)を入れたステンレススチール
製ビーカーを陰極として、直流電圧25Vを25℃で6
0秒間印加し、電着した。原板2をステンレススチール
製ビーカーから引き上げイオン交換水で洗浄後乾燥し、
110℃、10分間熱処理した。
【0055】次いで図4に示す位置に、図2に示すマス
クを移動し70mJ/cm2の露光後、濃度3.4重量
%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現
像した。水洗、乾燥後、着色電着液(Y−4)を用いて
(Y−1)、(Y−2)および(Y−3)の場合と同様
に超音波照射および電着処理を行いカラーフィルターを
作成した。最後に原板2全面に200mJ/cm2の紫
外線を照射した後、界面活性剤(花王株式会社製、商品
名「ペレックスNBL」)5重量%を含有する2重量%
水酸化ナトリウム水溶液で現像し、着色塗膜部分以外に
ある残存フォトレジストを除去した。顕微鏡観察の結
果、着色塗膜にピンホール等の欠陥は認められなかっ
た。
【0056】また硬化を完全に行わせるために180℃
で30分間加熱し、透明性、均一性、平坦性に優れ、ピ
ンホール等の欠陥も無く精度の良い黒色遮光パターンを
有するカラーフィルターが得られた。
【0057】
【比較例2】実施例2において、超音波を照射しない他
は全く同様に行った。得られた原板を実施例2と同様に
顕微鏡で観察したところ赤色塗膜および緑色塗膜に多数
のピンホールが、また青色塗膜にはピンホールの他に白
抜け部分も観察された。
【0058】
【実施例3】実施例2と同様のガラス基板(以下、原板
3という)に、ポジ型フォトレジスト(東京応化株式会
社製、商品名「OFPR−800」)をスピンコーター
で塗布し、80℃で10分間乾燥し、膜厚3μmのポジ
型感光性被膜を形成した。次いで光透過率が3段階に異
なるパターンを有するマスク(図示せず)を、該塗膜上
に密着し、超高圧水銀ランプを有するUV露光装置
((株)オーク製作所製、商品名「JL−3300」)
を使用して70mJ/cm2の紫外線を照射した。この
際、マスクの最も光透過率の高い部分に対応するポジ型
感光性被膜には、70mJ/cm2の紫外線が、2番目
に光透過率の高い部分に対応するポジ型感光性被膜には
18mJ/cm2の紫外線が、最も光透過率の低い部分
に対応する感光性被膜には紫外線は照射されなかった。
【0059】次に濃度2.4重量%のテトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、マスク
の光透過率が最も高い部分のポジ型感光性被膜が選択的
に除去され、ITO膜面が露出された。水洗、乾燥後、
25℃に保った黒色電着液(Y−1)に原板3を浸漬
し、実施例2と同様に超音波を照射後、原板3を陽極と
し、(Y−1)を入れたステンレススチール製ビーカー
を陰極として、直流電圧25Vを25℃で60秒間印加
し、電着した。原板3をステンレススチール製ビーカー
から引き上げイオン交換水で洗浄後乾燥(80℃、5分
間)した。
【0060】次いで濃度3.4重量%のテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、黒色
の着色塗膜及びマスクの光透過率が最も低い部分に対応
する部分には何の変化も認められず、マスクの光透過率
が2番目に高い部分に対応する部分のポジ型感光性被膜
が選択的に除去された。水洗、乾燥後、原板3を浸漬し
た着色電着液(Y−2)を、(Y−1)の場合と同様に
して、超音波照射および電着を行ったところ、先に形成
した黒色の着色塗膜等には全く変化が見られず、赤色の
着色塗膜が形成された。続いて110℃で10分間乾燥
し一部硬化させた。
【0061】次いで原板3全面に200mJ/cm2
紫外線を照射した後、界面活性剤(花王株式会社製、商
品名「ペレックスNBL」)5重量%を含有する2重量
%水酸化ナトリウム水溶液で現像し、塗布した着色塗膜
部分以外にある残存フォトレジストを除去し、水洗・乾
燥後、再度商品名「OFPRー800」を膜厚が3μm
となるようにスピンコートした。
【0062】次に光透過率が3段階に異なるパターンを
有する前述のマスクを原板3の赤着色塗膜に対して1個
分移動させて(図3に示す如く)フォトレジストが再塗
