JPH0856917A - 勾配磁場発生方法及びmri装置 - Google Patents

勾配磁場発生方法及びmri装置

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JPH0856917A
JPH0856917A JP6195563A JP19556394A JPH0856917A JP H0856917 A JPH0856917 A JP H0856917A JP 6195563 A JP6195563 A JP 6195563A JP 19556394 A JP19556394 A JP 19556394A JP H0856917 A JPH0856917 A JP H0856917A
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JP
Japan
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magnetic field
gradient magnetic
field coil
temperature
scan
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Application number
JP6195563A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Hideaki Uno
英明 宇野
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GE Healthcare Japan Corp
Original Assignee
GE Yokogawa Medical System Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MRI装置での勾配磁場コイルの温度上昇に
応じて最適なシーケンスパラメータを決定出来るように
した勾配磁場発生方法及びMRI装置を実現する。 【構成】 勾配磁場コイルの温度を検出する温度検出部
41と、MRIのスキャンためのスキャンテクニックが
設定されるスキャンテクニック設定部11と、スキャン
テクニック設定部により設定されたスキャンテクニック
及び温度検出部で検出された勾配磁場コイルの温度を参
照してスキャン終了時の勾配磁場コイルの温度を予想す
る温度予想部21と、この温度予想部により予想された
スキャン終了時の勾配磁場コイルの温度を参照して、勾
配磁場コイルの立ち上がり特性を求め、この立ち上がり
特性を参照してシーケンスパラメータを最適化するシー
ケンスパラメータ算出部23と、シーケンスパラメータ
算出部により最適化されたシーケンスパラメータに従っ
て勾配磁場コイルに電力を供給する勾配磁場電源30
と、を備えたことを特徴とするMRI装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMRI装置での勾配磁場
コイルの温度上昇に応じて最適なシーケンスパラメータ
を決定出来るようにした勾配磁場発生方法及びMRI装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置(磁気共鳴画像撮影装置)
は、核磁気共鳴(NMR)現象を観察して被検体の断層
像を撮影する装置である。このMRIにおいて、被検体
を観察するためには、被検体でのNMR現象で生じる高
周波(RF)信号を検出することによって行っている。
【0003】また、NMR信号に空間的情報を付加する
ための微小な勾配磁場を用い、投影復元法や選択照射法
において、方向や面・線を選択するために使用してい
る。この勾配磁場を発生させるために、勾配磁場電源回
路よりX,Y,Zの3軸の勾配磁場コイルに電流を与え
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の勾配磁場コイ
ルは、その性質から発熱が大きな問題となっている。そ
して、スキャンの高速化に伴い、発熱も更に大きくなり
つつある。従って、スキャンシーケンス実行中に勾配磁
場コイルの温度が徐々に上昇し、スキャンを実行するこ
