JPH085390Y2 - 粘性継手 - Google Patents

粘性継手

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JPH085390Y2
JPH085390Y2 JP265289U JP265289U JPH085390Y2 JP H085390 Y2 JPH085390 Y2 JP H085390Y2 JP 265289 U JP265289 U JP 265289U JP 265289 U JP265289 U JP 265289U JP H085390 Y2 JPH085390 Y2 JP H085390Y2
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spline
casing
plate
shaft
viscous
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JP265289U
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秀典 片桐
正光 竹林
博 佐藤
昭弘 河合
敏治 福泉
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、車両の動力伝達装置または差動制限装置と
して使用するのに適する、粘性継手に関する。
(従来の技術) ケーシングと、該ケーシングに回転可能に取り付けら
れ、前記ケーシングと相まって油室を画定する軸と、前
記ケーシングに回転不可にかつ軸の軸線方向へ移動可能
に装着され、前記油室内に配置された複数のアウタプレ
ートと、前記軸に回転不可にかつ前記軸の軸線方向へ移
動可能に装着され、前記アウタプレートと互い違いとな
るように前記油室内に配置された複数のインナプレート
とを備え、前記油室内にシリコンオイルを封入した粘性
継手は公知である(たとえば、特開昭63-163040号公
報、特開昭63-195425号公報)。
そして、前記粘性継手では、油室内の温度がある限界
値を越えるまで、粘性流体のせん断によってトルクが発
生する、いわゆるビスカスモードと、前記限界値を越え
た後、プレート相互が摩擦接触するハンプ現象によりト
ルクが発生する、いわゆるハンプモードとがあることも
知られている(たとえば、『自動車技術』第41巻第10号
1162頁以下)。
ハンプ現象は、粘性継手を設置した車両の片輪が脱輪
したり、低摩擦係数の路面に入ってしまったりしたと
き、脱出するのに必要なトルクを得るのに不可欠である
が、このハンプ現象は別の面においても重要である。す
なわち、仮にハンプ現象がないとしたら、前記のような
異常事態時に、粘性継手は十分なトルクを発生できない
ので、いたずらに空転を続けることとなる。その結果、
流体の温度が上昇して、ケーシング内は異常な高圧にな
り、ついにはケーシングが破壊してしまう。このよう
に、ハンプ現象は極限使用時の温度上昇を防ぎ、粘性継
手そのものを、いわば自己保護する重要な役割をもって
いる。
(考案が解決しようとする課題) 従来の粘性継手では、ハンプモードでの作動を繰り返
すと、ハンプモードで発生できるトルクが早い時期に低
下してしまい、必要トルクが得られなくなってしまっ
た。さらに、この状態に至った粘性継手では、ビスカス
モードでの作動でも、所定のトルクより低いトルクしか
発生できなくなってしまった。
本考案者らは、実験を繰り返して、前記事実が次に述
べる原因によって発生することを確認した。
ハンプモードではアウタプレートがインナプレートと
摩擦接触して発熱する。このとき、ケーシングに比べて
熱容量の小さいアウタプレートとインナプレートとは、
摩擦熱により、瞬間的に熱せられる。他方、ケーシング
はアウタプレート、シリコンオイル等からの熱伝導によ
って温度上昇するものの、アウタプレートやインナプレ
ートに比べて温度の上昇速度が小さく、また放熱量が多
い。その結果、アウタプレートおよびインナプレートの
温度は、ケーシングの温度に比べて非常に高くなり、ア
ウタプレートとインナプレートとの熱膨張がケーシング
の熱膨張より大きくなる。
アウタプレートは、ケーシングに全周にわたって一様
に設けられたスプラインその他の切欠き(この明細書で
はスプラインという。)に、それ自体の外周に設けられ
たスプラインをはめ合わせているため、熱膨張すると、
ケーシングのスプラインに拘束されるようになる。アウ
タプレートがさらに熱膨張しようとすると、薄いアウタ
プレートは平面を保てず、変形してしまう。インナプレ
ートも同様に熱膨張するが、インナプレートはその内周
を軸のスプラインにはめ合わせており、外周は自由端と
なっているため、拘束を受けない。
このようにして、アウタプレートが変形すると、アウ
