JP6147450B1 - 磁気共鳴イメージング装置、および、その作動方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置、および、その作動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のチャンネルを持つRFアンテナについて、精度よくSARマネジメントを行う。【解決手段】高周波アンテナは、複数のチャンネルを含む。Q値算出部213は、高周波アンテナの複数のチャンネルに同時に電気信号である送信信号を供給した場合の、高周波アンテナの複数のチャンネルそれぞれの反射信号を、複数のチャンネルのうち1つのチャンネルに供給した送信信号が他のチャンネルから反射される信号も含めて求め、反射信号を用いて高周波アンテナのQ値を求める。SAR算出部215は、このQ値を用いて比吸収率(SAR)を算出する。【選択図】図3

Description

本発明は、磁気共鳴イメージング装置に関し、特に、高周波電波による人体への影響を示す指標である比吸収率SAR(Specific Absorption Rate)を制御する技術に関する。
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging)装置(以下、「MRI装置」という)では、静磁場マグネットが発生する均一な静磁場中に配置された被検体に電磁波である高周波パルス(以下「RFパルス」という)を照射し、被検体内の核スピンを励起すると共に、核スピンが発生する電磁波であるNMR信号を受信して信号処理することにより、被検体の画像を取得する。
MRI装置では被検体にRFパルスを照射するため、RFパルスを照射された被検体が、RFパルスの加温作用によって温度上昇を生じたり、やけどをしたりしないように制御する必要がある。高周波(ラジオ波)の人体における比吸収率であるSARについては、IEC(国際電気標準)等の安全規格が設けられており、MRI装置においては、この規格に従って、SARを厳密かつ正確に管理すること(SARマネジメント)が行われる。通常、3テスラ以上の静磁場を生じさせるMRI装置では、RFパルスの照射パワーをSARモニタによってリアルタイムでモニタし、SARマネジメントを行っている。
MRI装置において、RFパルスの照射とNMR信号の受信は、ラジオ周波数の電磁波を送信あるいは受信するRFアンテナもしくはRFコイルと呼ばれるアンテナ装置(以下、「RFアンテナ」という。)によって行なわれる。このRFパルスを照射させるために、RFアンテナに入力される送信信号のパワーPinputは、以下の式(1)のように、RFアンテナで消費されてRFアンテナの発熱を引き起こすアンテナ消費パワーPantennaと、被検体で消費されて被検体の発熱を引き起こす被検体消費パワーPobjectとの和で表される。
Figure 0006147450
そのため、正確なSARマネジメントを行うためには、正確な被検体消費パワーPobjectの把握が必要である。式(1)の被検体消費パワーPobjectは、例えば、RFアンテナの共振のQ値を用いて算出することができる。具体的には、RFアンテナ内部に被検体(患者)が入っていない状態でのQ値(Qempty)と、入っている状態のQ値(Qloaded)とを測定により取得し、これらの値を用いて、以下の式(2)により被検体消費パワーPobjectを算出できることが、非特許文献1等に開示されている。すなわち、式(2)においては、アンテナ消費パワーPantennaを、Pantenna=Qloaded/Qempty*Pinputにより求めている。
Figure 0006147450
Mansfield, P. et al., "NMR imaging in biomedicine". Academic Press, NY. 1982, p313
近年の送信用のRFアンテナは、複数のコイル(送信チャンネル(以下、単に「チャンネル」という))を組み合わせて構成され、チャンネル数は増大する傾向にある(例えば、2〜16チャンネル)。複数チャンネルのRFアンテナは、チャンネルごとの照射パワー(振幅)や位相を最適化することにより、照射するRFパルスの形成する照射磁場B1+の空間均一度を高めるRFシミングを行うことができる。
一方、SARマネジメントの観点において、複数のチャンネルを備えるRFアンテナの正確な被検体消費パワーPobjectを求めようとすると、チャンネルごとに、RFアンテナ内部に被検体(患者)が入っていない状態でのQ値(Qempty)と、入っている状態のQ値(Qloaded)とを測定してQ値を求め、チャンネルごとに上記式(1)及び式(2)によって被検体消費パワーPobjectを求め、それらを合算する必要がある。
さらに、2以上のチャンネルを持つRFアンテナのチャンネル間にカップリングが生じる場合には、チャンネルごとの被検体消費パワーPobjectの計算に、カップリングによる影響を加味する必要があり、上記式(1)および(2)のみでは、正しい被検体消費パワーPobjectを算出することができない。ここでいうチャンネル間のカップリングとは、チャンネル1から入射したパワーの一部がチャンネル2から逆行波となって戻ってくる、および/または、チャンネル2から入射したパワーの一部がチャンネル1から逆行波となって戻ってくることをいう。ここではチャンネル1から2へ散乱されるパワーをチャンネル2の逆行波と記述したが、アンテナ全体を1つのシステムと考えれば、反射ととらえることもできるので反射波と呼ぶ場合もある。
2以上のチャンネルを持つアンテナに、チャンネル間のカップリングが生じているかどうかは、実際にある単一のチャンネルから照射し、他のチャンネルの逆行波を計測することで判断できる。RFアンテナのチャンネル間にカップリングがない場合には、RFシミングにより最適化された各チャンネルに供給される送信信号(電気信号)の振幅と位相(以下、「RFシムパラメータ」と呼ぶ)がどのような値であっても、上記QloadedとQemptyは変わらないため、ある単一チャンネルに照射されたパワーは、そのチャンネルに生じる逆行波以外の他のチャンネルの逆行波はゼロである。しかし、実際には2以上のチャンネルを持つアンテナの単一のチャンネルから照射したパワーは、他のチャンネルの逆行波として測定される。このことから、そのRFアンテナのチャンネル間にカップリングが存在することがわかる。一般的に、チャンネル間にカップリングがある場合、各アンテナのQ値はカップリングがない場合に比較して低下する。チャンネル間のカップリングの大きさは、RFアンテナとRFアンテナに対する被検体の位置関係によって変化するため、RFアンテナへの入射パワーPinputと、被検体での消費パワーPobjectとの関係を理論的に解き明かすことは難しく、正確にQ値を算出するは困難である。このため、従来、カップリングがあるアンテナでは、正確かつ迅速にSAR推定値を算出することが難しかった。