とが困難になる事態も予想される。
【0005】このような事態に対して、勾配磁場コイル
に温度センサを取り付けて温度測定を行い、所定の温度
まで上昇した場合にスキャンシーケンスを停止させるよ
うな装置も考えられている。
【0006】この種の勾配磁場コイルの温度によってス
キャンを停止させるMRI装置は、特開平2−6195
0号公報や特開平4−176440号公報等に記載され
ている。
【0007】しかし、このようにスキャンシーケンス途
中で停止するようなことがあると、それまでのスキャン
により得られた途中のデータや測定時間が無駄になる問
題を有している。
【0008】また、別の問題として、勾配磁場コイルの
発熱による温度上昇によって立ち上がり特性dB/dt
が低下し、必要な勾配が得られなくなることもある。こ
こで、勾配磁場コイルの立ち上がり特性dB/dtにつ
いては、 dB/dt=A・(1/L)(V−Ri) A:コイル効率[mT/m/A] L:勾配磁場コイルのインダクタンス[H] R:勾配磁場コイルの抵抗[Ω] V:電源の出力電圧[V] i:電源の出力電流[A] と表せる。
【0009】このように、勾配磁場コイルには抵抗成分
Rが存在しているために、スキャン中にQ=i2 ・Rな
る熱量の発熱が発生する。これにより、勾配磁場コイル
自身が加熱され、温度上昇が起こる。そして、この温度
上昇は抵抗Rの増大に結び付く。
【0010】この抵抗増大はコイルのL成分に印加され
る電圧の低下に相当するため、上式より立ち上がり特性
dB/dtが低下し、結果として必要な勾配が得られな
くなる。
【0011】現在の一般的なMRI装置では、勾配磁場
コイルに許された最大温度における抵抗RMAX を用いて
dB/dtを算出しておき、この値の範囲内でシーケン
スパラメータ(パルスシーケンスを実行する際の勾配磁
場やRFパルスを生成するための各種パラメータ若しく
はデータ)を決定して勾配磁場コイルを駆動するように
している。従って、この場合の立ち上がり特性dB/d
tは最悪の条件の値である。
【0012】しかし、実際には勾配磁場コイルの温度が
最大温度に達しないような使用状況では、スキャン終了
時の勾配磁場コイルの抵抗値も低いために実際には立ち
上がり特性を向上させることが可能であるが、そのよう
な配慮は一切なされていなかった。
【0013】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、第1の目的は、スキャン開始以前にスキャン実行中
の勾配磁場コイル温度を予想して最適なシーケンスパラ
メータを設定して勾配磁場コイルを駆動することが可能
な勾配磁場発生方法を実現することである。
【0014】また、本発明の第2の目的は、シーケンス
パラメータを変えることなく、勾配磁場コイルの温度上
昇に関わらず一定の立ち上がり特性で勾配磁場コイルを
駆動することが可能な勾配磁場発生方法を実現すること
である。
【0015】また、本発明の第3の目的は、スキャン開
始以前にスキャン実行中の勾配磁場コイル温度を予想し
て最適なシーケンスパラメータを設定することが可能な
MRI装置を実現することである。
【0016】また、本発明の第4の目的は、シーケンス
パラメータを変えることなく、勾配磁場コイルの温度上
昇に関わらず一定の立ち上がり特性で勾配磁場コイルを
駆動することが可能なMRI装置を実現することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決する第
1の手段は、勾配磁場コイルの温度を検出し、設定され
たスキャンテクニック及び検出された勾配磁場コイルの
温度を参照してスキャン終了時の勾配磁場コイルの温度
を予想し、予想されたスキャン終了時の勾配磁場コイル
の温度を参照して、勾配磁場コイルの立ち上がり特性を
求め、求められた立ち上がり特性を参照してシーケンス
パラメータを最適化し、最適化されたシーケンスパラメ
ータに従って勾配磁場コイルに電力を供給する勾配磁場
発生方法である。
【0018】前記の課題を解決する第2の手段は、設定
されたスキャンテクニック,勾配磁場コイルの特性を参
照してシーケンスパラメータを決定し、シーケンスパラ
メータに従ってスキャンを実行し、スキャン実行中の勾
