JPH0856671A - トマトの根こぶ線虫抵抗性の鑑別法 - Google Patents

トマトの根こぶ線虫抵抗性の鑑別法

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JPH0856671A
JPH0856671A JP6199612A JP19961294A JPH0856671A JP H0856671 A JPH0856671 A JP H0856671A JP 6199612 A JP6199612 A JP 6199612A JP 19961294 A JP19961294 A JP 19961294A JP H0856671 A JPH0856671 A JP H0856671A
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root
gene
knot nematode
tomato
aps
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JP6199612A
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English (en)
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Kengo Nakada
健吾 中田
Satoshi Harada
聰 原田
Hiroshi Tanaka
宥司 田中
Yukio Ishiguro
幸雄 石黒
Toru Ito
徹 伊藤
Masamichi Takagi
正道 高木
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Kagome Co Ltd
Original Assignee
Kagome Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 根こぶ線虫抵抗性形質を示さない産業上有用
な栽培種に、根こぶ線虫抵抗性を、簡便かつ効率的に付
与する。 【構成】 トマトの根こぶ線虫抵抗性の有無を、それが
保持する酸性ホスファターゼ−1遺伝子の遺伝子型によ
り識別する方法において、配列番号1に示す塩基配列を
有する根こぶ線虫感受性トマトの酸性ホスファターゼ−
+遺伝子(Aps−1+)領域又は配列番号2に示す塩
基配列を有する根こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホスファ
ターゼ−11遺伝子(Aps−11)領域のポリメラーゼ
・チェイン・リアクションによる増幅断片またはこの増
幅断片に制限酵素を作用させて得られる断片の長さによ
り、酸性ホスファターゼ−1遺伝子の遺伝子型を識別
し、これによってトマトの根こぶ線虫抵抗性の有無を鑑
別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トマトの根こぶ線虫抵
抗性の鑑別法及び根こぶ線虫抵抗性栽培種トマトの作出
法に関し、詳しくは根こぶ線虫抵抗性トマト、根こぶ線
虫感受性トマト及びこれらのヘテロ型交雑体を識別する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トマト(Lycopersicon)は、なす科(So
lanaceae)に属し、栽培種、リコペルシコン・エスクレ
ンタム(Lycopersicon esculentum Mill.)の他に、大
きく分けると8種の野生種、リコペルシコン・チースマ
ニー(L. cheesmanii)、リコペルシコン・チレンス
(L. chilense)、リコペルシコン・ペネルリー(L. pe
nnellii)、リコペルシコン・パルビフロールム(L. pa
rviflorum)、リコペルシコン・ヒルスタム(L. hirsut
um)、リコペルシコン・クミエルスキー(L. chmielews
kii)、リコペルシコン・ペルビアヌム(L. peruvianu
m)、リコペルシコン・ピンピネリフォリウム(L. pimp
inellifolium)が存在する。
【0003】また、トマトの原産地は、アンデス山岳地
帯とガラパゴス諸島といわれており、その緯度と標高差
による様々な環境の違いがトマトの属内において多様な
形質を生じさせ、その結果、豊富な遺伝資源を提供して
いる。特に、野生種においては、豊富な遺伝資源が存在
し、病害虫耐性、果実の品質、生理的ストレス耐性な
ど、多種多様な育種上重要な形質をこれら野生種に見出
すことができる。
【0004】病害虫耐性は、これらの遺伝資源の中で最
も注目されてきた資源の1つである。1940年以前で
は、すべての栽培種はすべての病害虫に対して感受性で
あったが、それ以降、栽培種にいくつかの病害虫耐性形
質が野生種から導入されている。付与された形質は、栽
培種の受精様式が一般に自家受粉であるので失われるこ
とはない。また、病害虫耐性形質は一般に優性形質であ
るので、圃場における表現型での選抜が可能である。し
かしながら、これらの病害虫耐性形質を野生種より栽培
種に導入し、実用品種に育種するためには何世代にもわ
たる戻し交雑を必要とし、育種家達の多大の労力と時間
がそこに費やされている。
【0005】根こぶ線虫は、寄主範囲が広い上、高い増
殖率と加害能力を持つため、土壌病虫として甚大な被害
を及ぼしている。さらに、発生は慢性的でいったん発生
した圃場からの根絶は極めて困難である。根こぶ線虫に
対しては、ハロゲン化炭化水素系の土壌薫蒸剤の施用が
効果的であるが、環境汚染の問題からこのような薬剤に
