JPH0856180A - ノイズキャンセラ - Google Patents

ノイズキャンセラ

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Publication number
JPH0856180A
JPH0856180A JP18822394A JP18822394A JPH0856180A JP H0856180 A JPH0856180 A JP H0856180A JP 18822394 A JP18822394 A JP 18822394A JP 18822394 A JP18822394 A JP 18822394A JP H0856180 A JPH0856180 A JP H0856180A
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JP
Japan
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signal
noise
main signal
transfer characteristic
main
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Pending
Application number
JP18822394A
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English (en)
Inventor
Takayuki Taniguchi
隆行 谷口
Shigenobu Minami
重信 南
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主信号中に混入する雑音成分を効果的に打ち
消した上で、さらにこの打ち消しにより主信号の所望信
号成分に発生する信号歪みを低減し、これにより主信号
のS/Nをさらに高める。 【構成】 主信号に含まれる雑音成分を消去するための
適応フィルタ5aおよび減算器5bの出力側に歪み補償
用フィルタ回路5cを設け、この歪み補償用フィルタ回
路5cにおいて、上記適応フィルタ5aの伝達関数P^
(z) と、主信号XA(z)および参照信号XB(z)を基に生成
した伝達特性Q^(z) とに基づいて、上記減算器5bか
ら出力された主信号E(z) の所望信号成分に発生した信
号歪み{1−P^(z) Q(z) }の特性とは逆の伝達特性
1/{1−P^(z) Q^(z) }を設定し、上記主信号E
(z) をこの伝達特性に従ってフィルタリングして出力す
るようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車電話装置
や携帯電話装置、テレビ会議システムの通信装置などの
音声通信装置に設けられるノイズキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車電話装置等の音声通信装置
においては、主信号に含まれる周囲雑音成分を除去する
ためにノイズキャンセラを設けることが提唱されてい
る。図5は従来より考えられているノイズキャンセラの
構成の一例を示すものである。
【0003】同図において、1は主マイクロホン、2は
参照用マイクロホンであり、主マイクロホン1には話者
の送話音声等の所望信号S(z) が主として入力され、一
方参照用マイクロホン2には周囲雑音N(z) が主として
入力される。ただし、 Z= exp(2πj/fs )(fs =サンプリング周波
数) である。これらのマイクロホン1,2に入力された所望
信号S(z) および雑音N(z) は、それぞれ主信号XA(z)
および参照信号XB(z)としてA/D変換器3,4でディ
ジタル化されたのちノイズキャンセラ回路5に入力され
る。
【0004】ノイズキャンセラ回路5は、適応フィルタ
5aと減算器5bとから構成される。適応フィルタ5a
は、例えば学習同定法によるアルゴリズムに従って、上
記主信号XA(z)および参照信号XB(z)を基に、所望信号
S(z) が入力されていないときの雑音源N(z) から各マ
イクロホン1,2までの雑音パスの音響伝達特性を推定
する。この音響伝達特性は、 P(z) =GA(z)/GB(z) …(1) のように表わされる。すなわち、適応フィルタ5aは、