配磁場コイルの温度を検出し、検出されたスキャン実行
時の勾配磁場コイルの温度から勾配磁場コイルの抵抗値
を求め、この抵抗値を参照して温度上昇前の勾配磁場コ
イルの立ち上がり特性を実現するように勾配磁場コイル
に供給する電圧を調整し、前記シーケンスパラメータ及
び調整された電圧に従って勾配磁場コイルに電力を供給
することを特徴とする勾配磁場発生方法である。
【0019】前記の課題を解決する第3の手段は、高周
波回転磁場を与えられて励起された原子核から放出され
るRFエネルギーを検出するMRI装置において、勾配
磁場コイルの温度を検出する温度検出部と、MRIのス
キャンためのスキャンテクニックが設定されるスキャン
テクニック設定部と、スキャンテクニック設定部により
設定されたスキャンテクニック及び温度検出部で検出さ
れた勾配磁場コイルの温度を参照してスキャン終了時の
勾配磁場コイルの温度を予想する温度予想部と、この温
度予想部により予想されたスキャン終了時の勾配磁場コ
イルの温度を参照して、勾配磁場コイルの立ち上がり特
性を求め、この立ち上がり特性を参照してシーケンスパ
ラメータを最適化するシーケンスパラメータ算出部と、
シーケンスパラメータ算出部により最適化されたシーケ
ンスパラメータに従って勾配磁場コイルに電力を供給す
る勾配磁場電源と、を備えたMRI装置である。
【0020】前記の課題を解決する第4の手段は、高周
波回転磁場を与えられて励起された原子核から放出され
るRFエネルギーを検出するMRI装置において、勾配
磁場コイルの温度を検出する温度検出部と、MRIのス
キャンためのスキャンテクニックが設定されるスキャン
テクニック設定部と、スキャンテクニック設定部により
設定されたスキャンテクニック,勾配磁場コイルの特性
を参照してシーケンスパラメータを決定するスキャンコ
ントローラと、検出されたスキャン実行時の勾配磁場コ
イルの温度から勾配磁場コイルの抵抗値を求め、この抵
抗値を参照して温度上昇前の勾配磁場コイルの立ち上が
り特性を実現するように勾配磁場コイルに供給する電圧
を調整し、前記シーケンスパラメータ及び調整された電
圧に従って勾配磁場コイルに電力を供給する勾配磁場電
源とを備えたことを特徴とするMRI装置である。
【0021】
【作用】課題を解決する第1の手段である勾配磁場発生
方法において、設定されたスキャンテクニックにより勾
配磁場コイルの温度上昇が予想され、測定された勾配磁
場コイルのスキャン開始前の温度と予想された温度上昇
とにより、スキャン終了時の勾配磁場コイルの温度がス
キャン開始前に予想される。この予想温度に従って最適
なシーケンスパラメータが決定され、このシーケンスパ
ラメータに従って勾配磁場コイルが駆動される。
【0022】課題を解決する第2の手段である勾配磁場
発生方法において、設定されたスキャンテクニックによ
りスキャンが実行され、スキャン実行中の勾配磁場コイ
ルの温度が所定のタイミングで検出され、この温度に従
ってシーケンスパラメータの中の最適な電圧が調整さ
れ、このシーケンスパラメータと調整された電圧とに従
って勾配磁場コイルが駆動される。
【0023】課題を解決する第3の手段であるMRI装
置において、設定されたスキャンテクニックにより勾配
磁場コイルの温度上昇が予想され、測定された勾配磁場
コイルのスキャン開始前の温度と予想された温度上昇と
により、スキャン中の勾配磁場コイルの温度がスキャン
開始前に予想される。この予想温度に従って最適なシー
ケンスパラメータが決定され、このシーケンスパラメー
タに従って勾配磁場コイルが駆動される。
【0024】課題を解決する第4の手段であるMRI装
置において、設定されたスキャンテクニックによりスキ
ャンが実行され、スキャン実行中の勾配磁場コイルの温
度が所定のタイミングで検出され、この温度に従ってシ
ーケンスパラメータの中の最適な電圧が調整され、この
シーケンスパラメータと調整された電圧とに従って勾配
磁場コイルが駆動される。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は本発明の一実施例のMRI装置の主
要部の概略構成を示す構成図であり、図2はMRI装置