対する使用規制の機運が高まりつつあり、天敵利用、耕
作的防除とともに、抵抗性実用品種の育種、利用に期待
が寄せられている。
【0006】以上の理由により、根こぶ線虫抵抗性形質
を示さない産業上有用な栽培種に抵抗性を、簡便かつ効
率的に付与することは極めて重要な課題といえる。とこ
ろで、トマトにおける根こぶ線虫抵抗性形質は、194
0年代前半に、野生種リコペルシコン・ペルビアヌムに
おいて最初に見い出され、その後、この形質を栽培種に
導入する試みがSmithらにより試みられた(P. G. Smit
h, Proc. Am. Hort. Sci., vol.44, p413 (1944))。
【0007】栽培種リコペルシコン・エスクレンタムと
野生種リコペルシコン・ペルビアヌム間での交雑は、不
和合性のため、通常できないので、Smithらは交雑後の
未成熟胚を取り出し、人工的に成熟させる(embryo res
cue)ことにより、1個体を得た。現存する栽培種VF
NTやVFN8などの抵抗性品種は、この1個体を母体
として交雑により育成されたものであるが、果実が小さ
いなど実用性は低い品種である。
【0008】VFNTやVFN8などがもつ根こぶ線虫抵抗性遺
伝子(Mi)は、トマト第6染色体上に座位し、単一優
性遺伝子として存在しており、この抵抗性遺伝子は、酸
性ホスファターゼ−11遺伝子(Aps−11)と強くリ
ンクしていることが、1974年Rickらによる遺伝学的
解析から明らかとなっている。Aps−11とMiとの
遺伝学的距離は1cM以内であることが推定されている
(J. Y. Ho et al., Plant J., Vol.2, P.971 (1992))
が、物理的距離は不明である。
【0009】酸性ホスファターゼ−11(以下、「AP
−11」という)は、野生種L. peruvianumと同一型であ
り、このAP−11はMiと同時に栽培種に導入された
ものと考えられている。一方、根こぶ線虫抵抗性形質を
持たない栽培種は、Aps−1 1の対立形質として酸性
ホスファターゼ−1+(以下、「AP−1+」という)を
もつ。これらAP−11、AP−1+は、でんぷんゲル電
気泳動上異なる易動度を示し、この性質を利用して根こ
ぶ線虫抵抗性形質の選抜が行われてきた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、遺伝
学的解析の結果を利用して、根こぶ線虫抵抗性形質を有
する品種をでんぷんゲル電気泳動によって選抜すること
が可能となっている。しかしながら、この方法はでんぷ
んゲルの準備が煩わしく、でんぷんの品質が一定しない
ために再現性に乏しいなどの問題がある。また、選抜に
用いる材料として、トマトの葉片を使用するのが最も簡
便で実用に適しているが、トマト種子が発芽した直後の
子葉では、発現産物(AP−11、AP−1+)の量が僅
かであり、これらの検出が困難であるので、実際には播
種後、1カ月程度以上育苗したものの葉片を使用する必
要があり、選抜までに時間がかかり効率的でない。
【0011】また、Aps−11cDNAは、本発明者
らによってすでにクローン化されており、その塩基配列
の一部について決定されている(H. Tanaka et al., Bi
osci. Biotech. Biochem., Vol.56, P.583 (1992))。
さらにAps−11染色体遺伝子の全塩基配列も報告さ
れている(J. L. Erion, et al., Plant Physiol. Vol.
98, 1535-1537 (1992))。しかしながら、Aps−11
とAP−1+をコードする遺伝子(Aps−1+)との具
体的な差異については知られておらず、これらを簡便か
つ効率的に識別する方法も当然知られていない。
【0012】本発明は、かかる観点からなされたもので
あり、根こぶ線虫抵抗性形質を示さない産業上有用な栽
培種に、根こぶ線虫抵抗性を、簡便かつ効率的に付与す
ることを目的とし、トマトの根こぶ線虫抵抗性の有無を
鑑別する方法を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行い、根こぶ線虫感受性トマ
ト カゴメ70(Kagome 70もしくはK70ともいう)の
染色体からAps−1 +の第1イントロン領域の約1.
1kbをクローニングすることに成功し、第一イントロ
ン領域にAps−11とAps−1+との間で制限酵素切
断部位の違いが存在すること、さらに、数カ所に塩基置
換、欠失、挿入が存在すること、及びこれらの相違によ
ってAps−11とAps−1+を効率的かつ簡便に識別
できることを見いだし、本発明に至った。
【0014】すなわち本願発明は、トマトの根こぶ線虫
抵抗性の有無を、それが保持する酸性ホスファターゼ−
1遺伝子の遺伝子型により識別する方法において、配列
番号1に示す塩基配列を有する根こぶ線虫感受性トマト
の酸性ホスファターゼ−1+遺伝子(Aps−1+)領域
又は配列番号2に示す塩基配列を有する根こぶ線虫抵抗
性トマトの酸性ホスファターゼ−11遺伝子(Aps−
1)領域の少なくとも一部をポリメラーゼ・チェイン
・リアクションにより増幅させて得られたDNA断片ま
たはこの増幅断片に制限酵素を作用させて得られるDN
A断片の長さにより、酸性ホスファターゼ−1遺伝子の
遺伝子型を識別することを特徴とするトマトの根こぶ線
虫抵抗性の鑑別法である。
【0015】上記方法の具体的態様として、前記ポリメ
ラーゼ・チェイン・リアクションに用いる2種のプライ
マーの一方は配列番号1において481〜494の領域