伝達関数P^(z) (≒P(z) )を有するフィルタを構成
し、上記雑音の音響伝達特性に応じた推定雑音信号を生
成する。
【0005】減算器5bは、上記主信号XA(z)から上記
適応フィルタ5aにおいて生成された推定雑音信号を差
し引く減算処理を行ない、これにより主信号XA(z)に含
まれる雑音成分を消去する。この減算処理後の主信号E
(z) は、次のように表わされる。
【0006】 E(z) =XA(z)−P^(z) XB(z) =GA(z)N(z) −P^(z) GB(z)N(z) ≒0 …(2) (なぜならP^(z) ≒GA(z)/GB(z)) このようなノイズキャンセラ回路5を用いれば、適応フ
ィルタ5aの収束後であれば、主信号XA(z)が所望信号
S(z) と雑音N(z) との和である場合でも、主信号XA
(z)中の雑音成分N(z) を打ち消すことができる。次式
は打ち消し後の主信号E(z) を表わすものである。
【0007】 E(z) =XA(z)−P^(z) XB(z) ={HA(z)S(z) +GA(z)N(z) } −P^(z) {HB(z)S(z) +GB(z)N(z) } ={HA(z)−P^(z) HB(z)}S(z) +{GA(z)−P^(z) GB(z)}N(z) ≒{1−P^(z) HB(z)/HA(z)}HA(z)S(z) …(3) (なぜならP^(z) ≒GA(z)/GB(z))
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなノイズキャンセラでは、主信号XA(z)中の雑音成分
N(z) を打ち消すことはできるが、次のような問題点を
生じていた。すなわち、参照用マイクロホン2から出力
される参照信号には、雑音成分以外に低レベルであるが
所望信号成分も混入する。このため、適応フィルタ5a
において生成される推定雑音信号には上記所望信号成分
も含まれることになる。したがって、減算処理の際に、
上記推定雑音信号に含まれる所望信号成分の影響によ
り、主信号XA(z)中の所望信号HA(z)S(z) に上記第
(3) 式のような信号歪み{1−P^(z)HB(z)/HA
(z)}が発生するという問題点があった。
【0009】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、主信号中に混入する雑音
成分を効果的に打ち消した上で、さらにこの打ち消しに
より主信号の所望信号成分に発生する信号歪みをも低減
できるようにし、これにより主信号の品質をさらに高め
ることができるノイズキャンセラを提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、雑音が混入した所望信号を主信号として取
り込み、この主信号から雑音成分を除去する機能を備え
たノイズキャンセラにおいて、主として雑音源からの雑
音を取り込んで参照信号として出力するための参照入力
手段と、上記主信号および上記参照入力手段から出力さ
れた参照信号に基づいて上記主信号に含まれる雑音成分
を適応的に推定し、その推定結果を基に推定雑音信号を
生成するための雑音推定手段と、この雑音推定手段によ
り生成された推定雑音信号を上記主信号から減算して当
該主信号に含まれる雑音成分を消去するための減算手段
とを備え、さらにこれらに加えて信号歪み補償手段を備
えている。そして、この信号歪み補償手段に、上記減算
手段における減算により減算後の主信号に発生する信号
歪みの特性に対し逆となる伝達特性を設定し、この伝達
特性に従って上記減算後の主信号をフィルタリング処理
して当該減算後の主信号に発生した信号歪みを低減する
ように構成したものである。
【0011】また本発明は、信号歪み補償手段におい
て、主信号および参照信号を基に所望信号パスの伝達特
性を適応的に推定し、この推定された音響パスの伝達特
性と、雑音推定手段により推定された雑音パスの伝達特
性とを基に、信号歪みの特性に対し逆となる伝達特性を
設定することを特徴としている。
【0012】さらに本発明は、信号歪み補償手段におい
て、雑音推定手段により推定された雑音パスの伝達特性
から遅延および利得を表わす情報をそれぞれ抽出すると
ともに、減算手段に入力する前あるいは減算手段から出
力された後の主信号と参照信号との相関から所望信号パ
スの伝達特性の遅延および利得を表わす情報をそれぞれ
検出し、上記抽出された遅延および利得を表わす情報お