の全体の概略構成を示す構成図である。
【0026】まず、図2を用いてMRI装置の全体構成
を説明する。マグネットアセンブリ1は内部に被検体を
収容するため空間部分(孔)を有し、この空間部分を取
り巻くようにして、被検体に一定の静磁場を印加するマ
グネットと勾配磁場を発生する勾配磁場コイル(勾配磁
場コイルはx,y,zの3軸のコイルを備えている。)
と被検体内の原子核のスピンを励起するためのRFパル
ス送信コイルと被検体からのNMR信号を検出する受信
コイル(ボディコイル等)が配置されている。
【0027】勾配磁場コイル,RF送信コイル及び受信
コイルは、それぞれ勾配磁場電源30,RF電力増幅器
2及び前置増幅器3に接続されている。スキャンコント
ローラ20は計算機7からの指令に従って任意のビュー
で、ゲート変調回路5を操作(所定のタイミングでRF
発振回路6のRF出力信号を変調)し、RFパルス信号
をRF電力増幅器2からRF送信コイルに印加する。ま
た、スキャンコントローラ20はオペレータコンソール
10から与えられたパルスシーケンスに基づくシーケン
ス信号によって勾配磁場電源30を操作して、x,y,
zの3軸にそれぞれ勾配磁場を供給する。
【0028】位相検波器7はRF発振回路6の出力を参
照信号として、前置増幅器3の受信信号出力を位相検波
するものである。この位相検波器7の出力信号はAD変
換器8においてディジタル信号に変換され、計算機4に
入力される。計算機4で処理された結果は表示装置13
に画像表示される。
【0029】次に図1を用いて本実施例の特徴部分を中
心に説明する。図1において、オペレータコンソール1
0は各種の指示入力や表示が行なわれるもので、指示入
力部や画像表示部を有しており、指示入力部ではスキャ
ンに際しての各種パラメータ(スキャンテクニック)の
設定が行なわれる。
【0030】スキャンコントローラ20はオペレータコ
ンソール10からのスキャンテクニックを受けて、後述
する勾配磁場電源を駆動するためのシーケンスパラメー
タ(パルスシーケンスを実行する際の勾配磁場やRFパ
ルスを生成するための各種パラメータ若しくはデータ)
を生成するものであり、勾配磁場コイルの現時点での温
度並びにスキャンテクニックを参照してスキャン終了時
の勾配磁場コイルの温度Te を予想する予想部21,予
想部21で予想された温度Te を参照して勾配磁場コイ
ルの立ち上がり特性dB/dtを算出する立ち上がり算
出部22,スキャンテクニック及び立ち上がりdB/d
tを参照してシーケンスパラメータを算出するシーケン
スパラメータ算出部23とを有している。
【0031】勾配磁場電源30はスキャンコントローラ
20からシーケンスパラメータを受けて勾配磁場コイル
駆動用の電圧,電流を発生する電源である。勾配磁場コ
イル40はNMR信号に空間的情報を付加するための微
小な勾配磁場を発生させるためのコイルである。温度検
出部41はシーケンスパラメータ算出の段階での勾配磁
場コイル40の温度を検出するための温度センサであ
り、検出結果を温度予想部21に供給している。
【0032】このように構成したMRI装置の動作(勾
配磁場発生動作)並びに勾配磁場発生方法について図3
のフローチャートをも参照して説明する。スキャン開始
に際して、オペレータコンソール10に設置された指示
入力部(またはスキャンテクニック設定部11)を介し
て各種スキャンテクニックが入力される(図3ステップ
)。このスキャンテクニックとしては、パルスシーケ
ンスの種別を始め、各種の設定値がある。例えば、繰り
返し周期,エコー時間,エコー数,マトリクス数,イメ
ージング範囲、スライス厚等のデータ(数値)である。
【0033】このようにしてスキャンテクニックが入力
されると、スキャンの開始前にスキャンコントローラ2
0内の温度予想部21は以下の動作を行う。温度予想部
21は温度検出部41からの測定データから温度T0 を
取り込む(図3ステップ)。尚、温度検出部41の勾
配磁場コイル40の温度検出は、温度センサによる直接
的な温度測定の場合と、後述するような所定の電流を流
すことによる間接的な温度測定の場合とが考えられる。
【0034】また、スキャンテクニックが入力される
