JPH08510682A - 遠心分離機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 それ自身の内部に送入チャンバ（１６）、分離チャンバ（５）および送出チャンバ（１２）を形成するロータを含む遠心分離機。送出チャンバ（１２）は通路（１３）を介して分離チャンバ（５）に連結されており、この通路（１３）を通って、運転中に分離された液は送出チャンバ（１２）に流れ込み、そして同時に半径方向内側に向かっている自由液面（１４）とともに回転する液体を形成する。送出チャンバ（１２）は、自由液面（１４）の半径方向外側に位置している出口（１９）を有している。送出チャンバ（１２）においては、少なくとも２つの壁要素（２２）がロータに固定されて配置されており、そして分離された液を運転中に前記ロータの回転方向に連行するために、また同時に前記の分離された液の流れが前記送出チャンバ内で半径方向外側に向かうのを許すために、２つの壁要素間に流路（２３）を形成するように配置されている。空気混入の大きな危険なしに有効な連行を可能にするために、壁要素（２２）は、自由液面（１４）がある半径方向のレベルと、出口（１９）の半径方向外側のレベルと、の間で半径方向に延びている部分を有し、そして半径方向外側から見て回転方向前方に向かっている周縁方向の方向成分を持っている。

Description

【発明の詳細な説明】 遠心分離機 本発明は、ロータを含む遠心分離機であって、このロータは回転軸を中心にし て回転し、そして遠心力を利用して処理される液のための送込チャンバと、この 送込チャンバに連結されている分離チャンバと、この分離チャンバ内において運 転中に分離された液の受入れのために通路を介して分離チャンバと連絡しており そしてその中に存在する液が半径方向内側に向かっている自由液面を有する回転 液体を運転中に形成するように設計されている送出チャンバとを、その内部に形 成しているロータを含む遠心分離機に関するものである。この送出チャンバは出 口を備えており、この出口は自由液面の半径方向外側に配置されている。この送 出チャンバにおいては、半径方向と軸方向に延びている少なくとも２つの壁要素 がロータに固定されて配置されており、そして分離された液を運転中にロータの 回転方向に連行するために、また同時にこの同じ液の流れが送出チャンバ内で半 径方向外側に向かうのを許すために、上記の２つの壁要素間に流路を形成する。 この種の公知の遠心分離機においては、送出チャン バは隔壁によって分離チャンバから隔離されており、この隔壁を通って上記通路 は自由液面の半径方向内側に開口するように配置されている。送出チャンバに連 結されている出口は、公知の遠心分離機では固定ディスク状の送出装置の中に形 成されており、この送出装置は、内側流路を有する送出チャンバ内に配置されて いる部分を有し、この流路と共に出口は送出チャンバの中央部から送出チャンバ のこの部分まで半径方向外側に延びており、回転する液体は運転中はこの送出チ ャンバ内に置かれている。この遠心分離機ではまた、送出チャンバ内にある分離 された液をロータの回転方向に連行するために、軸方向および半径方向の延長部 を有する半径方向ウイングが、隔壁に固定されている送出チャンバ内に配置され ている。 送出チャンバ内にある液は次に、連行するウイングに接触し、そして回転する 液体の自由液面の半径方向外側に延びている固定の送出装置にも接触する。こう して、ウイングがロータの回転方向に液体を連行している間、送出装置は液体の 回転速度を低下させる。このようにして、液体の様々な部分は異なる回転速度を とることになり、そして異なる遠心力に影響される。その結果、分離された液は 送出装置の外側にそっては半径方向内側に向かって流れ、そしてウイングに沿っ ては半径方向外側に流れて、送出チャンバ内で内部循 環することになろう。自由液面における液体の流速はかなり高めることができる が、その結果、送出チャンバにおいて半径方向内側にありかつ自由液面に接触し ている空気またはその他の気体が分離された液に混入され、そしてウイングにそ ってその液の流れに連行され、更に送出装置内の内側流路を通って外に出される 虞れが大いにある。 隔壁を通過する通路が自由液面の半径方向内側の送出チャンバに開口している 結果、送出チャンバに入る分離された液が通路から送出チャンバ内における自由 液面またはウイングに向かって半径方向外側に遠心力により投げ出されるときに 生じる衝突の結果として、空気混入の危険が増大し、そして自由液面におけるウ イングにそった半径方向外側に向かう流速の増大の結果としても、またこうした 危険が増す。 送出チャンバ内の分離された液を穏やかに連行するために、国際特許ＷＯ８９ ／０３２５０号に示されているようにこの種の遠心分離機において、ロータに固 定されている少なくとも１つのディスクの形態で連行部材を設計することが示唆 されている。