JPH08509599A - 植物体にウイルスに対する耐性を付与し得るポリリゾザイムおよびこのポリリゾザイムを産生する耐性植物体 - Google Patents

植物体にウイルスに対する耐性を付与し得るポリリゾザイムおよびこのポリリゾザイムを産生する耐性植物体

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Abstract

(57)【要約】 この発明は、エンドリボヌクレアーゼ活性を有し、ウイルスのカプシドタンバク遺伝子を不活性化することが可能な“ポリリボザイム”と呼ばれる核酸配列であって、i)この遺伝子もしくはその転写物もしくはその複製中間体の少なくとも一部に相補的な配列、およびこの相補的配列の異なる部位に含まれる:ii)複数のリボザイム触媒領域;iii)および、任意の、前記遺伝子の転写物に相補的ではなく、前記相補的配列の2つの保存塩基の間に挿入されている1以上の配列、を包含することを特徴とする核酸配列に関する。

Description

【発明の詳細な説明】植物体にウイルスに対する耐性を付与し得るポリリゾザイムおよびこのポリリゾ ザイムを産生する耐性植物体 この発明は、“ポリリボザイム”と呼ばれ、植物体にウイルスに対する耐性を 付与し得るヌクレオチド配列、および植物対を耐性にする方法に関する。この発 明はまた、このポリリボザイムを発現する植物体に関する。 植物体のゲノムにウイルスの核酸配列(カプシドタンパクの遺伝子、非構成タ ンパク質の遺伝子、アンチセンスウイルスRNA配列およびサテライドウイルス のRNA類)を組み込むことにより栽培植物に耐ウイルス性を付与する幾つかの アプローチが開発されている(例えば、Cuozzo et al.,1988,Bio/Technology 6,549-557;Rezaian et al.,1988,Plant.Mol.Biol.,11,463-471;Harrison et al.,1987,Nature 328,797-802を参照)。 これらの刊行物は、部分的な抵抗性または寛容性の生成を報告している。それ にもかかわらず、ほとんどの場合、徴候が遅れて出現したり、弱い徴候があり、 完全に耐性ではない。 さらに、これらの手順の幾つか、例えばサテライトウイルスを用いるものは、 新たな問題を生起することがある。例えば、ある種において徴候を軽減するサテ ライトウイルスが他の種に対しては致命的になることがある。さらに、植物体に 導入されたサテライトウイルスのヌクレオチド配列における突然変異が、感染の 重篤性を、軽減する代わりに増大させることがある。 同様に、カプシドタンパクを耐性の付与に用いることには不利な点がある。例 えば、ウイルスの特定の株のカプシドタンパクは、必ずしも、ウイルスの他の株 による感染に対して植物体を保護するものではない。タンバク質の発現によって 許容される寛容性の程度の予測に、異なるウイルスまたは異なる株の間のカプシ ドタンパクのアミノ酸配列の相同性を用いることは困難である。さらに、ウイル ス感染に対して保護するためのカプシドタンパクの発現は、植物対において発現 したカプシドタンパクとこの遺伝子導入(トランスジェニック)植物に感染する 他のウイルスとの間の異質カプシド形成[heteroencapsidation]を誘発する危 険性をもたらす。この異質カプシド形成は、遺伝子導入植物ではいまだ示されて いないが、BYDVとPRSV、およびZYMVとPRSVの株の間では既に観 察されている。 植物体に耐ウイルス性を付与するために、リボザイムの使用もまた考慮されて いる。リボザイムは、標的RNAの開裂を特異的に触媒することにより酵素とし て作用するRNA分子である。植物細胞におけるリボザイムを用いた最初の実験 は、特許出願EP-A-321021に記述された。それ以来、ウイルスRNAの効率的な 開裂を得るために、何人かの著者がリボザイムの構造および操作条件を最適化し ようと試みている。 例えば、LambおよびHay(I.Gen.Virol.,1990,71:2257-2264)は、ジャガイ モ葉巻ウイルス(PLRV)のRNAのモノリボザイムを用いて、RNAポリメ ラーゼおよびカプシドタンパクをコードする領域におけるイン・ビトロ開裂を 示している。しかしながら、このイン・ビトロ開裂反応は40℃でのみ生じる;0 ℃ではいかなる反応も全く観察することができない。植物は、種に依存はするが 、通常10ないし30℃で栽培する。LambおよびHayは、イン・ビボでの使用に対し ては、相補的アームの長さが増大したことを示している。しかしながら、アーム が非常に長いとしても、標的RNAとリボザイムとの間で安定な二重鎖の形成が 起こり得る。これは、リボザイムの解離を妨げ、リボザイムが他の開裂反応を触 媒することを不可能にする。さらに、相補的アームの長さおよび配列によっては 、リボザイム自身が2次構造を形成することがある。これは、その開裂活性を減 少させる。 EdingtonおよびNelson(“遺伝子調節:アンチセンスRNAおよびDNAの生 物学:ERICKSONおよびIZANT編、Raven Press Ltd,New-York,1992)は、タバコ モザイクウイルス(TMV)のポリメラーゼ遺伝子の不活性化に、モノリボザイ ムをイン・ビトロおよびイン・ビボで使用することを記述している。彼らは、リ ボザイムが、イン・ビトロで用いられるか、イン・ビボで用いられるかによって 非常に異なる挙動を示すことを観察した。このため、イン・ビトロでのリボザイ ムの活性は、イン・ビボでの同じリボザイムの活性の予測に用いることはできな い。例えば、イン・ビトロでの開裂は低効率であるように思われ、TMVゲノム RNAの濃度よりも20倍も高いリボザイム濃度を要する。一方、TMVに感染し たタバコプロトプラストを用いるイン・ビボ実験では、リボザイムはウイルスR NA増殖の90%を抑制する。対 照として用いられたアンチセンスRNAがウイルス増殖のわずかに20%しか阻害 しないことは注目に値する。これらの研究者はまた、TMVのポリメラーゼ遺伝 子を標的とするポリリボザイムを使い始めたGerlachらの研究を参照している。 このポリリボザイムは、リボザイムと標的RNAとの間に形成された二重鎖の長 さのために、イン・ビトロでは機能しない。一方では、イン・ビボにおいては、 このポリリボザイムは基質を開裂した。モノリボザイムまたはポリリボザイムを 発現する遺伝子導入タバコ植物体は、TMV感染後の徴候の遅れを示している。 完全耐性、すなわち徴候の決定的な欠如は記述されていない。この著者らは、起 こり得るリボザイムの“コンパートメント・アライゼーション[compartment-al isation]”の問題を克服可能にする、相補的アームの最適長さ、標的配列の選 択およびプロモータの選択のようなパラメータは、実験によって決定しなければ ならないと結論付けている。 EP-A-0421376には、CMVの非コーディングRNA配列に対するリボザイムが 記述されている。WO-A-9213090には、“グループIイントロン”型のモノリボザ イムを用いて配列中に異質配列を導入することによる、CMVカプシドタンパク のRNAの不活性化が記述されている。これらの文献のいずれも、CMVに対す る完全な耐性の生成は記述されていない。 この発明が解決しようとする技術的な問題は、植物体に耐ウイルス性を付与す る上で不利な点が全くない信頼に足る薬 剤を供給することである。 本発明者らは、ウイルスのカプシドタンパクに対するポリリボザイムを着想し 、それを使用することによりこの問題を軽決した。このポリリボザイムは、この タンパク質をコードする遺伝子を不活性化することが可能であり、したがって完 全な耐ウイルス性を付与することが可能である。 この発明のポリリボザイムの効率は、従来の技術においてカプシドタンパク遺 伝子のアンチセンス配列を用いて得られた平凡な結果の観点からは驚くべきもの である。これは、これらの方法の各々が対応RNAの不活性化に関与しているた めである。加えて、何人かの著者はトランス作用ポリリボザイム類[trans acti ng polyribozymes]の使用に対しては忠告を与えている。これは、リボザイム類 が、互いに独立には機能し得ず、また同一の配列を有する触媒領域がしばしば互 いにハイブリダイズする傾向があるためであり、後者は不活性構造につながる( 例えば、Taira、HFSPワークショップ“RNA−エディッティング−植物ミ トコンドリア”、アブストラクト・ブック、ベルリン、1992年9月15-20日を参 照)。この発明に従って得られた結果は、一方で選択された標的、すなわちカプ シドタンパクの観点においても、他方で標的の不活性化に用いられる方法、すな わちポリリボザイムの観点においても、予期されるものではない。 不活性化の効率に加えて、この発明のポリリボザイムは、周知の方法と比較し て多くの利点を有している; ‐このリボザイムは、幾つかのウイルスRNAの開裂を構 造を変形させることなく特異的に触媒する酵素として機能する。この酵素的開裂 は、カプシドタンパクの発現がウイルス感染を阻害し、ウイルス増殖のインヒビ ターとして機能するのに対して、全てのウイルスRNAの破壊につながる。 ‐このリボザイムは異質カプシド形成を誘発し得ず、あるいは新たなウイルス 株を産生し得ない。 ‐カプシドタンパクによって誘発される寛容の特異性を予測することが困難で あるのに対して、リボザイムは1以上のウイルス株を、あるいは、相同領域に対 応する相補鎖が異なる株もしくは異なる関連株の間で保存されているのであれば 幾つかの関連ウイルスを、特異的に開裂するために構築することが可能である。 この発明を完全に理解するために、リボザイムに関する事実を一般的に特定す ることは有益であろう。リボザイムは、その配列および二次構造によって、エン ドリボヌクレアーゼ活性を有するRNA分子である。このエンドリボヌクレアー ゼ活性は、リボザイムが相補的RNAの二次分子とハイブリダイズした際に、そ の二次RNAを開裂することを可能にする。