タプレートとインナプレートとの接触が全面でなく部分
的になり、発熱部も部分的になる。この部分的な発熱
が、アウタプレートをさらに変形させるばかりでなく、
インナプレートの変形を促進する。この状態でハンプ現
象を繰り返すと、変形が蓄積され、ついにはアウタプレ
ートとインナプレートとが大きく変形してしまい、正常
なビスカスモードあるいはハンプモードでの作動が確保
できなくなるのである。
本考案は前記知見に基づいて開発されたものであっ
て、ハンプ現象を繰り返し行っても、ビスカスモードお
よびハンプモードでの正常な作動を確保できる粘性継手
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、ケーシングと軸とによって油室を画定する
一方、該油室内に、前記ケーシングに係合する複数のア
ウタプレートと、前記軸に係合する複数のインナプレー
トとを交互に配置した粘性継手である。前記アウタプレ
ートは、前記ケーシングに設けられた内スプラインにか
み合う外スプラインを有し、該外スプラインは、前記内
スプラインとかみ合い状態にしたとき、外スプラインの
歯と、当該歯に隣接して位置する前記内スプラインの2
つの歯とがなすすきまの合計がハンプ現象発生時の外ス
プラインの熱膨張を許容する値となるように形成されて
いる。
(作用および効果) 使用時にハンプ現象が発生し、アウタプレートが熱膨
張したとき、アウタプレートに設けられた外スプライン
の歯と、ケーシングの内スプラインの当該歯に隣接する
2つの歯との間のすきまが外スプラインの熱膨張を許容
する値になっていることから、外スプラインが内スプラ
インに実質的に拘束されることがない。これにより、ア
ウタプレートの熱膨張による変形が防止され、アウタプ
レートは平面を保持する。
ハンプ現象を繰り返し行うことができるため、車両の
片輪が脱輪したり、低摩擦係数の路面に入ってしまった
りしても、容易に脱出できる。
ハンプ現象を繰り返し行っても、ビスカスモードおよ
びハンプモードでの正常な作動を確保できる。これによ
り、所要のトルクを確実に伝達することが可能である。
(実施例) 粘性継手10は、第3図に示すように、ケーシング12
と、軸14と、ケーシング12に係合する複数のアウタプレ
ート16と、軸14に係合する複数のインナプレート18と、
複数のスペーサリング20とを含む。
ケーシング12は円筒部材13aと、円筒部材13aの一方の
端に溶接された環状の端部材13bと、円筒部材13aの他方
の端に溶接された環状の端部材13cとを有する。両端部
材13b、13cの内周面にオイルシール22がそれぞれ配置さ
れている。円筒部材13aは、第2図に示すように、その
内周面に内スプライン24を有する。
軸14は外スプライン15を有する。軸14はケーシング12
の端部材13b、13cに差し込まれ、軸線方向に間隔をおい
て配置されたオイルシール22によって液密とされた状態
で回転可能に支持されている。油室26がケーシング12と
軸14とにより画定されている。
アウタプレート16は、第2図に示すように、環状に形
成されたもので、その外周面に外スプライン28を有す
る。アウタプレート16には、内周面から放射状に伸びる
複数のスリット17aと、スリット17aに連なる孔17bとが
設けられている。外スプライン28が、ケーシング12の円
筒部材13aの内スプライン24とかみ合い、アウタプレー
ト16はケーシング12に回転不可にかつ円筒部材の軸線方
向へ移動可能に取り付けられ、油室26内に配置されてい
る。
アウタプレートの外スプライン28は、ケーシングの内
スプライン24とかみ合い状態にしたとき、第1図に示す
ように、外スプライン28の歯29と、当該歯29に隣接して
位置する内スプライン24の2つの歯25、25とがなすすき
まの合計が、ハンプ現象発生時の外スプライン28の熱膨
張を許容する値となるように形成されている。この場
合、アウタプレート16の外スプライン28の中心を通る円
C上において、歯29と当該歯29に隣接して位置する内ス
プライン24の一方の歯25とのすきまをd1、歯29と他方の
歯25とのすきまをd2、アウタプレート16の外スプライン
28の歯先の外径をDとすると、(d1+d2)/D≧0.3%を満
たす。
従来では、がたつき音の発生を防止する観点から、ケ
ーシングの内スプラインの歯とアウタパネルの外スプラ
インの歯との間のすきまは、アウタパネルがケーシング
に対して移動できる範囲で可及的に小さくなる寸法に定
められていた。この寸法では、本考案者らの前記知見に
よれば、ハンプ現象発生時のアウタパネルの熱膨張によ
って外スプラインがケーシングの内スプラインに拘束さ
れ、アウタパネルが変形するのであるから、前記寸法関