この場合、半径方向外側に向かっている流れは、幾つかの大きな層 をなすように分配され、こうして自由液面における流速はより低くなり、そして 空気混入の危険もより小さくなる。しかし、送出チャンバ内の分離された液をロ ータの回転方向に連行するディスクの力がしばしば不十分になることが示されて いる。 本発明の目的は、分離された液を穏やかではあるが効果的に連行し、そして空 気混入の危険性が低くなるように送出チャンバから送り出すことができる上述の 種類の遠心分離機を完成することである。 半径方向と軸方向に延びている複数の壁要素を備えたこの種の遠心分離機であ って、この各壁要素は、自由液面がある半径方向のレベルと出口の半径方向外側 のレベルとの間で半径方向に延びている少なくとも１つの部分を有し、そして半 径方向外側から見て回転方向前方に向かっているこの周縁方向の方向成分を有す るこの種の遠心分離機を提供することによって、上記の目的は達成される。 自由液面から出口に向かう回転している液体において、半径方向外側に向かっ て流れる分離された液の流れは主として、流路を形成する２つの壁要素の内で回 転方向から見て後部にあたる壁要素にそって生じる。 上記部分における壁要素は、本発明によれば回転軸に垂直な面において湾曲し ており、そして半径とともに増大する周縁へ向かう方向成分を有していることが 、有利な点である。 本発明による壁要素は、隔壁の上に直接配置することもできるが、この隔壁と 壁要素との間に回転軸の周 囲を囲む環状の隙間が形成されるように隔壁から軸方向のある距離を置いて配置 することもできる。送出チャンバに向かって流れる分離された液をこの隙間内に おいて自由液面に向かって半径方向外側に導くために、回転軸の周囲を囲んでい る角度そらせ板がこの場合、通路から隙間に半径方向外側に延びている送出チャ ンバに適宜配置される。 本発明のもう一つの実施例では、流路は、軸方向に出口に向かう方向で送出チ ャンバに向かって開口している断面を有する。 本発明の更にもう一つ別の実施例では、かぶせ蓋が各壁要素の側面に固定され て送出チャンバ内に配置されており、通路を備えている端壁から回転され、そし て壁要素の上記の側面において送出チャンバに向かう流路の境界を画定するため に配置されている。 本発明は以下に添付の図面を参照しながらより詳細に説明されるであろう。 図１は、本発明による遠心分離機の一部を軸方向に切断した断面図を模式的に 示している。 図２は、図１の遠心分離機の一部を線ＩＩ−ＩＩにそって切断した断面図を模 式的に示したものである。 図３は、図２に示されている部分を線ＩＩＩ−ＩＩＩにそって切断した断面図 である。そして、 図４は、本発明の修正実施例による遠心分離機の一 部の軸方向の断面図を模式的に示したものである。 図１に示されている本発明の遠心分離機の部分にはロータが含まれており、こ のロータは締付けリング３によって軸方向に結合されて一体になっている下部１ と上部２を有する。一例として表示されている遠心分離機の内側には、軸方向に 可動なすべり弁４が配置されている。このすべり弁４は上部２とともに分離チャ ンバ５の境界を定め、物質のための周縁の送出口６の方にある環状の隙間を開閉 するために配置されており、この物質は運転中にロータ内で分離され、そして分 離チャンバ５の周縁に蓄積される。すべり弁４は下部１とともに封鎖チャンバ７ の境界を定め、この封鎖チャンバ７は封鎮液のための送入口８と絞り送出口９を 備えている。 分離チャンバ５内には、幾つかの円錐形の分離ディスクから成るディスクスタ ック１０が、ディストリビュータ１１と上部２との間に配置されている。示され ている図においては、上部２はその上端に送出チャンバ１２を形成し、この場合 、比較的に軽い分離液を分離チャンバ５から中央通路１３を経由してこの送出チ ャンバ１２に向かって流すことができる。ロータの運転中、送出チャンバ１２内 にある液は、半径方向内側の自由液面１４を有する回転液体を形成する。 送出チャンバ１２を貫通して中央に固定の送入管１ ５が延びており、この管はディストリビュータ１１の内部にある送入チャンバ１ ６に開口している。送入管１５の次に、固定の送出管１７がチャンバ１２内の特 定のより軽い液のために配置されている。送出装置１８が送入管１５の周囲のチ ャンバ内に配置されており、そして送出管１７に連結されている。送出装置１８ は固定されているが、また別の送出構造では同様な送出装置を、ロータの回転速 度より低い速度で回転するように配置することもできる。 送出装置１８は送出チャンバ１２内で半径方向外側に延びており、そして自由 液面１４の半径方向レベルの外側に位置する部分を有している。送出装置１８に は、少なくとも１つの送出路２０が送入口とともに配置されており、この送入口 はこの部分に位置していてかつ送出チャンバ１２からの出口１９を構成する。送 出路２０は送出管１７の内部に連結されている。 