よりも5’側の部位にハイブリダイズし、他方は前記領
域よりも3’側の部位にハイブリダイズするものである
ことを特徴とする方法、さらに前記制限酵素が、Hap
II、AfaI、SmaI、HinfI、NlaIIIから
選ばれることを特徴とする方法を提供する。
【0016】さらに本願発明は、下記工程からなる根こ
ぶ線虫抵抗性栽培種トマトの作出法を提供する。 (a)根こぶ線虫抵抗性トマトと根こぶ線虫感受性栽培
種トマトとを交雑し、(b)(a)で得られる交雑種と
前記根こぶ線虫感受性栽培種トマトを交雑し、(c)
(b)で得られる交雑種の中から、酸性ホスファターゼ
−1+遺伝子(Aps−1+)及び酸性ホスファターゼ−
1遺伝子(Aps−11)を共に保持するヘテロ型交雑
種を、配列番号1に示す酸性ホスファターゼ−1+遺伝
子(Aps−1+)領域又は配列番号2に示す塩基配列
を有する根こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ
−11遺伝子(Aps−11)領域の少なくとも一部をポ
リメラーゼ・チェイン・リアクションにより増幅させて
得られるDNA断片またはこの増幅断片に制限酵素を作
用させて得られるDNA断片の長さにより選抜し、
(d)前記で選抜されたヘテロ型交雑種と前記根こぶ線
虫感受性栽培種トマトとを交雑し、(e)工程(c)と
工程(d)を繰返し、(f)上記工程で得られたヘテロ
交雑種を自殖させ、酸性ホスファターゼ−11遺伝子
(Aps−11)のみを保持する交雑種を、配列番号1
に示す酸性ホスファターゼ−1+遺伝子(Aps−1+
領域又は配列番号2に示す塩基配列を有する根こぶ線虫
抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ−1 1遺伝子(Ap
s−11)領域の少なくとも一部をポリメラーゼ・チェ
イン・リアクションにより増幅させて得られるDNA断
片またはこの増幅断片に制限酵素を作用させて得られる
DNA断片の長さにより選抜する。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】<1>トマト根こぶ線虫抵抗性の鑑別法 本発明のトマト根こぶ線虫抵抗性の鑑別法は、トマトの
根こぶ線虫抵抗性の有無を、それが保持する酸性ホスフ
ァターゼ−1遺伝子の遺伝子型により識別する方法にお
いて、配列番号1に示す塩基配列を有する根こぶ線虫感
受性トマトの酸性ホスファターゼ−1+遺伝子(Aps
−1+)領域又は配列番号2に示す塩基配列を有する根
こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ−11遺伝
子(Aps−11)領域の少なくとも一部をポリメラー
ゼ・チェイン・リアクションにより増幅させて得られた
DNA断片またはこの増幅断片に制限酵素を作用させて
得られるDNA断片の長さにより、酸性ホスファターゼ
−1遺伝子の遺伝子型を識別することを特徴とするトマ
トの根こぶ線虫抵抗性の鑑別法である。
【0019】上記方法の具体的態様として、前記ポリメ
ラーゼ・チェイン・リアクションに用いる2種のプライ
マーの一方は配列番号1において481〜494の領域
よりも5’側の部位にハイブリダイズし、他方は前記領
域よりも3’側の部位にハイブリダイズするものである
ことが好ましい。また、前記制限酵素としては、Hap
II、AfaI、SmaI、HinfI、NlaIIIが挙
げられる。
【0020】本発明者らは、トマトVFNTからAP−
1タンパクを精製し、部分アミノ酸配列を決定し(H.
Tanaka, et al., Agric. Biol. Chem., Vol.54, P.1947
(1990))、その情報よりオリゴヌクレオチドプライマ
ーを作製し、PCR反応により522bpのcDNA断
片を増幅することに成功している(H. Tanaka et al.,
Biosci. Biotech. Biochem., Vol.56, P.583 (199
2))。尚、PCR法(Polymerase chain reaction)
は、二本鎖DNAの一本鎖DNAへの熱変性、増幅を目
的とする部位の両端の配列に相当する2種類のオリゴヌ
クレオチドと、前記熱変性DNAとのアニーリング、前
記オリゴヌクレオチドをプライマーとしたポリメラーゼ
反応からなる増幅サイクルを繰り返すことにより、前記
DNA配列を指数関数的に増幅する方法である。
【0021】上記のようにして得られたcDNA配列を
もとに、トマトVFNT染色体DNAを用いてPCR反
応によるAP−11遺伝子断片の増幅を行い、その塩基
配列を決定したところ、この領域中に2個のイントロン
が存在することがわかった。さらに、Erionらによって
AP−11染色体遺伝子の全塩基配列も報告され(J. L.
Erion, et al., Plant Physiol. Vol.98, 1535-1537
(1992))、上記知見を裏付けている。
【0022】一方、上記で得られたcDNAをプローブ
として、根こぶ線虫抵抗性株(VFNT及びVFN8な
ど)および感受性株(K70など)の染色体DNAのサ
ザンハイブリダイゼーション分析を行ったところ、抵抗
性株と感受性株との間に明かな多型が認められ、Aps
−11保持株とAps−1+とをRFLP(restriction
fragment length polymorphism:制限酵素断片多型)に
よって識別することができることが示唆された。
【0023】そこで、Aps−11とAps−1+との差
異を明らかにすることを目的とし、根こぶ線虫感受性ト