被検体消費パワーPobjectが実際よりも高く推定されると、つまり、SARの過剰見積もりが生じると、実際の人体に対して照射されたRFパルスが安全規定に定められる上限値に満たない照射パワーであるにもかかわらず、MRI装置が、照射パワーが上限値まで達したと見做してしまい、画像の取得に要する時間が長期化したり、取得する画像枚数が低減したり、充分な照射パワーのRFパルスを照射できずに画像を取得して画質が劣化する、等の問題が生じる。また逆に、被検体消費パワーPobjectを実際よりも低く推定されると、つまりSARの過少見積もりが生じると、被検体に制限値よりも大きなパワーのRFパルスを照射してしまう恐れがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、複数のチャンネルを持つRFアンテナについて、精度よくSARマネジメントを行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によれば、撮像空間に配置された被検体に高周波パルスを照射する高周波アンテナと、高周波アンテナのQ値を求めるQ値算出部と、Q値を用いて、高周波アンテナから高周波パルスを照射した場合の被検体における比吸収率の予測値を算出するSAR算出部とを有するMRI装置が提供される。ここで、高周波アンテナは、複数のチャンネルを含み、Q値算出部は、高周波アンテナの複数のチャンネルに同時に電気信号である送信信号を供給した場合の、高周波アンテナの複数のチャンネルそれぞれの反射信号を、複数のチャンネルのうち1つのチャンネルに供給した送信信号が他のチャンネルから回り込んで逆行波となる信号も含めて求め、反射信号を用いて高周波アンテナのQ値を求める。
本発明によれば、チャンネル間のカップリングの影響を加味したQ値を求めることができるため、複数のチャンネルを持つRFアンテナについて、精度よくSARマネジメントを行うことができる。
本発明の第1の実施形態のMRI装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のRF送信系のブロック図である。 本発明の第1の実施形態のデータ処理部の機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態のMRI装置の撮像時の各部の動作を示すフローチャートである。 RFアンテナに供給される送信信号(進行波)と反射信号(反射波)の振幅と位相の関係を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態のMRI装置の撮像時の各部の動作を示すフローチャートである。 LCR共振回路を2チャンネル模擬した共振回路モデルの説明図である。 本発明の第3の実施形態の散乱行列Sを求める動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態に係るMRI装置について図面を参照して説明する。
<<第1の実施形態>>
[MRI装置の全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係るMRI装置100の概略構成図である。MRI装置100は、被検体112が配置される撮像空間に静磁場を形成するマグネット101と、静磁場に所定の方向の磁場勾配を与える傾斜磁場コイル102と、高周波(以下RFと称す)信号を被検体112に送信するとともに被検体112から発生する核磁気共鳴信号(NMR信号)を受信するRFアンテナ103と、RFアンテナ103に供給する送信信号(RF信号)のパルス波形を生成してRFアンテナ103に送信するとともに、RFアンテナ103が受信したNMR信号に対し信号処理を行う送受信機104と、傾斜磁場コイル102に電流を供給する傾斜磁場電源109と、送受信機104及び傾斜磁場電源109の駆動を制御するとともに、種々の情報処理及びオペレータによる操作を受け付けるデータ処理部105と、データ処理部105の処理結果を表示するための表示装置108と、被検体112を載置するベッド111と、を備える。
傾斜磁場電源109と傾斜磁場コイル102とは傾斜磁場制御ケーブル107で接続される。また、RFアンテナ103と送受信機104とは、RFアンテナ103と送受信機104との間で信号を送受信する送受信ケーブル106で接続される。送受信機104は、シンセサイザ、パワーアンプ、受信ミキサ、アナログデジタルコンバータ、送受信切り替えスイッチ等(いずれも図示せず)を備える。
RFアンテナ103は、所定の周波数で共振し、2以上のチャンネルを有するマルチチャンネル送信のアンテナを用いる。RFアンテナ103の形状としては、複数チャンネルを含むものであれば、どのような形状であってもよく、例えば、複数のコイル(チャンネル)を一列に並べて配置したアンテナであってもよいし、バードケージ型のアンテナであってもよい。
また、RFアンテナ103は、RFパルスの照射のみならず、NMR信号の受信を行なう構成であってもよいし、送信用のRFアンテナ103の他に、受信専用のアンテナ323を備えていてもよい。例えば、広範囲撮影用のRFアンテナと局所用のRFアンテナとを組み合わせるなど、複数のアンテナから構成されるアンテナをRFアンテナ103として用いてもよい。
送信用のRFアンテナ103と受信専用アンテナ323を用いる場合、人体の各部位を詳細に撮影するために、送信には、体全体を覆う、傾斜磁場コイル内部に据付られた大きなRFアンテナを用い、受信には人体表面近くに設置した局所RFアンテナを用いてもより。また、送信と受信と両方を行う局所送受信RFアンテナを人体近くに局所的に設置してもよい。この場合の局所送受信RFアンテナを複数チャンネルで構成する。
MRI装置100は、マグネット101が形成する静磁場の方向によって、水平磁場方式と垂直磁場方式とに区別される。水平磁場方式の場合は、一般的に、マグネット101は円筒状のボア(中心空間)を有し、図1において左右方向の静磁場を発生し、トンネル型MRI装置と呼ばれる。一方、垂直磁場方式の場合は、一対の磁石が被検体112を挟んで上下に配置され、図1において上下方向の静磁場を発生する。
データ処理部105は、送受信機104及び傾斜磁場電源109を制御し、RFアンテナ103及び傾斜磁場コイル102から、静磁場中に配置された被検体112に対し、断続的にRFパルスを照射すると共に傾斜磁場を印加する。そのRFパルスに共鳴して被検体112から発せられるNMR信号は、RFアンテナ103において受信され、データ処理部105において信号処理され、画像が再構成される。被検体112は、例えば、人体の所定の部位である。さらに、データ処理部105は、RFアンテナ103の各チャンネルにおける反射特性やQ値を算出し、これに基づいてSARマネジメントを行う。データ処理部105における散乱行列やQ値の算出及びSARマネジメントについての詳細は後述する。
[RF送受信系の構成]
図2に、図1に示すMRI装置におけるRF送信系の構成の詳細を示す。図2に示すように、RF送信系は、送受信機104、送受信ケーブル106及び上述のRFアンテナ103を含んでいる。RFアンテナ103は、4チャンネル(チャンネル103−1〜103−4)である場合を例に説明する。
送受信機104は、パルス生成部201と、チャンネル103−1〜103−4ごとに配置された受信・検出部204とを備えている。受信・検出部204は、増幅器203と、カプラー321と、パワー測定器202と、受信増幅器322と、AD変換器(波形検出部)320と、RFスイッチ310,311、312とを備える。パルス生成部201は、RFアンテナ103から所望のRFパルスを照射させるためのパルス波形(送信RFパルス)を生成する。なお、送信RFパルスは、RFアンテナ103のチャンネル毎に生成される。送信RFパルスは、通常ピークパワーが数ミリワット以下の信号として作成され、増幅器203に入力される。増幅器203は、入力された送信RFパルスをピークパワーが数キロ〜数10キロワットのRF波に増幅し、送信信号として、送受信ケーブル106を介してRFアンテナ103に供給する。
送受信ケーブル106は、増幅器203、カプラー321およびRFスイッチ310を介して、パルス生成部201とRFアンテナ103との間を接続するRF同軸ケーブルである。増幅器203からRFアンテナ103の間は高耐圧のRF同軸ケーブルである必要がある。本実施形態では、パルス生成部201とRFアンテナ103とは、チャンネル毎に接続される。このため、送受信ケーブル106は、チャンネルと同数設けられる。図2に示す例では、RFアンテナ103が4チャンネルであるため、RFアンテナ103とパルス生成部201は、4本の送受信ケーブル106で接続される。