よび遅延および利得を表わす情報を基に、信号歪みの特
性に対し逆となる伝達特性を設定することを特徴として
いる。
【0013】さらに本発明は、信号歪み補償手段におい
て、主信号と、減算手段により雑音成分が消去された後
の主信号とを基に、繰り返しアルゴリズムにしたがって
逐次的に学習を行ない、この学習により信号歪みの特性
に対し逆となる伝達特性を設定することを特徴としてい
る。
【0014】
【作用】この結果本発明によれば、主信号から推定雑音
信号を減算した際に主信号の所望信号に信号歪みが発生
しても、信号歪み補償手段において上記信号歪みの特性
と逆の特性の伝達関数に応じて上記信号歪みを打ち消す
ためのフィルタリング処理が行なわれる。このため、主
信号の所望信号に発生した信号歪みは上記信号歪み補償
手段により打ち消されて低減される。したがって、主信
号の品質をさらに高めることができる。
【0015】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係わ
るノイズキャンセラの構成を示すブロック図である。な
お、同図において前記図5と同一部分には同一符号を付
して説明を行なう。
【0016】ノイズキャンセラ回路50には、減算器5
bの出力側に歪み補償用フィルタ回路5cが設けてあ
る。この歪み補償用フィルタ回路5cは、上記減算器5
bにおいて主信号から推定雑音信号を減算した際に主信
号の所望信号成分に発生した信号歪みを補償するための
もので、次のような伝達特性を有している。
【0017】すなわち、減算器5bからは前記第(3) 式
に示したように、 E(z) =S′(z) {1−P^(z) Q(z) } …(4) (ただし、Q(z) ≡HB(z)/HA(z)S′(z) ≡HA(z)S
(z) ) なる主信号が出力される。したがって、{1−P^(z)
Q(z) }なる信号歪みを補償するためには、この信号歪
みの特性に対し逆特性となる 1/{1−P^(z) Q(z) } …(5) なる伝達特性を有するフィルタを歪み補償用フィルタ回
路5cにおいて構成すればよい。
【0018】図2は、このような伝達特性を有する歪み
補償用フィルタ回路5cの構成の一例を示す回路ブロッ
ク図である。この歪み補償用フィルタ回路5cは、適応
フィルタ51と、減算器52と、第1のフィルタ53
と、第2のフィルタ54と、加算器55とから構成され
る。
【0019】適応フィルタ51は、A/D変換器3から
出力された主信号XA(z)に所望信号S(z) が含まれ、か
つ雑音がないかまたは一定レベル以下であるときに学習
動作を行ない、これにより伝達特性Q^(z) を推定す
る。この学習は、減算器52の出力信号E′(z) が、 E′(z) =XB(z)−Q^(z) XA(z) =HB(z)S(z) −Q^(z) HA(z)S(z) ≒0 …(6) となるように、学習同定法等の適応アルゴリズムに従っ
て行なわれる。そして、この学習によって適応フィルタ
51で伝達関数 Q^(z) ≒HB(z)/HA(z) …(7) が得られると、この伝達関数Q^(z) は適応フィルタ5
1から第2のフィルタ54に転送されてパラメータとし
て設定される。
【0020】一方、第1のフィルタ53には、上記適応
フィルタ5aにおいて推定された雑音パスの音響伝達関
数P^(z) が、適応フィルタ5aから転送されてそのま
まパラメータとして設定される。
【0021】かくして、上記第(5) 図に示した1/{1
−P^(z) Q^(z) }なる伝達特性を有する歪み補償用
フィルタ回路5cが構成される。したがって、このよう
な歪み補償用フィルタ回路5cを設けたノイズキャンセ
ラによれば、適応フィルタ5aが原因となって所望信号
に信号歪みが発生した主信号E(z) が減算器5bから出
力されても、この主信号E(z) に含まれる所望信号の歪
み成分{1−P^(z) Q(z) }は、歪み補償用フィルタ
回路5cにおいて、フィルタ53,54に設定された1
/{1−P^(z) Q^(z) }の伝達特性により打ち消さ
れる。したがって、ノイズキャンセラ50からは、減算
器5bで雑音成分が打ち消され、さらにこの減算により
所望信号に発生した信号歪みが歪み補償用フィルタ回路
5cにより消去された主信号Eo(z)が出力される。
【0022】このように本実施例のノイズキャンセラで