布された原板3上に密着し、70mJ/cm2の紫外線
を照射した。濃度2.4重量%のテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、黒色及び赤
色の着色塗膜に変化は認められず、またマスクの光透過
率が最も低い部分に対応する部分にも変化は認められ
ず、マスクの光透過率が最も高い部分に対応する部分の
ポジ型感光性被膜が選択的に除去された。(Y−1)お
よび(Y−2)の場合と同様な処理を、着色電着液(Y
−3)についても行った後、原板3をイオン交換水で洗
浄したところ、先に形成した黒色、赤色の着色塗膜、マ
スクの光透過率が2番目に高い部分および最も低い部分
に対応する部分のポジ型感光性被膜部分には全く変化が
見られず、緑色の着色塗膜が形成された。続いて110
℃で10分間乾燥・一部硬化させた。
【0063】次いで濃度3.4重量%のテトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド水溶液で現像したところ、黒、
赤および青の各着色塗膜及びマスクの光透過率が最も低
い部分に対応する部分には何の変化も認められず、マス
クの光透過率が2番目に高い部分に対応する部分のポジ
型感光性被膜が選択的に除去された。次に水洗、乾燥
後、着色電着液(Y−4)を用いて(Y−1)、(Y−
2)および(Y−3)と同様に超音波照射および電着処
理を行いカラーフィルターを作成した。最後に原板3全
面に200mJ/cm2の紫外線を照射した後、界面活
性剤(花王株式会社製、商品名「ペレックスNBL」)
5重量%を含有する2重量%水酸化ナトリウム水溶液で
現像し、着色塗膜部分以外にある残存フォトレジストを
除去した。顕微鏡観察の結果、着色塗膜にピンホール等
の欠陥は認められなかった。
【0064】最後に硬化を完全に行わせるために180
℃で30分間加熱し、透明性、均一性、平坦性に優れ、
ピンホール等の欠陥も無く精度の良い黒色遮光パターン
を有するカラーフィルターが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例2で用いた遮光層作製用マスク
を示す拡大模式図である。
【図2】図2は、実施例2で用いた着色塗膜作製用マス
クを示す拡大模式図である。
【図3】図3は、実施例2において、マスクを1回横に
移動した状態を示す拡大模式図である。
【図4】図4は、実施例2において、マスクを2回横に
移動した状態を示す拡大模式図である。
【符号の説明】
1:光透過率100%の部分 2:光透過率0%の部分 3:光透過率100%の部分 4:光透過率0%の部分 5:2回目に露光される光透過率100%の部分 6:3回目に露光される光透過率100%の部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大美賀 広芳 神奈川県横浜市港北区篠原東3−20−17− 3号 (72)発明者 小野 典克 千葉県習志野市谷津3−1−47−811

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物に着色層及び/又は遮光層を電
    着塗装によって形成する工程を含むカラーフィルターの
    製造法において、該電着塗装を行なう前に、液中で被塗
    装物に超音波を照射する工程を行うことを特徴とするカ
    ラーフィルターの製造法。
  2. 【請求項2】 (A)電極表面に形成された感光性被膜
    に露光量が少なくとも2段階に異なる露光領域を形成す
    る工程と、(B)該露光領域の感光性被膜を現像して電
    極表面を露出させ、該露出された電極表面を液中に浸漬
    し、超音波を照射した後、電着塗装により塗膜を形成す
    る操作を、露光領域の露光量が大きい順に又は露光量が
    小さい順に少なくとも1回行うことにより塗膜を形成す
    る工程とを、含むことを特徴とするカラーフィルターの
    製造法。
JP14315794A 1994-06-24 1994-06-24 カラーフィルターの製造法 Pending JPH085822A (ja)

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