送受信ケーブル106を介して送信信号を供給されたRFアンテナ103の各チャンネル103−1〜103−4は、RFパルスを被検体112に対して照射する。また、送信信号の一部は、供給されたチャンネルおよび供給されたチャンネルとカップリングを生じている他のチャンネルからの回り込みの逆行波となって受信・検出部204側に戻る。
RFパルスを照射された被検体112は、NMR信号を発生する。NMR信号は、RFアンテナ103の各チャンネル103−1〜103−4および/または受信専用アンテナ323で受信される。
RFスイッチ310は、数十キロワットのハイパワーのRFに対応したRFスイッチであり、RF送受アンテナの送信と受信とを切り替えるスイッチである。RFアンテナで受信されたNMR信号は、RFスイッチ310により、送信信号から分離され、受信増幅器322に入力され、受信増幅器322において増幅される。増幅されたNMR信号は、AD変換器320に入力され、所定のサンプリング周期でサンプリングされることによりデジタル信号に変換され、AD変換器320からデータ処理部105に出力される。また、受信専用アンテナ323が配置されている場合には、被検体112の発生するNMR信号は、受信専用アンテナ323で受信され、AD変換器320でサンプリングされてデジタル信号に変換され、データ処理部105に出力される。データ処理部105は、受信信号を用いて画像再構成等を行う。
カプラー321は、増幅器203からRFアンテナ103の各チャンネルに向かう方向にカプラー321を通過する送信信号(進行波)と、RFアンテナ103の各チャンネルから増幅器203に戻る方向でカプラー321を通過する反射信号(反射波)にそれぞれ比例した、ごく僅かな(例えば10万分の1程度、−50dBに相当する)の進行波と反射波を取り出し、それぞれ所定の端子から出力する。カプラー321の取り出した進行波は、パワー測定器202に入力され、そのパワー(振幅)が測定される。カプラー321の取り出した反射波は、RFスイッチ311により、パワー測定器202に入力されるとともに、もう一つのRFスイッチ312を介して、AD変換器320にも入力される。これにより、カプラー321の取り出したい反射波は、パワー測定器202により、そのパワー(振幅)が測定され、AD変換器320によりサンプリングされることにより、その波形が検出される。パワー測定器202の測定結果およびAD変換器320の検出波形は、データ処理部105に出力される。AD変換器は、パワー測定器202よりもずっと短い検出時間間隔で信号処理するため、データ処理部105は、反射波の絶対値だけでなく、位相まで検出することができる。なお、RFスイッチ311,312は、ローパワーのRFスイッチである。
このように、カプラー321、パワー測定器202、AD変換器320は、チャンネル103−1〜103−4ごとに、その反射信号(反射波)を検出する検出部200を構成している。なお、AD変換器320は、反射信号の検出するだけでなく、NMR信号の受信信号の検出も行うが、反射信号とNMR信号は、発生するタイミングが異なり、NMR信号の発生のタイミング方が反射信号の発生のタイミングよりも遅いため、両者は重畳せず、AD変換器320により両方の波形を別々に検出することができる。
[データ処理部の構成]
データ処理部105は、図3に示すように、パルス生成部201に生成すべき送信信号の指示する波形データ供給部212と、RFコイル103のQ値を求めるQ値算出部213と、RFアンテナ103からRFパルスを照射した場合の被検体における比吸収率の予測値をQ値を用いて算出するSAR算出部215と、RFアンテナ103に供給される送信信号のパワーPinputを算出するパワー算出部216と、NMR信号の受信信号を処理して画像を再構成等する受信信号処理部217と、パラメータ等を格納する格納部219とを備えている。
本実施形態では、RFアンテナ103の複数のチャンネル103−1〜103−4に同時に送信信号を供給した場合の、複数のチャンネル103−1〜103−4からの反射信号を、チャンネル間のカップリングにより生じた回り込みの信号も含めて検出部200によって検出する。すなわち、複数のチャンネルのうち1つのチャンネルに供給した送信信号が他のチャンネルから回り込む(反射される)信号も含めて、各チャンネルからの反射信号を検出部200により検出する。Q値算出部213は、これら反射信号を用いてRFアンテナのQ値を求めることにより、チャンネル間のカップリング作用が反映されたQ値を得る。SAR算出部215は、このQ値を用いて、RFアンテナ103からRFパルスを照射した場合の被検体における比吸収率の予測値を算出する。よって、本実施形態のMRI装置では、複数のチャンネルを持つRFアンテナについて、チャンネル間のカップリング作用が加味された精度のよいSARを求めることができ、精度よくSARマネジメントを行うことができる。
本実施形態では、図3のように、Q値算出部213は、チャンネルごとの反射係数の集合である散乱行列を求める反射係数決定部214を備える構成とする。反射係数決定部214は、RFアンテナ103の複数のチャンネルのうちの一つのチャンネルに電気信号である送信信号を供給し、送信信号の高周波アンテナによる反射信号を複数のチャンネルごとにそれぞれ検出部200に検出させる。この動作を、複数のチャンネルについて繰り返した後、反射係数決定部214は、チャンネルごとの反射係数の集合である散乱行列を求める。この場合、Q値算出部213は、反射係数決定部214が求めた散乱行列を用いてQ値を求める。
具体的には、反射係数決定部214は、反射係数を、送信信号の供給を受けたチャンネルと、反射信号を出力したチャンネルとの組み合わせごとに求める構成とする。
さらに具体的には、反射係数決定部214は、被検体112が撮像空間に配置された状態の散乱行列を求め、Q値算出部213は、予め求めておいた被検体112を配置していない状態の散乱行列と、反射係数決定部214が求めた被検体112が配置された状態の散乱行列とを用いてQ値を求める構成とすることができる。
さらに具体的な手法としては、Q値算出部213は、散乱行列と、複数のチャンネルに対して同時に供給する送信信号をそれぞれ成分とするベクトルとを乗算して得られるベクトルの各成分を、送信信号をベクトルの各成分でそれぞれ除算することによって、チャンネルごとの反射信号を示す反射ベクトルを得る。Q値算出部213は、この反射ベクトルを用いてQ値を算出することができる。
このとき、検出部200は、反射信号の絶対値成分と位相成分を検出可能な構成であるため、反射係数決定部214は、反射信号の絶対値成分と位相成分を用いて、反射係数を複素数として求めることができる。
また、Q値算出部213は、RFシムパラメータ選択部218をさらに備えてもよい。RFシムパラメータ選択部218は、チャンネルごとに供給する送信信号を複数種類に変化させて、それぞれ反射ベクトルを得る。そして、RFシムパラメータ選択部218は、得られた複数の反射ベクトルを用いて、RFアンテナ103から照射されるRFパルスの磁場分布のばらつき(均一度)が所定値以下となる送信信号を、上記複数種類の送信信号の中から選択する。これにより、Q値算出部213は、RFシミングも実現できる。
以下、本実施形態のMRI装置を用いて撮像を行う際のデータ処理部105の各部の動作を図4のフローを用いて説明する。