したがって、後者はリボザイムの“ 基質”である。 リボザイムは2つの必須部分を有している: (i)以下では“相補的配列”と呼ばれ、開裂することが望まれる基質と相補 的になるように選択される配列。これは、2つの分子がハイブリダイズすること を可能にする; (ii)および、選択された基質にかかわらず保存された配列を有し、かつ“ル ープ”の形態にあるその二次構造のため に基質とのハイブリダイゼーションに関与しない触媒領域。 通常、触媒領域は相補的配列中に位置し、したがって相補的配列の一部が触媒 領域の5´に位置し、他の部分が3´に位置する。触媒領域の各々の側に当たる これらの相補的配列の断片はしばしば“ハイブリダイジング・アーム”と呼ばれ る。 この発明の目的はポリリボザイムである。それは、特には、エンドリボヌクレ アーゼ活性を有し、ウイルスのカプシドタンパク遺伝子を不活性化することが可 能な“ポリリボザイム”と呼はれる核酸配列であって、 i)この遺伝子もしくはその転写物もしくはその複製中間体の少なくとも一部 に相補的な配列、およびこの相補的配列の異なる部位に含まれる: ii)複数のリボザイム触媒領域; iii)および、任意の、前記遺伝子の転写物に相補的ではなく、前記相補的配 列の2つの保存塩基の間に挿入されている1以上の配列、 を包含することを特徴とする核酸配列である。 この明細書において、“ポリリボザイム”という用語は、頭−尾結合で連なる リボザイムで構成され、そのためこのリボザイムがポリリボザイムの単位モチー フであるRNA分子を意味する。換言すると、それはハイブリダイジング・アー ムによって互いに結合する一連の触媒領域であり、これらのアームの全長が相補 的配列を構成する。ポリリボザイムは、通常、単一の転写物に対して“単一分子 [uni-molecule]と して作用する。すなわち、各々の触媒領域の開裂部位は同じ転写物:カプシドタ ンパク上に位置する。また、この発明のポリリボザイムは、上述の2つの必須部 分である[(i)、相補的配列]および[(ii)、触媒領域]に加えて、1以上 の(iii)基質に非相補的な配列を含んでいてもよい。これらの非相補的配列の 性質および機能は、後に詳述する。 ポリリボザイムの2つの必須部分のうち、相補的配列は基質を決定するもので ある。この発明では、それはウイルスのカプシドタンパク遺伝子またはこの遺伝 子の断片に相補的な配列である。ウイルスが、その遺伝子が直接mRNAとして 働くRNA(+)ウイルスである場合には、相補的配列は実際にその遺伝子に相 補的である。他の場合には、遺伝子の転写物に相補的である。また、複製中間体 に相補的であってもよい。 相補的配列は、カプシド遺伝子の全長とハイブリダイズしてもよい。この場合 には、相補的配列の全長は、問題となるカプシド遺伝子の長さの関数として変化 する。他方、相補的配列は遺伝子の断片とのみハイブリダイズしてもよい。問題 となる断片は、ポリリボザイムの対応配列中に少なくとも2つの触媒領域が組み 込まれることを可能にするに十分な長さでなければならない。一般に、相補的配 列の長さは、触媒領域(すなわち、ハイブリダイジング・アームの合計)を計算 せずに、約40ないし2000塩基の間を変化し得る。非常に多くのウイルスが約1000 塩基のカプシドタンパク遺伝子を有しており(例えば、CMV、PLRV)、40 0ないし1000の長さ が好ましい。 この明細書において、“相補的”という用語は、ポリリボザイムとこの基質と の安定なハイブリダイゼーションおよび基質の効率的な開裂を可能とするに十分 な、高度の相補性を意味する。ポリリボザイムがタイプ(iii)、すなわち“非 相補的”配列を含まない場合には、相補性の程度は通常100%である。配列中に おける特定の数、例えば10%までの不適合対の存在は、ハイブリダイゼーション および基質の開裂を妨げない限りにおいて許容することができる。 ポリリボザイムの(ii)部分、すなわち触媒領域は、あらゆるタイプの適切な リボザイム、例えば“ハンマー・ヘッド”、“ヘアピン”または“グループIイ ントロン”から誘導される。1種および同種のポリリボザイムは、異なるタイプ のリボザイム、例えば“ハンマー・ヘッド”および“ヘアピン”、から誘導され る触媒領域を有していてもよい。触媒領域は、“ハンマー・ヘッド”タイプのリ ボザイムから誘導されることが好ましい。このリボザイムのコンセンサス構造を 図1A、B、CおよびDに示す。これらのリボザイムは、特許出願EP-A-321021 およびWO-A-9119789に詳細に記述されている。 図1に示される触媒領域は保存構造および配列を有するが、幾つかのヌクレオ チドが、リボザイムの活性を損なうことなく、欠落し、挿入され、置換され、ま たは変性され得ることが観察されている。この発明は、ポリリボザイム中のこれ らの触媒領域の使用を、それらの触媒活性が保存されているという条件の下で、 包含する。この活性は、下記試験を用いる ことにより確かめることができる。 例えば、図1Aに示される触媒領域IIの1以上のヌクレオチドは、アデニン、 グアニン、シトシン、メチルシトシン、ウラシル、チミン、キサンチン、ヒポキ サンチン、イノシンもしくは他のメチル化塩基のような塩基を含むヌクレオチド で置き換えることができる。触媒ループの最初の塩基対を一緒に形成する“保存 された”塩基C−Gは、U−Aで置き換えることができる(Koizumi et al,,FE BS Letts.228,2,228-230,1988)。 図1に示される触媒領域のヌクレオチドはまた、化学的に変性させることがで きる。ヌクレオチドは塩基、糖および一リン酸塩基からなる。したがって、これ らの基の各々を変性させることができる。そのような変性は、“核酸構造の原理 [Principles of Nucleic Acid Structure]”(Wolfram Sanger編,Springer V erlag,New York,1984)に記述されている。例えば、塩基は、ハロゲノ、ヒド ロキシ、アミノ、アルキル、アジド、ニトロ、フェニル基等の置換基を有してい てもよい。また、ヌクレオチドの糖部分が、ハロゲノ、アミノもしくはアジド基 による第2ヒロドキシル基の置換のような変性、あるいは2’メチル化さえも受 けていてもよい。 ヌクレオチドのリン酸基は、N、SもしくはCによる酸素の置換(それぞれ、 ホスホラミデート、ホスホロチオエートおよびホスホネートを生じる)による変 性を受けていてもよい。これら後者は、有用な薬学動力学特性を示す可能性があ る。 また、触媒領域の塩基および/またはヌクレオチドは、アミノ酸、例えばチロ シンもしくはヒスチジン、のような置換基を有していてもよい。 リボザイムの活性を損なうことなく、触媒領域の特定の部位にさらなるヌクレ オチドが挿入され得ることも観察されている。例えば、A、G、CもしくはUか ら選択されるさらなる塩基が、図1Aまたは1BにおけるA1の後に挿入されて もよい。 この発明の変形によると、リボザイムは、図1Dに示されるような構造の1以 上を触媒領域として含むことができる。“ミニザイム”と呼ばれるこの構造は、 国際特許出願WO-A-9119789に記述されている。これは、その“ループ”が“P” 群で置き換えられている“ハンマーヘッド”タイプの触媒領域を表わしている。 Pは、Gおよび1Aの間の共有結合的連結、1以上のヌクレオチド(RNAもし くはDNA、または混合物、または上述の誘導体)あるいは触媒活性に影響を与 えないヌクレオチド以外の原子もしくは原子団であり得る。Pが複数のヌクレオ チドを表わす場合には、それは内部塩基ペアリングを含むことがある。“P”群 を構成するヌクレオチドの配列および数は重要ではなく、例えば1ないし20ヌク レオチド、好ましくは1ないし6ヌクレオチドの範囲を変化し得る。ワトソン− クリック・タイプの内部塩基ペアリングを欠く配列を選択することが好ましい。 この発明のポリリボザイムの触媒活性は、ポリリボザイム、または転写後にポ リリボザイムを生じる配列を、続いて開裂 を示すことになる基質と接触した状態に置くことにより、イン・ビトロで確かめ ることができる。イン・ビトロ開裂反応の実験条件は以下の通りである:4ない し60℃、好ましくは20ないし55℃の温度、約7.0ないし9.0のpH、Mg2+のよう な二価金属の存在下、1ないし100mM(好ましくは1ないし20mM)の濃度。 ポリリボザイムは、通常、基質と等モル比、または過剰に存在する。このイン・ ビトロ開裂反応は、Lamb and Hayによって記述された方法(J.Gen.Virol.,19 90,71,2257-2264)に従って有利に行なわれる。また、この論文は、リボザイ ムを産生させるための、プラスミドに挿入されているオリゴデオキシリボヌクレ オチドからのイン・ビトロ転写の適切な条件も記述している。 このイン・ビトロ開裂条件は、細胞中に本来存在するものである。 “ハンマーヘッド”リボザイムは、“標的”部位XXX、好ましくはXUX( ここで、Xは4種の塩基A)C、G、Uの1つを表わし、Uはウラシルを表わす )のすぐ下流で基質を開裂する。特に好ましい標的配列の1つはXUY(ここで 、YはA、CもしくはUを表わし、XはしばしばGである)、例えばGUCであ る。他の標的部位、例えばCAC、UACおよびAAC、も可能ではあるが、有 効性は低い。“ヘアピン”タイプのリボザイムの場合には、好ましい標的配列は AGUCである。 これらの標的配列は、それらが基質の開裂位置を示すためだけではなく、相補 的配列において触媒領域が挿入されるべ き位置を定義するので、ポリリボザイムの構成および機能の上で重要である。実 際、ポリリボザイムの各触媒領域は、転写物のXUX部位に対応する相補的配列 中の部位に位置していなければならない。例えば、1つのXUX部位がキャプシ ドタンパク遺伝子の108位に位置し、他方が205位に位置する場合には、相補的配 列中の対応位置である108、他方は205に触媒領域が挿入されている。 XUXというモチーフはRNA配列中に非常に頻繁に発生するモチーフである 。例えば、塩基が無作為かつ均質に分布している配列中では、平均して64塩基毎 にGUCモチーフが存在する。