図示されている実施例では、通路１３は隔壁２１内の中央に配置されている。 送出チャンバ１２内には、回転軸の周囲に幾つかの壁要素が配置され、ロータの 回転に到る運転中に送出チャンバ１２内にある分離された液を連行しそして半径 方向外側に向かって出口１９の方にこれを導くために、これらの要素間に流路２ ３（図２参照）を形成する。この場合、壁要素２２の少なくとも一部は、自由液 面が位置する半径方向のレ ベルと出口１９の半径方向外側のレベルとの間に半径方向に延びている。 図１に図示されている遠心分離機の一部を線ＩＩ−ＩＩにそって切断した断面 を模式的に示している図２を参照すれば、隔壁２１上に配置されている壁要素２ ２の設計がより明らかになり、またどのようにこれらの壁要素間に流路２３が形 成されているかがより明瞭になる。半径方向外側から見て回転方向前方に向かっ ている周縁方向の方向成分を有するように、各壁要素２２は方向づけられる。回 転方向は時計回りで、矢印２４で表示されている。その外、壁要素２２は回転軸 に垂直な面において湾曲しており、そして半径とともに増大する周縁へ向かう方 向成分を有している。 図３は、図２に示されている部分を切断した軸方向の断面図である。図１、２ および３に示されている流路２３は、軸方向に出口１９の方に向かって送出チャ ンバ１２の方に開口している断面を有する。 図２と３に示されている本発明の遠心分離機の部分のもう一つ別の実施例は図 ４に表示されている。図３におけるように、図４はこの部分の軸方向の断面図を 示している。隔壁２１と壁要素２２との間に隙間２５が形成されるように、壁要 素２２は隔壁２１から軸方向のある距離を置いて配置されている点において、図 ４による実施例は図１、２および３に示されている実 施例と異なる。その外、隔壁２１から離れている各壁要素２２の側面においてこ れらの壁要素２２の各々に被せぶた２６が固定されて配置されている。更に、回 転軸の周囲を囲むそらせ板２７が通路１３に配置されている。半径方向外側に向 かう液流がある間、分離された液が、自由液面の半径方向内側にある壁要素２２ の部分と衝突しないように、このそらせ板２７は分離された液を隙間内において 自由液面に向かって径方向外側に導く。 遠心分離機の始動時に、ロータは回転させられ、そして入口８を通して封鎖液 を封鎖チャンバ７に供給することによって、分離チャンバ５は封鎖される。分離 チャンバ５が封鎖されると、遠心力を利用して処理されることになる液は、送入 管１５と送入チャンバ１６を通して分離チャンバ５に供給することができる。分 離チャンバ５がついに満たされると、ロータは運転回転数を得て、分離チャンバ 内の条件が安定する。供給された液に遠心力の影響が及ぼされている間、この液 の成分は分離される。 この場合、分離は主として、ディスクスタック１０内の円錐形のディスクとデ ィスクの間の空間で行われる。分離中、より重い特定の成分は半径方向外側に投 げ出され、そして分離チァンバの半径方向の最も外側の部分に集められるが、一 方より軽い特定の液はこれ らの空間において半径方向内側に流れる。 ある時間経過の間、すべり弁４が周縁の送出口６を開放することによって、こ のより重い特定の成分は運転中断続的に放出される。 より軽い特定の成分は分離チャンバ５から流れ出て通路１３を通って送出チャ ンバ１２に入り、ここで半径方向内側に向かう自由液面を有する回転液体を形成 する。送出チャンバ１２内にある液は出口１９を通り、そして固定されている送 出装置１８内の送出路２０を通過して放出される。 送出チャンバ１２内にある液成分の連行は、ロータとともに回転している壁要 素２２と送出チャンバの画定面によってなされる。 送出装置１８に最も近いところにある液は、送出装置１８の出口面と接触する ことによって速度を低下させられる。送出チャンバ１２内に存在する液体の様々 な部分はこのようにして、様々な回転速度を得ることになる。液と送出装置１８ の外側面との接触によって、循環する液流が送出チャンバ１２内に生じ、上述の ように液は、送出装置１８の外側面にそって半径方向内側に流れ、そして回転方 向から見て、流路を形成する２つの壁要素のうちの後部の壁要素にそって半径方 向外側に流れる。混入されておりそしてこれらの壁要素にそったその流れにおい て分離された液に連行され ている空気またはその他の気体は、分離された液よりも低い基本密度を有してい る。その結果、連行された空気またはその他の気体の泡は、回転方向から見て、 流路を形成する２つの壁要素のうちの前方の壁要素の方へと半径方向内側に向か う比較的に強い力に晒される。こうして空気またはその他の気体の泡は、後部の 壁要素を離れ、そして前部の壁要素に向かって流れてこの要素のところに集めら れ、径方向外側に向かって流れる分離された液による径方向外側に向かうせん断 力によって影響されずに、前部の壁要素にそって更に自由液面に向かい半径方向 内側に流れ、こうして分離された液体に混入されておりそして連行されているほ とんど全ての空気またはその他の気体は、この液が送出チャンバから出て出口に 達するまでに、この液から分離されている。 