と、温度予想部21がスキャンテクニックを参照して発
熱量Q,発熱量Qによる温度上昇ΔT,温度T0 からス
キャン終了時の勾配磁場コイル40の温度Te を予想す
る(図3ステップ)。
【0035】そして、温度Te からスキャン終了時の勾
配磁場コイルの抵抗Re を計算により予想する(図3ス
テップ)。このスキャン終了時の勾配磁場コイルの抵
抗Re を用いて、立ち上がり算出部22が勾配磁場コイ
ルの立ち上がりdB/dtを求める(図3ステップ
)。この立ち上がり特性は、dB/dt=A・(1/
L)(V−Re i)…(1)と表すことができ、勾配磁
場コイルの特性やスキャンテクニックより求められる。
ここで、勾配磁場コイルの特性には以下のA,L,Re
が含まれ、スキャンテクニックには以下のV,iが含ま
れる。
【0036】A :コイル効率[mT/m/A] L :勾配磁場コイルのインダクタンス[H] Re :勾配磁場コイルの抵抗[Ω] V :電源の出力電圧[V] i :電源の出力電流[A] である。
【0037】このようにして求めた立ち上がり特性dB
/dtを参考にして、シーケンスパラメータの最適化を
行う(図3ステップ)。例えば、通常のようにスキャ
ンテクニックによりシーケンスパラメータを求めた後
に、このシーケンスパラメータの中の立ち上がり特性が
dB/dtとなるようにシーケンスパラメータの各値を
修正するようにして最適化を行う。
【0038】そして、このようにして最適化されたシー
ケンスパラメータに従って勾配磁場電源30が勾配磁場
コイル40に勾配磁場電流を供給して勾配磁場を発生す
る(図3ステップ)。
【0039】以上のような手順で勾配磁場を発生するこ
とで、従来の場合のように最悪の条件でシーケンスパラ
メータを決定する必要がなくなり、スキャン終了時の勾
配磁場コイルの温度に応じて立ち上がり特性を向上させ
ることが可能になり、最短のスキャン時間でスキャンを
実行出来るようになる。
【0040】図4は温度検出部41の動作を説明するた
めの説明図である。勾配磁場コイル40はL成分とR成
分とを有しているため、図7の回路で表すことができ
る。ここで、この勾配磁場コイル40に電流iを流した
ときに、その両端に発生する電圧vはv=Ri+L・d
i/dt…(2)と表すことができる。
【0041】従って、ある電圧V0 を印加したときの電
流i(t)の挙動を観察することで、(2)式の微分方
程式を解くことが可能になる。一定の定常な直流電流を
流した場合には、インダクタンスを無視することがで
き、(2)式はv=Riとなる。これより抵抗Rを知る
ことができる。
【0042】また、一般に導体中の抵抗値Rはほぼ温度
の一次関数になり、0°Cのときの抵抗値をR0 ,温度
をτ,抵抗の温度係数をρとすると、R=R+ρτと近
似できる。これにより、勾配磁場コイル40の抵抗を知
ることで、勾配磁場コイル40の温度を測定することが
できる。
【0043】すなわち、この勾配磁場コイル40にある
一定の定常な直流電流を流すことで抵抗Rが求められ、
この抵抗Rより勾配磁場コイル40の温度を求めること
ができる。従って、オペレータコンソール10から制御
により勾配磁場コイル40の温度を測定することができ
る。このようにすると、温度センサの設置によって勾配
磁場を乱す恐れがなくなる。また、勾配磁場コイル40
に取り付けた温度センサが大電力の高周波にさらされる
ことがなくなる。また、既に存在する電源や検出回路を
そのまま使用することができ、部品点数をむやみに増加
させることもない等の利点がある。尚、必要に応じて、
温度センサを用いることも可能である。
【0044】図5は本発明の他の実施例の動作説明のた
めの説明図である。ここでは、複数のスキャンを一連の
動作として行う場合の勾配磁場コイル40の温度を示し
ている。ここではスキャンテクニック設定部11は複数
のスキャンを一連の動作として設定できるものであり、
温度予想部12は一連の動作のそれぞれの時点の温度予
想を行うようになっている。
【0045】スキャンテクニックの設定により、複数の
スキャンが一連の動作として指示された場合には、温度
予想部12は一連のスキャンのそれぞれの時点における
勾配磁場コイル40の温度上昇を予想する。実際にはス