これは、基質が、通常複数のXUX開裂部位を有 していることを意味している。前に示されるように、ポリリボザイムの触媒領域 は、相補的配列のXUX部位に対応する位置に位置する。しかしながら、この発 明による有効な開裂を得るためには、基質の各XUX標的配列毎に触媒領域を含 む必要はない。この発明によると、ポリリボザイムが少なくとも2つの触媒領域 を含んでいれば有効な開裂が得られる。相補的配列中に含まれる触媒領域の総数 は、遺伝子中に存在するXUX部位の総数に等しいか、もしくは少ない。このよ うに、この発明のポリリボザイムに含まれる触媒領域の数は一定していない。例 えば、CMVでは、標的配列がGUCである場合、ポリリボザイムは約2ないし 約11もしくは12の触媒領域を有することができる。相補的配列中に、基質中のX UX部位の数よりも少ない数の触媒領域を含めることが決定された場合には、選 択された部位は以下の基準を考慮するこ とにより選定することができる: a)標的とする2つのXUX部位の間、結果的にはポリリボザイムにおける2 つの触媒領域の間の距離は、対応する触媒領域の間に位置するポリリボザイムの ハイブリダイジング・アームが安定な様式で基質とハイブリダイズし、触媒領域 がそれら自身とハイブリダイズすることを妨げることを可能とするのに十分な長 さでなければならない。少なくとも8塩基、好ましくは少なくとも14塩基、例え ば約20塩基の距離が特に有益である。もちろん、この基準は、基質が互いに非常 に近接したXUX部位を有する場合にのみ考慮されるべきである。そうではなく 、基質のXUX部位が互いに8ないし20塩基よりも離れている場合には、この選 択基準は重要ではない。 b)標的とされるXUX部位は、好ましくは、意味のある二次構造を有してい ないキャプシドタンパク遺伝子の一部に位置する。これは、基質へのポリリボザ イムの接近を容易にし、その効率を増大させる。 c)標的とされるXUX部位は、1つの同じウイルスの異なる株の間で、もし くは異なる関連ウイルスの間で保存された相同領域を形成することができる。こ の基準を考慮して構成されたポリリボザイムは、幾つかのウイルス株もしくは幾 つかの関連ウイルスを特異的に開裂することが可能である。例えば、PLRVの キャプシドタンパク遺伝子の中央領域は、関連ウイルスBWYVおよびBYDV のキャプシドタンパクの配列と比較して、高度に保存されている。このため、こ の 中央領域内のXUX部位、特にGUXは、この発明のこの変形によるポリリボザ イムの好ましい部位を構成する。 また、例として、CMVのキャプシドタンパクの配列の5’末端は(約100塩 基の長さにわたって)、I17F、FNY、M、I、O、Y、DおよびC株の間で 高度に保存されている。この保存配列の84位には、これらの株の全てにおいて、 保存されたGUC部位が存在する。 この発明の変形によると、CMVの幾つかの株を不活性化し得るポリリボザイ ムは、その触媒領域の中に、この84位に対応する相補的配列の部位に位置する1 つの触媒領域を含む(後述の例を参照)。 d)標的とされるXUX部位の他の選択基準は、形質転換しようとする植物の 内在遺伝子との相同性がないことである。実際、稀ではあるが、幾つかのウイル スは、植物のゲノム中に相同性が見出せる配列を有している。このため、そのよ うな配列中に位置するXUX部位は避けることが重要である。 この発明の特に好ましい態様によると、ポリリボザイムは、上述の2つの必須 部分(i)および(ii)に加えて、第3の構成要素(iii)を包含し得る。この 第3の構成要素(iii)は、ウイルスのキャプシドタンパク遺伝子に非相補的な 1以上の配列である。触媒領域と同様に、これらの非相補的配列は、相補的配列 の異なる部位に挿入されている。相補性は、この挿入によって断絶されている。 驚くべきことに、ポリリボザイムのハイブリダイジング・アーム内でのそのよう な非相補的配列の存在によって、ポリリボザイムと基質とのハイ ブリダイゼーションが妨げられることはなく、幾つかの場合には開裂反応の効率 が改善され得ることさえあることを発明者らは観察した。 これらの非相補的配列は相補的配列の2つの連続した塩基の間に挿入され、そ の結果、非相補的配列は相補的配列と共線形挿入[colinear insertion]を形成 する。この場合、ポリリボザイムは以下の構造を有する: ((ハイブリダイジング・アーム−触媒領域−ハイブリダイジング・アーム)− (非相補的配列)np(ここで、n=0または1、およびp>1) この発明のこの態様の例として、ハイブリダイジング・アームが、連続しかつ 隣接する、基質の異なる断片に相補的であり、非相補的配列によって共に連結さ れているリボザイムの配列からなるポリリボザイムに言及することができる。換 言すると、このような構造のハイブリダイジング・アームの集合は、キャプシド タンパク遺伝子に相補的な配列を再構築する。 ポリリボザイムにおける非相補的配列の存在は、ポリリボザイムの2つの触媒 領域の間の距離が基質における2つの対応GUC部位の間の距離よりも大きいこ とを意味する。この発明のこの変形によると、触媒領域の各側部に位置するハイ ブリダイジング・アームの長さは、各側部について少なくとも4塩基、好ましく は少なくとも8塩基でなければならず、800ないし1000塩基もの長さであっても よい。 非相補的配列(複数)の性質は、その(それらの)機能に よって大きく変化し得る。基質の対応する2つXUX部位が互いに比較的近接し ている場合には、“パッディング”機能を有する配列、すなわち、ポリリボザイ ムの2つの触媒領域の間の距離を増大させる働きをする配列があり得る。この方 式においては、2つの隣接する触媒領域の間の不活性二重鎖[inactive duplexe s]の形成を回避することができる。予め定めされた二次構造を有し、相当の長 さ、例えば800を超える塩基を有するポリリボザイムが、それ自身再度折り畳ま れて活性のない二次構造となることを防ぐ効果を有する配列を、非相補的配列と して用いることも可能である。このタイプの構造の例として、1以上の必須塩基 が欠失することによって不活性化されたリボザイムに言及することができる。こ の発明の態様のこの様式は、下記例に記述されるポリリボザイム136によって例 示されている。 ポリリボザイムの非相補的配列はまた、厳格な機能を有していてもよい。例え ば、形質転換体の選別に用いることができるコーディング配列、またはキャプシ ドタンパク以外の基質に作用し、もしくはポリリボザイムの一部に対して作用す るcisであるリボザイムを含む配列によって構成されていてもよい。一般的に 言えば、非相補的配列はタンパク質をコードしない。クローニングの多重部位を 有していてもよい。非相補的配列は、通常、2ないし500塩基、例えば20ないし1 00塩基の長さを有する。複数の相補的配列がある場合には、それらが一緒になっ てポリリボザイムの長さの約90%まで、例えば50%を構成することができる。 この発明のポリリボザイムは、通常RNAからなる。とは言うものの、ポリリ ボザイムの幾らかの部分、例えば、ハイブリダイジング・アームもしくはそれら のアームの一部、または触媒領域の一部、特に“ループ”、でさえも、触媒活性 が維持されるという条件の下で、DNAで置き換えることが可能である(例えば 、国際特許出願WO-9119789に記述されるDNAによるRNAの置換を参照)。 この発明のポリリボザイムは、あらゆるウイルスキャプシドタンパクを不活性 化するために構築することができる。キャプシドタンパクは、ウイルスゲノムに よってコードされ、重合体キャプシド[polymeric capsid]を造り上げるタンパ クサブユニットである。キャプシドは、核酸に沿って整列するこれらの同一のタ ンパクサブユニットの連続からなる。キャプシドサブユニットの空間配置が、ウ イルスによって、螺旋もしくは二十面体構造のいずれかを生じる。この発明は、 エンベロープを有するウイルスの他に、螺旋状粒子、もしくは二十面体粒子のい ずれかを有するウイルスのキャプシドタンパクを指向するポリリボザイムに関す る。エンベロープはヌクレオキャプシドを取り巻くリポタンパク質の膜である。 適切なウイルスの例として、以下の群から選択されるウイルスに言及すること ができる:カリモウイルス群[Caulimoviruses]、例えばカリフラワーモザイク ウイルス(CaMV);ジェミニウイルス群[Geminiviruses]、例えばメイズ ストリークウイルス[Maize Streak Virus](MSV);レオウイルス科[Reov iridae]、例えばウーンドツモーウイルス [Wound Tumor Virus](WTV);ラブドウイルス科[Rhabdoviridae]、例え ばジャガイモ黄萎ウイルス[Potato Yellow Dwarf Virus](PYDV)、トマ トスポッテッドウイルトウイルス群[Tomato Spotted Wilt Virus](TSWV );タバモウイルス群[Tobamoviruses]、例えばタバコモザイクウイルス(T MV);ポテックスウイルス群[Potexviruses]、例えばジャガイモXウイルス (PVX);ポチウイルス群[Potyviruses]、例えばジャガイモYウイルス( PVY);カーラウイルス群[Carlaviruses]、例えばカーネーション潜在ウイ ルス[Carnation Latent Virus](CLV);クロステロウイルス群[Clostero viruses]、例えばビート萎黄ウイルス[Beet Yellow Virus](BYV);トブ ラウイルス群[Tobraviruses]、例えばタバコラットルウイルス[Tob acco Rat tle Virus](TRV):ホルデイウイルス群[Hordeiviruses]、例えばムギ斑 葉モザイクウイルス[Barley Stripe Mosaic Virus];チモウイルス群[Tymovi ruses]、例えばターニップイエローモザイクウイルス[Turnip Yellow