は、主信号に含まれる雑音成分を消去するための適応フ
ィルタ5aおよび減算器5bの出力側に歪み補償用フィ
ルタ回路5cを設け、この歪み補償用フィルタ回路5c
において、上記適応フィルタ5aの伝達関数P^(z)
と、主信号XA(z)および参照信号XB(z)を基に生成した
伝達特性Q^(z) とに基づいて、上記減算器5bから出
力された主信号E(z) の所望信号成分に発生した信号歪
み{1−P^(z) Q(z) }の特性とは逆の伝達特性1/
{1−P^(z) Q^(z) }を設定し、上記主信号E(z)
をこの伝達特性に従ってフィルタリングして出力するよ
うにしている。
【0023】したがって本実施例によれば、適応フィル
タ5aが原因となって所望信号に信号歪みが発生した主
信号E(z) が減算器5bから出力されても、この主信号
E(z) に含まれる所望信号の歪み成分{1−P^(z) Q
(z) }を、歪み補償用フィルタ回路5cにおいて消去す
ることができる。このため、低雑音であることは勿論の
こと、所望信号に発生した信号歪みさえも消去した品質
の高い主信号Eo(z)を出力することができ、これにより
通話品質をより一層の向上を図ることができる。
【0024】(第2の実施例)本実施例は、前記第1の
実施例において歪み補償用フィルタ回路5cの第1およ
び第2のフィルタ53,54に設定した伝達特性P^
(z) ,Q^(z) を、それぞれ利得および遅延のみの関数
として近似し、これにより単純化された伝達特性をフィ
ルタに設定するようにしたものである。
【0025】図3はその構成の一例を示す回路ブロック
図である。同図において、歪み補償用フィルタ回路5d
は、メインタップ抽出器56および相関器57を備えて
いる。メインタップ抽出器56は、適応フィルタ5aか
ら転送される伝達特性P^(z) のタップ係数をサーチし
てメインタップを抽出し、これにより上記特性P^(z)
を近似したP*(z) を生成する。 P*(z) ≡ap-tp …(8) 一方、相関器57は、主信号XA(z)と参照信号XB(z)と
の最も相関が大きいサンプル間隔tq を求めるか、ある
いは減算器5bから出力された主信号E(z) と参照信号
XB(z)との最も相関の大きいサンプル間隔tq を求め、
これにより上記特性P^(z) と同様に特性Q^(z) を近
似したQ*(z) を生成する。 Q*(z) ≡aq-tq …(9) そして、これらの生成された近似特性P*(z) ,Q*(z)
は、フィルタ58に転送され設定される。かくして、 1/{1−P*(z) Q*(z) } =1/(1−apq-(tp+tq) ) …(10) なる 伝達特性を有する歪み補償用フィルタ回路5dが構成さ
れる。
【0026】一方、音源から主マイクロホン1および参
照用マイクロホン2への音響パスを利得および遅延のみ
で近似すると、第(4) 式中の歪み成分(1−P^(z) Q
(z))は、 1−apq-(tp+tq) …(11) と表わすことができるため、この歪み成分を含む主信号
を上記歪み補償用フィルタ回路5dに通すことにより、
上記歪み成分1−apq-(tp+tq) は打ち消され
る。
【0027】また、歪み補償用フィルタ回路5dに設定
される伝達関数は、上記第(10)式に示されるように単純
化されたものとなるため、歪み補償用フィルタ回路5d
におけるフィルタリング処理のための演算処理量は大幅
に削減される。
【0028】なお、本実施例では、音源から主マイクロ
ホン1および参照用マイクロホン2までの音響パスによ
っては、図2の回路ほど良好な歪み補償性能を得ること
ができなくなる場合がある。しかし、伝達特性を近似し
たことにより、歪み補償用フィルタ回路5dの回路構成
および演算量は図2の回路よりも小規模なものにできる
ので、回路構成の簡単化という面では極めて大きな効果
が得られる。
【0029】(第3の実施例)本実施例は、歪み補償用
フィルタ回路を、学習同定法などのアルゴリズムに従っ
て学習を行なう適応フィルタを用いて構成するものであ
る。図4はその構成の一例を示す回路ブロック図であ
る。
【0030】同図において、歪み補償用フィルタ回路6
は、適応フィルタ61および減算器62により構成され
る。このうち適応フィルタ61は、A/D変換器3から
出力された主信号XA(z)に所望信号S(z) が含まれ、か
つ雑音がないかまたは一定レベル以下であるときに学習