まず、撮影前の例えば装置メンテナンス等のタイミングにおいて、被検体が撮像空間に配置されていない状態(無負荷状態)で、式(3)で表されるRFアンテナ103の散乱行列Sを、予め定めた3以上の異なる周波数fの送信信号について、それぞれ求める(S1201)。散乱行列Sの各要素Sijは、RFアンテナ103の各チャンネルの反射係数であり、最初の添え字iは、反射波が計測されるチャンネルの番号を示し、2番目の添え字jは、その反射を生じる送信信号が入力されたチャンネルの番号を示す。例えば、S21は、チャンネル1に入力された送信信号のうち、チャンネル2から反射波となって戻ってくる割合(反射係数)を示している。なお、式(3)はチャンネル数がMの場合のS行列を示している。以下の説明では、チャンネル数M=4の場合を例に説明する。また、4つのチャンネルを、それぞれチャンネル1〜4と呼ぶ。
Figure 0006147450
ステップS1201において、散乱行列Sを求めるために、反射係数決定部214は、波形データ供給部212に指示して、予め定めておいた所定の周波数の所定の強度の送信信号をパルス生成部201に生成させ、増幅器203で増幅させてチャンネル1のみに送信信号を供給する。送信信号のパワー(振幅)は、パワー測定器202によって測定する。送信信号の位相は、パルス生成部201が生成した送信信号の位相である。図5に送信信号(進行波)の波形301を示す。
照射アンテナのチャンネル1の入力インピーダンスが、送受信ケーブルのインピーダンスからずれていると、チャンネル1に供給された送信信号により、チャンネル1において反射信号(反射波)が生じる。また、チャンネル間のカップリングがある場合、他のチャンネル2〜4においても反射信号が生じる。各チャンネルの受信・検出部204の検出部200において、反射信号のパワー(振幅)と波形をそれぞれパワー測定器202とAD変換器320により計測する。反射係数決定部214は、AD変換器320の検出した、各チャンネル1〜4の反射波の波形から振幅と位相を求める。図5に示すように反射波の波形302は、振幅および位相が進行波の波形30とは異なっている。反射係数決定部214は、進行波と反射波の波形をそれぞれ振幅と位相を含む複素数で表し、その比(反射係数)を求める。反射波を測定した各チャンネルごとに求めた反射係数を、散乱行列Sの要素S11,S21,S31,S41とする。
反射係数決定部214は、上記送信信号の供給および反射信号の測定を、チャンネル2,3,4について順次行うことにより、4×4の散乱行列Sの各要素を求める。
反射係数決定部214は、送信信号の周波数を予め定めた3以上の周波数に変えて、散乱行列Sをそれぞれ求める。例えば、122.5MHzから0.2MHz置きに124.5MHzまで11点の周波数についてそれぞれ散乱行列Sを測定する。
反射係数決定部214は、測定した散乱行列Sを格納部219に格納する。
つぎに、データ処理部105は、被検体112と、必要に応じて受信専用アンテナ323を撮像空間にそれぞれ配置するよう操作者に促す表示を表示装置108に表示する(S1202)。
つぎに、データ処理部105は、公知のプリスキャンを実行し、RFアンテナ103が照射するRFパルスの照射周波数の決定、マグネット101の形成する静磁場B0のシミング、受信増幅器322の受信ゲインの決定、増幅器203の照射ゲインの決定、RFアンテナ103が照射するRFパルスの磁場B1の分布(B1マップ)の取得などを行う(S1203)。
つぎに、反射係数決定部214は、被検体112が撮像空間に配置された状態で、RFアンテナ103の散乱行列Sを測定する。RFアンテナ103のインピーダンスZは、RFアンテナ103の内部に配置される被検体112の大きさ、体組成などに大きく依存して変動する。大きな被検体112がRFアンテナ103内部に入ったり、被検体112がRFアンテナ103の導体近くに配置された場合、RFアンテナ103の負荷は大きくなり、インピーダンスZは変化する(下がる)。このため、被検体112が配置された状態で散乱行列Sを測定する。具体的には、被検体112が配置された状態の散乱行列の複素の対角項と非対角項を計測する(S1204)。測定方法は、ステップS1201と同様である。
RFシミングにより照射磁場の空間均一度を高めたRFパルスを照射するために、RFアンテナ103のチャンネル1〜4にそれぞれ供給される送信信号h、h、h、hは、「RFシムパラメータ」と呼ばれる。送信信号h、h、h、hは、振幅と位相を複素数で表したものである。格納部219には、被検体112の部位ごとに、選択する可能性のあるRFシムパラメータhのセットが格納されている。Q値算出部213は、現在、撮像空間に配置されている被検体112の部位に応じて、選択する可能性のあるRFシムパラメータhのセットを格納部219から読み出す(S1205)。
つぎに、Q値算出部213は、それぞれ3以上の周波数について、ステップS1201で求めた無負荷(被検体なし)の場合の散乱行列と、ステップS1206で求めた有負荷(被検体あり)の場合の散乱行列Sについて、式(4)により、RFシムパラメータhの振幅と位相を持つ送信信号をチャンネル1〜4に同時に供給した場合に生じるチャンネル1〜4で生じる反射係数Ssimul1、Ssimul2、Ssimul3、Ssimul4を要素とする反射ベクトルSsimulを求める(S1206)。
Figure 0006147450
Q値算出部213は、上述のように求めた、無負荷の場合と、有負荷の場合のそれぞれ3以上の周波数の反射係数Ssimul1、Ssimul2、Ssimul3、Ssimul4を式(5)のSとして代入し、チャンネル1〜4ごとにインピーダンスZを求める。なお、Zは、系の特性インピーダンスである。
Figure 0006147450
Q値算出部213は、式(5)により求めた、無負荷の場合と、有負荷の場合のそれぞれ3以上の周波数3についてのインピーダンスZを縦軸、周波数fを横軸としてプロットする。プロット結果から、そのチャンネルのインピーダンスZのピークを求め、その最大値|Z|maxとなるときに周波数f(|Z|max)と、ピーク幅δfをそれぞれ求め、式(6)から、有負荷の場合のQ値(Qloadedi)と無負荷の場合のQ値(Qemptyi)を算出する(S1206)。ピーク幅δfは、インピーダンスZが最大値|Z|maxの1/√2倍の位置でのピークの周波数幅である。
Figure 0006147450
SAR算出部215は、式(7)により、チャンネルごとに被検体消費パワーPobjectを算出し、被検体の体重で割ることによって、そのチャンネルの全身SARの予測値を算出する(ステップS1206)。
Figure 0006147450
empty_iは、無負荷の状態でのチャンネルiのQ値、Qloaded_iは、有負荷の状態のチャンネルiのQ値、Pinputiは、チャンネルiへの入射パワーである。ここでチャンネルiの入射パワーPinputiは、式(8)により求めることができる。ここで、Pfwdiは、チャンネルiの進行波パワーであり、Prefiは、反射波パワーであり、SAR算出部215は、パワー測定器202が測定した値を用いる。
Figure 0006147450
上記処理により、SAR算出部215は、全身SARの予測値を、ステップS1205で読み出したRFシムパラメータh毎に求める(S1206)。
RFシムパラメータ選択部218は、ステップS1206で求めたRFシムパラメータh毎の全身SARの予測値、および、ステップS1203で計測したRFパルスの磁場B1のマップ等から、RFパルスの磁場の分布の均一度が所定値以下で、全身SARの予測値が所定の範囲内の撮像に最適なRFシムパラメータhを選択する(S1207)。