Mosaic Virus](TYMV);ルテオウイルス群[Luteoviruses]、例えばオオムギ黄 萎ウイルス[Barley Yellow Dwarf Viruses](BYDV)もしくはジャガイモ 葉巻ウイルス[Potato Leaf Roll Virus](PLRV);トンブスウイルス群[ Tombusviruses]、例えばトマトブッシスタントウイルス[Tomato Bushy Stunt Virus](TBSV);ソベモウイルス群[Sobemoviruses]、例えば南部インゲ ンモザイクウイルス[Southern Bean Mosaic Virus](SBMV);タバコネクロシスウイルス群(TNV);ネポウイルス 群[Nepoviruses]、例えばタバコリングスポットウイルス[Tobacco Ring Spot Virus](TRSV);コモウイルス群[Comoviruses]、例えばカウペアモザ イクウイルス[Cow Pea Mosaic Virus](CPMV);エンドウエネーションモ ザイクウイルス群[Pea Enation Mosaic Virus](PEMV);ククモウイルス 群[Cucumoviruses]、例えばキュウリモザイクウイルス[Cucumber Mosaic Vir us](CMV);ブロモウイルス群[Bromoviruses]、例えばブロモモザイクウ イルス[Brome Mosaic Virus](BMV);アイラーウイルス群[Ilarviruses ]、例えばタバコストリークウイルス[Tobacco Streak Virus](TSV)。こ れらのタンパクの配列は公知である(例えば、モノグラフ:“Elements de Viro logie Vegetale”、Pierre Cornuet、I.N.R.A.Paris、1987、ISBN:2-85340-80 8-6に引用されている多くの参考文献を参照)。 特に好ましい変形によると、キャプシドタンパクはキュウリモザイクウイルス (CMV)のものである。キュウリモザイクウイルスはククモウイルス群に属す るウイルスであり、750種を超える植物がCMVに感染し得るため、耕種学的に 非常に重要なものである。CMVは、3つのゲノムRNA(RNA1ないし3) およびサブゲノムRNA(RNA4)を有する二十面体粒子からなる多成分ウイ ルスである。RNA3は、キャプシドタンパク遺伝子のコピーを有している;し かしながら、RNA3から誘導されるサブゲノムRNA4 はキャプシドタンパク合成のためのマトリックスとして働く。CMVの異なる株 は2つの群に分けられる: *株C、D、FNY、Y、I17FおよびChiを含む、サブグループI; *株QおよびWLが属するサブグループII。 同じサブグループに属するCMV株のキャプシドタンパクのアミノ酸配列の比 較では、95%の相同性が示された。サブグループIおよびIIの間の配列相同性は 低く、80%のオーダーである。 CMV(I17F株)のキャプシドタンパクを指向するこの発明のポリリボザイ ムは、CMVの異なる株の不活性化に極めて有効であることが見出されており、 結果として形質転換植物を完全に耐性としている。 このポリリボザイムに加えて、この発明はまた、前述の類のポリリボザイムも しくはポリリボザイムをコードする配列を植物体に導入することを特徴とする、 植物体をウイルスに対して耐性にする方法にも関する。 通常、植物体へのポリリボザイムの導入は遺伝子形質転換によって行なわれ、 それによりポリリボザイムをコードするDNA配列が植物のゲノムに安定に組み 込まれる。 外来DNAを植物に導入する公知手段の全て、例えば、アグロバクテリウム[ Agrobacterium]、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合、粒子銃を用 いる衝撃、または花粉、小胞子、種子および未成熟の胚のような細胞へのDNA の浸透、ジェミニウイルスもしくはサテライトウイルスのよ うなウイルスベクター、を用いることができる。アグロバクテリウム・ツメファ シエンス[Agrobacterium tumefaciens]およびリゾジェネス[rhizogenes]が 好ましい手段である。この場合には、ポリリボザイムをコードする配列が、形質 転換体を選別するために必要な配列の他に、プロモータ、ターミネータ等の必要 な全ての調節配列と共に、適切なベクターに導入される。 また、この発明は、この方法によって得られる遺伝子導入植物体にも関する。 特には、この発明は、ウイルスに対して耐性の遺伝子導入植物体であって、転写 後にこの発明によるポリリボザイムを生じる配列をそれらのゲノム中に有する植 物体に関する。 この明細書において、“完全な耐性[complete resistance]”という用語は 、徴候の完全な欠如を意味する;“寛容性[tolerance]”は、植物体が感染は するが、すなわち徴候は示すが、直に回復することを意味する。“感受性[sens itive]”という用語は、植物体が徴候を示し、かつウイルスを複製することを 意味する。“耐性型[resistant type]”という表現は、完全に耐性の植物体と 寛容性の植物体の総体を意味する。 この発明の遺伝子導入植物体の“耐性”は、以下の方法で試験することができ る:第1世代の子孫に対して自家受精、または非形質転換ゲノタイプとの異種交 配を行ない、T1を得る。続いて、T1植物体に問題のウイルスを接種する。この 発明によると、自家受精の後には、T1の75%が完全な耐 性である。非形質転換ゲノタイプとの異種交配の場合には、植物体の50%が完全 な耐性である(これらの数字は、この発明に従って、形質転換および再生手続を 受けた植物体の全てのポピュレーションを試験することにより得た。形質転換さ れたのが、これらの植物体のわずかに75%のみであることは注目ざれるべきこと である)。 植物体の形質転換された性質は、“サザーンブロット”分析を行なうことによ り確かめることができ、形質転換によって導入された配列の発現は、“ノーザン ブロット”分析を行なうことにより確かめることができる。これらの分析は、後 記の例に記述されている。 従来の技術において周知の、植物体の形質転換および再生の方法は、この発明 のポリリボザイムによって保護された遺伝子導入植物体の作製に完全に適合して いる。例として、特許出願EP-A-0412912に記述されるメロンの形質転換および再 生方法に言及することができる。 CMVに対して耐性の遺伝子導入植物体、例えば、メロン、キュウリ、ズッキ ーニ、トマト、ペッパー、マメが特に好ましい。 図面には、発明の様々な面が示されている: −図1は、この発明のポリリボザイムの触媒領域の好ましい構造を示しており 、これらの領域は、各々の側部で、ウイルスのキャプシドタンパクの一部に相補 的な配列に取り囲まれている: (i)図1Aにおいて:Xは、A、G、CもしくはUを表 わす;各々のXは同じであるか、もしくは異なっている;n+n’≧6、nおよ びn’は同じであるか、異なっている;(*)は相補的リボヌクレオチド間の水 素結合を表わす;X’およびX”は、それらの長さの少なくとも一部に亘って互 いに相補的であり、かつ少なくとも1つのヌクレオチドによって互いに連結して ループを形成する可能性があるオリゴリボヌクレオチドを表わす。A’の後に、 A、G、CもしくはUから選択されるさらなるヌクレオチドが挿入されていても よい。このリボザイムの触媒領域は、図1Aの部分(II)で表わされ、ハイブリ ダイジング・アームは部分(I)で表わされる。 (ii)図1Bにおいて:X、(*)、n、n’およびA’は図1Aと同じ意味 である。MおよびM’≧1で、これらは同じであるか、異なっている。Bは、結 合、塩基対、リボヌクレオチドもしくは少なくとも2つのリボヌクレオチドを有 するオリゴヌクレオチドを表わす。 (iii)図1Cはリボザイムの好ましいモデルを表わす(Haseloff and Gerlac h,1988)。RNA基質は、GUC開裂部位の周りに、リボザイムに相補的ない かなる配列(X)を有していてもよい。矢印は開裂部位を示す。保存された塩基 は黒で示されている。 (iv)図1Dは、その触媒領域のループが要素“P”で置き換えられた(“ミ ニザイム”と呼ばれる)リボザイムの構造を表わす。Pは、配列(X’)nおよ び(X)n'およびPがリボヌクレオチドのみからなる場合に、“P”群のリボヌ クレオチドが“ワトソン−クリック”塩基対形成[base pairing]で対を形成す る塩基ではないという条件の下で、少なくとも1つのヌクレオチド(リボヌクレ オチド、デオキシリボヌクレオチド、誘導体もしくは混合物)であればよい。“ P”はまた、リボザイムの触媒活性に影響を及ぼさない結合、もしくは原子、も しくは原子団であってもよい。Xは図1Aと同じ意味を有する。 −図2はCMV(I17F株)のキャプシドタンパクの配列を示し、GUC部位 には下線が付されている。 −図3は、TobRSVの触媒部位をCMVキャプシドタンパクの配列の異な る部位に導入するための指向変異生成実験[directed mutagenesis experiments ]に用いられるオリゴデオキシリボヌクレオチドA、B、C、Eの構造を示す( DNAマトリックス配列とハイブリダイズして示される)。 −図4は、CMVに耐性を誘導するために構築された遺伝子の構造を示す: (i)キャプシドタンパク (ii)ポリリボザイム136:2つのリボザイムを有する、キャプシドタンパク に相補的な配列; (iii)ポリリボザイム161:3つのリボザイムを有する、キャプシドタンパク に相補的な配列; (iv)ポリリボザイム163:3つのリボザイムを有する、キャプシドタンパク に相補的な断片; (v)ポリリボザイム165:4つのリボザイムを有する、キャプシドタンパク に相補的な配列; −図5は、ポリリボザイム136を発現する遺伝子導入メロン植物体(第1代形 質転換体、幾つかの場合にT1およびT2子孫)のノーザンブロット分折を示す : T0:第1代形質転換体; T1:T1子孫; T2:T2子孫; A :141.1株; NT:非形質転換対照 −図6は、ポリリボザイム136を発現する遺伝子導入メロン植物体(第1代形 質転換体、幾つかの場合にT1およびT2子孫)のサザーンブロット分析を示す : T0:第1代形質転換体; T1:T1子孫; T2:T2子孫; NT:非形質転換対照 −図7は、キャプシドタンパク遺伝子を発現する遺伝子導入メロン植物体(第 1代形質転換体、幾つかの場合にT1およびT2子孫)のサザーンブロット分析 を示す: T0:第1代形質転換体; T1:T1子孫; T2:T2子孫; A :88.105株; B :159.8株; NT:非形質転換対照。 −図8は、pBIOS135で形質転換された遺伝子導入メ ロン植物体(第1代形質転換体)のウェスタンブロット分析を示す: A、B、C、DおよびE:5つの株の第1代形質転換体 NT:非形質転換対照 R :20ngのCMVでの再構築。 −図9は、pBIOS135で形質転換された株における、時間の経過に伴うC MVの徴候の発症を示す: −図10は、pBIOS135で形質転換された株における、時間の経過に伴うC MVの徴候の発症を示す: 実施例 以下の例は、24塩基のハンマーヘッド・コンセンサス構造(図1)および異な るサイズの、CMV(I17F株)のキャプシドタンパクの配列に相補的なアーム からなる3もしくは4つのリボザイムを含む4つのポリリボザイムの構築を記述 する。これらの例に示されるキャプシドタンパクのヌクレオチド配列の番号付け は、特許出願EP-A-0412912において用 いられるものに相当する。 これらのリボザイムの各々は、CMVのキャプシドタンパクの遺伝子配列に沿 って異なるGUC配列を開裂する。これらの構築物の構造は図4に示される: ‐1074塩基長のポリリボザイム136は、リボザイムA(84位)およびB(108位 )、並びにGおよびA(20および21位)が欠失しているリボザイムC*(204位) を含み、これらのリボザイムは以下の長さの相補的アームに取り囲まれている: ・5´末端からリボザイムAまでの82ヌクレオチド; ・リボザイムAおよびBの間の22ヌクレオチド; ・リボザイムBおよびC*の間の94ヌクレオチド; ・およびリボザイムC*から3´末端までの803ヌクレオチド。 ‐1076塩基長のポリリボザイム161はポリリボザイム136と同一であり、唯一の 相違は204位のリボザイムCがリボザイムC*で欠損しているGおよびAを有して いることである。 ‐426塩基長のポリリボザイム163は、以下の長さの相補的アームに取り囲まれ る、3つのリボザイムA(84位)、B(108位)およびC(204位)を有している : ・5´末端からリボザイムAまでの82ヌクレオチド; ・リボザイムAおよびBの間の22ヌクレオチド; ・リボザイムBおよびCの間の94ヌクレオチド; ・およびリボザイムCから3´末端までの153ヌクレオチド。 ‐1099塩基長のポリリボザイム165は、以下の長さの相補 的アームに取り囲まれる、4つのリボザイムA(84位)、B(108位)、C(204 位)およびE(608位)を有している: ・5´末端からリボザイムAまでの82ヌクレオチド; ・リボザイムAおよびBの間の22ヌクレオチド; ・リボザイムCおよびEの間の94ヌクレオチド; ・リボザイムEから3´末端までの399ヌクレオチド。 これらのポリリボザイムは、それらの発現および植物ゲノムへの組み込みに必 要なシグナルを含んでいない。構成もしくは非構成プロモータ(例えば、NOS のようなウイルスもしくはバクテリアプロモータ、またはルビスコ[Rubisco] もしくはユビキノンのプロモータのような植物プロモータ)をポリリボザイムの 5´末端に配置し、ポリ(A)配列を3´末端に配置しなければならない。植物 において機能する幾つかのプロモータを用いることができる;発明者らは、最も 強力な構成プロモータであると思われるカリフラワーモザイクウイルス(CaM V)由来の35Sプロモータを選択した。ポリアデニル化シグナル・ポリ(A)は 、CaMVの35S遺伝子のものであっても、植物から単離された遺伝子のもので あっても、あるいはオクトピンシンターゼのものであってもよい;発明者らは、 ノパリンシンターゼの遺伝子(tnos)由来のポリ(A)シグナルを選択した 。構築されたこの発現カセットを、カナマイシン耐性遺伝子(ネオマイシン・ホ スホートランスフェラーゼをコードする遺伝子neo)およびグルクロニダーゼ をコードするiud A遺伝子を含むpBI 121ベクターに由来するpBIOS 4形質転換ベクターに 導入した。メロン子葉の遺伝的形質転換およびトランスジェニックメロン植物体 の再生のプロトコルは、バイオセム[BIOSEM]名義の特許“トランスジェニック メロン”、EP-A-0412912に記述されているものと同じである。 例 1:キュウリ・モザイクウイルスのキャプシドタンパク遺伝子に対するリボ ザイムの構築、I17F株: pBIOS 113と呼ばれるCMV I17F株のRNA4に相補的なDNAを有 する、ファージミド・ブルースクライブ[phagemid bluescribe]pBSIIS K(STRATAGENE)を用いて、CMVの異なる株に耐性のトランスジェニックメロ ンを得た。前記ファージミドの作製手順は欧州特許出願EP-A-0412912に記述され ており、異なるリボザイムを構築するための出発点として役立つ。 サテライトTobRV(タバコ輪紋病ウイルス)の触媒部位をキャプシドタン パク遺伝子の配列中の異なる位置に導入した。1007塩基長の、CMV I17F株 のRNA4に相補的なDNA配列はEP-A-0412912の図3に示されている;キャプ シドタンパクをコードする部分はアミノ酸配列を伴って示されている。 ハーゼルホフおよびゲルラッハ[Haselhoff and Gerlach]によって記述され た“ハンマーヘッド”型のリボザイムがGUCモチーフのCの後を優先的に開裂 させるので、キャプシドタンパクをコードする配列上の4つ位置が選択された( 図2): *位置A、ヌクレオチド84、 *位置B、ヌクレオチド108、 *位置C、ヌクレオチド204、 *位置D、ヌクレオチド608。 これらの位置に、通常“ハンマーヘッド”と呼ばれる24塩基のリボザイムを導 入するために、クンケル[KUNKEL]によって開発された一本鎖DNA上での変異 誘発法(Proc.Nat.Acad.Sci.82:488-492)を用いることを決定した。この方法 は、変異誘発されるDNAと部分的にハイブリダイズし、DNAポリメラーゼを 用いて相補鎖を合成するためのプライマーとして3´末端で役立つ合成オリゴデ オキシリボヌクレオチドを必要とする。以下の4種のオリゴヌクレオチドをユー ロジェンテック社[EUROGENTEC company]に注文した: これら4種のオリゴヌクレオチドおよびバイオラド社[BIORAD company]から 購入した誘発変異キット[directed mutagenesis kit](カタログ番号170-3576 )の助けを借りて、ファージミドpBIOS113から生成した一本鎖DNAに変 異を誘発した。図3は4種のオリゴヌクレオチドの標 的一本鎖DNAへのハイブリダイゼーションを示し、矢印は、相補鎖を合成する DNAポリメラーゼの作用を示す。最初に、断片の幾つかのサイズ増加を検出す るために、大腸菌の形質転換後に得られた幾つかの組換えクローンの分析を、制 限酵素で消化することにより行なった。ユナイテッド・ステート・バイオケミカ ルズ社[Unitd States Biochemicals company]から得た“シークエンスR[seq uence R]”キット・バージョンIIの助けを借り、22塩基のオリゴヌクレオチド であるオリゴNo.13(53ないし74位)により、クローンの1つであるpBIOS1 16(これは明らかに3つの触媒部位を含んでいる)の配列決定を行なった。この 結果は、触媒部位AおよびBの完全な挿入と、触媒部位Cの不完全な挿入を示し た。触媒部位の20および21位での2つの塩基(GおよびA)の欠損も生じた。ラ ムおよびヘイ[Lamb and Hay](Journal of General Virology,1990,71:225 7-2264)によって示されたように、この部位は開裂については機能し得なかった が、リボザイム活性を欠く非相補的配列がポリリボザイム中に存在することによ る効果を研究するために、発現ベクターpBIOS3(Perez et al.,Plant Mo l.Biology 1989,13:365-373)に約1100bpのDNA断片(1007bp+21bp ×2+19bp+5´および3´でのポリリンカーの隣接配列)を反対向きにクロ ーン化することが決定された。このために、プロメガバイオテック社[PROMEGA BIOTECH company]から得たプラスミドpGEH7 2f(+)のKpnI−Xb aI部位にpBIOS113のKpnI−XbaI 断片をクローン化した:これは、触媒部位を含むキャプシドタンパクの配列のい ずれかの側にBamHI部位を備える目的で行なわれた。次いで、得られたプラ スミドpBIOS151をBamHIで消化し、考察対象の断片(ポリリボザイム1 36、図4)をpBIOS3のBamHI部位に導入した。カリフラワーモザイク ウイルスの強力な構成プロモータとノパリンシンターゼ遺伝子のターミネータと の制御の下、この断片をアンチセンスの向きに含む組換えクローンを選択し、p BIOS125と名付けた。 上述の転写調節のための配列の制御の下、リボザイム(2つの機能的触媒部位 と1つの削除された部位とを有する相補的断片)を含むこのプラスミドのEco RI断片を、二元ベクター[binary vector]pBIOS4のEcoRI部位に クローン化した。後者は、β−グルクロニダーゼをコードする遺伝子の3´末端 に位置するEcoRI部位を抑制し、かつ同じ遺伝子の5´末端にEcoRI部 位を創出することによって変性されたベクターpBI121(Jefferson et al.,1 987:EMBO Journal 6:3901-3907)の誘導体である。