マト(カゴメ70)から染色体DNAを調製し、これを
鋳型としてAps−1+遺伝子断片を増幅するために、
2種類のオリゴヌクレオチドプラマイーを合成した。
5’末端側のプライマーとしては第1エクソン中に存在
する28塩基からなる配列(配列番号3)を有するオリ
ゴヌクレオチドを、3’末端側のプライマーとしては第
2エクソン中に存在する28塩基からなる配列(配列番
号4)を有するオリゴヌクレオチドを用いた。これらの
プライマーを用いて根こぶ線虫抵抗性株および感受性株
の染色体DNAを鋳型としたPCR反応を行った。PC
R反応産物をアガロースゲル電気泳動により分析した結
果、各々の株において長さがわずかに異なる約1.1k
bのバンドが観察された。しかし、その長さの違いはわ
ずかであり、より明確に相違を検出する方法をさらに検
討した。
【0024】上記の約1.1kbのPCR増幅断片をH
apII、AfaI、SmaI、HinfI、NlaIII
等の制限酵素を作用させ、反応後のDNA断片を解析し
たところ、根こぶ線虫抵抗性株染色体DNA由来の増幅
産物は約1.1kbの長さを維持したのに対し、感受性
株由来の増幅産物はこれらの制限酵素により切断され、
560bp前後の断片が生じ、多型が明確に区別された
(以下、本方法を「PCR−RFLP」と呼ぶ)。さら
に、根こぶ線虫抵抗性株及び感受性株のヘテロ交雑種で
は、制限酵素に対し、上記の根こぶ線虫抵抗性株に特徴
的なパターンと感受性株に特徴的なパターンの両方を示
した。これらのことから、根こぶ線虫抵抗性株及び感受
性株の識別はもとより、育種の過程で最も重要なヘテロ
型を識別することが可能であることがわかった。
【0025】次に、根こぶ線虫感受性株のAps−1+
遺伝子PCR増幅断片をクローニングし、その塩基配列
を決定し、Aps−11遺伝子の配列と比較した。前記
と同様に、根こぶ線虫感受性株(Kagome70)から調製し
た染色体DNAを鋳型とし、前記の配列番号3及び4に
示す配列を有するプライマーを用いてPCR反応を行
い、第1イントロン周辺部の断片を増幅した。約1.1
kbの増幅産物を精製し、プラスミドベクターpUC1
19のSmaI部位にクローニングした。続いて、増幅
断片内部及びベクターのマルチクローニング部位に存在
するBamHI部位を切断し、生成する2つの小断片を
各々pUC119のBamHI部位にサブクローニング
した。これらのサブクローン断片について、市販のDN
A塩基配列決定機(Pharmacia社製)を用いて塩基配列
を決定した。その結果を、配列番号1に示す。また、す
でに本発明者らにより決定されているAps−11遺伝
子の同部位の塩基配列を配列番号2に示す。この塩基配
列は、前記522bpのcDNAと同様にしてPCR法
により増幅された染色体DNA断片について決定された
ものである。さらに、Aps−1+遺伝子とAps−11
との配列の比較を図1に、制限酵素切断部位の相違を図
2に示す。図1中、エクソン部分(第1エクソンの3’
末端部及び第2エクソンの5’末端部)を点線枠で示し
た。
【0026】これらの図に示したように、Aps−1+
遺伝子とAps−11遺伝子との間には、いくつかの点
変異及び欠失(又は挿入)、及び1個所の大きな欠失
(又は挿入)が存在し、これらが原因となって制限酵素
切断パターンに違いが生じることがわかった。
【0027】上記知見をもとに、PCR増幅断片長の違
いによるAps−1+遺伝子とAps−11遺伝子との識
別を試みた。PCRに用いるプライマーとしては、上記
の大きな差異及び多くの点変異あるいは欠失を有する領
域を挟む位置の配列を有するオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いた。各々のプライマーの配列を配列番号5及
び6に示す。また、各々のプライマーに相当する位置を
図1に矢印で示した。尚、矢印の向きは、ポリメラーゼ
反応が進行する向きを表す。
【0028】後記実施例に示すように、PCRによっ
て、Aps−1+遺伝子あるいはAps−11遺伝子を有
するホモ型、及びこれらの遺伝子を併せ持つヘテロ型と
を明確に識別することができた。したがって、本発明に
よって、根こぶ線虫抵抗性株、感受性株及びこれらのヘ
テロ型を識別できることが判明した。
【0029】配列番号5及び6に示したプライマーは、
一例であり、Aps−1+遺伝子とAps−11遺伝子と
をPCR増幅断片長の違いによって識別できるものであ
れば、本発明に使用し得るプライマーは特に制限されな
い。また、プライマーとして、配列番号1及び2に示し
た配列の外側の配列を有するプライマーを用いた場合で
も、識別の正確性は減少するが、Aps−1+遺伝子と
Aps−11遺伝子とを識別することは可能である。
【0030】さらに、配列番号1及び2に示した配列は
Aps−1+遺伝子とAps−11遺伝子の第1イントロ
ンの周辺部領域の1例であり、PCRによる増幅断片ま
たはこの増幅断片に制限酵素を作用させて得られる断片
の長さにより、酸性ホスファターゼ−1遺伝子の遺伝子
型を識別することができる限り、塩基の置換、欠失、挿
入を有する配列であっても、その配列にハイブリダイズ
するプライマーを用いたPCRによって酸性ホスファタ
ーゼ−1遺伝子の遺伝子型を識別することは、本発明の
範囲に含まれる。
【0031】<2>根こぶ線虫抵抗性栽培種トマトの作
出法 根こぶ線虫抵抗性栽培種トマトは、下記工程により作出
することができる。 (a)根こぶ線虫抵抗性トマトと根こぶ線虫感受性栽培
種トマトとを交雑し、(b)(a)で得られる交雑種と
前記根こぶ線虫感受性栽培種トマトを交雑し、(c)