データ処理部105は、ステップS1207で選択したRFシムパラメータhを用いて、被検体112の本撮像を実行する。すなわち、所定のパルスシーケンスにしたがったタイミングで、波形データ供給部212はパルス生成部201にパルス波形の生成を指示し、RFアンテナ103の各チャンネルにRFシムパラメータhに従った強度分布の送信信号を供給し、RFパルスを被検体112に照射させる。また、傾斜磁場電源109に指示して、所定のタイミングで傾斜磁場を被検体112に印加させる。被検体112が生じたNMR信号は、受信専用アンテナ323またはRFアンテナ103で受信し、AD変換器320によりサンプリングする。データ処理部105の受信信号処理部217は、AD変換器320の出力を処理して、画像を再構成する。このとき、パワー測定器202により、実際の進行波パワーと反射波パワーを測定する。
この本撮像において、パワー測定器202は、進行波パワーと反射波パワーを測定し、SAR算出部215は、本撮像における全身SARの値を公知の演算方法により算出する。そして、全身SARの値に応じて、RFパルスの強度を調整するSARマネジメントを公知の手法により行う(S1208)。
上述してきたように、本実施形態においては、反射係数SにRFシムパラメータhを乗算することにより、各チャンネルに同時に送信信号が供給された場合の各チャンネルの反射係数(反射ベクトル)を求め、これを用いてQ値を算出し、SARを算出している。これにより、チャンネル間のカップリングによる反射信号を加味して、反射係数を求めることができるため、カップリングが生じるRFアンテナのSARの予測値を精度よく算出できる。よって、精度よくSARマネジメントを行うことができる。
本実施形態において、データ処理部105は、CPUとメモリと記憶装置とを備える構成とし、データ処理部105が実現する各部(Q値算出部213、SAR算出部215)等の機能は、記憶装置に格納されたプログラムを、データ処理部105のCPUがメモリにロードして実行するソフトウエアにより実現することができる。また、データ処理部105の機能の全部または一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(field−programmable gate array)などのハードウェアによって実現してもよい。また、各機能の処理に用いる各種のデータ、処理中に生成される各種のデータは、記憶装置(格納部219)に格納される。
<<第2の実施形態>>
第2の実施形態は、RFの進行波と反射波の絶対値(振幅)の測定はできるが、位相は測定できない構成のMRI装置である場合について説明する。
第2の実施形態のMRI装置の検出部200は、第1の実施形態の図2の検出部200とほぼ同様であるが、カプラー321が検出した反射波がパワー測定器202にのみ入力され、AD変換器320には入力されない構成である。すなわち、第2の実施形態のMRI装置は、図2におけるカプラー321とAD変換器320を接続する配線230およびRFスイッチ311,312を備えていない。このため、第2の実施形態のMRI装置は、反射波の位相を検出することができない。そこで、本実施形態では、RFシムパラメータhの送信信号を実際にチャンネル1〜4に同時に供給し、チャンネル1〜4で生じる反射波を実測することにより、反射係数Ssimul1、Ssimul2、Ssimul3、Ssimul4を要素とする反射ベクトルSsimulを求める。
より具体的に説明すると、本実施形態では、反射係数決定部214は、反射信号の絶対値成分のみを用いて散乱行列Sを求める。Q値算出部213は、絶対値成分のみを用いて求めた散乱行列SからQ値を算出する。SAR算出部215は、このQ値を用いてSARの予測値を算出する。Q値算出部213は、SARの予測値が所定の範囲内となる送信信号のチャンネルごとの組み合わせ(RFシムパラメータ)を求めた後、求めたRFシムパラメータの送信信号を実際に各チャンネルに供給し、これにより検出部200が実際に検出したチャンネルごとの反射信号を用いて、再度、Q値を算出する。この再算出したQ値を用いて、本撮像のSARマネジメントを行う。
これにより、絶対値成分のみしか検出できない検出部200であっても、チャンネル間カップリングが加味された反射波行列を用いてQ値を求めることができる。また、このQ値を用いて選択したRFシムパラメータを用いて実際にRFパルスの照射を行い、その反射波を測定して、再度Q値を算出することにより、Q値の算出精度を高めることができる。よって、再算出したQ値を用いて本撮像のSARマネジメントを行うことにより、SARマネジメントの精度を向上させることができる。
以下、本実施形態のMRI装置を用いて撮像を行う際のデータ処理部105の各部の動作を図6のフローを用いて説明する。図6のフローにおいて、第1の実施形態の図4のフローと同様のステップについては、同じ符号を付している。
図6のフローにおいて、ステップS1211において、第1の実施形態の図4のフローのステップS1201と同様に、反射係数決定部214は、1チャンネルごとに送信信号を入力させ、すべてのチャンネルの反射波をパワー測定器202で計測させる。これにより、被検体が撮像空間に配置されていない状態の散乱行列Sを求める。ただし、本実施形態では、パワー測定器202は、進行波、反射波の振幅を計測できるが、位相を計測できない。よって、反射係数決定部214は、式(9)により、パワー測定器202が測定した反射波の振幅Prefi(freq)を進行波の振幅Pfwdi(freq)で除算した値の平方根を計算することにより、式(3)の散乱行列の各要素(対角項の絶対値及び非対角項の絶対値)を算出する。これを、送信信号の周波数を3以上に変えてそれぞれ散乱行列Sを求める。
Figure 0006147450
図6のステップS1202,1203は、第1の実施形態と同様に行う。
つぎに、第1の実施形態のステップS1204と同様に、反射係数決定部214は、被検体が撮像空間に配置されている有負荷の状態で散乱行列Sを求めるが、ステップS1211と同様に、散乱行列の各要素(対角項の絶対値及び非対角項の絶対値)を算出する(S1214)。
そして、患者の部位により、選択する可能性のあるRFシムパラメータhのセットを準備する(S1205)。
つぎに、Q値算出部213は、ステップS1211とS1214において、無負荷と有負荷で、それぞれ3周波数以上について得たS行列の対角項成分の絶対値|S11|、|S22|、|S33|、|S44|を後述する式(10)で表したLCR回路モデルにフィッティングして、|S11|、|S22|、|S33|、|S44|に対応するL,C,Rの値(回路要素の特定値)を求める。これにより、位相を求めることができる(S1216)。
Figure 0006147450
まず、反射ベクトル|S11|に対応するL、C、R値の算出方法について具体的に説明する。RFアンテナ103の各チャンネルは、その共振周波数付近の狭い周波数範囲で、単純なLCR(インダクタ、キャパシタ、抵抗)共振回路モデルで置き換えることができる。図7に、RFアンテナ103の2つのチャンネルの共振回路モデル700を示す。図7の共振回路モデル700は、2つのチャンネルにそれぞれ対応するLCR共振回路701,702を備えている。LCR共振回路701は、直列に接続されたインダクタ740と、キャパシタ720及び抵抗730によりループを形成している。キャパシタ720には、送信信号を供給する増幅器203に対応するRF周波数源710が並列に接続され、並列共振回路を構成している。同様に、LCR共振回路702もインダクタ741と、キャパシタ721及び抵抗731の3つの回路要素で構成されている。共振回路モデル700のうち、LCR共振回路701の反射係数Sは、インダクタ740のインダクタンスL、キャパシタ720の容量C、抵抗730の抵抗値Rと、周波数fを用いて式(10)で表される。Zは、系の特性インピーダンスである。すなわち、反射係数Sは、fの関数である。