動作を行ない、これにより伝達特性R^(z) を推定す
る。この学習は、減算器62の出力信号E″(z) が、 E″(z) =XA(z)−R^(z) E(z) =S′(z) −R^(z) S′(z) {1−P^(z) Q(z) }≒0 …(12) となるように例えば学習同定法による適応アルゴリズム
により行なわれる。
【0031】したがって、適応フィルタ61の伝達関数
R^(z) は、 R^(z) ≒1/{1−P^(z) Q(z) } …(13) となり、前記第(5) 式を直接構成することになる。した
がって、減算器5bから出力された主信号E(z) をこの
歪み補償用フィルタ回路6に通せば、上記主信号E(z)
に含まれる所望信号の歪み成分は打ち消され、これによ
り所望信号の歪み成分のない主信号Eo(z)が出力され
る。
【0032】したがって本実施例によれば、雑音成分は
勿論のこと所望信号の歪み成分さえも消去された品質の
高い主信号Eo(z)を出力することができる。また本実施
例の歪み補償用フィルタ回路6は、1個の適応フィルタ
61および1個の減算器62のみからなる比較的簡単な
構成により実現できるばかりでなく、伝達関数R^(z)
の設定に必要な信号は、A/D変換器3から出力された
主信号XA(z)と減算器5bから出力された主信号E(z)
のみであるため、適応フィルタ5aおよび減算器5bか
らなる雑音成分消去用のノイズキャンセラの構成を何ら
変更せずに実現することができる。すなわち、従来の既
存のノイズキャンセラ5に本実施例の歪み補償用フィル
タ回路6を追加するだけで、極めて簡単に実現できる利
点がある。
【0033】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではない。例えば、上記各実施例では音響ノイズキ
ャンセラを例にとって説明したが、他にオーディオ信号
や光信号、通信信号等に含まれる雑音成分を打ち消すノ
イズキャンセラに本発明を適用してもよい。
【0034】また、適応アルゴリズムとしては、学習同
定法のほかにLMS(Least Mean Square )法や、射影
法、RLS(Recursive Least Squares )法等を適用す
ることができる。
【0035】その他、歪み補償用フィルタ回路の回路構
成、雑音成分を消去するための回路の構成等について
も、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
できる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、雑音が
混入した所望信号を主信号として取り込み、この主信号
から雑音成分を除去する機能を備えたノイズキャンセラ
において、主として雑音源からの雑音を取り込んで参照
信号として出力するための参照入力手段と、上記主信号
および上記参照入力手段から出力された参照信号に基づ
いて上記主信号に含まれる雑音成分を適応的に推定し、
その推定結果を基に推定雑音信号を生成するための雑音
推定手段と、この雑音推定手段により生成された推定雑
音信号を上記主信号から減算して当該主信号に含まれる
雑音成分を消去するための減算手段とを備え、さらにこ
れらに加えて信号歪み補償手段を備えている。そして、
この信号歪み補償手段に、上記減算手段における減算に
より減算後の主信号に発生する信号歪みの特性に対し逆
となる伝達特性を設定し、この伝達特性に従って上記減
算後の主信号をフィルタリング処理して当該減算後の主
信号に発生した信号歪みを低減するように構成したもの
である。
【0037】したがって本発明によれば、主信号中に混
入する雑音成分を効果的に打ち消した上で、さらにこの
打ち消しにより主信号の所望信号成分に発生する信号歪
みをも低減することができ、これにより主信号の品質を
さらに高めることができるノイズキャンセラを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わるノイズキャンセ
ラの構成を示すブロック図。
【図2】図1に示したノイズキャンセラの要部である歪
み補償用フィルタ回路の構成を示す回路ブロック図。
【図3】本発明の第2の実施例に係わる歪み補償用フィ
ルタ回路の構成を示す回路ブロック図。
【図4】本発明の第3の実施例に係わる歪み補償用フィ
ルタ回路の構成を示す回路ブロック図。