(b)で得られる交雑種の中から、酸性ホスファターゼ
−1+遺伝子(Aps−1+)及び酸性ホスファターゼ−
1遺伝子(Aps−11)を共に保持するヘテロ型交雑
種を、配列番号1に示す酸性ホスファターゼ−1+遺伝
子(Aps−1+)領域又は配列番号2に示す塩基配列
を有する根こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ
−11遺伝子(Aps−11)領域の少なくとも一部をポ
リメラーゼ・チェイン・リアクションにより増幅させて
得られるDNA断片またはこの増幅断片に制限酵素を作
用させて得られるDNA断片の長さにより選抜し、
(d)前記で選抜されたヘテロ型交雑種と前記根こぶ線
虫感受性栽培種トマトとを交雑し、(e)工程(c)と
工程(d)を繰返し、(f)上記工程で得られたヘテロ
交雑種を自殖させ、酸性ホスファターゼ−11遺伝子
(Aps−11)のみを保持する交雑種を、配列番号1
に示す酸性ホスファターゼ−1+遺伝子(Aps−1+
領域又は配列番号2に示す塩基配列を有する根こぶ線虫
抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ−1 1遺伝子(Ap
s−11)領域の少なくとも一部をポリメラーゼ・チェ
イン・リアクションにより増幅させて得られるDNA断
片またはこの増幅断片に制限酵素を作用させて得られる
DNA断片の長さにより選抜する。
【0032】トマトはイネ等と同様に自殖性植物であ
り、通常同じ花の中で花粉が柱頭について受精(自殖)
し、果実や種子の形成がなされる。したがって、交雑の
際には、あらかじめ花粉を除去して自殖を避け、他の個
体の花粉を授粉する必要がある。具体的には、例えば、
雌親に用いる個体の、開花3〜5日前の花の葯をピンセ
ットなどで除去(除雄)し、3〜5日後、開花前後の除
雄した花の柱頭に雄親の花粉を授粉し、形成した果実内
の種子を採り、これを播種して個体を育成する。
【0033】上記のようにして得られる雑種第1代(F
1)の後代では、野生型の遺伝子の多くが入ってくるの
で、食用には適さない。したがって、F1雑種を栽培種
の親と戻し交雑を繰返し、根こぶ線虫抵抗性形質以外は
栽培種の形質を保持するものを作出することが好まし
い。
【0034】しかる後、得られたヘテロ交雑種を自殖さ
せ、Aps−11のみを保持するものを選択する。根こ
ぶ線虫抵抗性トマトとしては、根こぶ線虫抵抗性を有
し、かつAps−1 1を有するものである必要がある。
なぜなら、極めて低い頻度ではあるが(1%以下)、根
こぶ線虫抵抗性遺伝子(Mi)とAps−11の間で組換
えが起こり、両方の遺伝子の連鎖がなくなった株が存在
するからである。具体的には、野生種としては、リコペ
ルシコン・ペルビアヌム(L. peruvianum)が挙げられ
るが、栽培種との交雑は、前述した通り極めて困難であ
る。栽培種としては、VFNT、VFN8などが挙げら
れる。これらの根こぶ線虫抵抗性株と栽培種株(リコペ
ルシコン・エスクレンタム)を交雑し、栽培種トマトの
もつ味や栽培適性に関する形質など実用的な食用品種と
して必要な形質を維持しつつ、根こぶ線虫抵抗性形質を
有するものを選抜する。各世代の交雑種と根こぶ線虫感
受性栽培種との交雑工程におけるヘテロ交雑種の選抜、
及び最終工程でのホモ型根こぶ線虫抵抗性株の選抜は、
上記のトマト根こぶ線虫抵抗性の鑑別法により行う。
【0035】従来の作出法では交雑種を成体まで栽培
し、根こぶ線虫抵抗性を有するか否かを表現形質により
判定しているが、このような方法では新品種を得るのに
多大な労力及び非常に長い期間を要する。また、AP−
-、AP−1+の発現量をでんぷんゲル電気泳動により
調べることによって根こぶ線虫抵抗性形質を判定する方
法では、でんぷんゲルの調製が煩わしく、再現性に乏し
く、また、判定に用いる試料を得るために播種後1カ月
程度以上育苗することが必要となる。本発明において
は、目的とする交雑種を得るために、前記鑑別法を利用
することとした。その結果、幼苗の段階でAps−11
遺伝子の有無、すなわち根こぶ線虫抵抗性の有無を判定
することができ、根こぶ線虫抵抗性トマトの育種が容易
となった。
【0036】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明する。
【0037】
【実施例1】根こぶ線虫抵抗性の鑑別1 根こぶ線虫抵抗性トマト(VFNT及びVFN8)及び
感受性トマト(Moneymaker、VF36及びカゴメ70)
から染色体DNAを調製し、PCRによる酸性ホスファ
ターゼ遺伝子型の識別を行った。
【0038】染色体DNAは、主にVictorらの方法(Th
e Plant Journal (1993) 3(3), 493-494)に従って調製
した。すなわち、発芽後3日後の各トマトの子葉から、
約2mm2の断片を切り取り、プラスチック製1.5m
l容チューブ(エッペンドルフチューブ:エッペンドル
フ社製)に入れた。各チューブに0.25M NaOH
を40μl加え、30秒間、沸騰水中にチューブを入れ
て加熱した。その後、チューブに0.25M HClを
40μl加えて中和し、さらに0.5M Tris-HCl(pH8.0),
0.5%(v/v) Nonidet P-40(シグマ社)を20μl加え、さ
らに沸騰水中に2分間入れて加熱した。こうして得られ
た試料を鋳型DNAとして用いた。一方、プライマーに
は配列番号5、6に示す配列を有する合成オリゴヌクレ
オチドを使用した。
【0039】PCR反応は、10mM Tris-HCl(pH8.9)、1.