得られた二元ベクターpB IOS136を、C58′3株由来の、アグロバクテリウム・ツメファシエンス[Agro bacterium tumefaciens]の無毒化株RC58′3(Mullineaux et al.,Plant Sci ence 63:237-245,1989)におけるトリペアレンタル[triparental]接合の後 、異なる形質転換実験に用いた。この二元ベクターは、実際、リファムピシンに 耐性の偶発突然変異体である。 例 2:キュウリモザイクウイルスI17F株のキャプシド蛋白の遺伝子に対し て作用する異種リボザイムの構築 例1に記載のポリリボザイム136(図4)が608位に対して作用する触媒 部位を含んでいなかったと仮定して、また204位に対して作用する触媒部位が 不完全であったと仮定して、更なる突然変異誘発指示実験が開始された。この目 的のために、ファルマシア(PHARMACIA)社から入手されたEcoRIにより消 化したファージM13・mp18中に、プラスミドのEcoRI断片がクローン 化された。二つの目的触媒部位を含むキャプシドタンパク遺伝子のコード鎖のキ ャップシド化を可能にする組換ファージの特徴づけを行い、それをオリゴデオキ シリボヌクレオチドCおよびEを(一緒にまたは別々に)使用する新しい突然変 異誘発実験用のマトリックスとして使用した。後者は、出発物質がファージであ るので、単一鎖のマトリックスの産生に非常に好ましい事を除いては、前記の例 において提示された様に行なわれた。異なる組換クローンを、オリゴヌクレオチ ドNo.13および19量体オリゴヌクレオチド(ポジション694から676 )を使用して配列決定した。後者は、608位に導入された触媒部位の配列決定 を可能にした。本発明に適合した触媒部位を含むクローンを使用して、二元ベク ター(binary bector)pBIOS161、pBIOS163、pBIOS16 5(図4参照)が構築された。二元ベクターpBIOS161は、無欠損触媒部 位Cを含んでいることを除いて、pBIOS136と同一である。 キャプシドタンパクの遺伝子の全配列とハブリダイズするリボザイムをコード しており、且つ3つの機能的触媒部位A、B、C(pBIOS161の場合)ま たは4つの機能的触媒部位A、B、C、E(pBIOS165の場合)を含む遺 伝子の場合には、二元体ベクターpBIOS4のEcoRI部位におけるクロー ニングは、35Sプロモータ、リボザイム、ターミネータNOSから構成される EcoRI断片を精製した直後に行われる。3つの触媒部位A、B、Cを含み、 CMV(pBIOS163の場合)のRNA4の5´末端における最初の360 塩基のみとハブリダイズするリボザイムの場合には、制限酵素HindIII( キャプシドタンパクの遺伝子の配列の361位、並びにこの配列とポリリンカー に由来する配列との3´境界に位置するHindIII部位)で消化した後、残 りの3´部分の欠損を生じさせた。このように欠損させたプラスミドのEcoR I断片を、次いで二元ベクターpBIOS4のEcoRI部位にクローン化した 。 ポリリボザイムを発現するメロンの形質転換及び再生: 最後の3つの二元ベクターをアグロバクテリアに導入し、特許出願EP−A− 0412912に述べたようにして、形質転換に使用した。 例 3:遺伝子導入植物体の分子レベルでの分析 *ノーザン・ブロット分析: pBIOS136による形質転換後に得られたメロン植物体をノーザン・ブ ロットにより分析した(図5)。温室で栽培された遺伝子導入および非遺伝子導 入植物体の若葉から、 チャンドラーら(Chandler et al.)(Plant Physiology(1983),74:47-54) のプロトコールに従って全RNAを抽出した。 全RNAを、1%変性アガロースゲル中において電気泳動にかけ、ハイボンド C(Hybond C)に移し、BamHI断片の三重消化物から得られた断片により構 成されたプローブでハブリダイズした。該BamHI断片は、3つのリボザイム [(そのうち二つは機能的(ポリリボザイム136)である]を持つキャプシド タンパクの遺伝子の完全な相補的断片に相当する。三重消化物は相同配列同志の ハイブリダイゼーションを有利に行ない、より強い信号を得る事が可能である。 ゲルに投入される全RNAの量及び該RNAの質の同一性がメチレンブルーに よる膜染色によって解明された。第一次形質転換細胞および対応するT1および T2世代の転写レベルで得られた結果を図2に図示すると共に、下記のことが示 された。 − 形質転換された植物体に由来する全てのサンプルで、1.45kbの主 要転写物が観察されたが、ネガテイブコントロールでは観察されなかった; − 転写物の数は、第一次形質転換細胞によりかなりばらつきがある。これ は、植物ゲノムの異なる遺伝子座にT−DNAが組み込まれたか、またはT−D NAの断片が組み込まれたかによって、つまり環境の影響によって説明され得る かもしない。 − 第一次転写物の転写レベルおよびそのT1およびT 2世代には相関関係が存在しない。 *サザン・ブロット分析 pBIOS136またはpBIOS135による形質転換後に得られたメロ ン植物体は、サザン・ブロットで分析された(図6及び7)。温室で栽培された 植物体植物(第一次形質転換細胞、場合によっては、T1及びT2世代)および 非形質導入若葉より、デラポータ(Dellaporta et al.)(Plant Molecular Bio logy Reporter(1983)1:19-21)のプロトコールに従って、全DNAが抽出さ れた。全DNAは、EcoRI(pBIOS4における目的遺伝子の発現カセッ トのクローニング部位)で加水分解され、0.8%アガロースゲル中での電気泳 動に供され、ハイボンドN+に移され、三つのプローブ:遺伝子nptII、3 重消化されたポリリボザイム136(ノーザレンブロット分析参照)及び遺伝子 gusでハブリダイズされた。 pBIOS136(図6)による5つの形質転換ケースで得られた結果: − 146.42系: 第一次形質転換細胞146.42、T1世代およびふたつのT2世代の場合、 3つのプローブによるハブリダイゼーションプロフィルが同一であり、これはT −DNAの断片に隔絶がなく、おそらく単一の遺伝子座がある事を示す。ポリリ ボザイム136は、植物体ゲノム中に数コピー存在している。実際、1.75k b;4、4kb;8.3kb;8.8kbの大きさを持つ4つのハブリダイゼー ション・バンドは目視 可能である。1.75kbバンドは、EcoRI、ポリリボザイムのカップルで 得られる理論値サイズのバンドに相当する。4.4kbバンドは、ポリリボザイ ム136及び遺伝子nptIIの両者とハブリダイズする。さらに、EcoRI /nptIIのカップルによる分析では、このバンドの検出には至らない。これ は、nptII遺伝子の単一コピーが植物体ゲノムに存在することを示す。8. 3kbおよび8.8kbのバンドは、ポリリボザイム136およびgus遺伝子 とハブリダイズする。これらの二つのバンドだけが、EcoRI/gusのカッ プルで検出され、これは、gus遺伝子のすべてまたは一部分のコピーがふたつ ある事を示している。XbaIによって消化された、T0、T1、T2植物のD NAをもつ3つのプローブのハブリダイゼーションは、単一遺伝子座の存在を示 唆している。 − 146.34系 第一次形質転換細胞146.34およびそのT1世代の場合には、第一次形質 転換細胞の数個のハブリダイゼーション・バンドのみが、個々のT1に存在して いる。これは、T−DNAの一定の断片が排除されたという事実を強調している 。EcoRI/ポリリボザイム136の分析について、1.75kb、3kb、 5.3kbのサイズの3バンドの存在が、T0及びT1植物に共通しており、植 物体T1には、さらに7.3kb、6.8kbおよび4.25kbサイズの3バ ンドが存在していることが特徴的である。これは、少なくとも3および6のポリ リボゾーム136のコピーが、T1および T0植物に夫々存在することを示している。nptIIハブリデイゼーションに おいて、3kbおよび5.3kbの2つのEcoRIバンドがT0植物で検出さ れる。これは、nptII遺伝子のすべてまたは部分の二つのコピーがある事を 示している。T1植物では、3kbのEcoRIバンドのみが目視可能である。 これは、nptII遺伝子の単一コピーが存在することを示している。gusハ ブリダイゼーションにおいては、4.25kb、5.3kb、6.8kbサイズ の3つのEcoRIバンドが、T0植物で発見されるのに対して、T1世代では 、5.3kbバンドのみが存在している。これは、gus遺伝子の全てまたは一 部分の3コピー及び1コピーが、T0およびT1植物に夫々存在していることを 示す。さらに、XbaIによって消化されたT0及びT1植物のDNAを持つ3 プローブのハブリデイゼーションは、2つの遺伝子座の存在を示唆している。 − 146.30及び146.28系: 第一次形質転換細胞146.30及び146.28、およびそれら各々のT1 世代の場合、類似の観察が得られた。 − 141.1系: 第一次形質転換細胞141.1およびその後続世代の場合には、そのハブリデ イゼーション・プロフィルは同様であった。1.75kb、10kb、および1 0kbのEcoRIバンドが、夫々ポリリボザイム136、nptII及びgu sのプローブで解明される。これは、植物ゲノムに組み込まれたT−DNAの単 一コビーが存在することを示す。 結論として、形質転換細胞146.42及びその後続世代(T1およびT2) および形質転換細胞141.1およびT1世代の場合に、遺伝的安定性がみられ る。T−DNAまたはT−DNA断片のコピーが非常に多いことが、調査された 4つの系に特徴的であるが、141.1系は、T−DNAの組み込まれたコピー のみを保有している。 さらに、T−DNAおよび/またはT−DNAの部分のコピーは、pBIOS 135で形質転換を行なった系にも存在することには注意を要する(図7)。 *ウエスタンブロット分析(比較分析) キャプシドタンパク遺伝子の発現カセットを含むpBIOS4で形質転換さ れた遺伝子導入メロン植物体を、ウエスタンブロットで分析した。BIOSEM の名義で1989年11月8日に出願された特許出願EP−A−0412912 には、使用された方法論及び得られた結果が詳述されている。しかしながら、キ ャプシドタンパク遺伝子の発現の程度は、全タンパクの0.001%から0.4 %と様々である事は強調を要する。数例を用いて、図8には発現レベルのばらつ きが図示されており、これは葉齢およびおそらくは植物体ゲノムに対する環境の 影響に依存する。 例 4:ポリリボザイム136およびキャプシドタンパク質により形質転換した メロンのCMVに対する抵抗力の試験(比較試験) キャプシドタンパク質またはポリリボザイム136の遺伝子を発現する遺伝子 導入メロン植物体(遺伝子型 TEZIER 10)を自家受精させ、または遺伝子型がTEZIER 10の非形質転換植物と交配させ た。これらの自家受精世代(T1世代)及び引き続く自家受精世代(T2世代、 ・・・)に由来する種子が、フィトトロン(phylotron;光照射時間を16時間に 設定した環境調節実験施設)に播種された。 二葉から四葉の成育段階で、上記の子孫植物の23株を、TL28株CMVに 感染した新葉の粉末標品により機械的に接種した。感染の16日(最適期間)後 、病状(モザイク、葉身のひだ発生)が観察評価された。被感染植物は、以下の 3つのカテゴリーに分類される。 − 発症のない抵抗性(resistant)植物(R); − 発症した感受性(Sensitive)植物(S); − 「回復(recover)」があった耐病性(tolerant)植物(T)、すなわち 、古い葉が病状を示すのに対し、新生の葉に発症のないものである。 「回復」にも幾つかの周期があるらしい。環境条件次第では、健常を示した新 生の葉も感染症状が現れたり現れなかったりする。 「抵抗型(resistant-type)」植物と言った場合、発症のない植物も耐病性植 物もともに含まれる。 CMVに対する抵抗性試験に用いた対照は、次の通りである。 − 感受性対照:TEZIER 10株及びベドランテス(Vedran-tais); − 抵抗性対照は、少なくとも3つのCMVの劣性遺伝子 を有するビルゴ(Virgos)及びフリーのキュウリ(Free Cucum-ber)である。 *キャプシドタンパク質遺伝子を発現する系統のT1世代のメロンの、TL28 株CMVに対する抵抗力 : 20系統から得られた結果を表1に示す。それによれば以下のことが示される : − TL28を感染させた結果、病状を示さないTI植物が3%から30%得 られる。非形質転換の対照TEZIER 10にTL28を接種したところ、得られた病 状を示さない植物は、0%であった。抵抗性対照のビルゴ及びフリーのキュウリ においては、病状を示さない植物はそれぞれ92%及び100%であり、いかな る耐病性現象(tolerance phenomenon)も示さない。 − 回復現象(The phenomenon of recovery)は、高い頻度で現れる。調べら れた14系統では、耐病性T1植物はそれ程顕著なパーセンテージ(22から59% )では見られない。 − 抵抗性(resistant)及び耐病性(tolerant)のT1植物のパーセンテー ジとキャプシドタンパク質の発現レベルの間には相関性はない。実際に、例えば 159.8および164.2の系統は、同一レベルのキャプシドタンパク質(0. 01%)を発現するが、抵抗性のレベルは異なる。159.8の系統のT1世代の 個体はすべて感受性であるのに対し、164.2の系統では26%は病状を示さ ず、48%は耐病性である。 キャプシドタンパク質の遺伝子を発現する系統のほとんどは、自家受精により 得られた。CMV接種したT1植物にお ける、キャプシドタンパク質遺伝子の理論的に予測される発現頻度は、75%で ある。抵抗型植物(病状を示さないものおよび耐病性のものである)のパーセン テージは、各遺伝子導入系統に応じて、25%から75%の範囲で変動する。 ポリリボザイム136を発現する系統のT1世代のメロンの、TL28株CM Vに対する抵抗力 : 13系統について得られた結果を表2に示す。それによれば: − 10系統 では、T1個体の30%から87%は、TL28の感染後に病状を示さない; − 「回復」現象はほとんど見られない。4系統で、9%から26%程度の耐 病性T1植物が見られるだけである。 ポリリボザイム136を発現する系統のほとんどは、非形質転換系統のTZ10と の交配により得られたものである。CMV接種したT1植物において、ポリリボ ザイムの理論的に予測される発現頻度は50%である。抵抗型植物のパーセンテ ージは、各遺伝子導入系統に応じて、30%から65%の範囲で変動する。 結果として、「リボザイム」構想(strategy)の場合では、T1世代の系統の 多くは病状を示さず、耐病性植物となるものはほとんど無い。 TL28株CMVに対する抵抗力の試験および特定系統についてのGUS試験 による分離の評価の概要 : 表3に示された結果によれば: − キャプシドタンパク質の遺伝子を発現する(88.105系統および15 3.8系統)抵抗型の2系統(病状を示さない植物および耐病性植物)並びにポ リリボザイム136を発現する(146.42系統)完全な抵抗性の1系統(病 状を示さない植物)が得られた。 − ポリリボザイム136を発現する(141.1系統および146.28系 統)耐病性の2系統(耐病性植物)が得られた。 1)各系統の遺伝学的検討: gus遺伝子の発現のレベルから、分離の様式及びホモ接合の状態の確認が可 能である。 88.105および153.8の2系統の場合、gus遺伝子の発現のレベル は、自家受精により得られたT1世代においてそれぞれ、80%及び73%であ る。これは、単独部位でのT−DNAの挿入に基づく優性遺伝子の分離がメンデ ル型(3:1)であることを示唆する。分子的な解析により、植物ゲノムに挿入 された1複製物(a single copy)分のT−DNAの存在が示されている。 さらに、gus遺伝子の発現のレベルは、両系統のT2世代においては100 %であり、挿入遺伝子がホモ接合の状態であることが確認される。 146.42系統の場合、gus遺伝子の発現のレベルは、自家受精により得 られたT1世代において77%である。このことは、単独部位でのT−DNAの 挿入に基づく優性遺伝子の分離がメンデル型であることを示す。分子的な解析に より、植物ゲノムの単独部位に複数のT−DNAおよび/またはT−DNA断片 が存在することが示されている。 さらに、T2世代におけるgus遺伝子の発現のレベルが90%であるという 事実によって、試験対象の系統がこの挿入遺伝子についてホモ接合的(homo-zyg ous)ではないことが強調される(表3)。146.42系統の場合、T3世代 においてホモ接合が現れた。未形質転換のTEZIER 10遺伝子型株との交配により 得られたT1世代において、141.1系 統のgus遺伝子の発現のレベルは57%である。このこともまた、単独部位で のT−DNAの挿入に基づく優性遺伝子の分離がメンデル型(1:1)であるこ とと一致する。分子的な解析により、植物ゲノムに挿入された1つのT−DNA の存在が示されている。 146.28系統の場合、未形質転換のTEZIER 10遺伝子型株との交配により 得られたT1世代において、gus遺伝子の発現のレベルは73%である。この ことは、複数の遺伝子座でのT−DNAの挿入についての、優性遺伝子の分離を 示唆する。分子的な解析により、植物ゲノムの2つの部位に複数のT−DNAま たはT−DNA断片が存在することが示されている。 2)ウイルスに対する挙動: 抵抗型植物はすべて、gus遺伝子を発現する。幾つかの感受性植物は、gu s遺伝子を発現する(表3)。 88.105系統の場合、自家受精により得られたT1世代において、抵抗型 の植物は25%であり、感受性植物は75%であった。このことは、抵抗性遺伝 子が劣性遺伝子であり、分離がメンデル型(1:3)であることを示す。 153.8系統の場合、自家受精により得られたT1世代において、抵抗型の 植物は55%であり、感受性植物は45%であった。抵抗性遺伝子[resistance gene]に関する結論を出すことは困難である。 141.1系統の場合、未形質転換のTEZIER 10遺伝子型株との交配により得 られたT1世代において、耐病性植物は 40%であり、感受性植物は60%であった。このことは、抵抗性遺伝子が優性 遺伝子であり、分離がメンデル型(1:1)であることを示唆する。この様に、 ポリリボザイム136の挙動は、gus遺伝子と同様である。 146.42系統の場合、自家受精により得られたT1世代において、病状の ない植物は79%であり、感受性植物は21%であった。このことは、抵抗性遺 伝子が優性遺伝子であり、分離がメンデル型(3:1)であることを示唆する。 ここでも、ポリリボザイム136の挙動は、gus遺伝子と同様である。 3)ウイルス量の評価: ELISA定量法により検出されたウイルス量は、病状のない植物では極めて 小さいが、それでも抵抗性対照であるフリーのキュウリよりも大きい(表10) 。 耐病性植物は、検出可能な量のウイルスを有する。感受性植物は、極めて大き な量のウイルスを有する。 ポリリボザイムを発現する植物(146.42系統、T2及びT3)のウイル ス量は、キャプシドタンパク質を発現する抵抗型の植物(153.8系統、T2 )のウイルス量よりも少ない。 以上から、検出されたウイルス量と病状の進行の度合いとの間には、良好な相 関があるように思われる。 4)CMVによる病状の経時変化: 図1及び図2で言及した系統のT1植物を、TL28株のCMVに感染させた 。病状は、接種の6日、8日、12日、 14日、16日及び19日後に記録した。結果をヒストグラムで示す(図9及び 図10)。 D16の後に得られた値には、それ以上の変動は見られない。