キャン休止時間に応じて勾配磁場コイル40の温度が低
下するので、これも考慮して温度Te を予想する。
【0046】従って、この場合は、各スキャンで立ち上
がり特性を求めて、各スキャンで最短の時間になるよう
にシーケンスパラメータを算出するようにする。尚、以
上の各実施例において、立ち上がり特性を毎回正確に求
めることをせずに、複数のdB/dtを予め用意してお
いて、スキャンテクニックや勾配磁場コイルのスキャン
終了時の温度Te によって選択することも可能である。
このような選択はルックアップテーブル等により実現す
ることが出来、計算量の減少による高速化が期待出来
る。高速化を重視するのであれば、2つの立ち上がり特
性を用意しておいて切り替えるようにすれば良い。ま
た、高速化と精度とのバランスをとる場合には、更に多
くの立ち上がり特性を用意しておくことが考えられる。
【0047】図6は本発明のMRI装置の他の実施例の
構成を示す構成図であり、図7は図6の特徴部分の詳細
な構成を示す構成図である。また、図8は同様に本発明
の勾配磁場発生方法の他の実施例の処理手順を示すフロ
ーチャートである。
【0048】図6においては既に図1で説明したものと
同一部分には同一番号を付して、再度の説明は省略す
る。ここでは勾配磁場電源31が温度検出部41からの
温度Te を受けて可変の電圧を発生することを特徴とし
ている。
【0049】スキャン開始に際して、オペレータコンソ
ール10に設置された指示入力部を介して各種スキャン
テクニックが入力される(図8ステップ)。スキャン
テクニックが入力されると、スキャンコントローラ20
はシーケンスパラメータを求める。このシーケンスパラ
メータを求める際に、この実施例では勾配磁場コイル4
0のスキャン終了時の温度(温度上昇)に関係なくシー
ケンスパラメータの設定を行う。そして、このシーケン
スパラメータに従ってスキャンを実行する(図8ステッ
プ)。
【0050】このスキャンの開始と共に所定のタイミン
グで温度検出部41が勾配磁場コイル40の温度を検出
する(図3ステップ)。この検出は上述の各種検出方
法が用いられる。
【0051】そして、温度検出部41の検出結果(図8
ステップ)を受けた勾配磁場電源31内の増大抵抗検
出部31bが温度上昇に応じた抵抗増大分ΔRを検出す
る(図8ステップ)。
【0052】ここでは、温度上昇が発生していなけれ
ば、可変電圧源31cは動作せず、シーケンスパラメー
タによって所定の電圧を発生する定電圧源31aのみが
動作している。
【0053】温度上昇が発生していれば、可変電圧源3
1cが抵抗増大分ΔRに応じた電圧ΔVを算出し(図8
ステップ)、補償電圧ΔVを発生する(図8ステップ
)。これら定電圧源31aと可変電圧源31cとは直
列に接続されているので、勾配磁場電源31からは補償
電圧V+ΔVが出力されてスキャンが実行される(図8
ステップ→)。
【0054】尚、スキャン実行中の実際の勾配磁場コイ
ルの測定温度で補償電圧を発生するようにしたが、シー
ケンスパラメータから勾配磁場コイルの温度上昇を予想
して補償電圧を発生するようにすることも可能である。
【0055】例えば、L=1mA,R=1Ω,V=30
0V,i=100Aのパラメータの場合、上述の(1)
式より立ち上がり特性dB/dt=200[A/mse
c]となる。この場合に、勾配磁場コイル40の温度上
昇により抵抗Rが1.5Ωになると、今までの手法によ
れば立ち上がり特性dB/dtは上述の150[A/m
sec]に低下する。
【0056】このような場合に、可変電圧源31cが5
0Vの補償電圧を発生することで、立ち上がり特性dB
/dtは200[A/msec]となり、温度上昇が生
じる以前と同じ一定の状態を保つことが可能になる。
【0057】すなわち、温度上昇による抵抗Rの上昇に
応じて電圧を上昇させることで、立ち上がり特性の低下
を防止して常に一定の値とすることが可能になる。この
場合、スキャンコントローラ20は温度に関係なくシー
ケンスパラメータを算出し、勾配磁場電源31が可変の
電圧を発生することで実現される。このために、勾配磁
場電源31では定期的に勾配磁場コイル40の温度を監
視して適切な補償電圧を発生するように動作する。そし