5mM MgCl2、80mM KCl、500μg/ml BSA、0.1% コール酸ナ
トリウム、0.1% TritonX-100、240μM dNTP(dATP、dCT
P、dGTP、dTTP)、各30ngのプライマー、0.5μ
gの鋳型DNA、1.0ユニットのTth DNA ポ
リメラーゼ(東洋紡(株))を含む25μlの反応組成
で、PCR反応装置(Perkin Elmer Cetus DNA thermal
cycler)を用いて行った。
【0040】増幅反応の条件は、変性94℃5分間、ア
ニーリング55℃5分間の後、伸長反応72℃2分間、
変性94℃1分、アニーリング55℃1分からなるサイ
クルを30サイクル繰り返し、最後に伸長反応72℃1
0分反応させた。
【0041】PCR産物を、1.5%アガロースゲル電
気泳動により分離し、その断片の長さを調べた。結果を
図3に示す。その結果、根こぶ線虫抵抗性株(レーン
1、2)及び感受性株(レーン3〜5)ともに約300
bpの増幅産物が認められたが、抵抗性株由来の増幅産
物の方が鎖長がわずかに短いことが確認された。これ
は、本発明により明らかにされたように、Aps−11
型遺伝子には欠失部分が存在するためである。
【0042】
【実施例2】根こぶ線虫抵抗性の鑑別2 上記と同様にして根こぶ線虫抵抗性トマト(VFNT及
びVFN8)及び感受性トマト(Moneymaker、VF36
及びカゴメ70)から染色体DNAを調製し、PCR−
RFLPによる酸性ホスファターゼ遺伝子型の識別を行
った。
【0043】染色体DNAの調製及びPCR反応は、実
施例1と同様にして行った。ただし、プライマーには配
列番号3、4に示す配列を有する合成オリゴヌクレオチ
ドを使用した。
【0044】得られた増幅産物を、SmaI、HapI
I、AfaI(宝酒造(株))で消化した。反応は、制
限酵素に添付されている解説書に従って行った。各反応
物を、1.5%アガロースゲル電気泳動により分離し、
その断片の長さを調べた。結果を図4〜6に示す。その
結果、根こぶ線虫感受性株では約0.56kb付近に2
本のバンドが認められたのに対し、抵抗性株では約1.
1kb付近に単一のバンドが認められ、感受性株と抵抗
性株を明確に識別することができた。
【0045】
【実施例3】根こぶ線虫抵抗性栽培種トマトの作出 <1>根こぶ線虫感受性栽培種トマトと抵抗性トマトと
の交雑 根こぶ線虫感受性栽培種トマト(カゴメ70)を育成
し、形成された花房の中の開花前3〜5日目の花の葯
(花粉はまだ受精能力なし)をピンセットなどで除去
(除雄)した。3〜5日後、開花前後の除雄した栽培種
の花の柱頭に、同時に育成した根こぶ線虫抵抗性栽培種
トマト(VFNT)の花粉を授粉した。その後、形成さ
れた果実内の種子を採り、播種して個体(F1個体)を
育成した。得られたF1個体は、PCRを用いた識別法
によりAps−1-遺伝子及びAps−1 +遺伝子を共に
保持しており、根こぶ線虫感受性トマトと抵抗性トマト
との雑種であることを確認した。
【0046】<2>トマト栽培種への戻し交雑(Bac
k Cross) (1)栽培種とF1個体の交雑 上記と同様にトマト栽培種の除雄を行い、F1個体の花
粉を授粉した。その後、形成された果実内の種子を採
り、播種して個体(BC11個体)を育成した。 (2)遺伝子解析による選抜(BC11) このBC11個体の中には、根こぶ線虫抵抗性トマト由
来のAps−11遺伝子を持たない個体とAps−11
伝子及びAps−1+遺伝子をヘテロに持つ個体が含ま
れるが、ヘテロ型の交雑種をPCRを用いた識別法によ
り選抜した。
【0047】BC11種子を播種用培土100粒播き、
発芽させた。発芽3日後のそれぞれの子葉から、約2m
2の断片を切り取り、実施例1と同様にして鋳型DN
Aを調製した。PCR反応は、配列番号3、4に示す配
列を有する合成ヌクレオチドをプライマーとして使用
し、実施例1と同様に反応を行った。
【0048】PCR産物を、制限酵素SmaI(宝酒造
(株)製)で消化した。反応は、制限酵素に添付されて
いる解説書に従って行った。各反応物を、1.5%アガ
ロースゲル電気泳動により分離し、その断片の長さを調
べた。結果を図7に示す。その結果、Aps−11遺伝
子のみを保持する株、Aps−1+遺伝子のみを保持す
る株、及びこれらをヘテロに持つ株を識別することがで
きた。
【0049】(3)栽培種とBC11個体の交雑 前記と同様にトマト栽培種の除雄を行い、(2)で選抜
したヘテロ型BC11個体の花粉を授粉した。その後、
形成された果実内の種子を採り、播種して個体(BC2
1個体)を育成した。続いて、BC21個体からAp
s−11遺伝子及びAps−1+遺伝子をヘテロに持つ個
体を選抜した。
【0050】(4)戻し交雑の繰り返し 以上のような栽培種への戻し交雑を、VFNTの食味、
色、外観、栽培適性における不良形質がなくなり、戻し
親の根こぶ線虫感受性トマトに近い形質になるまで繰り
返した(最低3回以上)。
【0051】<3>根こぶ線虫抵抗性トマト品種の育成 3〜6回戻し交雑を行って得たBCn1個体を自殖(自
家受粉)した。次世代では、Aps−11遺伝子のみを
有する個体、Aps−1+遺伝子のみを有する個体、及
びAps−11遺伝子とAps−1+遺伝子とを共に有す
る個体の3種類が現れ、Aps−11遺伝子のみをホモ
に持つ個体が根こぶ線虫抵抗性に優れている。
【0052】このようにして得られたトマト品種は、根
こぶ線虫に対して抵抗性であり、さらに栽培種と同程度
の食味を有していた。
【0053】
【発明の効果】本発明により、トマトの根こぶ線虫抵抗
性の有無を簡便に鑑別することができ、その結果、根こ
ぶ線虫抵抗性形質を示さない産業上有用な栽培種に、根
こぶ線虫抵抗性を、簡便かつ効率的に付与することがで
きる。