係は、外スプラインの歯と、この歯に隣接して位置する
内スプラインの2つの歯とがなすすきまの合計がハンプ
現象発生時の外スプラインの熱膨張を許容するような大
きさである寸法関係と本質的に異なり、相容れない関係
ということができる。
インナプレート18は環状に形成されたもので、その内
周面に設けられたスプラインが軸14のスプライン15とか
み合っている。これにより、インナプレート18は軸14に
回転不可にかつ軸の軸線方向へ移動可能に取り付けら
れ、アウタプレート16と交互に油室26内に配置されてい
る。
スペーサリング20は、複数のアウタプレート16の互い
に隣接する2枚のプレートの間に配置され、アウタプレ
ート16が互いに接近するのを阻止している。
油室26内に空気を含むシリコンオイルその他の高粘性
流体を適当量封入し、ケーシング12を軸30に連結する。
そして、軸30をたとえば駆動側に、軸14を従動側に連結
する。軸30に入力される回転力は、ケーシング12に伝わ
り、さらに、ケーシング12と一体的に回転するアウタプ
レート16および油室26内に封入された粘性流体を経てイ
ンナプレート18へ、そしてインナプレート18から軸14に
伝達される。
アウタプレート16の外スプライン28の歯先の外径を10
9.15mm、アウタプレートの内径を61mm、インナプレート
18の外径を104mm、インナプレートの内スプラインの歯
先の内径を55.37mmにそれぞれ形成したアウタプレート
を34枚、インナプレートを35枚油室26内に配置し、アウ
タプレート16とインナプレート18との間のすきまを0.15
mmとし、粘度10000cstのシリコンオイルを充填率86%で
充填し、差動回転数を100rpmとして実験を行った。
ハンプ発生目標トルクを800Nmとして、(d1+d2)/Dの
大きさによって、ハンプ現象が発生する回数がどのよう
に変化するかを調べた。その結果を第4図に示す。この
図から明らかであるように、すきまが0.3%以上になる
と、ハンプ繰り返し数が急増している。すきまが0.4%
のとき、40回ハンプ現象を発生させることを確認し、実
験を中止した。
前記実験の前後で、ビスカスモードにおけるトルクの
変化量、すなわち差動回転数100rpm、シリコンオイルの
温度100℃のとき、ビスカスモードにおいて発生するト
ルク差を調べたところ、10%以下であった。
また、アウタプレートの外スプラインの歯と、ケーシ
ングの内スプラインの隣接する2つの歯とのすきまを大
きくすることにより当初懸念された回転時のアンバラン
スは、(d1+d2)/D=0.7%と非常に大きなすきまのもの
について測定したところ、6.3gcmであった。この値は、
従来の粘性継手のアンバランスとほぼ同じである。
【図面の簡単な説明】
第1図はケーシングとアウタプレートとのかみ合い部分
の拡大正面図、第2図はケーシングとアウタプレートと
の正面図、第3図は粘性継手の軸の軸線に沿う面で切断
した断面図、第4図はすきまの大きさとハンプ繰り返し
限界回数との相関を示すグラフである。 10:粘性継手、12:ケーシング、14:軸、16:アウタプレー
ト、18:インナプレート、24:内スプライン、28:外スプ
ライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 河合 昭弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 福泉 敏治 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシングと軸とによって油室を画定する
    一方、該油室内に、前記ケーシングに係合する複数のア
    ウタプレートと、前記軸に係合する複数のインナプレー
    トとを交互に配置した粘性継手であって、前記アウタプ
    レートは、前記ケーシングに設けられた内スプラインに
    かみ合う外スプラインを有し、この外スプラインは、前
    記内スプラインとかみ合い状態にしたとき、外スプライ
    ンの歯と、当該歯に隣接して位置する前記内スプライン
    の2つの歯とがなすすきまの合計がハンプ現象発生時の
    前記外スプラインの熱膨張を許容する値となるように形
    成された、粘性継手。
JP265289U 1989-01-17 1989-01-17 粘性継手 Expired - Lifetime JPH085390Y2 (ja)

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JPH0294940U JPH0294940U (ja) 1990-07-27
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