て、シーケンスパラメータによって定電圧を発生すると
共に、温度上昇に応じた補償電圧を発生,加算すること
により、スキャンコントローラ側の負担が減少する。
【0058】この結果、シーケンスパラメータを算出す
るスキャンコントローラ20側で温度によってシーケン
スパラメータを変更する処理が不要になり、処理が軽減
される利点も有している。
【0059】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、設定された
スキャンテクニック及び検出された勾配磁場コイルの温
度を参照してスキャン終了時の勾配磁場コイルの温度を
予想し、予想されたスキャン終了時の勾配磁場コイルの
温度を参照して、勾配磁場コイルの立ち上がり特性を求
め、求められた立ち上がり特性を参照してシーケンスパ
ラメータを最適化する勾配磁場発生方法によれば、実際
の立ち上がり特性に応じて最短のスキャン時間が実現さ
れ、スキャン開始以前にスキャン実行中の勾配磁場コイ
ル温度を予想して最適なシーケンスパラメータを設定す
ることが可能になる。
【0060】また、設定されたスキャンテクニック,勾
配磁場コイルの特性を参照してシーケンスパラメータを
決定し、シーケンスパラメータに従ってスキャンを実行
し、スキャン実行中の勾配磁場コイルの温度を検出し、
検出されたスキャン実行時の勾配磁場コイルの温度から
勾配磁場コイルの抵抗値を求め、この抵抗値を参照して
温度上昇前の勾配磁場コイルの立ち上がり特性を実現す
るように勾配磁場コイルに供給する電圧を調整し、前記
シーケンスパラメータ及び調整された電圧に従って勾配
磁場コイルに電力を供給する勾配磁場発生方法によれ
ば、勾配磁場コイルの温度上昇に応じた補償電圧を発
生,加算することにより、スキャンコントローラ側の負
担が減少するようになり、シーケンスパラメータを変え
ることなく、勾配磁場コイルの温度上昇に関わらず一定
の立ち上がり特性で勾配磁場コイルを駆動することが可
能になる。
【0061】また、設定されたスキャンテクニック及び
検出された勾配磁場コイルの温度を参照してスキャン終
了時の勾配磁場コイルの温度を予想し、予想されたスキ
ャン終了時の勾配磁場コイルの温度を参照して、勾配磁
場コイルの立ち上がり特性を求め、求められた立ち上が
り特性を参照してシーケンスパラメータを最適化するM
RI装置によっても、実際の立ち上がり特性に応じて最
短のスキャンが実現され、スキャン開始以前にスキャン
実行中の勾配磁場コイル温度を予想して最適なシーケン
スパラメータを設定することが可能になる。
【0062】そして、高周波回転磁場を与えられて励起
された原子核から放出されるRFエネルギーを検出する
MRI装置において、勾配磁場コイルの温度を検出する
温度検出部と、MRIのスキャンためのスキャンテクニ
ックが設定されるスキャンテクニック設定部と、スキャ
ンテクニック設定部により設定されたスキャンテクニッ
ク,勾配磁場コイルの特性を参照してシーケンスパラメ
ータを決定するスキャンコントローラと、検出されたス
キャン実行時の勾配磁場コイルの温度から勾配磁場コイ
ルの抵抗値を求め、この抵抗値を参照して温度上昇前の
勾配磁場コイルの立ち上がり特性を実現するように勾配
磁場コイルに供給する電圧を調整し、前記シーケンスパ
ラメータ及び調整された電圧に従って勾配磁場コイルに
電力を供給する勾配磁場電源とを備えたことを特徴とす
るMRI装置によれば、勾配磁場コイルの温度上昇に応
じた補償電圧を発生,加算することにより、スキャンコ
ントローラ側の負担が減少するようになり、シーケンス
パラメータを変えることなく、勾配磁場コイルの温度上
昇に関わらず一定の立ち上がり特性で勾配磁場コイルを
駆動することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の主要部の構成を示す構成図
である。
【図2】本発明の一実施例のMRI装置の全体構成を示
す構成図である。
【図3】本発明の一実施例の動作を示すフローチャート
である。
【図4】本発明の一実施例の温度測定の構成を示す構成
図である。
【図5】本発明の一実施例での動作を示すタイムチャー
トである。