【0054】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:1087 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:トマト(Licopersicon esculentum) 株名:VFNT 配列の特徴 特徴を表す記号:exon 存在位置:1..184 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:intron 存在位置:185..1007 特徴を決定した方法:S 配列の特徴 特徴を表す記号:exon 存在位置:1008..1087 特徴を決定した方法:S 配列 CTGATTATGT CAAGGAATAT ATGGTGGGTC CAGGTTATAA GATGGAGATT GATAGGGTTT 60 CGGATGAGGC AGGAGAATAT GCCAAAAGTG TTGATTTGGG AGATGATGGA AGAGATGTGT 120 GGATTTTTGA TGTTGACGAA ACTTTGCTTT CTAATCTTCC TTATTATTCT GATCATCGTT 180 ATGGGTATGA TTGATTCTTC ACTAAGTTTC TTTGTATTTT TTGTTAAATT TACTTCATTC 240 TTGCACTCCT AAACTGTCTT GTTGGGTAAC GCCAATATTG GGGTTAGAGT CATAATTGAA 300 CATGACCCTA GTTTGTTGGA TTTAGTTAAA GAAATTAAAG GCTATAGCTT TTCACATAAG 360 CTCAACATGT CTACTAATGA AAATGTCCCC GTTGAGTCTG TCGAATAAGG GCTTTGGCCT 420 AATTCATACG CCCAAAAGCT GAGCTCAAAG GGAGGACGGA GGAAGATTGC CCAAATTCTC 480 AAGTCCAGAT TGGGACATTC TTTACCTGGG GTTTCACTGT TTGATTTGAT GTGTAACTGT 540 CTAGGATCCT GAGGACCCAC ATTGGATCGG CTGTGGATTT GATACCACTG ATAGGAAAAA 600 CAGATTAGAG AAGAAAAGTG AAAATAGAGT AGACAAAGAA GTGGTGAATG TGAAAAGAAA 660 TTGCTTGACT AATTTCAACT ATGCTGCAAC TGCAGTTGCT TTTTATAAGC AAAAACATCG 720 CAAACTAAAG CTAAAAATTT AGCAATTATC CCATAACGTT TTCTCCTATA GACTAGATAA 780 TGAACCACAT CAAACTACAT TTTCTAAAGA CTAGAACAAA CCTAATCACA GTCTTAATCC 840 ATCATGTAAA AGGAGATAGA TTGAGCATCA TTTTTGTTAA TATCCATTTT GAAGGGGATT 900 TTCTCTGTTT TACTTGGAAT TATAGTTCTG CTTCATATTT CTTTTTAGGC ATTATACTAT 960 GTGTAATAGT AAGCTAATGG TGATTTGTAT TGATCTCAAT ATTGTAGATT GGAGGTATTT 1020 GATGATGTGG AATTTGATAA ATGGGTTGAG AATGGAACGG CGCCAGCCTT GGGGTCCAGC 1080 TTGAAGC 1087
【0055】配列番号:2 配列の長さ:1103 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 起源 生物名:トマト(Licopersicon esculentum) 株名:カゴメ70 配列の特徴 特徴を表す記号:exon 存在位置:1..184 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:intron 存在位置:185..1023 特徴を決定した方法:S 特徴を表す記号:exon 存在位置:1024..1103 特徴を決定した方法:S 配列 CTGATTATGT CAAGGAATAT ATGGTGGGTC CAGGTTATGA GATGGAGATT GATAGGGTTT 60 CGGATGAGGC GGGAGAATAT GCCAAAAGTG TTGATTTGGG AGATGATGGA AGAGATGTGT 120 GGATTTTTGA TGTTGACGAA ACTTTGCTTT CGAATCTTCC TTATTATTCT GATCATCGTT 180 ATGGGTATGA TTGATTCTTC ACTAAGTTTC TTTGTATTTT TTGTTAAATT TACTTCATTC 240 TTGCACTCCT AAACTGTCTT GTTGGGTAAC GCCAATATTG GGGTCAGAGT CATAATTGAA 300 CATGACCCTA GTTTGTTGGA TTCAGTTAAA GAAATTAAAG GGCTATACCT TTTCGCATAA 360 GCTCAACATG TCTACTAATG AAAATGTCCC CGTTGAGTCT GTCGAATATG GGCTTTGGCC 420 TAATTCATAC CCCAAAAAGC TGAGCTCCAA AGGGAGGACG GTGGAAGATT GCCCAAATCA 480 TGTAAGGAGC CCTCAAGTCC AGATTGGGAC ATTCTTTACC CGGGGTTTCA CTGTTTGATT 540 TGATGTGCAA CTGTCTAGGA TCCTGAGTAC CCACACATTG GATCGGGTGT GGATTTGATA 600 CCACTGATAG GAAAAACAGA TTAGAGAAGA AAAGTGAAAA TAGAGTAGAC AAAGAAGTGG 660 TGAATGTGAA AAGAAATTGC TTGACTAATT TCAACTATGC TGCAACTGCA GTTGCTTTTT 720 ATAAGCAAAA ACATAGCAAA CTAAAGCTAA AAATTTAGCA ATTACCCCAT AACGTTTTCT 780 TCTATAGACT AGATAATGAA CCACATCAAA CTACTTTTTC TAAAGACTAG AACAAACCTA 840 ATCACAGTCT TAATCCATCA TGTAAAAGGA GATAGATTGA GCATCATTTT TGTTAATATC 900 CATTTTGAAG GGGATTTTCT CTGTTTTACT TGGAATTGTA GTTCTGCTTC ATATTTCTTC 960 TTAGGCATTA TACTATGTGT AATAGTAAGC TAATGGTGAT TTATATTGAT CTCAATATTG 1020 TAGATTGGAG GTATTTGATG ATGTGGAATT TGATAAATGG GTTGAGAAGG GAACGGCGCC 1080 AGCCTTGGGG TCCAGCTTGA AGC 1103