「キャプシドタ ンパク質」系統の場合には、病状の見られない植物の数が多少なりとも減少する ことは、病状を有する植物の出現として留意すべきである。T1世代の88−1 05系統および153−8系統の場合、それぞれD16およびD14の日に、「 回復」の特徴を有する耐病性植物が現れる。さらに、T2世代の88−105系 統では、D8の日に病状の見られない植物の100%が、D19まで生存する1 00%耐病性の植物に転換する(図9)。 病状の見られない植物から耐病性植物へのこの急速な変化は、環境条件の顕著 な影響より説明し得る。 153.8系統のT2世代では、耐病性植物の漸増的な出現に注意すべきであ る。D16の日以降は、T2世代の50%は病状の見られない植物であり、50 %は耐病性植物である。 「ポリリボザイム」系統の場合、141.1系統および146.28系統にお いて、病状の見られないT1植物の数が減少して、病状の見られる植物が優勢に なることが強調されるべきである(図10)。 さらに、141.1系統の場合、D16の日以降は耐病性のT1植物が40% であることに注意すべきである。146.28系統では、耐病性のT2植物がD 14から増大し、D16には26%に達する。 加えて、146.42系統では、病状の見られないT1植物はD6において8 0%であり、これが経時的にほぼ安定に維持される(D8、D12及びD14で は78%、D16からは79%)。 146.42系統のT2植物は、同様の挙動を示す。この結果は、当該系統の 抵抗性が極めて高いこと、並びに子孫世代における抵抗性遺伝子[resistance g ene]が安定性であることを示している。 結論として、キャプシドタンパク質を発現する「抵抗」型の2系統と、ポリリ ボザイム136を発現する完全に抵抗性である1系統が得られた。キャプシドタ ンパク質の遺伝子を発現する2系統の場合には、観察される抵抗性は、完全な抵 抗性というよりも、むしろ耐病性に近いものである。実際に、ウイルスに感染し 、且つ深刻な病状を示す植物には、特定の環境条件下では健康な新葉が発育でき るものもある。 ポリリボザイム136を発現する完全な抵抗性系統の場合には、耐病性現象は 見られない。キャプシドタンパク質を発現する2系統の場合には、抵抗性植物に おいて相対的に大きな量のウイルスが観察される。一方、ポリリボザイム136 を発現する抵抗性植物においては、ウイルス量は抵抗性対照であるフリーのキュ ウリ[Free Cucumber]におけるウイルス量とほとんど同じくらいである。 例 5:ポリリボザイム165を発現するメロン系統のT1世代における、TL 28株CMVの感染に対する抵抗力: ポリリボザイム165を発現する13のT1系統で得られ た結果を表4に示す。それによれば: − TL28を感染させた後、12系統については、T1個体の15%から1 00%は病状を示さない; − 「回復」現象は、ほんのわずかしか見られない。5系統だけが6%から6 0%のT1耐病性植物を有する。 ポリリボザイム165を発現する系統の大半は自家受精により得られた。CM V接種したT1植物において、ポリリボザイム165の理論的に予測される発現 頻度は75%である。抵抗型植物のパーセンテージは、各遺伝子導入系統に応じ て、15%から100%の範囲で変動する。 結論として、ポリリボザイム136を発現する系統についてと同様に、ポリリ ボザイム165を発現する系統の多くは病状を示さず、耐病性植物の出現は少な い。ポリリボザイム165は、2つのリボザイム機能がさらに加わっている点で 、ポリリボザイム136とは異なる。CMVの感染に対する抵抗力について、上 記の2つの構築物は同様の結果を与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV ,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SK,UA,US,UZ,V N (72)発明者 グリュベー、ヴァロニーク フランス国、63400 シャマリエリス、ア ブニュ・ジン ― ジョレース 44 (72)発明者 ボド、ガエール フランス国、63000 クレモン ― フェ ラン、リュ・ジャンヌ・ダルク 29 (72)発明者 オリーボ、カトリーヌ フランス国、63200 リオム、リュ・デ ウ・ルアルジェンティール 22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. エンドリボヌクレアーゼ活性を有し、ウイルスのキャプシドタンパク遺 伝子を不活性化することが可能な、いわゆる“ポリリボザイム”である核酸配列 であって: i)該遺伝子もしくはその転写物もしくはその複製中間体の少なくとも一部に 相補的な配列、およびこの相補的配列の異なる部位に含まれる: ii)複数のリボザイム触媒領域; iii)および、任意の、該遺伝子の転写物に相補的ではなく、該相補的配列の 2つの保存塩基の間に挿入されている1以上の配列、 を包含することを特徴とする核酸配列。 2. 前記触媒領域がハンマーヘッドタイプのリボザイムまたはヘアピンタイ プのリボザイムまたは前記2者の混合物に由来することを特徴とする請求の範囲 第1項に記載のポリリボザイム。 3. 各触媒領域が、相補的配列において、遺伝子転写物またはその断片にお けるXUX部位に対応する部位に位置することを特徴とする請求の範囲第2項に 記載のポリリボザイム。 4. 相補的配列に含まれる触媒領域の数が、対応転写物または転写物断片中 に存在するXUX部位の総数と同じか、もしくは少ないことを特徴とする請求の 範囲第3項に記載のポリリボザイム。 5. 相補的配列における触媒領域の挿入部位が、転写物 において、同じウイルスの異なる株の間または異なる関連ウイルスの間で保存さ れている相同域内に生じるXUX部位にのみ対応することを特徴とする請求の範 囲第4項に記載のポリリボザイム。 6. 相補的配列が、触媒領域の他に、相補的配列の2つの塩基の間に挿入さ れる1以上の非相補的配列を有し、それにより該非相補的配列が共線形挿入を形 成することを特徴とする前記請求の範囲のいずれかに記載のポリリボザイム。 7. 相補的配列が、下記ウイルス群:カリモウイルス群、例えばカリフラワ ーモザイクウイルス(CaMV);ジェミニウイルス群、例えばメイズストリー クウイルス(MSV);レオウイルス科、例えばウーンドツモーウイルス(WT V);ラブドウイルス科、例えばジャガイモ黄萎ウイルス(PYDV)、トマト スポッテッドウイルトウイルス群(TSWV);タバモウイルス群、例えばタバ コモザイクウイルス(TMV);ポテックスウイルス群、例えばジャガイモXウ イルス(PVX);ポチウイルス群、例えばジャガイモYウイルス(PVY); カーラウイルス群、例えばカーネーション潜在ウイルス(CLV);クロステロ ウイルス群、例えばビート萎黄ウイルス(BYV);トブラウイルス群、例えば タバコラットルウイルス(TRV);ホルデイウイルス群、例えばムギ斑葉モザ イクウイルス;チモウイルス群、例えばターニップイエローモザイクウイルス( TYMV);ルテオウイルス群、例えばオオムギ黄萎ウイルス(BYDV)もし くはジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV);トンブスウイルス群、例えば トマトブッシスタントウイルス(TBSV);ソベモウイルス群、例えば南部イ ンゲンモザイクウイルス(SBMV);タバコネクロシスウイルス群(TNV) ;ネポウイルス群、例えばタバコリングスポットウイルス(TRSV);コモウ イルス群、例えばカウペアモザイクウイルス(CPMV);エンドウエネーショ ンモザイクウイルス群(PEMV);ククモウイルス群、例えばキュウリモザイ クウイルス(CMV);ブロモウイルス群、例えばブロモモザイクウイルス(B MV);アイラーウイルス群、例えばタバコストリークウイルス(TSV)から 選択される植物ウイルスのキャプシドタンパク遺伝子に相補的であることを特徴 とする前記請求の範囲のいずれかに記載のポリリボザイム。 8. 相補的配列が、キュウリモザイクウイルスのキャプシドタンバク遺伝子 の転写物に由来することを特徴とする請求の範囲第7項に記載のポリリボザイム 。 9. RNAからなることを特徴とする前記請求の範囲のいずれかに記載のポ リリボザイム。 10. 前記請求の範囲のいずれかに記載のポリリボザイムをコードする配列を 包含するDNA配列。 11. 請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに記載のポリリボザイムまた はポリリボザイムをコードする配列を植物体に導入することを特徴とする、植物 体をウイルスに対して耐性にする方法。 12. ポリリボザイムの導入を、植物体の一部をポリリボザイムをコードする DNA配列で遺伝的に形質転換し、次い で遺伝子導入植物体を再生することにより行なうことを特徴とする請求の範囲第 11項に記載の方法。 13. 形質転換を、アグロバクテリウム・ツメファシエンスまたはリゾジェネ スを介在させて行なうことを特徴とする請求の範囲第12項に記載の方法。 14. ウイルスに対して耐性の遺伝子導入植物体であって、そのゲノム中に、 転写の際に請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載のポリリボザイムを 生じる配列を有することを特徴とする遺伝子導入植物体。 15. CMVに対して耐性であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載の 遺伝子導入植物体。 16. メロン、キュウリ、ズッキーニ、トマト、スウィートペッパーまたはマ メであることを特徴とする請求の範囲第15項に記載の遺伝子導入植物体。 17. 請求の範囲第14項ないし第16項のいずれかに記載の遺伝子導入植物体の 果実および種子。 18. 請求の範囲第10項に記載の配列で形質転換された植物細胞。
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