【図5】従来のノイズキャンセラの構成の一例を示す回
路ブロック図。
【符号の説明】
1…主マイクロホン 2…参照用マイクロホン 3,4…A/D変換器 5,50…ノイズキャンセラ回路 5a…推定雑音信号生成用の適応フィルタ 5b…雑音成分消去用の減算器 5c,5d,6…歪み補償用フィルタ回路 51,61…適応フィルタ 52,62…減算器 53,54,58…フィルタ 55,59…加算器 56…メインタップ抽出器 57…相関器 S(z) …所望信号源 N(z) …雑音源 XA(z)…主信号 XB(z)…参照信号 E(z) …雑音成分消去後の主信号 Eo(z)…歪み成分補修後の主信号 HA(z),HB(z),GA(z),GB(z)…音響パスの伝達特性 P^(z) ,Q^(z) …適応フィルタの伝達特性 P*(z) ,Q*(z) …近似伝達特性

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雑音源から発生された雑音を含む所望の
    信号を主信号として取り込み、この主信号から雑音成分
    を除去する機能を備えたノイズキャンセラにおいて、 主として前記雑音源から発生された雑音を取り込んで参
    照信号として出力するための参照入力手段と、 前記主信号および前記参照入力手段から出力された参照
    信号に基づいて前記主信号に含まれる雑音成分を適応的
    に推定し、その推定結果を基に推定雑音信号を生成する
    ための雑音推定手段と、 この雑音推定手段により生成された推定雑音信号を前記
    主信号から減算して当該主信号に含まれる雑音成分を消
    去するための減算手段と、 この減算手段における減算により減算後の主信号に発生
    する信号歪みの特性に対し逆となる伝達特性を設定し、
    この伝達特性に従って前記減算後の主信号をフィルタリ
    ング処理して当該減算後の主信号に発生した信号歪みを
    低減するための信号歪み補償手段とを具備したことを特
    徴とするノイズキャンセラ。
  2. 【請求項2】 信号歪み補償手段は、主信号および参照
    信号を基に所望信号パスの伝達特性を適応的に推定する
    手段を有し、この手段により推定された伝達特性と、雑
    音推定手段により推定された雑音パスの伝達特性とを基
    に、信号歪みの特性に対し逆となる伝達特性を設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のノイズキャンセラ。
  3. 【請求項3】 信号歪み補償手段は、雑音推定手段によ
    り推定された雑音パスの伝達特性から遅延および利得を
    表わす情報を抽出する抽出手段と、減算手段に入力する
    前あるいは減算手段から出力された後の主信号と参照信
    号との相関から所望信号パスの伝達特性の遅延および利
    得を表わす情報を検出する相関手段とを備え、前記抽出
    手段により抽出された遅延および利得を表わす情報およ
    び前記相関手段により検出された遅延および利得を表わ
    す情報を基に、信号歪みの特性に対し逆となる伝達特性
    を設定することを特徴とする請求項1に記載のノイズキ
    ャンセラ。
  4. 【請求項4】 信号歪み補償手段は、主信号と、減算手
    段により雑音成分が消去された後の主信号とを基に、繰
    り返しアルゴリズムにしたがって逐次的に学習を行な
    い、この学習により信号歪みの特性に対し逆となる伝達
    特性を設定することを特徴とする請求項1に記載のノイ
    ズキャンセラ。
JP18822394A 1994-08-10 1994-08-10 ノイズキャンセラ Pending JPH0856180A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5978824A (en) * 1997-01-29 1999-11-02 Nec Corporation Noise canceler
US7720233B2 (en) 2003-09-02 2010-05-18 Nec Corporation Signal processing method and apparatus

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