【図6】本発明の他の実施例の構成を示す構成図であ
る。
【図7】図6に示した実施例の構成の主要部の構成を示
す構成図である。
【図8】図6に示した実施例の動作を示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
10 オペレータコンソール 11 スキャンテクニック設定部 20 スキャンコントローラ 21 温度予想部 22 立ち上がり算出部 23 シーケンスパラメータ算出部 30 勾配磁場電源 40 勾配磁場コイル 41 温度検出部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 24/06 510 Y 9307−2G G01R 33/22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 勾配磁場コイルの温度を検出し、 設定されたスキャンテクニック及び検出された勾配磁場
    コイルの温度を参照してスキャン終了時の勾配磁場コイ
    ルの温度を予想し、 予想されたスキャン終了時の勾配磁場コイルの温度を参
    照して、勾配磁場コイルの立ち上がり特性を求め、 求められた立ち上がり特性を参照してシーケンスパラメ
    ータを最適化し、 最適化されたシーケンスパラメータに従って勾配磁場コ
    イルに電力を供給することを特徴とする勾配磁場発生方
    法。
  2. 【請求項2】 設定されたスキャンテクニック,勾配磁
    場コイルの特性を参照してシーケンスパラメータを決定
    し、 シーケンスパラメータに従ってスキャンを実行し、 スキャン実行中の勾配磁場コイルの温度を検出し、 検出されたスキャン実行時の勾配磁場コイルの温度から
    勾配磁場コイルの抵抗値を求め、この抵抗値を参照して
    温度上昇前の勾配磁場コイルの立ち上がり特性を実現す
    るように勾配磁場コイルに供給する電圧を調整し、 前記シーケンスパラメータ及び調整された電圧に従って
    勾配磁場コイルに電力を供給することを特徴とする勾配
    磁場発生方法。
  3. 【請求項3】 高周波回転磁場を与えられて励起された
    原子核から放出されるRFエネルギーを検出するMRI
    装置において、 勾配磁場コイルの温度を検出する温度検出部と、 MRIのスキャンためのスキャンテクニックが設定され
    るスキャンテクニック設定部と、 スキャンテクニック設定部により設定されたスキャンテ
    クニック及び温度検出部で検出された勾配磁場コイルの
    温度を参照してスキャン終了時の勾配磁場コイルの温度
    を予想する温度予想部と、 この温度予想部により予想されたスキャン終了時の勾配
    磁場コイルの温度を参照して、勾配磁場コイルの立ち上
    がり特性を求め、この立ち上がり特性を参照してシーケ
    ンスパラメータを最適化するシーケンスパラメータ算出
    部と、 シーケンスパラメータ算出部により最適化されたシーケ
    ンスパラメータに従って勾配磁場コイルに電力を供給す
    る勾配磁場電源と、 を備えたことを特徴とするMRI装置。
  4. 【請求項4】 高周波回転磁場を与えられて励起された
    原子核から放出されるRFエネルギーを検出するMRI
    装置において、 勾配磁場コイルの温度を検出する温度検出部と、 MRIのスキャンためのスキャンテクニックが設定され
    るスキャンテクニック設定部と、 スキャンテクニック設定部により設定されたスキャンテ
    クニック,勾配磁場コイルの特性を参照してシーケンス
    パラメータを決定するスキャンコントローラと、 検出されたスキャン実行時の勾配磁場コイルの温度から
    勾配磁場コイルの抵抗値を求め、この抵抗値を参照して
    温度上昇前の勾配磁場コイルの立ち上がり特性を実現す
    るように勾配磁場コイルに供給する電圧を調整し、前記
    シーケンスパラメータ及び調整された電圧に従って勾配
    磁場コイルに電力を供給する勾配磁場電源とを備えたこ
    とを特徴とするMRI装置。
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