【0056】配列番号:3 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTGATTATGT CAAGGAATAT ATGGTGGG 28
【0057】配列番号:4 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 AGAACTTCTT GATAAAGCTT CAAGCTGG 28
【0058】配列番号:5 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 TCATAATTGA ACATGACCCT AG 22
【0059】配列番号:6 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 配列 CTATCAGTG GTATCAAATCC AC 22
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】 Aps−11遺伝子及びAps−1+遺伝子の
第1イントロン周辺領域の塩基配列を比較した図。
【図2】 Aps−11遺伝子及びAps−1+遺伝子の
第1イントロン周辺領域の制限酵素切断部位の相違を示
す図。
【図3】 根こぶ線虫抵抗性及び感受性トマトのAps
−1遺伝子のPCRによる識別を示す電気泳動写真。 M:分子量マーカー(100bpラダー)、レーン1:
VFNT、レーン2:VFN8、レーン3:Moneymake
r、レーン4:VF36、レーン5:カゴメ70
【図4】 根こぶ線虫抵抗性及び感受性トマトのAps
−1遺伝子のPCR−RFLP(SmaI切断)を示す
電気泳動写真。レーンは図3と同様。 レーン1:分子量マーカー(λ/HindIII)、レーン
2:VFNT、レーン3:VFN8、レーン4:Moneym
aker、レーン5:VF36、レーン6:カゴメ70
【図5】 根こぶ線虫抵抗性及び感受性トマトのAps
−1遺伝子のPCR−RFLP(HapII切断)を示す
電気泳動写真。レーンは図3と同様。
【図6】 根こぶ線虫抵抗性及び感受性トマトのAps
−1遺伝子のPCR−RFLP(AfaI切断)を示す
電気泳動写真。レーンは図3と同様。
【図7】 BC11個体のAps−1遺伝子のPCR−
RFLPを示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A01H 1/00 Z (72)発明者 石黒 幸雄 栃木県那須郡西那須野町東三島5丁目96− 19 (72)発明者 伊藤 徹 静岡県磐田市国府台16−8JT桜ヶ丘アパ ート402号 (72)発明者 高木 正道 東京都府中市栄町1丁目31−10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トマトの根こぶ線虫抵抗性の有無を、そ
    れが保持する酸性ホスファターゼ−1遺伝子の遺伝子型
    により識別する方法において、 配列番号1に示す塩基配列を有する根こぶ線虫感受性ト
    マトの酸性ホスファターゼ−1+遺伝子(Aps−1+
    領域又は配列番号2に示す塩基配列を有する根こぶ線虫
    抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ−11遺伝子(Ap
    s−11)領域の少なくとも一部をポリメラーゼ・チェ
    イン・リアクションにより増幅させて得られたDNA断
    片またはこの増幅断片に制限酵素を作用させて得られる
    DNA断片の長さにより、酸性ホスファターゼ−1遺伝
    子の遺伝子型を識別することを特徴とするトマトの根こ
    ぶ線虫抵抗性の鑑別法。
  2. 【請求項2】 前記ポリメラーゼ・チェイン・リアクシ
    ョンに用いる2種のプライマーの一方は配列番号1にお
    いて塩基番号481〜494の領域よりも5’側の部位
    にハイブリダイズし、他方は前記領域よりも3’側の部
    位にハイブリダイズすることを特徴とする請求項1記載
    のトマトの根こぶ線虫抵抗性の鑑別法。
  3. 【請求項3】 前記制限酵素が、HapII、Afa
    I、SmaI、HinfI、NlaIIIから選ばれるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のトマトの根こぶ線
    虫抵抗性の鑑別法。
  4. 【請求項4】 下記工程からなる根こぶ線虫抵抗性栽培
    種トマトの作出法。 (a)根こぶ線虫抵抗性トマトと根こぶ線虫感受性栽培
    種トマトとを交雑し、(b)(a)で得られる交雑種と
    前記根こぶ線虫感受性栽培種トマトを交雑し、(c)
    (b)で得られる交雑種の中から、酸性ホスファターゼ
    −1+遺伝子(Aps−1+)及び酸性ホスファターゼ−
    1遺伝子(Aps−11)を共に保持するヘテロ型交雑
    種を、配列番号1に示す酸性ホスファターゼ−1+遺伝
    子(Aps−1+)領域又は配列番号2に示す塩基配列
    を有する根こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホスファターゼ
    −11遺伝子(Aps−11)領域の少なくとも一部をポ
    リメラーゼ・チェイン・リアクションにより増幅させて
    得られるDNA断片またはこの増幅断片に制限酵素を作
    用させて得られるDNA断片の長さにより選抜し、
    (d)前記で選抜されたヘテロ型交雑種と前記根こぶ線
    虫感受性栽培種トマトとを交雑し、(e)工程(c)と
    工程(d)を繰返し、(f)上記工程で得られたヘテロ
    交雑種を自殖させ、 酸性ホスファターゼ−11遺伝子(Aps−11)のみを
    保持する交雑種を、配列番号1に示す酸性ホスファター
    ゼ−1+遺伝子(Aps−1+)領域又は配列番号2に示
    す塩基配列を有する根こぶ線虫抵抗性トマトの酸性ホス
    ファターゼ−1 1遺伝子(Aps−11)領域の少なくと
    も一部をポリメラーゼ・チェイン・リアクションにより
    増幅させて得られるDNA断片またはこの増幅断片に制
    限酵素を作用させて得られるDNA断片の長さにより選
    抜する。
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