Q値算出部213は、ステップS1223で求めた|S11|を上記式(10)の左辺Sとし、L、C、Rをパラメータとして最小二乗法フィッティングすることにより、実効的なL、C、Rの値を得る。フィッティングには、例えば、汎用の非線形最小二乗法フィッティングのアルゴリズムを使用する。すなわち、L、C、Rの値を、予め定めた初期値から、予め定めた変化量ずつ、予め定めた範囲で変化させ、最小二乗法により、最もフィットするL、C、Rの値の組を解として求める。このようにL,C,Rの組が決まったあと、求めたLCRの値を式(10)を代入すると、式(10)は複素数で位相を持つので、S11の位相を求めることができる。同様に、|S22|、|S33|、|S44|についてもそれぞれ位相を求める(S1216)。
つぎに、結果得られたL,C,Rの値から式(11)を用いて、有負荷の場合のQ値(Qloadedi)と無負荷の場合のQ値(Qemptyi)を算出する。SAR算出部215は、上述の式(7)により、チャンネルごとに被検体消費パワーPobjectを算出し、被検体の体重で割ることによって、そのチャンネルの全身SARの予測値を算出する(S1216)。
Figure 0006147450
なお、ωはLCR共振系の共振角速度であり、共振周波数fに対して、ω=2πfである。
RFシムパラメータ選択部218は、ステップS1216で求めたRFシムパラメータhごとの全身SARの予測値、および、ステップS1203で計測したRFパルスの磁場B1のマップ等から、最適なRFシムパラメータhを選択する(S1207)。
つぎに、第2の実施形態では、Q値算出部213は、波形データ供給部212に指示し、ステップS1207で選択されたRFシムパラメータhの振幅と位相を有する送信信号を、パルス生成部201から実際に各チャンネルに供給させ、RFパルスの同時照射を行わせる。そして、Q値算出部213は、各チャンネルの反射波の振幅をパワー測定器202から受け取る。これにより、RFシムパラメータhの振幅と位相を持つ送信信号をチャンネル1〜4に同時に供給した場合に生じるチャンネル1〜4で生じる反射係数Ssimul1、Ssimul2、Ssimul3、Ssimul4を要素とする反射ベクトルSsimulを、実測により求める。この同時照射と反射波の振幅測定は、ステップS1214で散乱行列Sを求めた周波数f毎に行う。そして、Q値算出部213は、測定した反射ベクトルSの絶対値を、上述の式(10)で表したLCR回路モデルにフィッティングして、L,C,Rの値(回路要素の特定値)を求める。その結果得られたL,C,Rの値から上記した式(11)を用いて、有負荷の場合のQ値(Qloadedi)を算出する(S1218)。このQ値(Qloadedi)は、実際に同時照射した反射ベクトルSを用いて求めたため、ステップS1216で求めたQ値よりも精度があがっている。
一方、Q値算出部213は、ステップS1211で求めた無負荷のS行列の絶対値|S|から、後述する第3の実施形態の方法を用いて無負荷の位相を含む複素数のS行列をあらかじめ求めておき、このS行列と、ステップS1207のRFシムパラメータhを式(4)に代入して、反射係数Ssimul1、Ssimul2、Ssimul3、Ssimul4を要素とする反射ベクトルSsimulを求め、この反射ベクトルをインピーダンスZへ変換し、Zの変化のピーク幅δf等を求め、式(6)により、無負荷の場合のQ値(Qemptyi)を算出する(S1218)。このQ値(Qemptyi)は、ステップS1216で求めたQ値よりも精度があがっている。
ステップS1207で選択されたRFシムパラメータhを用いて本撮像を行う。本撮像中は、SAR算出部215は、パワー測定器202が実測した進行波パワー、反射波パワー、ステップS1218で算出したQloadedi、emptyiから全身SARを計算し、全身SARを本撮像中は常時モニタする。これにより、スキャン時のSARマネジメントを行う(S1209)。
本実施形態において、上述した以外のMRI装置の構成等は、第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上の方法により、チャンネル間カップリングが加味された散乱行列SをRFシムパラメータの最適化計算に取り入れることができるため、最適化計算中での全身SARの予測精度が向上し、より正確なSARマネジメントとB1+の均一度の最適化が達成できる。
<<第3の実施形態>>
第3の実施形態は、第2の実施形態と同様に検出部200が絶対値のみしか検出できない構成であるが、計算により位相成分を算出することにより、複素数の反射係数を要素とする散乱行列Sを算出する。
以下、本実施形態の散乱行列Sの算出方法を図8のフローを用いて説明する。まず、被検体112とRFコイル103をMRI装置の撮像空間に配置する(ステップS1221)。
反射係数決定部214は、チャンネル1に送信信号を入力させ、すべてのチャンネルの反射波の振幅をパワー測定器202で計測させる(S1222)。これを、送信信号の周波数を複数に変えてそれぞれ行う。反射係数決定部214は、上述した式(9)により、パワー測定器202が測定した反射波の振幅Prefi(freq)を進行波の振幅Pfwdi(freq)で除算した値の平方根を計算することにより、式(3)の散乱行列の各要素|S11|、|S21|,|S31|,|S41|を算出する(S1223)。
チャンネル2〜4についてもステップS1222とS1223と同様に散乱行列の要素|Sij|を算出する(S1224)。
求めた散乱行列の要素のうち、対角項成分|S11|、|S22|、|S33|、|S44|を上述の式(10)で表したLCR回路モデルにフィッティングして、|S11|、|S22|、|S33|、|S44|に対応するL,C,Rの値(回路要素の特定値)を求める(S1225)。
このように、絶対値の散乱行列Sの対角項成分をそれぞれ回路モデルでフィッティングして、L、C、R値を求めることにより、その回路モデルの位相をそのチャンネルの位相情報として求めることができるため、実測の絶対値の散乱行列Sの対角項成分にそれぞれ付加することができる(S1225)。
散乱行列Sの非対角項成分の位相については以下のように求める。ここでは、複数チャンネルの2つのチャンネル間のカップリングを示す非対角項成分について考える。例えば、チャンネル1と2のカップリングを示す反射係数S21とS12を求める場合を考える。S21とS12に関しては、まだ絶対値しかわかっていない状況にある。RFコイル103は、通常、受動素子のみで構成されており、アンプなどの能動素子は入っていないので、S21=S12となる。従ってS12のみ求めればよい。
まず、チャンネル1とチャンネル2を同時に送信信号を供給して同時照射させ、チャンネル1とチャンネル2の反射波の絶対値を検出部200により測定する。このとき、チャンネル1に供給する送信信号hと、チャンネル2に供給する送信信号hとの位相差θを、複数種類に変えて、それぞれ反射波の絶対値を測定する。例えば、(h,h)=(1,exp(iθ))として、θ=0,0.2π,0.4π,0.6π,0.8πなどに設定し、送信信号の位相差を設定する。
2チャンネルを同時照射する場合、チャンネル1の実測される反射係数Sは、h,hの位相差θと、ステップS1223、1224で求めた|S11|と|S12|とを用いて、式(12)のように表される。αは、オフセット角度であり、S11に対するS12の位相差を示す。よって、実測した反射係数Sと、設定したθと、ステップS1223、1224で求めた|S11|と|S12|とを式(12)に代入することにより、S12の位相成分αを求めることができる(S1227)。このとき、θは、θ=0,0.2π,0.4π,0.6π,0.8πなどに設定されているため、θごとに位相成分αが算出されるが、算出された位相成分αの一つを選択して以下のステップに用いてもよいし、算出された複数の位相成分αの平均値や代表値等を算出して、以下のステップに用いてもよい。算出された複数の位相成分αから、以下のステップに用いる位相成分αを算出することにより、位相成分αの精度を高めることができる。