こうした効果はまた、図面に示されている通路が自由液面の径方向内側に配置 されていても、本発明により達成され、これは多くの場合、良好な分離成果を達 成するために望まれるのであるが、径方向外側に向かう液流を増す結果になる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カールソン、クラエス−ヨーラン スウェーデン国 エス―146 00 ツリン ゲ ソグスヘムスヴェーゲン 63ベー (72)発明者 ラゲールステット、トルグニイ スウェーデン国 エス―113 52 ストッ クホルム ドエーベルンスガータン 89 (72)発明者 ノボ、オレ スウェーデン国 エス―146 00 ツリン ゲ ノルダンヴェーゲン 15 (72)発明者 インゲ、クラエス スウェーデン国 エス―131 50 サルツ ヨー―ドヴネス クリスティナヴェーゲン 15 (72)発明者 フランツェン、ペーテル スウェーデン国 エス―146 00 ツリン ゲ モンストールプスヴェーゲン 22 【要約の続き】 る部分を有し、そして半径方向外側から見て回転方向前 方に向かっている周縁方向の方向成分を持っている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ロータを含む遠心分離機であって、回転軸を中心にして回転しそしてそれ 自身の内側に、 − 遠心力を利用して処理される液のための送入チャンバ（１６）と、 − 該送入チャンバ（１６）に連結されている分離チャンバ（５）と、 − 該分離チャンバ（５）内において運転中に分離された液の受入れのために通 路（１３）を介して前記分離チャンバ（５）と連絡しており、そして運転中に前 記分離チャンバ（５）の中に存在する液が半径方向内側に向かっている自由液面 （１４）とともに回転する液体を形成するように設計されており、そして前記自 由液面（１４）の半径方向外側に出口を備えている送出チャンバ（１２）とを、 形成している遠心分離機であって、 半径方向と軸方向に延びている少なくとも２つの壁要素（２２）が、前記ロータ に固定されて前記送出チャンバ（１２）内に配置されており、そして分離された 液を運転中に前記ロータの回転方向に連行するために、また同時に前記の分離さ れた液の流れが前記送出チャンバ（１２）内で半径方向外側に向かうのを許すた めに、前記の２つの壁要素（２２）間に流路（２３）を形成するように配置され ている遠心分離機において、 前記壁要素（２２）の各々は、前記自由液面（１４）がある半径方向のレベルと 、出口（１９）の半径方向外側のレベルとの間で半径方向に延びている部分を少 なくとも有し、そして半径方向外側から見て回転方向前方に向かっている周縁方 向の方向成分を持っていることを特徴とする、ロータを含む遠心分離機。 ２．前記部分における前記壁要素（２２）は回転軸に垂直な面において湾曲し ており、そして半径とともに増大する周縁へ向かう方向成分を有している請求項 １記載の遠心分離機。 ３．１つの隔壁（２１）が前記送出チャンバ（１２）を前記分離チャンバ（５ ）から分離するために配置されており、そして該隔壁を貫通して前記通路（１３ ）が配置されている請求項１または２記載の遠心分離機。 ４．前記通路（１３）は前記自由液面（１４）の半径方向内側に配置されてい る請求項３記載の遠心分離機。 ５．前記壁要素（２２）は前記隔壁（２１）の上に固定されている請求項３ま たは４記載の遠心分離機。 ６．前記回転軸の周囲を囲む環状の隙間（２５）が前記隔壁（２１）と前記壁 要素（２２）との間に軸方向に配置される請求項３または４に記載の遠心分離機 。 ７．環状のそらせ板（２７）が前記送出チャンバ（ １２）の中に配置されており、そして前記通路（１３）から前記隙間（２５）に 向かって半径方向外側に延びている請求項６記載の遠心分離機。 ８．前記流路（２３）は前記出口（１９）に向かう方向で前記送出チャンバ（ １２）に向かって開口している断面を有する請求項１から７までのいずれか１項 記載の遠心分離機。 ９．かぶせ蓋（２６）が前記壁要素（２２）の側面においてそれぞれの該壁要 素（２２）に固定されて前記送出チャンバ（１２）内に配置されており、前記隔 壁（２１）により回転させられ、そして該壁要素（２２）の前記側面において前 記送出チャンバ（１２）に向かう前記流路（２３）の境界を画定するために配置 されてる請求項１から７までのいずれか１項記載の遠心分離機。 １０．前記出口（１９）は、運転中は前記自由液面（１４）の外側に位置する 半径方向レベルまで前記送出チャンバ（１２）に延びている固定の送出装置（１ ８）内に形成される請求項１から９までのいずれか１項記載の遠心分離機。