Figure 0006147450
同様に、散乱行列Sの他の要素S13,S14,S23,S24についても、位相成分を求める(S1228)。
以上の方法で反射波の絶対値のみ測定できて、位相は測定できないMRI装置であっても、位相情報を含む散乱行列Sを求めることができる。
本実施形態の図8のステップS1222〜1228の散乱行列Sの算出方法を、第1の実施形態のステップS1204の代わりに行うことにより、反射波の絶対値のみ測定できるMRI装置であっても、第1の実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
上述した第1及び第2の実施形態においては散乱行列SからQ値を算出する方法と、要素が複素数の散乱行列Sの対角成分をLCR回路モデルでフィッティングすることにより、L,C,Rの値を求め、L,C,R値からQ値を算出する方法を説明したが、算出方法は、第1及び第2の実施形態で述べた方法に限られず、種々の方法を用いることも可能である。
例えば、散乱行列Sを下式(13)でインピーダンスを要素とする行列Zに変換する。但し、Eは対角項が全て1の対角行列である。求めた、行列Zの対角項成分のそれぞれについて、上述の式(6)を使用してQ値を算出する。この式(13)は前述の式(5)の行列形である。
Figure 0006147450
つぎに、第1〜第3の実施形態におけるSARマネジメントをより具体的に説明する。SAR算出部215は、SARの予測と、実測による制御を行う。SARの予測には、第1〜第3の実施形態で述べたように、有負荷の散乱行列Sを用いる。また、プリスキャンにおいて、被検体の撮像部位において、水素スピンが90度倒れる基準パワーも計測しておく。
SAR算出部215は、プリスキャンで得られた水素スピンが90度倒れる基準パワーと、本撮影に用いられるRFシムパラメータhと,有負荷と無負荷の散乱行列Sあるいは反射ベクトルSsimulと、その後に続く撮影シーケンスのRFパルスの波形、強度、頻度から、SARを予測する。具体的には、上述の式(7)を用い、各チャンネルから被検体112に与えられるパワーである被検体消費パワーPobjectを計算し、すべてのチャンネルによって与えられる被検体消費パワーPobjectの合計の10秒平均、及び6分平均を、SARとして求める。全身SARはPobjectを被検体の体重で割ることによって計算する。そして、算出結果が、IEC(国際電気標準)などの安全規格、例えば体重1kgあたり3ワット以下などの基準に適合しているか否かを判別し、不適合である場合は、適合するように制御する。
つまり、SAR算出部215は、SARの予測値が、上記安全規格で定める条件に適合しない場合には、例えば、撮影中に休止期間を設けることにより、SARが規格で定める条件値を超えないよう、すなわち、安全規格に適合するよう制御する。又は、RFパルスの波形、強度、頻度を変更することにより、安全規格に適合するよう制御する。
パワー測定器202は、本撮影が始まってからも被検体に照射したRFパルスの実測を継続し、SAR算出部215は、予測した値と比較して測定器202によって実測した値が想定しているマージン以上に超えている場合には、安全に問題があると判定して警告を出したり、装置を緊急停止させたりする。
SARの予測と実測との違いは式(7)に於いて、Pinputとして使う値が異なる。予測では、90度倒れる基準パワーから、その後に続く撮影シーケンスのRFパルスの波形、強度、頻度からPinputを計算して予測するが、実測ではPinputを実際に実測する。
上述してきたように、本実施形態によれば、RFアンテナが複数チャンネルを有する場合であっても、MRI装置の既存のハードウェアで測定可能な値を用いて散乱行列を算出し、さらにRFシムパラメータで同時照射の反射ベクトルを使用してQ値を算出することで従来よりも正確な全身SARの推定ができる。すなわち、本実施形態によれば、装置コストを増大させず、SAR算出値の過剰評価を回避してより高精度にSARマネジメントを行うことができる。
従来のMRI撮影におけるSARマネジメントでは、チャンネル間のカップリングが影響するため、散乱行列Sの対角項のみからSARを簡便に見積もるとSARを過大に見積もりがちで、その結果として撮影時間が伸びる、画質が劣化する、撮影枚数が減るなどの不利益が生じてしまうという問題があった。また、正確に見積もるためには、患者の撮影部位ごとに、RFアンテナ103の全てのチャンネルの反射係数の測定、すなわち、進行波と反射波の振幅及び位相の測定が必要となり、そのためには、高価な測定器が必要であり、測定の時間もかかる。
これに対し、本実施形態によれば、このような従来技術による問題点を解決でき、MRI装置100に新たなハードウェアを追加することなく、患者の負担も増加させることなく、精度よく全身SARを得ることができ、この高精度な全身SARを用いて、正確なSARマネジメントが可能となる。
なお、上述した実施形態では、MRI装置においてSARマネジメントを行うことについて説明したが、MRI装置に限られず、数kHzから数GHzの周波数を持つ電磁波を使用し、その電磁波の送信パワーや送信パワーが人体に与えるSARをマネジメントする必要があるあらゆる機器に適用することができる。例えば、公知のTransmit SENSE技術や、その発展形であるスポーク励起の技術などにも適用可能である。RFシミングの方法では、1度のRF照射時に各照射チャンネルの位相と振幅がチャンネル毎に異なって設定されるが、RF波形は、各チャンネルにおいて同じであり、RF照射中にRFシムパラメータ“h”が変化しない。一方、Transmit SENSEの技術やスポーク励起の技術では、一度のRF照射波形が時間的に短冊状に分かれており、その短冊1つ1つに異なるRFシムパラメータ“h”が設定される。つまり1つのRF照射波形が、合計K個の時間に分割されている場合、K種類のRFシムパラメータが設定され、その分同時照射のSベクトルの計算回数、全身SARの計算回数が増える。しかしながら、SARの基本的な計算方法は、Transmit SENSEの技術やスポーク励起の技術も、RFシミングと変わることがないので、本発明の適用が可能である。
なお、本発明の実施形態は、上述した各実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加・変更等が可能である。
100:MRI装置、101:マグネット、102:傾斜磁場コイル、103:RFアンテナ、104:送受信機、105:データ処理部、106:送受信ケーブル、107:傾斜磁場制御ケーブル、108:表示装置、109:傾斜磁場電源、111:ベッド、112:被検体、201:パルス生成部、202:測定器、203:増幅器、212:供給部、213:Q値算出部、214:散乱行列決定部、215:SAR算出部、216:パワー算出部、301:進行波、302:反射波、700:共振回路モデル、701:LCR共振回路、702:LCR共振回路、710:RF周波数源、720:キャパシタ、730:抵抗、740:インダクタ、750:相互インダクタンス係数M

Claims (14)

  1. 撮像空間に配置された被検体に高周波パルスを照射する高周波アンテナと、
    前記高周波アンテナのQ値を求めるQ値算出部と、
    前記Q値を用いて、前記高周波アンテナから高周波パルスを照射した場合の前記被検体における比吸収率の予測値を算出するSAR算出部とを有し、
    前記高周波アンテナは、複数のチャンネルを含み、
    前記Q値算出部は、前記高周波アンテナの前記複数のチャンネルに同時に電気信号である送信信号を供給した場合の、前記高周波アンテナの前記複数のチャンネルそれぞれの反射信号を、前記複数のチャンネルのうち1つのチャンネルに供給した前記送信信号が他のチャンネルから反射される信号も含めて求め、前記反射信号を用いて前記高周波アンテナのQ値を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記チャンネルごとに前記反射信号を検出する検出部をさらに有し、
    前記Q値算出部は、前記高周波アンテナの複数のチャンネルのうちの一つのチャンネルに電気信号である送信信号を供給し、前記送信信号の前記高周波アンテナによる反射信号を前記複数のチャンネルごとにそれぞれ前記検出部に検出させる動作を、複数のチャンネルについて繰り返すことにより、前記チャンネルごとの反射係数の集合である散乱行列を求める反射係数決定部を備え、前記反射係数決定部が求めた前記散乱行列を用いて前記Q値を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記反射係数決定部は、前記反射係数を、前記送信信号の供給を受けたチャンネルと、前記反射信号の出力したチャンネルとの組み合わせごとに求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記反射係数決定部は、前記被検体が前記撮像空間に配置された状態の前記散乱行列を求め、
    前記Q値算出部は、予め求めておいた前記被検体を配置していない状態の前記散乱行列と、前記反射係数決定部が求めた前記被検体が配置された状態の前記散乱行列とを用いて前記Q値を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項4に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記Q値算出部は、前記散乱行列と、前記複数のチャンネルに対して同時に供給する前記送信信号をそれぞれ成分とするベクトルとを乗算して得られるベクトルの各成分を、前記送信信号をベクトルの各成分でそれぞれ除算することによって、前記チャンネルごとの反射信号を示す反射ベクトルを得て、当該反射ベクトルを用いて前記Q値を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記検出部は、前記反射信号の絶対値成分と位相成分を検出し、
    前記反射係数決定部は、前記反射信号の絶対値成分と位相成分を用いて、前記反射係数を複素数として求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項5に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記Q値算出部は、前記チャンネルごとの前記送信信号を複数種類に変化させて、それぞれ前記反射ベクトルを得て、当該複数の反射ベクトルを用いて、前記Q値を算出し、
    前記SAR算出部は、前記複数種類の送信信号ごとに、前記Q値を用いて前記比吸収率を算出し、
    前記Q値算出部は、前記比吸収率が所定の範囲内である前記送信信号の組み合わせを、本撮像用送信信号として選択することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 請求項7に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記Q値算出部は、前記比吸収率が所定の範囲内であるという条件に加えて、前記送信信号により照射される前記RFパルスの磁場分布の均一度が所定値以下であるという条件も加えて前記本撮像用送信信号を選択することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記検出部は、前記反射信号の絶対値成分のみを検出し、
    前記反射係数決定部は、前記反射信号の絶対値成分のみを用いて前記散乱行列を求め、
    前記Q値算出部は、前記絶対値成分のみを用いて求めた前記散乱行列から前記Q値を算出し、さらに、当該Q値を用いて前記SAR算出部が求めた比吸収率の予測値から、比吸収率の予測値が所定の範囲内となる前記送信信号の前記チャンネルごとの組み合わせを求めた後、求めた前記チャンネルごとの前記送信信号の組み合わせを実際に前記各チャンネルに供給し、これにより前記検出部が実際に検出した前記チャンネルごとの前記反射信号を用いて、再度、前記Q値を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  10. 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記検出部は、前記反射信号の絶対値成分のみを検出し、
    前記反射係数決定部は、絶対値成分のみを用いて前記散乱行列を求め、
    前記Q値算出部は、前記散乱行列の対角項成分の絶対値にフィッティングする回路モデルを求め、前記回路モデルの位相情報を求めることにより前記対角項成分の位相を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  11. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記Q値算出部は、前記フィッティングにより前記回路モデルの回路要素の特性値を求め、前記回路要素の特性値から前記位相情報を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  12. 請求項10に記載の磁気共鳴イメージングであって、
    前記Q値算出部は、前記複数のチャンネルのうち2つのチャンネルに、所定の位相差の送信信号を供給し、前記検出部が検出した前記送信信号の絶対値と、反射信号の絶対値から、前記散乱行列の非対角項成分を算出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  13. 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記RFアンテナの各チャンネルに接続され、前記送信信号を供給するケーブルと、前記高周波パルスを照射された前記被検体が発生するNMR信号を前記RFアンテナが受信して出力する受信信号をサンプリングして波形を検出する波形検出部とを有し、
    前記ケーブルと前記波形検出部との間には、前記ケーブルを流れる前記チャンネルからの前記反射信号の一部を前記波形検出部に入力する配線が配置され、前記波形検出部は、前記反射信号の波形も検出することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  14. 撮像空間に配置された被検体に高周波パルスを照射する、複数のチャンネルを含む高周波アンテナと、前記高周波アンテナのQ値を用いて、前記高周波アンテナから高周波パルスを照射した場合の前記被検体における比吸収率の予測値を算出するSAR算出部とを有する磁気共鳴イメージング装置の作動方法であって、
    前記高周波アンテナの前記複数のチャンネルに同時に電気信号である送信信号を供給した場合の、前記高周波アンテナの前記複数のチャンネルそれぞれの反射信号を、前記複数のチャンネルのうち1つのチャンネルに供給した前記送信信号が他のチャンネルから反射される信号も含めて求め、前記反射信号を用いて前記高周波アンテナのQ値を求めることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置の作動方法。
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